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その夜、美波の帰りが遅くなったのには特にこれと言った理由はなかったのだが、最寄りのメトロの駅を降りたのが9時半をとうに過ぎていた。 メトロの出口は大通りに面しているから車や人の往来は多いが、1本また1本と脇道に入るにつけ人通りがパタッと途絶えてしまい、街灯がポツンポツンと侘しく地面を照らしている坂の多い夜道を歩くのは、何とも言えない薄気味悪さがある。 -毎日通っている道なのに、何故か今夜は感じが違うみたい…。 それに加えて、家までの道のりで最も厄介なのは途中に小さい公園があることだった。昼間の明るい時間であれば、そこを抜けていけば近道なので通ることもあるが、夜しかも9時過ぎであればとてもではな…
女性が一人で夜道を歩くことは、常に安全ではありません犯罪や事故のリスクがつきまとうため、自己防衛や対策が求められますその中で、タクシーを利用して夜道を帰ることは、安全な帰宅方法の一つと言えますタクシーは、夜間においても安全対策が整っており、
帰りがすっかり遅くなった。年も明けてずいぶん日は長くなったものの、この時間になるともう真っ暗だ。住宅地の中を通る帰り道に人けは無く、地面は夕方までの雨で濡れている。いつものように石段のある公園を突っ切ろうとしたが、ふと思い直し、踵を返した。少し遠回りの別の道をとりながらありゃダメだ 目撃者がいない…自分の頭に浮かんだことに、自分で驚く。つまり、雨に濡れた石段から、滑って落っこちて打ち所が悪ければ、...