倭寇に参加した根来行人たち~その⑫ 史上最大の倭寇船団を率いた男・徐海と、日本人倭寇たち(中)
暴風でいきなりケチがついたとはいえ、依然もの凄い数である。何しろ最終的に浙江省を中心に暴れまわった倭寇の数は、2万と伝えられているのだ。いちどきに出航したわけではなく、幾つもの船団に別れ、三々五々日本を発ったので嵐に遭わずに済んだ船団もいたのだろう。また日本から来襲した数よりも、現地で蜂起した数の方が多かったはずだ。 既に大陸入りをしており、各地で越冬していた倭寇たちもいた。沙上では、正月早々から倭寇居留地を攻めてきた官軍と戦いこれに大勝、1000人余りの官兵を殺している。これらは日本から襲来してくる略奪船団と呼応する形で、3月には分散して各地で略奪行為を始めるのだ。 日本からの船団は、五月雨…
2022/09/13 11:05