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空、どこまでが空なのだろう。キリンよりも上だろうか。ヤシの木よりも上だろうか。富士山よりも上だろうか。富士山に登ってみる。まだ上に空はある。息が苦しいが、考える。どこまでが空だろうか。あそこのクマみたいな形をした雲のところまでが空だろうか。それより上の、亀のような形のよりも上だろうか。宇宙へ行く一歩て前までのところが空だろうか。でも、空と宇宙に境界線なんてないはずだ。宇宙も、空なのだろうか。息が苦...
石を空へと投げる。それは一瞬消えて、また数秒後に帰ってくる。綺麗な宝石になって。また石を空へ投げる。それは地球を越え、宇宙へと飛び出し、アッポキン星へと届く。アッポキン星では、石を受け取って、届いた石の願いが強いほど輝く宝石を、地球へとまた投げる。地球にはその数秒後、宝石がことん、と落ちる。また石を空へと、宇宙へと、アッポキン星へと投げる。宝石がことん、と落ちた。...
僕はDIYが好きで、よくホームセンターへ行く。そこでは、色々なネジや釘から、木を加工するためのすごい機械など、さまざまなものが揃っている。釘を買っておこうかと、釘コーナーへ行く。いつものを買おうとすると、その横に『反対釘』『反発釘』『逃亡釘』といった釘が置いてあった。(なんだそれ)でも、ちょっと面白そうだったので僕はその『反対釘』『反発釘』『逃亡釘』を買うことにした。というわけで、今から椅子を作るに...
あるところに、きゅうりしかない貧しい家があったと。毎日毎日食卓に並ぶのはきゅうりばかり。子供達にはもっとおいしいものを食べさせてやりたい、そう母さんは思ったそうな。とうとう母さんは、また今日もきゅうりを刻もうとしている自分に、泣けてきてしもうた。その涙のしずくが、きゅうりに一粒落ちた。母さんは、泣いていても仕方ないと、目を擦り、きゅうりを切ったと。すると、なんということであろう。輪切りにしたきゅう...
ミクレルなんて、いるはずないと思っていた。でも、僕は見てしまった。コップに頭を突っ込んでいるマグロを。コップに頭を突っ込むマグロ、それすなわち、ミクレルである。まあそれが砂に鼻を埋めるイタチだと、クパホンボになる。地球をかじって楽しむロバは、ユクリシアだったろうか。まあ僕はそのミクレルを、焼いて食べた。それから、ミクレルが頭を突っ込んでいたコップに麦茶を入れて飲む。なんだか魚臭かったので、レモネー...
寂しがりやの虫がいました。誰かがずっとそばにいてくれたらいいのに。寂し虫は毎日毎日そう思っていました。でも、ある時、寂し虫は自分にくっついている虫がいることに気づきました。自分が右に動くと右に動き、左に動くと左に動く。寂し虫がまさに望んでいたことです。寂し虫はとっても喜んで、それから二匹は友達になりました。でも寂し虫が「さあ、お昼にしようか」と言った時には自分の友達がとっても小さくなっていました。...
ひふかにいった。「すみません、ここに毒を注入していただけますか」「あーはいはい」医者が注射をしたところには、早くも赤いぶつぶつが痛々しくできている。痛いが、これでいいのだ。「ありがと・・っつうございましたぁっ痛え」そして、そこから100メートルほど先の皮膚科に行く。「あのう、すみません・・」「あ、君ね。入って入って」医者は僕を検査すると、ニヤリと笑った。「君、これ重いねえ。治療費300万かかりますが」「...
蝉の命はせいぜい1週間である。でもこの蝉は、2週間も3週間も1ヶ月も、生き続けた。まるで誰かを待っているみたいに。ついにその蝉は鳴くのをやめた。そしてその場所で動かず、また1ヶ月が過ぎた。蝉の体はもうとっくに限界を超えているだろう。でも、その黒い目だけは、輝きを放っていた。それから1年過ぎて、夏がまた巡ってきても、まだその蝉は木に留まっている。と、その時、地面から一匹の蝉の幼虫が這い出してきた。蝉の幼虫...
ある日、地球が殻に覆われていた。ちょうど卵のような形で、冷たく銀色に光っている。地球は真っ暗だった。(このままではだめだ、野菜も育たなくなるし木も光合成ができず、酸素がなくなってしまう)ある科学者は、人工太陽を作ろうとした。だが、それには莫大な費用と多くの犠牲が必要となった。何度も実験に失敗し、その周辺が焼き尽くされた。危険すぎる材料が運搬途中で漏れ出し、その周辺一帯焼け野原になった。だが、太陽が...
さあ、野菜の運動会が始まりました!まずはリレーです。現在、レタスくんがリードしています。おお、きゅうりちゃんもいい勝負だ。うおっ、突然にんじんくんがごぼう抜き!ごぼうを次から次へと引っこ抜いています。や、もやしくんが本当にごぼう抜き!速い速い、レタスくんもきゅうりちゃんも追い越して・・もやしくんが一位ゴール!やっぱり足が早い野菜は強いですね。...
便箋の隅にたびたび現れるこの犬は、いつも飢えている。その便箋に文を書くと、文字が全部食べられてしまう。特に、犬の好物であるハムやチーズ、肉などの食べ物を書いたときにはもう狂ったように文を取り込み始める。そいつを撃退しようと、ある男が立ち上がった。いや、立ち上がらなかった。座って、ただ便箋に文字を書き連ねていくだけで良いのだから。男は次々に書いた。犬の好物を。犬は勢いよく食べ始めるが、10個あたり文字...
玄関の扉がギイギイ言うと思ったら、ぎいぎい猿がくっついていた。この時期は、ぎいぎい猿が増えて本当に困る。耳障りな音なので、外にほっぽり出そうかとも考えたがそうしたらまた誰かの扉でぎいぎい言うのだろう。僕はぎいぎい猿と同居することにした。相変わらず僕がドアを開けるとギイギイ。でも、いつもは誰も出迎えてくれない玄関でぎいぎいと言う声がするのはなんだか嬉しかった。僕は初めてぎいぎい猿にバナナをあげること...
眠たいぞうがいた。眠たいぞうは岩の隙間に、ほとんど落ちるようにして入り、眠った。だが、選んだ場所がいけなかった。段々とぞうに苔やキノコが生え出し、おまけに貝の類もくっつき出した。段々とぞうは硬く黒ずんできた。そうとも気づかずに、ぞうは眠りこけている。眠たいぞうがいた。眠たいぞうは岩の隙間に入ろうとしたが、もう埋まっていたので他の場所を探そうとした。でもぞうは歩く気力がなかったので、その場所でどすん...
ゆうふぎゅうというのが、巷で流行った。ゆうふぎゅうを飼うと、ゆうふくになれるらしい。でも、だんだんと有夫の人しか裕福にしないことがわかってきた。「独身の気持ちも考えなさい!」「全員を平等に裕福にしてよね」世間の声は冷たかった。ゆふーん、ゆふーんと悲しそうになくゆうふぎゅうは、すべて野に帰っていった。今でも、ゆうふぎゅうは、てんとう虫や熊たちの夫婦を裕福にしているかもしれない。...
精神科に通っている剛志は、いつもなんとなくで終わる先生との対話を半ば退屈に思っていた。でも、ある日通院すると「では今日はバウムテストをします」と言われた。(バウムテストって、なんか木を描くやつだっけ?)剛志は治療の進展に、少し心が躍った。だが、その予想を遥かに超えることを、先生はさらりと言った。「では、今からあなたに森で1週間暮らしてもらいます」「はいっ?」「ただし、その森には食料がありません。 ...
「今日はどうされましたか」「胸がキリキリ痛むんです・・・」「それは大変、今すぐ、キリを吐き出しましょう」「おえっ、はあ、ふう、キリがでたあ」「さあ、もう一本」「なぜですか」「だってあなた、さっき『キリキリ』って言いましたよね。 だから、キリはもう一本あるんです」「わかりました・・おげえぇ、はあっはっ、もう一本でたあ」「これでもう大丈夫」「はあ、楽になった」「これから、くれぐれも気をつけてくださいね...
なんということだろう。気づいたら魂と体が離れていて「このままだとあなたはほんとうに黄泉の国へ行ってしまいますよ」早く次の体を見つけないと、と栗とネズミが合体したような者に言われたものだから俺は焦ってそばにいた物に乗り移ったのだが・・・・まさか、芋虫だとは。しかも、こいつも魂と体が離れているようだ。これが自分の体になったのか・・・その頃なんてことだろう!僕は水が足りなくて干からびそうになっていて、気...
会社に、歩行者用信号機の緑のが出社してきた。「や、おはようござっす、今日もよろしくおねげえっす」あまり丁寧とは言えない口調で緑のやつは言った。みんな、驚きを通り越して逆に冷静になっている。まあ、害はなさそうだし、このまま放っておくか、と栗杉部長が思ったのは、間違いだった。「あ、コーヒーこぼしちまいましたぁ、すんませーん」「あ、すんませーん、データ全部消しちまいましたー」「え、そんなこと頼まれてたっ...
人間は、暗いと物がよく見えないため、懐中電灯を使う。もぐらは、明るいと眩しくて見えないため、懐中電影を使う。影を放出し、見えやすくするのだ。でも最近では、人間でも薄暗いところでゆったりと過ごしたい者もいるらしく懐中電影をもぐらに貸してもらうらしい。でも最近では、もぐらでも明るくパーッといきたいもぐらもいるらしく懐中電灯を人間に貸してもらうらしい。...
サランゲデルは内臓が一つもない口から取り込んだデソギミはまるで風船のような体の中にぽとんと落ちてそのままためられてためられてデソギミは溢れ出しています...
朝起きると、何かいつもと違うような気がした。顔を洗い、歯を磨き、服を着替え、テレビをつけると、そこには自分が映っていた。目を擦り、もう一度顔を洗い、テレビを覗き込む。うん。僕だ。僕がニュースを報道し、その後、僕が天気予報を言いそして僕が僕とおしゃべりをしている。「・・・・・・・・・・」これは夢か?自分の脳が信じられない。まあとにかく、早く仕事に行かないと遅刻になってしまう。僕は頭の中の「?」を振り...
きんきろくんが、かんかろくんにデツチツユをした。そんな言葉を、一人の男がつぶやいていた。意味がわからず、なんだそれは、という人が最初こそいたもののもう今では誰もそのことに触れず、この人はこういう人なのだなと、理解するようになった。でも実は、その男の脳内は、フラペンツ星と一体化していたのだ。今日もフラペンツ星では、きんきろくんが、かんかろくんにデツチツユをしている。...
世の中に、納豆ブームが訪れた。それも、ただの納豆ではない。『ブルー納豆 これで健康!』その納豆のパッケージには、そう書かれていた。中を開けると、溢れんばかりの青カビをまとった納豆が顔を出す。どうやら、その青カビが美味しいらしく健康にもいいらしいため、ブームになっているというわけだ。『売り切れました』その札が置かれるのはまだ太陽がてっぺんに昇る前。そのため、人々は我先にと、納豆売り場へと向かう。そし...
「世界もだいぶ出来上がってきましたね。さあ、この世界の人間達の材質はどうしますか」「うーん、木製はどうだろうか」「うーん、なんかしっくりこないなあ。 もうちょっと柔らかめな素材・・・そうだ。水製がいいんじゃないか」「あああ、溶けていってしまった」「次はどうしましょうか」「うーん、視点を変えて糸製とか」「うわああ、ミイラみたいになってしまった。やめやめ。 うーん、なんかどれもしっくりこないなあ」「自...
段々と、人間の記憶力がなくなってきていると気づいたのは、剛須第一学校の先生だった。生徒に教えているとき、ふと何を言おうとしていたのかを忘れてしまうのだ。先生は自分だけかと思って焦ったが、いつもは成績優秀な子が、暗記テストで低い点数を取ったりしていてこれは全員なのだと実感した時には、ほっとしたようなほっとしないような気持ちになった。1月1日「じゃあ、これから・・えっと、んー・・・ああ、算数の授業を始め...
ある女の子が、おとぎ話に夢中になっていた。「うふふ。あたしもお姫様になってみたいなあ」そう呟く女の子の周りには、絵本がたくさん散らばっていた。「ヘンゼルとグレーテル」「人魚姫」「赤ずきん」・・・「そんなおとぎ話みたいなこと言ってないで、ご飯にするわよ」「はぁい」置いていかれた絵本たち。「赤ずきん」の絵本の中では・・・・赤ずきんは、おとぎ話に夢中になっていた。「はあ、あたしも『しゃかいじん』になって...
この橋はブラスチックで出来ている。プラスチックじゃないよ、ブラスチック。何かプラスチックと違うわけでも、同じわけでもない。この橋は、ブラスチックなんだ。...
あれがあたしの未来の姿か。あたしも、星みたいに最後は小さく圧縮されて終わるのかな。・・いや、終わらない。星だって、小さくなった後、ブラックホールになるんだ。あたしも、きっと・・その数年後地球は、突如現れた茶色いブラックホールに吸い込まれていったという。...
「もうすぐ13月だね」隣の虎が言う。そうだね、としか僕には言いようがなかった。「僕はもうすぐ13歳だから、そっちの世界に行くんだね」僕が言う。さみしいわけではなかったけれど、自分と別れるのは嫌だった。「大丈夫。ぼくがいるさ。」虎が言う。いつもは頼りない虎だけど、なんだか今日は頼もしい。「うん。」僕は、体からぺりぺりと剥がれていく、もう一人の僕にさよならを言って13月の世界へと、一歩を踏み出した。...
玉ねぎ詐欺にご注意を!玉ねぎ詐欺とは、玉ねぎの皮を剥いている人に凶悪な玉ねぎの精が取り憑いて、もう皮は剥き終わっているのに、残っている貴重な果肉をもどんどん剥いてしまう催眠術をかけられてしまう詐欺。おかげで、ただでさえ高い玉ねぎが全く無駄になってしまうのです。ですので、玉ねぎを剥くときは特に用心してくださ・・・・なんだって。えー、ただいま、とうもろこし詐欺が多発しているとの速報が入りました。どうや...
ある日を境に、人の目は音を聞くものになり耳は物を食べるためのものになり、口は見るためのものになりました。つまり、耳をすますには目を見開かなくてはならず何かを食べるには耳の中へ運ばなくてはならずよく物を見るためには、口を開かなければならなくなってしまったのです。人々は困りました。でも、いく年も過ぎ、もうそれが普通となってしまってからは、もう何も違和感を持たなくなったのです。ところが、またある日を境に...
いつも使っているほうきの先。そこにはちゃんと一本一本、「ホンキー」という職業の生き物がゴミを捕まえて食べているのです。そして、その生き物のお腹が空くと、ホンキーというアルバイトをするのです。ほうきになれば、お腹いっぱいホコリを食べられます。でも、これよりもっともっとお腹が空いているホンキーは、掃除機の口に取りついて、もっとお腹いっぱい食べられるのです。ここだけの話、ホンキーは、昔のほうきの先祖らし...
火星へ行った時に、持ち帰ったチンアナゴのような石は、今でも、水槽の中でひょこひょこしている。水槽に同居している、僕の髪の毛から生えてきたキノコのようなヒトデは相変わらず、チンアナゴを体に取り込もうとしている。そして、僕は、時計のようなうさぎの鼻から出てきたんだとか。...
「誕生日プレゼントに何が欲しい?」私の問いかけに、3歳の息子は「しっぽが欲しい。」と答えた。「わかった。なんとかするよ。」私は答えて、後悔した。いくら調べても、他人に聞いても、しっぽを生やす方法などない。息子は「ねえ、しっぽはまだ?」と仕切りに聞いてくる。そこで私は、「たくさんお手伝いをしたら、しっぽが生えてくるんだよ。」と言った。息子はその日から、たくさんお手伝いをしてくれるようになった。一年経...
くっそ、何がヘチマ王国だ!俺は一生ここから出られないのか・・・!ゆうべ、身なりのいいヘチマ星人にヘチマ料理を進められて、断れなかったのが行けなかった。食べているうちに、意識がぼやっとしてきて・・・「ヘチマ王国へようこそ。」気づいたらここにいたんだ。どうやって脱出しろってんだ!どうやって・・・・「ガラガラガラガラ」「私、先風呂入るねー」ハッ、誰か入ってきた!おおっ、俺のヘチマを掴んだぞ。うわああ、何...
お麩は、いつも体が汚いのです。なぜかというと、お風呂に入ると体が溶けてしまうからです。溶けなかったとしても、この後の生活がとても大変になるのです。ふにゃふにゃで、よろけて、ぶつかって、凹んで、千切れて・・それでも、たまにいるふにゃふにゃのお麩は、潔癖症なのかもしれません。...
手の爪を剥がすと、さらに爪がある。さらにはがすとさらにある。さらにさらにはがすとさらにさらにある。さらに剥がすと、木が生えてくる。木の皮を剥がすと、木の皮がある。さらにさらに剥がすと、豚が飛び出す。豚の尻尾を抜くと、振り出しに戻る。...
ある子供が、空に浮かぶ雲を、わたあめにしたいと思った。その子供はやがて大きくなり、資金を集めて巨大わたあめ機を作った。その機械からどんどん、大空に向かってわたあめが放出されて行く。これでよし、と、子供のような大人は喜んだ。「ポツン」「ん?雨か?」何やら冷たいものが・・「コツン」「いてっ」なんだと思った瞬間、「コツン、コツコツゴアーーー」大ぶりだ。あたりが霞んで見えなくなった。「痛っいたい痛いいい」...
ある、太ゴシックのフォントの文字がいた。その太ゴシックは、ダイエットをしたがっていた。「うう〜ん、私も細い明朝みたいになりたいなあ・・」それで、太ゴシックはジムに通い、ものすごく頑張って少しずつ痩せていった。ーーやがて、全ての図書館の本から、太ゴシックが明朝へ変わってしまったとか。...
僕はセールスマンをやっている。それも、洋服の。「うちの会社で作るジーンズは伸びが良く履き心地が・・・」・・・・疲れた。多く売れ残った洋服の重みが肩にくる。僕が駅のホームで電車を待っていると、ピンポンパンポンとアナウンスが聞こえてきた。「ただいま、ハダカネズミ特急が通ります。お急ぎの方は申し訳ありませんが、少々電車の到着が遅れると・・」そう言い終わらないうちに、がたんごとんと音がして、車両が近づいて...
ある、チョコレート工場で、カカオが入った容器がひっくり返ってしまった。ある、おかか弁当がバッグの中でひっくり返ってしまった。それが、同時に・・これでは「まさかさ現象」が起こってしまう。ひっくり返すとお互いになる言葉、たとえば「カカオ」と「おかか」が同時に逆さまになると、お互いにに入れ変わってしまうのだ。そのチョコレート工場で作ったチョコはカツオブシ臭かったとか。そのおかか弁当は、妙に苦かったとか。...
日曜日。久しぶりに、ブロッコリー山に登ろうかな。今は冬。道は雪だらけだから、色々対策をして行こう。いつもの登山用グッズを身につけ、さあ出発だ。・・でも、昼までには戻らないとだな。道は滑るが、そのスリルがまたいい。息を切らし、山頂へやっと着いたときには、もう12時になりかけていた。急いで戻らないと!何度も道を滑り落ちながら、猛スピードで降りて・・そのとき、足元がぐらっと揺れた。・・ああ、間に合わなかっ...
スーパーでネギを買おうとして、私は手を止めた。そうか。もうすぐアレがやってくる。今のうちにできるだけ他の野菜を買っておかなくては。いや、買ったところでだめなんだ。事の起こりは5年前・・私はいつものようにスーパーで買い物をしていた。トマトを買おうとして手を伸ばすと、それがネギに変わった。私はびっくりして顔を上げた。・・すると、あたりはネギだらけになっていたのだ。もやしがあったところもネギ。醤油があっ...
世の中のものの全ては、拡大するとこれになるらしい。なぜかはわからないのだけれど、これが全ての原点になっているものなのかもしれない。空気さえも、拡大するとこれが見える。顕微鏡のレンズに、これがくっついているだけかもしれないけどね。...
草花は花粉を受粉することで、実を作ります。でも、ある時、植物が好きな女性が自分は植物と結婚して、植物との子供を作りたいと思いました。そこで、まず自分のタイプのカボチャに、プロポーズをして、指輪をはめました。そして、女性は自分の耳垢を、耳かきの先についているポンポンでくっつけそれをかぼちゃの大きい花に擦り付けたのです。何週間か後。そこには、これまた大きなカボチャができていました。見るからに美味しそう...
木にマスクがたわわに実っているのを見つけた人は、最初どう思っただろうか。このご時世、マスクがたくさん必要。だから、見つけた人はきっと喜んで収穫しただろう。でも、よく見ると、マスクが実としてついているのではなく木の葉がマスクに変化したもののようだ。しかも、どの木にも、どの植物にも、マスクが実っているのだ。人々はたくさん収穫し、木に残ったマスクは枯れて、土に還った。すると、木にメガネが今度はどっさりつ...
猫という生き物は、全身の毛を引っ込めたり伸ばしたり、赤くしたり青くしたりできるのです。だから、夏には人が見ていないところでこっそり丸裸になり、冬には姿が見えなくなるくらい毛を伸ばすのです。毛がないへアレスキャットは、普通の猫が夏に毛を引っ込めた時に、もどし方を忘れてそうなったそうだとか。毛の色も変えられるので、ひまわり畑で敵に見つかった時は、全身を黄色に染め、擬態します。草むらの時は、緑色です。ま...