メインカテゴリーを選択しなおす
「どっちにしても、不吉なんでしょ?」 帽子屋の顔を見ているうちに、アキはこんな話はこれでやめよう…と、思い直す。「不吉だって? 不吉なんてものじゃない…きっと…
「バンシー?」「なによ、それ」 アキとカガリは、聞きなれない名前を聞いて、けげんな顔をする。「えっ?バンシーだよ!知らないの?」え~っ、ウソだろ?帽子屋は、大…
はぁ~あからさまに、帽子屋がため息をつく。「そんなことをすると、思うか?」 心外だなぁ~大げさに肩を落としてみせると、帽子屋はクルリと再びこちらを向く。えっ…
「ちょっと、帽子屋さん!帰ったんじゃあなかったの?」 ドサクサにまぎれて、白いオオカミのリルと、帰ったのか…と思っていた。「なぁ~に、言っているんだよぉ」 心…
「あら、可愛いお嬢さん! どうしたの? ずいぶん、震えているんじゃあないの…」 透き通った声が、二人の耳に届く。だが、こんな水たまりから、人が現れるなんて、到…
一瞬、誰かがこちらをのぞいているのか、と思う。(いや、いや、ただの水たまりよ! そんな所から、のぞけるはずがない)そう思った瞬間、アキはハッと我に返り、「だ…
「あの…さっきのクラゲは?」 おずおずと、カガリがルークに尋ねる。「あぁ~」そういえば…無数に浮かんでいた、あのヒラヒラとした電気クラゲの姿が見えない。「さぁ…
「驚いたなぁ」 ルークは、アキとカガリの顔をじぃっと見つめる。「何がですか?」アキとカガリは、キョトンとするけれど…「ねぇ、その鏡、どうしたの?」珍しそうに、…
タラリ…緑色の汁は粘着質で、長く糸を引いて、アキの手にしたたり落ちる。粘り気のある汁が、アキの手にかかると…黒ずんだ皮膚に、その汁がコーティングするようにし…
さすがに、新たに葉を茂らせたりはしていないようなのだが…確かにしっかりと岩に張り付いて、ツルを伸ばしているものが、思ったよりもある。(へぇ~あんなに、爆発が…
「ねぇ、アキちゃんがクラゲに刺されたの。 どうしたらいいか、わかる?」 もしかしたら、ユー子さんなら、何か知っているかもしれない…そう期待したのだ。「そうねぇ…
「あ~なんか、電波が悪いみたい」「電波?」 何を言っているの?思わずアキは、クスリと笑う。もちろん、カガリもだ。「そりゃあ、そうよぉ~ だって、ここは…地下だ…
「吸血鬼?吸血クラゲ?」 なによ、それ…そんなの、聞いたことがない…とカガリは思う。笑い飛ばそうとしたけれど…ルークの真剣なまなざしとぶつかる。「あれに刺され…
「あれかぁ~」 はぁはぁと、荒い息をしているアキを見る。「あれは、ブラドだな」ルークは、ポンとそう言う。「ブラド?」なんなの、それ!聞き覚えのない名前に、カガ…
こんな所に、クラゲが?だがここは、海の中ではない。ただの城の中だ。しかも地上よりも、遥か上の方に位置している。何だかすっかり、自分のいる場所がどこなのか…わ…
「ケサランパサラン?」 何よ、それ…思わずアキがつぶやく。光の波紋のようなものが、フワリとさざ波のように広がっている。「何だろうなぁ」ボンヤリと見ていると、そ…
「それって…魔物?」 それには、ルークは答えない。ピリピリ…アキは、何か異変を感じる。(なに?気のせい?)きっと、さっきから無意識に、怖い怖いと思っているから…
「えぇ~」「使えないのぉ?」 どういうことよ、とカガリが声を張り上げる。「壊れる…なんてこと、あるの?」それでもあきらめきれずに、責めるように言う。そんなこと…
「うわっ」 ビックリして、カガリは鏡から目をそらす。一瞬、その目玉と目があったような気がしたのだ。「なに?ユーレイ?それとも…化け物?」そういえば、二人が今い…
「何よぉ~ホント、使えないわねぇ」 普段はおとなしいカガリが、珍しく悪態をついている。「あっ」鏡がのぞき込んでいたアキが、思わず声をもらす。「ねぇ、カガリちゃ…
「それは…やっぱり、地道に探すしかないだろうねぇ」 あまりに漠然としていて、何を探せばいいのか、わからないのだが…アキはたった一つの自分の切り札を、じぃっと見…
だがアキとしては、まだ疑っている。(本当にあれが、魔王の心臓だったのだろうか)それにしては、あまりにも呆気なかったのではないか…と思う。もしもホンモノの魔王…
一瞬、爆発するか…と思いきや、真っ白な閃光に包まれて、辺りが何も見えなくなった。シュウシュウと白い煙が、例の岩から立ち上っている。アキとカガリは、じぃっと身…
「さぁ、今のうちに早く!」 ティンカーベルが、ショータたちに向かって叫ぶ。「こっちよ!」先導するようにして、ダークレディのいる反対側に向かって突き進んでいく。…
「行こう」 ユウジが、ショータを引きはがすようにして、うながす。ショータはまだ、ナイトのことが気がかりだったけれど、おとなしくそれに従う。ペガサスは何事もなか…
切っても、ダメ。風で吹き飛ばすのも…おそらくはダメだ。(だったら、どうしたらいいんだ?)ショータは、頭を悩ませる。燃やす?それとも、水をかける?ドロならば……
「ヤバイ!キミたち…逃げろ!」 ナイトの声が響いた。逃げる?そうか…そのために、ティンカーベルが来てくれたのか?ショータは、ユウジの腕を引っ張る。「ナイトは?…
(いつまで、こうやっていればいいんだ?) 同じくユウジも、顔を引きつらせて、じぃっと息をこらしている。(ダークレディの気を、よそにそらせないものだろうか?)こ…
(あれが…?) まさか、魔王なのか?そう思って、ショータが見ていると…「いや、あれは、魔王ではない」ショータの心を読むように、ナイトがコソッとささやいてくる。…
「あっ」 何をしたんだ?さすがにこれは、ただごとではない…と、ナイトが戸惑った顔をする。その代わり、例の黒い人型の動きが、ピタッと止まる。気味が悪いくらいに、…
ナイトのマントのすき間から、ヒュルヒュルと、次から次へと黒い人型のようなものが、湧き出てくるのが見える。(あれは、なんだ?)だが…ショータにも、魔の者である…
「なんだ?」 まるでなだれのように、こちらに向かって、黒いドロリとした液体がブクブクと盛り上がり、次第に大きくなってくる。「あれは…ダークレディだ」ナイトがボ…
(今度は、なんだ?) ショータもユウジも黙り込んで、顔をこわばらせる。ピキッ ピキッ ピキッ ピキッ岩がひび割れるような、音がする。(どこから聞こえるんだ?)…
「あの光は、力のほんの一部だ。 これには、無限の可能性があるんだ」 ナイトが興奮の面持ちでそう言う。へぇ~これがそんなに、スゴイのか?ショータがしげしげと、そ…
「そうなの?」 なんだ、消したわけじゃあないんだ…何だかホッとしたような、物足りないような気分だ。「そうだ、カメ!」思い出したように、ショータが言う。グリンが…
夢中でショータとユウジは、その場で身体を縮める。洞窟が破壊されたら、危険なのではないか…と思ったけれども。白い閃光が、ぱぁ~っと洞窟内を走ると、目が開けられ…
「なんだって?」 グリンはすぐに、部屋の隅に向かう。(あ~あ、このオシャベリ!)ショータは、ユウジをにらみつける。 だがグリンは、部屋の中をグルグルと飛び回っ…
「ねぇ、これって、ホンモノ?」 しゃがみ込んだユウジが、思わずさわろうとする。「さわるな!呪われるぞ」さっきとは全く違う、鋭い声がかかる。一瞬、だれ?と思うけ…
「もしかして…あなたが死神?」 無邪気な声で、ユウジが尋ねる。これには、ショータも呆れてしまう。(おいおい、いきなり…そのものズバリを聞くんだなぁ)物事には、…
ペガサスは迷うこともなく、この白い道をたどって行く。ただわかるのは…どんどん最上階に向かって、進んでいるらしい…ということだけだ。そこに何があるのか、わから…
「えっ、魔王?」「死神じゃあないのか?」「あっ、それはまだ、わからないけどな」「なんだ、わからないのか」 心なしか、ナイトの表情が険しい。(いよいよ、黒幕の登…
「えっ?」「えぇ~っ」 まるで魔法のように、白い光の粒が集まって、白くて長い道が新たに現れた。それはさっきまでの、洞窟のような場所とは違い…まっすぐに、時計の…
「何をするんだ」 ショータが腕を、振り上げようとする。だがナイトは、スッと杖を二人に向けると「手荒な真似をして、すまない」そのまま、見えない手で、ペガサスに乗…
「そうだったのかぁ」 ナイトは、ショータとユウジの顔を交互に見比べて、うなづいている。「やっぱり、ボクのにらんだ通りだな」思わせぶりなことを言う。「それって、…
「翼のある者?」 そういえば…そんなことを、誰かが言っていた記憶がある。「それって…ティンカーベルのこと?」そういえば、ピーターパンとティンカーベルは、どこか…
「これをさわったら…何か教えてくれたりする?」 そう言いながら、ためしにそのリングに手を触れる。すると…ポワンと、白い光を帯びると、熱を持ち始める。「えっ?な…
だが、点滅は相変わらず、さっきとは変化がない。「どういうこと?」即座に問い詰めるショータに向かい、「おそらく、魔の者の手に落ちた時に、その印は薄くなって 見…
ナイトがその輪の真ん中をさわると、カチッと輪っかが開く。「ほら、こうして、腕にはめてごらん」ショータの手を取ると、カチンと右腕にはめる。「うわぁ~ブレスレッ…
「別の印?」「別の印って、どんな印だ?」 ショータとユウジは、ナイトに疑いのまなざしを向ける。「そんなのは…見かけなかったよ」「そうだ」どんな印かは知らないけ…
「えっ、どうして?」 ショータもユウジも、まるで知らない人を見るような目つきで、ナイトを見つめる。その顔には、不安と不信感がないまぜに浮かんでいる。 確かにナ…