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  • めいぶつ話。

    出張で、はじめての場所に行く。知らない街に緊張しつつ、ちょっと旅行気分だ。無事に仕事が済んだら、今日は直帰だから、何か食べて帰ろう。せっかく遠くまで来たんだから、ここでしか食べられないものを食べたい。スマートフォンで検索し…あ!ここ いいかも!駅ビルの中によさそうなのを見つけて、向かう途中にん?気になる看板が目に飛び込んできた。いやいやいや あんなの どこにでも…全国チェーンのどこにもある店…なのだ...

  • まぼろし話。

    私は方向音痴である。地図を見るには困難を極めるし、口頭で説明されて目的地に着くのはほぼ不可能だ。よくぞいっちょ前に社会人面をしているものだと思う。あの辺にあるんだよ~ムスメがおいしいカレー屋を教えてくれてもじゃあ連れてってよ~ひとりで行く気は全く無かった。ところが先週、別の用件で街を歩いていて、偶然それらしき店を見つけたのである。店名も同じだし、ムスメが見せてくれたショップカードと同じイラストが看...

  • やじうま話。

    遅くに帰宅して、ベランダの洗濯物をあわてて取り込んでいると、階下がなんだか騒がしい。ヒョイと見下ろしたら、エントランスにやけにハデなクルマが停まっていた。離れたところでサイレンを止めてきたのか、それとは気づかなかったが救急車だ。ライトグレーの制服の救急隊員がバラバラと降りてきて、勢いよくストレッチャーを押していく。テキパキしてるなア…当たり前のことに感心していると、残された救急車の傍に、数人の住民...

  • きょうりゅう話。

    恐竜が動き出す?特撮映画さながらの大パニックかと思いきや…北陸新幹線の延伸を控え 駅周辺では 恐竜のロボットが動き始めました…なあんだ、ロボットか…この辺りは恐竜の化石がいっぱい見つかる自称・恐竜王国。王国というからには王がいるはずなのに、そこに触れる人はいない。…モニュメントやロボットは全部で22体あり 訪れた人は 恐竜だらけの駅に…20年ほど前、恐竜博物館ができた当座は、もうちょっと遠慮がちだった...

  • いくせい話。

    家にいる時は前髪が垂れないよう、ヘアーバンドをする。オシャレではなく、意味合いとしてはハチマキだ(→はちまき話。)。無いと困る必需品なので、いくつか持っているが、ゆるすぎてずれるのあり、逆にきつくていつの間にか外してしまうものあり。単なる布の輪っかなのに、なかなかシックリするのがなくて、気がつくと同じ黒のヘアーバンドばかり使っている。数ある中で、いわば1軍のエースピッチャーであり、プリマドンナ的存...

  • たんれん話。

    反復練習とか訓練とか、そういうことが苦手な性分である。スポーツや楽器がうまくならないのも、そのせいだろう。…とまあ、そんな風に思っていたのだが。いつぞや右手を怪我したとき、左手でハサミを使って、切れないのに驚いた(→はさみの話。)。こんなことができないなんて!意外性で何かのスイッチが入ったらしい。飲み終えた牛乳パックを切り開くとき、ハサミを左手で使うようになった。うまくは切れないけれど、資源回収に出...

  • ごぼてん話。

    ふだん外食するときは、思いつきで通りがかりの店に入る。ドコソコにナントカを食べに行こう!食通の皆様のように、意気込んで出かけるということはまずない私が珍しくやって来たのは、大手チェーンのうどん屋である。うわさに聞いたごぼう天入りのうどん。かねがね福岡の、ゴボウの天ぷらをのせたうどんに憧れていた。しかし、それだけを目的に九州に出かけていくほど、家計にも日程にも余裕は無い。手っ取り早く似たものを食べよ...

  • にものの話。

    ひとり暮らしだと、作った料理が余る。簡単な煮物を作っても、食べきれずに2、3日分になり、しかも最終日には、1食分には足りないビミョーな量が残りがちである。そういうとき、よく作るのが煮物の玉子焼。煮物の具の野菜やお肉を細かく切り、煮汁もろとも玉子に混ぜて焼く。味付け要らずムダが出ず、ケチの私にうってつけの料理なのだ。今日も今日とて筑前煮が余った。ニンジンやレンコン、鶏肉にゴボウを刻んだら、煮物鉢に残...

  • まふらー話。

    母に持たされた紙袋(→おみやげ話。)は、ひなあられとお餅だけではない。帰りのバスで中を覗くと、ラップとレトルト食品類、それからマフラーなんかが入っていた。他はもらいものらしいが、マフラーはおばーちゃんが編んだものだ。この年代の主婦は、家族の衣類を手作りしたので、実家には布地や毛糸が大量にある。数年前まとまった量を地区のバザーに出し、かなり減らしたと思っていたのに、本人も忘れていた在庫が、まだまだあ...

  • もちもち話。

    今朝も家族LINEによる生存確認。何をする、どこへ行くという予定を報せ合うこともあるが朝ごはんはチーズトーストと紅茶ですうちは玉子かけごはん今日は食事の内容の話題になったので私はお餅を焼いて海苔巻にしました自分の朝ごはんを皆様にお伝えしてスマートフォンを置き、コーヒーなんか飲んでいると♪ぺぽん♪着信音が鳴ったので、画面を見た。お餅がまだあるなんて スゴイね!イモートがなぜか感心しているが、何もスゴくはな...

  • ぴかちゅう話。

    車内がバカに暖かい。冷え込んだ朝に家を出てきた乗客は、ダウンを着たり、マフラーを巻いたり、それなりの格好なので、みんな暑くて不快そうだ。ただでさえ、混雑でイライラしている。車内トラブルってこういう時に起こるのだろうな、と思いつつ周囲を見やると、3才くらいの女の子が目に入った。お母さんと並んで座席にかけ、楽しそうに絵本を眺めている。どうかこのまま、おとなしくしていておくれよ。子どもが大声を出し、誰か...

  • じょうれい話。

    ここのところ何度か名古屋に行く機会があった。なにしろ大都市であるから、通勤時間帯の地下鉄などはたいそう混むのに、不愉快を感じなかったのは、エスカレーターのマナーのおかげだと思う。コンコースを上下するエスカレーターの上、通勤客は左右両側に静かに立って乗っている。急ぐ若者が、階段を走っていく様子も爽やかだ。この地では昨秋名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例が制定された。要はエスカレータ...

  • じもとの話。

    朝のテレビで地元を特集しているのを見た。県の観光大使をやっている芸人がゲスト出演していて、VTRの感想を聞かれても、面白いくらいに何も知らない。彼の地元は鹿や大仏からは離れた市なので仕方ないとはいえ、じゃあ私は知っているかといえば、はなはだ心もとない。毎日ウロウロしている住民に限って、案外地元のことを知らないのは、観光地あるあるかもしれない。世界遺産やら、話題の人気グルメやらにはめっちゃ混んでるし…恐...

  • しっかり話。

    事務所に行くと、いつも笑顔で迎えてくれる同僚のムラカミさん、今朝はなぜか表情が冴えない。人の出入りの切れたときを狙って…どうかされました?ヒソヒソ小声で聞いてみたらハハハ…イヤだ!顔に出てた?破顔一笑されたので、少しホッとした。つまんないことよ 来る前にね…彼女のところでは、昨日が生協の配達日であった。朝になって、届いた玉子をパックから、冷蔵庫のドアポケットに移しているとき…落としちゃって…あ~ ある...

  • てぃしゅーの話。

    朝のワイドショーでティシューの節約法をやっていた。ヘエ~、なんて感心して見てるけど、じっさいやる気はない。節約しようにも、なにしろうちにはボックスティシューが無いのだ。花粉症のムスコが、大学進学で家を出たあと、買置きが切れて、それっきりである。ひとり暮らしになるまで、自分がティシューを使ってないことに、ちっとも気がつかなかった。まず、ほとんどハナミズが出ない。卓上はフキンで拭くし、指先が汚れたら洗...

  • おみやげ話。

    ひなあられ要らない?(→あられの話。)おばーちゃんに言われたとき、要らないという選択肢は無い。その時断っても、次に手渡される紙袋に、賞味期限に近づいた、くだんの品が潜んでいる。ならば新しいうちにもらってしまうほうが、なんぼかマシだ。要不要にかかわらず、買物は彼女の生きる楽しみであり、買ってしまった品物の始末をつけるのは娘である私の仕事。長年の付合いで、ようやく悟りの境地に達した。ノコノコと実家へ。...

  • あられの話。

    さて、今日はひなまつり。ちいさい内裏雛を飾って、桃のひと枝を活けてあとは…残るはひとつ、これが毎年悩みの種なのである。私のひなあられといえばこれ↓お米のポン菓子に甘いお砂糖をかけた関東のあられに対し、関西ではもち米のあられが主流。海老、あおさ、サラダ、醤油の塩味に、砂糖がけの甘いのが混じっている。中でも関西の老舗あられ店のひなあられには、いつのころからかチョコがけが入るようになって、おいしいオヤツな...

  • みなみの話。

    タダイマ…夜になって帰ってきたムスコが リビングに入ってきたと思ったらえっ…なにごと?なにやらたじろいでいる。ちょうど私はお風呂上りで顔の美容体操をしていた。アゴを引き、まぶたに力を入れて、上目を使う体操だ。目を見開くのに、オデコの筋肉でまぶたを引き上げていると、シワの原因になる。まぶたを鍛えることによって、オデコのシワを防ぐのである。久しぶりに帰った実家で、三白眼の母親に睨まれた、ムスコの当惑は察...

  • おわびの話。

    冷たい雨の予報なので、今日は家で仕事。…は~ ちょっと休憩…うーんと伸びをして立ち上がり、台所でコーヒーメーカーをセットしたあと、テレビを点けた。お昼のワイドショーは、温泉旅館を紹介していてふーん…行く気もないのについ見てしまう。コポコポ…コポ…ポポポポ…お湯が終わる音がしたので台所に行き、マグカップを手にテレビの前に戻るとん?画面の上、他の文字と重なって、テロップが浮かんでいる。先ほどの速報は誤りでし...

  • わっしゃの話。

    さて、ちょっとした買物(→とっての話。)を済ませて、さきほど家に戻った。乞うご期待!などと大げさに宣言したけれど、実のところたいしたアイデアではない。ほんの1、2ミリ、ネジ穴の位置がずれているために、取付けられない把手の金具。あたらしく穴を開け直すほどの違いではないため、逆に困っていたのだが穴を大きくすればいいのでは?当たり前といえば当たり前のことを思いついたのである。ネジ穴の径を、軸の太さより大...

  • とっての話。

    ペンチを出そうとしたら、何かがドサッと落ちてきた。袋を開けたら、中身はいわゆる建築金物、簡単に言えば把手。収納の奥に突っ込んで忘れていたのが、道具箱を動かした拍子に飛び出してきたらしい。今の家は、間取りや立地が気に入って選んだのだが、気にくわなかったのはドアのハンドルや抽斗のツマミの類が、ことごとく安物であったこと。ホームセンターに出かけて、気に入ったものを購入し、取替えられるものは取替えた、これ...

  • さんぷる話。

    表に出たら、ショボショボ細かい雨が降っていた。え~!聞いてないよ~!何をしても捗らず、パッとしない日だった。そんな日の締めくくりに、予期せぬ雨に遭うなんて、ぴったりし過ぎておかしいくらいだ。しょうがない。フードをかぶり、速足で歩きだす。若ければ走るところだが、駅までの距離を考えたら、走り通せないのは目に見えているからだ。軒先を選びながら歩いているとき、〒の看板を見つけて、郵便局に用があったのを思い...

  • かつどん話。

    連休最終日。どこへ行っても混むのは分かっていたが、そこしか日が無かったのでシブシブ出かけた。あんのじょう行く先々に人、人、人。かろうじて所期の目的を果たすとグッタリ疲れて何か 食べて帰ろっか…見回したものの、これまたあらゆる店が混んでおりええっ!こんなとこも?地元民はお金と時間の無いときにしか行かない、情けない店にまで行列ができている。仕方なく空き腹を抱えて電車に乗り、吊革にぶら下がればあー お腹...

  • くうはく話。

    今日はちょっと家で仕事。単純作業の眠気覚ましにテレビを点けっぱなしにしておいたら、音楽番組が始まった。知ってる歌には鼻歌を合わせつつ、調子よく進めていたが、知らない歌も多い。メロディーや歌詞のみならず、歌手ご本人にも誰?!全然知らない人がいるのは不思議だ。一世を風靡した曲だからこその紹介なのに、なぜ知らないのか、と思ったら、共通点があった。だいたい30年前と、25年前、その辺りの流行の知識が、ぽっ...

  • つなまよ話。

    土曜の朝はチコちゃん……の続きで、テレビを点けっぱなしにしていたら、カネオくんの番組が始まった。今日のテーマはおにぎりである。消費者のお米離れが叫ばれて久しいが、おにぎり市場は例外的に活況を呈しているとのこと。今でこそ、外での昼食に便利に利用するけれどおにぎりを お金を出して買うなんて…コンビニおにぎりに接したときのショックはけっこう大きかった。同じくらい驚いたのはツナマヨおにぎりの出現である。おっ...

  • ふじやま話。

    富士山にはあまり縁がない。東京に住んで、実家の関西とのあいだを新幹線で往来していたころも、天気が悪かったり、疲れて寝ていたり、車窓から見た記憶はサッパリだ。どうしても見たければ、山梨なり静岡なり、見えるところに行けばいいのに、行かないのだから、そもそも熱意が足りないのだろうとは思う。そのくせ、他の人が富士山を見たと聞けばいいなァ~…指をくわえるのだから勝手なものだ。先日、家で仕事をしていたら♪ぴんぽ...

  • さんぴの話。

    昨年末から食洗機の購入に迷っていたことは、ここにも書いた(→しょくせん話。)。とはいえ、怖がりで何事にも及び腰の私は、新技術の導入についても非常に慎重である。欲しい…なア… 欲しい…かなア…?食器洗いは私にとって、しないで済むならしたくない、キライな家事。還暦過ぎて もう嫌なことやりたくないよねそう思う反面今より忙しいときも 手で洗ってたんだしなどとも考える。小型の商品もあって、まるで手が届かないわけ...

  • こちこち話。

    お風呂に熱いお湯を張って、ゆっくり浸かる。長かった1日の疲れがほどけていく時間。入るとき、身体にかけたお湯が、排水口に流れる水音もやがて切れて、すっかり静かになると…こち こち こち こち …ちいさく聞こえてくるのは、秒針の音だ。脱衣所にある時計の音が聞こえてくるらしい。洗ったり流したり、ザーザー水音をさせているときは気にならないが…こち こち こち こち …浴槽に浸かってジッとしていると聞こえてくる...

  • ほけみの話。

    朝のテレビのホームセンター特集を見ていてそうだ ネジと刷毛が要るんだった…思い出したので、行動予定を書く裏紙のメモにホムセン行く走り書きした。「ホームセンター」では、2つある音引がまだるっこしい(→おんびき話。)からだ。ただし、略すのはこんなメモの上だけで、口に出して言ったことはない。話すときはこれ ホームセンターで買ったんですよちゃんと言っている。書くけど言わない、似た感じの略語にホケミというのが...

  • 1200話。

    頭がモサモサしてきたので、散髪に寄る。新型ウィルスの騒動をきっかけに、通い始めた千円カット(→かっとの話。)。最初は文字通り1000円だったのが1100円になり、今は1200円。看板に偽りありと思いきや、じっさい看板にはそんなこと、ひとっことも書かれていない。千円カット呼ばわりは、こっちの勝手なのだ。やむなく券売機に1200円を投入してチケットを買い、受付表に記入して待っていたらお待たせいたしまし...

  • かーどの話。

    ずいぶん前だが、見るものがなくて、教育テレビの俳句講座をつけっぱなしにしていた。投稿された視聴者の句に、ステキなのがあった。春の雨の中、傘を差さず小走りで郵便受に行くと、遠い人からの手紙雨が一粒、宛名の上に落ちて、万年筆の懐かしい筆跡が、少しにじむ…という情景を描いたものだ。ところが肝心の句がどうであったのか、全然思い出せない。それでは、と再構成を試みたものの、これだけの内容を17文字で表すのは、...

  • あまんど話。

    昨夜は疲れていて郵便受を見なかったので、朝食を済ませてから、郵便物をとってきた。パッと色鮮やかなハガキが1枚。お花見のお誘いであるが、珍しいのは桜ではなく、アーモンドのお花見であること。(→東洋ナッツアーモンドフェスティバル2024)ピーナツなど、ナッツの加工をする工場の庭に、日本ではあまり見られないアーモンドがたくさん植わっており、春になるとみごとに花を咲かせる。花の時期に限って、工場の敷地を開...

  • ひりつの話。

    びしょびしょ降る雨の日。温かいものが飲みたくなって、駅前の喫茶店に飛び込んだ。人気のチェーン店だけれど、こんな日は人通りが少ないのか、店内は空いている。お好きな席にどうぞ~声に押されて、4人掛の真紅のシートにフカフカと納まり、甘いデザートの写真に心惹かれつつ、メニューのページを繰る。ブレンド、アメリカン、カフェオレとミルクコーヒー…カフェオレとミルクコーヒー?(カフェオレ 560円)(ミルクコーヒ...

  • いれかえ話。

    節分が過ぎたら、晴れた日を選んでお雛様を出す。小さな内裏雛だから、緋毛氈を敷き、金屏風を立ててお人形を並べればおしまいである。一歩下がって腰に手を当てふむ…飾り具合に満足して振り向くと、リビングのまんなかで、薄汚れた箱が日差しを浴びていた。お雛様を納めていたボール紙の箱だ。ムスメが生まれて30年、毎年出し入れを繰り返し、幾度もの引越を経て、すっかり古びている。よく見ると、厚紙が痩せて、角もつぶれて...

  • ちじんの話。

    実家の仏壇にチョコレートを供えに行く。父が生きていた頃は、ヴァレンタインデーだからといって、チョコをやったりしなかった。誕生日とか記念日とか、何をあげてもいい顔しない人だったから遠慮したが、亡くなってしまえばこっちのものである。父のムッとした顔を想像しながらチョコを置き、チーン!と鳴らして手を合わせる。茶の間に戻ったら、老母は頬杖ついてテレビを見ていた。淹れてあったお茶をすすりながら画面に目をやる...

  • はつめい話。

    ひとり鍋の夜、ふと思った。豆腐を発明した人ってスゴくないか。大豆は炒っても、茹でても、煮ても、そのままで十分おいしい。それをわざわざ水に浸けてすりつぶし、汁を絞る。お腹に溜まりそうなオカラのほうを取り除き、あえて汁のほうに塩化マグネシウムなど混ぜて四角くかためるなんて、どうかしてる。豆の原形を全くとどめない、徹底した加工っぷりは、ある意味異常と言ってもいい。もっとすごいのはコンニャクだ。コンニャク...

  • やすみの話。

    ♪ぷるる… ぷるる…部屋に帰ったら、ちょうど電話が鳴っていた。あわててクツを蹴って脱ぎ、リビングに飛び込んで受話器を上げるとモシモシ~?久しぶりの友の、懐かしい声。ゴメンゴメン ちょうどゴミ出しに…近々会う約束について、打合わせの電話だ。会おうね、というところまではLINEで済ませても、実際会うとなればつい、電話をしたくなるのが我々世代である。無事、集合時間と場所が決まったあとそういえばさ~ 祝日なのに収...

  • にがつの話。

    某日某所、問合せの電話をする。期限が近い、と焦っていたのが伝わったのか大丈夫ですよ 28日までで…ちょっぴり笑いを含んだ、優しいお返事をいただいた。なあんだ、今週中じゃなくて今月中だったのか。ひとまずホッとして、アレコレ話したあとでは今月中ということで…あ、ハイ 28日まででお願いします電話を切ろうとしたとき、ふともう1つ、確認しておきたい用件を思い出した。あ、そうだ ナニナニの件なんですけど…また...

  • ふほうの話。

    昨夜、世界的指揮者の訃報が流れた。世界の各地で、街行く人たちにマイクが向けられ突然のことで…残念ですファンでした とても悲しいですまるで予め準備していたみたいなコメントを、スラスラ述べるのが映る。会ったことのない人が亡くなったと聞いて、驚くことはあっても、悲しいと感じたことのない私は、人として欠けているのではと思ったりする。続いて画面に映るのは、在りし日の雄姿。短い映像でも、指揮棒を手にした壇上の...

  • がちゃぽん話。

    ひさびさに一杯機嫌の(→おはしの話。)帰り道、ぶらぶら歩いていたら、いつもなら行かない店に目がとまった。いわゆるガチャポン、カプセルトイの機械ばかりが、ずらっと並んだ店だ。昔から私は、酔っぱらうと散財する癖がある。たまには見ておかないとね 視察視察…いちおう内心言い訳しつつ、フラフラと入り込み、機械の正面のカラフルな商品写真にハハハ…面白い…へえ~ こんなもんがガチャガチャで…いつの間にか財布を出して...

  • おはしの話。

    出先で遅くなったので、夕飯は定食屋で済ませることにした。メニューを見たら中ジョッキ350円だったので、ご飯を止しておかずを単品にする。…むむむむ…んまい!バイトの子を驚かせてしまうので、大声で思うだけにした。なんとかいう期間限定の鶏肉のオカズもおいしくて、ビールが進む。しばし無心に箸を動かして、2杯めが空になるころ、ふと違和感を覚えた。????原因は手元の箸。なんか…長さが違う?なにしろかけつけ2杯...

  • あいすの話。

    生協で冷凍食品を頼むと、発泡スチロールの保冷箱の中にドライアイスがのっかっている。商品を取り出して、箱に残しておくと、空気になって消えてしまう。凍っているけど水にならない、ドライなアイスってホントだな、と思ったりする。子供が小さい頃は、わざわざ部屋に持って入って、水に入れて遊ばせた。ブクブク音をたてながら、洗面器のフチを超えて流れ出る白い煙に、キャーキャー喜んでいた子供も、すぐに大きくなる。ドライ...

  • あじつけ話。

    さあお昼休み。今日はコンビニおにぎりだ。パリパリとフィルムを剥いで、中身を手に取ると、おや?このベタベタの手触り…ハッ!不覚とったり!味付海苔ではないか。ケンミンがどうとかいう番組では、関西は味付海苔、と決めつけられたが、もちろん全ての家庭がそうではない。うちの母のおにぎりはずっと焼海苔だった。のみならず、わが家で海苔といえば焼海苔で、ご飯に巻くのも焼海苔に醤油。贈答品の詰合せで味付海苔がくること...

  • たまごの話。

    朝いちばん、スマートフォンを開けると、届いている通知。今日は煮卵の日ですはア~ いろんな日があるもんだねエ…ふだんいちいち目をとめたりはしないのに、今日に限って気になったのは卵という漢字である。教科書的に間違っていないことは分かっているのだが、こう書かれると食べる気がしない。生物学の用語としてなら問題ない。池の中のカエルの卵とか、葉っぱの裏にびっしりついた虫の卵とか。卵という字は、卵細胞とか受精卵...

  • まめくう話。

    無頭のイワシで失意の節分(→いわしの話。)から一夜明けて、さっそく直面するのはこの、福豆の残りをどう食べるか問題である。ネット検索をしてみると、お菓子に煮物、炊き込みご飯、実に様々なレシピが紹介されているが、共通するのはそのまま食べるよりめんどくさいという点である。そりゃまあ当然だ。しかし、余り物を食べるために、余計な材料や時間が必要になるのは、ケチで貧乏性の私には耐えがたい苦痛である。いろいろ試...

  • いわしの話。

    昨今の流行に反して、恵方巻とやらは決して食べないと決めている(→うちそと話。)が、豆まきはマジメにやっている。イワシを焼き、食べたあとの頭をヒイラギに刺して飾る鬼やらいも、粛々と行う。うちの近所のスーパーでは、お魚売場にヒイラギの小枝が山積みされご自由におとりください親切な貼り紙がある。おそらく、大手資本のスーパーでは見られない地方色だろう。ところが今年、私は致命的なミスを犯した。今年はなぜか、い...

  • ねあげの話。

    バスの運賃が、今日から上がる。いつも乗る区間は220円だったのが、30円アップの250円だ。わずかの差に見えても、行って帰って500円。2往復で千円ともなると、いささかギョッとしてしまう。値上げがケシカランと言いたいわけではない。燃料価格に人件費、諸式高騰の折柄、それを反映するのは、正当なことと頭では分かっている。しかしなァ…貧乏は理性に勝るのである。カードに定額をチャージしているバス代は、値上げ...

  • にがおの話。

    今年のお正月は、姪っ子に会えなかった。以前はイモート夫婦ともども、盆や正月には揃って帰省してきていたが、大学進学を機に、ひとり暮らしを始めたメイちゃん。お正月には両親の待つ家に帰ったのだ。そうだよな~ あの子の実家はおばーちゃんの家じゃなく イモートの家なんだ当たり前のことにやっと気づいてアンタも実家の母になったのね~イモートを冷やかしてやった。姪っ子の顔を見られないのは寂しいなと思っていたとき、...

  • めいわく話。

    画面いっぱいに、眉を寄せたおばあさんの顔が映ったと思うと子供には迷惑かけたくない…葬式代くらいは準備したい…タメイキまじりの頼りない声が流れてそんなあなたにピッタリのプラン!今すぐお電話 0120…よく見る保険会社のCMである。これに限らず、年寄りが子供には迷惑かけないようにお題目のように唱えているのをよく耳にする。人生百年時代と言われだして久しく、老後の生き方は誰しも考えるところだ。しかし、トシをと...

  • おかしの話。

    最近のお菓子は個包装になっていることが多い。ビスケットやクッキーは、紙箱の中に2、3枚ずつの小袋に分けてあったりする。外装を開けるとすぐドバッと中身が出てくるのは、ポテトチップやおかきくらいか。(↑直接ドバッとの例)包装過剰な気もしつつ、やっぱりいちどに食べきれないので、個包装はありがたい。残ったお菓子は、乾燥材を入れた大きな缶に移す。もともとの外装は捨てるわけだが、彩り鮮やかな箱や大袋をゴミにす...

  • こころの話。

    昔はなかったけど、今は当たり前のように聞く言い方に「心が折れる」というのがある。ノンキに見える私でも、このトシにもなれば、それなりに苦しい思いはしてきたつもりだが、心が折れそう…もしくはもうダメ、心が折れてしまったわ…のように思ったことは、たぶん一度もない。そもそも、折れるという表現がヘンだ。折れるものは一般に、棒のように細長い形状をしている。それでは、心は棒状なのであろうか。心だからハート型よ♥年...

  • たいそう話。

    健康のため(→にわりの話。)といえば、ときどきストレッチをしたりもする。健康つまり生死の問題だから、大マジメだ。マジメにやっているのだが、しかしストレッチというやつは地味で退屈である。フトンの上であちこち伸ばしながら昔は美容体操なんて言ったな…ふと退屈まぎれに思い出した。マンガやドラマで、きれいなお姉さんが家で過ごすシーンには、かならずやっていた美容体操。とくに足を中空に浮かして自転車を漕ぐように動...

  • にわりの話。

    事務所の昼休み。ひょんなことから健康談議になった。平均年齢やや高めの職場なので、当然といえば当然である。あのサプリが、この体操がと言い合ううちこのトシになったらね!やけに語気強く、言い出した人が健康のために 収入の2割は使わなきゃ!キッパリと言い切った。2割の根拠が何なのか、何を以て健康のための費用とするのか、うっかり聞きそびれたが、彼女の口調があまりにもキッパリしていたので収入の2割は健康のため...

  • まるかく話。

    昔、幾何の授業で円を扱うとき、黒板にフリーハンドで描いて見せる先生がいらした。肩を支点に大きく腕を回し、ひと息で描き上げると、なぜか得意げな表情。生徒のほうはどう反応していいか、薄ら笑い。よく気のつく子がいるクラスでは、パラパラと拍手が起こったりする。私はこういう時、ムダに反感を抱く少女でマル描いて何がえらいねんひとりムッとしていた。サノ先生はマルを描くのは苦手らしく、幾何の授業ではでっかいコンパ...

  • ゆめみの話。

    昨日は疲れて、帰ってすぐ寝てしまった。お風呂にも入らず、寒さですくめた肩が凝ったまま寝たものだから、夢見が悪い。なんだか悲しい、つらい夢だった。布団の中で目を閉じて、夢の記憶をたどると誰か 迷子になったような…夢の中でムスメか、ムスコか、どっちかが迷子になっていた気がする。子供はどっちも成人し、最後に迷子にしたのは、もう20年以上前のことだけれどいない…ハッと気づいたときの、胸の底が冷たくなるような...

  • ずずずず話。

    身の周りに風邪っぴきが増えてきた。電車やバスの移動中も、誰かのセキやクシャミが聞こえないことはない。早めに休んだ方がいいよ もう帰ったら?親しい人なら助言できるが、電車で乗り合わしたくらいでそうは言えない。それにしても、セキやクシャミの出る人に限って、マスクをしてないのはどういうことか。はなはだしきは、直前までかけていたマスクをハークション!クシャミの瞬間に外す輩もいる。ほうほうのていで電車を降り...

  • かれーの話。

    …だったのよ~テレビで見た店で買物した(→どこいこ話。)と、お昼休みに話しているとアレありました?あのカレー?同じ番組を見ているミヨシさんが言う。美味しそうだったんですよね~ 今度あそこを通ったら ぜったい買おうって思ってて…番組で出演者が買っていたレトルトカレーのことである。あったあった アタシは買わなかったけど…じつはこのごろ、カレールウを使ったカレーやレトルトカレーを食べると、その時おいしくても...

  • どこいこ話。

    出先での仕事のあと、メンバーのひとりと、なんとなく流れでお茶を飲むことになった。あんまり話したことのない人だがお疲れさまでした~ お腹減りましたね軽い挨拶のつもりでそう言ったらホントですね じゃあお茶でも…予想外の反応がかえってきたのだ。駅ビルの中の無難な喫茶店で、お茶とケーキをはさんで向かい合ったものの、あんのじょうというかなんというか、話が弾まない。相手もどうやら同感のようで、そそくさと飲むも...

  • あるかぬ話。

    どこに行っても混雑、行列の日。観光客でいっぱいの駅構内をやっとこさで抜けて、ホームへの長いエスカレーターに乗った。ホームにまもなく到着のアナウンスが聞こえて、タタタと駆け下りたいところだが歩かず立ち止ってご利用くださいこのごろ増えてきた表示が、私の足を止める。前にいるのは、スーツケースを持った、大柄な外国人観光客の男性。荷物を足元に、ゆったり運ばれていく背中にそうだよね 急いでも 誰が待つじゃなし...

  • もくげき話。

    帰りがすっかり遅くなった。年も明けてずいぶん日は長くなったものの、この時間になるともう真っ暗だ。住宅地の中を通る帰り道に人けは無く、地面は夕方までの雨で濡れている。いつものように石段のある公園を突っ切ろうとしたが、ふと思い直し、踵を返した。少し遠回りの別の道をとりながらありゃダメだ 目撃者がいない…自分の頭に浮かんだことに、自分で驚く。つまり、雨に濡れた石段から、滑って落っこちて打ち所が悪ければ、...

  • じまくの話。

    老母とふたり、ニュースを見ても気が滅入る一方なので、チャンネルを再放送のサスペンスドラマに変えた。コレ誰?え~?帽子の人? ダレソレじゃないの…俳優の名前を言うとちがうちがう 探偵?容疑者?あーそっちか えっと容疑者の恋人?まったく揃いも揃って、何をどう見ているのか。しかも、おばーちゃんは常時字幕をオンにしており、感興を削ぐことはなはだしい。一般に字幕といえばこういうものだがテレビの字幕機能を使う...

  • きおくの話。

    マイド~!いつもの挨拶をしながら、実家の勝手口を入る。茶の間に上がると、おばーちゃんは眉をひそめてテレビに見入っていた。能登の震災の映像だ。いつもはテレビを肴に、後生楽に言い合いする私たち親子も、さすがに言葉を失って、一緒に画面を見つめる。ニュース番組が終わって、どちらからともなく2人タメイキをつき怖いねエ…怖かったねエ…それだけ言って、しばらく黙った。母はなんとなく身の回りを見回していたが、ふとあ...

  • かーどの話。

    今日はおばーちゃんの通院に随行。病院までは私鉄を乗り換え、降りたらタクシー、総計1時間強の行程である。ここ数年、通い慣れたる道のりではあるが、毎度毎度イラッとするのは改札前のマゴマゴ。母も私も交通系ICカードを持っているので、いちいち切符を買う手間はない。カードを出して自動改札機にピッと当てるだけなのに、そのカードが出てこないのだ。えーッと… どこだったかな…改札の前まで来てあれ?無い…無い…カバンの中...

  • ウラムケ本。

    読む本が無くなったので、図書館に行こう。そう決めて出かける寸前に、今日は月曜、休館日と気づいた。あーあ…ガッカリしたものの、今はインターネットという便利なものがある。図書館のサイトに入って、次に借りる本を検索しよう。うちの市の図書館では、検索するとこんな風に蔵書を見ることができタイトルや著者名、ページ数などの書誌情報の他に、大まかな内容や、表紙も見られる。本がそこに無くても、表紙を見ると、読んでみ...

  • だんごの話。

    今年届いた年賀状を見ていたら、電話番号が書いてある1枚に目がとまった。わざわざ手書きした数字に、久しぶりにお話ししましょうよ、と言うミツコさんの笑顔が浮かび、気がついたら電話を手に取っていた。♪ぷるるる…直接話すのは何年ぶりだろう、ちょっとドキドキしていると…ハイ もしもし?電話の向こうで懐かしい声が響く。彼女とはいわゆるママ友だが、子供同士はさほど親しくなく、母親同士ふつうの友だちになった。その後...

  • AMPM話。

    トシとともに早寝早起きが嵩じてきた。眠くなったら寝る、では真っ暗なうちに目が覚めてしまうので、なるべく頑張って起きていても、11時が限度である。ところが、若いヤツらは宵っ張りで、LINEを寄越すのも真夜中ばかり。私は朝起きて連絡に気づくことになる。ある時ムスコから明後日ちょっと帰る報せてきたので、メッセージの時間を見ると、夜中の2時。つまりこれは今朝だから、明後日は明後日だな、と思っていたら…タダイマ...

  • れじめの話。

    ウーン…デスクに向かって私は朝から難渋していた。じつは来週、聴衆を前にちょっとしたお話をすることになったのだがレジメを作ってください先方から言われたのである。いやいや…レジメなんて たいした話じゃありませんし…だいいち、言いたいことを紙に書いてしまったら、言うことが無くなるではないか。しかし相手は、慣例ですから、簡単でいいですからと、レジメ作れの一言を譲らない。しかたなく、ペーパー1枚にテキトーにま...

  • いやほん話。

    帰りの私鉄急行はほどほどの混み具合。疲れていたけれど、立っていた前の席が空いたので、ホッとして腰かけた。隣席は、どっかり股を開いた若い男。私がぶら下がるように吊革につかまっていたときから、目をつぶり、ヒザをビンボゆすりのように小刻みに動かしている。イヤホンから流れる音楽に聞き入っているらしい。耳から冷凍うどんの切れっぱしのような、例のアレが出ている。次の停車まで30分弱、このガクガクと付き合うのか...

  • シキブノ本。

    イモートに、ちょっとした用件で電話。この年末年始、イモート一家は帰省してこなかったので、話すのは久しぶりだ。用件はすぐに済んで、あとはあれやこれやの近況報告になった。…楽しみにしてたのにさア…口をとがらした顔が浮かぶような、不満げな口調で告げるのは、大河ドラマのこと。平安時代に材をとり、紫式部を主人公に、新しく始まったばかりだ。優雅な王朝絵巻を期待していたイモートにとって、初回はいささか期待外れだっ...

  • るんるん話。

    夕刻の繁華街を横切る。松はとれてもまだ正月気分の残る時期、イッパイ機嫌の人たちが往来するなかいい気なもんだね まったく!仕事帰りの私はちょっとムッとしていた。こじゃれた風の和食居酒屋の前にさしかかると ガラガラガラ…引戸が開いたと思ったら、60代くらいのオッサンがえらい勢いで飛び出してきたので、あやうくぶつかりそうになる。そう、文字通り、ぴょんぴょん飛び出してきたのである。座敷で飲んでいたとおぼし...

  • きゃっぷの話。

    今年初めての通院日。駐車場に見覚えのある軽トラが停まっていて年初そうそうキャップのジイサンか…知らず知らず心が沈んだ。月1回のかかりつけ医院は予約制。毎月同じ週の同じ曜日、同じ時間帯なので、待合室の顔ぶれもなんとなく決まってくる。私が心の中でキャップのジイサン、と呼んでいる男性もそのひとりである。暴れるでなく、大声を出すでもなく、特に何の害を及ぼさない人をジイサン呼ばわりする理由は、彼がいつもかぶ...

  • かるかん話。

    マイド~!勝手知ったる実家の勝手口。いつもの挨拶をしながら入っていくと、上がり框に紙袋が置いてありそれ 帰りに持ってって アンタ好きでしょう茶の間からおばーちゃんの声がした。中を覗くと、かるかん饅頭の箱だ。ダレソレさんがくれたけど 食べきれないから…かるかんは好物である。ぜいたくを言えばアンコがない方がいいが、もらいものなら仕方がない。かるかんのスカスカした薄甘さが好きな私に炭酸でふくらしたお菓子...

  • まるぺけ話。

    ヘンな柄といえば、昨日見つけた、もう1枚のシャツを紹介しておきたい。昨日の(→こわいい話。)とは違って、ちゃんと実店舗もあり、私もよく利用するお店で人気キャラクターの顔をクローズアップにしたシンプルデザインである。ところが、これを着たところを想像するとチチとヘソの位置を示しているとしか見えないではないか。セール価格になっていたので、うっかり買うところであったが、そう思って見直すとだからセールなのか…...

  • こわいい話。

    御用始めも過ぎたが、私の仕事始めは来週。徒然なるままにパソコンを見ていると、余計な買物をしそうで、危ない、アブナイ。予定外の本を2冊、ポチッと買ってしまったところで、からくもECサイトの呪縛から逃れた。しかし、ネットの恐ろしさはここからである。へえ~ こんな品物があるのね…わ~ かわい~い!心のおもむくまま、興味本位に眺めていた内容が、広告に反映され始めるのだ。自分の好みが白日にさらされるようで恥ず...

  • ほろよい話。

    年も明けてから、ムスメが帰ってきた。年末、テレビを見るため帰って(→せいやの話。)以来だから、そんなに久しぶりではない。ちょうど夕飯を終えてもらい物の缶チューハイを飲んでいたらなにソレ そんな弱虫の飲むもん飲んでェフフンと鼻で笑われた。ムスメはお酒が強いし、飲む機会も多い年頃。還暦過ぎて、アルコールにもケンカにも、めっきりヨワくなった私が太刀打ちできる相手ではない。ならばとお屠蘇の残りの2合瓶を出...

  • めくじら話。

    オバサンとオバアサン、ふたり静かなお正月。お屠蘇とお雑煮を祝えば、もうやることはない。お茶を淹れて、テレビでも点け…×&%%*+#!!!わあ!驚いて画面を見ると音量が30。あわててリモコンを操作してボリュームを下げおかーさん!音大き過ぎ!あらそーお?涼しい顔の老母を見て、ああ、相当耳が遠くなってんだなアと、ちょっとせつなくなったりする。耳がガンガンしない程度に下げても、ヘーキで見ているから、聞こえる...

  • ほうふの話。

    New Year's resolutionなる言葉があるように、年の初めに1年の決意を述べる習慣は、日本だけのものではないようだ。年もあらたまって2日、新年の抱負など申し述べたいところ、私はさっそくくだらないことに引っかかっている。抱負のフって なんで負ける?目出度かるべき正月に、いきなり負けてるというのが、どうも気にくわない。まあ、そんな言いがかりをつけるのもなんか抱負…なんか無いか…考えたけど思いつかなかったせいで...

  • おねんが話。

    Happy New Year!Much peace, love and joy to you all in 2024実家に帰っておりますため、コメント欄は閉じております日々更新は致しますので、どうかお立ち寄りくださいFC2ブログの方は帰宅次第来訪者リストからお邪魔しますにほんブログ村日記・雑談ランキング...

  • いっきみ話。

    さて、今年も残すところ1日。年越しを母と過ごすため、夕方に実家に移動するまで、何もすることがない。何もすることがない?いやホントに、文字通り、何もすることがない。子供がいるとなんやかんや、わけもなく慌ただしかった。今よりバタバタしていた頃は、まだ仕事していたこともあった(→ことわざ話。)。子供も独立し、老母とふたり、静かな年越しが習慣となってもなお、ドライバーを振り回す羽目になった(→みそかの話。)...

  • わいんの話。

    ♪ぴん ぽ~ん♪ たっきゅうびんでーす!暮れも押し詰まって届いたのは、注文したワイン。母はあまりお酒を飲まないが、ロゼのスパークリングワインは甘くておいしい、きれいと喜ぶので、年末に帰るとき、乾杯用に1本提げて帰る。お正月、千円ほどの安い親孝行だ。いちおう中身を確かめようと箱を開け、パッキングをほどきかけてあれ?じつは引っぱり出したビンのフォルムを見たときから、ヘンだなとは思っていたのである。ふっく...

  • ばすてい話。

    バス停には、すでに先客がいた。無人のバス停に、最初に来た人の待ち方には、たいしたバリエーションは無い。そこに、次の人がやってくると、はじめて位置関係が発生する。どの程度の距離を置いて、どちら方向に並ぶか。あるいはてんでバラバラの方角を向き、列らしい列をなさずに待つか。それを決めるのは、2番目に来た人である。そして3番目に来た者はあ…そういう感じなのネ…先着の2人をすばやく観察、自分がどこに並ぶべきか...

  • きすうの話。

    そんなわけで、大掃除をしない我が家。のんきにサボっているかと思いきや、なぜかシカメ面で電動ドライバーを使っている。今年の春先、書棚の扉が突如ガッタン!外れたことは記事にもした(→ひんじの話。)。いま9か月の間を置いて、反対側の扉がガッタン!まったく同じように落っこちたのである。デジャヴ…。しかし私とてあの時の私ではない。ぶっ壊れた金具と同じものが、ネット通販で手に入ることを、ちゃあんと知っているのだ...

  • そうじの話。

    今年も残すところ5日。♪~今年の汚れ 今年のうちに~♪こんな風に家事担当者の尻を叩く洗剤のCMは、さいきん流れてないが、それでも年末に大掃除する人は多いだろう。新年をサッパリと磨き上げたおうちで迎え、あらたまった気持になるのは素晴らしいことだ。とか何とか言いつつ、私自身は大掃除はしない。なにしろ年末は寒い。ゾーキン一枚絞るにも、必要以上の苦痛を伴う寒中に、ふだんはしないような大がかりな掃除をするのは...

  • しょくせん話。

    週末、子供が帰ってきたわが家。朝には2人ともバタバタ出勤していき、私も仕事に。月曜は、少し早い仕事納め。良いお年を、と言い合って事務所を出、道みちお正月の買物などしながら、うちへ帰った。ホンワカ楽しい気分で、買物袋を手に台所に入ったがだあ!目の前の景色にがくぜんとした。シンクの中に食器が山になっているのだ。3人いれば、食器も3倍。当然のことながら、なかなかショックな光景である。普段のひとり暮らしな...

  • せいやの話。

    …録画しといて~年末恒例のお笑いコンテストを録画しておくよう、ムスメに頼まれたのはだいぶ前のことだった。今年の生中継はクリスマスイヴ。お年頃の娘が、実家でテレビを見ていられる日ではない。年始に帰って見るつもりだろう。忘れないように、すぐ予約録画しておいた。さて当日。ひとり暮らしの私は、イヴだからといって特段の予定も無い。普通に仕事をしているとき♪ぺぽん♪LINEの着信音が鳴ってスマホを見たらやっぱり今日...

  • はーふの話。

    うちにはツリーが無いので、ここ10年ほど、リビングのカーテンに、クリスマスオーナメントを飾っている(→かーてん話。)。カーテンを引く昼は襞の間に隠れ、夜だけ見えるのもいい。子供も大きいし、トシもトシだし、持物は増やしたくない。クリスマスの時期だけのためにツリーを持つことは、もう無いと思っていた。ところが今年の冬、困ったものを見たのだ。どういうことかお分かりだろうか。ツリーが縦半分になっていて、壁に...

  • しらがの話。

    父方の親戚は若白髪が多かった。叔母は40になるやならずで真っ白になった髪を、毛染めで黒くしていたらしい。彼女と一緒にいると母子に間違われるくらい似ていた私が、還暦に至ってまだそこまでにならないのは、母の遺伝のおかげである。母方は、男はハゲるが、女は白髪が少ない。祖母は90代で亡くなったときもまだ黒髪が残っていて、全体としてグレーぐらいの感じだった。その娘である母は、ちかごろこんなことを言う。さいき...

  • かんそう話。

    そういえばさ~…先日、帰宅したムスメに言われた。前にここがカユいって言ったらさ 「そういうこともあるよ」って流されたけどさ~あーハイハイ 言ったような気がするねやっぱカユいから お薬買ってきてつけたら ちゃんと治ったよォそりゃ良かっためでたしめでたし、と思いきや、ムスメは何やら不服げにフツーはさ この軟膏つけたら とかなんとか…はー、ナルホド…口では言いつつ、分かったような、分からないような顔をして...

  • きんぱく話。

    金箔の入った食品は日本酒(→にほんしゅ話。)だけではない。お高いケーキを買ったとき、頼みもしない金の小片がピロッと載っていたりするとこれが無ければもうちょっと安かったろうに…ついビンボくさい感想を抱いて、せっかくの高級ケーキの感激を削がれることになる。もっとも露骨なのは金箔ソフトクリームというやつ。ロコツ~ぅ!(写真はサンプルです)なぜこんなものを作り、そしてそれを買うのか。金箔には何の味もないし、...

  • にほんしゅ話。

    牛乳が切れたのでスーパーに寄ったら、レジ横の日本酒が目にとまった。ふだんは日本酒は飲まないが、お正月のお屠蘇を祝うのに必要だ。思いついた時に買っておこう。えーと 小瓶は…老母とふたり、小さな杯をやりとりするだけの量なのに、なんだかミョーに高い。よくよく見ると、めでたくも純金箔入の文字がラベルに書かれているではないか。お正月はおめでたくということだろうが、私はこういう無意味な贅沢はキライだ。だいいち...

  • でっどの話。

    電車に乗っていると、たまに先頭車両同士が連結していることがある。連結部分に運転台があるわけだ。いいトシして小学生男子みたいなところがあるので、見つけると嬉々として、計器類がよく見える席に腰かけることにしている。意味の分からないプレートの文字や、ライトが光り、メーターの針が思わせぶりな位置を示すのを見ると、わけもなくワクワクするのだ。今日も今日とてガラスにへばりついていたら、謎の文字が点灯したのに気...

  • えぷろん話。

    ○○号室はどこですか?エレベーターホールを出たところで、ふたり連れの女性に聞かれた。うちのマンションは変形の建物が渡り廊下でつながっており、番号だけでは部屋が見つけにくい。指さして教え、揃いの赤いエプロンの背中を家事サービスの人かなあ…考えつつ見送る。教えた番号の部屋は、たしかタカミネさんのお宅。お嬢さんがムスコと同い年なので、道で会うと今も会釈してくれる。家族構成はお父さんとお兄さん、お嬢さんの3...

  • ひこうき話。

    新型ウィルスの騒動で窮屈だった生活も、徐々に旧に復してきた。ブログでも旅行記を多く拝見する。身の周りでも、あそこに行く、ここに出かけたと、楽しいお話を聞くことが増えた。午前中の仕事を終えて事務所に戻ると、内勤の皆さんが先にお昼を食べていたので、駅前で買ってきたパンの袋を手に、私も輪に加わった。…でね シュジンの運転でクルマを出したの話題の中心はコタニさん、ちょうどドライブに行った話が始まっているら...

  • みれんの話。

    ♪ぷるる…ぷるる……ハイ? なんだ おかーさんか…いつもは用件をLINEでよこす母から、珍しく電話。なんだとは何よ せっかくかけてるのに…ハイハイすみません そんで何?へ?なんでかけたんだっけ…あ、そうだ ムスコ君 ネクタイしないかしらへ?ネクタイよネクタイ おとーさんの…えー!?まだあったの?父が亡くなってもう10年以上経つが、ネクタイをしなくなったのは、それよりもっと前である。そうなのよ~ 仕事も行かない...

  • ぼなりー話。

    駅を出たら、乾いた冷たい空気。バスに乗ってもいいけれど、こんな日は家まで歩きたい。遊歩道の街路樹はすでに葉を落とし、枝の間から傾いた夕日が差し込む。枯葉を蹴る自分の足音を聞きながら、無心で歩いているとするやぼなりーって何だっけ?だしぬけに疑問が浮かんだ。こういう時すぐ検索するんじゃなく、アレコレ頭の中で探すのは、安上がりな娯楽である。この時点で、地名か乗り物か、はたまた新素材の名称か、何のヒントも...

  • ろーかる話。

    今日はJRで移動だ。観光客の多いいつもの私鉄に比べ、利用客はほぼ地元民だけの、いわゆるローカル線。平日のお昼、急ぐ旅じゃなし、と乗った各駅停車の車内の空気はのどかである。ウトウトと眠くなりかけたときぷしゅー…電車が停まって、開いたドアから入ってきた乗客の姿に、思わず目を見張った。頭のてっぺんからつま先まで、流行りの衣服でキメて、まるで突如、人気ミュージシャンが現れたかのようだ。プラットフォームが、ス...

  • ぜいきん話。

    今年の字は税。あの字ってホントに上手いのか?思いつつも、税金についてしばらく考える。ワタクシとて納税者のひとりであるから、その使い道についてはアレコレ物申したいこともある。毎日あくせく働いている身の上で、血税などという物騒な言葉も頭に浮かんだところでそれにしても アタシっていくら税金払ってんだっけ?ふと思った。1か所からお給料をもらっていれば月々の天引で見当がつくだろうが、私は方々から少しずつ、金...

  • 1212話。

    「東京物語」という映画がある。世界的に評価の高い日本映画の巨匠の、代表作ともいえる傑作、であるらしい。しかし、私にはこの映画の良さがぜんぜんわからない。もっと言えば、積極的にキライである。退屈だとか眠いとか、消極的な批評はあれど、キライだという人に会ったことがないから、きっと少数派なんだろうと思う。この映画を見ていると、眠くなるどころか、だんだん息苦しく、気持が悪くなってくる。どこにでもいる市井の...

  • こしょてん話。

    展覧会を見に行っても、図録は買わない。いい展示だった時ほど、美術館は手ぶらで出たい。重たい図録を提げて帰るのがイヤなのである。後になっていろいろと思い出し、買っとけばよかった、と後悔することもある。先日、古書店でそんな1冊を見つけた。おっ…定価2200円が…1200円!トクした気分で支払いを済ませ、店を出る。図録が軽くなるわけじゃないが、古本を買うなら、なぜか重くても平気なのだ。久しぶりの古書店街。...

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