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【あらすじ&ひとりごと】 佐野広実さんの江戸川乱歩賞受賞作品『わたしが消える』を読みました。 佐野さんの作品は、以前一作品(『誰かがこの町で』)だけ読んだことがあり、テンポが軽快で読みやすくて、ストーリー展開が徐々に膨らんでいって頁が進むおもしろさでした。 序盤は身元不明の認知症患者の謎を追っていく些細なことから始まりますが、ストーリ―が進んでいくにつれて、裏に隠された大きな事件へと繋がっていきます。今回も佐野さんの描くミステリーの厚みに引き込まれました。 軽度認知障碍を宣告された元刑事・藤巻智彦。警察を辞めると同時に妻と離婚し、その後20年間、マンション管理人として勤めている。 別れた妻は3…
相川泰二という小学六年生の男の子が六本木に近い屋敷町を歩いていた。麻布の笄町の家に帰る途中だった。 道の両側には大屋敷の高い塀が並んだり神社の林がある。人通りの少ない場所を足早に歩いていた泰二は、道角を曲がって立ち止まった。 妙な人を見た
先日おすすめしたAudibleで、未読だった池井戸潤氏のデビュー作「果つる底なき」を聴きました。江戸川乱歩賞受賞作だけあって、読み応え(聴き応え)のある作品でしたが、発行されたのが1998年。物語の舞台は1997年頃で、今から25年前くらい