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前回書いたごとく、例年より10日ほど早く周囲で田植えが始まった。持ち主が水稲栽培業者に委託している田んぼだ。我が家が貸している隣の田んぼにも水が張られた。これで東西南北四方を水で囲まれたことになる。どこからでも水を汲むことができるので水やりが楽になった。ナス・トマト・キュウリ・ピーマン・トウガラシ・スイカの夏野菜の苗を定植する。畝の準備はすでに完了しているし、自家消費用で四、五株ずつだから、たいして時間をとらない。♪夏も近づく八十八夜野にも山にも若葉が茂る♪日向の作業で少し汗ばむ。若葉は茂っているが、季節はすでに夏!人参の間引き菜と食べられそうな豌豆を少し持って帰る。今日の昼食はかき揚げ丼に決まる。我が相方が「薩摩芋まだある?」と訊いてくる。それで、保存用のハッポースチロールの箱の蓋を久々に開けた。包んで...畑203/夏を待つ
この時期、週にニ、三回、総会屋やら会議やら行事やらがあって、畑仕事もままならない。それでも、夕方には畑へ行く。作業をしにいくのではなく、日に日にあふれていく緑を見に行くのだ。見に行くといっても、なんらかの意思がはたらいているのではなく、なんとなく出かけて、なんとなく眺めて、ぼぉーっとしているだけ。殊にこの季節の緑は気持ちが安らぐ。黄緑、萌黄、ライムグリーン。夏の濃い緑とは違って明るい緑。調和・平和・自然・安息・新鮮・健康・生命力……。心も体もポジティブにしてくれる。まだ四月だというのに、周りで田植えが始まった。例年より十日ほど早い。八月の下旬に稲刈りをして、刈り取った株から出た穂をもう一度刈り取って、二回採りするのだという。これも温暖化の影響なのだろう。春が短くなり、夏が長くなった。近くを通りかかった百姓...畑181/八十八夜の別れ霜
桜が咲いた。じゃが芋の芽も出そろった。Springhascomeである。大地の底で目覚まし時計が鳴ったかのように、草木が一斉に眠りから覚める。映像を早送りしたかのように、草木は日に日に緑を増していく。ようこそ春よWelcome。命の息吹く春がきた。この三日間、歩いた動いた働いた。表彰台の上で金メダルを歯で噛みたいほどに働いた。三月に芽出ししたトマトにナスにブロッコリー、レタスにピーマンを大きなポットに植え替えた。スイカにキュウリ、カボチャにマッカ。ダイコン、ニンジン、インゲン、ゴーヤ。夏野菜の種も蒔いた。芽が出て育った夏野菜の苗を植える畝も立てた。さあさ、いつでもWelcome!植えるcomeの春がきた。畑201/Welcome
昨日3日は、一粒の種が万倍に育つという「一粒万倍日」。加えて、黄金色の毛が金運をもたすという「寅の日」。もえ一つおまけに、太陽が隅々まで明るく照らしてくれて、すべての物事がうまくいくという「大明日」。こんな大吉日に、じっとしていては運を逃す。朝の早から畑へ行って、蒔いた蒔いた蒔きました。スイカにキュウリ、カボチャにマッカ。ダイコン、ニンジン、インゲン、ゴーヤ。縁起担いで、ソーリャソラソラお祭りだ!数日前に70歳をむかえた。「人生七十古来稀なり」。中国は盛唐期の詩人、杜甫の漢詩「曲江」の中の一句が「古希」の出典となった。朝(ちょう)より回(かへ)りて日日(ひび)春衣(しゅんい)を典(てん)し毎日江頭(こうとう)に酔いを尽くして帰る酒債は尋常行く処に有り人生七十古来稀(まれ)なり花を穿(うが)つ蝶々は深深(し...畑200/種まき
※①~③のつづきです。旅17から読んでください。備前の旅も四日目、大阪に帰る日だ。昼前に出ようと友人が言うので、それまで周匝の町をぶらぶらしてくるとウォーキングに出た。山沿いに町まで向かう。途中、道の真ん中に大きな樹がある。石碑があって、髭が生えたような文字から「南無妙法蓮華経」だと読み取れる。なにを祀っているのだろう?近くで80歳くらいのお爺さんが竹ほうきで落ち葉を掃除している。尋ねてみようと「おはようございます」と声をかける。「でぇれぇ、さみーに、どけーいなれる?」なんとなく解ったので、「町まで散歩です」と応える。「ほーけ。わちゃー、歳とって、なーんもできん厄っけー者じゃーと、みながそげーなことゆーて、えれーいらまかしょる。せーじゃけー、厄っけー者じゃー言われんよーに、ちーたー掃除ぐれえーしよお思ーち...旅20/老いの小文六の④
※①のつづきです。茶話179から読んでください。川岸に植えられているソメイヨシノはまだ蕾だが、家々の庭に植えられている他の品種は花を付けている。そんな桜を車窓から追いながら、和気から吉井川沿いを走り、4時頃に備前の国の友人宅に着く。荷物を下ろして庭に出る。半年ぶりに見る懐かしい山々。山際の冬木立が老人のハゲた頭の産毛のようで、山の端と空の境が定かではない。山桜が咲いているのだろうが、冬木と同化してよくわからない。少し歩くとサクランボの花が満開。これも桜に違いないと写真を撮る。ひゅーっと風が吹いて、ぶるっと震えたので家に戻る。我が嫁はんへの「到着こメール」に、さっきのサクランボの写真を添えて送る。友人と無事到着の乾杯をし、そのままオジン二人の家飲みの宴となる。翌朝、家々に引かれた防災無線の音楽で目が覚める。...茶話180/老いの小文六の②
今年こそ満開の桜を観に来いよと、備前の国に家を持つ友人が誘ってくれた。予報では26日が開花で、満開は四月の上旬。だが、四月は何かと所用があり日程が合わない。ならば、満開の桜は諦めて、せめて天気の良い日にと思い、三月の下旬に備前の旅に出ることになった。弥生も末の七日。昼前に、友人が堺の実家から車で迎えに来てくれた。備前の土産にと用意していたキャベツやレタスの苗を積み、いつも通り西国街道(山陽路)をひた走る。途中、明石の宿で弁当を買おうとするも、昼遅く、お握り二個と沢庵の入った弁当しかない。まあ、播磨の国の美味しい米を食すのも悪くはあるまいと購入する。ベンチに座って弁当に張られたシールを見る。播磨の米のはずだと思って買ったのに、製造は「京都府城陽市」とある。備前の旅は「~のはずなのに」が、なぜかよくある。桜が...茶話179/老いの小文六-①
暖かくなったので、朝の7時に畑へ。さて、なにしよう?やるべきことが無いのではなくて、やるべきことがたくさん有りすぎる。そりゃそうだ。3月になっても寒かったし、たまに暖かい日があっても、健気に咲く花を眺めているだけだったんだから……。さーてと……畑を見回す。そして、最も後回しにしてしまうであろう作業をすることにしている。仕事を後回しにしてしまうと、忘れてしまうかもしれないし、仕事に追われてしまうかもしれない。結果として労力が倍になってしまう可能性がある。経営コンサルタントのリタ・エメットという人が著書で提唱したので、「エメットの法則」という。法則なんぞと大げさに言わなくったって、そんなの、子どものころからわかってる。夏休みの宿題を後回しにして、どんなに叱られ、必死になったことか。畑の片隅にあるミカン・イチジ...畑198/エメットの法則
孫が遊びに来て「今年もイチゴをいっぱい食べさせてね」と言う。……。去年の春のカラスに落花生の苗200株を全部引き抜かれた事件で、イチゴの苗を採るのを忘れてしまった。夏に思い出して、あちこちに生えているのをかき集めて20株ほど苗床に植えておいた。ところが、秋に定植しなければならないのに、アライグマに落花生を食べられた騒動で忘れてしまったのだ。さて、どうしよう……、自分のせいではなくカラスとアライグマのせいだからと責任転嫁して、特にやらなくてもいいだろうと勝手に理由をつくり、どうにでもなれと居直って、結局、放ったらかしにしてしまった。随分と長く考えたあげくだったのに……。「今年もイチゴをいっぱい食べさせてね」だなんて可愛いこと言われると……。やるしかない!〈人は、他者から期待されると、期待に沿った成果を出す〉...畑199/畑の法則
今日(21日)は全国的に暖かく、大阪も17℃の暖かさ。だが、朝一で百姓仲間からlineメール、「やられた!白菜400株!全滅!」犯人はヒヨドリ。数百匹の集団で舞い降りて来て芯を喰ってしまうので商品にはならない。カラスに次ぐ害鳥我が畑でも、キャベツをボコボコにやられたことがある。なんとも切ないが、朝の7時半から子ども見守り隊があるので、いつもの交差点へ。「おはよう!」「おはようございます!」不安げだった1年生も、元気に挨拶できるようになった。家に帰って朝食をとって畑へ。ビニールハウスの中で冬越させていたホテイアオイが、なんとか緑を保って冬を越してくれ。随分小さいが、冬の間、じっと寒さに耐えてくれたのだ。キャベツの横には、こぼれ種のネモフィラが一株。キャベツの大きな葉に押されながらも、負けるものかと花茎をもた...畑196/健気
露地植えのエンドウが、ようやく伸びだした。とはいえ、まだまだ30㎝くらいしかない。ビニールハウスの中で栽培しているエンドウは、すでに実が付きだした。二月から花が咲いたのだが、寒さのせいか、花が終わって実になりかけの頃にポロポロと落ちてしまう。三月になって、ようやく実が大きくなり出した。1・2・3・4・5……莢の数を数えて……50で辛んどくなってやめた。実エンドウは、実が大きくなって、莢(さや)に少ししわができるまで、開花から30日ほどかかる。今の様子だと、あと二週間もすれば収穫できるだろう。露地植えだと五月の連休頃が収穫期だから、一ヶ月早く春が味わえる。それに、去年はカラスにほとんど食べられてしまったが、ハウスの中は安全だ。二年ぶりの豆ごはんを一足早く食べることができる。自家栽培しているからなのか、スーパ...畑195/百姓はつらいよ
彼岸に入ったというのに昨日は雪。ご先祖様も、さぞかし驚いておられるにちがいない。夜を寒み朝戸を開き出で見れば庭もはだらにみ雪降りたり(万葉集:作者未詳)「彼岸過ぎても七はだれ」という諺(ことわざ)がある。「はだれ」は「はだれ雪(まばだに、薄く積もった雪)」のこと。彼岸が過ぎても七回は、はだれ雪が降る。北海道や東北の春の遅い地方の諺だろう。うってかわって今日は雲一つとてない彼岸の中日。暑さ寒さも彼岸まで。春の早い地方では、こっちの諺がぴったりだ。ビニールハウスの中の椅子を外に出して、のんびりと日向ぼっこ。この世かあの世か、此岸(しがん)か彼岸か分からない、ぼーっと時を過ごせる気持ちよさ。あー、なまんだぶ、なまんだぶ……。真東から昇ったお天道様が、真上を通り過ぎようとしている。さあ、そろそろ帰るか……。すると...畑194/彼岸
3月になったのに雨やら寒波やらで再度の冬眠状態。今日あたりから春めいてくるという天気予報。そろそろ本格的に畑活に入ろうと6時半に外に出たが寒い。外で飼ってるメダカの水槽をのぞくと薄氷がはっている。バイクのサドルには霜が降りている。大きな御天道様が昇ってきたのに温度計はまだ3度。まだまだ冬か。ならばもう一度穴暗に入っているとしよう。のんびりするつもりでいたのに9時を過ぎたころから気温がぐんぐん上がってきた。氷の解けた水槽のメダカが日向ぼっこに水面へ上がってきている。慌てて畑へ行ってビニールハウスの中の温度計を見ると35度。野菜だって熱中症になる。ビニールをめくり上げて涼しい空気を入れてやる。冬だか春だか夏だか分からなくなる。しばらくして百姓仲間のLINEグループに「ジャガイモの芽が出た!!」のメール。もう一...畑193/花は咲く
今日からしばらくは暖かいというので、気温が上がった9時頃に畑へ。気温は8度だが風が強いので寒い。どうしよう?明日にしようか?今年の農作業の開始に、ジャガイモを植えるつもりで来たのだが、気持ちがくじける。すでに25℃になっているビニールトンネルの中で、しばらく考える。「くじける」という漢字は、どない書いたかなあ?漢字が出てこない。くじけている場合ではないのだ!畝だけでもたてるとすそるか。☆まずは、管理耕運機を出して耕す。カラスが一羽、後ろからついてくる。去年にさんざん苦しめられた憎きカラスだ。思わず「コラ!」と怒鳴る。カラスは驚いてバタバタと飛び立つ。耕運機に鋤(すき)を付けて畝をたてる。たて終えて、畝の出来栄えを眺める。さっきのカラスが、また、やって来て、なにやらほじくっている。思わず「コラ!」と怒鳴る。...畑191/くじけないで
庭のメダカ池のオモダカが色づいて枯れて、冬の到来を告げている。去年に「茶話76/目高」で書いた時は、本数が少なくてメダカも気持ちよさそうだった。ところが、今年は茂りすぎてメダカは窮屈そう。完全に枯れたら掃除しなければ……と楽しみにしている。というのは、オモダカはクワイの仲間で、地面の下にクワイのような芋ができて、食べられるのだとか。こんなに茂っていたら、さぞかしたくさんあることだろう。ちょっと小さいが、ちょっと楽しみ。畑はというと、ほとんどやるべきことをやってしまって、ほとんど冬休み状態。それでも、朝夕に畑へいかなければならない。というのは、メダカ。朝夕にエサをやらなければならないのだ。娘が知人からメダカの子どもをもらってきて、おすそ分けしてくれた。かなりレアなメダカだと言う。死なせてなるものかと、畑のビ...畑/ちょっとだけよ
岡山の友人にもらった台湾山芋の葉がだいぶんに黄色くなったので収穫した。正式には大薯(だいじょ)だが、台湾から沖縄を経て九州に伝わったとされ、「台湾山芋」や「沖縄山芋」とも呼ばれている。亜熱帯原産で、寒さには殊更弱い。本州では種芋が寒さで越冬できないので、作られるのは少ないそうだ。4個もらって、土に埋めて下駄箱の下に置いていたら、4個とも冬を越してくれた。初めて作った作物なので掘るのが待ち遠しかった。傷つけないように遠くから四方にシャベルを入れ、てこの原理で畝から切り離す。大きな土の塊が出てくる。我が畑は粘土質なので、この土を取り除くのが一苦労。サツマ芋の時と同様に発掘作業さながら。ようやく顔を出した台湾山芋。不揃いの芋が大小合わせて10キロはあるだろうか。「山芋」という名の固定の品種は無い。自然薯、長芋、...畑187/台湾山芋
玉ネギも植えた。そら豆も植えた。エンドウも植えた。これで春野菜の準備は完了。もう一つ、ビニールハウスも完成した。幅260㎝×長さ550㎝だから14.3㎡。ほぼ9畳だから4坪半になる。五年前に造った第一号ハウスは2坪だから二倍以上の広さ。一号ハウスは春にブルーシートを張って、物置兼玉ネギ吊場にする計画だ。二号ハウスくらいになると、ちょっとしたものが植えられる。まずは、絹さや、スナップ、エンドウを10株。3月になれば、絹さやから順に春を味わえる。今時の朝7時の気温は5度前後。ハウスの中は10度なので、朝早いうちはハウスの中で出来ることをする。気温が上がってきて、ようやく外の作業をする。天気がよいと、10時頃にはハウスの中は35度になっている。左右のビニールをめくり上げて、野菜の成育適温の25度に調整してやる。...畑186/はてしなく
ビニールハウスを建てることに集中している間は、他の野菜はほうったらかしにしていた。ハウスがほぼ完成して、他の野菜をのんびりと見に回る。あらまあ!多品種少量時間差植えの畝が大きくなりすぎて、満員電車状態になっている。少しずつ収穫していく予定だったが、それれれれれれれを忘れるほどにハウス造りに集中していたのだ。こりゃなんとも採りきれない。道端だったら「お好きなものをご自由にお持ち帰りください」の看板を揚げたいほどになっている。まずは壬生菜を一株収穫。これを食べるだけでもニ、三日かかりそうだ。★もう一つ、頭の中から存在が消えているのがあった。農小屋の裏手にあるので、意識して見にいかないかぎり、存在に気づかない。ミカン!ひょっとして……と見に行くと……おやまあ!ひょっとしてと思った通りのひょっとして状態になってい...畑185/おやまあ
久々の投稿。といっても、遊んでいたわけではない。秋祭りの三日間をはさんで、ひたすら動いていた。10月10日頃から、新たにビニールハウスを造り出した。一昨年の春に、百姓を引退した先輩から、長さ10mのビニールハウスの骨組みやら資材一式を頂戴した。去年の秋に、落花生やら里芋の出荷が落ち着いた11月頃に建てようと計画していたが、ちょうどその頃に体調がおもわしくなくなった。それで、やむなく中止した。それを横目で見ていた資材をくれた先輩百姓が、「おまえは、よう建てへんやろなあ……」とポツリと言う。その一言が頭にカチーンときて、心にボッと火が着いた。今年は何が何でも建ててやる!幸か不幸か、アライグマやらカラスのせいで、落花生の収穫が早くに終了して、時間的余裕が出来た。よっしゃ!建てるとするか!まずは、きれいな長方形に...畑184/お預けの秋
三日連続で「曇→雨」の日が続いて、昨日は曇り、今日は見事な晴天。天高く馬肥ゆる秋。と、言いたいが、晴れると、さすがに夏の陽射し。9時頃になると、もう畑作業が辛くなる。朝の6時から落花生の畝の片付け。やりやーがった!落花生の残りの一畝をシートで囲って、絶対に入れないようにしていたのに……。シートを上から押さえつけやーがって、継ぎ目から潜りこみやーがった!これで6畝全部やられたことになる。5万円くらいは食べられた。見るのも癪に障るので早々に撤去!やり終えて、ほぉーっと息を吐き、天を仰ぐ。天高くアライグマ肥ゆる秋。しかし、これでスッキリした。もう、朝早く起きなくてすむ。もう、これで、あの野郎ともおさらばだ!彼岸過ぎに植えたニンニクが芽を出し始めた。種球を4キロ買って、400個ほど植える計算だったが、600個種球...畑183/あんさん別れまひょ
どうやら午後から雨が降りそうなので、気持ちをさっぱりさせようと、アライグマがほとんど食べた落花生の枯れたのを燃やした。野焼きは原則的に禁止だが、「農業・林業または漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる必要な廃棄物の焼却であって、軽微なものは許可する」という例外措置がある。もちろん、周りに住宅があると迷惑がかかるので野焼きは出来ない。しかし、我が畑は田園地帯のど真ん中にあるので心配ない。昨日、サツマイモを試しに掘ってみた。六月中旬という遅い時期に植えたので、まだ小さいだろうと思っていたら、小ぶりのラグビーボールくらいのが4、5個ついていた。こりゃ大きくなりすぎじゃわい!大きすぎるのは道の駅に出しても、料理しにくいので売れ残る。だから、我が家では、大きいのは四等分して、蒸して干し芋にするのが定番。〈次...畑182/リング
♪薄紅の秋桜が秋の日の何気ない陽だまりに揺れている♪岡山の友人宅でもらってきたコスモスが満開になった。秋の心を知っている花だ。秋の陽のやさしい光を背にうけて、畑にほほえむコスモス。薄化粧した湯上りの女性のような嫋(たお)やかな色気がある。もう一つ満開なのがニラ。赤い花でも咲かせてくれれば美しいのだが、小さな白い花で目立たない。それでも、これだけ群生すると、なんとなく見栄えがする。しかし、種を付けさせると株が弱るので、写真を撮った後に株元から刈り取る。去年は種を採ってやろうとおいておいた。が、今年に種を蒔くまでもなく、こぼれ種が芽を出して雑草状態になっている。こっちの花は、もう終わりかけの青シソ。畑のあちこちに10株ほどあるが、2株ほど残してあとは刈り取る。その時のご褒美がシソの実。指でしごいて実を採り、洗...畑181/秋色佳也
しばらく、ブログはご無沙汰していた。なんやかんやと雑用が飛び込んできた。そこへきて、またしてもヤラレた!10月になれば、ぼちぼち出荷しようと思っていた落花生。春はカラスに、200株植えた苗を根こそぎ引っこ抜かれた。そして、秋は……アライグマ!なっ!なんでやねん!ラスカルなんぞという可愛いもんじゃない!ネットを破って侵入……、一畝が全滅。株の根元の美味しいところを見事に食われた。慌ててネットを修復。次の日、祈る気持ちで畑へ。なっ、ナッ、なんでやねん!修復した箇所のヒモを外して侵入……、またもや一畝が全滅。高さ1メートルの防獣ネットを買って来て、炎天下で半日かけて設置。さあ、来るなら来てみろ!次の日の朝、余裕で畑へ。なっ、ナッ、Natt、なんでやねん!暑い中、慌ててネットを張ったものだから、ロープの張りが弱か...畑180/もうやめて
家の庭で秋冬野菜の苗を作っていたが、本葉が出てこない。ということは、根が伸びていない……ということ。去年は、五日ほどで葉が出たのだが、今年の暑さは去年以上なのだと痛感!茎をそっと引っ張るだけで、すっぽりと抜ける。コンクリートの上なので熱がこもりやすいのだ。こりゃアカンがな……というので、丈夫そうなのを畑のビニールハウスへ引っ越し。畑では、棚の上に置くので、根の部分への風通しがいい。最初からそうしておけばよかったのだが、ひねくれものの台風10号の接近で、ビニールの天井を剥がしてしまったのだ。どうせ、まだ、一つや二つの台風が来るだろうし、邪魔くさいからと、そのまんまにしていた。というわけで、まずは、天井のビニールの張り直し。直射日光を浴びないようにネットも張って日除け。それから、バイクで四往復して、苗の引っ越...畑179/行雲流水
ひねくれ者の台風10号に惑わされていたのか…….気づかずにいた。まだ8月だとばかり思っていた……>その日暮らしの年金生活者とはいえ……なさけない!最近、どうもおかしい……そろそろボケがきたか?もう9月ではないか!極早生玉ネギの種を蒔かなければ!ニンニクを植える畝をつくらなければ!わてて、6日の日に玉ネギの種を蒔いた。玉ネギの種まきは、品種によって極早生(5日)・早生(10日)・中生(なかせ=15日)・晩生(20日~)と決めている。日照時間の長さ(日長)がある長さに達っすると、玉が肥大するように改良されている。極早生玉ネギは3月下旬から収穫だから、それまでにある程度成長させておかなければならないので早く種を蒔く。8月の下旬から蒔くことができるが、早蒔きすると大きくなりすぎて、玉を大きくさせずに花を咲かせてし...畑178/秋愁
この暑さにも負けることなく、サツマ芋が生い茂っている。さすが、江戸時代の三大飢饉や、戦中・戦後の食糧難の時代に多くの人々の命を救った作物だけある。天候異変に強く、荒地でも栽培出来るので救荒植物と呼ばれている。実際、放ったらかしでも育つ。しかし、伸びた蔓から根が出て、余計なところに芋を付けて栄養が分散してしまう。そこで、蔓の節から出ている根を切り、畝(うね)の中央へ折り返してやる【つる返し】。その前に、秘密兵器の出番!「畑173/盆からさ~きゃ2」で書いたトウガラシ液!焼酎と酢に、トウガラシを漬けたもので、強いにおいでアライグマやヌートリアなどの害獣が寄り付かなくなる。今回は、これに、ホームセンターで買った竹酢液(ちくさくえき)をブレンドする。竹炭を作る際に出た液体を蒸留したもので、害獣の忌避剤だけでなく、...畑177/つるがえし
台風がやってくると、まず、しなければならないのはビニールハウスのビニールを剥がすことだ。さて、側面だけにしようか……、天井も剥がそうか……?迷った末に、備えあれば憂い無し!天井のビニールも剥がした。それから二日。台風は未だに紀伊半島の先っぽ。風は無いが雨が続く……。天井を剝がさなければよかった……悔やんだとて仕様がない。なにしろ相手は、とびっきりひねくれた台風なのだから。周りの人に否定ばかりされると自己肯定感が低くなって、性格がひねくれてくるのださいう。素直に自分を表現できなくなる。台風も高気圧に頭を押さえつけられると、ひねっくれてコースをかえてしまう。近畿直撃が四国直撃となって、結果、九州をぐるっと回って、四国を横断して、近畿を縦断してしまう。なんとも困った台風である。ひねくれ者が去る間は秋野菜の種まき...畑176/ひねくれ者
朝の5時半ごろに畑に着いた。ちょうど日の出。山の端の東雲(しののめ)の空が、ほがらほがらと明けてゆく。猛暑続きだが、この時間帯は、さすがに涼しい。「春はあけぼの」だが、夏のあけぼのも捨てたものではない。どっかりと椅子に座って、しばしは夏の曙を楽しむ。の出は、その日のスタートだが、平安時代の女性にとっては、切ない時間帯でもあった。しののめのほがらほがらと明けゆけばおのが後朝 (きぬぎぬ) なるぞ悲しき/古今集・恋三平安時代の貴族は「通い婚」。夫婦は同居せずに、男が女の実家に通う。一夜を共にする前に、互いの下着(襦袢・じゅばん)を重ねてコトに入る。コトが終わった明け方、男は出勤するために帰るのだが、昨夜に重ねていた下着(衣・きぬ)を交換して帰る。女にとっては、男が次も私の所へ来てくれるだろうかと、悩ましい「衣...畑175/朗らか
朝、目覚めると、ガレージのトタン屋根を打つ雨音。もう少し眠ろう……。ほぼ一ヶ月ぶりだろうか。朝方に、まとまった雨が降った。小止みの雨の中、畑へ行くと、久々に土は真っ黒。ゲリラ豪雨は困りものだが、これっくらいの雨なら、毎日でもいいから降って欲しい。オモダカに留まっているシオカラに吹くのは秋の風。今日は、のんびり過ごすとするか。23日は旧の地蔵盆。「そろそろ、大根でも植えようか」地蔵盆が過ぎると秋の農事の始り。今年は、待ちきれなくて、育苗に30日かかるキャベツ、ハクサイ、ブロッコリーだけ、種を蒔いた。16日の一粒万倍日に蒔種して、ぼちぼち芽が出だした。夏場の育苗は、ここからがたいへん。双葉の間に陽をよく当ててやらないと、ひょろひょろと茎が伸びてしまう。太陽の様子をみながら、半日陰から出したり入れたりしなければ...畑174/リフレッシュ
アライグマの撃退法をネットで調べていたら、トウガラシ液があった。強い刺激臭が苦手らしい。イノシシやヌートリアなどの害獣にも効果があるという。そういえば、五年ほど前に農薬替わりにしようと思って、トウガラシ液を作ったことがある。農小屋の中を探してみると、有った有った!完全に熟成した五年モノのトウガラシ液(左の黄色の蓋)。蓋を開けると強烈な匂い。なるほど、こりゃ効きそうだ。焼酎にトウガラシを入れて漬け込むだけ。お好みで酢やニンニクをトッピングする。二週間ほど熟成させると完成。ろ過して二百倍ほどに薄めて使う。無害だし自然に優しい。それに、農薬は一日で使い切らなければならないけど、こいつは作り置きが可能だ。ただし、風向きを考えて散布しないと、目に入ったらたいへんなことになる。使わずに五年も放ったらかしにしていたのは...畑173/盆からさ~きゃ2
えっ!今頃、咲くのか!その花の名前から梅雨の時期に咲くのかと思っていたので意外だった。俳句でも秋の季語になっている。露草も露のちからの花ひらく/飯田龍太「畑141/春の日」で書いた露草。なんとも清らかな青い花を、雑草の中に咲かせるのはもったいない。そう思って、畑の畔に芽を出していたのを、家に持って帰って鉢に植えた。畑でしょっちゅう見ている花だが、育ててみると意外なことだらけの植物だ。横に根を伸ばすのかと思っていたが、直根で地中深くに根を伸ばす。最初は小さな鉢に植えていたのを大きな鉢に植え替えた。茎が土に触れると、あっという間に根を出す。そこからまた茎を伸ばす。綺麗な花を咲かせなければ、ずいぶんと厄介な雑草だ。黄緑色した包葉(ほうよう)という、二枚貝のような変形した葉の中から花を咲かせる。強い日光に当たると...茶話142/つき草
明日からお盆。だからといって、分家なので、殊更になにもない。でも、お盆が過ぎると秋野菜の作付けスタート。さあ、なに植えようか?まずは、余っている種を確認して、自作の「栽培暦」とにらめっこ。植える野菜が決まると、次は場所割り。さあ、どこに植えようか?連作障害を防ぐために、エクセルで「輪作表」を作り、畝ごとに何を植えたのか記録している。黒い部分は休耕中。年々、黒が増えていくのは歳のせいで仕様がない。考えているうちに、去年のことを思い出した。苗を作ったものの、九月になっても猛暑が続き、定植できなかった。おそらく、いや、きっと、今年も暑いにちがいない。寒冷紗で遮光して、保護してやる必要がある。ならばというので、去年に少しだけやった「多種類混合植え」をすることにした。アブラナ科の野菜8種類を一つの畝に植えるのだ。長...畑171/盆からさ~きゃ
カラスの襲撃が一段落ついたと思ったら、今度はアライグマが落花生にちょっかいを出してきた。囲ってある網に4、5センチでも隙間があると、そこから手を突っ込んで土をほじくる。インターネットでで退治法を調べると、アライグマは嗅覚が鋭く、強いニオイを嫌う……とある。そんなら……というので、ペットボトルに庇(ひさし)を二カ所開けて、100均で買って来た野良犬猫の忌避剤とナフタリンを入れて仕掛けた。ニ、三日経過したが、どうやら効果があったのか、やって来なくなった。その代わりに珍しいのが現れた。夕方の5時ころ、まだ暑いが、雲が出てきたので畑へ。すると、里芋の通路に動くもの。足の長い茶色い鳥が歩いている。今までの記憶から判断してケリ!?ケリという変わった名をした凶暴な鳥で、巣に近づくと、親がキーキーと大きな声で鳴きながら突...畑171/ピントが合わない!
こぼれ種で畑のあちこちに生えている松葉牡丹。「畑タコ」で書いた雑草のスベリヒユの仲間だから、この暑さの中でも剛健に育つ。写真には写っていないが何十匹ものミツバチが飛んでいる。近くに寄っても刺してこない。クマのプーサンになった気分。みんな、後ろ足にコロッコロにした花粉を抱えている。野生化して、どこかに巣をつくって蜂蜜をいっぱい蓄えているのだろう。そういえば、今日は8月3日……はちみつの日。明日4日は新月。ということは、旧暦の7月1日(朔日)。旧暦では1月、2月、3月が春で、4月、5月、6月が夏。秋は7月、8月、9月で冬が10月、11月、12月となる。今年は、少し遅れて7日が立秋。とはいえ、季節なんぞはゆっくりと移ろうもので、少しずつ秋が感じられますよ……というのが立秋。四季があることは味わいがある。日本だけ...茶話140/四季
晴天が続いて畑に田んぼの水を入れた。野菜はさることながら、雑草も待ってましたとばかりに息を吹き返す。焼けつくような陽射しにもめげることなく、植物はぐんぐんと大きなる。植物が我が物顔にはびこっているのに、逆に、人はぐったりとしなびている。炎暑の昼は、クーラーを利かした暗い部屋でじっと淀む(澱む)しかない。夏の炎天下に虚しく過ごす時間の何んと長いことか。生ぬるい水の底に沈む泥のように澱んでいる。よどむ……。川の流れの滞る場所を意味する「よど(淀・澱)」に、動作を表す「-む」がついて「よどむ(滞る・沈む)」という動詞ができた。洗ひ衣(きぬ)取替川(とりかいがわ)の川淀(かわよど)の淀まむ心思ひかねつも/万葉集(洗いたての着物に着替えるかのように、他の女に乗り替えでもしたのかしら……。だから、私の所へ通うのをため...茶話139/よどむ
梅雨明けしてから雨が降らないので、一昨日は、隣の田んぼの水を落花生の畝に引いて水浸しにした(「おひたし」と言う)。今日も今日とて警戒アラートが出る晴天で、雨が降らないままに13日目。もはや夕立は期待できない。落花生は青々と元気いっぱい。さぞかし、他の野菜も水を欲しているだろう。というので、今日はトマトやナスの畝に水を入れた。こんな小咄がある。■え~夕立屋でござい。夕立のご用はおまへんかいな。▲変わった商売が来たがな……、おい、夕立屋!■へい!▲夕立屋て、どんなことすんねん?■へぇ、お金を頂きましら、夕立を降らしまんねん。▲そんなことができんのんか?■へぇ、さっきも隣の町内で「この町内だけにちょっと降らしてんか」というんで、ザ~ッとひと雨降らしてきましたがな!▲へ~、町内だけ?■へぇ、ですから「ここの三軒だ...畑170/夕立
豪雨が続いた後、梅雨明けしてから、十日余り雨が降らない。おまけに「極めて危険」のアラートが続く。去年のカレンダーを見てみると、七月に「危険」が7日で、八月に「極めて危険」が三日あっただけ。それが今年は、「極めて危険」がすでに九日ある。このままいけば、今年の8月はどうなるのだろう?!落花生が盛んに花をつけている。これから実を太らせるために水が必要になる。仕方なく、今年二回目の「お浸し(畑に水を入れる)」。朝の5時から水を入れて、8時に家に帰って、昼前に水を止めに行く。土が水を吸って畝全体が真っ黒になっている。水を得た気持ちの良さに、落花生の葉はしゃんとして笑っているようだ。日本の南西数百キロに小さな島の、山奥深く入った所に一本の樹がある。その樹の花は人間の顔をしていて、人が話しかけると花が笑う。何度も話しか...畑169/たのむで!
落花生の二回目の土寄せを終えた。憎きカラスに200株の苗を引っこ抜かれるという事件があったせいで、例年より十日ほど遅い。いつもは中旬から野良仕事は軽めの夏休みに入るのだが、今年はあと一週間ほどかかりそうだ。それでも一段落がついて少し気が楽になった。のんびりやればいいのだが、お天道様しだいだから、のんびりが滞ってせかせかしなければならない時もある。それに、極めて危険な暑さの中で、のんびりなんぞしていたら干物になってしまう。土寄せを完了して、例年の夏場の指定席にドカリと座る。農小屋の西側で、日陰で風がよく通る。すぐそばを細い用水路が流れている。せせらぎ(浅い川の流れる音)はしないが、きらきらと光りながら流れる水に涼しさを感じる。生い茂る雑草の中に黄色い花をつけているのはヒレタゴボウ。鰭田牛蒡と漢字で書いた方が...畑167/オアシス
明日、畑で何しようという目的と明日の天気で、何時に起きるかが決まる。毎度の猛暑で8時頃までしか動けない。やることがいっぱいあれば4時30分に起きて、5時から畑へ。あまりなければ6時に起きて、のんびりと畑へ。目が覚めて、外で雨音がしていれば、ゆっくりと寝る。この一週間、雨が降れば豪雨という日が三回。土の渇く間がなく、畑の中に入れなかった。ようやく今日になって梅雨前線が北上。さっそく5時に起きて畑へ。と言っても、まだ土が湿っているから畑には入らずに、土が固い通路や畔の草抜き。雑草は抜いても刈っても容赦なく生える。雨降り前に抜いて放ったらかしにしていた雑草なんぞは、もう生き返って根を伸ばしている。なんとまあ……と呆れるとともに、なんとも逞しいものよ……と感心する。♪生きる事がつらいとか苦しいだとか言う前に野に育...畑166/雑草
あんなけ雨が続いたのに、もう一週間も雨が降らない。梅雨の大型連休。トマトなんぞは、わざと水をやらずに虐めてやった方が甘いのが出来る。しかし、花が咲き始めた落花生は水を欲しているのに、畝の土がカラカラに乾いて、可哀そうに元気がない。そこで久しぶりに「お浸し」。とはいえ、料理して食べるのではない。隣の田んぼから畑に水を入れて、畑を水浸しにするのだ。基本的に蒔種や定植、よほど葉がしなびている時にしか水はやらない。自然農法……などという洒落たものではない。邪魔くさいのだ。畝の間にたっぷりと水を入れて半日ほど放ったらかしに水攻めしてやると、畝に水がしみこんで真っ黒になる。野菜の葉っぱはしゃんとして元気になる。欠点は雑草も元気になることだ。が溜まる間、スイカをつるしあげる。とはいえ、こてんぱんに批難するのではない。網...畑165/なんとも物騒な
毎日、「危険」のアラートが出されて、もはや畑仕事は早朝しかできない。5時に起きて、畑へ行く。4月に植えたサツマイモから、ようやく植えることができるほどの苗が出来た。植え時期としては少し遅いができないことはない。昔は梅雨に入る6月に植えたものだ。それが今では、温室で苗を作るので、4月や5月と早くなっただけだ。季節感の無い世の中になったものだ植え終わって、やれやれと8時頃に帰る。朝食を済ませて、涼しければ、もう一度畑へ行くが、すでに30度に達している。毒炎焼くがごとく地は焦げ、命あっての物だねである。家の中でじっとしているしかないが、我が狭い寓居には居場所がない。庭に出て影の下で暇をつぶす。去年に作った「吊りしのぶ(62/しのぶ)」を吊るそうと針金で台を作る。さて、吊る段になって、コンクリートで固められた軒に...茶話138/天まで届け
南と西の田んぼの田植が終わった。これで東西南北を稲田に囲まれた「ぽつんと一軒畑」になる。なんとなく寂しいが、これでカラスがいなくなってくれればと期待している。逆に、我が畑に集中攻撃をかけてくるかもしれない。だが、畑全体に防鳥糸やネットを既に張り巡らせている。来るなら来てみろだ!田植がされている間は、農道を車が頻繁に移動するので、邪魔をしてはと畑に行くのを控える。その間は、我が0円花壇の手入れで暇をつぶす。写真の前列左から、去年作ったコケ玉(62/しのぶ)。コケだけでは殺風景なので、庭の片隅に生えていたウンランをトッピングしている。前列真ん中は道端にあったのを引っこ抜いてきたスミレ(畑158/アレする)。根っこだけでも芽を出す植物なので、すぐに定着した。前列右は庭の片隅に生えていたミツバ。マクドのコーラーの...畑164/喜びの共有
先週あたりから30度超えの日が続いて、畑活は朝夕の夏勤務。6時頃に畑へ。カラスのために余計なことをしなければならない。畑の四方と上に、防鳥糸を張り巡らせた。身長よりも低い所に糸が張ってあるので、頭が糸に引っかかる。畑に入る時は、麦わら帽子を脱いで、頭を下げなければならない。なんとも礼儀正しい畑である。実りだしたキュウリは、慇懃無礼なカラスの被害にはあっていないので、糸の効果はあるのだろう。8時に、近くの工場の始業のサイレンが鳴ると、我が畑活は終了。今年からの帰宅の儀式の始まり……。パーン!カラスを追い払うために、ロケット花火を一発撃ちあげる。パン、パン!百均で買った玩具のピストルを二発ぶっぱなす。高圧電線に留まって、「あのオッサン、早く帰らんのかな」と眺めている奴らが一斉に飛び立つ。ざまあみろ!青田を背景...畑163/めぐる季節の中で
カラスに全滅にされた落花生の種の蒔き直し。小さなトンネルを作って防鳥ネットで囲ったうえに、雨除けと保温のためのビニール。これだけ頑丈にすればカラスも手が出せまい。朝早くにビニールをめくって風通しを良くしてやる。家に帰って朝食して、再び畑へ行く。トンネルの辺りから二羽のカラスが飛び立つ。まさかと思って見ると、やられた!ええ?ここから口ばしを突っ込んだの?と疑うほどの隙間しかない。一羽がネットを持ち上げ、もう一羽が首を突っ込んで取り出したとしか考えられない。なんともエゲツナイカラスの学習能力!人間虐待!こうなりゃ最後の手段!家に帰って食パンを一枚取って来る。小さく切って、竹櫛に刺して、ハイどうぞ!君たちには、もうかなわないから仲よくしよう!中生(なかて)の玉ネギを抜いて乾かしておいて家に帰った。昼食終えて、畑...畑162/カッテにしやがれ!
例年なら、この時期はのんびりとしているのだが、落花生の苗200株全滅(前の記事)から、何かと仕事が増えて二週間休みなし。今日は、午前中に草抜きして、昼から小雨模様なので、やっとのんびり。白菜一玉800円から、ようやく価格が安くなってきた。そんな時期になって、ようやく我が家の白菜が食べごろに。これから、せっせと食べていかないと、この時期の白菜はすぐに花芽が出てくる(とう立ち)。だいたいにおいて、この時期、白菜はあまり食べないから、半分は友人にあげている。一方、こっちは、わざととう立ちさせた玉ネギ。普通なら、失敗作を人に見せたくないので引き抜いてしまう。だから、一度玉ネギの花を見たことがないので放ったらかしにしておいた。ネギ坊主のような花を咲かすのは想像できたが、1メートルほどの高さになるのは意外だ。ついてだ...畑161/楽しみの種を蒔く
落花生の発芽が悪く、根を傷めまいと、発芽前に200株を定植するという、苦肉の策の九二九作戦(畑159)。いつものように畝の左右にカラスの嫌がる防鳥糸を張る。自然相手の農作業は、人間の意思ではどうにもならないことが起こる。しかし、その都度、創意工夫して苦難を乗り越えて来た。それが、農耕民族であった日本人の勤勉、緻密さ、信頼感」、専門性などの世界に誇れる日本人の魅力になってきた。農民根性が大和魂になってきたのだ。次の日、いくつかは青々とした本葉を出しているはずだと、朝、意気揚々と畑へ。玉砕!やられた。全滅!カラスに……!引っこ抜いて豆の部分だけが食われている。防鳥糸が効かない!大和魂がくじけてくる。写真を撮ろうにも落花生の姿は無いし、撮る気力も無い。ナミダすら出無い!五種類を植えているので、残った種を数えて、...畑160/遂に8K88作戦!
5月8日に落花生を100個ほどビニールポットに種蒔きして今日で14日目。7~10日で発芽して出そろう予定が、本葉が出たのは一割ほど。一気に定植するのは辛どいので、日にち差をつけて一週間後に植えた100個は沈黙したまま。落花生は発芽に加湿を嫌うので水やりしなくとも発芽したが、二週間で発芽しないと、さすがにカラッカラ。そこで一発勝負の水やりをしたが、どうも芳しくない。胚軸(双葉の下の茎)と一本の本根は出ているはずだが、地温が上がらないために細い根が張ってくれななんで?こんなん初めて!一日の気温を1時間ごと測定気した気温を平均したものが平均気温。単純にいえば、最低気温と最高気温を+して2で÷ればいい。温暖化だ、夏日だと囃されているが、この時期は大陸からの冷気も入ってきて最低気温が低い。そこへきて、雨や曇りが多い...畑159/九二九作戦発令!
朝6時に目が覚めて畑へ。落花生はというと10個ほど本葉を出している。まあええかと少しだけ納得して、あとはひたすら草抜き。一昨日に雨が降って、今日あたりが抜きやすい。8時過ぎに家に帰って朝食。もう一度畑へ行こうと玄関に出て、ふと思い出した。そうだアレをしなければ。春先に、家の近くの道路の脇でアレを見つけた。なかなか綺麗な花をつけている。調べてみるとアリアケスミレらしい。5月になったら種を採取して、庭に蒔いてやろうと決めていた。見に行くと、すでに種を飛ばしているのもある。だが、大半の実はまだ下を向いている。実が上を向いているのが成熟している証拠。ばかーっと三つに割れて種を遠くへ飛ばす準備をしているやつだ。そいつを見つけて封筒に入れておく。今日中に割れて、一粒で30個ぐらいの種が採れる。割れるのを待っている間、...畑158/アレする!
落花生の種を蒔いて、三日ほどで胚軸(双葉から下の茎)が出て、その拍子に種が土をぷっくりと盛り上げた。いい調子、いい調子。胚軸から根が伸びてから、種が二つに割れて本葉が一斉に出る。種を蒔いて発芽がそろうと実に嬉しくなる……。……はずだったが、一週間経っても種が割れない。ここしばらく肌寒くて、平年気温より1℃ほど低い。そのために地温が上がらず、根が成長していないのだ。厄介なことになった。出来るだけ水やりはしたくなかったが、土がカラカラに乾いているので、少し湿らせないといけない。やむを得ず、指で土をちょいちょいと取って豆を露出させ、蒸れないようにして水をかけるしかない。それで一気に発芽してくれればよいが、落花生は、水分が多すぎると発芽を止めてしまうことがある。さあ、どうしよう?雨の日が多く、気温の変化が大きいた...畑157/勝負や!
見ているだけで腹が立ってくるので、エンドウを早々に撤去した。いつもならネットごと刈り取って、新しいネットに張り替える。しかし、カラスが枝をボキボキにして、まったく成長していないので、エンドウをネットから取り外して、ネットは再利用することにした。すっきりとした畑を見て、気持ちもすっきり。それに、今日は、カラスもどこかへ行ったのか、やけに少ない。なんとも気ままなカラスだと思っていると、隣の畑の方から、周波数の合っていないラジオのような音がする。なるほど、うちと同じように枝をボキボキにやられたので、カラス除けの超音波機かなにかを買ったのに違いない。どんなものかと、帰り際に見に行くと、ラジオのようなではなく、ラジオだった。わざと周波数をはずして鳴らしていたのだ。砂嵐の音の間にピーとかヒューとかの音が交じる。住宅地...畑156/音