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【本】宇佐見りん『くるまの娘』~家族という終わりのない地獄~
1、作品の概要 『くるまの娘』は宇佐見りんの長編小説。 2022年5月に刊行された。 『文藝』2022年春季号に掲載。 160ページ。 野間文芸新人賞候補作。 暴力的な父と脳梗塞の後遺症を患うアル中の母の影響でバラバラになってしまったある家族の姿を描いた。 2、あらすじ 暴力的で自分の理想からはみ出す子供たちに冷徹な父と、脳梗塞の後遺症を患い感情のコントロールができなくなってしまった母。 兄と弟は家を出たが、17歳のかんこは家にとどまり苦しみながらも生き続けていた。 果たして家族の愛情とはどういうものなのか? 家族を捨てて、逃げ出すことが正解なのか? 祖母の葬儀で久しぶりに集まった5人の家族。…
「くるまの娘」宇佐見りん著から名文、宇佐見フレーズを15か所選んで、感想も付け加えました。宇佐見りんさんの世界観、宇佐見ワールドが見えてきます。くるまの娘とは何だったのか。この本でしか味わえない表現がたくさん愉しめます。最後にストーリーや著書、プロフィールの紹介もしました。
宇佐見りん「くるまの娘」(河出書房新社) 「かか」(河出文庫)で2019年の文藝賞、2020年の三島由紀夫賞、「推し燃ゆ」(河出文庫)で2020年後期の芥川賞の宇佐見りんの最新作のようです。まあ、贔屓の作家と
推し、燃ゆ (河出文庫)前回読んだ「かか」の時も感じたのですが、実に生々しい。これはあくまでも小説であって、作者自身の体験談ではないのですが、作者の叫びが聞こえてくるようで、こんな小説を書いて苦しくはないのだろうかと思ってしまいました。主人公のあかりは、推し
第164回芥川賞受賞作。推し=自分の背骨。押しが普通の人になることで自分の背骨が抜き取られるという表現の仕方、ラストの描写にグッと引き込まれた。軽い気持ち...
かか (河出文庫)「推し、燃ゆ」で芥川賞をとった宇佐見りんのデビュー作です。19歳の浪人生うーちゃんが主人公。うーちゃんが、弟のみっくんに語りかける形で書いてます。かかというのは、うーちゃんの母のことで、夫に捨てられて心を病み、うーちゃんの介護なしでは生きら
もう3月になってしまいました(早い!)が、2023年1月に読んだ面白い小説の記録です。意識してはなかったですが、女性作家多めだった、(6冊中5冊が女性!)といま気づきました(笑)〇ユージニア 恩田陸目の見えない(とされる)少女と、その家族に起きた毒薬?殺人事件。全
芥川賞『推し、燃ゆ』より名文と感じた13ヶ所を選んでみました。若干23歳の著者宇佐見りんさんの小説家としての抜群の才能を感じた作品でした。そのうまさはやはり言葉の巧みさに感じました。
1、作品の概要 宇佐美りんのデビュー作。 『文藝』2019年冬号に掲載され、2019年11月に刊行された。 第56回文藝賞を受賞。 第33回三島由紀夫賞を史上最年少の21歳で受賞し、話題となる。 2022年4月には文庫版が刊行され、文庫版のみ書き下ろしで『三十一日』が収録された。 2、あらすじ 19歳の浪人生のうーちゃんは、浮気をされて離婚して以来アル中でおかしくなってしまった母親のかかとの関係に悩んでいました。 かかは、ととに捨てられて、自身の母親のババに愛されなかった痛みを持て余して家族にも暴力を振るっていた。 ある時かかが子宮の病気に罹ってしまい、摘出する手術をすることになる。 うーちゃ…
【本】宇佐見りん『推し、燃ゆ』~神なきこの国で、偶像に救いを求めた、ある少女の物語~
1、作品の概要 2020年9月に発売された宇佐見りんの中編小説。 『かか』に続く第2作目。 2020年7月に発売された『文藝』秋季号にて掲載された。 第164回芥川賞受賞。 2021年本屋大賞ノミネート作品。 2、あらすじ 女子高生のあかりは、学校でも家庭でもバイト先でもうまくいかず、推しのアイドル・上野真幸を推すことが彼女の生きがいだった。 ある日、推しがファンを殴ったことで炎上し、推しの芸能活動も、あかりの日常も歯車が狂い始める。 それでも全身全霊をかけて全てを推しに注ぎ込むあかりだったが・・・。 推し、燃ゆ 作者:宇佐見りん 河出書房新社 Amazon 3、この作品に対する思い入れ、読ん…
週刊 読書案内 宇佐見りん「推し燃ゆ」(河出書房新社) 話題沸騰の宇佐見りん「推し燃ゆ」(河出書房新社)です。書店ではピンク色のカヴァーで平積みされていましたが、カヴァーをとった姿はこん
週刊 読書案内 宇佐美りん「かか」(河出書房新社) 19歳の浪人生の女の子「うーちゃん」が「おまい」に語りかける、宇佐見りんの「かか」(河出書房新社)という作品はこんなふうにはじまります