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身も蓋もないエントリだが、たまにはシンプルに最近よく聴いている音楽を素直に紹介してみようかと思い。というのも、時々はこうやって書き留めておかないと、いざ年末になって「今年って何聴いてたっけ?」となってしまい、年間ベスト作選びをまた一からやるハメになる。かといって、一作ごとに逐一レビューを書いていくのも労力がいる。別に年間ベストだってわざわざ選ばなくても良いのだけど、勝手恒例にしてしまっているので選ばないわけにもいかない。それにそこでまた選んでおかないと、今度は十年後とかに「あの頃って何聴いてたっけ?」と頭を悩ませることになる。それだって別に悩ませとけばいいんだけれども。てなわけで、最近よく聴い…
ディスクレビュー『NIGHTBLAZE』/NIGHTBLAZE
Nightblazeアーティスト:NightblazeArt of MelodyAmazonとにかくジャケットをなんとかしてほしい。それを言えばバンド名だってなんとかしてほしいのだが、どちらもこの美しい音楽性にはそぐわない。――という部分まで含めて、もはや逆にお約束になりつつあるというか、むしろ事前に香ばしさを感じるくらいの嗅覚はこちらも身につけてはいるのだが、それにしても。こう見えて本作は、ジャケットとバンド名からイメージされるバッド・ボーイズ・ロックンロールなどではもちろんなく、繊細なメロディを丁寧に紡ぐ美旋律ハード・ロックである。それもそのはず、このバンドは、あのPLATENSのグリロ兄…
Mean Streets(日本盤限定仕様CD+Blu-ray+ボーナスCD)アーティスト:RiotワードレコーズAmazonバンドの創り出す音楽に二面性があることは珍しくもない(特にメイン・ソングライターが複数いる場合)が、ここまで楽曲の方向性がきっちり二分されているアルバムも珍しい。そしてその両面がともに魅力的であるケースは、残念ながら滅多にあるものではない。本作は、まさにその罠に嵌まっているように思われる。RIOTはその硬派なイメージとは裏腹に、そもそも二面性のあるバンドである。デビュー・アルバムを例に取るならば、タイトル・トラックの「Rock City」に代表される明快なアメリカン・ハー…
皆さん、こんにちは!ホリです!2024年1月17日にDIR EN GREYの33rdシングル「19990120」が発売となりましたので、レビューをさせて頂きました。よろしければ是非ご覧ください! 収録曲 1. ゆらめき2. 残 -ZAN-3. アクロの丘 1曲目の「ゆらめき」はちょうど10年前に開催されたTOUR14 PSYCHONNECT -mode of "GAUZE"?-の際に披露されたようなアレンジとなっており、原曲に割と忠実なアレンジになっておりました。原曲ではバンドの演奏と歌声が同時に始まっていたのが、イントロからピアノと歌声のみで始まり、「もう今さら僕に何ができるのか」と歌う箇所…
2023年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・ソング10選
1位「1001」/ART NATIONwww.youtube.comほとばしりまくる哀愁。突き抜けるようなメロディがとにかく素晴らしい。泣きの美旋律が好きなら、必ずや琴線に触れるものがあるだろう。アルバム部門でもアレクサンダー・ストランデルの歌うアルバムを二作入れることになったが、曲単位でも二曲入れるにふさわしい活躍ぶりだった。インセプション [CD]アーティスト:アート・ネイションマーキー・インコーポレイティドビクターAmazon 2位「The Lucid Dreamer」/MAGNUS KARLSSON’S FREE FALL当ブログではすっかりお馴染みのマグナス・カールソン。しかし異様な…
2023年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・アルバム10選
1位『WONDERLAND』/SEVENTH CRYSTAL ワンダーランド [CD]アーティスト:セヴンス・クリスタルマーキー・インコーポレイティドビクターAmazon当代随一の歌巧者、クリスティアン・フィールの歌唱を味わい尽くすための一枚。いまや各方面のプロジェクトで引っぱりだこの彼だが、こちらはその本陣にあたるスウェーデン産メロディアス・ハード・ロック・バンドの2ndアルバム。昨年も彼の参加したGINEVRAを2位に挙げたが、あちらもそうであったように、さほど派手さがあるわけではない。むしろ質実剛健な作りを感じさせる。強靱かつ繊細な歌を軸に置いたその方向性に迷いはない。その歌はとにかく一…
ディスクレビュー『72 SEASONS』/METALLICA
72シーズンズ (SHM-CD)アーティスト:メタリカUniversal MusicAmazonこれはあくまで問題作『LOAD』以降のMETALLICAであって、それ以前のMETALLICAではけっしてない。時が戻らない以上、当然といえば当然だが妙な期待をしてはいけない。つまりその本質はメタルではなくロックンロールにあるということだ。先行公開された数曲のストレートな攻撃性から、彼らはここへ来ていよいよ初期衝動を取り戻したという声もあった。だがそんなことはもちろん不可能なのだ。捏造された初期衝動は若作りの痛々しさを伴う。目指した時点でそれは初期衝動ではなくなる。ベテランが若さに憧れる気持ちは、む…
2022年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・ソング10選
1位「Shine On」/CRASHDIET オートマトン [CD]アーティスト:クラッシュダイエットマーキー・インコーポレイティドビクターAmazonメタルファンにとって「Shine On」といえば、もちろんRIOTの稀代の名曲「Warrior」なわけだが、ここに新たな「Shine On」の響きを持つ美しい楽曲が誕生した。この曲を聴くと、改めて「Shine On」という発語と哀愁溢れるメロディの、まるで運命づけられたような相性の良さを痛感せざるを得ない。とにかくサビの「シャイノン、シャイノン」がどうにも耳から離れない。その裏を支えて走るギター・フレーズとの絡みも美しい。メロディの力を思い知ら…
2022年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・アルバム10選
1位『THE TESTAMENT』/SEVENTH WONDER ザ・テスタメントアーティスト:セヴンス・ワンダーマーキー・インコーポレイティドビクターAmazon現KAMELOTのVo.トミー・カレヴィックの圧倒的な歌唱力が乱舞するプログレ・メタルの傑作。前作『TIARA』の時点ですでにバンドの限界点まで来たかと思われたが、そこからのさらなる歌メロの上積みっぷりには正直驚かざるを得ない。プログレ・メタルというジャンルにおいて、歌がけっしてないがしろにされているとは思わない。だが重視されるのは歌の中でも「歌唱力」のほうで、その中身である「歌メロ」に本気の力が注がれているかというと、疑問符がつく…
ディスクレビュー『THE TESTAMENT』/SEVENTH WONDER
ザ・テスタメントアーティスト:セヴンス・ワンダーマーキー・インコーポレイティドビクターAmazonより輪郭を明確にした歌メロの充実が、バンドの格をさらなるメジャー・フィールドへ押し上げるに違いない。そう確信させるに充分な、スウェーデンのプログレッシヴ・メタル・バンドの6th。前作『TIARA』も全方位的に開放感を増した素晴らしいアルバムで、明らかな成長を感じさせる作品だった。当ブログでも、年間ベストアルバムの7位に選んでいる。tmykinoue.hatenablog.comだがその作品としての完成度の高さは、あとほかにどこへ伸びしろが残されているのかわからない状態を示してもいた。そしてプログレ…