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『白雪姫』と言えば、19世紀にグリム兄弟がドイツに伝わる昔話やおとぎ話を収集したグリム童話の中でも、特によく知られている代表的な作品です。今日に至るまで、かわいらしい挿絵が描かれている絵本のみならず、映画化やアニメ化されて全世界の人々に親しまれてきました。ところが、今般、ディズニー社が実写版のミュージカル映画を作成したところ、思わぬ物議を醸すこととなりました。グリム童話は、1812年、即ち、ドイツ諸国がナポレオン体制の頸木を脱し、ドイツ・ロマン主義運動が高まりを見せていた時期に出版されています。同運動は、後年のドイツ統一へと繋がってゆくのですが、ドイツという極めて政治性を帯びた民族性が強く意識されながらも全世界に広く読まれるようになったのは、同作品の中に、人類共通の普遍的な要素が含まれていたからなのでしょ...風刺になってしまう実写映画『白雪姫』
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その47 『おやゆび太郎、修業の旅あるき〈KHM45〉』 あらすじ(要約) 仕立屋さんが息子を一人持っていました。息子は親指くらいの大きさしかないので、おや指太郎という名前がついていました。 けれども、太郎は勇ましい気性で父親に「ぼくは世の中へ出るように生まれついています」と言い出しました。 父親は長いかがり針をロウソクにかざし、針に蝋のたんこぶを一つこしらえました。「この刀をもって旅に出るがいい」 出掛ける段になって太郎は、もう一度一緒にご飯を食べるつもりで、母親がお別れにどんなご馳走をこしらえたのか台所へ行きました。 「お母さん、今日のご馳走は何ですか」…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その46 『死神の名付け親(第二話)』 【あらすじ(要約)】 貧しい男に息子が生まれましたが、ひどい貧乏なので名づけ親が見つかりません。 通りがかりの人が承知してくれるかもしれないと、大通りへ腰を下ろしました。 やってきたのは、気高い服装の美しい女です。貧乏人が頼んでみると請け合ってくれました。「お名前を仰っていただきたい。あたくしは、みじめな暮らしをしておりますが、どなたか伺わないうちは、名づけ親になっていただく訳にいかないので」「私は聖母マリアです」「それでは、あなたには用がない」と男が答えました。「あなたの息子さんは、皆をえこひいきなく一様に扱うことを…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その45 『死神の名づけ親(第一話)〈KHM44〉』 【あらすじ(要約)】 貧しい男に12人の子供がいました。 その子供たちにパンを食べさせるために昼も夜もなく働き続けました。 そこへ13人目の子供ができ、一番はじめに出会った人に名づけ親になってもらうことにしました。 最初に出会ったのは神様でした。 「私が子供に洗礼を授けよう。その子の面倒をみて、幸せにしよう」と言いました。 「どなたですか、あなたは」 「私は神様だよ」 「それでは、あなたを名づけ親にするのはやめだ」と男は言い「あなたは金持ちに物を与え、貧乏人が腹を減らしても知らん顔している」 男は、神様が…
さてさて…民話や童話が時代を経るにしたがって内容が変わってくるというのはよくあることで… 例えば、眠れる森の美女なんかは…バージレ(1575頃~1632)作、…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その44 『トゥルーデおばさん〈KHM43〉』 【あらすじ(要約)】 昔、あるところに小娘がいました。娘はわがままで小生意気で、両親が何か言っても「はい」と言ったためしがありません。 「あたし、トゥルーデおばさんの噂を聞いてね、ちょいとおばさんとこへ行ってみるつもり。人の話では、奇妙なとこなんだって。家の中には珍しいものがあるって話。行ってみたくて」 両親は厳しくとめて「トゥルーデおばさんは悪人だよ。あんなとこへ行くなら、もう私たちの子じゃない」と言いました。 しかし娘は耳をかさず、出かけて行きました。 トゥルーデおばさんのところへ着くと、おばさんは「おまえ…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その43 『へんてこなおよばれ』 【あらすじ(要約)】 赤腸詰と肝臓腸詰がいました。 赤腸詰が肝臓腸詰をお客に呼びました。 肝臓腸詰は表の大戸を入ると、へんてこなものが目に入りました。 上がり段があるのですが、一つ一つに何かしら違ったものがいるのです。箒と塵取りが殴り合いをしていたり、頭に大けがをしている猿がいたり、そういったものがいるのです。 肝臓腸詰は勇気を出して部屋に入ると、赤腸詰からもてなされました。 肝臓腸詰は、外の上がり段にいるへんてこなものたちを聞きたいと話を始めました。すると赤腸詰は聞こえないふりや、そんな話はつまらないという様子を見せました…
グリム童話を感じさせる実話。 現在の病室は4人部屋で一人当たりのスペースは3畳程度だろうか。狭いなりに最低限の設備は整っておりちょっとしたビジネスホテルの趣である。ベッドのわきに小さい机もあり、食事やPC作業も可能である。 ある日、机でPC作業を行っていた際に1mmほどの小さいアリが1匹、机上を歩いていた。 (ここは3階だが、、登ってきたのか、珍しいな、、) 可哀想ではあるがここは病院。衛生面で問題がありそうなので、ティッシュで捕獲しゴミ箱へ捨てた。 次の日、机でPC作業を行っていると再びアリが1匹歩いてくる。 (昨日のアリか? ティッシュで捕った際にまだ生きていたのかな?) 再度ティッシュで…
グリム童話集 5冊セット (岩波文庫) 岩波書店 Amazon 『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その42 『名付け親さん〈KHM42〉』 【あらすじ(要約)】 貧乏な人が子どもをたくさんもっていました。なにしろたくさんいて、世間の人を名付け親に頼んでしまったので、また生まれたときにはもう頼める人がだれ一人いませんでした。 途方に暮れ、寝てしまいました。すると、外に出て最初に会った人を名付け親に頼むといい、という夢をみました。 目が覚め、夢のとおりにしようと外に出てみました。そして、最初に会った人を名付け親に頼みました。 その知らない人は水の入った小さなコップを男にやり「これは不思議な水だ。…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その41 『コルベスさま〈KHM41〉』 【あらすじ(要約)】 昔、牝鶏と雄鶏がいました。旅行することになり、四つの赤い車輪のきれいな車を作って、四匹のはつかねずみにひかせました。牝鶏は、雄鶏と一緒に車に乗り、夫婦で出掛けました。 程なく、猫に会い「どちらへお出掛け?」と言いました。 雄鶏が「村の外れのコルベスさまのお屋敷へ」と返事をすると「一緒に連れてって」と猫が言いました。 雄鶏は「ようござんすとも」と返事をし「落ちるといけないから後ろへ乗ってください。気を付けて、赤い車輪を汚さないように。車輪、行けや。おねず、チューチュー鳴け。村の外れのコルベスさまの…
お菓子の家は、クリスマスシーズンや誕生日、パーティーなどで作って、飾って、食べて楽しむことができます。 お菓子の家の歴史は古く、古代ギリシャ ローマまでさかのぼり、宗教行事とも関係していると言われていますが、どうして作ることになったのでしょ
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その40 『強盗のおむこさん〈KHM40〉』 【あらすじ(要約)】 昔、あるところに粉ひきがいました。美しい娘がいて、年頃になったので嫁にやろうと考えました。 程なく、娘を嫁に欲しいという人が来ました。その人はお金持ちらしく、悪い人ではないと思ったので、娘をやる約束をしました。 許嫁の女というものは、相手を愛しく思うのが当たり前ですが、娘はそれ程愛しく思わず、ぞっとするのでした。 ある時その人が「あなたは私の許嫁だが、一度も私の家へ来ませんね」と言いました。 「あなたのお家存じませんもの」と娘が返事をしました。 すると婿は「森の中にあるのさ」と言いました。「…
ハロウィーン前ということで、それっぽい作品を集めてみました。 いねむり白雪姫BOOTHよりnoteより 自分の中でハロウィーンの認識は、日本の世間一般とはズ…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その39 『まほうをつかう一寸法師〈KHM39〉』 【あらすじ(要約)】 一番めの話 昔、ある靴屋が悪いことをした覚えもないのに貧乏になってしまい、たった一足の靴をこしらえるだけの革のほかには何一つなくなりました。 靴屋は日が暮れてから、その革を裁って明朝仕事にかかるつもりでした。 朝、仕事をしようとすると、靴は出来上がっていて仕事台の上に置いてありました。 おじさんは不思議で開いた口がふさがりません。靴を調べてみると、手ぎれいな仕事で職人が腕を振るったものとして恥ずかしくないものでした。 そこへ買い手が店へ入ってきて、この靴を気に入り、普通の値段より高く買…
『完訳グリム童話集(二)金田鬼一訳』その38 『おくさま狐の御婚礼〈KHM38〉』 【あらすじ(要約)】 一番目の話 昔、尻尾の九本ある古狐がいました。 古狐は妻が心変わりしたのではと疑い、試してみることにしました。 古狐は、まるで殺された鼠のように死んだふりをしていました。 奥様狐は自分の部屋に閉じこもり、女中の嬢さん猫は煮物をしていました。 やがて、古狐が死んだと知れると、大勢の求婚者たちが現れました。 女中は誰かが戸を叩いているのを聞きつけ、戸を開けてみると、若い狐がいて「何をしているの?嬢さん猫ちゃん。寝てるの?」と言いました。 「寝てないわ。ビールを煮えたてて、バターを中へ入れてるの…
🌜朗読と動く絵本🌛ショックと絶望は、軽やかな楽しいことと隣合せ 👡 じっくり心を込めて目の前のこと 👠 小人のくつ屋さん 👢 グリム兄弟👞
今年も一年、よろしくお願いいたします。大変な年明けになりましたが、今年最後の「ゆく年くる年」では、「幕開けは…」から始まり、その後には明るい話題が続くのではないでしょうか。つらい体験から強さを身に着けて、素敵な創造をしていけますように。今回カゼで鼻声ではありますが、大目に見て、大目に(多めに😊)聴いて、いただけましたら幸いです。今年に、しあわせの予感を込めて🍀0:00ごあいさつ2:25小人のくつやさん📖青空文庫より🌜Storytellingandmovingpicturebooks🌛“TheElvesandtheShoemaker”bytheBrothersGrimmGrimms'fairytales.ナレーション、パソコン、作画、マイクの扱い等…独学で試行錯誤を重ねながら制作しております。お聴きずらい点...🌜朗読と動く絵本🌛ショックと絶望は、軽やかな楽しいことと隣合せ👡じっくり心を込めて目の前のこと👠小人のくつ屋さん👢グリム兄弟👞
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その37 『おやゆびこぞう〈KHM37〉』 【あらすじ(要約)】 貧乏な百姓は日が暮れると囲炉裏端に腰を下ろして火をかきたて、おかみさんは糸を紡いでいました。 百姓が「子供がいないのは寂しい。よそのうちは賑やかだよ」と言いました。 「一人でもいい、小さく親指くらいでもいい、かわいがってやるのに」とおかみさんは返事をしました。 ところが、おかみさんは七月経つと子供を生みました。その子は体は満足ですが、大きさは親指くらいでした。 夫婦は「おやゆびこぞう」と名を付けました。 子は大きくなりませんでした。それでも聡明な目をしていて、賢く敏捷な子になり、やることは何で…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その36 『おぜんと驢馬とこん棒』 【あらすじ(要約)】 仕立屋さんに息子三人がいて、順番に世間に送り出し、誠実な仕事を習わせようとしました。 手ぶらでは困るので、それぞれが卵焼きのお菓子と五厘銅貨を一つもらい旅に出ました。 まず長男が小びとのところへ来ました。小びとはクルミの殻の中に住んでいましたが、大金持ちでした。 小びとは「私の羊たちの番をして、山の麓で草を食べさせてくれるならいいものをあげる。でも、山の裾野の家は賑やかなので、もしその家に踏み込んだら縁切りだよ」と言いました。 長男は承知し羊の番をしますが、その家からは遠ざかっていました。 ところがあ…
【読書】グリム童話『おぜんや御飯のしたくと金貨をうむ驢馬と棍棒ふくろからでろ』
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その35 『おぜんや御飯のしたくと金貨をうむ驢馬と棍棒ふくろからでろ〈KHM36〉』 【あらすじ(要約)】 昔、仕立て屋がいました。息子三人と一匹のヤギがいました。山羊は乳で皆を養っていたので、良い食べ物をもらって、毎日息子たちが順番に牧草地へ連れて行きました。 あるとき、長男が見事な草の生える墓地で山羊に草を食べさせました。家に帰る時間、息子が「腹が張ったか」と訊ねました。山羊は「腹がこんなに張った。もう一枚の葉もいらないよ、メーメー」と答えました。家に帰り、小屋に繋ぎました。 父親は「やぎは餌を十分食べたか」と言いました。 「食べたとも。もう一枚も食べた…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その34 『天国へ行ったしたてやさん〈KHM35〉』 【あらすじ(要約)】 天気のいいある日、神様が天国の庭を散歩なさるので、使徒と聖者の方々をお供にお連れになったため、天国には聖ペートルス様しかいませんでした。 神様は、留守中誰も入れないように言いつけてあったので、ペートルス様は御門のそばに立ち、番をしていました。 まもなく誰か戸を叩きました。ペートルス様が訊ねると「私は貧しい正直な仕立て屋です。中へ入れてください」と優しい声が答えました。 「正直ものか、首つり台にのぼる泥棒のようにな」とペートルス様は言い、「おまえは手くせが悪い、人の布地をじょきじょきハ…
そしてある塔の最上階へ来ました。女性が一人、倒れています。金髪に白磁のような肌、そして小さな王冠を付けていました。服は100年経っているとは思えないほど豪華な衣服です。(古めかしい衣装だけど、可愛らし
長い年月が経ち、人々から忘れ去られた頃、一人の男性がこの国を訪れました。街中で、茨に覆われた大きな建物があると聞き、興味を持ったのです。実際に、茨の前にやってきました。確かに、たくさんの茨は大きな壁を
昔、とある国に子供に恵まれない王様と王妃様がいました。そのことで夫婦ともに悩んでいましたが、ある時王妃様に仲の良い精霊が言いました。精霊「あなたは、一年以内に女の子を授かるよ。」王妃「本当に!?それが
【シンデレラ】世界いち有名なお姫様、だけどみんながあまり知らないこと【ヒロインレビュー第31回】
「お姫様と言えば?」 世界中でアンケートを取ればまず間違いなく上位に上るのは「シンデレラ」でしょう。みなさんもお話は十分ご存知だと思います。ですがそのシンデレラの物語、作者は? 元ネタは? あの意味は?意外と知らないことも多いのではないでし
グレーテルを食う為に大鍋に湯を沸かすよう命じたカミラ。グレーテルは、思わず胸の前で十字を切るのでした。そして、カミラがグレーテルに言ったのです。カミラ「グレーテル、パン窯へ行って、パンの焼け具合を見て
翌朝、魔女であるカミラは、ヘンゼルを起こすと、こう言いました。カミラ「起きたかい?」ヘンゼル「起きたよ。カミラさん。おはよう。」カミラ「おはようさね。ちょっと家畜小屋までついてきてくれるかい?」ヘンゼ
ヘンゼルとグレーテルの兄妹が大喜びでお菓子の家を食べていました。すると、クッキーのドアが開いて、一人の老婆が家の外に出てきました。老婆は、ワシ鼻にギョロリとした大きな目のおばあさんです。黒いフードを背
木こり一家のお母さんが、兄弟が一度も来たことのない深い森へ来ると言いました。お母さん「森へ着いたわ。さぁ食材を探してね。」ヘンゼル「でも、一度も来たことのない森だよ?大丈夫なの?」お父さん「この辺は大
ヘンゼルとグレーテルは、白く光る石を辿りながら、なんとか家へたどり着くことができました。ヘンゼル「ただいま!」グレーテル「ただいま!」そんな兄妹に、しょげていたお父さんは大喜びでした。お父さん「お前た
とある森の中に、貧しい木こりの夫婦とその兄弟が住んでいました。兄妹はヘンゼルとグレーテルといいました。一家は、その日の食事がままならないほど貧しかったのです。そんな時、奥さんにこんな提案をされたのでし
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その31 『三いろの言葉〈KHM32〉』 【あらすじ(要約)】 昔、スイスに年をとった伯爵が住んでいました。 息子は一人しかいないのですが、何一つ覚えられないバカ息子なのです。 父親は「ここを出なさい。おまえを評判の高い先生に預けて何とかしていただく」と言い、息子は見知らぬ都へ送られ、先生のもとで1年過ごし帰ってきました。 「何を習った?」と父親がたずねました。 「犬がわんわん鳴く言葉を習いました」と息子はこたえました。 伯爵は情けなく思い、また別の先生のもとへ息子を預けました。 息子はまたその先生のもとで1年過ごし帰ってきました。 「何を習った?」と父親が…
最近、ときどきカエル化現象という言葉を見たり聞いたりします。「蛙化現象」とは、好きだった相手が急に気持ち悪くなる心理学用語らしいです。wikipediaでは、蛙化現象(かえるかげんしょう)とは、好意を抱いている相手が自分に好意を持っていることが明らかになると、その相手に対して嫌悪感を持つようになる現象を指す。「好きだった相手」が「生理的に無理」と思うほど逆の感情になることから、グリム童話『かえるの王さま』に例えて蛙化現象と呼ばれる・・・とのことです。 さて、グリム童話からの説明を私なりに解釈してみました。せっかく相思相愛になった王子様を、何かのきっかけで突然嫌いになってカエルに戻してしまう、ということなんですかね?そして、その理由は・・・・ゲーム感覚に慣れ過ぎてしまった結果、目的達成するとゲームオーバー・...「蛙化現象」って知っていますよね?
1997年公開の作品 ストーリーはグリム童話の「白雪姫」!!グリム童話といえば、童話なんだけれど実際の話を読むとめちゃくちゃ怖い。王妃が魔法の鏡に世の中で一番…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その30 『ものわかりのいいハンス〈KHM32〉』 【あらすじ(要約)】 ハンスの母親が、「ハンスや、どこ行く?」と聞く。「グレーテルのとこへ」とハンスが返事をする。「うまくやんなよ」「大丈夫、うまくやるってば。あばよ、おっかあ」「あばよ、ハンス」 ハンスはグレーテルの家に行く。 「こんにちは、グレーテルさん」「こんにちは、ハンスさん。何かいいもの持ってきた?」「何も持ってこないよ。何かくれるもんない?」 グレーテルは、ハンスに針を一本やる。「あばよ、グレーテルさん」「あばよ、ハンスさん」 ハンスは針を干し草車に刺し、車のあとについて家に帰っていく。 「おっ…
当ブログですが、今年もネタが尽きるまで(!!)ドイツ、シュトゥットガルト滞在記をアップしていこうかな〜と思っています。 おつきあいのほど、よろしくお願いいたします m(_ _)m さて、グリム童話に「かほうにくるまったハンス」 (Hans im Glück) というお話があり...
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その29 『手なしむすめ〈KHM31〉』 【あらすじ(要約)】 粉ひきの男は貧乏で、水車と一本のりんごの木しかなくなってしまいました。 森で薪を取っていると、お爺さんが来て「水車の後ろに立ってるものをくれるなら、金持ちにしてやる」と言いました。 それはりんごの木と考え、粉ひきは「いいですよ」と答えて、その男に証文を書きました。 すると男は「三年後に取りにくる」と言い、行ってしまいました。 粉ひきは帰ると、おかみさんが「お金が山のように入ってきたんだけど、どうしたの」と言いました。 粉ひきは「森で会った男が宝をくれると約束したから、代わりに水車の後ろに立ってる…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その28 『しらみとのみ〈KHM30〉』 【あらすじ(要約)】 しらみとのみが所帯をもち、卵の殻の中にビールをこしらえました。すると、しらみがその中に落ちて火傷をしました。 これが悲しくて、のみが泣き出しました。それを聞いて、開き戸が「のみさん、どうして泣いてるの?」と言うと、「しらみさんが火傷したんですもの」 すると、開き戸がきいきい鳴り出しました。それを聞いて、隅っこにいた箒が「開きさん、どうしてきいきい言ってるの?」と言うと、「きいきい言わずにいられよか、しらみの小僧が火傷して、のみが泣く」 すると、箒はすごい勢いで掃除を始めました。 そこへ通りかかっ…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その27 『黄金の毛が三ぼんはえてる鬼〈KHM29〉』 【あらすじ(要約)】 昔、貧しい女が男の子を生みました。頭に福ずきんを被っていたので、14歳になるとお姫様を嫁にするという予言がありました。 王様がこの村に来て、何か変わったことはないかと村人に訊ねると、「福ずきんを被った子が生まれたので、14歳になるとお姫様を嫁にもらうだろうと予言する者もいます」と言いました。 王様は腹黒い人でその子の親のところへ行き、親切なふりをして「貧しいようだが、その子を私が面倒を見よう」と言いました。 両親は断りますが、金貨をたくさんくれると言うし運のいい子だと考え、子を王様…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その26 『唄をうたう骨〈KHM28〉』 【あらすじ(要約)】 昔ある国で、猪がお百姓たちの畑を荒らしたり、家畜を殺したり、人間を襲ったりするので、困っていました。 王様は、この災いから国を救ってくれる者には褒美を出すと言いますが、その獣は大きくて力が強いので、誰ひとりその獣が棲んでいる森に行く勇気がありません。 とうとう王様は、この猪を捕まえるか、殺すかした者には、一人娘を妻にやろうというおふれを出しました。 この国に二人の兄弟が住んでいました。貧しい男の二人の息子たちが名乗り出て、一か八か危ない仕事を引き受けると言いました。兄は悪知恵があって、自慢の気持…
今はグリム童話とかんぴょうが有名な石橋宿:日光街道宿場巡り⑯
今回紹介するのは、日光街道15番目の宿場・石橋宿です。現在の行政区画は栃木県下野市になります。 残念ながら石橋宿の面影が残る史跡はあまり残っていませんが、石橋宿に入ると、近隣13村の郷社であった石橋愛宕神社があります。石橋の愛宕神社の歴史は古く、第46代孝謙天皇の御代の...
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その25 『死神とがちょうの番人』 【あらすじ(要約)】 不幸ながちょう飼いが、白いがちょうの番をしながら大きな川の岸を歩いていました。 そのとき、死神が川を渡ってきたので、どこから来たのか、どちらにおいでなのか、がちょう飼いが聞きました。 死神は、この世の中から立ち去るものだと答えます。 がちょう飼いは、どうしたらこの世の中から立ち去ることができるのかと死神に聞くと、この川を越えて向こう岸にある新しい世の中へ行くだけだと答えました。 がちょう飼いは、この世の生活が嫌になったので、自分を川向こうへ連れて行ってほしいと頼みました。 死神は、まだそのときが来ない…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その24 『ブレーメンのおかかえ楽隊』<KHM27> 【あらすじ(要約)】 ある男が一匹のロバを持っていました。このロバは年をとり、だんだん働けなくなりました。 そこで飼い主は、ロバに餌をやるのをやめようと考えます。 すると、ロバは逃げ出しブレーメンへ向かって出かけました。まちのおかかえ楽隊になれるかもしれないと思ったからです。 少し行くと、猟犬を一匹見つけました。この犬も「年をとって、猟に行っても駆けることができないので、主人に殺されそうになり逃げ出した」と言います。 ロバは「ブレーメンに行って楽隊になる。一緒に入れてもらおう。俺は琵琶を弾く。あなたは鍋太…
【グリム童話】は、 グリム兄弟(兄ヤーコプと弟ヴィルヘルム)が ドイツの昔ばなし(メルへン)をまとめあげた童話集。 シンデレラや ラプンツェル、 ハーメルンの笛ふきなど 156篇の童話が収集されていて、 世界で最も多くの言語に翻訳され、 最も多くの人々に読まれている童話です。 この記事では、 幼児向け(3~6歳向け)の おすすめのグリム童話集1冊(15話)と、 幼児~大人向けに、 日本では あまり深く知られていない⁈ その他のお話を 9冊選んでみました。 名作よんでよんで グリムどうわ15話 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その23 『赤ずきん』<KHM26> 【あらすじ(要約)】 昔、小さな愛くるしい女の子がいました。この子を一番かわいがっていたのは、お祖母さんでした。 あるとき、お祖母さんは赤いビロードの頭巾をあげました。これがこの子にとてもよく似合って、他のものをかぶろうとしなくなったので、皆がこの子を赤ずきんと言うようになりました。 ある日、お母さんが「お菓子とぶどう酒をお祖母さんのところへ持って行ってちょうだい。病気で弱っているから、これを食べると体にいいのよ。それから外へ出たらおてんばしないで歩くこと、脇道へ入っちゃダメ。転んで瓶を割ったら、お祖母さんにあげるものが…
前回まで途中経過をお見せしました。『途中経過の続き*白雪姫イラスト作成*未公開』前回はラフ画をお見せしました。『未発表*白雪姫のラフ画*途中経過』まずこちらは…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その22 『七羽のからす』<KHM25> 【あらすじ(要約)】 昔、ある男に息子が七人いましたが、娘は一人もいないため、娘をとても欲しがっていました。 そのうちに、おかみさんに子どもが生まれると待ちに待っていた女の子でした。 男はとても喜びました。けれども、子どもは小さく、痩せこけて体が弱いため、すぐに洗礼を受けさせなければなりませんでした。 父親は、男の子の一人を泉にやって、洗礼の水を持って来させようとしました。 すると、他の子どもたちも一緒にかけていき、競争で水を汲もうとしたので、壺が泉の中に落ちてしまいました。 皆どうしていいかわからず、帰ろうとしませ…
「こびとの靴屋」というお話はご存知の方も多いと思う。こびとが夜な夜な靴職人のおじいさんの代わりに靴を仕上げてくれて、その靴はおじいさんが作る靴よりも高値で売れてそれが何度か続いておじいさんもおばあさんも裕福になって幸せにくらしましたとさ、的なものだ。 このお話、どうしても引っ掛かるものがある。こびとが靴を仕上げてくれるのは代わりに労働をしてくれているのだから結構なことだが、その成果物が本人のクオリティ超えちゃって良いものなんだろうかと。 そもそもおじいさんは腕の良い靴職人という設定のはず。作品のフィニッシュを他人に譲って、あまつさえ自分の作品よりもゼニを稼ぐ作品が出来上がっていることに何も感じ…
『完訳グリム童話集(一)金田鬼一訳』その21 『ホレのおばさん』<KHM24> 【あらすじ(要約)】 ある寡婦(ごけ)さんに二人の娘がいました。 その一人は美しくて働き者で、もう一人は器量が悪く怠け者でした。 けれども、母親は器量が悪い怠け者の娘が本当の娘なのでずっとかわいがり、もう一人の娘は、家中の仕事を一人で引き受け、灰だらけになって働かなければなりませんでした。 かわいそうにこの娘は、井戸のそばに座らせられて、指から血が出るほどたくさんの糸を紡がなければなりませんでした。 ある時、糸巻きが血だらけになったので、井戸にかがみ、糸巻きを洗おうとしたら、井戸の中に落としてしまいました。 娘は泣…