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村上春樹さんが影響を受けた作家「レイモンド・カーヴァー」とアメリカ文学
村上春樹の翻訳を通じてですが、アメリカの作家さんを知りました。 それらの作家さんからあ歴史や背景に興味が広がりました。 特に「レイモンド・カーヴァー」、彼がアメリカ文学史でどのような位置にいるのか? 作家さんとその背景も簡単ですが調べてみました。
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 全編これ二人の男女の電話の会話からなるおかしなおかしな「電話小説」。しかもこの電話は会員制のセックス・テレホン。二人は想像力の限りをつくして自分たちが何にいちばん興奮するかを語り合う!全米でベストセラーとなった本書のテーマは、いわば想像の世界における究極の「H」。 ニコルソン・ベイカー(1957-)は、アメリカのニューヨーク州北西部にあるオンタリオ湖沿いの都市ロチェスターで育ちました。イーストマン音楽学校でクラシック音楽を中心に学び、ファゴットの奏者として腕を磨いていました。蒸気機関のような印象の楽器から生み出される中音域の美しい音色に、彼は…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 20歳の娘セリーは、名も知らないミスター**のもとへ嫁がされ、夫の暴力の下で毎日を耐えていた。愛する妹はセリーの夫に襲われ、失意のままアフリカへ渡った。アフリカン・アメリカン社会の差別、暴力、神、性といったすべての問題にたち向い、やがては妹との再会を信じ、不屈の精神を糧にするセリー。女の自由を血と涙で獲得しようとする女性を描く愛と感動の小説。ピュリツァー賞受賞。 黒人奴隷制度を巡って南北戦争が勃発したアメリカでは、エイブラハム・リンカーンによる1863年の奴隷解放宣言以後も、主としてアメリカ南部における黒人に対するさまざまな差別が続きました。…
【本】ポール・オースター『幻影の書』~人は追いつめられて初めて本当に生きはじめる~
1、作品の概要 『幻影の書』はアメリカの作家ポール・オースターの長編小説。 訳者は、柴田元幸。 2002年にアメリカで刊行され、2008年に日本語訳版が新潮社より単行本が刊行された。 単行本で329ページ。 2011年に新潮文庫より文庫化されている。 飛行機事故で妻子を亡くした男が、失踪した無声映画界のカルト・スターであるヘクター・マンの作品に魅了され本を書き上げることで、ヘクターの失踪の謎とその数奇な物語に巻き込まれていく。 2、あらすじ 飛行機事故で妻子を亡くした大学教授のディヴィッドは、深い悲しみの中でヘクター・マンの無声コメディ映画で久しぶりに笑顔になることができた。 彼は世界中に散ら…
1、作品の概要 『停電の夜に』はジュンパ・ラヒリの9編からなる短編小説集。 1999年に刊行され、彼女のデビュー作となった。 海外でのタイトルは『病気の通訳』(Interpreter of Maladies)だった。 日本語訳は2000年に刊行。 2000年にピューリッツァー賞のノンフィクション部門を受賞し話題となった。 2、あらすじ ①停電の夜に シュクマールとショーバは、結婚3年目の夫婦。 初めての子供を死産したことで、2人の関係は変化し、微妙な空気が流れていた。 5日間夜の停電工事で1時間電気が使えなくなったことがきっかけで、ロウソクの光の下でお互いが秘密にしていたことを告白し合う2人。…
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 あたしの名前はキラキラヒメ。ニューヨーク・ジャイアンツのエースを日指す九歳の女の子。パパと別れてプロードウェイのスター女優を夢見るママ・ガールに連れられて、ある夜突然、カリフォルニアからニューヨークへやってきたの。気まぐれなママ・ガールは、興奮したり悩んだりで大忙しだけど、あたしはそんなママ・ガールが大好き。この街で一緒に、夢を追いかけてゆくの……。 第二次世界大戦争を経た1950年代のアメリカは、戦争被害が比較的小規模であったことから、世界各国が戦禍からの快復を進めるなか、戦争で得た特需を存分に国家成長や経済発展に注ぐことができました。元軍…
84日間の不漁に見舞われた老漁師は、自らを慕う少年に見送られ、ひとり小舟で海へ出た。やがてその釣綱に、大物の手応えが。見たこともない巨大カジキとの死闘を繰り広げた老人に、海はさらなる試練を課すのだが。自然の脅威と峻厳さに ...
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 焚書官モンターグの仕事は、世界が禁じている〝本〟を見つけて焼き払うことだった。本は忌むべき禁制品とされていたのだ。人々は耳にはめた超小型ラジオや大画面テレビを通して与えられるものを無条件に受けいれ、本なしで満足に暮らしていた。だが、ふとした拍子に本を手にしたことから、モンターグの人生は大きく変わってゆく──SFの抒情詩人が、持てるかぎりの感受性と叡智をこめて現代文明を調刺した不朽の名作。 1918年の第一次世界大戦争の終結後、アメリカではロシア革命より勢力を現したボリシェヴィキズム(暴動による革命を目指す過激派共産主義)が広がり始めます。戦後…
1288 ねんどろいど 四宮かぐや 『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』 1288 Nendoroid Kaguya Shinomiya, from "Kaguya-sama: Love is War"
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 カポーティ、マキナニー、オーネット・コールマン、ベルトリッチ……遥かモロッコから、現代芸術に常に豊かな霊感を送り続けるアメリカ文学界の隠者。80年代に入り、ブームとも言える再評価が行われ、全作品が本国で復刻されたその伝説の作家の代表作にタンジールに赴いた訳者によるインタビュー、評伝を併録。 ポール・ボウルズ(1910-1999)はニューヨークにて歯科医の一人息子として生まれました。父親からの愛情は貧しく、虐待とも言える冷酷な仕打ちを母とともに受けていました。自身の存在を望まれていないと理解しながら過ごす幼少期は、早期から読み始めた文学が救いと…
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 アフリカ奥地の貿易会社出張所にやってきた船乗りマーロウが耳にしたのは、最奥部の出張所をあずかる腕ききの象牙採取人クルツの噂だった。折しも音信を絶ったクルツの救出に向かうマーロウ一向の前に、死と闇の恐怖を秘めた原始の大密林がおおいかぶさる。ポーランド生れのイギリス作家コンラッドの代表作。 1877年にロシア帝国がオスマン帝国(トルコ)に宣戦して勝利した露土戦争は、講和条約を締結して終戦したものの自治獲得などの面でイギリスとオーストリア=ハンガリー帝国が強い反発を見せて混乱が続きました。更なる紛争を抑えるためにドイツ帝国宰相ビスマルクが調停に乗り…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 たった四つの文字から「畏るべき豊穣」を生む遺伝情報と、バッハのゴルトベルク変奏曲。その二つの構造の不思議なまでの符合を鋳型にして、精巧なロマンスとサスペンスが紡ぎ出される。1957年、遺伝暗号の解読を目指す若き生化学者スチュアート・レスラーに、一人の女性がゴルトベルク変奏曲のレコードを手渡す。25年後、公立図書館の司書ジャン・オデイは、魅力的な青年フランク・トッドから、奇妙なリサーチの依頼を受ける。夜ごとゴルトベルクを聴きながら凡庸なコンピュータ・アルゴリズムのお守りをしている、恐ろしく知的で孤独な同僚の正体を調べたい、と。長い時を隔てて存在…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 銀婚式の日、妻と共に若い日の思い出の地を訪れた初老のアシャーストの胸に去来するものは、かつて月光を浴びて花咲く林檎の樹の下で愛を誓った、神秘的なまでに美しい、野生の乙女ミーガンのおもかげ、かえらぬ青春の悔いだった……。美しく花ひらいた林檎の樹(望んでも到達することはない理想郷)の眩ゆさを、哀愁こめて甘美に奏でたロマンの香り高い作品。 イギリスに根付いていた階級社会は二十世紀初頭においても顕著であり、貴族階級や中産階級が資本を支配する格差社会が固く構築されていました。人口の約80%は労働者階級として貧困に悩まされて暮らしていました。産業革命によ…
『哀詩 エヴァンジェリン』ヘンリー・ワズワース・ロングフェロー 感想
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 十八世紀半ばの北米。英仏の植民地争奪戦により引き裂かれた恋人たちが、互いを探し求め、すれ違う悲しい運命を描いた物語詩。 十七世紀末よりイギリスとフランスによって引き起こされた英仏植民地戦争は、互いの重商主義がぶつかり合い、争いの規模を広げて十九世紀初頭にまで及び、第二次百年戦争とも呼ばれます。軍事に長けたウィリアム三世が財政革命を起こして軍需を整えると、オーストリアやプロイセンと同盟を結び植民地支配を拡大していきます。対するフランスはルイ十四世が絶対王政による厳しい徴税で財政を確保します。しかし、激しい植民地の奪い合いは戦争を長期化させ、両国…
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック 感想
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 第三次対戦後、放射能灰に汚された地球では、生きている動物を所有することが地位の象徴となっていた。人工の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡してきた〈奴隷〉アンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って、決死の狩りをはじめた!現代SFの旗手ディックが、斬新な着想と華麗な筆致をもちいて描きあげためくるめく白昼夢の世界! 戦争に対する嫌悪を抱き、現実に潜む虚構を描き出すアメリカのサイエンス・フィクション作家フィリップ・キンドレッド・ディック(1928-1982)。突飛な世界で繰り広げられる劇中には、人間の本…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 女はいつも自分をこぼしている。そして、子供、男、また社会を養うために与え続けるのが女の役目であるならば、女はどうすれば満たされるのだろうか。い心地よさそうに掌に納まり、美しい螺旋を描く、この小さなつめた貝が答えてくれるーー。有名飛行家の妻として、そして自らも女性飛行家の草分けとして活躍した著者が、離島に滞在し、女の幸せについて考える。現代女性必読の書。 1945年に各国を巻き込んだ第二次世界大戦争が終結して、各地での復興と国際経済の正常化が目指されました。参加国のなかでも戦禍を直接的に受けることが少なかったアメリカでは、戦争軍需による大きな利…
(小島信夫・浜本武雄・井上謙治 / 訳 2010年発行 夏葉社)1975年刊行の同名短篇集から3作品を選んで復刊したものだとか。発行人の島田潤一郎さんによると「3編しか載せなかったのは普通こういう小説を読まない人にも手に取って、読んでみてもらいたかったから」確かに厚
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 米国議会図書館の調査で「聖書に次いでアメリカ人に最も影響を与えた本」とされた『肩をすくめるアトラス』の著者アイン・ランドによるディストピア短編小説。集団・平等主義が極限まで推し進められた結果、「私(I)」という概念が排除され「われら(we)」に置き換わってしまった遠い未来。主人公は自由を取り戻す闘いに立ち上がる。 ロシア帝国最終皇帝のニコライ二世政権下で領土拡大を目的とした南下政策が行われました。朝鮮半島から満州までの広範囲を目的とした進軍は、同様に進軍政策を進めていた大日本帝国との衝突を生みます。互いに武力行使が激しくなり、1904年に日露…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 知る人ぞ知る優れた短篇作家、アメリカで守られ続ける文学の秘密、など幾つもの肩書きを持つルシア・ベルリン(1936-2004)ですが、世界的な評価を受けるに至ったのは、つい最近の2015年になってからでした。 父の仕事に合わせて転々とした住居、生まれつきの脊椎側彎症(背骨が横にS時に湾曲)、内向的な性格による嫉みといじめの被害、貧困層と富裕層の双方を経験、祖父からの性的虐待、掃除婦や救急救命看護師や電話交換手といった多くの職場経験、母と叔父はアルコール中毒者、本人もアルコール中毒者、デトックス成功後に刑務所で囚人相手の教師、三回の結婚と四人の息…
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 全ヨーロッパをおおわんとするファシズムの暗雲に対し、一点の希望を投げかけたスペイン内戦。1936年に始まったこの戦争を舞台に、限られた生命の中で激しく燃えあがるアメリカ青年とスペイン娘との恋を、ダイナミックな文体で描く代表作。義勇兵として人民政府軍に参加したロバートは、鉄橋爆破の密命を受けてゲリラ隊に合流し、そこで両親をファシストに殺されたマリアと出会う。 1914年のサラエボ事件を発端とした三国同盟(ドイツ・オーストリア・イタリア)と三国協商(イギリス・フランス・ロシア)によるヨーロッパでの衝突は、戦禍の火を広げて第一次世界大戦争を引き起こ…
メルヴィルの「白鯨」(原題“MOBY-DICK OR THE WHALE”)は1851年に出版された。 Moby Dick: Or, the White Whale (Coterie Classics) (English Edition) 作者:Melville, Herman Coterie Classics Amazon 白鯨 上 (岩波文庫) 作者:メルヴィル,八木 敏雄 岩波書店 Amazon ユニークな部分として、始めの「主要登場人物紹介」において、各々の結末まで描かれている。たとえば主役のイシュメールは 物語の語り手として登場するが、『第一人称の語り手』の分限を遵守するのは第二十二…
こんにちは。 RIYOです。今回はこちらの作品です。 名刺の住所は「旅行中」、かわいがっている捨て猫には名前をつけず、ハリウッドやニューヨークが与えるシンデレラの幸運をいともあっさりと拒絶して、ただ自由に野鳥のように飛翔する女ホリー・ゴライトリー。彼女をとりまく男たちとの愛と夢を綴り、原始の自由性を求める表題作をはじめ、華麗な幻想の世界に出発し、多彩な作風を見せるカポーティの作品4編を収める。 1918年に迎えた第一次世界大戦争の終結から、アメリカではロシア革命に端を発するボリシェヴィキズム(暴力革命を掲げる過激派共産主義)が広がり、統制の取れた革命思想を持つ労働者たちが無政府共産主義的な運動…
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 映画『月の輝く夜に』でアカデミー脚本賞を受賞したジョン・パトリック・シャンリィ、初の戯曲集。ニューヨークを舞台にして、人間同士の心のかよいあいを中心にくりひろげられる現代のメルヘン。 南北戦争、第一次世界大戦争を経たアメリカ合衆国は、ヨーロッパ諸国からの移民に溢れます。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、アイルランドなどから先住民たちを数で凌ぐほどの勢いで移り住みます。軍需だけでなく、イギリスに起こった産業革命の影響として、科学や工業製品の流入を伴いながらやってきました。現代のアメリカ人口の九割がこれらの移民の末裔であるという説もあります。…
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 家出少年のホーティがもぐりこんだのは、普通でない人間たちが集うカーニヴァル。団長のモネートルには奇妙な趣味があった。宇宙から来た不思議な水晶の蒐集と研究だ。水晶たちが夢をみるとき、人や動物や植物が生まれる―モネートルはそれを利用して、己の野望を果たそうとしていたのだ。そのことを知ったホーティやカーニヴァルの団員は、恐ろしい運命の渦に巻きこまれていく。幻想SFの巨匠がつむぎだす珠玉の名品。 1840年代のアメリカはサーカス興行が盛んでした。広大な国土は、巡業して各地の民衆を楽しませてまわる業態に適していました。また多くの人種による多様な価値観や…
週刊 読書案内 チャールズ・ブコウスキー「パルプPulp」(柴田元幸訳・新潮文庫)
チャールズ・ブコウスキー「パルプPulp」(柴田元幸訳・新潮文庫) アメリカの作家で、1990年代に出版されたチャールズ・ブコウスキー「パルプPulp」(柴田元幸訳・新潮文庫)を久しぶりに読み直しま
こんにちは。RIYOです。今回はこちらの作品です。 〝ぼくは諸君のために歌おうとしている。すこしは調子がはずれるかもしれないが、とにかく歌うつもりだ。諸君が泣きごとを言っているひまに、ぼくは歌う。諸君のきたならしい死骸の上で踊ってやる〟その激越な性描写ゆえに長く発禁を免れなかった本書は、衰弱し活力を失った現代人に最後の戦慄を与え、輝かしい生命を吹きこむ。 ヘンリ・ミラー(1891-1980)は、アメリカのブルックリンにあるウィリアムズバーグの移民地域で幼少期を過ごします。人種や言語が無差別に入り混じる街中で「人間」に対する観察力が強く養われていきます。文化の統一が見られない街では成長期の価値観…
こんにちは。RIYOです。今回の作品はこちらです。 両親を亡くし、ヨークシャーの伯父にひきとられた少女メアリー。やせっぽちで顔色の悪かった彼女が温かい人々、輝く太陽、澄んだ空気に触れるうち、バラ色の頬をした快活な少女に生まれ変わっていきます。荒れ地の「魔法」はさらに、病弱で寝たきりだったいとこコリンにも勇気と生きる力を与えます。彼女が秘密の花園の扉を開く時、閉ざされた心の扉も同時に開かれていくのでした。 1830年にスティーブンソンが実用化させた蒸気機関車がマンチェスターとリヴァプールを繋いで開通し、イギリス産業革命は成熟期に入ります。機関車や線路の原料である鉄、燃料として使用する石炭、運ぶ売…
こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 32歳になっても、幼児の知能しかないチャーリイ・ゴードンの人生は、罵詈雑言と嘲笑に満ちていた。昼間はパン屋でこき使われ、夜は精薄者センターで頭の痛くなる勉強の毎日。それでも、人のいいチャーリイは少しも挫けず、陽気に生きていた。そんなある日、彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の偉い先生が、頭をよくしてくれるというのだ。願ってもないこの申し出に飛びついたチャーリイを待っていた連日の苛酷な検査。検査の競争相手は、アルジャーノンと呼ばれる白ネズミだ。脳外科手術で超知能をもつようになったアルジャーノンに、チャーリイは奇妙な親近感を抱きはじめる。やがて…
こんにちは。RIYOです。 今回の作品はこちらです。 キング牧師と同様にアメリカの公民権運動(人種差別撤廃)に参加し、その後フランスのパリにて「失われた世代」の系譜としても活躍した、黒人作家ジェイムズ・ボールドウィンの同性愛劇を描いた『ジョヴァンニの部屋』です。 パリに遊学中のアメリカ青年のデイヴィッドはふとしたことから同性愛者の世界に踏み込み、ジョヴァンニと知りあう。2人は安アパート《ジョヴァンニの部屋》で同棲生活を営む。やがてヘラとの結婚によってこの異常な生活は一応終わるが、デイヴィッドの歪められた性への強い執着に妻は去って行く。 ジェイムズ・ボールドウィン(1924-1987)は黒人街ハ…
こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 「密室派の総帥」「密室の王者」などの異名を持つ偉大な推理小説家ジョン・ディクスン・カー(1906-1977)。そのデビュー作である『夜歩く』です。 パリの予審判事アンリ・バンコランは、剣の名手と名高いサリニー侯爵の依頼をうけ、彼と新妻をつけねらう人物から護るために深夜のナイトクラブを訪れる。だが、バンコランと刑事が出入口を見張るカード室で、公爵は首を切断されていた。怪奇趣味、不可能犯罪、そして密室。カーの著作を彩る魅惑の要素が全て詰まった、探偵小説黄金期の本格派を代表する巨匠の華々しい出発点。 1929年、アメリカ合衆国での株価大暴落が起因…
こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ビート・ジェネレーションの代表的な作家として本国でもヒッピーたちに祭り上げられたリチャード・ブローティガン。彼が世に放った話題作、それを革命的な翻訳で原文以上の魅力を日本に伝えたとされる藤本和子訳『アメリカの鱒釣り』です。 二つの墓地のあいだを、墓場クリークが流れていた。いい鱒がたくさんいて、夏の日の葬送行列のようにゆるやかに流れていた。ーー涼やかで苦みのある笑いと、神話めいた深い静けさ。街に、自然に、そして歴史のただなかに、失われた〈アメリカの鱒釣り〉の姿を探す47の物語。大仰さを一切遠ざけた軽やかなことばで、まったく新しいアメリカ文学を…
こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 時の流れの呪縛から解き放たれたビリー・ピルグリムは、自分の生涯を未来から過去へと遡る、奇妙な時間旅行者になっていた。大富豪の娘との幸福な結婚生活を送り……異星人に誘拐されてトラルファマドール星の動物園に収容され……やがては第二次大戦でドイツ軍の捕虜となり、連合軍によるドレスデン無差別爆撃をうけるビリー。時間の迷路の果てに彼が見たものは何か?現代アメリカ文学の旗手が描く不条理世界の俯瞰図。 1922年、第一次世界大戦争の三度目の休戦記念日に、アメリカのインディアナ州でドイツ系移民の子としてカート・ヴォネガット・ジュニアは生まれました。大学では…
こんにちは。RIYOです。 今回はこちらの作品です。 ニューヨークに住む本好きの女性がロンドンのチャリング・クロス街84番地にある古書店マーク社にあてた一通の手紙からはじまった二十年にわたる心暖まる交流。ここで紹介される〝本好き〟の書物を愛する心、書物を読む愉しみ、待望の書物を手にする喜び、書物への限りない愛情は、「手紙」の世界をこえて、読む者を魅惑の物語のなかに誘いこむ。 第二次世界大戦争により硬く結ばれた英国とアメリカの関係性は「特別な関係」と言われます。共通言語、血族の起源、軍事協力、貿易交渉、文化交流など、他国と一線を置く緊密な関係を継続しています。この雄々しい外交的側面からは見えづら…