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月、火に雨が降るパターンが続く。そこへ、金土あたりに雨が降ると、一週間たいしたことができない。4月はそれが続いて、半分は畑仕事ができない。家やビニールトンネルの中で、連休用の苗作り。かなり溜まってきて置き場がなくなってきた。苗の中にひとき可愛く咲くのはイワカラ草。30年ほど前に山野草に凝ったときがあって、その時に買った花。アルプス原産だが、30年も作っていると、もはや南河内産。地面に広がった葉から花茎が出て草の姿勢が、ハイジ―のようにけなげな花だ。だが、去年の暑さで枯れてしまって、一つ残った貴重な株。なんとか種を採取して、地植えにして、来年は一面に咲かすのが楽しみ。今日は、夜に雨が降ったので昼から畑へ。庭のツツジを挿し木して植えたのが咲きだした。畑も我が家のようなものだから彩ってやらなければ……。春になり...畑145/日々是好日
夜に雨が降ったので畑活は中止。トウモロコシをポットに、百日草とシシトウをセルに蒔いて保温。今日はこれだけにして、久々に遠足(相方とドライブ)。よく行く和歌山県橋本市のやっちょん広場(産直市場)へ。おめあては鮮度が命のタケノコ。以前は、京都の山城まで買いに行ってたが、最近は直売所があちこちに出来たので楽になった。わざわざ和歌山まで行くのは生産者が多いから安い。写真の量を買って、家に帰ってすぐに湯がいて冷凍しておく。もうひとつのお目当ては、悦っちゃんの手作り弁当。普通のフードパックに、年寄り向きのおかずが10種類ほど詰まっている。二年ほど前は420円、それが去年に440円になった。それが今回は470円に……悦っちゃんも苦労してるんやなあ……。車で15分ほどの道の駅九度山へ行き、テラスでしみじみと頂く。高野豆腐...茶話137/藤の花
18日農業関係の役員をしている市の総会に出席。それを受けて、20日に自分が町内の中の組織で召集する総会を開催するので朝からその準備。一度に二つの役員長を引き受けたから、頭が混んがらがる。だが、役を頼まれたら「はいはい、ええよ!」で出来るだけ断らない。「役」をしている間は、余計な「厄」は来ないのだと思い込んでいる。厄介な性分だと自分で解っているから「辛どい」は絶対に言わない。言うと厄介な厄が舞い込んでくるから。★総会と名のつく集まりは、どうも、堅っ苦しい。式次第通りに、とにかく無事に安全にが第一目的なのだろう。すぐに帰るような来賓が出てきて挨拶が続く。「一言ずつご挨拶をお願いしす」でいい。「議長選任、どうしましょう」で「一任!」の声、「では〇〇さんに」。最初から「〇〇さんにお願いしました」でいい。事業報告や...畑144/総会
薄曇りに加えて黄砂の影響で山々はぼんやりしている。見ているだけで、こっちの頭もぼんやりしてくる。こんなときは、畑仕事を早々にきりあげて帰宅。スイカ・ナンキン・メロン・ゴーヤ・キュウリの種まきをする。発芽適温は25~30度だからヒーターで保温する。うまくいけば4日前後で芽が出る予定だ。すべて固定種で、去年に自家採種したものだから費用は0円。芽が出なくても諦めがつく。現在、種を採るために畑においているのは野沢菜。浪花の伝統野菜の天王寺蕪を信州に持っていったものだから固定種。風で倒れてしまったが、大きな蕪が付いているから枯れずに元気だ。実もずいぶんと大きくなってきた。もう一つ背の高さほどなのがカツオ菜。アミノ酸が豊富に含まれていてかつお節と似た風味がする。福岡の伝統野菜で、博多っ子は「勝男」と縁起をかついで雑煮...畑143/多様性の尊重
昨日の4月16日は春の土用の入り。夏の土用がよく知られているが、春夏秋冬それぞれの季節の替わり目に18日間の土用がある。今年の春の土用は、4月16日(火)~5月4日(土)で、5月5日(日)が立夏になる。それもあって、昨日は夏野菜の苗づくりのために、ビニールトンネルの中の整理をした。さて、今日は、まず、ヒーターで芽を出させたピーマン・ししとう・トウガラシの植え替え。まだ本葉が出たばかりで、しばらくはトンネルの中で育苗する。ほんとを言うと、土用の期間中は「土公神(どこうしん)」という土の神様が支配しているので、土を動かしてはいけないと言われている。土いじりや種まき、草刈りや畝立て、地鎮祭や建築の基礎工事などはしてならないのだ。しかし、それを守っていたら何にも出来なくなる。そこで、農家や建築業では土公神をお祀り...畑142/他力
連休がくれば畑活が本格化する。気温が落ちつき、ビニールを掛けて保温する必要がなくなる。邪魔くさいことはしないグウタラ百姓には、うってつけの季節になる。苗は買わないと決めているので、苗を育てるビニールトンネルの中の整理。三月の上旬に、ヒーターを使って植えたトマトとナスとブロッコリはすでに大きくなっている。捨て苗を植えた絹さやはそろそろ食べごろだ。今夜の酒のアテは絹さやの卵とじにするか。雨除けにしまっていた余計な物を外に出して草抜き。暖かかったのか草は茂って、そろそろ種をつけかけている。隅っこに生えた露草を放ったらかしにしといたのが、種を落としてあちこちから芽を出している。コバルトブルーの露草の花は美しい。ヨーロッパの貴族が愛したラビズラズリーの青にちかくて心が落ち着く。ニ、三株を深めに掘り上げてポットに植え...畑141/春の日
ここんとこスマホの迷惑メールでうんざりしている。拒否リストに入れて受信拒否したところで、相手はメールアドレスを変えてくるだろう。それに、文字化けメールがほとんどで手の打ちようがない。一日の始まりは迷惑メールを「迷惑フォルダー」に移動することから始まっていた。その一仕事を終えて、いっそのこと、メールアドレスを変えようかと思う。ラインがほとんどで、eメールにはたいしたものは入ってこない。いやいや、待て待て、何かいい手があるはずだ。メールの設定をいじっていたら、「メール自動受信」とやらがONになっている。なるほど、そうか、メールを受信しなければいいのだ。ブチ!OFF!いい天気なのに、午前中はスマホにかかりっきり。スパムとキャベツのオイルパスタを食べた後の昼からのスマホは静かなものだ。そりゃそうだ、メールを止めた...畑140/迷惑でんがな!
四月、新年度、今月は、組織やグループの〇〇総会が五つある。そのうちの一つは自分自身が長をしているので、その準備でブログはとんとご無沙汰。開催案内を配って、資料の準備もようやくできたので、さて、畑に出るとするか。と思いきや、菜種梅雨。昨日は80mmというかなりまとまった雨。それを見込んで一昨日は慌てて一日畑活。まず、里芋を掘り起こすと芽も根も出ているので慌てて一畝たてて定植。人参と大根の種を蒔く。さして、最後はニラの株分け。ニラは中国原産で、もとは山草。伎波都久(=地名)の丘のくくみら我れ摘めど籠(こ)にも満たなふ背(せ)なと摘まさね/万葉集(東歌)【「きはつくの丘のくくみらを摘んでたんだけどさあ、一人じゃなかなかカゴにいっぱいにならないのよ」。「じゃあ、愛するあの人と一緒に摘みなさいよ!」】会話形式の民謡...畑138/新年度
岡山の旅は四日のうち三日が雨。帰ってからも雨続き。畑活したいが閉店がらがら休業状態。うらやましげに空見上げても今にも降りそな空模様。降りそでもこっちは振る袖もなき年金暮らし。まま食うままもままならぬ身。朝起きると今日もやはり雨。さて、どうしよう。月に一度の掛かりつけ医に行って、血圧計って、薬局に行って薬をもらって帰宅。さて、どうしよう。そうだ。去年、近くの河川敷にモヂズリが咲いているのを見つけた。あれを採って来て植えよう。ちょうど雨も止んでいる。おおよその場所の目星はつけてある。スコップとバケツを持って河川敷へ。確かこの辺りだとうろうろする。あったあった!おお、こっちにも!都合六株。持って帰って、植木鉢を探して植えてやる。陸奥(みちのく)のしのぶもぢずり誰(たれ)ゆゑに乱れそめにしわれならなくに/河原左大...茶話135/野の花
戦後すぐに建てられたかと思われる碍子(がいし=電気の絶縁線)むき出しの座敷に、厚手の布団を敷いてもらって備前国の旅寝の一夜目。ネコかイタチかの天井這いまわる音で一人寝の寂しさをまぎらわし、翌朝は各戸に引かれた防災無線のけたたましい音楽で嫌でも目を覚ます。パジャマのまま外に出ると春霞(かすみ)が立ち込めている。夕べの酒宴の残りのコロッケとコーヒーという妙な組み合わせの朝食をとりつつ、旧友が言うには、霞ではなく霧で、こんな日は天気が良いのだと言う。その言葉通り、霧が引き出すと陽も長閑に顔を出す。さて、今日こそは一宿一飯の恩義に報いる日と、ゴムの長靴ゴム手袋に身をかため、のこぎり鎌に草刈り鎌、備前小早川家の違い鎌、作州出身は宮本武蔵の二天一流の鎌使いで、ばったばったと草を抜く。緑満ちたる雑草の中に咲く何やらゆか...茶話132/老いの小文⑤
備前の国に旅するのは、去年の春を初めとして今春で四たびになる。昼前に旧友の愛車に便乗して大阪を出発する。時折り降る雨の中を神戸に入ると小雪にかわる寒さ。明石、姫路、相生を抜けると風景は一変し、山あいの平野を縫うようにして走り、山陽道の要所、播磨国と備前国を隔てる船坂峠にいたる。鎌倉幕府を倒さんとして隠岐に流罪される後醍醐天皇を奪回せんと、備前の児島高徳(たかのり)が一族郎党二百余騎をしたがえて天皇護送団を待ち伏せした地である。しかし、移動ルートを見誤り、天皇救出の義挙は失敗に終わる。春しぐれ義挙空拳をいかんせんその後、高徳は天皇一行を播磨・美作の国境の杉坂まで追うのだが、天皇一行は既に津山へ達しており、完全な作戦失敗となって軍勢は雲散霧消してしまう。しかし、高徳は天皇の奪還を諦めず、夜になって天皇の宿舎に...茶話131/老いの小文④
先週は少し暖かだったので一週間休みなしの畑活。畑一面をびっしりと覆った冬草の草抜き。そろそろ花を咲かせようとしているから、今抜いておかないとたいへんなことになる。五月に落花生を植える予定の場(1/4)と畑の周りは除草剤に頼ってしまった。体も本調子ではないから、気持ちがずいぶんと楽になる。畑でストレスは感じたくない。畑は癒やしの場なんだから。人は自分の幸せのために活動、労働するのだが、ストレスがつきまとう。家族、親戚、友人、同僚、ご近所の付き合いは、自分を助けてくれて幸せにしてくれるのだが、ストレスになることもある。我々は、いろんな人と幸福とストレスを相殺しながら生きているのかもしれない。そんな中で、スポーツやペット・グルメ・旅行に「癒やし」を求める。「癒(ユ)」の訓読みは「いや・いえ」で、「心を癒す」「病...畑137/土と草
朝、目覚めて、布団の中で丸くなりながら雨音を聞いている。もう少し眠ろうか……、どうせ今日は何もできないし、筋肉痛だから……。十日ほど前にジャガイモの種芋を買ったが、寒い日が続いたので植えずにいた。今週あたりから暖かくなりそうだし、どうやら明日(昨日)は雨模様なので、畝を立てるとすれば今日しかない。『ブギウギ』を見てから畑へ。冬草がぼうぼうだし、土もまだ湿っているが、できるところまでやるとしよう。管理耕運機で耕したものの、土が重いので昼まで乾かしてから畝立てをするとするか。それまでは、ひたすら草抜き。◇昼ごはんを食べて、『ブギウギ』の再放送をを見てから畑へ。だいぶん乾いているので、軽く土を寄せて、草を集めてしばらく干す。それまでは、ひたすら草抜き。一箇所に集中して草抜きすると飽きてくるので、場所を変える。此...畑136/これもまた人生の楽しみ
先週の土曜日に蒔いたトマトが芽を出し始めた。ヒーターマットで25℃から28℃くらいを維持して、今日で6日目、ほぼ計算通り。と、言うのは発芽に必要な積算温度というのがある。積算温度=一日の平均気温×日数植物によって発芽日数が変わるのは積算温度のためだ。トマトを例にすると、種の袋の裏に次のように書かれている。発芽適温25℃から30℃(発芽日数4~6日)25℃×6日=150℃30℃×4日=120℃つまり、トマトの発芽積算温度は120℃~150℃ということになる。ナスとピーマンは180℃~200℃(6~8日)なので、あと二日ほどすれば発芽する計算になる。もし、保温なしで今、トマトを植えたとすると、次のようになる。3月の平均気温=最高14℃・最低5度(14℃+5度)÷2×?日=120℃……?=12.7日計算上は13...畑135/ボーっと生きてんじゃないよ!
去年の夏、畔にサニーレタスのこぼれ種が一つ芽を出した。いずれ食べてやろうと思っているうちに薹立ち(とう立ち)してしまって花が咲いた。その種が落ちて芽を出した。こぼれ種のこぼれ種。こういうのはありがたい。年末ジャンボで三百円当たったうれしさ。いやいや、ネット販売で知らないうちにポイントが千円貯まっていたうれしさだ。★間引き替わりに10株ほどをビニールポットに植えて苗にする。あとはそのまんまにして自然栽培。こぼれ種は力強い。さぞかし栄養も豊富だろう。天の恵み地の恵みだ。畑134/地の恵み
先週の火曜日に温熱ヒーターを利用して蒔いた白菜、キャベツ、ブロッコリーが芽を出した。早いものは次の日に土をもたげ、三日目には多くが土をもたげて発芽した。発芽していないのは、一昨年や去年に買った残りを蒔いたからで、諦めはつく。さて、芽は出たものの、陽にあててやらなければ、ヒョロヒョロと茎が長くなって徒長してしまう。部屋の中で育てているのだから、多少の徒長はしかたがない。そう思っていたら、徒長しない。成育に必要な温度が維持されていれば、徒長しないのだ。成長に必要な栄養をつくるための光合成をしたいがために、陽をもとめて徒長するのではない。我々が寒いときに日向に出るのと同じなのだ。彼らは成育温度に達していないとき、葉や茎の温度を上げるために、陽にあたりたくてヒョロヒョロと茎を伸ばすのだ。よう知らんけど。白菜、キャ...畑132/種まき
昨日は晴天。朝は寒かったが、昼からは13度になるというので、11時頃に暇つぶしに畑へ。もう三か月も何もしていない畑は草ぼうぼう。そろそろ成長しだす玉葱の畝も草だらけ。こりゃいかんわい!じっとしていると寒いので草抜き開始。30分ほどやっても体の調子はいい。その調子にのって昼過ぎまで。★家に帰って、昼ご飯食べて、しばらくぼぉっとして、そして、もう一つ調子に乗って、水筒に熱い紅茶を入れて、バイクで畑へ。玉葱の畝の残りの草を抜いて、ニンニクの草を抜いて、ワケギの草を抜いて、そして、島らっきょの草を抜くころには、少し寒くなってきた。椅子に座って、冷ましておいた熱い紅茶(?)を飲みながら写真を撮っておこうか……いやいや、こんなのブログに書いたとて面白味があるまいというので、写真は撮らずに家路へ。エクセルの十文字日記に...畑133/調子にのって初出勤
農林水産省は、消費量が多く国民生活に重要な野菜を「指定野菜」として、生産量が安定するように生産地を保護している。キャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、たまねぎ、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ばれいしょ、ピーマン、ほうれんそう、レタス。2026年度からは、これらにブロッコリーが追加されて15品目になる。新規の追加は1974年のバレイショ以来、半世紀ぶりだという。消費量が多いのだから、ほとんどの家庭菜園では、この15品目を中心にして、今年の作付け計画を考えているのだろう。我が畑でも15品目すべてを植えている。今は「ばれいしょ(じゃが芋)」を植え付ける時期だが、芽が出て霜にやられると嫌なので、3月10日前後に植える。大根と人参は種から植えざるを得ないので、彼岸が過ぎてから。あとの野菜は、苗は買わずに...畑131/ウズウズワクワク
去年から苦しんできたオシリのズキズキがようやくおさまってきた今日は快晴!気温は15度の四月なみの陽気とかガラス戸ごしに見る外の景色はあいかわらず殺風景花笑い鳥唄う景色ではないけれど陽の光は暖かそう少し着込んで畑に行こうかいやいや、待て待て!ここで無理をするとまたズキズキがぶりかえすぞまだまだ二月の半ばではないか!土が匂ってものみな伸びる春の眺めの待ち遠しさよここはしっかり治すまでワクワクする気持ちをひっこめてがまんがまん赤い鼻緒のじょじょはいておんもへ出たいと待っている畑119/ズキズキワクワク
30年ほど前は、ホームページを持っていた。だが、まだ現役の時で更新がままならない。さぼっているうちに、ホームページ作成ソフトの方がどんどんと先へ進んで、こっちの頭が追いつかなくなった。そこで、始めたのがFacebook。2013年3月30日が初レビュウ!【写真】を選んで、文を【投稿】するという、実に単純な作業でその日の自分を記録できるというのが、新鮮な驚きだった。ところが、ニ、三年して、Facebookの【投稿】の箇所が、【気分・アクティビティ】となった。「なんやねん?アクティビティって?」辞書で調べると〈体内の活動,自然活動〉とある。「はぁあ?体の調子?キャンプ?そんなんしか投稿したらアカンのかいな!」それで、投稿したくてもできなくなった。他の人も同じように感じていたのだろう。やがて、【今なにしてる?】...茶話117/Facebook
畑では、ずうっと独り。そこで、寂しさをまぎらわすためにラジオを友達にしている。50m圏内にいる百姓仲間も、同様にラジオを友達にしている。南側の仲間なんぞは、ラジオ大阪を大きな音で流しているのでうるさい。いきおい、毎日放送を聴いている私は音量を上げる。すると、東側の朝日放送を聴いている仲間も音量を上げる。風向きによって三つの放送局がガッチャンして、訳がわからなくなる。静かな田園が、梅田や難波の雑踏のようになる。あるとき、三人が会した時に、「ラジオの音量を、お互いに下げませんか?」と申し出た。皆、同じことを思っていたのだろう。「そやなあ、そないしよか!」以後、三人とも、自分が聞こえる範囲の音量にするようになった。すると、不思議なことに、ばらばらだった放送局が一致した。今は、三つのラジオが一つに共鳴して、ハーモ...畑129/友
孫に会うために田舎から東京に出て来たお婆さん。土産を持って行ってやろうと、駅前のミスタードーナッツへ入った。ショーケースを指さしながら「これと、これと……」店員が「名前をお願いします」「はい、山田ヨネです!」「お婆さんの名前ではなく、ドーナッツの名前をお願いします」「ええっとー、オールドファッション……」「おいくつですか?」「はい、100歳です!」「おもしろい」を漢字で「面白い」と書くのは当て字だと思っていた。しかし、ちゃんとした意味のある漢字だった。日本神話の「天岩戸隠れ」で、天照大神を天岩戸から引っ張り出して、世界に再び明かりが戻った時、八百万の神々が喜びの声をあげて舞い踊る。あはれあなおもしろあなたのしあなさやけおけおけ漢字にして意味を補う。天晴れあな面白あな手伸しあな清け飫け飫け(天が晴れたああ皆...畑128/面白
今日は、寒い一日ですが風は弱くカミさんのミニ菜園に手を付けました。予定地は、育苗ハウスと住まいの間です。過日、トラクターで雑草の根切りはしてあります。雑草の根…
正月なのだが、太陽暦(新暦)の正月は違和感がある。初春のお慶びを申し上げますと言っても真冬。元旦にお出でになる歳神様もさぞ寒かろう。梅の花が咲いて松竹梅がそろう太陰暦(旧暦)の正月がやはりぴったりする。少し春めいて歳神様もうきうきとして福徳を運んで来やすいに違いない。今年の旧暦の元日(一月一日)は、二月十日(月の満ち欠けの新月)。中国をはじめアジアの多くの国は春節を祝って祝日にしている。日本はアジア圏で、旧正月を祝わない数少ない国の一つだ。祝うとすれば中華街か、我が家くらい。かといって大々的にするのは小恥ずかしいので、餅をついて雑煮を食べるだけ。幸か不幸か気温がよくなかったのか、畑の雑煮大根と金時人参の出来が良くなかった。旧正月にはちょうどいい大きさになっているだろう。明治5年は12月2日の翌日が明治6年...畑127/暦
一月一日の元日の朝、つまり、毎年の元旦になると尊い御方がお出でになる。ピンポーンとチャイムも押さずに、玄関の鍵がかかっていようがお構いなく、スーと家の中に入ってこられる。そして、テーブルの上に置いた重箱の中のお節料理と鏡餅を食べて、ニコニコと笑っておられる。紅白歌合戦を最後まで視た眠い目をこすりながら「明けましておめでとうございます」と挨拶をすると、「今年も、おまえたちのために、この一年の福徳と幸福を土産に持って来たで、正月(一月)の間はゆっくりさせてもらうとするか」「ははーっ!一ヶ月と仰らずに一年でも!」「いやいや、そうはいかんわい。おまえたちか幸せかどうかを高い所から眺めるために、山に帰らねばならんでな!」雑煮を一緒に食べながら「あなた様はどのような御方ですか」と訊ねた。「毎年、来ているのに知らんかっ...畑126/良いお年を
今日は少し暖かくて畑作業には適しているが、一つ前の記事に書いた「八つ頭ショック」が大きくてやる気なし。そこで昼前、相方に「弁当食べに(ドライブ)行こ!」と誘って、和歌山県橋本の産直市場の「やっちょん広場」へ。到着すると12時半を過ぎていたので、いつも買う年寄り用の弁当は売り切れ。しょうがなく「道の駅九度山」へ行って399円の中華弁当に。いつもは店の前のテラスのテーブルで食べるのだが、寒いので駐車場の車の中で食事。ところが、この中華弁当、冷めているのに意外と案外美味くて満足。もう一つお目当てがあって、里芋の「セレベス」という品種を買うこと。インドネシアのセレベス島(現スラウェシ島)から伝来したのでセレベス。里芋独特のヌメリが少なく、肉質がしっかりしてホクホクして甘い。他の里芋の芽が白いか、このセレベスは芽が...畑125/ささやかながら
久々に道の駅に出荷。正月用に里芋の一種の八つ頭を初めて出す。関東の雑煮は焼いた角餅にすまし汁をかけ、里芋と小松菜かほうれん草に蒲鉾、そして三つ葉を散らす。その時の里芋は必ずといっていいほど八つ頭。末広がりの「八」に、人の「頭」に立つ(出世する)の縁起かつぎ。だから、正月前は八つ頭の値段が倍に跳ね上がる。対して、関西の雑煮は丸餅を焼かずに白みそで炊く。そこへ普通の里芋と細い祝い大根と色鮮やかな金時人参をすべて輪切りで入れる。みんな丸く円満にすごせますようにという縁起かつぎ。だから、案の定、道の駅の商品棚には八つ頭なぞ誰も置いていない。そんな大阪で八つ頭がはたして売れるだろうか?いやいや、広い日本、外国人だってたくさんいるのだから、大阪に関東出身の人が一人や二人、いや、10個出荷したから10人くらいはいるはず...畑124/縁起試し
畑123/花盗人百姓仲間のライングループに「ニンジンを100本ほど盗まれた」とメールがあった。年の瀬とはいえ、なんとも世知辛い話だ。盗まれた側は損害以上に、数か月大切に育てた努力が一瞬ににして無にされることが最も腹立たしい。人事の及ばない自然災害ならば、いたし方なく諦めるしかない。アライグマやヌートリアは、生きるために食べるのだから罪の意識はないから、ぼんやりとなんとなく許せる。しかし、罪の意識があるはずの人間の仕業は許せない。『花盗人』という狂言がある。庭の桜の枝が折られているのを見つけた主人が、盗人の再来を待ち構える。そこへ花盗人がまた盗みにやってきたので、捕えて桜の幹に縛り付ける。その花盗人が和歌を詠む。この春は花の下にて縄つきぬ烏帽子桜と人やいふらん(この春に桜の樹の下でお縄になり我が名誉も尽きて...畑123/花盗人
今日は朝イチから子ども見守り隊で交差点へ。しかも、今年の最後の当番。そのうえ、強烈寒波の襲来で頭のてっぺんから足の指の先まで猛烈に冷たい。それでも、「おはよう」と言えば、「おはようございます」と挨拶する子どもたちの声はいつもより元気がいい。それもそのはず、今日は終業式。冬休みのうえに、クリスマスはあるは正月はあるは、年に一度のウハウハの稼ぎ時。黄色い旗を振りながら自分の子どものころを思い出す。見守り隊をしている交差点は、美原(現堺市)から平尾峠を越え、近鉄喜志駅前を通り、喜志小学校の近くから太子町(南河内郡)へ抜ける府道美原太子線にある。小学校の前から石川の河南橋までの道は明治22年に造られたもので、我々は「新道」と呼んでいた。今は交通量が増えて、子どもたちは村中の道を通って、この交差点で新道を横切るだけ...茶話105/諸行無常
ビニールトンネルを立て直して、我が愛しのコチョウラン[愛称ランちゃん]と、メダカの水槽のホテイアオイ[葵の上]をトンネルの中に移した。葵の上は三年続けて冬越しさせていて、多少枯れようが、緑が少しでも残っていれば春には大きくなってくれる。今年は試みとして、ビニールボットに土を入れて三株植えている。問題はランちゃんで、5℃以下になると枯れしまうそうな。三株が二本ずつ花芽も付けているので、温かくして春までなんとか育てたい。ところが、移動させた途端、皮肉なもので暖かい日が続き、昼には外気が15℃以上になる。二坪の狭いトンネルは、日が当たると中が40℃にもなる。ランちゃんも葵の上の二人とも、30℃を超えると成長をとめてしまう。そこで、天気予報が晴のときは、朝の9時に畑へ行って、トンネルの換気を開け放つ。それでも昼間...畑122/歳はとっても
昨日は実エンドウを植えた。大阪の南河内では、羽曳野市の臼井で品種改良された「うすい豌豆」を植えるのが定番。しかし、晩生のうえに、河岸段丘の低位にある我が畑では二週間は収穫が遅れて五月の中旬になる。でも、その頃には、エンドウの棚を利用してスイカやキュウリを定植したいので、「早生まるみ豌豆」という品種。二本植えにして16ポット。場所が余ったので、近くの百姓仲間からウスイ豌豆の苗を6株ほど分けてもらって植える(写真の手前)。豌豆は自家受粉なので交配することはない。早生豌豆と収穫時期にどれほど差がつくのか、実験するのにちょうどいい。今日は、スナップ豌豆と絹さや豌豆の定植。どちらも少量でいいので、ダイソーの二袋100円の種。百均の種というと違和感を持つ人もいるだろうが、それほど遜色はないし、なにしろ無駄がない。昔は...畑121/ゆっくり
今日は、あたたかい。こんな日こそは、出来るだけのところまでやってしまおうと、エンドウとソラマメの畝の準備。久々に耕運機の出番。昔は鋤(すき)、近年は備中鍬で、エッチラオッチラと土を起こしてひっくり返していた。「田を返す」が「たがやす」の語源。漢字の「耕」も、井(四角い土地)+耒(すきへん=鋤)でほぼ同じ意味。今は耕運機で、30分ほどで終了する。ちょっと疲れたので、ドッカリと椅子に座って、耕運機を眺めながら、文明の利器、人間の叡智のたまものよと感心。「耕す」の英語は「culture」(ギリシャ語のcolereから派生した語)。「農業」の意味の英語「agriculture」にcultureがついているのはそのためだ。人間は田畑を耕す以外にも頭脳を耕し、肉体を耕し、心を耕してculture(文化・文明・教養)を...畑120/amanofculture
毎日のように時雨る。晩秋から初冬にかけて、降ったりやんだりする雨を時雨(しぐれ)という。昔の人は、木々の葉が色づくのは、時雨が降って葉を染めるからだと考えていた。こもりくの泊瀬(はつせ)の山は色づきぬしぐれの雨は降りにけらしも万葉集大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)〈隠り国の初瀬の山は美しく黄葉した。時雨の雨が降ったらしいよ〉泊瀬は現在の奈良県桜井市の初瀬(はせ)あたり。真言宗の長谷寺がある。上記の和歌に「しぐれの雨」と、「しぐれ」を雨の修飾語につかっているように、本来の「しぐれ」は〈しばしの間に急に暗くなって降る・集中して降る〉の意味だった。だから、秋冬に限らず、桜しぐれ・青しぐれ・片しぐれ・北山しぐれなどの言葉がある。それが秋に限定されるのは、「しぐれ」という言葉の響きの柔らかさが、今の時...畑119/時雨之化
なんだかんだと雑用があって、二日ぶりの畑。着いてすぐに、先日に作った我が隠れ家のビニールハウスで休憩。農小屋に置いていたラジオを持って来て、スイッチ入れて「ありがとう浜村淳です!」さて、みなさん、今日は大阪で初霜が降りた所がありました。寒いですねえ。しかし、関西では「寒い」とは言わずに「さぶい」と言います。えげつのうさぶいのは「さっぶい!」。今日は「さっぶい!」一日です。なるほど、外の温度は5度でさっぶい!しかし、ビニールハウスの中は、陽があたっているので20度。おお、よしよしと15分ほど我が世の春に浸る。ご機嫌になって外に出て、まずは買ってきたパッカーで、やり残したビニールを留め、ドアを付けてビニールハウスの最終仕上げ。入口にビニールを垂らして隙間風が入らない造りにしたので、ちょっと見っともないが、来年...畑118/畑のトラ
6月の台風の時に、早々にビニールを外したハウスのビニールを六か月ぶりに貼り直した。リタイアした年に購入した二坪(四畳)の小さなビニールハウス。苗の栽培や雨宿り・寒さしのぎの目的もあったが、それ以上に、自分だけの空間、大人の隠れ家が欲しかった。水筒にコーヒーを入れて持ってきて、ハウスの中で、独りでゆったりと飲む至福のひと時。だが、購入した年に大きな台風があって半壊。壊れた部品を追加購入して、鉄杭やら鉄の筋交い(すじかい)を入れて補強。以来、台風シーズンの前にはビニールを外すことにした。まずは、ハウスの下の部分に、幅120㎝のビニールをぐるりと巻く。これを昔の女性の下着になぞらえて「おこし」という。その上に幅500㎝のビニールをすっぽりとかぶせるのだが、特別仕様なので1~2万円はする。年金暮らしにそんなの買っ...畑117/優雅
高気圧におおわれているのだが、寒波の南下で朝からどんよりと曇っている。それに寒いし、一昨日の雨でたいしたことは出来ないだろうけど、とりあえず8時ごろに畑へ。一回りして椅子に座っていると、冬草がいくつか目にはいった。鎌を手にしてしゃがみこむ。手の届く範囲の草を抜いたら今日は帰るとするか。抜き終わってさっぱりとした先を見ると、冬草が目立つ。しゃーない、もうひとしゃがみ抜くとするか。そんなのを繰り返しているうちに、広い通路の草を全部抜いてしまった。椅子に座って、さっぱりと綺麗になったと眺めていると、伸ばし放題のイチジクの枝が目に入る。農小屋からノコギリを出して、イチジクの枝の伐採。し終わると下草がやけに目につくので、再び草抜き。いつしかに、太子町(南河内郡)の防災無線のチャイムが11時30分を告げている。ふと気...畑116/故に我在り
去年は十一月の中旬から畑仕事は冬休み状態になった。それで今年は岡山の旅を入れたのだが、空豆と豌豆の植え付けがまだ終わっていない。ということは、耕うんと畝立てとていう重労働が残っている。そこへきて、町内外の役職があるし、寒いし、身体の調子も今一つ冴えない。「一生青春。一生勉強」と言ったのは相田みつお氏だが、そんなのは精神的な話で、その精神に身体がついていかなければ、何もしないのと同じだ。作家の五木寛之氏がこんなことを言っている(『新・地図のない旅I』平凡社)。完全な孤独というのは本当はないのである。人は、「自分とカラダの二人連れ」なのではあるまいか。だから「自分=精神力・魂」とともに、相棒の「カラダ=身体の健康」のことも考えてやらなければならない。「そんなことわかってるわい!」というので、最近の老人は運動し...畑115/MerryXmas
この歳になると町内外の年相応の役がまわってくる。岡山から帰って一週間は、会費や組合費の徴収準備でてんてこまい。一年目にしっかりと準備しておけば二年目からは楽になると腹に決めて、畑は休職状態。たまに菜っ葉を収穫に行くと、冬至用に作っておいたカボチャが寒さで枯れかかっている。完全に枯れてから収穫してニ、三週間寝かせれば(追熟)美味しい冬至南瓜になる。さて、今日は野沢菜を収穫。意外なことに野沢菜は蕪(かぶ)で、本場の野沢温泉では「蕪菜」とよんでいる。江戸時代に野沢温泉村のお寺の住職が大阪から持ち帰った種子を畑にまいたことで野沢菜が誕生した。その種子というのが大阪の伝統野菜「天王寺かぶ」。野沢菜は大阪と縁が深い野菜だ。本場の長野県では温泉水で洗って水をきって三週間ほど漬け込むが、大阪でそんな悠長なことはしてられな...畑114/グルメ
老人会の日帰り旅行から4時に家に帰って来ると、体が急にだるい。これはヤバイぞと横になる。二時間ほど寝て、体温を計ると平熱より1度高い。ますますヤバイぞと、昼間にたらふく食べているし、温泉にも充分に入っているので、夕食も風呂もパスして布団の中へ。夜中に何度も目が覚める。体温は1.5度高いが、頭も喉も痛くないし咳も出ない。しかし、痛い・・・!朝になると体温は平熱に戻っていたが、やはり痛い。ちょうど、持病の薬をもらいに行く時期だったので、同級生の掛かり付け医へ。症状を話すと、「ここしばらく無理したのとちゃうか?」「落花生と里芋を売らなあかんし、玉ネギも植えなあかんし、体ガクガクや!」「それは別の"持病"が出てきたんやがな。熱出るほどやからかなり痛いやろ?」「かなり痛い!夜も寝られへん!」「ほな、前にも出した塗り...畑113/いっぷく
先週は秋祭りがあって、しばらく体調が戻らなかった。三、四日してようやく元気になって、落花生と里芋の収穫と出荷。朝に里芋を収穫して洗って毛を掃除して乾かす。昼過ぎから落花生を収穫し、洗って選別して乾燥。その間に里芋の袋詰め。夜に落花生を袋詰めして冷蔵庫に入れる。そして、朝早くに道の駅に持って行く。三日続けるとさすがに体に堪える。案の定、油の切れた機械のように腰がギーギーと悲鳴をあげる。これはいかんと、里芋と落花生を一日おきに交互に収穫することにした。今年は何やら売れ方が変だ。出荷者が自由に値段を付けることができるのだが、凡そスーパーより安い値段にしている。しかも新鮮。だから、今までは、少し高くても品物の状態が良いのから売れて、見た目の悪いのは必ずといっていいほど売れ残った。ところが、今年は少し傷があるので安...畑111/野菜の気持ち
野菜の価格が高騰している。猛暑による成長不足に加えて、ガソリンや肥糧の値上がり。道の駅に野菜を出すときも、去年より20円ほど高くしようかと思うが、お客さんは安いのを目当てに来られているので易々とは上げられない。それに、売れ残れば野菜が可愛そうと、止む無く値段は据え置き。どの商売も同じだろうが、天候に左右される農家はつらいよ。とはいえ、畑で作っている自産自消のための野菜はたくさんある。そこで、秋祭りの心休めに、昨日はスキヤキ!水菜に春菊、白菜代りのしろ菜と葱。そこに味出しの牛肉を少しだけ入れ、豆腐と蒟蒻を加えて一人前50円!これが昔からの我が家の豪華な野菜のスキヤキ。農林省によると、一ヶ月に購入する野菜は三人家族で9000円とか。ということは、一年間に10万円ほどは自給自足の足しになっている。今日の朝は、家...畑110/男心
「畑92/一本一円」で書いた極早生玉ネギが、種を蒔いてから今日でちょうど50日目。写真の左隣は十日遅れで蒔いた早生、そして、二十日遅れの中生(なかて)。育苗50日たった極早生はそろそろ植え時。そこで、まずは畝立て。穴あきマルチを張って完成。しかし、すぐには植えない。水やりがじゃまくさい。雨が降る直前に植える。できればすぐに植えたいが、天気予報は、今日は晴時々曇りで、夜から寒気が流入して不安定、明日は曇り一時雨。どうも微妙な雲行きだ。植えるべきか、植えないべきか?Tobe,ornottobe,thatisthequestion.天気予報など、下駄を投げるのと同様にどうせ当たるまい。ドカリと椅子に座って、ここが思案の思案橋ブルース。♪哭いているよな長崎の街/雨にうたれて流れた二つの心は♪すると、長靴に履き替え...畑109/どっちやねん
秋祭りだ。祭りには空豆を植えるのが、わが村の掟のようになっている。紋日(もんび=儀式がある日)に畑で働いていると、村の皆から白い目で見られた昔は、家でこっそりと出来る空豆の種蒔きが、ちょうどよい仕事だったのだ。昔はトロ箱(木製の魚を入れる箱)に川でとってきた砂を入れて植えた。お歯黒と呼ばれる黒い部分を下にして、頭が砂から少し出るように種を差す。水をかけて四、五日すると、種のお尻がむずむずして、お歯黒から根が伸び、種が二つに割れて本葉が顔を出す。マメ科によくある発芽の仕方で種自体が双葉になる。だから、種をすっぽりと地中に埋めると双葉は無く、いきなり本葉が出たように見える[地下子葉性]。今はプラスチックの育苗箱やビニールポットに種を植える。春に自家採種したのを植えるので種代はいらない。安上りなので以前は大量に...畑108/秋祭り
去年もやった「気まぐれ栽培」。10mほどの畝に穴あきのマルチを張り、一ヶ月で成長する十種類ほどの菜っ葉を植える。これといって規則があるわけではない。無造作に大雑把に気まぐれに植える。我が家で食べる分だけだから、一品種はそんなにたくさん必要ない。小松菜なら一度に五株もあればよい。毎日、小松菜を食べるのも飽きてしまうから、次の日は水菜を二株サラダとかにする。本当は、野菜が雑草のように生い茂っている情景が見たいがために始めたが、成長の早いもの順に食べていくから、そんな景色はとんと見たことはない。一畝で様々な野菜を食べることが出来るという利点がある。しかも、一畝だから、100均のスプレーで農薬を一回散布するだけで済む。しかし、その農薬が効かない奴がいる。バッタ、特にオンブバッタ。オンブバッタにとって、様々な野菜が...畑106/仕置き
「おい!その菜っ葉は何んという菜っ葉や?」「きくな」「訊くないうても、訊かんとわからんやないかい!」「そやから、きくなと言うてるやろ!」「忙しいんかも知らんけど、教えてくれてもエエやないかい!」「そやから、きくなという名前の菜っ葉や言うてるやないかい!」関東では春菊(シュンギク)だが、関西では菊菜と呼ばれている。だから、春菊=菊菜なのだが、関東の春菊は背の高い株立ち型で、関西の菊菜は株張り型で横に広がらす。炊くと少し苦味が出る大人の味だが、鍋のアクセントには欠かせない。生産量日本一が大阪府なのもうなづける。種の袋に「株張り」と明記されていなければ、関東の株立ち型の春菊だ。放っておくとどんどん上に伸びるので、高さが20㎝ほどになったら、下の葉を五、六枚残して先を摘んでやる。則枝が伸びたらそれを摘む。一株で四...畑107/なんやねん
落花生を道の駅に出荷している。半分ほど出したが、残りの株の出来が悪い。これはおかしいぞと、日誌を調べてみると、そうだ!五月の十日に蒔いたうちの半分は何か(たぶんイタチ?)にほじくられていたのだった。生き残った半分は五月の二十日頃に定植し、ほじくられた半分は蒔き直し、加えて新しい三品種を追加して蒔いて、五月の末に定植したのだった。ということは、十日ほど遅らせて収穫すべきだったのだ!というわけで、十日ほど、畑でするべきことがなくなった。朝、「子ども見守り隊」の当番だったので横断歩道に立つ。そして、登校する子どもたちに「おはよう!」を何十回と言う。すると、「おはようございます!」と子どもたちが人数分返してくれる。さらに、中学生になったオービーたちも「おはようございます!」と返してくれる。少しシャイになった高校生...畑105/fruitfullife
まずは、前回の記事「103/蜜柑」の最後に抱いた疑問について調べた結果から。①なぜ蜜柑の歌が少ないか?リンゴが人里近い平地で栽培されるが、蜜柑は陽の良くあたる山の中腹で作られるため、人々にとって身近な存在ではなかった。②種がないのに、どのようにして苗木を増やしたのか?他の木を台木にして接ぎ木で増やした。③日本独自の蜜柑の品種なのに、なぜ「温州」という中国の地名を付けたのか?温州蜜柑と言い出したのは江戸時代からで、その頃は漢文読みの名の方が権威があった。さて、我が畑にも二本の蜜柑の樹がある。両方ともに温州蜜柑で、そのうちの一本が、五年目にしてたわわに実をつけた。ことわざに、「桃栗三年柿八年、梅は酸いとて十三年、柚は九年の花盛り、枇杷は九年でなりかねる」というのがある。なぜか、ことわざに蜜柑が入ってないのは、...畑104/たわわ
秋、畑で作業していても気持ちがいい。道の駅に落花生を出荷しだしてから十日、一日が短い。昼過ぎから収穫、水洗い、乾かしてから一つずつ選別する。しっかりとシワができた実はいいが、コガネムシがの幼虫がなめって黒くなった部分が出来たものや、中途半端なシワの寄り方のものは勘に頼るしかない。そこで、判断が微妙なものはオマケの増量にしている。わずかな儲けだが、秋は年に一度の金儲け。これが翌年の種代や肥料代になる。選別した良いのは袋詰めして冷蔵庫に入れて酸化を防ぐ。翌朝、シールや値札を貼って道の駅へ持って行く。これで落花生との一日が終わる。ところが、二日続きの雨で、しばらく収穫ができない。そこで久々の遠足(弁当を食べにドライブ)。ミカンでも買おうと、いつもの和歌山県橋本にある産直市場へ。旬の柑橘類が棚に並んでいる。蜜柑(...103/蜜柑
運動会の季節だ。「位置について」「よーい」・・・ドン!子どもたちが元気に走る。十数年前から、日本陸上競技連盟では、スタートの号令が英語に変わっている。「位置について」=Onyourmark!。「用意!」=Set!・・・ドン。子どもたちが整列する。先生が号令をかける。「前へ倣え。きおつけ、休め」ところで、「きおつけ」は漢字でどない書くのんやろ?幕末、幕府はフランス式軍事訓練をとり入れ、薩長はイギリス式軍事訓練をとり入れた。仏英ともに「きおつけ」の号令は「attention」だった。本来は「standatattention」の略で〈直立不動〉あるいは〈注目して立て〉なのだが、幕府・薩長ともに「attention」を〈危険な事に注意せよ〉の意味にとらえて「気をつけ(ろ)」と翻訳した。以後、「気をつけ」は軍隊だけ...畑102/よーいドン
畑の中央と北側に管理耕運機が通れる通路を設けている。その通路の二か所ずつに、プラスチックの植木鉢を置いている。野菜や花を植えるためではなく、石を入れるためだ。大和川の支流石川の河原を切り開いて造られた農地なので、石ころが多い。作業をしていて、石を見つけると通路に投げておく。通路を歩いている時、その石を拾って植木鉢に入れる。植木鉢なら雨水がたまらない。二か月に一回ほど、通路の草抜きを兼ねて拾い残した石を集め、植木鉢に入れて、農小屋の周りに捨てに行く。オカンの代から拾った石が、小屋をぎっしりと取り囲んでいる。「Wherethere'sawill,there'saway.」「意思あるところには道は開ける」16代アメリカ大統領リンカーンの言葉だ。しかし、我が畑では「石あるところに道は開ける」なのである。畑101/石