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しばらく、ブログをお休みにしていた。 4月から大学の授業(聴講生として参加している)が始まり、その予習、復習もあり、夜になると疲れて何もしたくなくなる。文章にする以上、ある程度ちゃんとしたことを書きたいと思うと、面倒になりついサボってしまう。毎日更新している方はすごい。 今日は、実家に帰省のために新幹線に乗車しており、その車内でブログを作成している。今までは新幹線の車内では寝ているか読書をしていたのだが、文書を書くという作業は意外と快適なことに気づいた。 今日一日を振り返ると、午後4時過ぎ頃までA大学の哲学演習に参加していた。 古代末期から中世に位置付けられるアウグスティヌスの哲学に関する哲学…
早期退職してから3年目になるが、今年も4月から三つの大学に聴講生として通うことにした。 今回はどのくらいの費用がかかるかについて述べたい。 まず、大学の聴講生になるには、授業料と事務手数料等が必要になる。 大学の授業は前期、後期に別れているが、各期90分ないし100分の授業を14ないし15コマ行われるのが通常である。 そして、授業料は各大学で若干異なるが、 A大学 1科目(2単位)2万4000円 B大学 1科目(2単位)1万8000円 C大学 1科目(2単位)2万9600円 になっている。 事務手数料 入学手数料、検定料については、 A大学 1万5000円 ただし昨年度納付していた場合は免除に…
早期退職して2年が経過した。 現在、広島の高校に通っている娘が福岡に帰省しており、どこかへ行こうという話になった。そこで、2年前の最後の勤務地である長崎に家族で1泊旅行をしてきた。 2年経つと長崎駅前も随分変わり、長崎スタジアムシティなど新しい施設もできている。報道で見る限り長崎は観光の街として頑張っているようだが、むしろ、中心街である浜町や中華街などは以前より人通りが減っているし、まだまだ課題は多いように感じた。 やはり、私には気分転換によく訪れていた諏訪神社が一番心が落ち着く。 早期退職した2年前は、希望よりも不安だらけだった。今も将来に不安がないわけではないが、幸い投資により一定の収入や…
本日、聴講生として通っているb大学の後期試験結果の発表があった。 私が受講していた科目は、哲学の専門科目である西洋哲学のドイツ観念論に関する授業だった。前のブログでも書いた通り、1月23日に試験を受け、穴埋め問題は全問解けた。しかし、カント哲学からフィヒテ以降のドイツ観念論という哲学思想が展開された流れ、背景事情を論じる論述問題の方がうまく書けなかった部分があった。私には単位認定は関係ないのだが、どのような評価を受けるのか気になっていた。 結果は100点満点中の98点という高評価だった。専門科目とはいえ、学部生の論述としては十分な内容だったようだ。 2月に受講した現象学の志向性概念に関する集中…
私は、約2年前に早期退職した後に大学の聴講生になり、哲学の授業を受講している。 今日はそのうちA大学の哲学の専門科目の後期試験を受けてきた。 単位認定を受ける必要があるわけではないので、試験を受けるかどうかは任意。しかし、どのような試験問題が出題されるのか興味があるし、自分の勉強のまとめにもなるので、聴講した授業の試験は受験するようにし、レポートも提出するようにしている。今回の試験は、西洋哲学のドイツ観念論に関する授業の試験だった。 今回は、まず試験が行われた教室の座席の配置が予期していない形だったので動揺させられた。たまたま受験生の数の関係で私だけが1人離れた列の最前列に座らされることになっ…
久しぶりのブログの更新になります。 年末年始は、関西の実家に帰省中です。 福岡は日本海側なので、この時期はどんよりとした天気が多いのですが、こちらは穏やかで、いい天気が続いており、気持ちも穏やかになります。 今年1年を振り返ると、早期退職して2年目に入り、働かないことにより生じた社会との距離を自分の中で消化できるようになってきたのが大きな変化だと思っています。退職前から予想していたとはいえ、どうしても、肩書きがなくなり、無職で社会とのつながりが減ってしまったというマイナス面に気持ちが行きがちになることは避けられません。しかし、そのような自分を許せるようになってきた(諦めの境地)ので、精神的には…
これまでのブログでは既存マスコミの報道姿勢に対する問題点を書いてきたが、今回はネット側の問題点も書いておきたい。 今回の選挙では、マスコミが元知事に対する偏向した報道を続け、元知事に有利になるような情報は報道しないという姿勢を続けたのに対して、ネット情報が有権者に必要な判断情報を提供するという役割を果たしたと考えている。しかし、いうまでもなくネット情報には根拠がないものも多い。印象や思い込みで断定して対象となる人物を批判することは、マスコミが根拠が乏しいのに元知事を批判したことと同じ過ちを、ネットを使う一般人も犯す恐れがある。そのことの強い自覚が求められることが今回言いたいこと。 例えば事件の…
本日は、聴講生として通っているB大学で講義と演習に出席した。 まず2限の中国文学の講義。私は今の中国は好きではないが、この授業はなかなか興味深いものだった。中国では紀元前1000年ぐらいの殷の時代に描かれたと思われる詩が残っており、当時の人々の恋愛思考が現代とさほど変わらない形で残されていた。また、時代は遡って杜甫(712〜770)の書いた詩では、戦争に送られた人達の気持ちが生き生きと描かれている。教授は、このような詩が有名にならないから戦争が終わらないと述べておられた。 4限は哲学演習。ブログには書かなかったが、先週私が担当範囲を報告し終わっていたので、楽な気持ちで演習に参加できた。学者の哲…
火曜日はA大学の近代ヨーロッパ哲学の授業に出席。 シラバスではカントの倫理学の話まで行く予定だったので、事前に予習をしていったが、前回と同様に認識論の話までで授業時間が終了する。 今回は授業で取り上げられた自由と因果性の問題について感想を書いて提出した。この問題は第3アンチノミーと言われる問題で、①自然法則による因果性だけでなく、自由による因果性もある、②自由は存在せず、全てが自然法則によって起こるという二つの命題がいずれも真と認められるが、そうすると論理的に両立しないはずの①と②が共に成り立つことになる矛盾が生じるというもの。その解決策は如何にという問い。感想は以下のとおり。 「講義の説明と…
月曜日は、3限の哲学史の講座と4限の演習に出席した。 まず、哲学史の授業で取り上げられたのが有名な哲学者であるニーチェ。今回はニーチェに大きな影響を与えた哲学者ショーペンハウアーの解説。更にショーペンハウアーの「意志」という概念に影響を与えたスピノザという哲学者のコナトウス(conatus)という概念まで遡って講義がされた。 4限の演習は、「形而上学はなぜ批判されなければならないか」という斎藤慶典という哲学者の学術論文を読解するもの。今回は、日本の代表的な哲学者の1人である廣松渉という哲学者の四肢構制論に入った。 この四肢構制論が分かりにくが、この我々が認識する世界は①対象的2要因と②主体的2…
今日は、B大学の講義と演習。 最初の講義が2限なので、朝9時に家を出る。早期退職の生活に慣れると、朝に普通に通学、通勤することへのハードルが上がる。 2限の授業は、文学部の授業を横断的に受講する講義で、今回は国文学の中古文学入門で、テーマは「平安時代の恋愛・結婚と文学」について。 ちなみに中古文学とは、平安時代に成立した文学で、もののあわれを主潮とする優美な情趣を理念とし、後世の日本人の美意識に大きな影響を与えたとされている。 平安時代の結婚制度については、一夫多妻制と誤解されることがあるが、本当は一夫一婦制でかつ多妾というのが実態であったこと。そして、これをきちんと理解した上で物語を読むこと…
私は、早期退職後に大学に聴講生として通うようになり、大学で学ぶ意味について考えるようになった。 世の中の風潮は、何の「役に立つ」か露骨に答えを求める傾向にあり、目に見えて分かる形で答えを求める。そして、大学での学びについても、就職活動に直結させるようになり、大学がいわば職業訓練予備校化していると言われている。 この点は最近流行りの中高年層に対するリスキニングも同じ構造で、働き方の変化によって今後新たに発生する業務で役立つスキルや知識の習得を目的に、勉強してもらう取り組みのことをいうとされている。学び直しといっても、今の社会で手っ取り早く「役に立つ」技能を身につけることに主眼が置かれている。 こ…
3連休が終わったが、早期退職者にとって連休は余り有り難くはない。図書館やジムの開館時間が短くなり、どこも混雑している。とりわけ人混みに出ていくのが苦手になっている。結局1日図書館に行ったほかは、基本的に家に篭る生活を送っていた。 そして、連休明けは、B大学の近代ヨーロッパ哲学の授業に出席。今回は、前期で学習したカントによる知識の限界付けがテーマだった。 授業後に参考文献に挙げられた「カント入門」を読んでいて疑問にぶつかった。この授業では翌日までに毎回の授業の感想を400字以内で提出することになっている。以下のような記載をして提出した。 前期に学習したカントの認識論は、空間、時間という感性を通じ…
早期退職後、大学に聴講生として通っている。 今日は、2限の基礎教養科目と、4限の哲学演習に参加するため、B大学に向かう。 2限の授業は、フランス文学の授業で、内容はアウシュビッツとフランス革命。 まず、ヨーロッパにおける反ユダヤ主義の歴史等について学ぶ。ユダヤ人に対する差別は、中世以前からある問題であったこと、ヨーロッパにおいては、ヒトラーによる占領まではユダヤ人にとって、フランスが反ユダヤ主義から身を守る手段であったこと、フランス占領後は、スペイン、イギリス逃れてアメリカに亡命する方向に変わっていったこと、ユダヤ人の絶滅収容所はドイツ国内にはなく、例えばアウシュビッツはポーランドに作られたこ…
今日は、3限のA大学の近世ヨーロッパ哲学の授業に出席した。 ドイツ観念論の哲学を取り上げる授業だが、今回はその時代背景に関する授業。 その中で特に興味があったのが、1913年のベルリンのオークションで発見された手書きの草稿の一部分という哲学的断片。これが「ドイツ観念論最古の体系プログラム」と呼ばれており、作成時期は1796から1797年でヘーゲルの筆跡だとされている。今日の授業では途中までで終わったが その読解を行った。 今回の授業後に提出した感想は以下のとおり。 授業で取り上げられている配布資料の哲学的断片について興味を持った。「ドイツ観念論最古の体系プログラム」という名称は後の研究者が名付…
今日は、B大学の3限の哲学史と4限の哲学演習の授業に出席した。 先週の金曜日にもB大学へ行ったが、この時は専門の授業は休講だったので、今回が後期の1回目の授業になる。 まず哲学史の授業は、今回はニーチェを取り上げる。ニーチェは、それまでの西洋哲学全体を相手にして、キリスト教もろとも覆すことを試みた人物で、哲学を学んだことがない人でも何らかの知識があると思われる有名人。その反面、一部の言葉が切り取られて引用されることが多く、表面的に分かった気持ちになり、誤解する危険性も高いと言われている。この哲学史の授業は、テキストそのものに遡って読み、検討する授業なので、この機会にきちんと学びたい。 4限は、…
今日からA大学の講義が始まる。後期から新しく受講する1回生向けの講義を履修している。 文学部の各学科の入門講座で、ドイツ文学、フランス文学、国文学、英文学、社会学、言語学、心理学、地理学の各授業が行われる。 おそらく1回生が、来年どの専門科目を選択するかの判断に役立つ意味があるのではないかと思われる。私が今回この授業を選択したのは、もともと法学部出身で文学部全体の構造が理解できていないので、各学科のガイダンス的な入門講座で学ぶ意味があると思ったからだ。 これまでは、午後の授業しか出席したことがなかったが、今回は、朝10時半からの授業。早起きして9時に家を出る。 大学に到着して、まず授業が行われ…
今日は、B大学の3時限の近代ヨーロッパ哲学の授業があった。 授業開始40分前に大学の図書館に到着し、予習をし、早めに教室に向かう。 今日の授業のテーマは、ドイツ古典哲学(ドイツ観念論)の背景を学ぶというもので、今回の授業を聴いて、近代という時代区分がだいぶクリアになったような気がする。 授業終了後に、毎回の課題である今回の授業の感想を以下の内容で書き、オンラインで提出した。 ドイツ観念論は、18世紀に支配的であった理性や合理性を重視する啓蒙主義に対抗して現れたドイツロマン主義(合理主義によって失われた人間性や自然を回復するため、理性より感情を、現在よりも過去を、完成された調和よりも躍動する個性…
昨年3月末で退職した50代早期退職者の私は、次のような、ほぼ変わらない生活を送っている。 朝7時か8時に起きて、1時間ほどスタディサプリを使った英語学習をする。 朝食後は、大学入試で出題された英語の長文を読む。ここまでは毎日ルーティン化しており、英語は1年半ぐらい継続して勉強している。ようやく高校英語を終えて、大学入試レベルには到達できた実感があるので、次回の10月のtoeicでは結果を出したい。 午前中の残りの時間は、聴講生として通っている大学の授業の復習や予習を行う。なお、週1コマのA大学の授業が先週から始まり、週4コマ(2コマ✖️2日)のB大学の授業も来週から始まるので、これからは少し生…
本屋で立ち読みをしていて気になった本が「哲学のすすめ」という本。 著者の岩崎氏は「西洋哲学史」という著書が有名で、私も購入して通読しており、気になる哲学者だった。 哲学のすすめ (講談社現代新書 66) 作者:岩崎 武雄 講談社 Amazon 「哲学のすすめ」は、1966年に書かれた古い本だが、大きな書店ではまだ取り扱いしていること自体も驚いた。 大学の図書館にも置いていたので、さっそく借りてきて読んでみた。 その中で科学と哲学の違いを論じた箇所があった。歴史的には哲学から自然科学が独立したのだが、今や科学の方が中心となっており、果たして哲学の存在意義はあるのかという問題である。 科学はどこま…
私は早期退職するまで、大学に聴講生という制度があることを知らなかった。聴講生制度を紹介するのもブログを書く意義があるかと思い、今回は聴講生のメリットを中心に書いて見たい。 私は、現在は福岡にある三つの大学に聴講生として通っているが、聴講生のメリットは、複数の大学の授業を掛け持ちできること(ただし、その分コストはかかる)。私の場合、複数の先生の授業に出ることにより、哲学を見る複数の視点が得られたように思う。 また、学部生とは違い、卒業単位をとるという縛りがないので、取りたい授業を集中的に取ることができる。やりたい学問に集中できるメリットがある。 授業の予習、復習をする上で、参考文献を読むことが必…
私は、約1年半前に早期退職した後、大学の聴講生になったのだが、その理由を考えてみた。 前回のブログで述べたように、無意識のうちに失われた社会性を埋めて居場所を求めたという側面もあるが、それだけではない。これまで色々な社会経験をして専門知識を得てきたが、それだけでは十分ではなく、自分の能力に限界を感じるようになっていた。 一言で言うと、表面的に物事を見て、思考に深まりがないという悩み。専門領域において社内では適切と思われる一定の結論を導くことができると評価されても、経験から学んだことは、確たる原理に基礎付けられたものではなく、底の浅いように思えていた。思えば、自分の職歴は、いわゆる実務家としてキ…
昨年3月に早期退職してから、この1年は2つの大学の聴講生として授業に出席して哲学を学ぶことを中心に生活してきた。 今年度の聴講生の申込時期が今の時期になる。今年は活動範囲をさらに広げて、3つの大学に通うことにした。今日は、そのうち2つの大学(AB大学)を梯子して、聴講の申し込み手続きをしてきた。 複数の大学に行く機会のある人は少ないと思うので、3つの大学の聴講生制度を比較し、感想などを述べようと思う。 前提として、私の住んでいる福岡において哲学科のある大学は、おそらくA大学とC大学になる。B大学には哲学科はないが、一般教養の科目として開講されている。 3大学に共通している点は、 ・大学を卒業し…