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花より男子の二次小説 総×つくメイン ちょい暗総二郎とエロ門さんがいます あき×つく・類×つくもあり

花男にはまって幾星霜… いつまで経っても、自分の中の花男Loveが治まりません。 コミックは類派! 二次は総二郎派!(笑) 総×つくメインですが、総×つくメインですが、類×つく、あき×つくも、ちょっとずつUPしています!

hortensia
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2014/04/23

1件〜100件

  • 搭乗3分前

    またリハビリ的に短いのから書いていきます^^;_________空港の出発ロビー。俺はゲートの前で、搭乗案内のアナウンスを聞いている。機上ではWi-Fiは使えても、携帯電話での通話は出来ないから、声を聞くなら今が最後のタイミングだ。愛しの彼女はたった2コールで電話に出てくれた。「もしもし、牧野?」「美作さん!?もうすぐ飛行機出発の時間じゃないの?」「うん、もう乗らないと。」「早く!早くしないと乗り遅れちゃ...

  • le temps doux

    牧野への気持ちを言葉にしようとしても全然上手くいかない。いくら考えても、この胸の中に湧いて来る想いを言葉にするには、この世のどんな言語を以てしても足りないんだ。牧野に真っ直ぐ想いを届けられなくて、もどかしくて。そんな時、自分はとても不器用で、不完全な人間なんだって思い知らされる。牧野の声が聴こえるだけで、心が騒ぐ。耳から入った声は身体中を駆け巡り、途端に俺に生気を与えてく。声がした方に顔を向ければ...

  • 只今チャットルームを開放しています!

    ギリギリで申し訳ありません^^;明日、3月30日は類のお誕生日!という事で、現在LINEのオープンチャットのチャットルームを開放しています。 リンクはコチラ!↓↓↓↓↓ オープンチャット「花沢類生誕祭2022」 QRコード↓↓↓↓↓LINEのオープンチャットを検索から探す時は、LINEのホーム画面から「サービス」を選んで頂き、下にスクロールしていくと、「エンターテイメント」の中に「オープンチャット」がありますので、これを選択。検索バ...

  • sweet sweet my lover ー中編ー

    美作さんがこんな仕草するなんて、初めての事だと思う。そもそもいつもあたしが一方的に甘やかされていて、美作さんがあたしに甘えてくる・・・なんてシチュエーションになった事がない。だから、お酒が入ってるとはいえ、こんないつもと違う美作さんが現れて、なんとも言えない気持ちが湧いてきた。ちょっと嬉しくて、どこか気恥ずかしくもある。いつものドキドキとはちょっと種類の違う胸の高鳴りが生まれてくるような気がする。...

  • sweet sweet my lover ー前編ー

    えっと、あの・・・、なんて言うか・・・今夜の美作さん、色気の蛇口がぶっ壊れてます!だだ漏れなんてもんじゃない。ジャージャー全開で流れ出てるとでも言いましょうか。とにかく、ヤバいの!ヤバいんですぅ!夜ちょっと遅くなってからあたしの部屋へとやって来た美作さんは、最初からいつもと様子が違ってた。ちょっと気怠そうで、纏う雰囲気がとても甘い。「ごめん、遅くなった・・・。」ドアを開けたあたしを、そう言いながら...

  • 只今チャットルームを開放しています!

    今日は。バレンタイン以来身を潜めておりましたhortensiaでございます。リアル拙宅で色々ありまして・・・お話を書く時間を取れないでおりました。気がついたらあきらのお誕生日前日でした!何のおもてなしも出来ませんが、とりあえず『おめでとう!』を叫ぶ場だけでも・・・と、いつも通りチャットルームをご用意させて頂きました。LINEのオープンチャット機能を使ってのチャットルームです。(LINEされていない方、申し訳ないで...

  • White Valentine’s Day

    「西門さんっ!ねえ、見て見て見て、窓の外!」「んー、何だ?」「外! 雪降ってる!」いつも掛かってるレースのカーテンを開けて、窓ガラスの曇りを掌できゅっきゅと拭いて、牧野はそこから外を見てる。どんより曇っていた冬空から、白い小さな雪の礫が降り始めていた。東京に雪が降る事自体珍しいけれど。こんな粉雪がちらついた程度でテンション上がるなんて単純だな・・・と思ったが、それを言うと睨まれそうだから、テキトー...

  • ずっとこの時を待っていた -後編-

    一部少々下品な表現があります(*/∀\*)先にお知らせしておきます(苦笑)*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。1人トイレの中で考え込んでいたら、ドアが控えめな音でこんこんこんとノックされる。「つくしちゃん、大丈夫か?具合悪くなったりしてないか?」具合は悪くないけれど、訳が分からなくなっている。ドアを開けたらすぐそこに西門さんが立っていた。「お前、顔色悪いぞ。」そう言われてほっぺたを掌で包まれるけど、そ...

  • ずっとこの時を待っていた -中編-

    次に気が付いた時には、西門さんはもう買い物から帰って来ていた。あたしがソファを占領してしまっているから、ソファとコーヒーテーブルの隙間に座っているのだろう。すぐ目の前に広い背中と後頭部が見える。「帰ってきたなら起こしてくれていいのに。」そう声を掛けると、振り返ってあたしのおでこにそっと柔らかな唇を押し当ててる。おでこへのキスって好き。そこにキスされると、とってもあたしの事大事に思ってくれてる・・・...

  • ずっとこの時を待っていた -前編-

    疲れてる!あたし、疲れてる!とっても疲れてるんだよー!何だか最近体調があんまり良くない。ずーっと仕事忙しくて残業多かったから、肩凝り酷くてそのせいで頭痛もするし。疲れが溜まってるせいで身体もずーんと重い。部屋に帰って来てソファに身体を委ねてぐったりしてると、ぐらっと揺れている感覚に襲われる時がある。「あれ? 地震かな?」と思って辺りを見回すけれど、窓辺の観葉植物の葉っぱも揺れてないし、食器棚の中か...

  • Sweet sweet strawberry

    「ねえねえ、見て見て、西門さん!こーんなにおっきな苺! すごくない?」そう言いながらキッチンからリビングへとやって来た牧野。両手にやたらと大粒で真っ赤に色付いて艶々している苺を持ちながら、目をキラキラ輝かせてる。どうしてこいつは食べ物にこんなに心を動かされてしまうのか・・・。俺を見てこういう顔すりゃいいのに。あーあ、こいつにとって俺って苺以下の男なのか?敗北感がひたひたと忍び寄って来るのを無理矢理...

  • pretend -epilogue-

    総二郎と2人で酒を酌み交わすのは久しぶりだった。社会に出て互いの仕事が忙しくなってからは、個人的に会うのも間遠になっていたし、総二郎が結婚して以来、俺の中に勝手な蟠りがあって気楽に誘えないでいた。でも心のどこかには総二郎としっかり話したいという思いもあり・・・今夜、2人でかつて行っていたバーで飲む事になったのだった。「どうだ、結婚生活は?檻にでも入れられた気分か?」そう聞いたら、総二郎は口元を拳で押...

  • pretend «side総二郎» -epilogue-

    あの日から1年、そして俺が結婚して半年が過ぎた頃、桜子が手掛けたというレストランのオープニングパーティーに招待された。どうやら桜子は、いい金蔓もとい出資者を見付けたらしい。店の名は『La mer d'azur』。紺碧の海・・・とは、桜子らしからぬ爽やかな名だ。イタリアンとフレンチの折衷のような料理を出す『地中海料理レストラン』と銘打っていて、レストランウェディングも出来る造りに拘ったという店は、テラスからは海が...

  • pretend «side総二郎» -後編-

    牧野と会えなくなって、何もかも投げやりになった。周囲は意に染まない縁談が決まって、着々と準備が進んでいくのが気に入らない故の態度なのだろうと思っているようだったが、俺は自分を取り巻く全ての事がもうどうでも良かった。ここ西門においては俺の感情なんて一つも関係ない。ただただ誰かの決めた通りに事は運ばれていくだけだ。考える事を放棄して、抜け殻のようになっていた俺が人間らしい痛みを覚えたのは、突然訪ねてき...

  • pretend ーside総二郎ー 中編

    類に俺と牧野の間柄が露見したのは、そうやって常に2人で部屋に籠っていたからだった。気紛れに牧野の部屋を訪れた類に、馬鹿正直な牧野が慌てた対応をして、訝しがられた。玄関先で類を追い返す・・・なんて上手く出来なかった牧野。隠れてもしょうがない・・・と、腹を括った俺と類はリビングで顔を合わせた。「何でここに総二郎がいるの?」類の視線が俺に突き刺さる。後ろめたい事をしている自覚はあっても、その視線をちゃん...

  • pretend ーside総二郎ー 前編

    「もうここに来たら駄目だよ。今日でお終い。」牧野はそう言って静かに微笑んだ。「・・・何でだよ?」「そんなの・・・、当たり前じゃん。結婚決まったんでしょ?最初から『どちらかにホントに好きな人が出来るまで』って約束だったもん。」「・・・俺が結婚するのは、好きな女なんかじゃねえ。」「そんな屁理屈・・・。」、そこまで言って牧野は盛大な溜息を吐いた。呆れた・・・と言わんばかりの表情を浮かべて。そして俺を諭す...

  • pretend ー後編ー

    そっと唇を重ねても尚、牧野は俺を突き飛ばしはしなかった。それならば・・・と、淡く触れ合うキスを繰り返すうちに、溢れる吐息が、牧野に触れている掌が、どんどん熱くなるのを自覚する。啄むようなキスから、次第に唇ごと貪るようなキスに変わってくのを止められない。もっともっと・・・と欲しくなり、ごくりごくりと喉が鳴る。俺ってこんなに貪欲だったっけ・・・?女との逢瀬はいつも、ほどほどに楽しくて、少し刺激的な駆け...

  • pretend ー中編ー

    「ねえ、どう? こんなでいいの?」「・・・ああ、上出来。」牧野の声で我に返る。さっきまでの泣き笑いみたいな笑顔はもう消えて、いつもの屈託のない牧野に戻っていた。「そうやって気になる男に笑い掛けたら、コロっと落ちるぞ。」「そんな、達人の美作さんみたいに上手くいく訳ないよ。そもそも気になる人がいないって言ってるでしょ。」ふふふと笑って肩を小さく揺らし、グラスに残っていたカクテルをこくり・・・と飲み干す...

  • pretend ー前編ー

    総二郎が結婚した。西門と古くから付き合いのあった旧家の一人娘だという、整った容姿の女と。旧友の披露宴だというのに、司と類は現れなかった。来られない程の仕事を抱えているのか、遥か彼方で足止めされているのか、俺には何の連絡もない。新郎友人のテーブルは、俺と牧野と桜子と、後は顔見知りではあるけれど挨拶を交わす程度の付き合いしかない同年代の男女で埋められていた。そんな中でも牧野は異色だった。かつて英徳の中...

  • 聖なる夜の三つ巴の戦い! ー後編ー

    食事が始まった時にはアルコールを口にしていなかった牧野は、雰囲気に流されてあきらの作る軽いカクテルを2杯、3杯と飲んで、ちょっと頬が色付いている。食後のデザートを食べ終えたら、毎年恒例の、俺らから牧野へ、牧野から俺らへのプレゼント交換タイムになった。「メリークリスマス、牧野。俺からはこれ。」あきらがさり気なさを装いつつポケットから取り出した小さな包みの中は、凝ったデザインのバレッタ。「うわあ、キレー...

  • 聖なる夜の三つ巴の戦い! ー中編ー

    鈍感に効く薬があるなら飲ませたい。今飲んでいるマーマレード入りの紅茶にそんな効能があったらいいのに。切実にそう思いながら横顔を見てるけど、そんな事がある筈も無く。牧野の鈍感が改善される事はきっとこの先もないのだろう・・・と、諦めの溜息をこっそり吐き出した。俺、類、あきらが三角形を作っていて、その中心に牧野がいる。牧野と司が別れてから暫くは、傷心の牧野が立ち直って前を向いて歩ける迄、それぞれのやり方...

  • 聖なる夜の三つ巴の戦い! ー前編ー

    くるくるくる。紅茶の中に甘ーい甘ーいジャムをふた匙入れて、そうっと紅茶に溶けるまでかき混ぜたら、美味しいジャムティーの出来上がり。毎年クリスマスパーティーをするのは美作さんちと決まってる。何故なら、そこより素敵なパーティー会場が他に無いからだ。西門さんちや類のお家では、クリスマスパーティーなんてとてもとても場違いだし。あたしのアパートの部屋なんてもっと無理。どこかのお店で・・・は可能なんだろうけれ...

  • デートだと思っているのは俺ばかり ー後編ー

    ストーリーが進むにつれて、どんどんシリアスな場面が増えていき、主人公の男は緊迫した状況に追い込まれていく。牧野は映画の世界にすっかり飲み込まれて、息を詰めながら観ているから、俺はそんな一所懸命な牧野をチラチラ見ては面白く思っていた。だけど、主人公が殺られるかも?というピンチの場面で、牧野がびくっと飛び上がり、俺の肘に縋ってきたから、面白がってる場合じゃなくなった!おいおいおい!牧野からこんな事して...

  • デートだと思っているのは俺ばかり ー中編ー

    今日は12月最初の金曜日。毎週金曜日は家庭教師のバイトが入っているんだけど、今日はお休み。生徒さんが修学旅行でいないのだ。ぽっかり空いた講義後の時間、何しようかなー?と考えていた。皆でご飯でも行かない?と提案してみたけれど、桜子も美作さんも金曜日の夜は先約があるそうで。類は忙しいからなのか、逆に暇だからなのか、今日は登校していなかった。じゃあ独りで映画でも・・・と思ったら、何故か西門さんがくっ付いて...

  • デートだと思っているのは俺ばかり ー前編ー

    いつもなら忙しがっている金曜の夕方だというのに、何故か今日はバイトが無くて暇だという牧野と、映画を観る事になるだなんて。唐突過ぎて、どうにも落ち着かない。「これこれ。これ観たかったんだー!」映画館に向かう通りに並ぶ掲示板。牧野が指を指したのは話題のハリウッド映画のミステリーもので、赤と黒とで彩られた怪しげな雰囲気が漂うポスターになっていた。主演の俳優はオスカーにノミネートされた事もある実力派。「ふ...

  • あなたがいるだけで

    会いたいな・・・と思ったら、胸がぎゅうっと苦しくなって。「会いたいな・・・」って口に出してしまったら、目からぽろりと涙が零れ落ちた。そんな事言ったって仕方ないのに・・・と思いながら指先と掌でぐいぐい顔を拭って、何も無かった事にしようとするけど、なかなか上手くいかない。涙腺は一度弛むとすぐに涙を止めるのは難しいみたいで、拭っても拭ってもまたぽろぽろと水の珠が落ちてきた。誰に見られている訳でもない。自...

  • I’m just a simple man

    2人で眠る時、牧野を腕枕するのが好きだ。もう半分夢の中へと引き込まれてうとうとしている牧野の頭を、左腕に載せて寄り添う至福のひととき。無意識なんだろうけれど、牧野が寝心地のいい場所を探って、俺の腕の上で頭を微かに揺らしてる様が妙に愛おしいんだ。それだけ俺が一緒にいる事に慣れて来たんだなあ・・・とか。俺の隣でリラックスしてるんだよな、これって・・・とか。そうやって安心しきって眠ろうとしてる牧野を見て...

  • 現在チャットルームを開放しています!

    ひっそりと今晩は。体調不良によりご無沙汰してしまっております、hortensiaです。総二郎のお誕生日なんだよー!分かっちゃいるけど、身体が動かないんだよう。・゚(´□`)゚・。とジタバタしてました。もう明日がお誕生日当日ですー。何のおもてなしも出来ませんが、例年通りチャット会だけでも・・・と思いまして、今回も「おめでとー!」と叫ぶ場をご用意させて頂きました。LINEのオープンチャット機能を使ってのチャットルームです。...

  • sweet nothings

    またリハビリ的に短いのから書いていきます^_^;________________10日程仕事で京都に行っていた。メインは大きな献茶式。タイトルに『若宗匠奉仕』とか付けられてる、仰々しいものだ。何と家元夫人ことお袋まで帯同してきた。肩が凝る行事だけど、『若宗匠』としては涼しい顔して完璧にやり通さないといけない訳で。そういうのって体力より精神力がごっそり削られる。側にあいつがいてくれたら・・・なんて思ってし...

  • この部屋、ペット禁止です! 21

    朝日を受けてピカピカ光っている車に乗せられ、木々の間から光の粒が降り注ぐ道を抜けて連れて行かれたのは、キラキラと水面が輝いている相模湖が一望出来るカフェだった。何だか朝から目がチカチカする。空いているお好きな席にどうぞ・・・と言われ、ひとつ残っていた窓側のテーブルにペットと向かい合わせで着くと、すぐにお冷のグラスが運ばれて来た。モーニングを2人前、それにコーヒーとミルクティーを頼む。「このお店もお...

  • Call my name -monologue by Tsukushi 2-

    『明日世界は終わるんだって』ふと耳に飛び込んできた女の子の鈴を鳴らすような歌声。どきりとするような歌詞なのに、悲壮感は全くなく、軽やかな響きで歌は続いていく。本当に明日私を取り巻く世界が終わる訳じゃない。『歌の中の世界』の話だ。それは分かっているけれど、つい想像してしまった。もし明日世界が終わるなら・・・私は物凄くほっとするに違いない。もう何も怖がらなくて済むから。いつ頭痛が襲ってくるか分からない...

  • Call my name -monologue by Sojiro 2-

    「Call my name」の総二郎で、短いモノローグをひとつ。________________明日でこの世が滅亡すると知ったなら、人々はどんなパニックに陥るのだろう?嘆き悲しむのか、恐怖に慄くのか・・・諦めて普段と同じように過ごすのか、それとも無気力に何もしないままにその瞬間を迎えるのか・・・SF映画で観たような光景が繰り広げられるんだろうか?でも俺は、そんな事が起こるなら、嬉しくなってしまうのだと思う。明日...

  • 凪の海、涙雨

    「あたし達、出逢わなければ良かったね・・・」ついそんな言葉が溢れ出た。窓の外には海が見える、落ち着いた雰囲気のカフェレストラン。晴れていたら素敵な景色が広がるんだろうけれど、しとしとと雨が降り注ぐ今日は、海はどこまでも薄鈍色で、空との境目も分からなかった。穏やかな表情を浮かべていた西門さんが途端に険しい顔になる。無言でただあたしをじっと見つめてきた。鋭い視線を和らげたくて、小さく笑いかけたけど、何...

  • Believe it or not, I love you!

    「他の女の人に触れてきた手であたしに触らないで。」待ち合わせ場所で俺の顔を見て睨み付けてきた牧野。ほんの少々時間に遅れた事を怒ってるのかと思って、腰を抱き寄せようと伸ばした俺の手を、ぴしゃっと振り払いながらこう言った。「何したってあたしは赦す筈だって思ってるの?ふざけないで。あたしにだってちゃんと感情はあるの。あなたの前でいつもにっこり笑ってる人形じゃない。」そんな事知ってる。それに俺の前でだって...

  • Makino-holic

    またちょっと蔵出しで(^_^;)________________つい先頃まで無茶苦茶に暑い日が続き、ほんの少しでも外を歩くのが嫌だったのに。しとしと雨が降る日が2~3日続き、それが明けたら急に秋がやって来た。すっかり空気が入れ替わって、蒸し暑さは何処かへ消えていた。爽やかな秋の風が吹き抜け、空の色も心なしか淡くなっている。エアコン漬けだった身体を少し秋の爽やかな空気の下に解放してやりたくて、「飯奢ってやる...

  • 壁掛け時計

    カチコチカチコチ、時計の針の音がする。図書館の自習室の壁に掛けられた、大きくてクラシックな壁掛け時計。卒業生か、その保護者からかの寄贈品なんだろう。誰かの名前が入ったゴールドのプレートが添えられている。その音がよく聞こえるのは、この部屋が静かな証拠だ。何故か今日は外の喧騒も聞こえて来ない。いつもは外の遊歩道を歩いていく人の話し声や足音だって聞こえてくるのに。今は綺麗に手入れされた並木の葉が風にそよ...

  • 通り雨に紛れて

    蔵出しです。ちょっと黒い・・・かな?________________2人きりの車の中。黙りこくって助手席に座っている牧野と俺の間には、何とも言えない重たい空気が漂っている。牧野の部屋の近くまで送ってきたが、突然のゲリラ豪雨に見舞われて、停めた車から降りられない牧野を見ていたら、口が勝手に動いていた。「なあ、牧野。俺と取引しようぜ。」不意に何を言い出しているんだ、この男は?という風情で俺をまじまじと...

  • wishes ー後編ー

    「あ、また流れた!」牧野の言う通り、画面の中を星が尾を引いて流れて、そして直ぐに消えていく。「見てると夢中になっちゃって、願い事言うのなんか忘れちゃうんだよねー。」幸せそうに笑いながら俺の方に顔を向けてそう言うから、笑顔の牧野と対峙する事になった。笑っているが故に少し細められた瞳の中に俺が映り込んでる。いつだってこの眼差しを独占したいのに、なかなか上手くいかないのは何故なんだろう。「・・・願い事な...

  • wishes ー前編ー

    晩飯の片付けの後から、牧野は1人で小さなダイニングテーブルのいつもの位置で微動だにしない。飲み物が入ってるマグカップに立て掛けたスマホの画面に釘付けだ。何だってそんなもんばかり見てるのか・・・と、俺は気になって仕方ない。「なあ、つくしちゃん。さっきから熱心に何見てるんだよ?」「え? あのね、今日流れ星が良く見える日なんだって!ここは生憎雨降りだけど・・・このハワイの望遠鏡のライブ映像、凄いんだよ!も...

  • この部屋、ペット禁止です! 20

    無意味に放出されたフェロモンに心臓のペースを大いに狂わされ。何とか気を取り直さねば・・・と、あたしはテレビから流れて来た曲に合わせて歌って、その場を誤魔化すことにした。こんな大きな画面にミュージックビデオが映し出されるのは、街頭ビジョン以外で見たことがない。まるでライブ会場の最前列にいるみたいだ。知ってる歌はノリノリで歌い、知らない歌の時はする事ないから歌に聞き入ってる振りをして映像を見詰める。隣...

  • この部屋、ペット禁止です! 19

    今日はペットにペースを乱されっぱなしだ。てっきりそこらを散歩するんだと思っていたのに、車に乗せられて遠くに連れ出され。食事をしたら帰るんだと思ってたのに、何故か他人様のセカンドハウスにお泊りだって。今夜泊る部屋だと案内されたのは、まるでホテルのベッドルームのような素敵なゲストルーム。だけど大きなベッドがドーンと鎮座しているのを見ていたら、胸がドギマギしてくる。あれ? こんなに大きなベッドって事は・...

  • この部屋、ペット禁止です! 18

    牧野が選んだのはとあるラブコメ。1組の男女がすれ違いやら、ちょっとした行き違いで、なかなか距離が近付かず・・・ラストでやっと想いが通じあう・・・という、よくある展開の話。それを目をキラキラさせながら食い入るように観ている。この兄貴ご自慢のオーディオ設備は、もっと重低音が響くような映画の方が効果が分かるんだけど、牧野はそんな事ちっとも気にならないようだ。ソファーに置かれていたクッションをひとつ、ぬい...

  • この部屋、ペット禁止です! 17

    「ステキ!」を連発しながらリビングの中でキョロキョロしている牧野を2階のゲストルームに連れて行った。「ほら、ここが今日のお前の部屋。」リビングと同じテイストのインテリア。まるでホテルの一室のように整えられた部屋に、牧野はまた驚いてる。「あたし、泊まる支度なんてしてきてないんだけど・・・。」「多分何でも揃ってると思うぜ、パジャマもアメニティも。クローゼット開けてみれば?」「・・・いいの?」「ここ、ゲ...

  • この部屋、ペット禁止です! 16

    牧野を西門に馴染ませる為の第一歩として、この居候生活の礼代わりに茶の稽古を付けてやる・・・と言ってみた。忙しいから・・・と本人はあまり乗り気ではないけれど。このまま全くの素人のままじゃ、西門が牧野を受け入れてくれる筈もないし。次期家元直々に個人的に稽古を付けるという、特別感を周囲に見せ付けることが何より大事なのだ。それに牧野って女は、実は茶道に向いていると思う。季節の移ろいだとか、草花の美しさだと...

  • この部屋、ペット禁止です! 15

    古民家を改築したという風情あるお店で頂くお蕎麦はとても美味しかった。二八蕎麦の鴨せいろも。ちょっと太めに切られた十割蕎麦を塩で頂くのも。デザートの蕎麦がきのぜんざいまで!掘り炬燵風の個室は、なんとなくお茶室みたいな雰囲気で、雪見障子の向こう側には坪庭が見える。石灯籠には火が入れられ、温かな光が溢れているのも目に優しくて癒された。「流石西門さん。素敵なお店知ってるね。」「まあな。蕎麦は抜群に美味いし...

  • この部屋、ペット禁止です! 14

    金曜日がやって来た!何だか色々あった今週・・・今日の仕事が終われば週末はのんびり・・・出来るのかな?リビングにはいつもだらけたペットがいるんだけど。何なら置いて出掛けちゃえばいいや!土日、どこ行って何しようー?観たい映画もあったし。お天気いいなら景色のいい所とかゆったり歩いて、疲れたらカフェでお茶して・・・なんてのもいい。ちょっと計画立てよーっと!そんな事をちらっと思い浮かべながら仕事して。お昼休...

  • この部屋、ペット禁止です! 13

    ちょっとーーー!!!鼻ーーー!色気ダダ漏れのペットに鼻を舐められたよーーー!こんなのってアリ???もしホントにペットの犬ならさ、顔をペロペロしてくるとかフツーにあるとは思うんだけど。アレは一応人間よ!それもこの世の女の敵・西門総二郎だよ!まあ、あたしに対して、失礼な事は言ったりやったりはしても、不埒な事はしてこないんだけど・・・こんな狭いマンションの部屋に何日か泊めていても、何もされてない。あたし...

  • この部屋、ペット禁止です! 12

    俺の腹の虫も騒ぎ出した午後8時を回った頃、やっと玄関ドアの鍵がかちゃりと音をたてた。残業で疲れて帰って来たんであろう牧野を迎える為に玄関に立つ。「お帰り。」「・・・ただいま。」ちょっと彼氏っぽい素振りでもしてやろうか?胸キュン作戦第二弾だ。帰宅の遅い牧野を心配する恋人ってやつを演じてみせようじゃねえか。「つくしちゃん、遅くなるなら連絡入れろよ。」「何でペットに連絡入れるのよ?大人しく待ってればいい...

  • この部屋、ペット禁止です! 11

    徹夜明けでぼーっとした頭に、微かなシャワーの水音が沁みてくる。目を瞑っていると瞼の裏に牧野のシャワーシーンを投影してしまいそうで、これではダメだと、ハッキリパッチリ目を見開いた。一晩俺を抱き枕扱いしてくれた牧野。俺を抱き締めている・・・と認識していなかったのは、目覚めた後の狼狽っぷりで一目瞭然。それと共に、このまま『ペット』の振りしてるだけでは、俺達の関係は進みっこないというのも分かった。『ペット...

  • この部屋、ペット禁止です! 10

    俺が計画していた『牧野がウットリするようなデート』の帰り道。タクシーで寝こけた牧野は、マンションの前に着いて降りる時になっても、揺すろうが、声を掛けようが全く目を覚まさなかった。多少「うーん・・・」と声を漏らすだけだ。そんなに飲ませてもないのに・・・何でこんなにガッツリ寝てるんだ、コイツは?仕事で疲れてたのか?ちょっと訝しく思いながらも、牧野を抱きかかえてマンションの狭い階段を上る。ポケットにねじ...

  • この部屋、ペット禁止です! 9

    お昼休み、ユカちゃんの興味津々な視線と質問を何とかやり過ごして、はあ・・・と溜息。気持ちが落ち着かないせいか、頼まれていた書類が仕上がらなくて、2時間くらい残業してしまった。あー、駄目だ、駄目だ、こんなじゃ・・・ちゃんとしなくちゃ・・・あたし、暫くお酒控えよ・・・重たい身体を引き摺ってのろのろと部屋へ帰る夜道。何だか痺れたような脳味噌であんまり頭が回らない。晩ご飯、どうしよ・・・冷蔵庫、色々入って...

  • この部屋、ペット禁止です! 8

    手早くシャワーを浴びて、パッと服を着て。急いで髪の毛を乾かしたら、テキトーに化粧水と乳液を顔にピタピタして、BBクリームをぐいぐい塗り広げ、眉を描いた。今は時間がない。顔は眉と口元さえ整ってればそれなりに見える・・・はず!脱衣室の引き戸をがらっと開けると、部屋にはふわーんとコーヒーの香りが漂っていた。なんと、キッチンでコーヒーを淹れているペットがいる。ブラのホックが外されていた件についてしっかり意見...

  • この部屋、ペット禁止です! 7

    あたしのベッドは身に余るセミダブルサイズ。それは何故かって言うと、F3が買ってくれた品だからだ。これが部屋に搬入された時、てっきりシングルベッドが届くと思っていたあたしは、そのドーンとした存在感に驚かされた。そして慌ててF3に電話した。「類! ベッド届いたけど、これ大き過ぎるよ!」「寝室に入んなかった?」「入ったけどさ!」「じゃ、いいじゃん。」「いや、圧迫感が凄いっていうか、無駄に大きいっていうか・・...

  • この部屋、ペット禁止です! 6

    ふらっと夕方の街を気儘に散歩しているように見せ掛けながら、カジュアルなアクセサリーショップに誘導する事に成功した!「あ、俺、ちょっとここ入りたい。」「別にいいけど・・・」全く興味無さ気な牧野を連れて入った店内は、シルバーと革を組み合わせたアクセサリーや、ストラップ、キーホルダーが沢山並んでいる。「俺、こーいうの結構好きなんだよな。」黒い革紐にシルバーの艶消しのペンダントトップがぶら下がっているのを...

  • この部屋、ペット禁止です! 5

    牧野の部屋に転がり込んで3日目。ここでの生活にも段々慣れて来た。牧野の態度も少し軟化してきた・・・ような気がする。手早く朝食を用意しながら、自分が会社に持って行く弁当を詰めている牧野の背中を、ほんのりと幸せを感じながら見ていた。いつか2人で暮らせたら、毎朝こんな風景が見られるのかも知れない・・・なんて想像したりして。出来立てのベーコンエッグやサラダが載ったプレートが俺の目の前と、向かいの席に運ばれて...

  • この部屋、ペット禁止です! 4

    牧野が司と別れてそろそろ4年。そうなると、俺と類とあきらの水面下での牧野争奪戦・・・というか、互いの足の引っ張り合いも4年になる訳で。あの鈍感女には俺達F3のアプローチが全く効果がないからこんな事になっている。べたーっと牧野にしな垂れかかった類の隣で、「あー、類の隣は落ち着くなぁ。やっぱり類はあたしの一部だからかな?」「牧野は俺の全てだよ。」「くふふ、何言ってるのよ、類。冗談ばっかり。」「俺、冗談なん...

  • この部屋、ペット禁止です! 3

    目覚まし時計が鳴る前に目が覚めていたから、煩くならないようにアラームを切った。あまり音をたてないように着替えをして。用心の為に掛けていた鍵をかちりと捻って寝室のドアを開けた。そーっと隣の部屋に入ると、西門さんは床に転がってブランケットに包まって寝ている。ウチのソファなんかで西門さんが寝れる訳なかった。だってサイズが全然足りない。一応2シーターだけど、横になるとあたしだってはみ出しちゃうくらいだから...

  • この部屋、ペット禁止です! 2

    「おー、食った、食った。ご馳走さん。」綺麗にお皿を空にした西門さんが、ごくごくとアイスティーも喉に流し込んで空のグラスをテーブルに置いたから、晩ご飯の時間はこれで終わりになった。腹ごしらえも済んだし、そろそろこんな事になってる理由を知りたい。「お粗末様でした。」「結構美味かったぜ、庶民のカレーも。」「当たり前でしょ!短時間で作ってはいるけど、隠し味も色々入れてるの。単なるカレーじゃないのよ!」「ふ...

  • この部屋、ペット禁止です! 1

    うーーーーー。何でこんな事になっちゃったのー?今あたしの部屋では黒毛のグレーハウンド・・・ならぬ、黒髪の西門総二郎が寛いでる。人のテリトリーでこんなリラックスしないで欲しい。「つくしちゃん、俺コーヒー飲みてえ。」とか、「なんか腹減らね?」とか、気侭に要求してくるし。何で?何でここにいついてる訳?それも利き手の右手が包帯ぐるぐる巻き状態だし・・・。話は3日前に遡る。仕事帰りにスーパーに寄って、食材を...

  • 思い出し雑記・人生初の宝塚

    もう、ずーっと前から書こう、書こうと思っていたのに、途中まで書いて寝かしっぱなしになっていたネタです。約2年経って、もうネタバレしても誰も怒らないだろうと思うので、7周年記念のオマケとして書き上げました(苦笑)2019年1月11日。『花男』ヅカ化のニュースが飛び込んできた。ヅカに全く興味の無かったワタシではあるけれど。『花男』にはこの通りドップリな訳で。同じ様に沼にはまってらっしゃるパイセンと、「これは行く...

  • Sanctuary

    あの人って、いっつも物凄くカッコつけてて。自分の事、イイ男だって信じ切ってて。女の人と見れば愛想振り撒いて、ヘラヘラして。ホンット、どうしようもないと思うんだけど。時々、ロダンの『考える人』みたいなポーズで動かなくなる時があるんだよね。きっと他の人の前では見せない、弱ってるタイミング。生きていれば誰にだって色々ある。何も持たない身軽なあたしみたいな庶民とは違って、あの人には自分の意思とは関係なく定...

  • 粉雪舞い降りる君の肩先 11

    いつもなら、色んな料理を口にする度にくるくると表情を変え、楽しそうに食事をする牧野だけど。今夜はどこか上の空で、言葉少なだった。帰りの車の中でもそれは同じで。不安げな表情を浮かべながら時々俺の方を見詰めてくる。信号待ちのタイミングで牧野の方を向いて、『大丈夫だよ』という気持ちを込めて笑い掛ける。それでも牧野の憂いを取り除く事は出来ない。きっとこれから時間をかけて、少しずつ少しずつ心を解していかなけ...

  • 粉雪舞い降りる君の肩先 10

    怖い。本当に、心の底から怖い。この手を取って、そしていつか去られる日が来たら、あたしはきっともう立ち直れない。どんなに美作さんがあたしを想ってくれても・・・あたしが美作さんを誰よりも大切に思っていても・・・道明寺の時と同じように、自分達の思いも、考えも、力も、何の役にも立たずに間を引き裂かれるかもしれない。そんなあたしの恐怖を重々理解した上で、美作さんはこんな事を言ってくれてる。美作さんを信じたい...

  • Call my name 38

    春が来て桜が綻び始めると、その頃から急に俺の仕事は忙しくなる。例年の事ながら、利休忌、研修会、続々とやって来る献茶式、その合間に入れられている野点のイベント。そんな息吐く暇もない1ヶ月をやり過ごして、疲弊した俺がやっと人心地が付いたのは4月の後半だった。西門の庭の桜なんか八重桜までとっくに散っていた。映山紅があちこちで咲き誇り、藤棚の藤が色付き始めてる。去年は遅咲きの桜を見せたくて、少し遠出したんだ...

  • 粉雪舞い降りる君の肩先 9

    「牧野が、好きだ。」もう一度言葉を重ねた。牧野は何も言わずに立ち竦んでいる。口を真一文字に結んで、唯々俺を見返してきた。「友達としての『好き』じゃない。俺は牧野に恋してる。」強い決意を持って、牧野に向かって右手を差し出す。「牧野から俺の手を取って。そうしたら俺は牧野のものになる。」どのくらい見詰め合っていたのだろう。互いの間に沈黙が流れた後、牧野は小さくぎこちなく、だがはっきりと頭を横に振って、俺...

  • 粉雪舞い降りる君の肩先 8

    ちらちらと雪が降っている中で輝きを放っているイルミネーションは、とても幻想的に目に映る。牧野は入り口の光のゲートを潜ったところから「うわあ・・・」と感嘆の声を上げ、夢見るような表情を浮かべた。生憎の天気のせいか人出はあまり多くなく、そのお陰で一層色とりどりの光が真っ直ぐ目に飛び込んでくる。「凄く綺麗だね、イルミネーション。美作さん、素敵な所に連れて来てくれてありがと。」牧野がこちらを見上げて柔らか...

  • 恋を知る時

    人を心の底から好きになるなんて、牧野に出会うまで俺は知らなかったんだ。静の事は好きだったよ。でも振り返ってみれば、あれは『恋』じゃなくて『憧れ』だった。いつでも優しく、美しく、自分が信じた道を歩いて行く静に憧れていた。静にとって俺は弟みたいな存在で、それ以上でもそれ以下でもなかった。静がいなけりゃ生きていけない・・・なんて思ってパリまで追いかけて行ったけれど、側にいたって俺の事をちっとも見ないで、...

  • Call my name side story -籠の鳥-

    いつもは行き先など訊ねずに俺に付き従っている牧野が、俺の纏う空気に不穏なものを感じたのか、珍しく俺に聞いてくる。「先生・・・ どこに行くんですか?」「ここじゃないどこか。」ぶっきらぼうに一言だけ返した。牧野を車に閉じ込めて、当てもなく走り出す。西門という場から離れたかった。2人きりでいても、誰からも見咎められない所まで逃げ出したい。そう思った末の衝動的な行動だ。重苦しい空気で満たされた車内。俺も牧野...

  • 毎日が特別な一日

    毎日同じ様な事を繰り返して生きているけど。それって本当は特別な事なんだと思う。あなたがあたしに向かって笑い掛けてくれる。それだけで世界は光に満ちていく。あなたはすぐに「何か買ってやろうか?」とか「どこか出掛けるか?」って言うけれど。あたしはあなた以外に欲しいものはないんだ。どこか素敵な場所に行く必要もない。あなたが隣にいてくれるだけでいいの。この先、どんな高い山を越えなくちゃいけなくても。凍るよう...

  • 粉雪舞い降りる君の肩先 7

    2月14日を2人きりで過ごせた。バレンタインデーの牧野を誰にも取られたくないという独占欲が丸出しで、誰から見てもこんな俺は物凄く格好悪いんだろうと思う。気付いているけれど、どうしようもなかった。俺が切実にその日の牧野と一緒にいたいと願っていたのと、牧野の俺に対する気持ちには著しい温度差がある事は分かってる。それでも「恋人達の日」と呼ばれている日に、たとえ友達の域を出ていない俺と牧野でも、共に時間を過ご...

  • 粉雪舞い降りる君の肩先 6

    美作さんはいつも私の手を、心を温めてくれる。いつも私を暗闇から掬い上げようと心を砕いてくれる。『心の灯火』ってこんな人の存在を言うんじゃないだろうか。だけど美作さんはあたしから手を伸ばしていい人じゃない。今だけ。同じ学校に通っている今だけだ。あと1年したら美作さんはここを出て、あたしの手の届かない世界に戻って行く。最初からそう決まっているのだ。そしてきっといつか同じ世界の人と幸せになる。王子様はお...

  • together-重なる想い-

    花より男子の二次小説です。総×つくメイン。

  • together -笑い合える日-

    入ってすぐ右手の2つのドアは多分トイレとバス。左手にはこじんまりとしたキッチン。その横に冷蔵庫と洗濯機が並んでいる。そして、そこを通り抜けた先に小さな部屋がひとつ。そんな牧野のアパートの部屋はとても殺風景だった。ベッドが壁際に置いてあって、その前に小さな座卓。その座卓の辺りにだけ正方形のカーペットが敷かれている。そして部屋の角に小ぶりのTV。物はそれしか無かった。先に部屋に入った牧野が、座卓の上から...

  • together -繋いだ手-

    この土産物屋は営業中の筈なのに、店員不在で大丈夫なのか?と首を捻りつつ店の前に出て行くと、そこには『準備中 しばらくお待ちください』というサインプレートが掛かっていた。七瀬さんご夫妻にしてやられた・・・と気付いても、すっかりのせられていた自分の滑稽さに笑いが込み上げてくるばかりだ。そこからはもう全部流されるままになるしかなかった。土産物屋の向かいのカフェの席半分を貸し切って、即席の宴会場が作られて...

  • together -2人の再会-

    俺の顔を見た途端にどこかへ逃げ出すかもしれない・・・とまで考えていたのに、牧野はその場に立ち尽くしたままだった。その口からは俺の名を呼んだ以外、何の言葉も出てこない。唯々信じられない事が起こっている・・・という驚きの表情を浮かべて、俺を見詰めていた。更に手には品出し中の菓子の袋を一つ持ったままだ。その様子が滑稽で、俺はちょっと頬が緩んでしまった。人は驚き過ぎると、こんな風にフリーズするんだな・・・...

  • alone -総二郎の眠れぬ夜-

    七瀬さんご夫妻と相談して、牧野には明日会いに行く事になった。俺としては、今日の牧野の仕事が終わった後に会って話を・・・と思っていたのだが、七瀬さんの奥さんが「つくしちゃんが東京に戻る事になるなら、今夜はうちに呼んで、一緒に食事をしてもいいでしょうか?」と言ってくれたので、お任せする事にした。「明日の朝、開店時間に市場のお店の方に来てもらえませんか?開店してすぐはお客さんも殆どいないので、つくしちゃ...

  • alone -店主夫妻との対話-

    す、す、すみません・・・これも3年振りに書いてます。「fake」の番外編、「alone」の続きの部分です。何だか書くタイミングを失ってましたが、どうにか書き終わりたいので、数話ですが宜しくお付き合い下さいませ。__________俺が話をしたかった相手は、牧野の雇用主で、この土産物屋の店主でもある、七瀬さんという人だ。牧野が働いている観光市場の支店ではなく、同じ市内にある本店の方に電話を掛けると、すぐにご本...

  • 甘やかな空間 -後編-

    きっとこの恋は片想いで終わっていくんだろうと覚悟してたのに。ずっと妹ポジションでしかいられないと思ってたのに。先日美作さんから告白されて、晴れて両思いになりました、あたし達!こんな事があるなんて・・・まだ夢を見てるみたい・・・聞いてみれば、美作さんはずっとあたしの事気になっていたんだって。でも元々それは恋と言うよりは、危なっかしくて見ていられない!とか、失恋して弱っているのをほっとけない・・・とい...

  • 甘やかな空間 -中編-

    牧野が可愛い。可愛くて仕方ない。俺を意識して、ちょっぴり甘えてきたり、拗ねてみせたり。時折距離を縮めてきたかと思うと、また微妙に離れていったり。ケラケラと朗らかに笑ったかと思うと、逆にカチコチに緊張していたり。不器用な態度がこんなに可愛いなんて思ってもみなかった。早くそれが俺への恋心だって気付いてくれないかな・・・と、ずっとずっと待っていたんだ。今日も東屋で、付かず離れずの距離で一緒にいる。手仕事...

  • 甘やかな空間 -前編-

    最近お休みの日はよく美作さんちの東屋に入り浸っている。ええ、そーですよ。いつだったか、美作さんと西門さんに閉じ込められた、あの東屋ですよ。あの時、あいつもあたしもテンパってたとはいえ、何でバスルームの窓から外に出たりしたんだろ?今になって思うと、入り口を外からロックされてたとしても、もうちょっとマシなところから出られた筈なのに。それだけ頭がオカシクなってたんだろう。恋というのは、非日常のシチュエー...

  • 粉雪舞い降りる君の肩先 5

    雪がフロントガラスにぶつかって、滑り落ちていくのを見ていて心配になったのか、牧野が尋ねてきた。「美作さん、車の運転、雪降ってても大丈夫なの?」「ああ、全然積もってないし。タイヤも一応スタッドレスって言って、雪道でも走れるものに交換してあるから。」「ふうん、東京に住んでてもそんなの必要なんだ。」「冬場は寒い日に道路が凍結するかもしれないだろ?だから念のためにな。」「そうなんだ・・・。」「明日から休み...

  • 粉雪舞い降りる君の肩先 4

    衝動的にNYへ飛び、司の本心を聞いてしまった俺は、余計にどうすればいいのか分からなくなった。牧野には言えない。NYへ行った事も、司に会った事も、司が記憶を取り戻してはいたが忘れた振りをし続けている事も。その理由が自分を護る為だと、そのために司が己を押し殺して日々を過ごしている事を知ったら・・・牧野がもっと苦しむだろう事は明白だ。当の司が死ぬ迄忘れた振りをして生きていくと決めているのに、俺が勝手にそれを...

  • 粉雪舞い降りる君の肩先 3

    大晦日と元日をパパとママのところで過ごして、あたしは直ぐに自分のアパートに戻ってきた。何故なら塾のバイトが詰まって入っていたから。受験生にとって、冬休みは最後の追い込みの時期だ。その為にお正月返上で勉強する『正月特訓コース』なるものが設定されている。街にはお正月ムードたっぷりの『春の海』がBGMとして流れていて、初詣や初売りに出掛ける人で溢れているのに、私達塾講師のバイト学生と受験生は塾の中で、朝か...

  • 粉雪舞い降りる君の肩先 2

    「もう会えないかと思ってたよ。」ホテルに訪ねて来た司を部屋に通して、俺はそう話し掛けた。司は無表情だ。整い過ぎた顔立ちのせいで、人形のように見えてしまう程に。「今日はもう仕事は終わりか?」「いや、まだだ。食事することにして抜けて来た。」「どうする? どこか外に行くか?」「いや、ここでいい。」そう言われて、ルームサービスで適当にディナーを頼むことにした。料理が届くまでの間に話が出来たら・・・と思って...

  • 粉雪舞い降りる君の肩先 1

    2月、バレンタイン、その後は・・・あきらのお誕生日がやって来ますね。2月はあきらの月!ということで。何年振りに書いてるの?と思われるでしょうが・・・「イチョウ並木の坂道で」の続きのお話です。タイトルだけずーっと温めていて、中身が書けてませんでした。改めて宜しくお願いします。__________「わあ、もしかして雪?」手袋を嵌めた掌で雪を受け止めようと、空を見上げている牧野がいた。ちらちらと、本当に小...

  • Liar! -後編-

    見合いを断った本郷家からの嫌がらせのせいで、一悶着あった俺と牧野。でもまあ結果、牧野の俺への想いを再確認できて一層愛が深まったというか。こっちの顔がにやけちまうような熱烈な告白を聞かせてもらえて俺得だったんだけど。ただ、俺の婚姻問題でこういう風に牧野を悲しませるようなことは、もう二度としたくねえし、されたくもねえ!こいつは絶対嫌がるだろうけど、牧野が俺と将来を見据えた真剣交際中って、内外に広めちま...

  • Liar! -中編-

    いつの間にか寝てしまっていたらしい。気が付いたら枕の上に頬杖を突いた西門さんが、ニヤニヤしながらあたしを見下ろしていた。「やっと起きたか、眠り姫。」そう言われて、唇にむちゅっとキスされた。寝惚けていて、何が何だかよく分からない。んー、何だっけ・・・?どういう状況、これ?「お前、もしかしてよく寝れてなかったんか?くーくーいびき掻いてたぜ。」「う、嘘っ!?」「じゃ、まあ、可愛い寝息が聞こえてたってこと...

  • Liar! -前編-

    やっと巡って来た牧野と会える週末。珍しく牧野から待ち合わせの時間と場所を指定された。呼び出されたのはとあるカフェ。先に来ていた牧野は店の一番端っこの、窓側の席に座ってた。ざわざわして、落ち着かない店の雰囲気。牧野から発せられる妙な気配に、俺の心もざわざわする。「もう西門さんの事好きじゃない。愛してないの。別れて下さい。」なんだ、その安っぽいドラマみたいな台詞は?全然俺の方見ないし。言わされてる感満...

  • Call my name -monologue by Rui-

    ねえ、牧野。俺はさ、あんたが笑ってくれてたら、それでいいんだ。俺があんたを想っているのと同じ気持ちを、俺に返して欲しいとは思わない。かつてはそれを望んだ時もあったけど。いつからか、そんな気持ちには蓋をしたんだ。心の奥底に大切に仕舞っておくって。俺にとってあんたは特別な存在だから。それはあんたが記憶を失くそうと、誰といようと、どこにいようとも変わらない。「花沢さん」なんて呼ばれるのは、ちょっと他人行...

  • Call my name 37

    類が牧野に触れたのかもしれない・・・という考えが頭を過ぎった途端、ぐっと瞑った瞼の裏が真っ赤に染まった気がした。牧野が俺の事を好きだという気持ちは、恩義や刷り込みからくるものであって、恋じゃない。以前類に恋をしたように、今の牧野も類に惹かれていくのかと思ったら、身体中の血が逆流していくかのような感覚に襲われた。冷静にならねばと思うのに、身も心も全くいう事を聞かない。宿の部屋に入った途端、牧野を腕の...

  • Call my name 36

    それは花沢さんが突然西門に立ち寄ってくれた日の事だった。急に連れ出された夕刻のドライブ。総二郎先生は何かを堪えているかのように押し黙ったままハンドルを握っている。どうしたんだろう?と不思議に思うけれど、聞く事は出来ないまま、私は隣に座っているだけだ。車が着いた場所は、私が以前頭痛で倒れてしまった鎌倉の古民家宿だった。いつかのようにレストランでお食事をするのかな・・・と思ったけれど、先生はレストラン...

  • Call my name 35

    少し寒さが緩んで、春の気配が感じられるようになった頃、ひょっこりと姿を現したのは類だった。「ここならもう咲いてる木もあるかと思って来たけど、まだだったね。」茶室の窓辺に立ちつつ、そんな事を言っている。「桜か?染井吉野はあと2~3週間掛かるんじゃないか?寒桜なら綺麗に咲いてるのがあるぞ。」「ふうん、残念。俺が好きなのはあの色の濃い花のじゃなくて、淡雪みたいな花びらの桜なんだよね。それを牧野と見たかった...

  • Call my name 34

    牧野をこの腕に抱くまで、俺は独りきりなんだと思っていた。これまでも、そしてこれからも。いつか娶らねばならない『妻』という存在も、父と母のように、心通わぬ形だけのものになるはずで。生まれてくるだろう子供もまた、血を絶やさない為の道具でしかないと自覚する時、俺と同じように諦めの中で生きていく事になる。そして自分の未来を生まれた時から決められていた事で、俺を恨む日がくるのかもしれない。冷え切った邸の中は...

  • Call my name 33

    「つくし・・・」薄闇の中で、初めてその名を呼んだ。今迄一度だって、こんな風に呼んだことはなかった。たった3文字の、もう何年も前から知っている名前だというのに。口にしたら、胸の内が震える。「はい・・・」か細い声で返事をした牧野をそっとこちらへ引き寄せた。「つくし・・・」もう一度呼ぶ。また胸が苦しくなってしまうと分かっているのに、それでも答えてくれるのを確かめたくて。「はい・・・」こんな近くにいるのに...

  • Call my name 32

    総二郎先生と私とでは立場が全く違う。西門流の次期家元である先生と。内弟子の中でも末弟の私。先生は天上の眩い星。私は地上からそれを見上げるだけの徒人。そんな先生と私の間には、はっきりとした境界線がある。私はそれを決して越える事は出来ないし、勿論先生が踏み越えてこちらにやって来ることもない。そう決まっている筈なのに。誰からも見咎められない場所にいるから、その境界線が今だけかき消えてしまったのだろうか?...

  • Call my name 31

    いつか・・・いつの日か、全て片がついて。司がその手を放し、牧野を自由にしてくれたら・・・俺が誰にも文句なんか言わせない程に力をつけたら・・・そんな時が巡ってきたら、想いを伝えようと思っていた。溢れてしまいそうなこの胸の滾り。すぐにそれと同じだけ俺を想ってくれはしないだろうけれど、少しずつ俺に心を傾けてくれたら・・・と夢見ていた。こんな風に始める筈ではなかった。牧野を傷付けたくはなかったのに・・・自...

  • Call my name 30

    一瞬、何が起こったのか分からなかった。「先生・・・?」と、暗闇の中からか細く俺を呼ぶ牧野の声で我に返る。「多分停電だ。」「ていでん・・・?」「一時的に電力の供給が停まることだ。そのうち復旧するから心配要らない。牧野、大丈夫か?」「はい。」部屋の隅のコンセントに設置されている非常灯だけが点いている。とりあえずそれを手元に持ってこようと、慎重に部屋を横切った。灯りを手にして、牧野のところに持っていくと...

  • Call my name 29

    牧野が泣くのを堪えてる。ぱちぱちと瞬きして涙が込み上げてきてるのを誤魔化そうとしてるけど。全く上手くいっていない。事故現場に立たせて、父親の死を突きつけて・・・俺は自分の衝動に任せて、牧野にとってひどく残酷なことをしてしまったのだとやっと気付いた。『何も思い出せませんでした。』と言った、その言葉に嘘は無いのだろうけれど。思い出したくない牧野。思い出させたくない俺。2人で文字通りの崖っ淵に立って、何...

  • Call my name 28

    どうして総二郎先生はここにいて、私の名前を呼んでいるんだろう?私、さっきから何度も有り難いお申し出を無下に断って・・・更にあんな失礼な電話の切り方をしたのに。「どうした? どこに行くんだ?」「総二郎先生・・・」「お袋さんと何かあったのか? 何なら俺が話を・・・」先生はお優し過ぎる。この期に及んで、まだ私の事を気遣って下さってる。「いえ。先生は母とはお会いにならない方がいいです。どうかお邸にお戻り下さ...

  • Call my name 27

    三回忌法要が営まれる日の朝に、私は『ママ』と『進』が暮らすアパートに戻った。『ママ』からは前日の夜から戻って来て、アパートに泊まればいいのに・・・と言われていたけれど。少しでも実家にいる時間を短くしたくて、仕事を理由にして当日の朝に帰ったのだ。そのせいか、アパートに帰った時から『ママ』の機嫌は良くなかった。三回忌法要はお寺のご住職の都合で午前中の早めの時間だった。冬のお堂はとても冷え込んでいて、足...

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