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井上智公さんのプロフィール

住所
東京都
出身
東京都

文筆業。 基本的に嘘泣きです。 よろしくお願いします。

ブログタイトル
泣きながら一気に書きました
ブログURL
https://tmykinoue.hatenablog.com/
ブログ紹介文
妄言コラムと気儘批評と悪戯短篇小説の巣窟
更新頻度(1年)

36回 / 365日(平均0.7回/週)

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井上智公さんの新着記事

1件〜30件

  • 短篇小説「ポジティブ刑事」

    ポジティブ刑事が現場へ急行している。拳銃を忘れて走り出してしまったがきっと大丈夫だろう。なぜなら彼はポジティブ刑事だからだ。武器などないほうが物事はスムーズに運ぶことも時にはある。どんなにネガティブな状況であっても、それをポジティブに捉えなおすのはポジティブ刑事の真骨頂であると言える。 そういえば防弾チョッキの着用を指示されていたような気がするが、ポジティブ刑事はいつものワイシャツにジャケットを羽織って飛び出していた。いま向かっている現場には凶悪な立てこもり犯がおり、男は散弾銃を所持しているという。 しかしもし仮に銃を撃たれたとしても、弾はそうそう当たるわけではないから特に問題はないだろう。も…

  • 短篇小説「ジダハラ」

    世間では時短ハラスメント、略して「ジタハラ」というものが流行っているようだが、わたしの職場では「ジダハラ」にすっかり迷惑している。 ジダハラの原因は、わたしと同じ職場で働く壇田踏彦という男である。踏彦はことあるごとに地団駄を踏む。その足音が、周囲をジリジリと苛つかせるのである。すでにおわかりだとは思うが、ジダハラとは「地団駄ハラスメント」の略である。 厄介なのは、われわれ地団駄を踏み慣れていない人間にとって、いまだ地団駄という行為が未知の領域であるということだ。地団駄とは本来、怒りや悔しさから踏むものと思われている。だが踏彦の様子を観察した結果、わたしを含む周囲の同僚らの見解では、それは地団駄…

  • 間違いだらけの「新語流行語全部入り小説2019」

    ある朝求人サイトにあな番の広告が出ていた。電話をかけてみたらいきなり採用となった。あな番とはアナウンサーの番組でもアナーキーな番長でもなく、穴の見張り番をする仕事だと説明されて、それくらいなら僕にもできると思ったのが不幸のはじまりだった。あらゆるバイトをクビになってきた僕にとって、それはなんとか食いつないでゆくための、いわば命を守る行動であったはずなのだが。 アルバイト初日に呼び出された場所はオフィスではなく、とある山の中腹にある山小屋であった。そこで僕を待っていた主任は、山小屋の前にぽっかりと開いた直径10メートルほどの大きな穴の前で僕に言った。「とりあえずこの穴を、日が暮れるまで守ってくだ…

  • 短篇小説「来店ルーティーン」

    泣ける曲を口ずさんでいる男が街角を歩いていると、本当は喫茶店をやりたかった八百屋の前でいつもニヤニヤしている男と出会った。泣ける曲を口ずさんでいる男といつもニヤニヤしている男は中学時代の同級生であったが、特に仲が良いわけではない。「やあ、久しぶりだね(ニヤニヤ)」 いつもニヤニヤしている男はこのときもやはりニヤニヤしていた。もちろん泣ける曲をくちずさんでいる男も、泣ける曲を口ずさんでいたからこそそう呼ばれている。二人は十年ぶりに出会ったが、十年前に偶然遭遇したときも二人はその状態だった。だから泣ける曲を口ずさんでいる男は、いつも泣ける曲を口ずさんでいる男と言ってもいいかもしれない。これからはそ…

  • 『METAL WEEKEND 2019』9月15日(日)ライヴレポート

    LOUDNESSが出た土曜日ではなく、HAMMERFALLがヘッドライナーを務めた日曜日のほうである。【METAL SOULS】 NOZOMU WAKAI'S DESTINIAのアルバム『METAL SOULS』を昨年のアルバム年間ベスト10に入れた身としては、登場順は最初ながら期待は大きかった。僕があの作品を高く評価したのは、まず何よりも楽曲のクオリティの高さ。そして今や各方面で引っ張りだことなっている現RAINBOWの歌い手、ロニー・ロメロの歌唱力であった。中心人物であるギタリストの若井望に関しては、作曲能力と演奏技術の高さ、そして手数の多いリフには魅力を感じる一方で、ソロに関してはまだエ…

  • たまには日記らしい日記

    昨日の雲は降らせる雲だったが今日の雲は降らせない雲だった。昨日はひどく降って今日は一滴も降らなかった。「~せない」という否定形の使役表現といえば我が家杉山の「言わせねえよ」を思い出すが、彼には雨を降らせることも降らせないこともできないばかりか言わせないことすらできるかどうか。昨日も今日も降りそうな予感は同じで、違いといえば今日はやや気温が低かったというくらいか。その程度にしか違いを感じられないのはきっと僕が天気の素人だからで、プロが天気図を見たら気圧配置やら雲の動きやらで、一瞬のあいだに決定的な違いを読み取れるのだろう。あるいはちょっとした気温の高低差が思いのほか決定力を持っているのかもしれな…

  • 短篇小説「なにがなんだか飛翔体」

    隣国から正体不明の飛翔体が発射されたまさにそのとき、前日のフットサルで起きたアクシデントにより負傷体となった翔平は、強くひねった右の足首体が発する激しい痛みのせいで、予定より一時間も早く起床体となった。 だが足首体が石膏体によりすっかり固定体となっていることを思考体に入れれば、今日はいつもよりも早めに木造体の建築体であるところの多面体を出るべきであるとちょうど考えてもいた。 そして鉄道体が所有する建造体から、電気体による駆動体であるキハやらモハやらと楷書体で書き込まれた直方体の移動体へと、すみやかに乗り込んでひとりの乗客体となりたいところだ。 しかし医療体の判断により装着された石膏体のせいで、…

  • 書評『北京の秋』/ボリス・ヴィアン

    フランス文学の異端児による奇譚。再読して改めて気づくのは、この作品がとにかく遊び心にあふれているということだ。そしてそれがなぜか哀しい。そんな作者の独特なスタンスを理解するためには、巻末の安部公房による解説にある、本作の謎めいた題名に触れた一文が助けになる。 なぜ「北京の秋」なのだろう。ヴィアン自身、その質問に対して、なんの関係もないからだと答えているらしい。 これは一見ひねくれているように見えるかもしれないが、「なんの関係もない」というバッサリ切断された感覚は、逆に清々しくもある。不条理ではあるが、そもそもこの世の条理が信頼に足るかと言われればそれこそ疑問だ。現実的でありながら、現実とは綺麗…

  • 短篇小説「ABCマートの店内でだけ流れてるラジオ」

    強く細かな雨がノイズのように降り注ぐ平日の昼下がり。差した形跡のない白い粉を吹いたビニール傘を手に、濡れそぼった姿で我がオフィスの会議室に現れた自称23歳の女は、面接官である私の目の前で、恐るべき志望動機を語ったのであった。「《ABCマートの店内でだけ流れてるラジオ》番組ってあるじゃないですか?」 聴取率30%台の番組を語るようなその自信にあふれた声のトーンに、私は「ですね」としか言えなかった。「わたし、あの《ABCマートの店内でだけ流れてるラジオ》のパーソナリティーになりたいんです。ここでなれますか?」 たしかに、当社はアナウンサーが多数所属する芸能事務所であり、私はその採用担当者である。そ…

  • 短篇小説「河童の一日~其ノ十八~」

    近ごろ妙にヘッドソーサーが膨らんできたので、今日は街のiPhone修理屋へ行った。 知らない人も多い(そして知らない河童はいない)と思うが、河童の頭皿交換はiPhoneの修理屋で行ってもらえることになっている。もちろん裏メニューだが、要領はバッテリー交換と同じらしく、「寿命が来ると膨張する」という物理的特性も共通しているからだろう。 僕のヘッドソーサーもスマホのバッテリー同様、約二年で水分含有量が著しく落ちてくるため、定期的に交換してもらっている。バッテリーにおける電力にあたるものがヘッドソーサの場合水分であるわけだけれど、これもやはりバッテリーの充電と同じく、こまめに水分補給をすると劣化が早…

  • 「邦ロック」の支配者

    近ごろの若い人はどうやら、日本のロックのことを「邦ロック」と呼んでいる。この呼び方が、個人的には抜群に野暮ったく感じられるのだが、それはなぜか。これを真面目に考えてみたところで、正解などないことは最初からわかっている。いや先に言ってしまうなら、元来「邦楽」と呼ばれていたものが、それだとJ-POPなども含まれてしまうから、軟派なジャンルを切り離して硬派を気取るために「邦ロック」と限定した呼び名を採用したのだろう。ほら真面目に考えるとつまらない。だからここからは、できるだけ不真面目に考えてみたいと思う。まず「邦ロック」と言われて真っ先に思い浮かべるのは、口をとんがらせた田舎のおっさんが子供らの前で…

  • 歌詞“さくら”

    さくらを見るかい?(Yeah!) さくらを見たかい?(Yet!) さくらを見たいかい?(Wanna!) さくらを見ていたいかい?(In the building!) だけどさくらは 映(ば)えるもんじゃない 見た目はほんと 単なるおばん 派手なセーター 着ちゃってさ くるくるパーマ しちゃってさ 公園に行ってもダメさ 屋根のないとこお断り 外で咲いたらノーギャランティ さくらはテレビで開く花さほかほか暖房スタジオで (ねこ!) ふわふわガンマイク目の前に (じゃらし!) 音声さんにウインク投げて(Love!) 3カメさんに喉ちんこ見せて(Cut!) 中途半端じゃ売れないぜ!(不売! 不売!) …

  • とんがりコーンのとんがらせ方

    とんがりコーンをとんがらせるのがいかに大変かという事実は、意外と知られていない。多くの人は、とんがりコーンが生まれつきとんがっていると思い込んでいることだろう。だがそれは大いなる勘違いである。生まれつきとんがっている不良がいないように、生まれつきとんがっている不良コーンもいない。生まれたときには誰しも、純真無垢な赤子なのであるから。かつてチェックの服を着た人々が「15で不良と呼ばれたよ」と実験結果をキャッチーなメロディーに乗せて発表していた通り、人間は不良になるまでに少なくとも15年はかかると言われている。ではコーンはいつ不良化するのかと問われれば、残念ながら彼らが自動的に不良化することは永遠…

  • ラーメン小袋攻城戦

    僕らは相も変わらず「マジックカット」に翻弄されている。あの切れ目がないのに不思議と切れるマジカルな彼奴に。今日作ったカップ緬には三種類の小袋が入っていた。それが見事に(そして無駄に)三者三様で。第一の袋は、天地(上下)がギザギザになっているもの。これは特にどこから切れという指示はないが、上か下のギザギザから好きな場所を選んでその谷間から切れば良い。これをわざわざ下からまくり上げるのは相当な曲者だから、通常は上だろう。第二の袋は、上下左右ともにフラットな仕上がりで、右サイドにのみ「マジックカット」と表記してある。これもまあ、手が濡れていたりする場合に若干の不安はあるものの、右断面であればどこから…

  • 【当ブログへの入口】ウェルカム短篇小説おすすめ5選【もしかするとそのまま出口】

    久しぶりに長編小説を書こうと思っていて、何かネタになるものはないかという浅ましい思いで、当ブログに書いた自作短篇小説を珍しく読み返してみたりしている。本来自分が書いたものを読み直すのは好きじゃないのだが、改めて読んでみるとまったく身に覚えのないフレーズや展開が随所に出てきて興味深い。なので今日は、このブログを最近訪れるようになってくれた読者の方々への入門編として、また以前から訪れてはいるもののそんなにちゃんと読んでいない方々へ向けて(いやブログとは、だいたいそのようなものだと思ってます)、これまでに書いた短篇小説の中から、なんとなく思い浮かんだおすすめの5作を、今回の読み直しで印象に残った身に…

  • 言語遊戯「ことわざ延長戦」第3戦

    「こと」ばの「わざ」というよりは、「こと」ばを「わざ」と使いにくい形にしてしまっているであろうことわざ「ちょい足し実験」も第3弾。前回までは、わりと上手いこといってやろう、という意欲がそれなりに見られたけれど、こうやって続けていくと徐々に脱力していくもので、別に上手いとかどうでもいいし、いやむしろ上手いとか格好悪いし、という妙なモードに入ってきて、個人的にはこうなってからのほうが好みなのだが、ことわざとしての使いにくさは確実に増しているように思う。では。 ◆《果報は寝て待て》 ↓ 《果報は寝て待てそのまま寝過ごせ》【意味】グッド・ニュースは寝て待つのが良いとされているが、懸命に努力している人か…

  • 言語遊戯「ことわざ延長戦」第2戦

    前回が好評であるという思い込みに基づき、ことわざの後にフレーズを足してみたらどうなるか、ということわざ「ちょい足し実験」の第2弾をお送りしたい。こうなるといくらでもやりようはあるような気がしてきた。意味など、無理やりこねくり回していれば何かしらの味は出てくるものであるなあ(詠嘆)。 ◆《他山の石》 ↓ 《他山の石、自山の泥》【意味】他人の酷い言動を反面教師にしようと思って自分を見つめ直してみたら、己の言動のほうがはるかに酷い様子。【解説】「人のふり見て我がふり直せ」とは言い条、自分と相手のレベルがあまりにもかけ離れている場合、まったく参考にならないケースも多い。我々がZOZOの前澤社長の振る舞…

  • 言語遊戯「ことわざ延長戦」

    ことわざは短くまとまっているからこそ有用である。本来ならば長いこと説明しなければ伝わらないような人生の機微を、たった一行で伝えるからこそことわざには存在価値がある。きっとそうなんだろうと思う。だけどそれだけじゃないだろう。本来の言いたいこと、言うべきことを短くまとめた際に切り捨てた部分というのが、少なからずあるのではないか。痛みを伴わない切り捨て御免などあり得ない。そう考えてみると、ことわざは妙に短すぎるのである。もうちょっとくらいこう、情報を足しても良いのではないか。そう思って、ことわざの後にフレーズを足してみたらどうなるか、という実験を試みてみたい。いわば「ことわざ延長戦」である。それによ…

  • スムーズに忘れるための覚え書き その1~藤原マリーゴールド

    あいみょん「マリーゴールド」の歌詞にある有名な一節「麦わらの」に続くフレーズが思い出せず、つい「藤原の」と歌ってしまった場合、それに続くフレーズは「不比等」「道長」「組長」「フジモン」のいずれでも良い。また、最後の選択肢を取った場合、アーティスト名の「あいみょん」は「ふじみょん」と活用する。だから何がどうなる、というわけでもない。 何はともあれいずれでも、良いのである。 www.youtube.com

  • スマホゲームのハンドルネームどうつければいいのか問題

    皆さんご存じではあると思うが、世界十大問題のひとつに「スマホゲームをプレイする際のハンドルネーム問題」というのがあって。僕はそんなにゲーム全般に常時興味があるほうでもなくて、やるゲームといったら戦国シミュレーションかサッカーかオートバイレースかターン制RPGくらいなのだが……ってこうやって挙げると結構やっているように見えるがそうでもなく、やるときはやるがやらないときはやらない(皆そうだと思うが)。つまりなんというか、そんなにあちこちやらないもんだから、ハンドルネームにも特にこだわりはなくて、しかしこだわりがないからこそ、どんなハンドルネームをつけていいものか毎度迷うハメになる。いまやっているの…

  • 短篇小説「夢のまた夢のまた夢」

    目が覚めると僕はプロ野球選手になっていた。これは僕が生まれてはじめて抱いた夢だ。寝て見る夢ではなく、起きて抱く夢だ。だからこれは夢の中の話ではなく、外の話ということになる。どちらが現実かなんて、取るに足らないことだろう。 しかしプロ野球選手の僕は、引退後に生き甲斐を失い、酒びたりの毎日を送ることとなった。毎日が無力感に溢れていた。子供のころ、引退後のことまで夢に見ることを忘れたからだ。こんなことならば、第二の人生まで計画的にしっかり夢に見ておくべきだった。だが夢に計算など似合わない。ひとり酒を飲んで前後不覚で眠る日々を続けるうち、再び目覚めの時が訪れた。 目が覚めると僕はパイロットになっていた…

  • 短篇小説「過言禁止法」

    SNSの流行により日本語は乱れに乱れた。どう乱れたかといえば端的に言って万事表現がオーバーになった。 短文の中で自己表現をするとなれば自然と過激な言葉に頼るようになる。さらには、ただ一方的に表現するだけでなく互いのリプライによる相乗効果も働くとなれば、言葉がなおさら過激化するのは必然であった。そこで日本語教育の行く末を憂う文科省が中心となり政府が打ち出した政策が、先に施行された「過言禁止法」である。 この法律により禁止されるのは、「事実とは異なる過剰な表現」ということになっている。なぜならば政府によれば、「言い過ぎている表現=過言」こそが人心を乱すデマの源泉であると目されているからである。たし…

  • 短篇小説「紙とペンともの言わぬ死体」

    繁華街の路地裏で、紙とペンを持った男の死体が発見された。彼は死ぬ間際、いったい何をそこに書きつけようとしていたのか。 そこで真っ先に「遺書」と考えるのは、いかにも浅はかな素人推理である。なぜならば死体が着用していた上着のポケットからは、別に遺書が発見されているからだ。 だがもしかすると、彼は遺書の続編を執筆している最中に死んだのかもしれない。アメリカのドラマに「シーズン2」がよくあるように、遺書にシーズン2があってもおかしくない。 しかしドラマにおいてシーズン2が制作される条件は、基本的に「シーズン1がすでに大ヒットしている」場合に限られる。だが今回のケースにおいて、遺書の「シーズン1」は、彼…

  • 短篇小説「ALWAYS 二番目の銀次」

    あまり知られていないが、あらゆるジャンルでコンスタントに二番手のポジションを獲得し続けてきた男がいる。男の名を銀次という。 皮肉なことに、銀次はその出生からして二番目であった。 山に、老夫婦が住んでいた。ある日お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯にいった。すると川上から、どんぶらこ、どんぶらこと、大きな桃が流れて来たのだった。お婆さんは桃を家に持ち帰り、その桃からは桃太郎が産まれ、彼はのちに鬼退治を遂行するなどしてレジェンドとなった。 しかし実際には、川上から流れてきた桃はひとつではなかった。お婆さんが立ち去ってまもなく、二番目に流れてきた桃があった。その二番目の桃は誰にも拾われることな…

  • フクロウこそすべて

    この世のすべてフクロウになったのは、いつからだったろうか。 ある日、意中の女性とデートしていた私は、一件目の盛りあがりを受けて、彼女を二件目に誘った。だがそこで彼女が発した言葉に、私は衝撃を隠せなかった。「ごめんなさい、今日はウチにフクロウが来てるの」 私はフクロウに負けた。 翌朝、そんな哀しみを胸に出社すると、部下の新入社員が大遅刻してきたので、私はいつも以上に厳しく叱りつけてしまった。そこで遅刻の理由を問いただすと、部下は悪びれることもなくこう答えたのだった。「家の前に傷ついたフクロウが倒れていたので」 こうして、この世のすべての「理由」がフクロウになった。今や「理由あり物件」といえば、か…

  • 短篇小説「ことわざ殺人事件」

    ある冬の朝、都心の路上で、腹部に餅屋の暖簾を被せられた中年男性の死体が発見された。男は一般的な背広姿、目立った外傷は見当たらず、死因は特定されていない。この不可解な死を解明するため、二名の刑事と一人の探偵が現場へと急行した。 初めにベテランの刑事Aが目をつけたのは、やはり腹部を不自然に覆い隠している暖簾であった。紺色の生地に大きく「餅」とプリントされている。刑事Aは、かしげた首をゆっくりと戻しながらつぶやいた。「この男は餅屋……なのか?」 中空へと放たれた疑問を、馴染みの探偵がつかみ取って答える。「たしかにこの『餅』の字は、餅屋の『餅』でしょう。しかしだからといって、この男が餅屋とは限らない。…

  • 短篇小説「縁起者忙殺録」

    幸介はとにかくかつぐ男だ。どれだけ重いものをかつぐのかといえば、彼のかつぐべきその総重量は甚だしく大きいと言わざるを得ないだろう。そう、彼は縁起をかつぐ男。成功体験の数だけ、かつぐべき縁起がある。 幸介は自身を幸福へと導く縁起を、それはもう起きた瞬間からかつぎにかつぐ。彼は起床時には、必ず左目から先に開けると決めている。 これはけっしておかしな話ではない。縁起をかつぐからには、必ずそれだけの理由がある。幸介が左目から目覚めるようになったのは、彼がすこぶる楽しみにしていた小学校三年の運動会の朝、彼が早すぎる目覚めの時にたまたま左目から開いたことにより、天気予報の降水確率70%を覆す嘘のような快晴…

  • 短篇小説「筋肉との対話」

    おい、オレの筋肉! やるのかい、やらないのかい、どっちなんだい? やるとしたらいつ、何を、どのようにやるのかい? 今すぐ、バーベルを、鬼のように上げるのかい? 今宵、ブルドーザーを、東京から大阪まで引っ張るのかい? あるいは明朝、ラジオ体操第2を、強めにやるのかい? 逆にやらないとしたら、代わりに何をやるのかい? どこへ行くのかい? 誰に会うのかい? 疲労回復のために眠るのかい? 薬局へプロテインを買いにいくのかい? 高校時代の恩師に会いにいくのかい? 恩師に会いにいくのだとしたら、やっぱり相手は体育教師かい?レスリング部の顧問かい? 意外と美術の先生かい? やるにしろやらないにしろ、そのあと…

  • 短篇小説『マジックカッター健』

    マジックカッター健はどこからでも切れる。彼を切れさせるのに、切り込みなど必要ない。お肌だってツルツルだ。 マジックカッター健は、端から見れば何ひとつ原因が見当たらないのに切れる。しかし実を言うと、健には本当に切り込みがないのではない。彼の切り込みは外からは見えないというだけで、健が切れるときには必ず、心の中のどこかに切り込みがひっそりと入っている。マジックには、必ずタネがあるというわけだ。 今日も健は昼休みに、中華料理屋へラーメンを食べにいって切れた。中華屋名物ともいえるベタベタの床が、今日に限っては、どういうわけかスベスベであったからだ。 もちろんこれは、一般的な基準からすると切れる原因には…

  • 書評『黄泥街』/残雪

    「中国のカフカ」こと残雪による第一長編。作者名を聴いて、まずはイルカの名曲「なごり雪」が頭に流れる。カフカを彷彿とさせる不条理な予感は、冒頭の一文からして十二分に漂っている。《あの町のはずれには黄泥街という通りがあった。まざまざと覚えている。けれども彼らはみな、そんな通りはないという》「ある」ようで「ない」場所。「ない」ようで「ある」場所。現実と夢の狭間に立ち現れるディストピア。人だけでなく場所ごと、箱庭的にでっち上げるというフィクションの強度。それを一瞬で感じさせるこの立ち上がりは、まさにカフカと共通する世界観である。 だが本作の文章は、カフカほど明快ではない。「小理屈をこねる」という会話文…

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