chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
  • ゆびわの話。

    昨日の記事(→かいとり話。)で、思い出した昔話をひとつ。若いころ勤めていた会社で、お付合いのあるメーカーの女性社長がいた。社員と同じ作業着で現場にも出るし、数字が分かって経営判断も確か。わざわざ女性と前置きする必要もないほどのやり手だった。その日は何か、仕事上の区切りだったのだと思う。いつもビジネスライクで無駄口をきかない社長と、めずらしくプライベートの話になった。いいスーツ着てるね、と褒められて...

  • かいとり話。

    アクセサリーは好きで、デカいのや派手なの、ヘンテコなの、いろいろ持っているが、ネックレスやイヤリングばかりで、指輪はない。仕事で手先の作業をするので、嵌めるのがうっとうしいからだが、そもそも指輪が好きじゃないのは、離婚のせいもあるかもしれない。ながらく持っているのも忘れていた婚約指輪。(画像はイメージです…実物の10倍くらい)今の家に越して生活も落ち着いてから、荷物の中に発見したが、もはや何の感慨...

  • さまさま話。

    買物帰り、保育園の前を通ったら♪さーさーのーはーさーらさらー のーきーばーにーゆーれーるー♪聞き覚えのあるメロディーが聞こえてきた。「たなばたさま」だ。私はかねがね、この歌の題に疑問がある。七夕様って誰?七夕は、節句の年中行事である。それに「様」をつけるのは、なんだかヘンじゃないか?お正月とは言っても正月様とは言わないように、敬意を表すのならお七夕ではないか。あるいは、どこかに七夕様という神様がいら...

  • ながいも話。

    姿勢はいいほうだし、うつむいて歩いている自覚もない。しじゅう地面を見ているということだろうか、なぜか道に落ちているヘンなものが目につく。それを見つけたときは、いっしゅんわが目を疑った。きっと とんだ見間違いだよ… あの記事を見たから…(→みのじさんの山芋の記事)しかしこれ…雑草の隙間からのぞく、折れ口の白さもまぶしいこれはまさか…でもどう見ても長芋だよね…思いつつ傍らを通り過ぎて諦めきれず、ふり返っても...

  • ゆうせん話。

    私鉄急行はほどほどの混み具合。空席を見つけたもののおっとあぶない…優先座席と気づいて、座るのを止す。見回したところご老人や、優先すべき方はいないようだが、空けておくに越したことはない。さいわい向かい側に座れて、ボンヤリ前を見ていると、さっき座らなかった席に若者が座った。…ふーん…空いているときなら、けっして優先座席に座って悪いことはない。しかし、優先座席に座っていた人が、優先されるべき弱者や老人に譲...

  • ずんぐり話。

    7月3日の水曜日という、なんとも半端な日に新紙幣が発行された。どのみちこの先10年以上お付合いするのだろうから、わざわざ両替に行くような酔狂はしないが、ニュース映像を見て、またよけいなことを考える。シブサワさんとツダさん、キタザトさん。今回、やけにズングリムックリじゃないか?その疑念は、新旧紙幣を見比べてみると、一層強まる。前の3人が細面であるのにたいし、今回選ばれし3人、いずれも猪首が肩にめり込...

  • いぬきの話。

    月に2回ほど通る、住宅街の道を歩いていたら…ツイッ…目の前を黒い速い影が横切った。ツバメだ。アレ?ここ…そのお宅の軒下には、今季そうそうツバメが巣をかけた。順調に育ったヒナは、前回ここを通ったときにはもう巣立って、巣はカラになっていたはず。ただの通りすがりのツバメだろうか。念のため心覚えの場所を目で探すとアレェ?空き家のはずの巣に、雌鳥がすっぽり収まり、フチにあごを乗せて外を見ている。どうやら先般巣...

  • まんなか話。

    朝いちばん、スマートフォンを見たら今日は1年の折り返しの日、真ん中の日ですまた、謎な情報を報せてきた。なるほど、上半期下半期で分ければ7月1日が節目だが、365日を数えたら、2日の今日が1年のちょうど真ん中になるわけだ。だからってどういうことも無いのだが、人はこういうのが好きである。真ん中で思い出されるのは、日本のヘソ論争であろう。文字通り、日本のヘソはどこか?という不毛な論争。人口重心だとか、経...

  • そわそわ話。

    注文番号 #123-4567890-987654ぢょん でんばあ 様ご利用いただき、ありがとうございます。ナントカ書店が商品を発送し、ご注文が完了したことをお知らせいたします。書店に無くて、ネットで注文した本(→ナカッタ本。)の、発送通知のメールが来た。配送予定日は今日となっている。読みたかった本なので、当然嬉しいし、早く届いてほしいのだが、問題は天候である。当地は大雨警報発令中。朝からゴミ出しもためらわれるほどのザー...

  • みあわせ話。

    イシザキさんは職場の大先輩である。プライベートではステキなダーリンと円満なご家庭を築かれ、リッチでスキのない身だしなみは、皆の憧れの的だ。並の人間ならリタイアを考えるお年になって、なおバリバリの現役。経験に裏打ちされた技術と、威あって猛からずのお人柄で尊敬を集めイシザキさんの言うとおりにしとけば間違いない!職場の全員が、そう思っている。私とて世間的にはもういいトシのベテランであるが、彼女を見ると万...

  • うろんな話。

    細かいことが気になるのが私の悪い癖(©杉下右京)。毎日目にする検索バーのちっちゃい絵にまた、よく分からないやつが現れた。アンタ誰?クリックすると敵の思うつぼなので我慢して、ポインタを乗せてみると小首を傾げた謎の生物の頭上に、オウギワシなる鳥らしき名前が現れた。そもそも鳥をバストショットで描くのが間違いなのだ。小さいスペースなればこそ、翼を広げる姿を見せるべきだろう。(これ↑はカリフォルニアコンドル)...

  • ナカッタ本。

    抽斗から、何かでもらった図書カードが出てきた。ちょうどいい、気になっていた本をこれで買おうと、ショッピングモールの中の書店に向かった。ちかごろは新刊書も古書もネットで買ってしまうので、書店に足を運ぶのは久しぶりだ。私のように無精な不心得者が増えたせいか、街の本屋さんが、次々と閉店しているという。もっと本屋さんに来ないとなア…反省しつつ、背表紙の文字を追う。見慣れない本や、見覚えはあるけどまだ読まな...

  • はれまの話。

    今日はお休み。曇り気味とはいえ、梅雨の晴れ間は貴重だ。本格的な夏を前に、寝具やラグなどの入替えを進め、雨が落ちてこない前に、洗えるものはすべて洗い、干せるものは干さねばならぬ。主婦生活を離れて久しいのに、このねばならぬという感覚は何だろう。何者かに突き動かされるように、しばしバタバタと立ち働いた。洗濯物からフトン、マット、クッション、思いつく限り干した家の中は、ガランとしている。家で過ごす1日は早...

  • ふせいだ話。

    あっ つ~!夏本番にはまだ間があるが、女子高生がちっちゃい扇風機を持ち始めた。そろそろ、全身夏の装いに切り替えてもいい時期だ。白いサンダルを取り出して、玄関のたたきに揃えて置けば、暑さが苦手な私の心も弾む。靴に合わせた軽快な服装で準備をととのえ、バッグを持って玄関を出、廊下を2、3歩…ん?それはほんの少しの違和感だった。いつもなら、もしかしたら気にせず出かけてしまったかもしれない。しかし、その時頭...

  • くろふく話。

    駅前で、同じマンションの人に行き会った。立ち話をするほど親しくはないので、会釈してすれ違ったあとなんかヘンだったな…歩きながら首をひねる。あ、そうだ、服だ!いつもフンワカ、パステル調のブラウスなどお召しになっている人の装いが全身黒だったのだ。つい振り返って、駅に向かう黒い背中をなんであんな似合わない服…?疑問に思ってしばらく眺めたあとあ…お葬式行くんだ…気がつくのにしばらくかかった。さいきんはカジュア...

  • わりこみ話。

    雨は夜になって勢いを増したものの、気温は期待したほど下がらなかった。ムシムシと不快なまま、フトンに入ったせいか、ふだんほとんど見ない夢を見てしまう。夢の中で私は、何かの行列に並んでいた。行列と混雑がムカデより嫌いな自分が並んでいる時点で、夢だと確信しつつ並んでいるとグイッ!右肩に圧を感じて見やれば、中年男性が半身になって、割り込もうとしているではないか。ちょっと!厳しい口調で咎めても、オヤジは明後...

  • こちょこちょ話。

    コチョコチョ…といえば、人をくすぐるときの擬音である。コチョコチョされてくすぐったい感覚を、関西ではこちょばい、またはこそばいなどと称し、さらに、くすぐることをこちょばすと言ったりする。私は幼いころからこちょばがり、つまりくすぐったがりであった。それを知るイモートは、きょうだいげんかで不利になるとコチョコチョ…呪文を唱えつつ、指をクモのように曲げて近づいてくる。その指が触れない前に、すでにゾクゾクこ...

  • どぼんの話。

    ちゃんと予め穴を開けた玉子の黄身が爆発した(→にどある話。)のはなぜか、未だ不明ながら、コーヒーが沈没した理由はなんとなく分かった。カップに引っかける部分↑を、ちゃんとコの字型に折らなかったからだ。そうと分かれば、次は安心して…とならないのが私の厄介なところでだいたい裂いたり折ったり めんどくせえんだよ!くだんのフック部分にしろ、粉の入った袋のキリトリ部分にしろ、5mm幅のチマチマした作業。ほかにも...

  • にどある話。

    起きたら予報通りの雨。朝のコーヒーも例年そろそろアイスに切り替える時期だが、肌寒いのでホットにしよう。カップに引っかけて1杯ずつ淹れるタイプのを、ちょうど昨日、お土産にいただいた。封を切ったコーヒーをいつものマグに乗っけて、お湯をとぽとぽと注ぐ…だばっ!一瞬、何が起きたか分からず、見回すと周囲いちめん、濡れたコーヒーの粉が散らばっている。引っかけが外れて、粉がフィルターもろとも、カップの中に落っこ...

  • ついつい話。

    きっかけは腰痛体操であった。腰痛の原因のひとつは、太ももの裏やおシリの筋肉の硬さ。椅子に腰かけ、片側のヒザにもう片方の足のカカトをのせるストレッチを教わった。歴史の教科書にモノクロで載っていた、中宮寺の菩薩半跏像の要領(→ぼさつの話。)だ。症状に合ったのか、始めて以来、冬も腰痛が出ない。他にも思わぬ効果があって、このポーズだと姿勢がよくなる。パソコンに向かうと、ついつい猫背になって、どんどん近づい...

  • がっかり話。

    年がら年中同じものを食べて飽きない私が、いつになくこのCMに心を動かされ、食べに行く気になった。歩いて行ける場所にある、というのが最大の動機ながら、いずれにせよ珍しいことではある。ガラスのショーケースの前に立つと、お、あるある。店内でお召し上がりですか?暑い陽気に持ち帰ると、砂糖衣がベタベタしそうだ。ハイ アイスコーヒーと…せっかくだから、クリームが盛り上がったのを選んで、飲物と一緒にトレイに載せて...

  • ふさくの話。

    朝のテレビは旬の梅仕事特集。かねがねこの言葉に無用な反感を抱き(→しごとの話。)な~にが梅仕事か!大層に言いおって…ブツクサ言っていたのは、要はネタミである。手入れの悪い実家の梅の木に、毎年バカスカ生る実の始末を私はもうシンドイから…ギブアップした母に押付けられ、梯子に上ってもぐところから加工まで、シブシブやらされている私には、1キロや2キロの梅を買ってきて、優雅に行うテレビの梅仕事が羨ましい。自家...

  • ともだち話。

    マイド~!勝手知ったる実家の勝手口を、いつものように入っていくと、なんだか様子がおかしい。茶の間がやけに薄暗く、静かなのは、テレビが点いていないせいかと思ったら…うわっビックリした!何?!なにって…なんにも…おばーちゃんはそう言うが、このドンヨリした顔つき、何もないはずがない。聞けば、もう何年も会わないお友だちが亡くなり、連絡があってから、ずっと泣いていたらしい。一夜明けて、さすがに涙は引っ込んだも...

  • ちちのひ話。

    実家住まいのころは、父の日でも何もしなかった。母の日にカーネーションで喜ぶ母と違い、父はそういうことをわざとらしい、と嫌った。ゴルフシャツだの湯呑だの、贈るようになったのは、実家を離れて以来である。それというのも、母の日のプレゼントのカタログなど見ると、巻末付録的に父の日のプレゼントが載っておりオトーサンにも何か送っとくか…ついでに注文するようになったのだ。なにしろ物心ついてから、父に何かやったこ...

  • かふぇいん話。

    どうもこの2、3日、体調がすぐれない。朝の目覚めは悪くないのに、身体を起こすと鈍い頭痛がする。疲れても、睡眠時間が足りなくもないし、肩だって凝っていないのに、なぜだろう。今日はまた、とくにひどくて、ガンガン耳鳴りまでしはじめた。ああ…せっかくの週末 棒に振るのか…頭痛薬を飲んで、さっき抜け出した寝床にポフッと身を投げたらこの痛さ…旅館痛に似てる…むろんそんな病気は無い。私が考えた病名だ。朝食にコーヒー...

  • 5せんち話。

    応対していた来客が帰られて、湯呑など片づけているとすすすみませ~ん!先ほどすまして出て行ったお客様が、えらく取り乱した風に戻ってきた。お忘れ物ですか?いえ…あの~…ガムテープを10センチ…ハイ?いや、5センチでいいです いただけませんか?何が何だか分からないが、事務室に戻って、だいぶ残り少なくなったひと巻を見つけあの~ これで足りますでしょうか…ありがとございます~ チョットここお借りして…さっきまで...

  • おあいそ話。

    アナタ いったい何やったの?あんまり近所で揉めちゃダメよ~昨日の記事(→ぷいっと話。)を読んで忠告された。事の起こりは、ある日の夕方の駐輪場。帰宅した私がいつも停める場所に来てみると、コンクリートの床一面がびしゃびしゃだ。たっぷり5台は停められるスペースに、斜めに停めた黒い自転車を、リタイア早々という佇まいのオッサンが洗っているのである。見渡しても他に空きスペースはない。しかたなく、バケツの水を盛...

  • ぷいっと話。

    駐輪場に入ると、先客がいる。70代くらいのオジサンだ。オハヨウゴザイマースたぶん知らない人だけど、礼儀としてあいさつした。こういう時、高齢男性の反応は鈍い。…はよ…す…モゴモゴ口ごもりながらでも声が出ればいいほうで、多くは無言で会釈。無視ならいいほうで、ひどいのになると何のつもりか、こっちにアゴを上げて見せるヤツもいる。あたしゃアンタの子分じゃないよ!ああいうオヤジはどうせ、家で妻にイジメられている...

  • ねこだま話。

    年に何度か、所属団体の関係で、講師みたいなことをする(→はいはい話。)。能力よりも、人前で上がらない度胸だけを評価されての大抜擢から、もう5年以上経つ。経験というのはありがたいもので、ピンチを切り抜ける悪知恵だけは身についてきた。そのひとつがハデな服を着ること。講座は実習を含むので、受講生が作業をしている間、講師は通路を往復して、うまく出来ない人を助けなければならない。困っているとき、パッと見つけ...

  • タイマー本。

    自慢じゃないが私はズボラである。同年輩の女性の生活をよそながら窺うかぎり、私ほど横着な人はまずいない。好きなことは夢中でやるが、やりたくないこと、ことに家事に関してはまったく不熱心で、子供が独立して家を出て以来、その傾向は昂じる一方だ。小学3年生くらいの子どもが、オバサンの身体を借りて、好き放題に暮らしている、とご想像いただくとちょうどいい。とはいえ、ずっと10才ではひとり暮らしが立ち行かない。往...

  • かたかな話。

    晴天の週末、大物を洗濯した。パリッと乾いたシーツを胸いっぱいに抱え、顔をうずめて息を吸ったらス―… ぷはァーなんともいえない幸せを感じるが、取り込んだ洗濯物の山を見てあーあ…これを全部畳むのかと思うと、ちょっとウンザリ。ひとり暮らしは気楽だけれど、いいことも悪いことも、自分以外に他にする人はいない。気を取り直して山の傍に座り、1枚ずつ畳み始めた。バスタオルに枕カバー、布団カバー。角を合わせてパタパタ...

  • ばれーの話。

    昨日の記事?(→しとつの話。)を読んだイモートからそういえば上履きの名前 なんでカタカナだったんだろね?言われて思い出した。われわれの小学校の上履きは白いバレーシューズ。(バレーボールとは関係ないらしい)この甲に渡ったゴムに名前を書く決まりで、シマヅカ君同様、私の上履きにも、イモートのにも、カタカナで名前が記されていた。ホントだねエ なんでかねエしばし姉妹で頭をひねったところあっ!でも ドンちゃん...

  • しとつの話。

    出先で定食屋に入った。印刷のメニューの他に、手書きの「お品書き」が壁に貼ってある、いい感じの店だ。豚ツョウガ焼定食ガシシリ!スタミナ定食読んでいるうちに、なんだか小学生に戻ったような、懐かしい気持ちになった。ここの店主も「ツ」と「シ」の書き分けが苦手な人のようだ。とても不思議なのだが、「ツがシのようになってしまう」人は、同時に「シがツのようになってしまう」のは、どうしてだろう。たまには「ツはシのよ...

  • まめひく話。

    ここのところ毎朝…ごーりごーりごーり ごーりごーり…不本意ながらコーヒー豆を挽いている。せっかちな私がヒマ人の真似をしているのは、豆と粉を買い間違えたから(→にふんの話。)だ。わずか2分の作業で仏頂面している原因は、面倒くささに加えてコーヒーミル↑のせいもある。上部の金属のお碗に豆を入れ、ハンドルを回すと木製の抽斗に粉が溜まるしくみの、ミルといえば万人が思い浮かべそうなタイプのこの道具。たまたま持って...

  • きがつく話。

    今日も今日とて日課のテレビ体操(→はつらつ話。)。ユウウツな日も、眠れなかった朝も、この時間はせいぜいハツラツと手足を動かす。…大きく胸を開いて 両手を上に…天井に視線を上げるとあ あんなとこにホコリ…ふだんあまり見ないところが見えるがもういちど上に…あーあ きったねえなア…今はいかんともしがたいので、体操を続行する。首の運動です 左右にねじりましょう…横に目をやればあ!今日返さないと!忘れていた図書館...

  • ころころ話。

    玄関を出てバッグから鍵を出しているとき、足元のコロリと黒いものに気づいた。ダンゴムシである。動く気配はなく、どうやら死んでいるらしい。またか…暖かい季節になると、ときどきダンゴムシの死骸が、ドアの前に落ちている。たくさんではない。ひとつ取り捨てたあと、気づけばまたひとつ、という感じである。最初から死んでいればここまで来られるはずがないから、どこかからわざわざやって来たわけだ。なぜ彼らは、わが家の玄...

  • けいほう話。

    ♪びーんびーんびーん… びーんびーんびーん…♪胸をギュッと掴まれるような警報音。ちょうど起き抜けで、カーテンを開けてまわっていた私は、とっさにしゃがみこむ。今いる部屋はリビングと違い、書棚がたくさんあって危ない。どこで何が起きているのか分からぬまま、仕事机の下にもぐりこんだ。しばらく周囲の様子を窺ったが、揺れ出す気配はない。下から手を伸ばし、机の上を探ったら、運よくスマホをつかむことができた。能登で震...

  • みつひこ話。

    せんに衣更えは済ませたが、うちで洗えないものはクリーニングに出さねばならぬ。タンスからコート類を出しながら、来年も着るかどうか、厳しく吟味する。コレ… どうしようかな地味なベージュのハーフコートに目がとまった。モノに名前をつける癖のある私は、口には出さねどこのジャケットをミツヒコと呼んでいる。この人↑である。正確には人ではなく、演じている役。サスペンスドラマの金字塔、浅見光彦シリーズの主役であるアサ...

  • けんみん話。

    支払う住民税は僅かなれど、私とて県民のハシクレだから、毎月県民だよりなる冊子が届く。地域のイベント、各種のお知らせ。文化財や万葉集がテーマの連載があるのも、土地柄であろう。子供が小さい頃は予防接種や検診、移動図書館のお知らせなど、熱心に探したが、今は読むところもぐっと減った。自分に関係あるような、無いようなページをペラペラとめくる。ほお… 6月はシカの愛護月間 か…そのすぐ横に目をやるとあ…狩猟免許...

  • やはずの話。

    エアコンの無いわが家で、早め早めの日照対策は必須である(→えあこん話。)。暑くなりだしてから慌てても遅い。友人がやってきたとき、私はちょうど西の窓に日除けをかけているところだった。ゴメンね~ ちょっと先やっちゃうね冷たい飲物と椅子を勧めてから、再度ベランダに出てお待たせ~スクリーンをかけ終え、部屋に入ってきた私の手元を見て何それ?え?矢筈だけど…不思議そうな彼女に説明するとヤハズ?友人はさらに不思議...

  • れんちん話。

    疑り深い私は、ネットにはびこる簡単レシピのたぐいを一切信用していない。野菜が無限に食べられる、と大流行りしたレシピを試したこともあるが、ゴマ油と鶏がらスープの素をかけてレンジでチンしただけの味であった。マズくはないが、無限は大げさだ。あれなら普通にフライパンで炒めたほうがなんぼかマシである。ありゃ家庭科の時間に休んだ人の見るもんだな…そんな私が、いささかムッとしながらレシピを検索している。毎年毎年...

  • なみだが話。

    今日も今日とて朝はテレビ。…家事がはかどる 運動しても疲れない みなさんの自分応援ソングをご紹介しまーす…どこに行くにもイヤフォンで音楽を聞きながらウロウロしている人を見るにつけ気が知れんなア…ひそかに思っている私には、ぜんぜんキョーミないテーマだが、番組の年齢層ゆえか、聞き覚えのある曲が流れるので、まんざら楽しくなくはない。チャンネルを変えずにそのままにしていると、視聴者の投稿が読み上げられた。…「...

  • えいじの話。

    もうかなり前になるが、歩道を歩いていて、こんなものを見つけた。英字のFだ。キラキラ光る素材でできていて、アクセサリーか何か、女性の持物から落ちたもののようだ。1センチ足らずの小さいもので、拾って交番に届けるのも大袈裟なので、なんとなく写真を撮って通り過ぎた。その後しばらくして町内の清掃に出たとき、落葉を掃いていたら、今度はこんなのを見つけた。虫食いがSの形になっている。Fの次はSか…2つ続くと3つめを...

  • にふんの話。

    汗ばむ日も増えてきたこの時期、毎年おこるコーヒー問題(→こーひー話。)。毎日飲むコーヒーを、いつからアイスに切替えるか。些細なことでも、ビンボーでケチな私は、在庫や無駄は極力なくしたいと頭を悩ましている。ちょうどレギュラーコーヒーが無くなって待てよ…大きい袋を買ったら 使い切るまでに暑くなるな…気温、予定、もろもろ考えて、容量の小さいものを求めた。いつも買う大袋の粉よりは割高になるが、やむを得ない。...

  • けいばの話。

    テレビから、アムロナミエの、いつか聞いたことのある曲が流れる。日本ダービーというのが行われるらしい。私は還暦過ぎる今日まで、競馬場に行ったことも、馬券を買ったこともない。多分、ないままで死ぬと思う。馬はカッコいいし、騎手がストイックに勝ちを目指す姿も素晴らしいが、どうも近づけない。人気俳優がCMでイメージアップを図っても、おそらく変わらないだろう。もう大昔のことだけれど、その日、私は香港にいた。路...

  • とどいた話。

    あんな記事(→ぷらごみ話。)書くもんじゃない。午前中に掲載して、いいかげんなお昼を食べたあと、グダグダしていたら♪ぴん ぽ~ん♪宅配便がやってきた。あれ?なんか買ったっけ?首をひねりつつ、シャチハタを持って玄関を出たらああ!アレ!段ボールの箱に、輸入食品店のロゴ。いつもはショッピングモールの中の店を利用するが、瓶詰の重い食品を、仕事帰りに提げて帰るのはなかなかつらい。ネットショップを見たら、ちょうど...

  • ぷらごみ話。

    今日はプラスチックゴミの日。前夜のうちに捨てられるものはおおかたゴミ袋に詰めたはずだがまだ何か… 何か捨てるもの…鷹のように鋭い目で、台所を見回す。こんな風にチェックしても、ゴミステーションに袋を置いて、部屋に戻るやいなやああ~!まだコレがあった!捨てられるものが出てくるのはなぜだろう。来週捨てればいいんだ、と自分に言い聞かせつつ、こみ上げる悔しさの正体は何だろう。今日こそは、と捨て残しゼロを目指し...

  • ごりかい話。

    今回の出張は遠いので、出先で1泊。旅先でチェーン店につい入ってしまう(→とちがら話。)私は、じつは泊まるのも温泉旅館より、ビジネスホテルのほうが気楽で好きだ。最近は、歯ブラシなどのアメニティは必要なだけ自分で取るようになり、連泊の際はシーツの交換や清掃を断ることができる。エコロジーの側面を強調しているが、コストの問題もあるのだろう。泊まる方としても、ますます気楽になった。上着をとり、靴を脱いだら、...

  • とちがら話。

    ちょっと遠い街に来た。仕事を終えてひと休みしたくなって、どこにでもあるチェーン店に入る。私はこういう時、ここにしかない名物を食べたいとか、地元じゃ行けない珍しい店に行きたい、という気持が薄いみたいだ。有名な観光地に来て、わざわざ○亀製麺のうどんを食べたりする(→めいぶつ話。)のでなんでえ~!せっかくなのに もったいない!セッカク精神に満ちた友人には非難されることしきりである。そんなわけで、日本全国ど...

  • まりとつ話。

    今日は家で仕事。単純作業になってきたので、何か音が欲しくて、ラジオを点けた。音楽はうるさいので、語学講座をやっている局に合わせる。丁寧な日本語と、分かったり分からなかったりする外国語が交互に流れるリズムが心地よい。簡単な英語、まあまあな英語、フランス語などに続き、イタリア語の講座が始まった。…ろーま…むにゃ…まりとっつぉ…むにゃむにゃ…ちょっと分かる気がする例文のあとにローマでは マリトッツォ※は朝食に...

  • AHOの話。

    バスで乗り合わせた小さい子の、ズボンのヒザにワッペンが貼ってある。破れめにアイロンで貼りつけたらしく、歪んでいるのもご愛敬だ。私も子供の持物にあれこれくっつけた。昔は個人情報にうるさくなかったから、文字を組み合わせて、名前を付けたりした。あるとき手芸店で、バラ売りのワッペンを買おうとすると、文字がいくつか足りない。ちょうど新学期前、誰もがアレコレ作る時期だったんだろう。店員さんに聞いたら、数日後に...

  • うわがき話。

    今日はお出かけ。友だちと観劇の予定だ。さーて 何着ようかな~楽しい衣装選びで、ゆいいつ困るのが前回何を着てったっけ…私のようにハデ好きの人間が、たまにしか会わない人と会うのに、うっかり同じ服を着ていくといつもコバルトブルーの魚模様を着てる人だなアおかしな印象を与えかねない(→いつもの話。)。安全なのは、買ったばかりの値札のついた服を着ることだが、ハデ好きと同時にビンボーな私に、いつでもできることでは...

  • はおらん話。

    ちかごろの天気予報は情報過多だと思う。気温と晴雨、それだけでいいのに、カサは折畳みにしろだの洗濯物は部屋干しだの、うじゃうじゃ生活に干渉されるとうるさいんじゃ!ほっとけ!思わずテレビに言い返してしまう、反抗期な私。そのくせ、知ってしまった情報を無視するほどの強さも持ち合わせず薄手のジャケットをお持ちくださいねお天気のお姉さんにニッコリ言われるとえ~?そうなの?つい従ってしまう、素直な私。今朝もそん...

  • おにわの話。

    先日某所で名刺交換をした。…どうもこの度は……お世話になりましてどうも…あまり無い機会なので、挨拶も動作も慣れなくて、スッとスマートに行かない。モタモタしつつ受け取った名刺を見ると、昔の同僚と同じ姓だったので、ちょっとだけ救われた気持になる。それはもう30年以上昔のこと。営業補佐の募集に応じてやってきた、彼女の主な仕事は電話応対だった。電話に出るだけが仕事なんて、今じゃ考えられないことだろうが、メール...

  • こもんの話。

    寝ぼけ眼でテレビを点けてから台所へ行き、コーヒーのフィルターをセットしていたら…のモーツァルト」の愛称で親しまれた作曲家の…えっ?ニュースの声に、慌ててテレビの前に戻ると、画面におなじみの笑顔が映って…が14日亡くなりました 93歳でした…ええ~…よりによってあんな夢(→すくーぷ話。)を見た日。最高顧問の魂が、この世を去る前に、いち関西人の夢に干渉していった、としか思えない。あらためて浪速のモーツァルト...

  • すくーぷ話。

    ナイトスクープからハガキが来た。もちろん夢である。私は、日常と地続きの、地味~な夢ばかり見る(→ささいな話。)。過去にもバスマットだの洗濯物だの、些細きわまる夢について記事にしたが、届いたハガキの文面を見てるだけ、というのも、かなりな地味加減だ。それでも夢らしくおかしなところはあって、依頼のハガキを出すならともかく、番組からハガキが来るなんて聞いたことも無い。そのハガキの曰く、4、5年前に会った大...

  • あべのの話。

    日本一ではなくなった高層ビルが、開業10周年を迎え、盛んに流れているCMではアイドルグループが元気に飛んだり跳ねたりしているが誰?7人が7人、知らない人ばかりだ。かろうじて、うっすら見覚えがあるかもしれないのがひとり、それ以外はまるきりはじめましてである。いいトシして毎日テレビを見ているのに、どういうわけだろう。キツネにつままれたようだ。それはさておき、ビルの開業はここで記事にしていた(→あべはる話...

  • だんさの話。

    暮れ方の住宅街をしばらく歩くと、駅が見えた。この路線は今、エレベーター設置やトイレの改装をやっており、この駅も工事中のブルーシートに大きく覆われている。歩道に張り出した足場を避けて車道に出たとき…”$**?%>@} #%’’<;:&…わあ!とつぜんの異音に驚いて、つまずきそうになった。何?何の音?音のした方を探したらセンサー付きのスピーカーのようなものが、何かしゃべっている。…”$*んさ…@す… ご%’’く...

  • トリニク本。

    図書館の窓口で、貸出カードの更新手続きをしていたら、年配の女性が隣にやってきた。新聞広告で見た、本を探しているらしい。その切抜きを忘れてきてしもて…大丈夫ですよ~ 何か覚えてること あったらおっしゃってみてください窓口嬢はなかなか親切である。えーと…たしか「トリニク…」?あ、お料理の本ですか?いえゴメンナサイ!「とりにくい」ですワああ 取れない脂肪をとる!みたいなやつかァ…うんうん、と内心でうなずく。...

  • ふりかけ話。

    ふりかけのゆかりと、そのファミリーについて書いた(→ゆかりの話。)ところ、百円均一で見つけたとのコメントをいただいた。私は百均で買物しても、食品コーナーを見ないので、知らないことだった。善は急げ、さっそくいつもの百円均一に行ってみたらなんと驚きのゆかりファミリー勢ぞろい。本家ゆかりに至っては、オリジナルと梅入り、2種類ある。うちの近所のダイソー すげえ!思わずパチパチ(比喩表現です)撮った写真※を、...

  • とりのこ話。

    回覧板を持って、渡り廊下を歩いていたらじゅじゅじゅるっ じゅるっ…小さいがハッキリと、鳥の声が聞こえた。足元を見回しても動くものはないので、数歩足を進めるとじゅじゅっ じゅるるっ…さっきより声が大きくなった気がする。注意して探したら、通路の脇の浅い溝の中にスズメがいて、近づくとぴょいっと先に逃げた。羽根の色がポヤポヤ柔らかいから、今年生まれたヒナらしい。植栽のどこかにある巣から、ここに飛び込んできた...

  • ゆかりの話。

    なんにもやる気の出ない日。ウッカリするとこのまま1日を終えることになるな、と思いつつソファに伸びていたらあ、そうだ アレを調べよう!いいことを思いついた。アレとはコレ↓である。昔からあって、誰でも知ってる、このふりかけ。あかり、かおりの2つが発売され、ゆかり3姉妹と称されたのが何年前になるだろう。その後、カリカリ梅のうめこが生まれたと、風のうわさで聞いていた。それが最近になってワサビがピリリと刺激...

  • けっかの話。

    月に1回の通院。かかりつけのヒカワ先生は親身ないい先生で、看護師さんも受付の奥様も、皆おっとりしていて、とても感じがいい。そんなに多くのお医者様を存じ上げているわけではないが、いい先生の医院は、スタッフもいい人が多いと思う。今日は前回の採血検査の結果が出る。先月は飲み食いで仕事の憂さ晴らしをしたため、おそらく結果はよろしくないであろうと、ユウウツだ。…さ~ん …ぢょん子さ~ん診察室から呼ばれて、おそ...

  • こなもん話。

    古い商店街を歩いていたら、ふわふわんとソースのニオイが漂ってきた。お好み焼き屋さんだ。関西人でありながら、私はオコノミ、タコヤキをほとんど食べないし、家でも作らない。子供がうちにいたころに、2、3回作ったかな?という程度である。しかし実家では、オコノミヤキといえば休日の昼食の定番であった。今のようにホットプレートなどない。母がフライパンで1枚ずつ焼き上げるオコノミを、イモートとジャンケンして、先を...

  • かくれる話。

    連休に家にいると、遅寝に二度寝、ダラダラしたあげく、結局片付けになりがちだ。今回は、衣更えから押入、玄関収納に飛び火した片づけが、最後の大物、アトリエに至った。この家に越してきてすぐ、自分の空間として確保したこの部屋は、アトリエとは名ばかりの納戸と化しているが、意地でも納戸とは呼びたくない。いずれきっと訪れるゆとりある日々、このアトリエで創作に励むのだ。そのためにもまずは整理と収納。窓を開けはなし...

  • いんかー話。

    連休も後半。買物に出たいが、大型ショッピングモールはきっと混雑しているだろう。徒歩圏内の食品スーパーなら、まだマシかもしれない。手提げ袋をブラブラ振りながら駐車場を突っ切る。みなさんお出かけかと思いきや、あんがいたくさんのクルマで、来客用駐車スペースもいっぱい。築30年以上のこのマンション、住民も高齢化している。連休にクルマでお出かけする人よりも、帰省してくる子供世代、孫世代のほうが多いのだ。赤ち...

  • えりあの話。

    洗濯物をたたみながら、テレビなんか見ている連休。…ゴールデンウィークにまだ間に合う!…間に合う!って言われても…今食べるべき!グルメベスト5!…食べるべき!って言われても、どうしようもないのは…大人気サービスエリア!それらが高速道路のサービスエリアにあるからだ。サービスエリアといえば、昔は団体旅行のトイレ休憩の場所にすぎなかった。賞味期限の長い土産物ばかりが並ぶ売店と、学食レベルのうどん。そんなサービ...

  • ごみのひ話。

    5月3日。憲法記念日よりゴミの日が先に浮かぶのは、単なる語呂合わせではなく、じっさいゴミの日だからだ。わが市は祝日もゴミ収集が来る(→やすみの話。)。祝日はお休みになる自治体もあるらしいから、来てくれるだけでありがたいが、連休中は早めに出さないと収集に遅れる。観光地という土地柄、渋滞を警戒するのだろう。ハッと気づくとまあまあな時刻だったので、準備したゴミ袋をひっつかみ、玄関を飛び出した。小走りでゴ...

  • れくちゃー話。

    連休谷間の平日。バス停はまあまあな混み具合で、並んだ私にすぐ後が続き、列が伸びてゆく。ちらりと後ろを見ると、学生っぽい若い男がスマホを手に持ち、イヤホンを耳に突っ込んで、なにやら聞いている模様。視線を前に戻し、ボンヤリとバスを待っていたら、背後に誰か近づく気配がした。割り込みにしちゃあヘンな位置なので、不審に感じて振り向くと…ここか?ここを押すんか?スマホを構えた70代後半くらいのおじいさんが、後...

  • めろでぃー話。

    ローカル線に乗換えようと降りた電車が、新しい乗客を乗せて♪ぱーぱぱ ぱーぱぱー ぱーぱ ぱぱぱー♪発車メロディーのあとドアを閉め、ホームを出て行く。賑わう駅の雑踏のなか、私は歩き出すこともせず、しばしボンヤリ立っていた。♪ぱーぱぱ ぱーぱぱー ぱーぱ ぱぱぱー♪この曲 なんだっけ?大阪の都心を環状に走る、この路線の発車メロディーは駅によって違う。沖縄からの移住者の多い駅では沖縄民謡が流れるし、軽快なポ...

  • かいたい話。

    今日は実家。マイド~!やめてよ 御用聞きじゃあるまいしいつものようにおばーちゃんにイヤがられながら、勝手口から上がりこんだ。やがて色のいいお茶が出て、人気観光地の混雑や、せっかくの旅行を雨に降られた皆さんのご様子を、母娘並んで楽しく拝見する。バスもけっこう遅れてきたよ 道 混んでるのかなアみんな物好きねえ行列と混雑がキライな一家には、どこまでも他人事である。…さてと… 帰りが混むとやだから もう帰る...

  • れとろの話。

    今日は昭和の日。生まれて成人するまで昭和に浸かって過ごした世代にとって、年号といえば昭和であって、平成だ令和だとコロコロ変わるのがなじめない。ちかごろの流行りで昭和レトロなどと聞くと、本当に遠い過去になったのだなアと思う。オシャレな雑貨店に入ったら、素朴な花や果物の模様がちりばめられた、なんだか懐かしいガラスのコップが並んでいる。かつて昭和の家庭で使われたガラスのデザインをそのままに、メーカーがリ...

  • かたづく話。

    なにもない日曜の朝。ゆっくり起きて、リビングの卓上を見たらあーあ なんじゃこりゃ…いつもなら、夕ご飯の前に片付けるから、食器を下げれば、テーブルの上には何もない。ところが昨日一昨日と、朝出かけ、夕飯も外で済ませて遅く帰る日が続いたものだから、いろんなものがウジャウジャ出しっぱなしになっている。出先で買ったものの、飲まなかった缶コーヒー。読み終わった本。歩き回って疲れた足に吹き付けた、エアーサロンパ...

  • せーらー話。

    時々通る学校の前を歩いていて、なんかヘンだなと思ったら、学生の制服が変わっている。以前はセーラー服と詰襟だったのが、男女とも軽快なブレザーになったようだ。ズボンを選んで穿いている女子がいるのも、今っぽい。私の学校も昔はセーラー服だった。みんなのは、脇のファスナーを開けてかぶって着るタイプ。でも私のは、襟の合わせ目から下がオープンファスナーで、ジャンパーのように前が全開して、羽織れるようになっている...

  • あめだま話。

    帰宅したら、1日持ち歩いたバッグを、リビングでひっくり返し、中身をドサッとあける。サイフや定期券など、明日も使うものは戻し、ゴミを捨てて、ハンカチは洗濯機に。ランドセルを背負っていた時代からの習慣だ。モノの行先があらかた決まった後に、ポツンと個包装のアメ玉がひとつ。あ そっか 今日はフクイさんと会ったんだ全国的に有名なオバチャンのアメチャン配り、実際にくれる人はあんがい少ない。かつて合唱団で歌って...

  • さしひき話。

    明け方からの雨は、家を出るときには止んでいた。ふだんは朝、降ってなければカサは持たない(→あめふり話。)ことが多いけれどついさっきまで降ってたしなア…少し迷って、折畳みのカサをバッグに入れた。バス停までは大丈夫だったが、しばらく乗っているうちに、窓にポツポツしずくがつき始めてあー やっぱ降ってきたか…駅に着いたときは小雨。駅前のバスターミナルは屋根付きなので、カサは開かず、小走りで駅構内に飛び込む。...

  • ミズヌレ本。

    読みたいと思う本、全部を買っていたら、お金がいくらあっても足りない。引っ越すたびに、スーパーよりまず図書館を探し、借りられる本は借りて読む。長く利用していると、公共図書館の予算が、おそらくジリジリ減らされていると実感される。新刊の入荷も少なくなっているし、なにより蔵書の状態が悪い。以前なら廃棄されていたようなボロい本がはー オレまだ貸し出されるの? いいかげん疲れた表情で、書棚に並び続けている。図...

  • オクッタ本。

    月日は巡り、一向に定着しないサンジョルディの日が、またやってきた。スペイン、カタルーニャ地方に起源を発する本を贈り合う日だという。以前、人に本をあげた経験はないと書いた(→ハンメン本。)が、1つだけ思い出した。それははるか昔、典型的なバブル期の会社員として、寝る間も惜しんで働いていた頃。将来の不安も、仕事への疑問も、忙しさに押し流され、ボーナスにごまかされて、感じなくなっていたある日、後輩のケイち...

  • きりよい話。

    朝の家事が終わって、よっこらしょとパソコンの前に座り、メールチェックのあとブログを開く。出かける予定が無いときの日課である。見慣れたトップページに、当たり前だが、昨日自分が書いた記事が載っている。コメント欄を見ようとスクロールする…と…アレ?引っかかりがあったものの、まずいただいたコメントを拝読して、戻ってみたらうおう!カウンターの数字が、すごいことになっている。私はクジ運が悪いので、ゾロ目とかキリ...

  • たたかう話。

    いただきまーす!景気づけに大声を出してみても夕飯のメニューがパッとしないので、卓上から注意をそらすため、テレビを点けた。なんでパッとしないかと言えば、昨日とまるで同じだからだ。ひとり暮らしの私は、2、3日分のオカズを1日1種類作りこのように食べている(→おかずの話。)。最小の努力で複数のオカズを食べようという工夫であるが、多すぎたり、足りなかったり、うまく周らないこともままある。今日は3日目でなく...

  • ねいるの話。

    テレビを点けたら、ネイルの特集をやっていた。昔はマニキュアを塗ったりもしたが、今は手先を使う仕事なので、爪は短く切ってしまう。ネイルと聞いて釘を思い浮かべてしまう者にとって、長く伸ばして、重くなるほど飾り付けた爪は、もはや想像の外である。長すぎる爪を見て、思うところはだれしも同じらしい。床に散らばった小銭を拾えるか?缶のプルトップは空けられるのか?腕時計のベルトは締められるか?すごい爪をくっつけた...

  • げいりー話。

    イテテ…にわかに差し込みをおぼえ、ご不浄に走った。衣更えは済ませたものの、寝具が冬物のままなので、夜中に暑くなって布団をはね、お腹が冷えたかもしれない。便座にオシリを委ね、自然の呼び声のなすがままの数分。ヨロヨロと扉を出て、ある人の名を呟く。ウウウ… ゲイリー トミタ…(「伝染るんです」吉田戦車著 小学館刊)謎の男、ゲイリー富田。恰幅のよい中年男性であること以外、プロフィルは不明。胃腸が丈夫な私のも...

  • まじょの話。

    あの頃私は、魔女と呼ばれていた…えらく不穏な書き出しになってしまったが、事実である。その昔、学校帰りにパフェやクレープを食べるのは、女子学生の楽しみであった。甘いもの好きな友だちいわくあそこのクレープはクリームがたっぷりよ!ここのパフェは山盛りだから 椅子から立たなきゃおいしさ=物量であるあたり、若さだなアと思う。私は今も昔も、甘いものが得意ではないうえ、小遣いがあまり潤沢ではなかった。たまに懐の...

  • だぶるの話。

    私はオバサンなので、生協をやっている。晩酌の傍らカタログを見ているとあ、スモークチーズ…ツマミによさそうなチーズを見つけた。以前買ったことがあるのとは違って、これは初めて見る商品だ。熟成やW受賞の文字が輝くパッケージに、うっすら不吉な予感がしたがま、いっか…前のと値段は同じだし、なにせビールを飲みながらなので、あまり考えもせずポチリと注文した。翌々週の配送日、届いたチーズを手にとったときあ やっぱり…...

  • てをきる話。

    今日は朝から職場で会議。ここ数年リモートで、こうして顔を合わせての打合せは本当に…久しぶりだなア…ちょっとした感慨を抱きつつ、なんだかむずがゆかったので、無意識に手の甲を掻いた。…なんですけど…あ、その件は…私が発言しようとしたときキャッ!…血!隣にいた同僚が悲鳴を上げたので、おどろいて手元に目をやるとなんでこんなとこに傷が…先ほどポリポリ掻いた箇所は、浅い切り傷だったみたいだ。ゴメンナサイと断って、と...

  • いかいか話。

    点けっぱなしのテレビで、タレントがブラブラするコーナーが終わったら、お料理に変わった。(→関西テレビ よ~いドン!)毎週旬の食材をひとつ、テーマに取り上げるコーナーである。今日の食材は…漫才コンビが画面に示した竹ざるの上には… ホタルイカで~す!桜色の小さなイカが並んでいる。ホタルイカといえば富山湾が有名であるが、じつは関西ではよく獲れて、あんがい身近な食材だ。下処理して茹でたものを買えば調理も手軽...

  • ぎざぎざ話。

    郵便局に行ったら、窓口にチラシが貼ってあった。硬貨取扱料金改定のお知らせ今まで50枚を超すとかかった手数料が無料になるなど、引下げになるという。諸式高騰の折柄、値下げとは珍しいことだ。一部の銀行で硬貨の入金に手数料が要るようになった、というニュースを最初に聞いたときはあー これで小銭貯金もなくなるな…思ったものだが、小銭を貯めたい人の気持は、意外に強かったのかもしれない。不評だった手数料を下げると...

  • かたのに話。

    このごろあんまり眠れないし、寝ても疲れが取れない。朝起きた瞬間から、肩が凝っている。季節の変わり目によくある不調だ。休むほどではないけどくたびれているのに、仕事のあと、お稽古がある。仕事にプラスになるかな?と、始めた習い事で、大雑把に例えるなら、シェフが陶芸を習ってお皿を作る、みたいなことである。月に2時間のお稽古で、できることは限られているので次のお稽古までに ○○しておいてくださいね毎回課題が出...

  • かしぱん話。

    以前テレビで見た人気ピアニストは、母親からスパルタ的音楽教育を受け、朝から晩までピアノ漬けの幼少期を過ごしたそうだ。ところが、その同じ母親が、彼に子供が生まれておばあちゃんになると子供はのびのびと育てるのがいちばん!ぬけぬけと言うので、彼もあきれてしまったという。鬼の形相で子供を叱り飛ばしていたことはすっかり忘れ、都合のいいことばかり覚えていて、母親としての自画像を描いているのである。私も母親の1...

  • もんどう話。

    朝のワイドショー。おはようございま~す!画面が切り替わったと思うと、レポーターの誰だかが、中継先のどこだかで、大声を出している。今朝はドコソコの ナントカ工場にお邪魔していま~す名物のなんだかを紹介するらしい。スタジオの ダレソレさ~ん!あ、例のアレか。テレビを見ていて、おそらく世界一ムダだと思うことはこの 大~きなタンクの中 何が入ってると思いますかァ?クイズとも言えない、謎の問答である。スタジ...

  • にっしょく話。

    経済番組を見ていたら、皆既日食の話題が出た。アメリカで観測されたのは2017年以来とか(と言われてもつい最近のような気がするが)、各地で日食フィーバーが起きている、と報じていた。ナイヤガラの滝やタイムズスクエアに集まって、お揃いの保護メガネをかけ、ヒューだのフーだの騒ぐ様子が映る。イベントや関連商品での経済効果は15億ドルにのぼるとやら、へえ~と思っているととつぜん画面上のカロリーと血糖値が跳ね上...

  • 4と9の話。

    よく買物する店の駐輪場は、前輪を突っ込んで停めると、ガチャンとロックがかかるタイプ。店の周りにずらっと並んだラックには、番号が振ってあって、ロックを解除するときは、精算機にその番号を入力する。この駐輪場では以前、精算機の故障で足止めを食った(→てんちょう話。)ことがあってひょっとして また壊れるんじゃないか毎回ちょっとビクビクで利用している。壊れたらヤダなあと思いつつ、できることといえば、少しでも...

  • あすてか話。

    花が散る前に間に合ったランチ会(→ぐるめの話。)。お勧めの店の、おいしい料理に話が弾む。…だよね~あ~ハイハイ あの角のヘンなマンションねえ?そんなのあった?あるよホラ あの、アステカ文明~!みたいな…へ?アステカ?そうそう 2段に塗り分けてあって…茶色で ギザギザで……あ~アレかァ!念のため申し添えるが、我々はメソアメリカの専門家ではない。その建築について語れ、と言われても、誰ひとりまともな答えは出せ...

  • ぼうせん話。

    帰りの電車で読む本を求めに、古書店に入る。ハードカバーは荷物になるので、店先の均一台から、文庫本を1冊選んで買った。空いた電車に乗り込んだら、端っこの席に座り、バッグを膝にのせて、本を開く…と…あっ!シマッタ…前の持主が、傍線を引いている。いつもなら必ず、ページをパラパラ繰ってから買うのに、ダストジャケットがキレイだったものだから、油断した。古書にはよくあることだけれど、知らない誰かが重要だと思って...

  • かふぇーの話。

    家族LINEになにやらオシャレげな画像が来たと思ったらねえねえこのカフェ行った?続いてイモートのメッセージが入った。見ればうちの近所だが、お店に疎い私(→ぐるめの話。)はもちろん知らなーい 流行ってんの?気のない返事をしたら知らないの?インスタ上がってるよ!チッ、またインスタか。あんなもんのせいで、地元を離れて30年、首都圏住まいのイモートが、私より私の近所に詳しくなるのだ。わが街は基本、ただのイナカ...

  • ぐるめの話。

    お花見ランチに行きましょう、ということになった。グループLINEで日時を決めたら、場所の打合せ。ピッツェリアナントカはどう?いいわね~ ランチはピザ食べ放題だしちょっと見てみたら 予約いっぱいみたい残念!じゃあドコソコカフェは?テーブルが小さいしちょっとうるさくない?あそこはビストロカントカに元いたシェフがオープンしたのよねデザートはおいしいけど…談論風発、しかし私は一言もさしはさめなかった。なにしろ...

  • こふんの話。

    週末バスが混んでた、と同僚のムラカミさんが言う。お宅はたしか、近郊の閑静な住宅地で、混雑する印象はない。なんで…あ お花見ですか?ちがうちがう アレよ…デスクにボールペンを置くと、手をクネクネ動かして見せたのでアレ?…ああ!アレ! 察しの悪い私もさすがに気がついた。ムラカミさんのおうち周辺はこんな感じ↓のよく整備された新興住宅地で、広い公園もある。その公園の一角にあるのがそう、ちかごろ注目を集めた古墳...

  • みやびな話。

    今日は週に1度の生協の配送日。届いた品物は、すぐに冷蔵庫には入れず、マットの上に並べて明細と突合する。ごくたまに足りなかったり、頼んでないものが入ったりすることもあるので、念のためだ。プリントしたお届け明細を声に出して読んでいると絹豆腐…低脂肪乳…プチトマト…あれ?鶏のモモ肉…カボチャ半分…なぜだろう、優雅な気分だ。にら…もやし…チクワ…厚揚げ…ヨーグルト…これは…温泉玉子…ささがきゴボウ…アレだな。さあ皆さ...

  • はなどき話。

    あちこちで、遅い花の便り。はやく換えなきゃ、と思いつつ、つい無精して冬物の寝具で寝てしまった日の明け方、長い夢で目を覚ました。私は、修学旅行で宿にいる。なにしろ夢だから、自分が生徒だか先生だか、どこの場所なのかもわからない。とにかく出発時刻が迫っていて、荷造りしなければならないのに、なぜか部屋はがらんどうで私の荷物はどこ?焦って探し回るとカギのかかった部屋の前に出た。カギがかかっていて入れないのに...

  • いつわる話。

    思いつきで参加した、地元のバスツアー(→つあーの話。)。車内を見回せば、3、4人連れのお友達同士が多いが、ぽつぽつとひとり旅らしき人もいた。午前中は古墳巡り。スマホ手に手に賑やかに写真を撮り合うグループ客のあいだを、ひとり客はそれぞれ、フワフワと漂うように回遊している。私もまた、人だかりを避け、見たいところだけ見て楽しんだ。やがて集合時間、再びバスに乗り込んで、昼食場所へ。団体客向けの広い会場には...

ブログリーダー」を活用して、ぢょん・でんばあさんをフォローしませんか?

ハンドル名
ぢょん・でんばあさん
ブログタイトル
okkanabikkuring
フォロー
okkanabikkuring

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用