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何故に白河に、印地の党ができたのだろうか?実はよく分かっていない。以下は個人的な見解になるのだが、白河には平安期、法勝寺を代表とする六勝寺が建てられていた。200年余りで廃れてしまい、今は跡形も残っていないが、白河期に建てられたこれらの寺は、国王の氏寺としての位置づけで格式も高かった。こうした白河の地に、神人を母体とする印地打ちたちが生まれたのは必然であったのかもしれない。 では、彼らは何をして食べていたのか?これもよく分かっていない。当然、白河には田畑があり、農民たちが住んでいた。だがこれら「きちんとした」自営の農民たちが、印地の党を形成していたとは思えない。本百姓や脇百姓ではない、下人層だ…
上杉本「洛中洛外図」において、御所はどのように描かれているのか?どうやらここでは正月の風景を描いているらしく、前庭において元日節会の行事である舞楽が行われている様子を見ることができる。そしてこの庭には、真っ白な砂が敷き詰められているのが分かる。江戸時代の文献には「この白砂は白川の源流、白川山の石を細かく砕いて砂としたものを使った」とある。 上杉本「洛中洛外図」より。禁裏の御庭には、目にも鮮やかな白い砂が敷き詰められているのが分かる。 瀬田勝哉氏はその著書「洛中洛外の群像」の中で、甲子園の砂のように、御下がりの禁裏の白砂が尊いものとして、京土産に使用された例を紹介している(その白砂は結局、偽物だ…
1巻「京の印地打ち」の表紙絵を変えようとしています。以前にお願いしていた絵師さんは、もう描かなくなったとのことで、1巻の表紙絵を2巻に描いていただいた「珍飯」さんに、お願いし直しているところです。 利用したのは、SUKIMAという仲介サービスです。ここに絵師さんが作品を並べているので、自分の世界観にあった絵柄を選んで申し込む。納期や料金などの条件が折り合えば、取引成立です。便利な時代になったものですね。 お願いした珍飯さんは、なんとプロの漫画家さんでもあります。空廼カイリさんという名義で、何作も作品を描かれています。こちらの希望や意図をくみ取って、想像以上の構図を提示してきます。さすがはプロで…
1巻のラフから、下書きが上がりました。とても難しい構図だと思うのですが、見事なものです。自分には絵心が全くないので、こんなに上手に絵を描ける人を、純粋に尊敬してしまいます。 次郎の斜め下に少年が座っていて、そこから見上げている視点になります。 動きに合わせて、はためく着物の袖や裾の感じが、素晴らしくないですか?ただ袖や裾がやや重たく感じたので、短めにしていただき、また珍飯さんの提案で次郎に襷をかけることにしました。直していただいたのが、下の画像です。 小袖の裾を短くしてもらったので、次郎の膝頭が出ています。また襷かけしているので、裾が捲れて二の腕が見えています。 袖の動きがなくなってしまったの…
著作について~その④ 1巻の表紙を変える・完成しました! & 1巻と2巻を期間限定で0円で配布します!
遂に完成しました!根来戦記第1巻、「京の印地打ち」の新バージョンの表紙になります! 本文中にある、1シーンを再現してもらいました。5月5日の「節句の向かい礫」で次郎ら六条印地衆が、悪名高い白河印地衆と礫の打ち合いをしている場面になります。次郎が狙っているのは川向うの対岸にいる、スタッフスリングを持つ白河印地衆の群れです。次郎の動き如何で、仲間の命が助かるかどうか、という緊迫感のある場面です。なので次郎の顔も、お祭りらしからぬ緊迫感のある顔つきになっています。 躍動感のある、とても素晴らしい表紙絵になりました。頭の中にあるぼんやりとした形を、実際のものとして造形して表現できる、というのは凄いです…