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泣きながら一気に書きました https://tmykinoue.hatenablog.com/

妄言コラムと気儘批評と悪戯短篇小説の巣窟

文筆業。 基本的に嘘泣きです。 よろしくお願いします。

井上智公
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2008/12/16

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  • 短篇小説「モチベーター」

    ある日、男がコンビニで万引きの容疑をかけられた。昭和の工場長のような店長にバックヤードへ連れ込まれた男は、席に着くなり持っていたトートバックを丸ごとひっくり返される。十数個の菓子パンが、テーブルの上へ脱獄囚のように飛び出した。それを見た店長は「そらみたことか!」としてやったりの顔をして、卓上の受話器をすでに摑まえている。それでも男は落ちついた口調で、店長に「よく見てください」と胸を張って要求した。商品を一点一点手に取って入念に確認しはじめた店長は、徐々に濃くなってゆく疑問符を、顔の真ん中に浮かべつつ男に訊いた。「レシートはあるのか?」 「もちろん、そんなものありませんよ」 「じゃあ全部盗んだっ…

  • 「レインボーブリッジ、封鎖できません!」みたいなフレーズ選手権

    ちょっと前から新作映画公開に合わせて、『踊る大捜査線』シリーズの再放送をやっていたのだが、中でも有名なのが『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』に出てくる表題の台詞。とはいえ、実はこれまで僕がその台詞をさんざん耳にしてきたのはモノマネ芸人によるものばかりで、そういえば本物を聞いたことはなかった。ならばこの機会に聞いてみようということで作品を観つつ、いまかいまかとその登場を待ち受けていたのだが、いざ当該シーンになると案外あっさりとしたもので、張り切った名台詞というよりは、単なる現状報告という感じの落ち着いたテンションで「え、これだけ?」と肩すかし。だがよくよく考…

  • 短篇小説「河童の一日~其ノ十九~」

    テレビドラマ『ビーチボーイズ』の再放送を録りためていたやつを一気に観た。河童だってドラマは観るし、反町にも竹野内にも憧れるよねこんな世の中じゃPOISON。いや竹野内のほうは非POISON。 だけど耐水性を考えれば、むしろ水辺に生息する僕こそが「ビーチボーイ」と呼ばれるべきなんじゃないのか?――とか思ってみるけど、ビーチとはあくまでも海岸のことであって川岸をビーチとは呼ばないので、残念ながら河童はビーチボーイにはなれないっぽいと気づいてズンと落ち込んでみたり(「ぽい」からの「ズン」)。 かといって文字どおり「リバーサイドボーイ」となると途端に貧乏くさくなる気がするし、爺ちゃんにそう呼んでほしい…

  • 書評『現代生活独習ノート』/津村記久子

    津村記久子の小説には気づきが多い。つまりそれは読むことによって、これまで自分が気づかなかったことにふと気づかされるということだ。それは自分の人生がより豊かになるということかもしれない。あるいは、気づかなくて良かったことにまで気づかされてしまうこともある。楽しいことだけに気づいて、悲しいことにだけ気づかないふりをすることはできない。それでも気づかないよりは気づいたほうが、楽しめる機会の絶対量は確実に増える。あとはその機会を、気づいたこっちが生かせるかどうかだ。その素材は必ずしも楽しげなことばかりではなく、それこそ悲しいことや理不尽な出来事であるかもしれない。むしろ笑い話やコントの材料と考えるなら…

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