『にんじん』ジュール・ルナール 感想
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 にんじん色の髪の少年は、根性がひねくれているという。そんなあだ名を自分の子供につけた母親。それが平気で通用している一家。美しい田園生活を舞台に繰りひろげられる、残酷な母と子の憎みあいのうちに、しかし溢れるばかりの人間性と詩情がただよう。 ジュール・ルナール(1864-1910)はフランス西部に位置するマイエンヌで地元役人の父親のもとに生まれました。この父親は一般公共事業の請負業者で、のちに彼の出生地であるブルゴーニュ地方シトリー・レ・ミーヌに移り住んで市長となりました。反聖職者の共和党員であった彼に対し、母親は金物商人の家柄の娘で、敬虔なカト…
2024/05/25 07:01