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【あらすじ&ひとりごと】 今回は、佐野広実さんの『シャドウワーク』 佐野さんの作品を読むのは、『わたしが消える』『誰かがこの町で』に続いて3作目。 とてもテンポのいいソーシャルミステリで、ストーリーの展開が丁寧でどれも読みやすいです。 さて、本作品『シャドウワーク』のテーマは「DV(ドメスティック・バイオレンス)」 冒頭、出刃包丁を手にした男が部屋に侵入、向き合って座る女二人に包丁を振りかざし、ひとりは刺されるも、三人が揉みあいの末、男の左胸に包丁が深く刺し込まれる。 いきなり暴力を超え殺人へとエスカレートした場面からスタート。この事件はどこにつながるのか、二人はいったい誰なのか、そんな疑問を…
【あらすじ&ひとりごと】 佐野広実さんの江戸川乱歩賞受賞作品『わたしが消える』を読みました。 佐野さんの作品は、以前一作品(『誰かがこの町で』)だけ読んだことがあり、テンポが軽快で読みやすくて、ストーリー展開が徐々に膨らんでいって頁が進むおもしろさでした。 序盤は身元不明の認知症患者の謎を追っていく些細なことから始まりますが、ストーリ―が進んでいくにつれて、裏に隠された大きな事件へと繋がっていきます。今回も佐野さんの描くミステリーの厚みに引き込まれました。 軽度認知障碍を宣告された元刑事・藤巻智彦。警察を辞めると同時に妻と離婚し、その後20年間、マンション管理人として勤めている。 別れた妻は3…
【あらすじ&ひとりごと】 高級住宅街で起きたミステリー。 安全安心な町を治めようとする裏側には殺人も厭わない、犯罪をも揉み消す人たち、そんなホラーとも言える小説でした。 弁護士の岩田喜久子のもとに一家で失踪した友人・望月良子の娘・麻希が現れ、家族の失踪について調査を依頼する。 19年前に家族は失踪したが、麻希だけ捨てられ施設で育てられたという。 事務所の調査員・真崎雄一が調べていくと、一家が住んでいた安全安心の町を唱える鳩羽地区で、過去に起きた小学生誘拐殺人事件との関連が浮上する。 また、真崎もいじめで娘を亡くした過去を持ち、娘と麻希を重ね合わせ、不作為の罪を抱え悔恨に苦しみながら事件の真相を…