第16話 あれから一年
「アイザック、あなた今日が何の日かわかっているのでしょうね?」 寒かった冬が終わり、だんだんと春めいてくるのを感じていたとある日。 朝食の席で、母のイザベラにそんなことを問われた。 何の日とはなんだろう。今日はいつもどおり王宮で宰相補佐の仕事をして、夕方ごろに帰宅する予定だが——特別な行事はなかったはずだし、来客の予定もない。アリアの誕生日はもうすこし先である。 パンを持つ手を止めて暫し無言で思案を...
2025/07/13 10:26
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