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「ねぇ、ちょっと待って」 宗太郎の焦りに気付いたのか、清子もあわてて、ショウさんの前に回り込むと、「教えて!先生とショウさんたちと、何の関係があるの?」迷うこ…
「手がかり?」 宗太郎は、ショウさんの目を見る。真剣なまなざしをしていることに、気が付く。とても、ウソをついているようには見えない。(これでウソをついているの…
(そうか、ショウさんなんだ) 宗太郎は、この人の名前を聞きたいと思っていたので、丁度よかった。「わかった」ショウさんは、オジサンに向かって声をかけると、「先に…
「ねぇ~出し抜くって、どうやって?」 宗太郎はキョロキョロと、人がいないのを確かめると、神林くんは無言で、コクリとうなづく。「まだ特に考えていないけど… でも…
(あ~あ、やっちゃった) 無用な争いごとを嫌う、宗太郎だ。何も、あんな風に言わなくても、よかったのに…そう思うのだけれども。オジサンは宗太郎に向かって、にぃっ…
(おいおい、本当に大丈夫なのか?) ハラハラしながら、宗太郎は見守っている。「もちろん!」神林くんは、キリッとした顔で、オジサンのことを見据える。「探られてま…
「何をコソコソと、話しているんだ」 いきなり背後で、オジサンの声が響く。ギョッとして振り向くと…すぐ近くに、オジサンの顏があった。「いけないなぁ~内緒の話は!…
このオジサンも、過去に会った…と言うけれど、宗太郎としては、まったく頭に引っかかるものがカケラもない。どうしたものか…と思っていると、先ほどからチラチラと、…
「何を言っているんだか、さっぱりわからないな!」 ケンカ腰で、神林くんがオジサンに向かって、そう言う。「おやぁ~お前、オヤジさんに言われて、ここに来たんだろ?…
「どう思うって…」 いきなりそう聞かれて、宗太郎は戸惑う。そもそも何をしていたのか、宗太郎は知らない…「止めろよ」神林君が止める。「ソータローは、何も知らない…
「へぇ~ボクはてっきり、オジサンがここから、追い出そうとしている、 と思っていたよ」 鋭い目付きで、オジサンを見ると…神林君はピシャリと言い放つ。「何を言って…
「まぁ、いいかぁ」 神林君が、オジサンの挑発の乗ってこないのを見て取ると、ようやく彼にからむのを、あきらめたようだった。「斎藤…おまえ、これ以上子供をからかう…
「おかしくなったって?」 どういうことだ? 病状のことか?それとも…精神状態なのだろうか?まさか…オジサンの言うことを、丸のまま信じるわけにもいかない。(もし…
「どう思う?」 だが神林君も、素直に教えるつもりはないらしい。ためすようにオジサンに見ると、さぁ~答えてくれ、と挑発的な態度をとる。「転校してまで、おまえがこ…
「あきらめるって、何を?」 すかさず、清子が聞く。「あきらめるも何も…ここは、ボクの家だ」やはりオジサンは、そう主張するので、「違うだろ」即座に、神林くんが言…
神林君は、宗太郎の困り顔に気付いたのか、宗太郎に向かってニヤッと笑ってみせる。「キミたち…ここで、何をしているんだ?」オジサンは急にニコニコしながら、こちら…
「へぇ~」 ジロジロと宗太郎は視線を向けるけれど、この人どう接したらいいのか、正直まだ、迷っていた。 本当に、オジサンのパートナーだとしたら…まず間違いなく、…
それが本当か、どうか、わからないのだが…神林くんはずいぶん堂々とした態度で、オジサンに向かって言い放つ。「リョウくん…?」清子が声をかけようとするのを、彼は…
何か仲間割れでも、あったのか…どうもオジサンの様子が変だ。「今しかないな」神林くんがボソリとつぶやく。「わかった、何をしたらいい?」宗太郎が、彼にささやく。…
「なぁ、ここって、圏外だったっけ?」 宗太郎は、ポケットに手を突っ込む。「どうだっけ?」清子が神林くんの方を、かえり見る。「たぶん…この部屋は、圏外だと思う。…
その男は、ひょろっとした体形の、鉛筆のように背の高い男だ。オジサンとは、どこで知り合ったのかは、わからない。近所の人でも、この町の人でもなさそうだ。互いに目…
「えっ」 予想外の展開に、宗太郎は思わず身がまえる。神林くんも、顏をこわばらせて、オジサンの視線の先を見つめる。さすがの清子も…宗太郎の後ろに回り込んで、隠れ…
「どうせなら…本当に…親たちが想像している人物に仕立てあげよう、 と考えたんだ」 朗々とそう言うので…「そんなバカな!」我慢出来なくなったのか、神林くんが大き…
「おまえたち…聞く気がないのなら、もう話すのは止めようか?」 ふいにオジサンは、清子の顏をじぃっと見詰める。「何よぉ~」 まさか、脅す気?清子は急に、ふくれっ…
子供たち?宗太郎には、まだ、話がよく見えない。だが…とんでもないことが起きたのだろう…静かに、そう考える。 だがオジサンは、トンと立ち上がると、「そんなに騒…
なんで自分に聞くんだ?宗太郎は短く「さぁ?」と答える。「まぁ、いい」オジサンは、咳払いを1つすると…「元々あそこで、何をしているのか、と噂になっていたんだ」…
ガランとしたその部屋には…人のいた気配は、どこにもない。空気も、どんよりとよどんでいる。時もそのまま、止まっているような…そんな感じがしていた。何もない部屋…
「えっ…」 清子は思わず、口を閉じる。「だって、リョウ…」あなた、それでいいの?くやしそうに、オジサンを振り返る。「それは…」言い淀んでいると「あなたらしくな…
「へぇ~そうなのかぁ?」 ふーん…相変わらず、オジサンのニヤニヤ笑いが止まらない。「ま、いいかあ」そう言うと、台の上にトンと腰を下ろす。「町の人たちの噂を聞い…
(なんだ?思わせぶりだなぁ) 宗太郎は、神林くんのことも気になるけれど…オジサンの様子が、どうしても気にかかる。なぜそんなに、余裕の表情でいられるのか、どうし…
「あなたたちって、ホント…仲が悪いのねぇ」 まるで犬猿の仲じゃないのよ、と清子はため息をつく。オジサンは、清子に向かって意味あり気にウィンクすると「そんなこと…
(やっぱり…) 宗太郎は確信する。(清子は、何か知っているんだ)それは、確実だ…と悟る。「私は…そんなこと、言ってたっけ?」ごまかすように、そう言う。だが…そ…
「あのジイサンは…親戚の中でも、鼻つまみ者だったんだ。 道楽者と言っている人もいたくらいだ。 正直、法律スレスレのこともしていた、という噂だし、 じいちゃんの…
神林君が、ウソをつくとは思えないが…あのおじいさんが、そんなことを言ったとは、到底思えない。自分が知っているはずのおじいさんが…どんな人だったのか、残念なが…
「まぁ、百聞は一見にしかずだ」 オジサンは扉に近付くと、取っ手に手を触れる。ガタガタと音を立てるだけで、開く気配がしない。「やっぱり、そうなるよなぁ」そうつぶ…
放っとけばいいのに…と宗太郎は思うのだが、清子には、そんな頭がないのだろう。「ね、ソータロー」さらに話しかけてくるので、「ま、そうだな」答えないわけにはいか…
「とにかく、こっちへ」 本当に、ついて行っても、大丈夫なのか?不審に思いつつも、宗太郎はおとなしく後に従って行く。階段下の小さな納戸のような場所…それが、オジ…
全面的に、信用したわけでもない。それでも…そこまで言い切るのなら、信じるしかない。しぶしぶ宗太郎は「わかった」とうなづく。 だがオジサンの表情に、わずかに変…
「うわっ」 近い!思いの外、清子の顏が目の前にあったので…宗太郎はドギマギして、あわてて身体を起こす。いきなり動いたので、軽く目まいがしたのだけれど…これでよ…
「ありがとう」 どうにか受け取ると…すぐにフタが外されていて、少し生ぬるいけれど、十分口の中で、爽やかにしみわたる…(あぁ~うまい)心の底から、味わっていた。…
オジサンが、何を企んでいるのか…さらに清子の言うことが、どういうことなのか…宗太郎にはまったく、理解が出来ない。『記憶を消した?』 なんだよ、それ… それっ…
(その瞳…どこかで見たことがある) まるで魅入られるように、宗太郎は男の目に吸い寄せられる。「見ちゃあ、ダメ!」清子が悲鳴のような声を上げ、宗太郎の腕を引っ張…
「はっ?」 この人は…一体何を、言っているのだろう?宗太郎は、その場に立ち止まる。「おや、やっぱり…知らないのか?」宗太郎が少なからず、動揺しているのを、オジ…
「いい加減にしてくれ!」 だが、神林くんはそれ以上、余計なことを言わせまい…と、さえぎるようにして、声を荒げる。「そうかぁ~? このまま、何も知らないでいるの…
「キミたちも…肝試しをした口だろ?」 いきなりオジサンが、楽しそうに言うので…一体、どういうつもりだ?と宗太郎はオジサンの真意を、図りかねている。様子をうかが…
だが宗太郎は、しっかりと見ていた。この男が一瞬、イラっとした表情を浮かべていたことを…(でも…何でそんなに、ボクたちのことを、気にするんだろう…)やっぱり、…
ただ…神林君に対して、異常なほどのコンプレックスを、このオジサンに感じていた。それは、傍から見ていても…怖いくらいの殺意のようなものを感じるくらいだ。なので…
「オジサンも…いい加減にしてあげてよぉ」 またも清子が、声を上げる。「リョウくんも今、色々あって、大変なのよ」やはり彼のことが、心配なようだ。だが…それが、火…
本当に、マジになるなよぉ~宗太郎は、やれやれと思い、神林君の肩を押さえる。「相手にするなよ」そうささやくと‥「お前たちまで…私をバカにするのか?」男はギッと…
窓の外で、ガサガサ…と枝が揺れる音がする。「そ、いい友だちだろ?」オジサンの言葉を逆手にとって、神林くんはオジサンに言い返す。明らかに、迷惑そうな顔をしてい…