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ーは じ め にー 東京では待ち遠しかった🌸の開花を迎え周辺で満開の便りも聞かれるようになった現在。わが心の故郷パリでは夏のオリンピックを控え街の中心付近は軒…
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 貧しさにたえかねて一片のパンを盗み、十九年を牢獄ですごさねばならなかったジャン・ヴァルジャン。出獄した彼は、ミリエル司教の館から銀の食器を盗み出すが、神のように慈悲ぶかい司教の温情は翻然として彼を目ざめさせる。原書挿絵二百枚を収載。 ヴィクトル・ユーゴー(1802-1885)は、フランスの東部にあるブザンソンで生まれました。この地はナポレオン軍の将軍であった父の赴任地で、その後も幼少期の多くはナポレオン・ボナパルトによるスペインやイタリア遠征に伴って各地を移動して過ごしました。父の共和派(ボナパルティズム)としての考えは強くなる一方、もともと…
Goscinny e Sempé『Eu Sou o Maior』
これはフランスの本『プチ・ニコラ』(Le Petit Nicolas)シリーズのポルトガル語訳です。「O Regresso do Menino Nicolau Volume II」とありますので、この前にも一冊あるのです。今から十年以上前に7.50ユーロで購入しました。 
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 愛を語り、友情を交わし、人生の夢を追う、三組の恋人たち──純情無垢のコランと彼の繊細な恋人のクロエ。愛するシックを魅了し狂わせる思想家の殺害をもくろむ情熱の女アリーズ。料理のアーティストのニコラと彼のキュートな恋人のイジス。人生の不条理への怒りと自由奔放な幻想を結晶させた永遠の青春小説。「20世紀の恋愛小説中もっとも悲痛な小説」と評される最高傑作。 1865年、アメリカ南北戦争を終え、黒人奴隷が解放されました。アメリカの南部に位置するルイジアナ州の港町ニューオーリンズでは、政府公認の娼館のある歓楽街で、解放された元奴隷たちは生きていくために酒…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 元近衛竜騎兵のフィリップは、酒や賭博に興じ、勤め先や家族の金を使い込んだ挙げ句、軍の謀議に関与して収監される始末。息子を溺愛する母は、釈放に必要な金を工面しようと実家の兄に援助を求めるが、そこでは美貌の家政婦とその恋人が家長を籠絡して実権を握っていたのだった……。 ブルボン朝による絶対王政下では、アンシャン=レジーム(旧制度)によって、国民は異常な徴税に苦しめられていました。第一身分(聖職者)、第二身分(諸貴族)は、国土を保有する封建領主でありながら免税の特権を得ており、第三身分(特権を持たない市民)たちの多くは貧困に苦しめられていました。ル…
今週のお題「読みたい本」 今読んでいる本があります。話題になっていたので早速図書館に予約し、やっと順番が回って来たところなのですが、、。まるで映画を観ているかのように情景が鮮明に浮かび上がり、登場人物たちの心情が胸に響いて、なかなか先に進めないのです。 そのページにずっと留まって味わいたくなる不思議な本。 「あなたを想う花」上・下 ヴァレリー・ぺラン <Amazonの本の紹介より> フランスで130万部突破の国際的ベストセラー2020年イタリアで一番売れた本2022年ノルウェーで一番売れた本ウォールストリートジャーナルが選ぶベストブックに選出 ネタバレにならないように簡単にご紹介すると、主人公…
フランス人の健康観患者「私は100歳まで生きられるでしょうか?」医師「タバコは吸いますか?」患者「いいえ」医師「お酒は飲みますか?」患者「いいえ」医師「女性と…
バルザックのゴリオ爺さんがたいそう面白かったので、もう一冊読んでみよう、と選んだのがこちらの本。1803年、フランス第一共和制における執政時代が舞台です。1800年に起こった元老院議員誘拐事件をもとに書かれた小説です。ゴリオ爺さんはすんなりとストーリーに入れたのですが、暗黒事件はその逆、なかなか入れません。最初の登場人物が先代、先々代からの説明でどれがなにやら混乱したのと、フランス人名がわかりにくいこと、さらに陰謀の意図がわからないことなので、何度も読み返しながらストーリーに入り込もうと苦労しました。結局、フランスの共和制からナポレオンの帝政への過渡期の歴史を知らないとこの陰謀が理解できないので、前半は小説を読むのと、フランスの歴史を勉強するのと同じくらい時間が掛かりました^^;後半になってやっとスリリン...暗黒事件-バルザック柏木隆雄訳(ちくま文庫)
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 金満家のオルゴンは、自称零落貴族のタルチュフを信頼して家政全般をまかせ、娘と結婚させようとまでする。タルチュフはといえば敬虔な信心家をよそおってオルゴンをたぶらかし、財産横領を策し、妻にも言いよるという始末。ルイ十四世時代の社会を痛烈に諷刺したこの喜劇で、モリエールは偽善者の典型を創造した。 1643年にわずか五歳でルイ十四世は即位しました。母后アンヌ・ドートリッシュが摂政、枢機卿ジュール・マザランが実政を行い、王権の強化を図ります。既得権の弱体化を恐れた貴族、度重なる増税を苦にした庶民、それぞれが王権に反旗を翻したフロイドの乱も、マザランの…
フランス西部の田舎町に欧州各地から環境保護活動家25000人が集結し治安維持部隊と衝突、大騒ぎに。農業用貯水池の建設への反対運動
フランス西部の田舎町に欧州各地から環境保護活動家25000人が集結し治安維持部隊と衝突、大騒ぎに。農業用貯水池の建設への反対運動フランス西部の田舎町に欧州各地から環境保護活動家25000人が集結し治安維持部隊と衝突、大騒ぎに。農業用貯水池の
「星の王子さま」は、大人が読む本である。とりわけ、王子さまの星に種(たね)の形でやってきて、花開いたバラと王子さまの関係は、子供にはわからない。 王子さまはバラの美しさに感動し懸命に面倒を見たが、水をくれ、風よけを立ててくれ、夜はガラスの鉢をかぶせてくれとバラは王子さまに注文を付け、王子さまは次第に疲れバラを星に残し旅に出てしまう。 「ぼくも若かったし、彼女の愛しかたがわからなかったんだ」(集英社版、池澤夏樹訳「星の王子さま」40ページ) 地球にやってきた王子さまは、同じように綺麗なバラが5千本も咲く庭を見つけてびっくりする。 「ぼくの星のあのバラは、特別に綺麗な薔薇ではなかったのか?世の中に…
サンテグジュペリの「人間の土地」最終章は、「虐殺されたモーツァルト」という言葉で終わる。これは、いったい何を意味するのだろう? 子供たちは様々な才能を持って、生まれ、育っていく。すべての子供たちは、潜在的に「天才」である。サンテグジュペリは、こんな風に考えていたようだ。 ところが現実には、この「天才」たちは大事にされていない。サンテグジュペリは次のように書いている。 「花園に、新しい薔薇の変種ができると、園丁(えんてい)たちは大騒ぎする。人はその薔薇を別に取り分け、人はその薔薇を培養し、人はその薔薇を大事にする。ただ人間のためには、園丁がいない。少年モーツァルトも、他の子供たちと同じく、金属打…
地図帳は、小僧のブログ作成に不可欠だ。とりわけこのブログでアルチュール・ランボーやサンテグジュペリについて書いた時、小僧は何度も地図帳を開いた。ちっとも苦にならない。そして、地図上に探していたアフリカやヨーロッパの都市名を見つけた時は、小さな興奮さえ覚える。 前号で取り上げたフランスの作家、サンテグジュペリの「人間の土地」という本にも、ヨーロッパ、アフリカ、南米の地名が頻繁に出てくる。ヨーロッパ、アフリカ、南米の空を飛んだパイロットたちの物語であるから当然だし、知らない地名に出会うのは楽しみでもある。 もちろん、パリなどは調べないが、フランスのトゥールーズ、ペルピニャン、モロッコのカサブランカ…
ゴリオ爺さん (上)(下) - バルザック 高田鉄男訳 (岩波文庫)
このところモーム先生による十大小説を読んでいるのですが、「白鯨」の次に手にしたのが「ゴリオ爺さん」。バルザックは初めて読んだのですが、いやあ、面白かった。これ、もし中高生の頃に読んでたら、進路は仏文科を目指しちゃうんじゃないか、というくらい面白かったです。父性愛の話というか、依存症の話というか、立身出世の話というか、ピカレスクの話というか、貴族社会の風刺というか、教育論の話というか、とにかくいろいろなプロットがあって、それらの絡みが適度な緊張感があって、頭の中にすいすい入ってきます。そしてなにより、登場人物が個性的、今風にいえばキャラが立ってる、というところ。バルザックは、「人間喜劇」として、人物を複数の小説に渡り登場させているとのこと。ゴリオ爺さんの登場人物、ラスティニャックの未来や、ボートランの未来や...ゴリオ爺さん(上)(下)-バルザック高田鉄男訳(岩波文庫)
サンテグジュペリは、「人間の土地」のなかでフランスからアフリカへ飛行したパイロットたちの勇気や責任感について語っている。さらに、人間の愛や友情についても語っている。これは、ある面きわめて哲学的な本である。世の中に広く伝えられた彼のあの有名な言葉も、「人間の土地」の最終章に書かれている。 「愛するということは、おたがいに顔を見あうことではなくて、いっしょに同じ方向を見ることだ」(新潮文庫 「人間の土地」、216ページ) 恋愛のことだけでなく、友情とか仕事の仲間との関係を含めたとても広い意味で、サンテグジュペリはこの言葉を書いたようだ。というのは、上に引用した有名な言葉の前後には、次のような言葉が…
エールフランスが発足したのは1933年8月だ。この年の2月、日本では築地署で、プロレタリア作家、小林多喜二が虐殺された、そんな時代である。列強大国は、自国の植民地経営に熱中し、さらなる領土拡大に向け衝突していた時代である。 エールフランスは、フランスの中小航空会社五社が合併して発足した。それ以前にも、飛行機野郎たちが命がけで新たな空路を開拓し、維持していた。フランスにとって特に大事な空路は、フランス、北アフリカ、西アフリカ、そして南米を結ぶ航空路である。 当時の飛行機では、重量のある物資は運べないので、郵便や書類を運んでいた。北アフリカ、西アフリカ、そして少し遅れて南米まで、フランス人たちは進…
フランスのシャルルヴィルという地方都市が、詩人、アルチュール・ランボーの生まれ故郷であり、墓もその町にある。マルセイユの病院で息を引き取った後、彼の母親と妹が取り仕切って、シャルルヴィルに墓をつくった。 詩を捨て、イエメンやエチオピアに渡った後、彼はたくさんの手紙を書いたが、その多くは家族に宛てたものだった。少年時代から母親との関係は決して良くはなかったようだが、親より先に死んだアルチュールは母親によって埋葬された。もはや反抗しようにも反抗できず、故郷シャルルヴィルの墓地に眠っている。 小僧は、病を得てアフリカから担ぎ込まれたマルセイユの病院やシャルルヴィルの墓地を訪問したことがある。もう四十…
アルチュール・ランボーは、フランスの詩人だった。ランボーほど、「詩人だった」という過去形が似合う男はいない。二十歳前後で詩を捨て、その後はエジプト、キプロス、イエメン、ジプチ、エチオピアなどで商人として働き、三十七歳で病に倒れる。戸板にのせられ船で母国フランスのマルセイユの病院にたどり着き、右足切断の手術をしたが、永眠。享年三十七歳だった。 アルチュール・ランボーは、1854年(嘉永7年、日本が下田と箱館の二港の開港の細則を米国と締結した年)に誕生、1891年(明治24年、来日中のロシア皇太子が大津で襲われ負傷した年)に永眠した。 ランボーが生きた19世後半は、英、仏、独、伊、ベルギー、ポルト…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 ブルターニュの海岸に毎年避暑にやって来る16歳の少年フィルと清純な少女ヴァンカは、芽ばえ始めた異性愛にとまどう。フィルは知り合った美しい中年女性の別荘を訪れ、はじめて時間をすごすが、ヴァンカは彼の突然の変化を感じ取り、二人はもはや無心な遊び友達ではいられなくなる……コレットが終生追究した肉欲のテーマを少年少女の混乱した心理を通して描いた散文詩的な小説。 フランスの中心からやや北部に位置するヨンヌ県、パリから南東へ200kmほど離れたサン・ソヴール・アン・ピュイゼ(Saint-Sauveur-en-Puisaye)にてシドニー=ガブリエル・コレ…
DETECTIVE WESTERN 15 ~ 新世界の誘い ~ 5
ウエスタン小説、第5話。フィーとアンジェ(Fée et Ange)。- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -5. 大変な秘密を一人で抱える羽目になったジュリウスだったが、彼の献身の甲斐あって、二人のトリーシャは聡明かつ物分りの良い、それでいて勇ましい娘たちに成長した。 二人はジュリウスの苦労を幼い身で良く理解してくれたし、離れに住まわされて何年か経ち、どうにかJJの怒りも冷め、アジト内に限定しての外出許可を与え...
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 セーヌの川底からお化け潜水夫に水死体が運び去られた。それを目撃したヴァランタン・ムーフラールも水死体となって、所もあろうにエッフェル塔の上に現われ、おまけに幽霊船『飛び行くオランダ人』号船長の契約書までも添えてあった。血の気の多いパリっ子を巻き込んで次々おこる怪事件、登場する怪人物、深まる謎……。エッフェル塔の構造の秘密という奇抜な着想から繰り出される奇想天外な物語。 ピエール=アンリ・カミ(1884-1958)はスペインとの国境に程近い南フランスのポーにてブルジョワ階級に生まれました。闘牛士を夢見ていましたが弱視のために家族に反対され、それ…
雪―Rene Char「Feuillets d’ Hypnos 」
無垢なるもの、雪×ルネ・シャール雪―ReneChar「Feuilletsd’Hypnos」Amis,laneigeattendlaneigepouruntravailsimpleetpur,alalimitedel’airetdelaterre.友たちよ、純粋な無垢な業に雪が雪を待っている、空と大地の境界線で。【引用詩文:ReneChar「Feuilletsd’Hypnos」抜粋自訳】雪の便り、この詩を思いだした×雪山に行きたいなあと。ルネ・シャールは第二次世界大戦下、ナチス抵抗レジスタンス@フランスでも活動した詩人です。タイトル「Feuilletsd’Hypnos」は邦題「ヒュプノスの手帖」、眠りの神=Hypnosはシャールのコードネームでした。最近の丹沢山塊はツキノワグマ遭遇も増えているそうです、登山...雪―ReneChar「Feuilletsd’Hypnos」
みどりのゆび モーリス・ドリュオン著 この本を読んでまず思ったのが その世界観も登場人物の設定もまるで違うけど バーネットの秘密の花園と似ているなと。 秘密の花園は、イギリスに住むネグレストされた子どもの頑なだった心が 草花にふれることで癒やされ 子どもらしい明るさと素直さを取り戻し成長する物語。 みどりのゆびは、チトという少年のみどりのゆびの力で 街のここかしこに草花があふれ 犯罪も戦争もなくなるという、いわばファンタジー。 馬も喋るし。 2つの物語のどこを似ていると感じたのか。 それは自然の偉大さとSense of wonderの大切さを知れるところだ。 Sense of wonderを調…
読む年代によって感想が変わる「悲しみよ こんにちは」/フランソワーズ・サガン
新潮夏の100冊に入っていたので購入。しばらく積読にしてましたが読みはじめました。こちらの書籍は、10代の頃に読んだ記憶があります。おぼろげながら、ストーリーは覚えていましが40代の今読み直してみるとあの頃とは全く違った印象を抱きました。(
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 16歳にして第一級の詩をうみだし、数年のうちに他の文学者の一生にも比すべき文学的燃焼をなしとげて彗星のごとく消え去った詩人ランボオ。ヴェルレーヌが「非凡な心理的自伝」と評した散文詩『地獄の季節』は彼が文学にたたきつけた絶縁状であり、若き天才の圧縮された文学的生涯のすべてがここに結晶している。 1868年に悪政を轟かしていたスペイン女王イザベラに対抗すべく、政府は軍事クーデターを起こしてフランスへ亡命させるに至ります。空位となったスペイン王座を利用しようと、プロイセン首相のビスマルクは自国のポルトガル王家血縁者を推薦し、傀儡政権を成立させようと…
La Possiblite d’une Ile(ある島の可能性) / Michel Houellbecq
この作品で彼は新たな描写を試みていると思う。過度な個人主義、安全偏向思考、幸せの土台へ執着の行く末を読者に問い…
昨晩、アルセーヌ・ルパンシリーズ2作目、『アルセーヌ・ルパン対シャーロック・ホームズ』を読み終えました。 他の作家の著名な作品の主人公を、まさか自分の作...
Extension Du Domaine De La Lutte / Michel Houellbecq
「神が望まれたのは不平等であって、不当ではない」とある。神の摂理にこれほど通じているこの人物はどこの誰だろうか…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 洗濯女ジェルヴェーズは、二人の子供と共に、帽子屋ランチエに棄てられ、ブリキ職人クーポーと結婚する。彼女は洗濯屋を開くことを夢見て死にもの狂いで働き、慎ましい幸福を得るが、そこに再びランチエが割り込んでくる……。《ルーゴン・マッカール叢書》の第七巻にあたる本書は、十九世紀パリ下層階級の悲惨な人間群像を描き出し、ゾラを自然主義文学の中心作家たらしめた力作。 1852年から約二十年間続いたフランス第二帝政は、ルイ=ナポレオンが治めるボナパルティズム末期を指し、プロイセンのオットー・フォン・ビスマルクの挑発に乗って普仏戦争による敗北を招き、終焉を迎え…
ベルエポックへタイムスリップできる、夢いっぱいの博物館に感動!ハリーポッターの世界の様な、魔法にかけられた感覚になれる展示品の数々
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 十八世紀、頽廃のパリ。名うてのプレイボーイの子爵が、貞淑な夫人に仕掛けたのは、巧妙な愛と性の遊戯。一途な想いか、一夜の愉悦かーー。子爵を慕う清純な美少女と妖艶な貴婦人、幾つもの思惑と密約が潜み、幾重にもからまった運命の糸が、やがてすべてを悲劇の結末へと導いていく。華麗な社交界を舞台に繰り広げられる駆け引きを、卓越した心理描写と息詰まるほどの緊張感で描ききる永遠の名作。 一六世紀末にアンリ四世より創始されたブルボン朝はフランス絶対王政を堅固なものとして、国内外に向けて二百年以上も強力に勢力を伸ばして圧政を敷いていました。構築されたアンシャン・レ…
海、さざめく追憶海×ジャン・コクトー「カンヌ」追憶の海―JeanCocteau「Cannes」MonoreilleestuncoquillageQuiaimelebruitdelamar.僕の耳は貝殻海の音を愛している。【引用詩文:JeanCocteau「Cannes」自訳抜粋】暑気払い×夏休みニュースに海もいいなー思ったので、笑ジャン・コクトーの詩なんですけど、この一節にナンダカ惹かれます。にほんブログ村純文学ランキング著作権法より無断利用転載ほか禁じます追憶の海―JeanCocteau「Cannes」
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 2008年にノーベル文学賞を受賞したル・クレジオの思考と実践に大きな影響を与えた孤高の詩人アンリ・ミショー。彼の至高の詩篇「氷山」「イニジ」について、ル・クレジオが包括的かつ詩的に綴った珠玉の批評-エッセイ。 1963年に『調書』で華々しくフランス文壇デビューを果たしたジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ(1940-)は、ルノードー賞を受賞し、ゴンクール賞にも候補として選ばれました。当時のフランスで中心的な風潮を持っていたアンチ・ロマンとは一線を画す描写で、作家としての立場を確立させました。1966年よりフランスの義務兵役代替としてタイや…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 プロシア軍を避けてルーアンの町を出た馬車に、“脂肪の塊”と渾名(あだな)される可憐な娼婦がいた。空腹な金持たちは彼女の弁当を分けてもらうが、敵の士官が彼女に目をつけて一行の出発を阻むと、彼女を犠牲にする陰謀を巡らす――ブルジョア批判、女性の哀れへの共感、人間の好色さを描いて絶賛を浴びた「脂肪の塊」。同じく、純粋で陽気な娼婦たちと彼らを巡る人間を活写した「テリエ館」。 1868年、スペイン女王イザベラの悪政に見切りをつけた役人や軍人は、クーデターを決行して国政から追放し、フランスへ亡命させるに至ります。空位となったスペイン王座を利用しようと画策…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 少年時代からベートーヴェンの音楽を生活の友とし、その生き方を自らの生の戦いの中で支えとしてきたロマン・ロラン(1866-1944)によるベートーヴェン賛歌。二十世紀の初頭にあって、来るべき大戦の予感の中で自らの理想精神が抑圧されているのを感じていた世代にとってもまた、彼の音楽は解放の言葉であった。 神聖ローマ帝国の末期、現在のドイツ西部にある国境沿いの大都市ボンは十三世紀より続く代々のケルン大司教によって、選帝侯としての自治が担われていました。不安定な情勢において他国からの侵攻を望まない姿勢を、その治世によって表明します。絵画、彫刻、音楽、文…
こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 つねに鋭い人間探求をめざしつつエロスと死の深淵にさまよい、特異な文学世界を創りあげた奇才バタイユの全貌をここに集大成。バタイユは燃え上がる。この彗星は、今夜もまた、ヘーゲルとニーチェの傍をよぎって異様な輝きを放つ。二人の巨人の間で微妙な振動をくりかえすその軌跡をたどることから、現代思想のすべてが始まるだろう。エロティシズムを通して次第に知的なものを失い、ついにその極点で聖なるものに到達するC神父の物語!バタイユ文学の内核にせまる問題の長篇小説! 1880年よりフランス第三共和政ではジュール・フェリーによる教育制度の改革が行われました。政府は…
春光ゆらす旋律に、ミモザ×JeanCocteauミモザの風韻×JeanCocteauLetramtraȋnaitsesmélodiesSouslesarbresdemimosa.路面電車が音楽の裾なびかすミモザの木の下で。【引用詩文:JeanCocteau『Cannes』抜粋自訳】ジャン・コクトー「カンヌ」の一節です。前も紹介したけど“懐かしい記憶と散歩する道”を綴った詩になります。撮影地:神奈川県2020.33/8ミモザの日はSNSからワールドニュースまで、この花があふれていたなあと。ヨーロッパでは女性にミモザの花束を贈る日、街角では黄色の花束があふれる春らしい明るい日なのだそうです。そういう平和あふれる空気になっていきますように。にほんブログ村純文学ランキング著作権法より無断利用転載ほか禁じますミモザの風韻×JeanCocteau
黄金の花、空の記憶ミモザ×JeanCocteauミモザの追憶×JeanCocteauLemimosadusouvenirSuitonchapeausereposa,想い出のミモザが君の帽子の上に安らぐ、【引用詩文:JeanCocteau『Cannes』抜粋自訳】ジャン・コクトー「カンヌ」の一節です。前も紹介したけど“懐かしい記憶と散歩する道”を綴った詩になります。撮影地:神奈川県2020.3昨日がミモザの日だったな、と今朝のワールドニュースから思いだし載せてみました。ヨーロッパでは女性にミモザの花束を贈る日、街角では黄色の花束があふれる春らしい明るい日なのだそうです。そういう平和あふれる空気になっていきますように。にほんブログ村純文学ランキング著作権法より無断利用転載ほか禁じますミモザの追憶×JeanCocteau