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読書家のブロガーさんに刺激されて読んだ近藤史恵さん。iPhoneを片手にお菓子の名前など調べながらあっという間に2冊読み切りました。読後はひとりでふら〰っ...
風のように ふわりと 軽く 飄々と♪こんにちは風◯りです☺️ 皆さまいかがお過ごしでしょうか❓ ところで皆さんは日本映画と言えば❓何が好きですか❓ 私は…🤔邦画より洋画派で、あまり邦画はみてきませんでした💦 あまり観てこなかった理由💡 邦画だと、テレビドラマを観ているのと変わらない気が…😓(俳優がテレビドラマと同じ) あえて映画館で観る必要を感じない。(※くれぐれも個人の感想です💦) 今もその気持ちは変わらないけど、本で面白かった作品が映画化されるとやっぱり気になる😁 本のイメージ通りか❓キャストは合っているのか❓ストーリーは本のままか❓オリジナル要素が加えられているのか❓ そして…😓大概本の…
【マダミスまとめ】協力ミステリーゲーム「卓上探偵団シリーズ」シナリオ一覧(グループSNE)
本記事では、完全協力のミステリーゲーム「卓上探偵団シリーズ」のシナリオを全てご紹介しています! ネタバレなしのレビュー記事もあわせてご紹介していますので、今後プレイ予定の方の参考になれば幸いです◎
【協力型マダミスレビュー】「殺人ランドへご招待」遊んでみたよ(ネタバレなし)
本記事では、完全協力型ミステリーゲーム「殺人ランドへご招待」について、ネタバレなしでレビューしています。 あらすじや遊び方、個人的な評価・感想をご紹介していますので、これから遊ぶ予定の方はぜひ参考にしてみてください!
【マダミスレビュー】「アストリアの表徴―名探偵アルフィー最後の事件―」遊んでみたよ(ネタバレなし)
本記事は、オフライン・GM不要で遊べるマダミス「アストリアの表徴─名探偵アルフィー最後の事件─」について、ネタバレなしのレビュー記事です。 あらすじや遊び方、感想や評価についてもご紹介していますので、今後遊ぶ予定の方の参考になれば幸いです。
好きな推理作品はある?▼本日限定!ブログスタンプ あなたもスタンプをGETしよう[PR]好きな推理小説はない😤昔は、コナンとかはみてたけど…#ad ゲームの名…
わたくし、 学生時代は小説家になりたかったですね AB型のせいか、サスペンス系のドラマとか子供の頃から好きで、推理小説とか書きたいと思っておりました。推…
クローズド・サークルとは外部との接触が閉ざされた環境を舞台にしたミステリー小説のジャンルです。 例えば ・海に囲まれた孤島・大雪の山荘・客船、列車、飛行機・地下の施設 等々における閉鎖環境で起こる事件を扱った作品になります。孤島や山荘は代表的ですが、その舞台設定も様々ですが、外部への連絡手段がなく警察が介入できないという特徴が挙げられます。そのようなクローズされた環境下によって他のジャンルとは異な...
ふわりと軽く 飄々と こんにちは風◯りです☺️皆さまいかがお過ごしでしょうか❓ 今回は幽体離脱が出てくるミステリー小説の紹介を📖 こちらの作品はシリーズもので、内容的には火曜サスペンスや土曜ワイド劇場(懐かしい笑)に出てきそうなストーリー…😅 内田氏の作品はあまり読んだことがなかったけど…調べてみるとどの作品も殺人事件が起こる王道サスペンスを書く作家さんのようで😳 たまたま読む本を探していたら『面白いよ』とススメられ期待せずに(失礼な💦)読むことに…。 基本ススメられれば何でも読みます📖せっかくススメてくれたのに断るのは申し訳ない。ススメるからにはそれなりの感想があるはず♪ そして、読んでみる…
コロナもう何日目かもカウントしてないけど今日は「コホンコホン」と咳がひっきりなしにでてとても辛かった😮💨😷...
仕立屋ファッションミステリー!レトロ要素も多めでめちゃくちゃ面白い〜∩^ω^∩
こんにちは! リサモリです(。・∀・。)ゝ 暑い日が続いていますが みなさんお元気ですか? 私はこの暑さに加え 急に仕事が忙しくなって 手芸どころか、色んなことに やる気ダウンな1週間でした😂w 何も作る気が起きないから 読書でもしましょうということで 面白い本を読みました! ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介 川瀬七緒 ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介 (講談社文庫) 作者:川瀬七緒 講談社 Amazon お洋服に付いてる皺や、 使われている布地などから シャーロックホームズのように推理をして 事件を解決していく話なのですが めちゃくちゃ面白かったです∩^ω^∩! 作者の川…
突然ですが、私は推理小説が大好きです♪ 特に綾辻行人先生の作品が。 限定公開記事を減らすために応援クリックをお願いします!⇒⇒⇒ 綾辻先生のサイン入り本も持ってます!(6年前の写真です) 綾辻先生の中で特にオススメなのは、 十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫) [ 綾辻 行人 ]価格:946円(税込、送料無料) (2023/7/15時点) 楽天で購入 こちらの『十角館の殺人』で、この本のラストの衝撃を超える作品にまだ出会っていません。 この推理小説とFXって似たようなところがあると思い、強引に「FXは推理小説だ!」と言い切ってしまいましたw 推理小説では犯人を探し出すために数々のヒント…
←応援お願いします(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ こんにちは『ちゃちゃ丸です』 (*'ω'*)っ”ф” 前回の投稿からずいぶん時間があいてしまった…(・´ω・`)ゞ さて今回は、探偵の噺を書いていこうと思う。 本の虫ではないが、小説が好きでちょいちょい読んでいる。 数あるジャンルの中でも、推理小説は外せない♪ “探偵“”や“ミステリー“”、“事件”という単語にはめっぽう弱い! もちろん、小説に限らず実写やアニメの探偵も大好物だ♡ 『はさみ部分は、ネタバレの可能性を含むのでご留意下さい。』 -——✄———-✄———-✄———-✄———-✄———-✄——- 久しぶりに、ガサクリスティーの作品を欲して、📚『火曜…
今朝は、最近嵌っている 短編推理小説のシリーズもの 3作品について。 家内の入院中、最寄図書館から借りて 差入れしたものと、 退院後の自宅療養中(今も継続中…
「五分待って」私は答えた。 「車で待ってる、時間を過ぎたら発車するからな」ソファに置いたカバンを掴んで父親が言う。 「はい、はーい」リビングのドアが閉まった。 「ロサ、あんた早く起きてるんだったら、歩いて駅に行きなさいよ」母親がやっと腰を落ち着けてご飯を食べる。 「同意見だね。姉ちゃんばかり優遇されてさっ」影流が不平を述べる。 「毎回じゃないからいいでしょう」一言、言い返して食パンを頬張る。すでに半分が口内に押し込まれていた。牛乳で流し込み、液体に近いヨーグルトを一気にかきこんだ。「ふーん」 「もっと行儀良く食べられないのかしらね」母親が斜めに首を傾げる。 「無理だろうね。外野がいくら言ったっ…
かき鳴らす音色の数々はどれもこれも覚えたてのフレーズ、オリジナルだとは自分でも思っていないのは重々承知だけれど、もっと先、私の理想に近づくには通らなければならない現在地。付き合いはじめたギターの音色はだんだんと本体の色が濃くなったようでそれは私の汗や垢が染み付いたための風合いなのかも。でも、味が出た、これは変わりがない事実であるし、短期間で汚れたか長期間でのそれかの違い。 朝の演奏を、一曲を通してやり終えた。義務感でやっているのではない。時間を決めてアラームを鳴らさないと学校に遅れてしまうから、あえてこうして浸っていたい時間から切り離すの。 こちらの三月は関東や西日本とは比べものにならないほど…
「……白米を使おうかな」 「ただで頂いた食品ですよ、よろしいのですか?」 「明日からライスをメニューに復帰させる。小麦も大豆もとうもろこしも同等に扱いを開始する」 「価格は落ち始めたとはいっても、以前の価格より、一・五倍ほど高額です」 「お客の需要が回復傾向の価格に反映する、僕はそう読んでいる」 「楽観的な推測、”+マルチ十二”の勢力は完全に衰えた様子には思えません。早計な判断ではないでしょうか」鋭く国見の視線に厚みが生まれた。 「栄養食品に飛びついた理由は、目新しさと食費の節約。食費の節約を願うお客は離れてくれないが、前者は常に揺れ動く」 「店長の論理に反します」 「僕はお客が食べたいと思う…
「そうだとしても、私、番号は教えてない」 「本当に?」 「なによ」 「いいえ、言いたくないのなら。秘密は堅守ですから」 「あんたの軽い口がばら撒いた可能性のほうがよっぽど高い」 「蘭さんの番号をそらで言えるほど、賢くありません」 「ああーあ。もう、やめよう。くらくらしてきた」 「大丈夫ですか」 「……着替えてくる」 「お大事に」 小川は店主を見上げた。 「なに?」 「いいえ、その、店長の感想を聞きたいなあと、思いまして」 「業者の反省じゃないかな」 「反省ですか?」小川が鸚鵡返し。 「うん。ほら、新商品の提案や新規顧客の獲得に、業者手持ちの商品をまずは僕ら店側に食べてもらう、味を確かめてもらう…
「蘭さん、真に受けたんですか?」小川が尋ねる。 「まあ、八割はいたずらだとは思った。けど、店の名前と、何より私の番号を知っているのが、どうも説明がつかなくって、どこからか漏れたにしてもだよ、回りくどく、コンビニ受け取りにするより、店に直接配送ができたはず、送料だって支払っていた。一応、お金下ろしてきたのに、まったく!」 「怒ってますねえ。店長、私開けましょうか、はい、あけましょうね」間髪いれず、小川が嬉々としてダンボールに飛びつく。方や重い荷物を運んだ国見は傍観。年齢と立場、性格の正確な把握が行動でわかってしまう。 中身は、米三キロ、小麦三キロ(薄力粉が六つ)、大豆一キロ、とうもろこし粉五百グ…
木曜の仕込みに店主は取り掛かる。第二の出勤時間に定着してしまいそうな午前八時過ぎ。店の前の雪かきを済ませたので、体がほのかに温かい。暖房を入れてから外に出て、スコップを操ったので、発熱した体だと店内は暑く感じた。水分を取ったために、汗もしっとり額ににじむ。 「店長、雪かきは一人で?」小川が帽子を取るなり、目を丸く、訴えるような表情だ。 「僕は双子ではない」 「一足遅かったかぁ」行進を踏むように小川は床を蹴った。 「雪かきは仕事に換算していない。除雪のための早い出勤は望んでいないよ」 「少しでも、助けになればって思ったんです」 「助けてほしいとき、僕は素直に求めるよ。この周辺の飲食店の様子を見て…
理由は、明確にはならない。 店主の予測もあいまいであった。だから、火がついたら消えるように消火器を取り付けた。 必要や心配は、取り越し苦労。いいや、最初から気になどはしていなかった。 嘘はいけない。 そう教えられた。どうしてか、理由は聞くのをためらった私だ。 聞けば、相手の立場がなくなってしまうから。 昔の話だ。 そして、とうとう、栄養価が高くて、栄養素の吸収が数日間も持続する夢の商品は、すっかり世間の広範囲な居場所を追いやられたらしい。一部、食事にわずらわしさを感じる、時間に追われる人物たちの絶大な支持は、その一定の層にのみ定着を余儀なくされた。未知数の副作用が害を及ぼすのではないのか、とい…
三月下旬。巷をにぎわす究極栄養食品の販売開始から数えて約二週間。春めいた北国の目印、日中のプラスを越える気温と夜間の路面凍結、ところどころに顔を出す除雪車の削り痕が刻まれるアスファルト、それらが日をおいて、数日間の雪を経て、またまた日差しとまぐわって春を思わせる。 二月の下旬に比済ちあみの指摘にあった他企業の栄養食品が販売され、爆発的なヒットを飛ばした。これらはお客の忘れた新聞、従業員、お客が話す内容が情報源である。「エナジー・セル」という呼称の商品は、地下鉄の車内や店までの地下道ですれ違う人々の口から、店主は日一回は耳をそばだてなくても聞こえていた。このような反響は街角、街頭に場所を定め、試…
「店長は、敵にならないと思って許可を出したんですよね」 「うーんと、どうだろか」 「ええっつ」小川が大げさに驚く。「だって契約済ませたんですよ」 「十億円がそれほど大切かな」店主はつぶやく。カレー用のたまねぎの色がやっと黒ずんできた。 「もしかして、店長の実家は相当なお金持ちでした?お屋敷とか、それこそ執事とか、ばあやとかと暮らしていた」 「執事はばあやにはいらないの?」 「そこは取り上げなくていいんです。お金持ちかどうかを聞いてます」 「車は二台あったけど、それは両親が共働きだったからで、お手伝いも両親の働きに見合った報酬を鑑み、自宅の滞在時間が極端に少ない事実に基づいて考えれば、人を雇うこ…
「はあ、それでは、同乗させていただきます」半ば強制的に弁護士が税理士を車に乗せる許可、いいや同意の返答を引き出した。会話は弁護士が上手。 「私もお暇します」二人に遅れて、荷物をまとめると比済は引いた椅子をそのままに店を出た。知り合いの館山にも挨拶はなかった。 憶測が飛び交う厨房の二人の質問に、答えをあいまいに濁した店主である。各自にまとまった意見を確定させる狙い。そのほうが、意見の食い違いがもたらす質問が少ないため、返答がたやすく行えるというもの。ランチの片付けに目途がつき、一人目が休憩に入る間際の数分を契約内容の情報公開の場にあてた。 主に、資金の流用への質問が集中したと思う。どういった経緯…
「何か紙の契約書と代わりがあるのですか?」店主は、顔を傾けて二人に聞いた。代表して弁護士が応える。 「いいえ、まったく同等に扱われます。しいて、デメリットをあげると、そうですね、改ざんの恐れと契約の捺印を味わえないこと、ぐらいなものでして、紛失の恐れもありません」 「では、その契約書でお願いします」 比済は顎を引く。テーブルの改変された文書部分を書き直し、数分の時間を待たされる。店主はまた一本タバコに火をつけた。 「……こちら、ご確認を」ラップトップを画面が店主側に、見えるように回転。引き寄せて弁護士が画面を注視、税理士も眺める。今度は改変箇所のみであるから、確認に要する時間はタバコが灰に消え…
始業の二時間前に、こうして店主が到着。その五分後に小川、国見、館山の従業員三名が出勤。続いて、比済ちあみがその十分後にやってきた。そのまた十分後に店主の弁護士が、さらにさらに五分後に税理士が遅れて到着、契約の運びとなった。 比済ちあみが持参する書類を店主の弁護士と税理士が、細かにチェックを敢行、文書の記載は読解力を要する難解さを際立たせている。店主は理解の面では問題はないが、それらから派生する様々な制約に関しての知識は皆無。二人を呼んだのはそのため。彼らが読み終えた書類は店主、従業員へと手渡された。 一時間半ほどが書類の内容把握に費やされる。一時間が経過した時点でランチは、ピザの一品に決め、店…
数時間の睡眠、早朝に起きる。目覚ましはいつも僕が止めていた。ほとんど時計の機能。それならば、壁にかかった時計や端末で用が足りる。引火しそうな火の元に消火器のホースを向けているみたいだ。 昨夜は自宅への長い道のりの休憩に終夜営業のレストランで休憩をした。仕事をいつも頼む弁護士と税理士へそれぞれ同様の文面のメールをそこで送った。足元がおぼつかなく、立ち止まり、かじかんだ指先を動かす効率の悪さを避けた屋内への退避。 コーヒーを頼んだら、ドリンクバーを勧められた。誰でも頼むらしい、それほど水分に飢えているようにみえたのか。 滞在時間は十分ほどであった。コーヒーは煮詰まった味。淹れたて、とは程遠い。早々…
「もしもの為に、お金は受け取ることにする。私的な流用ができないように、受け取る際の契約を弁護士に頼むつもり、税理士だったかこういった場合は。とにかく、心配は要らない。それにだ、栄養素が詰まった食品ばかりを館山さんだったら食べ続けるだろうか。これまでも食事に代わる食品は数多く世に出回った。だけど、飲食店もスーパーもなくならないのは、つまりはそういうことなのさ」 「……」 「感傷的な場面に浸っているところに水を差すようですが」レジにいたはずの国見が帰り支度を整え、腕時計を指す。「終電の時間が迫っています」 「ううああっと、まずい。私タクシーで帰るお金なんか一銭もありませんので。じゃあ、これで。おつ…
「いいえ、私は彼女のチョコを受け取った側と、渡した側とでの会話のみ。興奮状態であなたが重要視する栄養素の有無や彼女が作ったチョコの形、それに包装紙や箱の特徴は一切、未確認のまま彼女を連れ立って店を後にしたのです。不注意だったのはそちら。強引な約束も私は飲み込んだ、不本意です。これでまた、契約は不履行と言い立てるのはいかがなものでしょうか?」時計が刻々と時間を刻む。 「……わかりました、あなたの要求は受け入れます」 「私の権限で製造を中止できるのですね?」店主が聞き返す。 「しかし、残りのチョコは今日持ち帰らせていただきます」 「イニシアチブはこちらにあるのですよ、それをお忘れなく」店主は、目を…
【脱出ゲームレビュー】「シャーロック・ホームズの追悼」遊んでみたよ
消えたホームズが残したのは、あなたとの通信手段でした。 本記事では、脱出ゲーム「シャーロック・ホームズの追悼」について、ネタバレなしでレビューしています。 あらすじや遊び方、感想や評価についてご紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
「もう、いいかげんにしてよ。あなたの要求は満たされたじゃないの」着替えを済ませた館山が再度の訪問をきつく咎めた。店主は、視線が離れたのをいいことに吊り戸棚の食材を古いものを前に、倉庫から持ち出したあたらしい物を奥に置き換えた。空の籠は、着替えに向かう小川が微笑を浮かべて、店主の手元から抜き取った。彼女はほころんでいた、人のぶつかり合いを愉しむ精神を彼女は有する。自分に危害が及ばないという前提が、展開の知れないドラマに高揚するのか、それもこれは現実。 「あの方が作ったのはただのチョコレートだったわ。最初から騙していたように私は捉えています。それがこの態度だと汲み取ってくれれば、半日を無駄に潰した…
「何かに縋るほどに疲弊はしていない。すべてが想像であると理解ができたなら、得体の知れないものを不安視する労力は他へまわせる」 「戻りました」国見が戻ってきた。館山は、店主に仕込みの状況を説明、休憩に入る。もも肉を叩き終えたところで彼女は休憩を時間を五分ほど費やす献身を見せて、作業を終えた。彼女らしい、対応である。 その三十分後に小川が戻ってくるなり、ランチ後の出来事の続きを尋ねたが、盗聴器の件は、無駄な討論を招きかねないとして、店主は黙っていた。 それからディナーの時間帯。お客の入りは上々。忙しさは通常の一・五倍。雪祭りの効果らしい、休憩時間に店から数分の会場へ雪像を見てきた小川が、作られた芸…
館山が仕込みを続ける背後を通って、釜、出窓に向かう。それでも、やはりラジオは快適に今度はゲストを紹介していた。 「コンセントなら、店長、ホールの左端の二人用のテーブルの下に一つありますよ」館山が顔を横に向けて言った。手元は地鳴りのよう音と振動を奏で、肉を平たく伸ばす。 館山の指示は的確に店主の要望に答えた。真四角のテーブルの下に、不必要に三つの出口の、正確には六つの穴が確認できた。ラジオをかざす。捉えた周波数がはずれた音を奏でてる。プラスドライバーを手に、ねじを回すと、数十分前と同様の光景に店主は出くわした。内容物は立山に見せたのちに、足元で踏み潰した。コンセントもゴミ箱に投げ入れた。この店に…
そういった風景に見とれて、足を進めた先に、ひびの入った壁に入り口を守る黒ずんだ幌とかすかに読めるタカオ無線の店名。記憶は二分の一を勝ち取った。店主は、躊躇うことなくドアを引き開けた。 外観からは想像がつかないほど、店内は明るく、埃っぽさや息苦しさという印象は払拭された。ショーケースが狭い店内の、通路を作り出している。入り口から向かって左右に二つ置かれている。また、取り囲む壁に沿っては、低く宝石や時計を眺めるケースに用途不明のほぼ黒色の塊が、かなりの高額な値をつけて陳列されていた。 入り口をまっすぐに進み、レジに座る男に店主は尋ねた。 「すいません、盗聴器を探す機械というものは、こちらにおいてい…
「取り立てて特殊な調理法は採用していないし、味に関しても守秘義務は行っていない。それに、僕はあまりしゃべらない、館山さんたちは多少の迷惑を聞いている者に知られるかもしれないが、それほど普段と、仕事における態度に僕は違いを感じていない」 「気持ち悪いです、私は」めずらしく館山が主張を通す。他の従業員が出払っているため、という状況は大いに彼女の真理に影響していたのだろう。多数ではなく、一人に対して向けられるベクトルにこそ彼女の真意が込められる。反対に、大勢において彼女はほとんど真意を押し殺してる、店主は館山の性格付けを反証した。 「アーケード街に無線機を売る個人商店があったように記憶している。話を…
「どこであれをつくったの?」 「……自宅です、正確には半分母親に手伝ってもらいました」 「そう、あなたのお母さんが優秀なのね」比済の頬が上がる。「自宅まで案内して。あなたのお母さんに、ご自宅に今いらっしゃる?」比済は彼女の両肩を掴んだ。 「……ええ、はい。たぶん、今日パートは休みのはずですから」 「いきましょう。お母さん、チョコの作り方覚えているかしら?」 「古いノートを見て、作ったので……。あの、その、私まだ……」 「わかっています。お金の話ね、車の中で話します。一刻も早く、作り方を知りたいのよ」 「待って下さい。あの方に気持ちを伝えていない、私は、そのために近づいたんだから」 「盗聴してい…
「こんにちは、はじめまして、ううっと、ああ、なんだっけ、突然の訪問をお許しください」ドアを潜った人物は見慣れない顔、短めの上着にマフラーは、かなりの軽装。誰だろうか、ぶしつけな質問をこらえて店主が訪問の理由を尋ねた。 拮抗した空気がほどかれる。 「何か、御用でしょうか?ランチはもう終わりました。午後の営業は四時からです」 「お客として来たのではなくって、その、はい……」入ってきた女性は言いづらそうに唇をかむ。そして、ひらかれ言葉が出た。「……ランチを買うついでにお店の方にチョコを渡してもらったのは、実は私なんです」 「あなたが、そうなの?」比済ちあみは彼女の側面、全身、顔をつぶさに観察する。頭…
「かなり独断ですね」 比済が店内に戻る。彼女の全身が見える入り口のマットの上で止まった。表情は固い。引きつりも見られるだろうか。 「製造中止をどのタイミングで行うのでしょうか?」 「世間におけるバランス」 「圧倒的なシェアを獲得したら?」 「栄養食の部門で?」 「ええ」 「食品全体に占めるパーセンテージでは?」 「明らかにそれはデータではありませんか。あなたは数字を元に決断されるの?」 「私の独断です」 「救われる人は確実に増えます」 「でしょうね」 「貧困も撲滅でき、栄養状態の悪化による病気の予防には最適なのです」 「私も、そう思います」 「だったら、なぜ手を貸してくれない?」 「この店のお…
「おっしゃることは重々承知した上での報告です。どうかご決断を!」彼女は回答、合意を迫った。 「……私の権限で、市場に出回る製品の製造中止権も付帯してください」 「一度、消費者の手元に渡ると、回収は困難ですが」あざ笑う彼女。 「出回っていた商品は放っておいてかまいません、私のタイミングで、以降の製造を止められたら、残りのチョコはお渡ししますよ」 「やはり、まだ持っていたのですね」 「ですから、持っていないとはいっていませんよ」 「私の独断では即座に回答はしかねます。上司に連絡を取りましょう」 「あなたの手柄が横取りされませんか?」 「ご心配には及びません。データの管理は私のチームが行っている」比…
「帰って」 「要請には従えない、残りを受け取るまでは」傾けた首。彼女は、ケースの一つに手をかけたようだ、厨房からは彼女の手元は隠れている。 「店長さんが、素直に従ってくれない事態は一応想定しておりました。そのための手段でこれをお渡しするのは、多少気が引けます。だって、あなたは必ず首を縦に振りますからね」 「何をもってきたって言うのよ」館山は知り合いにくいかかる。眉間に皺がよる。片方の足に体重を乗せて、胸の高い位置で腕をがっしりと組んだ。 「正当な価格、去年の夏頃に推移していた平均価格で白米を購入できる行使権の譲渡です」 「行使権?」館山が聞き返す。 「一定水準の売り上げ、商業規模、商品数、社員…
「先に、他の企業が販売をしてしまう。商品が店頭に並ぶためには一定期間の審査をクリアする必要がある、ときいたことがあります。間に合わないのではないのでしょうか」 彼女は微笑を浮かべる、後ろの二人へそれぞれが持つケースをカウンターテーブルに置くようとの指示。上目遣い。「遅れた販売であっても類似品とみなされても、発売日の間隔が近ければ、他を真似た商品と受け取られにくい。凌駕するのは常に強者。より良いものが残り、淘汰される。自然摂理と一緒ですよ」 「要求には応じられません」店主は断る。 「強制的な圧力は施したくはないと考えています」彼女の落ち窪んだ瞼が、研究に没頭する人間の外面を厭わない隔絶された意識…
「八分」 「九分」 「八分」 「わかりました。八分で」 店主は、ホールの壁掛け時計で時間を確認した。 「機密情報なのであまり口外はしたくないのですが、他の企業が来月早々にも栄養食品の販売を控えているらしいのです。私どもが手に入れた、あなたがもたらした奇抜な栄養素を含んだ食品だそうです」 「では、その企業の方が、私に贈り物を届けたのでしょう」店主は腕を組んで、応対する。失礼な態度ととられても、彼女たちの方がぶしつけ。比べるならば、こちらの横柄さはむしろ彼女たちには許容範囲だろう。 「いいえ、内情を知るものからは、そのような報告は受けていない、との情報です」 「スパイですか、ライバル企業に?」店主…
「あのチョコ、形、外見は綺麗でした。ああ、わかった、あの手紙か。メッセージがなければ、かなりまともで、食べられたかもしれません」 「それはいえるかも」 「嘘はいけません」 「手には取ったかもしれない」 「譲歩しましたね」 拭いた皿をカウンターの定位置へ。残された皿を上に重ねて、循環。使われない皿を発生させない配慮だ。腰をぐっと、押し付けるように、洗い場の小川はうめき声を上げて、仕事の一段落を主張した。 「小川さん、休憩」店主が呼びかける。 「あーっつ、ちょうどですね。ふう、今日はいつもよりお客さんの入り多かったように思いますけど、ライスがなくなって、パンにしたから、お客さんの食べるスピードは尋…
比済ちあみがもたらした情報は、午後のランチ明けまで持ち越される。 「今日も一人立っていましたね、外に」ピザ釜の灰を丁寧に取り除き、足元のバケツへ舞う灰を押さえる。マスクをはずした館山が言う。 「待ちぼうけの人を見張っている人はいる?」店主は、小川が洗う皿の水分をふき取る。店内のランチであったため、食器洗い担当の小川の仕事が、まだ完遂されないでいる。国見はいち早く休憩を取るため、レジの清算を済ませていた。休憩の催促は、彼女自らが申し出た。引き止める理由もないので、店主はあっさり了承している。 「向いのビルに人は立っていますけど、待ち合わせか、雪よけのためですね」館山はバケツの蓋を閉めると、言葉を…
「はあははは、へへへ」 「わかりやすくごまかすな」 「あの丸いやつ……っあぐっ」くぐもった小川の声。店主が振り返ると、細長い指、館山の手が小川の口を完全に覆う。館山はおもむろにコックコートの内ポケットを探って、紙を取り出した。太い文字は、「店内、盗聴の恐れあり」と書いてあった。紙をしまって、小川の口が解放される。 「うはわっつは、半分もうダメかといくつか神様に一生のお願いを頼んでしまった。くそう、ここまで残しておいたのに」 「一生の願いは普通一つだ、それに鼻が空いていた。死にはしない」 「小指の関節が塞いでました。それよりも、と、……今のは事実ですか?」 店主はボールに向き直り、ひき肉をこねた…
「昨日の件の説明を私、まだしてもらっていないんですけど?」開店前の厨房。小川が仕込みを縫って、先ほどから問い掛けている。鳥のようにくちばしでつつき、痛みはあまり感じないが、集中は途切れる。 「だから何度も言ってる、ここで話せないって!」眉を吊り上げる館山は、小川のわがままに付き合う。店主は我冠せず、一人黙々、意気揚々とランチの仕込みに余念がない。 今日はハンバーグ。屋外の状況を見計らい、店内のランチに決めた。テイクアウトと店内の飲食、どちらも屋外の待機が伴ってしまう。ならば大部分の寒さを凌ぎ、食事を運び、食欲を満たす店内でのランチを店主は選んだ。 ハンバーガーも昨夜の時点では候補に挙がっていた…