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「アリスの世界が、ここまで続いているのかしら?」 アキもカガリに、話を合わせる。「じゃあ、あのイモムシさんみたいなのも、会えるのかしら?」まるで、ピクニックに…
深い森の中で、ポツンポツンと、光の玉が浮かんでいる。「あれ、なぁに?ホタル?」重苦しい空気を変えようと、カガリがわざと明るい口調で話しかける。「ホタルじゃな…
「だとしたら…かなり、手ごわい相手だろうなぁ」 あくまでも冷静な顔付きで、ショータがボソリと言う。「じゃあ、まさか…」「お化けカボチャに襲われるの?」アキとカ…
「ケイタのがない…」「また?」 ショータの手元を、ユウジがのぞき込む。「ねぇ、それって、どういうこと?」アキもつられて、のぞき込む。「うーん、よくわからないけ…
「何があっても、知らないぞ」 ボソッと、ナイトがつぶやく。「それを守るのが…我々の仕事だろ?」ルークは、クローバーのマークを指し示す。「あ~あ」ナイトはため息…
それは…これまでとは違い、とても古びたアンティーク調の扉だ。「これ?」さっきとは、どこか…雰囲気が違う。かなり年季の入ったしろものだ。「そうだ」トンと、ナイ…
「はっ?何を言っているの?」 思わずアキの声が、大きくなる。「そんなの…答えるまでもないじゃない」アキが、さらに大きな声を上げる。「ちょっと、アキちゃん、落ち…
(もう、ナイトってば!) カガリは、舌打ちをしたい気分になる。せっかく気を取り直したアキも、再び「あぁ~」と頭をかかえる。「じゃあ…ケイタは、あのまんまなの?…
さっきまで、炎に包まれていたのが、ウソみたいだ。ドア一つ隔てた向こうは…どうなっているのだろう? オレンジ色の光に照らし出されて、SFチックな廊下が、まっす…
「でも…」 そんな二人の会話に、アキが割って入ってくる。「私たちだって…クローバーじゃないのに、あそこを出入りしたのよ。 ということは…ほかの人が入るのも、可…
「ここは?」 さっきとは一転して、静けさに包まれている。「これって…お城の中?」「まさか!城はどこも…大混乱しているだろ?」アキとカガリに向かって、ナイトは子…
「こっちだ!」 棒を振りまわして、ナイトが部屋に飛び込んで来る。「早く!早くしろ!」ルークの声が響いて…四人は転がるようにして駆け出す。 炎は床をなめつくし…
「えっ」 思わずアキは、ピタッと立ち止まる。「アキちゃん、ダメよ!だまされたら」カガリは、アキの反対側の腕を引っ張る。「えっ、でも…」ケイタは?女王の言うこと…
さらに女王が、トンとつま先で、床をたたく。すると氷の結晶が、床にジワジワと広がっていく。「まずい!」ショータが声を上げた瞬間、ぱぁ~っとオレンジ色の光が、自…
「あぁら、何を怖がっているの? 私はそんなに…おっかなくなるわよ。 どう?優しいでしょ?」 ふふふ…キンと響く声で、女王は笑う。だが、目は笑ってはいない。その…
あの女王に、何をされるか、わからないだろう…そう言われてしまうと、さすがのユウジも「うーん」とうなってしまう。「私たち…一度しか、会っていないけど… やけに…
「えっ?なんで?」「さぁ、わからない」 そもそも発信機って、ついたり消えたりするようなものだろうか?三人には、やはりわからない。「もしかして、何か障害があると…
「ねぇ、この馬は、どうしたの?」 ようやく、ハッと気づいたように、アキが聞く。「ペガサス?」「でも、色が違うわ」アキとカガリが言い合うのを、ショータとユウジは…
「まさか…また、女王に連れて行かれたの?」 そういえば…氷の女王の姿が、どこにも見えない。「しまった!逃げられたかぁ~」油断もすきもあったもんじゃあない。アキ…
「やったぁ~!」 アキがはしゃいで、ピョンピョンと跳ねるのを見ると…カガリも思わず、万歳をしたくなる。鉄格子を、枠ごとゴトッと外す…という暴挙をやり遂げたので…
「あっ」「うそっ」 アキとショータとユウジが、そろって声を張り上げる。「カガリちゃんも、手伝って!」アキは、後ろを振り返る。「いっせぇ~のぉ~せっ!」ドン!二…
ここにはベッドがないので、シーツもない。窓はあるけれど、はめごろしで、カーテンはついてはいない。するといきなりアキが、ガン!と鉄格子を蹴る。「ちょっと、アキ…
「アキちゃん、大丈夫か?」 ショータが駆け寄ると、小さな穴蔵のようなところに、閉じ込められている二人を見つけた。「ショータ!よくわかったねぇ」嬉しそうに、アキ…
「アキちゃん!どこにいるの?大丈夫か?」 今度ははっきりと、ショータの声が聞こえる。「ほら、聞こえる?」カガリの方を振り向く。「ここよ、ここ! 私は、ここにい…
何しろ自分たちは、鉄格子にはばまれている。ケイタは、今は自分たちの味方とは、なり得ない…(ワナにはめられたら、どうしよう?)ケイタに、そんな悪知恵が働くのだ…
「なに?何があったの?」 アキはどうにかして、鉄格子を叩き壊そう…と頑張っているのだが、一旦あきらめる。カガリは愕然として、力が抜けていたけれど、それでもフッ…
「そんなに騒いでいたら、疲れるだけだぞぉ」 冷ややかにそう言うと、ケイタは面倒臭そうに、プィッとソッポを向く。(ケイタ…心まで、女王に乗っ取られたの?)アキは…
(ショータは、あんなことを言うけど、いくらアキでも… それは、ムリだろ) ひそかにユウジは、そう思っている。ケイタならばいざ知らず…さすがにアキに、そんなこと…
いつもよりも強い力で、アキとカガリは引きずられ、薄暗い一角に連れて行かれる。「あなたたちも、ケイタを見習って、おとなしくなったら、ここから 出してあげること…
「さぁ、この子たちを…あの部屋に連れて行くのよ」 さらに氷の女王は、ケイタに向かって命令する。ケイタは無言でうなづくと、アキの手をグッとつかむ。「えっ、なに?…
「いや…それは…」 いつもの威勢のいいケイタは、どこに行ったのだろう?やけにオドオドとして、チラチラとアキとカガリに目を向ける。「なら…わかるわね? あなたが…
「えっ?」 いきなり三人が、自分に注目するので、ケイタは戸惑う。「ねぇ、どうなの?ケイタ! ちょっと、言ってやってよ!」アキはケイタに向かって、声を張り上げる…
「ふぅーん」 ニヤニヤしながら、女王はアキとカガリを見比べている。「最近の女の子は、ずいぶん勇敢なのねぇ」歌うようにそう言うと、すぐにキッとした表情になる。「…
「あら!あなたは、私と一緒に、ここで面白楽しく、過ごすつもり なんじゃぁなかったの?」 いきなり、リンと高く響く声が聞こえてくる。「あっ?」「えっ?」 まさか…
ジワジワと、足元に水が溜まっているのが見える。「えっ?」カガリは、パッと手を放す。ピシッピシッピシッ…何かがきしむ音がする。「なに?これって、まさか…氷が溶…
ゴン!鈍い音がした。「アキちゃん!」悲鳴を上げて、カガリはアキに駆け寄る。さすがに、バツが悪くなったのか…ケイタはフンと、ソッポを向く。「この女が、いきなり…
「お前もだ」 ケイタは、カガリの方を向いて言う。アキは怒りのあまり、プルプルと肩を震わせている。カガリは泣きそうな顔をして、アキとケイタを見比べる。「ねぇ~ケ…
「ねぇ、ケイタはここで、何をしているの?」 こんなおとなしいケイタは、見たことがない。何かの間違いよね?気を取り直して、アキはケイタの前にしゃがみ込む。だがケ…
コンコンコン…思い切って、アキはノックする。だが、返事が返ってくるわけではない。チラリと、カガリと目を見合わせると、扉に手をかける。ヒンヤリとした金属の感触…
「そうよねぇ」 また、何が起きるかわからない。「確かに、カガリちゃんの言う通りかも」アキは、ニコッと微笑む。「ありがと、カガリちゃん」 渡り廊下を進み切る…
「えっ?言葉がわかるのかなぁ」 ショータ、適当に言わないで、真面目に答えてくれよぉ~ユウジは、困った顔をする。それでも思い切って、馬に向かってペコリと頭を下げ…
「まさか…ルークか?」 そういえば、どさくさに紛れて、見失ってしまっていた。だが、どうもそれとは、様子が違う。「いや、ペガサスじゃない?」植え込みから、目だけ…
「これ…役に立ったかなぁ?」 ナイトから受け取ったものを、ポケットから取り出す。「なに?」興味津々で、ユウジはのぞき込む。「危ない!」 あわててショータは、ユ…
「そうだ」 思い立って、ショータは懐中時計の蓋をあける。ピコンピコンピコン…赤い点が、点滅しながら移動している。「もしかして…アキたちは、これか?」同じ動きを…
「みんなとはぐれちゃったねぇ」 大丈夫かなぁ?急に心細くなる。「まぁ、とにかく…この塔に行くしかないみたいね」 すっかり回廊は、溶け落ちてしまった。さっきまで…
「うそぉ~」 どうするのよぉ!「もう、後戻りが出来ないじゃない!」思わずアキが叫ぶ。だが、カガリは平然としている。(平気なの?カガリちゃん!)思わずアキは、そ…
アキはグィッと、鳥に向かって、それを向ける。鳥の動きが、ピタッと止まる。アキは鏡をしっかりと握り締めると、さらに光を反射させる。まばゆい光が、氷の鳥にも、光…
何かが、おかしい?思えばここに来てから、ずっとおかしいと言えば、おかしいのだ。「だって、仕方がないでしょ? ユキは、私たちと違って、サッサと歩けるんだから」…
やけにツルツルとすべる階段を、這うようにして、アキとカガリは進む。(なんで、こんな所をわざわざ通るのだろう…)疑問ではあるけれど。どこに行ったら正解なのか、…
カフは軽やかに、ピョンピョンとワラの上に飛び乗ると、無造作に山を崩していく。「おい、真面目に答えろよ!」「ちょっと!きれいに積んであったのに!」ショータとユ…