月夜の猫-BL小説です 夢見月31 BL小説 「真岡が?」 工藤は聞き返した。 「前回の誓約を破らはったいうことですわな」 厳しい顔をしている工藤に、千雪は軽い口調で言った。 「偽のスクープで、沢村とアスカさんのことすっかり信じ込まはったんやな、沢村の父親も真岡弁護士も」 「だからあんなバカげたマネをした
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。
創作BL小説です。オヤジ工藤と部下良太のすったもんだラブ、京助と千雪のどちらも譲らないぞラブなど、ひねくれ度高いですが基本ハピエン。業界、学園、バンド、社会人、海外あり。R18。傲岸不遜男×強気、野球選手×美形、業界、バンド、学園、学生、リーマン、イケオジ多。BL、ML。字書き、あきつ、絵描き、alyosha、松本悠莉で活動しております。
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月夜の猫-BL小説です 夢見月31 BL小説 「真岡が?」 工藤は聞き返した。 「前回の誓約を破らはったいうことですわな」 厳しい顔をしている工藤に、千雪は軽い口調で言った。 「偽のスクープで、沢村とアスカさんのことすっかり信じ込まはったんやな、沢村の父親も真岡弁護士も」 「だからあんなバカげたマネをした
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった49 BL小説 「響さんは何か隠してる」 井原はまた唐突に口にする。 「響さんがどうかしたんですか?」 「おい、お前、響さん、響さんて気安そうに! どういう了見だ?」 何気なく聞いた豪に、井原が突っかかる。 「いや別にどういう了見も何も………」 わけが分か
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった48 BL小説 「なあ、あの人、向こうで付き合ってたとかそういう話、聞いてるか?」 井原は必死な顔で元気に聞いた。 「響さんがそんなこと俺に話すと思うか?」 「だよな……」 元気の冷ややかな口調に井原はまた一つ溜息をついた。 「響さんを訪ねてきた金髪碧眼の色
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった47 BL小説 クラウスが井原にきつい視線を送っていたことで、おそらく響に別れを告げられた男が、井原を見て新しい恋人かと聞いたのだろう構図が井原の頭にくっきり浮かんだ。 Liebhaber、は何となく聞き取れた。 それが恋人という意味だろうことくらいは知っ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった46 BL小説 しかも家までつきとめるとか、いったいどうやって……。 響はクラウスのことなど井原には知られたくなかったのだが、車を家の前に置いているから帰れとも言えない。 家に近づくと、門の中から長身の男が出てきて、響を認めると、「ヒビキ!」と呼んだ。 「何
月夜の猫-BL小説です 夢見月30 BL小説 「加藤が仕掛けといた網にかかりよったらしうて」 千雪が声を落として言った。 「勢い込んでさっき連絡してきよったんですけど、何や、制作プロダクションに所属しとったらしいねんけどそれやめて、闇バイトみたいな形で、ダークウェブでフェイク動画作りまっせいうて、ぼろ儲けし
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった45 BL小説 祖父がまだ車を運転していた時、車二台分のガレージを作ったので、今は父親のセダンの横に響のヴィッツが入っているが、ちょうど一台分くらいの駐車スペースは玄関の前にあり、ピアノのレッスンに来る生徒の親が停めている。 二人はのんびり歩いて元気の店に向
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった44 BL小説 「いやあ、もう何年振りかだから、どこへでも」 そう言った井原は、車に乗り込むと北アルプスへと続く道を上っていく。 「おい、この車、スタッドレス履いてるのか?」 「そりゃもちろん。まだまだ上の方は雪があったりしますからね」 さらに上がると、断崖
月夜の猫-BL小説です 夢見月29 BL小説 アスカには幾分気を使ったようだが、工藤は既に自分のデスクで、電話の向こうの誰かに怒鳴りつけていた。 あーあ、誰だか知らないが気の毒に。 間が悪かったな。 しかし実際、工藤の機嫌だけでなく、このオフィスも良太がいないとなると火が消えたようになるだろうな。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった43 BL小説 それから不動産屋に戻ると、井原はたったか契約金を支払った。 「さてと、ランチ行きましょう! お礼に奢ります!」 大家に簡易ガレージ設置のことを確認してもらい、OKが出たところで、井原の提案に響も、「そういえば、腹減った」と頷いた。 「やっぱ土
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった42 BL小説 「いい車って言うなら、元気のランドクルーザーじゃないすか」 井原は不動産屋への道を軽くハンドルを切りながら車を走らせる。 「ああ、でかいよな。でも器材積むし、あの黒、元気に似合ってる感じ」 「まあ、そうっすね」 ちょっと拗ねたような口調の井原
月夜の猫-BL小説です 夢見月28 BL小説 「知り合いの雑誌編集者のまた知り合いの女の子が務めてるスナックに坂本がたまに来てて、明日からシンガポールだから今夜は飲むぞとかって騒いでたらしい。えらく羽振りがよかったから覚えてたって」 「それ、夕べの話ですか?」 「残念ながら一昨日の話」 「ってことはもう、坂本
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった41 BL小説 「からかわないでくださいよ、それより十時くらいで大丈夫? 土曜日」 井原は真剣な目を向けてくる。 「ああ、いいよ」 「じゃあ、十時に迎えに行きますから、よろしく」 響の返事をもらい、慌てて美術室を出たと思うと、また井原は戻ってきた。 「あのさ
月夜の猫-BL小説です 夢見月27 BL小説 「ほんとに助かった。ご自宅の方はクリーニング業者を入れて、きれいにしてもらったから、くれぐれも万里子さんにお礼を言っておいてくれよ」 アスカがマスコミの手から逃れるために、自宅を提供してくれた万里子や井上には良太も感謝しかなかった。 お陰で、一番マスコミがうる
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった40 BL小説 それが功を奏したか、生徒たちには割と早く顔を覚えてもらえたと、一年生クラスの二回目の授業を終えた昼休み、響は美術室を訪ねた。 「ああ、音楽っていいですよね~、そういう手段っていうか、もちろん、響先生の手腕があってこそだけど。俺なんか、キュビズム
月夜の猫-BL小説です 夢見月26 BL小説 江藤とアスカの人気俳優同士の不倫騒動は、不倫動画の日時にアスカにはしっかりしたアリバイがあったことで、俄然動画がフェイクであることが取り沙汰されて間もなく、週刊文化芸能編集部編集長並びに文化芸能社社長が緊急記者会見を開き、編集部の担当記者がネタ元をきちんと調べ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった39 BL小説 「彼女ができないって叫ぶ前に、ちっとは引き締めろよ。身も心も。紀ちゃんを見返してやれって気になんないのかよ」 元気にきっちり言われた東は、「わかった! 明日から俺はポテチを断つ!」と一人喚く。 「明日と言わず、今日からにすれば? 響さんは、
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった38 BL小説 「何か、ドイツ語っぽい言葉で怒ってなかった?」 席に戻った響に心配顔の井原が尋ねた。 「嫌なやつから。何でこの番号わかったのか。うちに電話して聞いたのかも。クソ!」 腹立ちまぎれに響は言い放つ。 「嫌なヤツって、大丈夫? 何ならボコってやるけど
月夜の猫-BL小説です 夢見月25 BL小説 「江藤が前に関係したらしいってモデル、昔江藤が共演したっていう番組から見当つけて、同じ事務所のモデルに近づいて聞き出したら、まあ簡単に詳細まで話してくれたぜ」 一見優し気なイケメンの山倉はやたら女子に受けがいい。 「今話題の不倫動画も、あれ、絶対リーナだよね、
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった37 BL小説 「俺は好きな子からしかもらわないって決めてるから悪いって断った」 井原が断言すると、東が、「くっそ、俺もそんな科白はいてみたいよ」と自棄っぱちに言い放つ。 「響さんも実は女の子に色々もらってたでしょ?」 元気が響に振ってきた。 「俺はないよ。と
月夜の猫-BL小説です 夢見月24 BL小説 「内輪だけだったから、親しい方ばっかだったな。原さんご夫婦とか、九条さんとか、五所乃尾さんとか、あ、今の家元のパパね。あとは理香さんや速水さん、親戚の綾小路さんとか、そんなところ?」 アスカの言うそんなところ、はやはり著名人やセレブばかりである。 だからと言
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった36 BL小説 以前祖父がヨーロッパ旅行のついでに響を訪ねて来てくれた時に、響はたまたまクラウスがいたので紹介したが、二人になった時、クラウスと付き合っていることを祖父には告げた。 祖父は案の定、それをきちんと受け入れてくれた。 しかし、父親にも話してくれ
月夜の猫-BL小説です 夢見月23 BL小説 「一月二十五日の、二十二時前だな。わかった。スケジュールを調べてみる」 早速良太から秋山にも連絡が入った。 手帳やタブレットをチェックした秋山だが、その日はアスカの数少ないオフの日だった。 「アスカさん、一月二十五日のこと、覚えてるか?」 テレビの前に陣取っ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった35 BL小説 「俺も勝手に誰か振り込んでくれねーかな! そしたら部屋借りて、自信もって女の子ゲットに全力を尽くす!」 東が拳を上げて宣言した。 「お前のアーティスト魂はちっせえんじゃないの?」 元気はスタッフを呼んで、生ビールを追加した。 「俺、じゃあ、久
月夜の猫-BL小説です 夢見月22 BL小説 「千雪さん風に言えば、こっちはフェイクだってわかってるわけですからね。それに、江藤さんって、ひとみさんに言わせると叩けば埃がでるらしいですし、あの動画も元は江藤さんとアスカさんじゃない誰かと一緒のものだったのかもしれない」 良太は江藤についてももう少し突っ込んで
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった34 BL小説 「ということで、とにかく、響さんの都合に合わせますから」 にこにこしているからそうは見えないかもだが、結構井原が押しが強いのは変わらないようだ。 「まあ、俺は土曜日か祝日しか空いてないぞ」 不承不承な顔で響は言った。 「大丈夫です!」 井原は
月夜の猫-BL小説です 夢見月21 BL小説 「でもさ、事実かどうかじゃなくて、疑惑ってだけでもう決まっちゃうようなもんじゃない」 アスカの言うことに秋山もはっきり否定ができなかった。 しかも江藤とアスカが親し気に歩いている動画などが出回ったからには、誰しもクロ確定とするだろうと思われた。 「事実じゃな
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった33 BL小説 「でも響さん、あんまし変わんないですね。高校の時も女子どもが超クールビューティとか騒いでた。超超クールって」 井原の盛大な響賛美に、「今も女子どもが言ってる」と、響の前に座る東がちょっと上目遣いに響を見て笑う。 「俺? 何それ」 響はまともに聞
月夜の猫-BL小説です 夢見月20 BL小説 そんな江藤と、ドラマや映画で主演を張る、美人だが悪を許さない的なはっきりしたキャラが人気のアスカとのスキャンダルだからこそ、マスコミが騒いでいるのだ。 だが、優柔不断なヤツ、とひとみは江藤を一刀両断、どちらかというと嫌っていた。 「あいつ、コソコソ共演者つま
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった32 BL小説 放課後、井原は毎日のように音楽室に顔を出すのだが、なんのかのと言いつつも、いつの間にか井原が来るのを待っている自分がいる。 今頃井原は何年生を教えているんだろうなどと、響は授業中もふと考えてしまうこともある。 ただ、このままそんな付き合いが
back next top Novels 「さすが、鈴木さん」 良太はぼそりと言って大テーブルの弁当を
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった31 BL小説 「朱莉みたいな能天気にはわからねぇ、いろいろがあるの」 「誰が能天気よ!」 いつもの言い争いを始めた姉弟を見て、響は「じゃ、また寄ります」と袋を抱えて店を出た。 可愛い猫たちが思い思いに遊んでいるのが外からも見えるが、猫はただ見ていた時より飼
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった30 BL小説 それにしても井原は全く昔と変わらずたったか勝手に約束を取り付けるし。 まあ週末の飲み会も、今日の新任の懇親会と同様、旧交を温めるくらいのものなのだろう。 元気や東と一緒だし、何を俺はそんなに構えているんだ。 自分の中に、古い思いがあるだけに
月夜の猫-BL小説です 夢見月18 BL小説 「アスカさんならそんなもん跳ね返すわよ、絶対!」 直子のように頼もしいことを考えてくれるファンもいるに違いないが、何にせよ、少しでも早くデマだと実証しないことには前に進めない。 良太は直子の電話を切るとすぐ加藤に連絡を入れた。 「ああ、今調べてるとこです。千雪
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった29 BL小説 いや、尾上も流行りだしなんて笑ってたくらいだから、ジョークの一種だったのだと思っていた。 あきらめねーからなんて喚いていたのは多少気になっていたのだが。 それに、そういうつもりはないと一応言ったよな? そこまで俺にマジだとかは思わないが、俺
月夜の猫-BL小説です 夢見月17 BL小説 今朝がた、青山プロダクション代理人として小田弁護士が、文化芸能の記事は事実無根であり、告訴も辞さないとはっきりインタビューに答えていたので、マスコミが会社に押しかけるようなことはなかったのだが、良太が車から降りた時、どうやら会社の周りに数人マスコミ関係者だろうう
back next top Novels たまたま傍にいた響はくすりと笑う。 「でも気になる人がいたら
月夜の猫-BL小説です 夢見月16 BL小説 さらに大抵、この手の報道では当の本人のこれまでのプロフィールまで重箱の隅をつつくように情報が流れる。 それだけでなく、これまでにも何かと週刊誌ネタを提供していた事務所の社長である工藤に対しても余計な詮索が入るかも知れないことを良太は懸念していた。 ただし、
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった27 BL小説 「なあ、実際、どうなの? あいつら」 東は元気にボソリと尋ねる。 「俺が知るか!」 元気は胡散臭げに言い放つ。 「まああれだ、人気のあるヤツらがくっついてくれる分には、俺は助かる」 「だから、それ、人気のあるヤツらがいる、イコール東がモテない、
back next top Novels 良太はスポンサーとの打ち合わせが丸の内に十時となっているため
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった26 BL小説 ヨハンのバカのお陰でコンクールに出損ねて、何か、全てがバカらしくなってしまった。 音楽が嫌いになるとかではないけれど、コンクールに命燃やすとかはもういいやと思ったのだ。 肩が軽くなったように、響はドサ回りで演奏会を続けてきた。 疲弊したのは
月夜の猫-BL小説です 夢見月14 BL小説 ぐるりと塀が囲み、真新しい門戸に辿り着くと、良太は家の中にいるはずの千雪の携帯を鳴らした。 今、開ける、と千雪が返事をすると、門が内側に開いた。 雑木林が周囲を覆う中、年季の入った洋風の建物が現れ、秋山は玄関に車をつけた。 「軽井沢の綾小路さんとこみたいだ」
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった25 BL小説 お前の思い切りのいい笑顔は、晴天の空のように清々しかった。 変わらないんだな、そんなところは。 井原の笑顔を見ながら、何だか、あの頃に戻ったような気がして、響はふわりと胸に温かいものを感じた。 「にしたって、寛斗、大丈夫なんでしょうね。なんか
back next top Novels 「何にせよ、早いとこ、デマだって証拠上げないと、拡散するのはあ
back next top Novels 「その頃からモテまくりなんだ、井原センセ」 寛斗の発言に何や
月夜の猫-BL小説です 夢見月12 BL小説 「アスカさんも変な色のジャージとか黒縁眼鏡とかで変装するとか?」 良太が千雪を見て苦笑する。 「やあだ、ユキのあのみょうちきな変装、あり得ない~」 アスカが心底いやそうに言うと、みんなが笑った。 お陰で妙に張りつめていたオフィス内の緊張感が少し緩められる。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった23 BL小説 先日志田のヴァイオリンをみんなで聴かせてもらったが、音大を目指しているだけあって技術もしっかりしているし、高校の部活とはレベルが違うが、志田は皆と一緒に演奏するのが高校での醍醐味だとか達観していて逆に面白い。 結局、ピアノとヴァイオリン、チェ
月夜の猫-BL小説です 夢見月11 BL小説 「しかしあり得ないことじゃないですね。きついことを言うつもりじゃなくても新人はいじめられたと思うかもしれないし、大御所や脚本家なんかには生意気と思われるかもしれない言動がありますからね」 淡々とアスカ評をする秋山に、「ちょっとお、秋山さんまで、ひどーい!」とア
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった22 BL小説 「ああそう。オヤジが亡くなって、俺が店をやることにした時、ライブとかやるのにやっぱ防音措置しとかないと右隣り近いし。結構な出費だったけど、母親がオヤジの保険金ポンと出してくれたから、それこそ元取るまで店やらないとな」 元気は真面目な顔で頷いた。
back next top Novels 「きな臭い相手があるんやったら、とりあえずそこから探ってみるし
back next top Novels 「いや、俺は、祖父の葬儀を機に一端戻ってきただけで、そしたら田
back next top Novels 「アスカさんの件だけど、どうもきな臭いよ」 仕事上付き合いの
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった20 BL小説 「ほんとカッコいい! 井原さん、エリートビジネスマンみたいな雰囲気」 客を見送った紀子が向き直り、憧れの眼差しで井原を見上げた。 「大学でお星さまだけみてたわけじゃなくて、いろんな企業のプロジェクトにも関わったりしてたから、下手するとそれこそ身
月夜の猫-BL小説です 夢見月8 BL小説 良太の頭の中には、昨今W不倫で思った以上にマスコミやSNSなどでも叩かれ、ドラマやCMを降板、築き上げてきたキャリアも失墜した美人俳優の騒動が駆け巡った。 人気俳優だったからこそ出演していたCMも多く、高額の違約金が発生したはずだ。 今当人は海外留学という名目
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった19 BL小説 「井原のやつ、本場で向こうの仲間とやっぱジャズやってたらしくて、俺も一緒にやるの楽しみなんですよ」 「そうなんだ」 今、元気の口から語られている井原は、もう響の知っている井原ではない。 十年ものの初恋を後生大事に抱えて腐らせてしまっているよう
月夜の猫-BL小説です 夢見月7 BL小説 「家元夫人て、俺、もろあの怖いおばはん、そのまんま書いてもうたで」 千雪のセリフに良太は頷いた。 「でしょうとも。茶道に厳しくて京都弁で、佐々木さんのお母さんが出てるって思いましたよ、小説読んでて」 「あのおばはん、出すんちゃうやろ?」 「まさか、冗談じゃないです
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった18 BL小説 まるであの日の続きのように、「あ、響さん、いい天気でよかったですね」などと言いながら、新任式が終わった講堂で、井原が声をかけてきたのだ。 一体全体何がどうなっているんだ? 「やだな、響さん」 元気が声をあげて笑った。 「この春から、井原、物
月夜の猫-BL小説です 夢見月6 BL小説 「あかんかった? ま、しゃあないやん」 「てんで他人事なんだからな」 呆れて良太は千雪を見やる。 これまでも原作のあるドラマに関わったことがあるが、主演はもちろん、好きな俳優が出てくれるとなると、原作者は感涙もので喜んでくれたりするものだ。 中にはあの人
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった17 BL小説 「にしたって、やっぱ父さんの言う通りだったってことだな。実質的な仕事に就けないようじゃ意味がない、か」 尾上はガラス屋を継ぐべくして大学に行き、きっちり地に足をつけて仕事をしているらしい。 仕事をしているからこそ、好きなガラス工芸の仕事もできる
月夜の猫-BL小説です 夢見月5 BL小説 「あ、この人、兄貴の嫁さんにぴったしや」 千雪が言う写真を見た良太は、「え、この人、も無理。ダメモトで一度オファーしてみたことがあるんですが、もうずーっと先までスケジュール決まってますってマネージャーにけんもほろろでしたもん」と断言した。 「俺ごとき門前払いって
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった16 BL小説 「お前、俺に夢を見てんじゃないか? 俺はつい最近までドロドロでぐっちゃぐっちゃの付き合いぶった切って、日本に戻ったんだからな」 「終わったんだろ? なら、いいじゃん!」 「疲弊しきってんの。色恋沙汰なんか、ゴメンなんだよ。俺は思い出の初恋に生きるか
月夜の猫-BL小説です 夢見月4 BL小説 「それやね。多部さんにでけた本もろて、読み返したら、これが結構おもろてな、え、これ、俺が書いたん? て、思わず感心してもた」 「何アホなことゆってんですかっ! とにかく、この話の要の家元のお嬢様、誰に白羽の矢を立てるんですかっ!」 呆れて良太はつい関西弁に染まり
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった15 BL小説 「まあた、ボールかなんか飛び込んだんすか? ここほんと、昔っからよく飛び込みますよね~」 作業員は言いながらひょうひょうとブルーシートを外し、抱えてきたサッシから保護材を取り除いて窓にはめ込んだ。 「俺は本気で言ってんだぞ!」 窓の方を見てい
月夜の猫-BL小説です 夢見月3 BL小説 「そういえば、今日は背後霊はどうしたんです?」 腹が減っていたのと弁当の美味さにしばし言葉も忘れてひたすら箸を動かしていた二人だが、ようやく食べ終えてお茶を飲み、一息ついた良太が思い出したように聞いた。 「学会で名古屋や」 こちらもあらかた食べ終わり、お茶を飲
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった14 BL小説 「どしたん?」 あまりに凝視していたのだろう、胡乱気に寛斗が聞いた。 「ああ、いや」 しょっちゅう、井原もそうやって響に笑みを向けていた。 あれ弾いてよ、ドビュッシー、なんかこう眠くなるやつ。 井原の声が聞こえた気がした。 指は勝手にドビ
月夜の猫-BL小説です 夢見月2 BL小説 大学四年当時、野球三昧の大学生活を送り、卒業したら父親のちっぽけな整備会社を手伝いながら草野球チームでまた野球やろう、などと甘いことを考えていた矢先、お人よしの父親が連帯保証人になっていた友人がバックレたため、高額な債務を押し付けられ、いきなり土地家工場何もかも取ら
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった13 BL小説 井原と同じクラスで、琴美よりもっと線の細い感じの少女だったが、井原のことが好きだと、そんな目をしていた。 気が付いたのは、響が同じ目で井原を見ていたからだろう。 少女のことを思い出した途端、当時のキリキリと胸をひっかくような感情までが呼び起
月夜の猫-BL小説です 夢見月(工藤×良太54)更新しました BL小説 夢見月(工藤×良太54)更新しました。 「月澄む空に」、「何となくクリスマス」、「バレンタインデー、良太走る」の後のエピソードになります。 4月からのニューヨーク研修を控え、工藤並みに忙しい毎日を送っている良太に、また難題が降りかかり
月夜の猫-BL小説です 夢見月1 BL小説 いつの間に止んだのか、窓を叩く雨音が聞こえなくなっていた。 キーボードから指を離して、広瀬良太は窓の外に目をやった。 ここのところ、ドラマの撮影で吉祥寺、ドキュメンタリー番組「和をつなぐ」の撮影で金沢、四月からのニューヨーク研修で配信会社ネットプライム本社、
月夜の猫-BL小説です 夢見月(工藤×良太54) BL小説 「月澄む空に」「何となくクリスマス」「バレンタインデー、良太走る」の後、になります。(工藤×良太54) 相変わらず担当する番組の撮影や打ち合わせに東奔西走する良太だが、4月からのニューヨーク研修を控え、次第に東京を離れる、工藤と離れるこ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった12 BL小説 「よし、決まり! これで五人!」 琴美は二つの拳を握りしめながら、声を大にして言った。 「あとは、春の新入生どれだけ誘い込むかだわ」 「どういう作戦で行きます?!」 もう一人の一年生、榎沙織も身を乗り出すようにして琴美を見た。 「誘い込むとか作
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった11 BL小説 「あーーっ、やっぱり! さっき大きな音がしたから何かと思ったら、これどうすんのよ!」 窓ガラスが割れて風が吹き抜ける音楽室に二人の一年生を連れてやってきたのは音楽部部長の瀬戸川琴美だった。 寛斗と同じクラスで、クラス委員もしている快活な少女だ。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった10 BL小説 何だか、また井原のことを思い出してしまったな。 などとのんびりしていた響だが、間もなく高校時代の音楽の教師である田村からの一本の電話が入ってから響のそれからが怒涛のように決まっていった。 幸か不幸か、父親の口癖ではないが、卒業して潰しがきか
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった9 BL小説 「あいつ、お客さんのこと気に入ったんじゃないすか? どうです? あいつの里親になりませんか?」 いきなり寛斗が響の傍に来て言った。 「は?」 「ヒロってば、失礼でしょ、藪から棒に!」 「ほら、ゴマスリアウモタショウノエンとかいうじゃないですか」
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった8 BL小説 「おい、ガラス、気をつけろよ」 一応非常勤とはいえ、響も教師の端くれなので、生徒がケガなどしないように監督しなくてはならない。 「ヒロ、ガラス弁償、きっついな。ご愁傷様」 同学年の唐沢功が寛斗を揶揄した。 しょっちゅうつるんでいる寛斗の相棒と
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった7 BL小説 ジェンダーギャップが百位以下で、先進国などという殻を被った日本の最もくだらない歪みに押しつぶされた被害者だと、響は出て行った母親の心に今は思いをはせている。 母が出て行ってからは一度も会ったこともないしどこにいるかも知らない。 ピアノを続けるこ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった6 BL小説 家に戻ってからバスルームと簡単なキッチンを増築したが、離れは割と広いリビングと奥に六畳ほどの部屋があり、響は高校を卒業するまでその部屋を寝室にしていた。 この家に戻ることは祖父の訃報を伝えてきた電話で申し出たが、父親は、そうか、と言っただけだ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった5 BL小説 「お、きたな」 元気の言葉に、響は窓の外を見る。 「こんちは~」 「卒業したよぉ、元気ぃ!」 どやどやと入ってきたのは卒業証書を抱えた卒業したばかりの生徒たちだ。 「ああ、キョーちゃんこんなとこにいたぁ! 東も」 「お前ら、東先生と言え!」 「キ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった4 BL小説 「またまた、ロン・ティボー国際コンクールで優勝して、ショパンコンクール優勝候補だったくせに。指だって怪我なんかしてないんだし」 元気は響のあまのじゃくに笑みを浮かべた。 「ロン・ティボーなんか業界の連中しか知らないし、第一、最近ショパンコンクール
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった3 BL小説 「まあ、ガチでピアニスト目指す人と趣味でやってるやつらじゃ、無理ってもんか。俺も大学時代はたまに会ってたりしたけど、ほら、あいつ、お星様狂いで留学しちまったし、俺もバンドとかやってたからお互いあれから会ってなくて。あいつ、まだ留学してんのかな」 「留
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった、ギャラリー更新しました BL小説 橘月2025にそんなお前が好きだった(井原×響)アップしています。 また、ギャラリー更新しました。
★ Gallery Юрий Galleryへ Алёшаへ Алёша2へ 松本悠莉です~ 「空は遠く」
★ Gallery Алёша Galleryへ Алёшаへ Юрийへ アレクセイとロジャ、藤堂・河崎・イラストです
★ Gallery Алёша Galleryへ Алёша2へ Юрийへ Alyoshaです。相変わらず
back next top Novels 響の高校の一年後輩になる。 もっとも在学当時元気とはこんな…
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった1 BL小説 ちらちらと白いものが空から落ちてきた。 濃いねずみ色の空は青い空より何かずっと遠いものを心の中に感じさせる。 「……さらば友よ!」 力のこもった生徒会長の声に騒然としていた面々が一瞬静まり返る。 歴史ある校舎を背景に、グラウンドの傍の道には
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった BL小説 高校時代一学年下の大らかな井原渉(わたる)に懐かれていた和田響(ひびき)。井原は卒業式の後、音大に進んだ響に、卒業したら、校門の傍に聳え立つ大銀杏の下で逢おうと勝手に約束させたが、響は結局行かなかった。言葉にしたことはないが響は井原に対して友人以上の
月夜の猫-BL小説です 上弦の月11(ラスト) BL小説 良太にそんなことを問いただすようなマネもできないが。 工藤は自嘲する。 ちょっと考えただけでも、四十を越えたオヤジより若くてきれいで可愛い女の子の方がいいに決まっているのだ。 覗き見をしているみたいで大人気ないと思いつつも窓から二人のやりとり
月夜の猫-BL小説です 上弦の月10 BL小説 肇のサインを無視したわけではないが、投げる球投げる球全部直球で、あとで肇が怒っていた。 「にしても何だよ、いったい」 まあ、工藤のために何にも予定を入れてなかったから急に空いてしまった休みをどうやって過ごそうと思っていたところだ。 肇やかおりとメシでも食う
月夜の猫-BL小説です 上弦の月9 BL小説 フットライトを残して灯りを落とすと、内装を取り仕切った平造があつらえた厚ぼったいカーテンの隙間から漆黒に浮かぶ上弦の月が目に入る。 細く鈍く放つ月の光を肴に、工藤はグラスの液体を口に含む。 いつもなら甘美なはずの酒が美味くない。 全く。 こんなことなら良
月夜の猫-BL小説です 上弦の月8 BL小説 鴻池が鴻池物産に戻った際には、工藤は自分の出自や性格を考えて、さっさとあとを追うようにMBCを辞めて会社を興した。 工藤がプロダクションを興すのに後押ししてくれたのも鴻池で、工藤の会社のスポンサーとして以後つかず離れずの関係を保っている。 唯一、良太にちょっか
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月夜の猫-BL小説です 上弦の月6 BL小説 修習内容には一切触れないが、ベストセラー作家ということは知れていたし、しかもあの風体は検察庁でも大いに話題を振りまいたようだ。 良太も努めて荒木に合わせて相槌を打ち、笑った。 笑いがひきつりかけたところで、お開きになって良太はようやく肩の力を抜いた。
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月夜の猫-BL小説です 上弦の月4 BL小説 「そんなの、死んじゃったら何にもなんないじゃない! 要は、高広はその社会正義とやらに負けたわけね」 荒木と小田の話に対して、ひとみが言い切った。 「まあ、置いていかれた工藤が荒れたのはわからないもないさな……」 それまで黙って聞いていた下柳がボソリと口にして間
月夜の猫-BL小説です 橘月2025更新しています BL小説 心地よい季節になりました。 世の中も心地よくなってほしいものです。 橘月2025 季節のエピソードアップしてまいります。 上弦の月(工藤×良太19)、春の終わりからのエピソードです。 よろしくお願いいたします。
月夜の猫-BL小説です 上弦の月3 BL小説 「はじめまして。こんな美人にお目にかかれるとはラッキーだな。ひょっとして、工藤とは?」 荒木と紹介された検事は低い深みのある声で言葉を促した。 「ええ、昔ね。ワンクールで振ってやったけど。今はフリー」 「おや、奇遇ですね。実は私もつい最近フリーに。バツイチですが
月夜の猫-BL小説です 上弦の月2 BL小説 ひとみは笑いながら、下柳の背中をバシと叩く。 「バッカ言え! 俺はただ名前が名前だし………おい、……までってことは、つまり……」 確かに千雪の美貌にあてられた感もないではない下柳はがらにもなくうろたえた。 世間で知られている推理作家小林千雪のぬーぼーとしたダサ
月夜の猫-BL小説です 上弦の月1 BL小説 西麻布にある『庭』は表側から見ると無愛想なコンクリートの壁だが、数段の階段を降り、黒塗りのドアを開けると、一階は緑鮮やかなパティオを囲む吹き抜けのレストラン、地下にシックな大人の隠れ家的バーがある。 「いたいた、ヤギちゃん」 聞き覚えのある通りのいい声に、カ
月夜の猫-BL小説です 上弦の月(工藤×良太19) BL小説 そろそろ桜も終わりに近づいた頃、アスカがお花見をやろうと言い出した。それも会社の裏庭でだ。というのも、会社のビルが建った頃から平造が丹精した桜の木が育って、なかなかの花を咲かせているのだ。良太もこれなら人混みの中に出かけなくても充分花を堪能できると思いつつ
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月夜の猫-BL小説です 夢見月31 BL小説 「真岡が?」 工藤は聞き返した。 「前回の誓約を破らはったいうことですわな」 厳しい顔をしている工藤に、千雪は軽い口調で言った。 「偽のスクープで、沢村とアスカさんのことすっかり信じ込まはったんやな、沢村の父親も真岡弁護士も」 「だからあんなバカげたマネをした
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった49 BL小説 「響さんは何か隠してる」 井原はまた唐突に口にする。 「響さんがどうかしたんですか?」 「おい、お前、響さん、響さんて気安そうに! どういう了見だ?」 何気なく聞いた豪に、井原が突っかかる。 「いや別にどういう了見も何も………」 わけが分か
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった48 BL小説 「なあ、あの人、向こうで付き合ってたとかそういう話、聞いてるか?」 井原は必死な顔で元気に聞いた。 「響さんがそんなこと俺に話すと思うか?」 「だよな……」 元気の冷ややかな口調に井原はまた一つ溜息をついた。 「響さんを訪ねてきた金髪碧眼の色
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった47 BL小説 クラウスが井原にきつい視線を送っていたことで、おそらく響に別れを告げられた男が、井原を見て新しい恋人かと聞いたのだろう構図が井原の頭にくっきり浮かんだ。 Liebhaber、は何となく聞き取れた。 それが恋人という意味だろうことくらいは知っ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった46 BL小説 しかも家までつきとめるとか、いったいどうやって……。 響はクラウスのことなど井原には知られたくなかったのだが、車を家の前に置いているから帰れとも言えない。 家に近づくと、門の中から長身の男が出てきて、響を認めると、「ヒビキ!」と呼んだ。 「何
月夜の猫-BL小説です 夢見月30 BL小説 「加藤が仕掛けといた網にかかりよったらしうて」 千雪が声を落として言った。 「勢い込んでさっき連絡してきよったんですけど、何や、制作プロダクションに所属しとったらしいねんけどそれやめて、闇バイトみたいな形で、ダークウェブでフェイク動画作りまっせいうて、ぼろ儲けし
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった45 BL小説 祖父がまだ車を運転していた時、車二台分のガレージを作ったので、今は父親のセダンの横に響のヴィッツが入っているが、ちょうど一台分くらいの駐車スペースは玄関の前にあり、ピアノのレッスンに来る生徒の親が停めている。 二人はのんびり歩いて元気の店に向
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった44 BL小説 「いやあ、もう何年振りかだから、どこへでも」 そう言った井原は、車に乗り込むと北アルプスへと続く道を上っていく。 「おい、この車、スタッドレス履いてるのか?」 「そりゃもちろん。まだまだ上の方は雪があったりしますからね」 さらに上がると、断崖
月夜の猫-BL小説です 夢見月29 BL小説 アスカには幾分気を使ったようだが、工藤は既に自分のデスクで、電話の向こうの誰かに怒鳴りつけていた。 あーあ、誰だか知らないが気の毒に。 間が悪かったな。 しかし実際、工藤の機嫌だけでなく、このオフィスも良太がいないとなると火が消えたようになるだろうな。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった43 BL小説 それから不動産屋に戻ると、井原はたったか契約金を支払った。 「さてと、ランチ行きましょう! お礼に奢ります!」 大家に簡易ガレージ設置のことを確認してもらい、OKが出たところで、井原の提案に響も、「そういえば、腹減った」と頷いた。 「やっぱ土
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった42 BL小説 「いい車って言うなら、元気のランドクルーザーじゃないすか」 井原は不動産屋への道を軽くハンドルを切りながら車を走らせる。 「ああ、でかいよな。でも器材積むし、あの黒、元気に似合ってる感じ」 「まあ、そうっすね」 ちょっと拗ねたような口調の井原
月夜の猫-BL小説です 夢見月28 BL小説 「知り合いの雑誌編集者のまた知り合いの女の子が務めてるスナックに坂本がたまに来てて、明日からシンガポールだから今夜は飲むぞとかって騒いでたらしい。えらく羽振りがよかったから覚えてたって」 「それ、夕べの話ですか?」 「残念ながら一昨日の話」 「ってことはもう、坂本
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった41 BL小説 「からかわないでくださいよ、それより十時くらいで大丈夫? 土曜日」 井原は真剣な目を向けてくる。 「ああ、いいよ」 「じゃあ、十時に迎えに行きますから、よろしく」 響の返事をもらい、慌てて美術室を出たと思うと、また井原は戻ってきた。 「あのさ
月夜の猫-BL小説です 夢見月27 BL小説 「ほんとに助かった。ご自宅の方はクリーニング業者を入れて、きれいにしてもらったから、くれぐれも万里子さんにお礼を言っておいてくれよ」 アスカがマスコミの手から逃れるために、自宅を提供してくれた万里子や井上には良太も感謝しかなかった。 お陰で、一番マスコミがうる
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった40 BL小説 それが功を奏したか、生徒たちには割と早く顔を覚えてもらえたと、一年生クラスの二回目の授業を終えた昼休み、響は美術室を訪ねた。 「ああ、音楽っていいですよね~、そういう手段っていうか、もちろん、響先生の手腕があってこそだけど。俺なんか、キュビズム
月夜の猫-BL小説です 夢見月26 BL小説 江藤とアスカの人気俳優同士の不倫騒動は、不倫動画の日時にアスカにはしっかりしたアリバイがあったことで、俄然動画がフェイクであることが取り沙汰されて間もなく、週刊文化芸能編集部編集長並びに文化芸能社社長が緊急記者会見を開き、編集部の担当記者がネタ元をきちんと調べ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった39 BL小説 「彼女ができないって叫ぶ前に、ちっとは引き締めろよ。身も心も。紀ちゃんを見返してやれって気になんないのかよ」 元気にきっちり言われた東は、「わかった! 明日から俺はポテチを断つ!」と一人喚く。 「明日と言わず、今日からにすれば? 響さんは、
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった38 BL小説 「何か、ドイツ語っぽい言葉で怒ってなかった?」 席に戻った響に心配顔の井原が尋ねた。 「嫌なやつから。何でこの番号わかったのか。うちに電話して聞いたのかも。クソ!」 腹立ちまぎれに響は言い放つ。 「嫌なヤツって、大丈夫? 何ならボコってやるけど
月夜の猫-BL小説です 夢見月25 BL小説 「江藤が前に関係したらしいってモデル、昔江藤が共演したっていう番組から見当つけて、同じ事務所のモデルに近づいて聞き出したら、まあ簡単に詳細まで話してくれたぜ」 一見優し気なイケメンの山倉はやたら女子に受けがいい。 「今話題の不倫動画も、あれ、絶対リーナだよね、
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった37 BL小説 「俺は好きな子からしかもらわないって決めてるから悪いって断った」 井原が断言すると、東が、「くっそ、俺もそんな科白はいてみたいよ」と自棄っぱちに言い放つ。 「響さんも実は女の子に色々もらってたでしょ?」 元気が響に振ってきた。 「俺はないよ。と
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ78 BL小説 「そういや、また来週のゲーノーニュースに久々大センセーも登場するしな」 工藤の発言に、また眉を顰めて千雪は口をつぐむ。 「何よ、それ?」 アスカがすぐ反応する。 いつの間に手に入れたのか、工藤が投げてよこしたゲラには、財界のパーティのあとという説明付きで、今
back next top Novels 「ロンティボーの優勝の時、私も会場にいたのよ」 いきなり話題
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に132 BL小説 「研修って何年もですか?」 天野までが勢い込んで聞いてくる。 「待って、研修なんで三か月ですよ。社長もそれ以上好き勝手させる余裕はうちにはないとかって、ハハハ」 良太の言葉に、「なーんだ、よかった」と竹野、「脅かさないでくださいよ」と天野がほっとしたように息
back next top Novels だが大概、そんな良太の心も知らず、工藤はビジネスライクな調子
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos6 BL小説 ここのところ例の工藤のホットラインは鳴らないし、波多野とも顔を合わせる機会は今のところないが、いつまた何が起こるかわかったものではない。 波多野はおそらく工藤にとって敵ではないだろうが、得体の知れない男だ。 ……………ちぇっ。 「おい、良太? 寝
月夜の猫-BL小説です かぜをいたみ77 BL小説 「俺も聞きてーもんだな? え? 千雪」 皮肉っぽい京助の言葉が追い打ちをかける。 『白昼堂々、アスカ新恋人と激写』などというキャッチコピーつきだ。 「ただ送っていっただけや」 千雪はムッとした顔のまま言った。 「ほう? それで? この二人に何があったかにマスコ
back next top Novels 久々の鍋パは賑やかなものとなった。 「そうなの、あの映画で私
back next top Novels 工藤は、肩代わりした借金以外に、まだ父親が負っている借財のた
back next top Novels 「ええ。何かにつけて響ちゃんの写真とか、今日はどうしたこうした
back next top Novels どこが、いうてはっきりわかれへんけど。 千雪はグラスを弄び
back next top Novels どこが、いうてはっきりわかれへんけど。 千雪はグラスを弄び
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に130 BL小説 良太を離してやろう成長させてやろうなどと思いつつも、自分の手の中に置いておきたい欲がそれをさせてやらなかったのだ。 だがここにきて紫紀からプロジェクトに良太をという話を聞いた時、いよいよきたのだと、工藤は思った。 ネットプライムが契機となり良太は一気に飛躍す
月夜の猫-BL小説です 月澄む空に(工藤×良太)129まで更新しました BL小説 月澄む空に(工藤×良太)129、かぜをいたみ75、夏が来る37まで更新しました。Blue Moon20(ラスト)、最後までお付き合いいただきありがとうございました。 開始いたしました、Isla De Pinos は、ほぼ、夏のは
月夜の猫-BL小説です Isla De Pinos4 BL小説 「おう、怪しいもんじゃないぞ。よろしくなあ、ナータン」 グラスを二個持ってきて良太が向かいに座ると、小笠原は缶ビールと一緒にジャックダニエルズを袋から出してトンとテーブルの上に置いた。 「氷あったかなぁ」 冷凍庫をのぞくと、かろうじてアイスボック
back next top Novels 工藤は嘉人のドキュメンタリー番組のロケに同行し、オスロから帰
back next top Novels 「何を言ってるんだ。斎藤さんにせよ、坂口さんにせよ、なんだかだ
back next top Novels 「響ちゃん!」 美晴は響の姿がエントランスに現れると、ラウン
back next top Novels 擦り寄ってくるナータンをひょいと抱き上げて、ご飯を皿に盛る。
back next top Novels 三作目となる千雪の小説老弁護士シリーズの映画化は単なるシリー
back next top Novels 「まだ、紫紀さんから宮下さんに打診したって段階の話だが、今年の