【本】三島由紀夫『美徳のよろめき』~倫理や道徳を超えて快楽に溺れていく~
1、作品の概要 『美徳のよろめき』は三島由紀夫の長編小説。 『群像』1957年4月号~6月号に連載されて、同年に刊行された。 大衆向けに書かれたとも言われたこの小説のタイトル「よろめき」は、当時の流行語となった。 当時のベストセラーとなり、映画化もされた。 育ちが良い無垢な人妻である節子の婚外恋愛の顛末を描いた。 2、あらすじ 上流階級に育ち、富裕層で優しい夫・倉越一郎と結婚し、男児も1人いた節子。 恵まれた境遇で何不自由なく暮らしていた節子はやがて暇を持て余して、結婚前にかつてぎこちない接吻を交わした男友達の土屋と逢瀬を繰り返すようになる。 初めはただの火遊びのつもりであったが、世間知らずで…
2023/05/01 21:33