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「時ひらく」を読了しました。辻村深月さん伊坂幸太郎さん阿川佐和子さん恩田陸さん柚木麻子さん東野圭吾さん6人の作家さんのアンソロジー。老舗デパート「三越」が関係…
「錯覚の科学」クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ著、木村博江訳、文春文庫、2014年8月錯覚の科学(文春文庫)チャブリス,クリストファー文藝春秋アメリカの心理学者が、錯覚がいつどのように私たちに影響をあたえ、どんな結果をもたらすか、そしてその影響をのがれ、最小限にとどめるにはどうすればいいかを探った本。人が陥りやすい日常的な錯覚は以下の6つ。1.注意の錯覚(目は向けていても見落としてしまう)2.記憶の錯覚(自分が体験したことを鮮明かつ正確に記憶できていると思っているが、じつは記憶はゆがむことが多い)3.自信の錯覚(自信ありげな態度を、相手の知識や能力のあらわれとして反射的に受け入れてしまう)4.知識の錯覚(自分の知識の限界を自覚せず、見慣れたものについては十分知識をもっていると思い込む)5.原...錯覚の科学
最近読んだ本を紹介します。 こちらの小説です↓ 『青い壺』 有吉佐和子さんの作品です。 有吉さんといえば、和歌山生まれ。 なので、和歌山に住んでた頃に知りま…
「選択の科学」シーナ・アイエンガー著、櫻井祐子訳、文春文庫、2014年7月選択の科学コロンビア大学ビジネススクール特別講義(文春文庫)シーナアイエンガー文藝春秋心理学に軸足を置きながら、経営学、経済学、生物学、哲学、文化研究、公共政策、医学、さまざまな分野を参照し、「選択」について考察した本。著者の両親はシーク教徒で、本人は高校の時に全盲になった独特な経歴。その経歴が「選択」を研究テーマにさせたようです。2010年に単行本出版、NHK白熱教室で話題になりました。日本にも住んでいたそうで日本人の例も出てきます。本書でユニークなのは、何ごとも選択肢は多い方が良いようでいて、多すぎるとかえって選択しなくなってしまうことを実証している点。店頭に並べるジャムの数を変えて実験しています。6、7種類くらいがよいそうです...選択の科学
丸谷才一「猫のつもりが虎」(文春文庫) 表紙の絵が、なかなかいいとお思いになりませんか?丸谷才一のエッセイ集、「猫のつもりが虎」(文春文庫)ですが、もともとは「ジャパン・アヴェニュー」という、どこ
川上弘美「センセイの鞄」(文春文庫)「2004年《本》の旅 その3」
川上弘美「センセイの鞄」(文春文庫) これも「2004年《本》の旅」と銘打って案内している、過去の案内のリニューアル。15年前に「今」だった人たち。みんな偉くなった、そんな感じもしますね
玄侑宗久「龍の棲む家」(文春文庫) お話のお上手な和尚さんが檀家の人たちを集めて法話をするなんてことは、最近でもあるのでしょうか。 玄侑宗久は「中陰の花」とかいう作品で芥川賞をとった作家ですが
小林信彦「生還」文藝春秋 作家というべきなのか、評論家というべきなのか、はたまた、編集者というべきなのでしょうか。最近では「本音を申せば」(文春文庫)と題して、週刊誌に連載を続けて
『満月珈琲店の星詠み』・・・自分がどんなに頑張ってもどうにもならないときがある。
満月の夜にだけ現れる満月珈琲店では、猫のマスターと店員が、極上のスイーツやフードとドリンクで客をもてなす。スランプ中のシナリオ・ライター、不倫未遂のディレクター、恋するIT企業家・・・マスターは訪問客の星の動きを「詠む」。悩める人々を星はどう導くか。美しいイラストにインスパイアされた書き下ろし小説。
こんにんちは。アラフォー独女のMOMOです。(プロフィールはこちら)* * * * *作家・辻仁成さんの小説を紹介するシリーズ第4弾です。今回は2012年に文芸春秋から発売された「永遠者」のご紹介です。私は2015年に文春文庫から発売された
「望郷」湊かなえ著、文春文庫、2016年1月望郷(文春文庫)湊かなえ文藝春秋瀬戸内海に浮かぶ島を舞台にした6編の連作短編集。小説の中では島の名前は「白綱島」という架空の島名ですが、著者の故郷「因島」がモデルだそうです。6編のタイトルは「みかんの花」「夢の国」「海の星」「雲の糸」「石の十字架」「光の航路」。どの作品も島の生活が息苦しかったり、肩身が狭かったりする人たちの立場から描いており、悲哀が漂いますが、所々光も差しています。「望郷」のタイトルで映画化されています。映画は「夢の国」「光の航路」2話の連作形式。映画のレビューを読むと、今回本を読んだのとだいたい同じ感想でした。望郷(映画)なんでこの2話が映画化されたのだろうと思って検索してみると、映画化の前に「みかんの花」「海の星」「雲の糸」の3話がテレビド...望郷(書籍)
一度も会ったことのない息子が、25歳になっていきなり訪ねてきて、共同生活が始まる。現実にはあり得ないだろうが、そのあり得ない設定の下で、人情の機微をはんなりと描いていくのが瀬尾小説だ。 現実にあり得るとかあり得ないとか、そんなのはどちらでもよい。父と息子のやりとりをしみじみ...
ひょっぽこ読書記録No.119 『波のうえの魔術師』石田衣良 文春文庫 ー抜粋8箇所
にほんブログ村 『波のうえの魔術師』 石田衣良 文春文庫 ・この狂った時代、 どんなに 逃げたって マーケットの影から 出ることは、 もう不可能なのだ。 市場の傘は 世界を覆っている。 庶民の振りも、 善良である振りも、 無知である振りも すぐに 通用しなくなるだろう。 市場は 参加者の性格など 問わない。 横並びの ありふれた人生なんて お伽話に 関心など 持たない。 「君は 私の若い頃に よく似ている。 そうやって 関係ないといって、 すべてを 切り捨てるところなんかは、 悪いが そっくりだ。 それに パチンコの勝ち負けを 毎日記録するような 臆病で 几帳面なところも」 「何故、 俺だった…
ひょっぽこ読書記録No.107 『学・経・年・不問』城山三郎 文春文庫 ー抜粋14箇所
にほんブログ村 『学・経・年・不問』 城山三郎 文春文庫 ・性格は 一見 対照的だが、 二人は 気が合った。 のろは のろ足なりに、 勇みは 勇み足なりに、 人生に 夢中になるところがある。 自分の人生だけを 見つめる。 自分のペースこそ、 人生の時間だと思う。 人一倍のんびり、 あるいは 人一倍性急で居て、 普通の人間以上に 自分たちをまともだと 考えている。 もちろん、 二人は 変人ではない。 少々 純粋 というだけの ことだ。 ・考えてみれば、 世の中の 人間は 程度の差こそあれ、 のろ足・勇み足の 二種に 大別されるのではないか。 お尻を叩かねば ならぬ人間と、 ブレーキをかけねば な…