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ディスクレビュー『CHASING EUPHORIA』/HAREM SCAREM
Chasing Euphoriaアーティスト:Harem ScaremワードレコーズAmazon◆近作の中では随一。そして足りない最後のピース。このバンドに関しては、時期による音楽的方向性のブレがそれなりに大きいがゆえに、はじめに各時期に対するスタンスを明確にしておくべきだと思っている。僕の場合はご多分に漏れず2nd『MOOD SWINGS』から入った口で、しかしアルバムとして一番好きなのは溯っての1st『HAREM SCAREM』。ちなみに1st収録の「Something To Say」は、かつてHR/HMオールタイム・ベスト・ソングの6位に選んでいるほど。tmykinoue.hatenab…
ブログという形式上、どうしても過去に書いたものが探しづらくなってしまっているので、こちらに一覧を用意しました。改めて見てみると、年によって書いている量に相当な偏りがありますね……。もう少しコンスタントに書いていきたいと思っています。いちおう年別に分けてみましたが、これは執筆時期であり、作品のリリース年ではないことをご承知おきください。【2025年】 ディスクレビュー『CHAPTER V: THE ASCENDANCE』/ART NATION - 泣きながら一気に書きました ディスクレビュー『SKELETÁ』/GHOST - 泣きながら一気に書きました ディスクレビュー『THE FATHER O…
ディスクレビュー『THE ASCENDANCE』/ART NATION
Chapter V: The Ascendanceアーティスト:Art NationワードレコーズAmazon★想定のさらに上を行く圧巻の歌声に打ちのめされる悦び相変わらず惚れ惚れするような歌声だ。当代随一の実力派Voアレクサンダー・ストランデルを擁するスウェーデン産メロディアス・ハードの5th。いや「擁する」というよりは「率いる」と言うべきか。音色的には、シンセサイザーをフィーチャーしたスペイシーな印象がこれまでより強まっているが、この圧倒的な歌声を前にそんなことは瑣末事に過ぎない。むしろそのエネルギッシュな歌唱はあまりにも力強すぎて、人によっては押しつけがましさを感じるくらいだろう。たとえ…
Skeletáアーティスト:ゴーストユニバーサル ミュージックAmazon◆「BLACK SABBATH meets BOSTON」? 闇夜に明かりを灯す暗黒界の産業ロックスウェーデン産グラミー賞バンドの6thアルバムは、予想通りさらにキャッチーな路線へと開けた作品になった。ここまで来るともはや初期のゴシック的暗黒感は薄まったと言わざるを得ないが、しかし音作りの壮大さと奥行き、そしてメロディの湿り気にはその残り香が充分に残っている。キャッチーであるとは言ったが、当初は一聴したところやや地味な印象を受けた。その要因はおそらく、これまでのようにパンチの効いたイントロを持つ曲が少ないからであると思わ…
ちなみに曲名前の番号は、順位ではなく紹介したい順あるいは曲順に近い意識で便宜的につけたものです。1.「Room For One More」/ANTHRAX www.youtube.com一曲を通じて楽曲の主導権を握るドラムの圧倒的存在感。 もはやギターと一体化したドラム・リフが遠慮会釈なく跳ねまわる。 リード楽器としてのドラムの可能性を感じさせる一曲。Sound of White Noiseアーティスト:AnthraxElektraAmazon 2.「Bitter Peace」/SLAYER www.youtube.com重々しいイントロからゆっくりと坂を登り、頂上でいったん静まったかと思いき…
ディスクレビュー『THE FATHER OF MAKE BELIEVE』/COHEED AND CAMBRIA
The Father of Make Believeアーティスト:Coheed & CambriaCoheed and CambriaAmazon◆個々の楽曲とアルバム全体の魅力を両立した至高のコンセプト作これは着実にキャリアを積み重ねてきたバンドが10作目にしてたどり着いた、アメリカン・プログレッシヴ・メタルの傑作である。と、シンプルに言えばそういうことになるのだが、もちろんことはそう単純ではない。そもそも彼らの音楽性を「プログレ・メタル」と言い切ることも難しい。たしかに音像的にはプログレッシヴ・ロックにメタルのエッジを加えた形ではあるのだが、その根っこにはパンクやハードコア的な野性味も確実…
ディスクレビュー『BEYOND TOMORROW』/GINEVRA
Beyond Tomorrowアーティスト:GinevraFrontiers RecordsAmazon◆高品質な歌とギター特化型地味作とにかく抜群に上手い歌とギターを堪能するための作品である。逆に言えば、その二要素がメロディアスな音楽にとっていかに重要であるか、またそれだけでどこまで到達できるのかを実験しているかのような潔さを感じさせる。VoはSEVENTH CRYSTALのクリスティアン・フィール、Gtは「プロジェクトやりすぎおじさん」ことマグナス・カールソン。加えてBaにH.E.A.T、DrにECLIPSEのメンバーを招喚するという、北欧の実力者を集めたバンド(というかプロジェクト?)の…
ディスクレビュー「GAME OF FACES」/DYNAZTY
Game Of Facesアーティスト:DynaztyワードレコーズAmazon◆高密度、高精度で組み上げられたメロディの宝石箱隅から隅まで、煌びやかなメロディがギッシリと高密度で詰め込まれた作品だ。現AMARANTHEの男声Vo.であるニルス・モリーンを擁するスウェーデン産メロディック・ハード・ロック・バンドの9作目は、日々メロディを追い求めている聴き手ならば素通りできない輝きを放っている。個々の旋律が極限まで研ぎ澄まされているうえに、そのつなぎに一分の隙もない。これぞまさにメロディの宝石箱や!――そう彦摩呂風に言いたくもなってくる(not 海鮮丼)。だがその隙間なく埋め尽くされた高密度と高…
2016年~2024年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・アルバム10選リスト
そろそろ自分でも過去に選んだお気に入り作品を見渡せる形にしておきたいと思い、これまでの年間ベスト・アルバムをリスト化してみました。【2024年】ブラッド・アンド・エンジェルズ・ティアーズアーティスト:ヴィジョン・ディヴァインキングレコードAmazon1位『BLOOD AND ANGELS' TEARS』/VISION DIVINE 2位『THE SKIES ABOVE ETERNITY』/FELLOWSHIP 3位『CLEAR COLD BEYOND』/SONATA ARCTICA 4位『TEENAGE REBEL』/NESTOR 5位『PLEASURE BEATS THE PAIN』/REM…
2024年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・ソング10選
1位「Eternity」/FELLOWSHIP『三國無双』でステージ・インしたところに流れてきそうなワクワクするイントロから、一撃で印象に残る流麗なギター・フレーズ、そして切なすぎる歌メロの連鎖と、かつての昭和歌謡やアニメソングでもここまでは泣かせないだろうというくらい全編哀しみに満ちあふれた名曲。メロディの方向性的には断トツの1位。ザ・スカイズ・アバヴ・エターニティ [CD]アーティスト:フェローシップマーキー・インコーポレイティドビクターAmazon 2位「The Broken Past」/VISION DIVINEwww.youtube.comアルバムが素晴らしかったのでほかにも選びたい…
2024年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・アルバム10選
1位『BLOOD AND ANGELS' TEARS』/VISION DIVINE ブラッド・アンド・エンジェルズ・ティアーズアーティスト:ヴィジョン・ディヴァインキングレコードAmazon欧州様式美HMの結晶。VISION DIVINEといえば、ミケーレ・ルッピ(Vo.)在籍時の3rd『STREAM OF CONCIOUSNESSS』が名盤として名高いが、それに勝るとも劣らぬクオリティ。いわゆるコンセプト・アルバムであり、二部構成になる壮大なサーガの第一部とのことだが、一枚の作品としての完成度が非常に高く、最初から最後まで通して聴くことの意味を確実に感じさせる。とにかく美旋律に尽きる。www…
皆さんこんにちは。遊びに来てくださいましてありがとうございます。それでは、本日の記事はコチラ♪ ♪ TMG / II ♪1. CRASH DOWN LOVE2. ENDLESS SKY3. JUPITER AND MARS4. MY LIFE5. FAITHFUL NOW6. COLOR IN THE WORLD7. ETERNAL FLAMES8. DARK ISLAND WOMAN9. GUITAR HERO10. THE GREAT DIVID9月18日にリリースされたB'zの松本孝弘さん率いるロック・バンド、TMGによる実に20年ぶりのニュー・アルバムです。No.2ではBABYM...
身も蓋もないエントリだが、たまにはシンプルに最近よく聴いている音楽を素直に紹介してみようかと思い。というのも、時々はこうやって書き留めておかないと、いざ年末になって「今年って何聴いてたっけ?」となってしまい、年間ベスト作選びをまた一からやるハメになる。かといって、一作ごとに逐一レビューを書いていくのも労力がいる。別に年間ベストだってわざわざ選ばなくても良いのだけど、勝手恒例にしてしまっているので選ばないわけにもいかない。それにそこでまた選んでおかないと、今度は十年後とかに「あの頃って何聴いてたっけ?」と頭を悩ませることになる。それだって別に悩ませとけばいいんだけれども。てなわけで、最近よく聴い…
【収録曲】 01.オール・ナイト・ロング02.アイズ・オブ・ザ・ワールド03.ノー・タイム・トゥ・ルーズ04.メイキン・ラヴ05.シンス・ユー・ビーン・ゴ…
ディスクレビュー『NIGHTBLAZE』/NIGHTBLAZE
Nightblazeアーティスト:NightblazeArt of MelodyAmazonとにかくジャケットをなんとかしてほしい。それを言えばバンド名だってなんとかしてほしいのだが、どちらもこの美しい音楽性にはそぐわない。――という部分まで含めて、もはや逆にお約束になりつつあるというか、むしろ事前に香ばしさを感じるくらいの嗅覚はこちらも身につけてはいるのだが、それにしても。こう見えて本作は、ジャケットとバンド名からイメージされるバッド・ボーイズ・ロックンロールなどではもちろんなく、繊細なメロディを丁寧に紡ぐ美旋律ハード・ロックである。それもそのはず、このバンドは、あのPLATENSのグリロ兄…
Mean Streets(日本盤限定仕様CD+Blu-ray+ボーナスCD)アーティスト:RiotワードレコーズAmazonバンドの創り出す音楽に二面性があることは珍しくもない(特にメイン・ソングライターが複数いる場合)が、ここまで楽曲の方向性がきっちり二分されているアルバムも珍しい。そしてその両面がともに魅力的であるケースは、残念ながら滅多にあるものではない。本作は、まさにその罠に嵌まっているように思われる。RIOTはその硬派なイメージとは裏腹に、そもそも二面性のあるバンドである。デビュー・アルバムを例に取るならば、タイトル・トラックの「Rock City」に代表される明快なアメリカン・ハー…
【収録曲】 01.ファイアボール02.ノー・ノー・ノー03.ストレンジ・ウーマン04.誰かの娘05.ミュール06.フールズ07.誰も来ない また自動車の…
2023年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・ソング10選
1位「1001」/ART NATIONwww.youtube.comほとばしりまくる哀愁。突き抜けるようなメロディがとにかく素晴らしい。泣きの美旋律が好きなら、必ずや琴線に触れるものがあるだろう。アルバム部門でもアレクサンダー・ストランデルの歌うアルバムを二作入れることになったが、曲単位でも二曲入れるにふさわしい活躍ぶりだった。インセプション [CD]アーティスト:アート・ネイションマーキー・インコーポレイティドビクターAmazon 2位「The Lucid Dreamer」/MAGNUS KARLSSON’S FREE FALL当ブログではすっかりお馴染みのマグナス・カールソン。しかし異様な…
2023年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・アルバム10選
1位『WONDERLAND』/SEVENTH CRYSTAL ワンダーランド [CD]アーティスト:セヴンス・クリスタルマーキー・インコーポレイティドビクターAmazon当代随一の歌巧者、クリスティアン・フィールの歌唱を味わい尽くすための一枚。いまや各方面のプロジェクトで引っぱりだこの彼だが、こちらはその本陣にあたるスウェーデン産メロディアス・ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。昨年も彼の参加したGINEVRAを2位に挙げたが、あちらもそうであったように、さほど派手さがあるわけではない。むしろ質実剛健な作りを感じさせる。強靱かつ繊細な歌を軸に置いたその方向性に迷いはない。その歌はとにかく一…
★オリジンズ Vol.1/エース・フレーリー orderORIGINS VOL. 1/ACE FREHILEY (2016) 「ローリング・ストーン」誌で「歴史上もっとも過小評価されているギタリスト」(2003)で堂々(?)5位にランクされた、エース・フレーリーの初カヴァー・アルバムである。この時エー
好きなロックな曲教えて!ヴェルヴェット・アンダーグラウンドかな?( ^ω^ )https://youtu.be/6nwq5aGw_O4The Velvet U…
ディスクレビュー『72 SEASONS』/METALLICA
72シーズンズ (SHM-CD)アーティスト:メタリカUniversal MusicAmazonこれはあくまで問題作『LOAD』以降のMETALLICAであって、それ以前のMETALLICAではけっしてない。時が戻らない以上、当然といえば当然だが妙な期待をしてはいけない。つまりその本質はメタルではなくロックンロールにあるということだ。先行公開された数曲のストレートな攻撃性から、彼らはここへ来ていよいよ初期衝動を取り戻したという声もあった。だがそんなことはもちろん不可能なのだ。捏造された初期衝動は若作りの痛々しさを伴う。目指した時点でそれは初期衝動ではなくなる。ベテランが若さに憧れる気持ちは、む…
Heavysphere PERMISSION TO LAND
★パーミッション・トゥ・ランド/ザ・ダークネス orderPERMISSION TO LAND/THE DARKNESS (2003) 少し前に、エアボーンを紹介したが、今回紹介のザ・ダークネスも、彼ら同様、ハード・ロック全盛の1970-1980年代的スタイルを21世紀の現代に蘇らせたバンドである。単な
2022年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・ソング10選
1位「Shine On」/CRASHDIET オートマトン [CD]アーティスト:クラッシュダイエットマーキー・インコーポレイティドビクターAmazonメタルファンにとって「Shine On」といえば、もちろんRIOTの稀代の名曲「Warrior」なわけだが、ここに新たな「Shine On」の響きを持つ美しい楽曲が誕生した。この曲を聴くと、改めて「Shine On」という発語と哀愁溢れるメロディの、まるで運命づけられたような相性の良さを痛感せざるを得ない。とにかくサビの「シャイノン、シャイノン」がどうにも耳から離れない。その裏を支えて走るギター・フレーズとの絡みも美しい。メロディの力を思い知ら…
2022年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・アルバム10選
1位『THE TESTAMENT』/SEVENTH WONDER ザ・テスタメントアーティスト:セヴンス・ワンダーマーキー・インコーポレイティドビクターAmazon現KAMELOTのVo.トミー・カレヴィックの圧倒的な歌唱力が乱舞するプログレ・メタルの傑作。前作『TIARA』の時点ですでにバンドの限界点まで来たかと思われたが、そこからのさらなる歌メロの上積みっぷりには正直驚かざるを得ない。プログレ・メタルというジャンルにおいて、歌がけっしてないがしろにされているとは思わない。だが重視されるのは歌の中でも「歌唱力」のほうで、その中身である「歌メロ」に本気の力が注がれているかというと、疑問符がつく…
【収録曲】 01.炎の街02.ブライト・ライト・ガール03.パーフェクト・ストレンジャー04.プライベート・オーディション05.エンジェル06.ディス・マ…
ディスクレビュー『THE TESTAMENT』/SEVENTH WONDER
ザ・テスタメントアーティスト:セヴンス・ワンダーマーキー・インコーポレイティドビクターAmazonより輪郭を明確にした歌メロの充実が、バンドの格をさらなるメジャー・フィールドへ押し上げるに違いない。そう確信させるに充分な、スウェーデンのプログレッシヴ・メタル・バンドの6th。前作『TIARA』も全方位的に開放感を増した素晴らしいアルバムで、明らかな成長を感じさせる作品だった。当ブログでも、年間ベストアルバムの7位に選んでいる。tmykinoue.hatenablog.comだがその作品としての完成度の高さは、あとほかにどこへ伸びしろが残されているのかわからない状態を示してもいた。そしてプログレ…
最近聴いたり読んだりした/している作品についての所感。 【音楽】 ◆『MY FATHER'S SON』/JANI LIIMATAINEN マイ・ファーザーズ・サンアーティスト:ヤニ・リマタイネンマーキー・インコーポレイティドビクターAmazon 元SONATA ARCTICAのギタリストのソロ作。もちろんそれ的な北欧メタル曲もあるが、思いのほか幅広いメロディ・センスを感じさせる楽曲群。豪華なゲスト・ヴォーカル陣の中でも、とにかく③「What Do You Want」⑥「The Music Box」におけるレナン・ゾンタ(ELECTRIC MOB)の歌唱が素晴らしい。その節回しは十二分に粘っこい…
★ランニン・ワイルド/エアボーン orderRUNNIN' WILD/AIRBOURNE (2007) エアボーン、なんとも活きのいい、元気いっぱいなハード・ロック・バンドである。これ程おバカ(誉め言葉)でハッチャけたバンド、私的には(音楽性は大分異なるが)初期レッチリ以来の出会いか