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月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる25 BL小説 海外からの客の接待が予定されているという部屋は、セミスイートで、ゆったりくつろげるスペースがあった。 「どうぞ、お座りください」 「いえ、結構です」 良太はドアのすぐ近くに立って、きっぱりと言った。 「どうしたんですか? 藤堂さんからプロジェクトの方は順
月夜の猫-BL小説です 月鏡58 BL小説 「あの時はまだわからないって言ったんだけど、さては坂口さんに何かたきつけられた?」 さすが宇都宮、勘がいい。 「はあ、あの、ぶっちゃけ、ドラマのオファーなんですけど」 良太はこの際だと、正直に言った。 青山プロダクションの小笠原とダブル主演で、医者と刑事がバデ
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる24 BL小説 「良太が工藤さんのこと信じてやらんかったら、どないすんね」 信じたい、良太もそれは思う。 だけど――― 「まあ、お前にはえらそうなこと言うけど、好きな人の前に立ったら、みんな不安になるもんや…心はわかれへんから」 「千雪さんが? いつもこれっぽっちも隙が
月夜の猫-BL小説です 月鏡57 BL小説 「なるほどね、パートナーはワンコか。でも一人で留守番とか可哀そうじゃない?」 「ワンコの方がニャンコより一緒に動けますよ。まあ仕事だとちょっとあれですけど、千雪さん、よく一緒に連れ歩いてます」 宇都宮の杞憂に、良太が答える。 「なるほど……」 「あ、そうよ、トシち
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる23 BL小説 千雪も工藤を思いやっているのはわかる。 工藤高広の名前がマル暴のリストから消えない限り、被害者となった時でさえ、工藤は痛くもない腹を探られることになる。 「笑ってもいいですよ。工藤の後つけたり。で、やっぱ工藤が千雪さんに会いにきたってことを思い知らされ
月夜の猫-BL小説です 月鏡56 BL小説 「はあ、ほんと、もう、勘弁って感じですよ」 良太は大きくため息をつく。 「あいつ、マジ、バカだよね。前っから浮ついてたし、あいつとの共演話も過去あったけど、みんな蹴ってた」 竹野も怒りをぶちまけた。 「それ、正解っすよ。うちも気を付けてたんですけど、なんか付き合
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる22 BL小説 「よかったですね、良太が一緒じゃなくて」 電話を切る間際、『T』は言った。 工藤を襲ってきた男のうち、バイクの二人は即死、車の数人も重症を負い、入院したと、『T』は工藤の問いに対して淡々と答えた。 わざとバイクを転倒させたとは工藤は聞かなかった。 だが
月夜の猫-BL小説です 月鏡55 BL小説 「やからお前、工藤さんの後継ぐんなら本、読み! 原作はカズオ・イシグロ、日本人でイギリスに帰化して、前にノーベル賞もろた作家おったやろ? 映画見るんでもええけど、ええ映画やで」 「はあ………そういえば、そんな人いたような………The Remains of the D
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる21 BL小説 明確に狙われているとわかったのは、夜九時を過ぎ、工藤は第三京浜を横浜へと車を飛ばしていた。 おそらく、千雪を連れ去ろうとした連中だろう、追い越し車線に並んだ、バンパーもへこんだサンダーバードに半グレ風の若い男が数人乗っている。 運転している男はかなり運
月夜の猫-BL小説です 月鏡54 BL小説 「どうせ人生一回こっきりじゃない? この際、世間にどう言われようと、愛を貫き通すっってところがいいんじゃない」 白石は悟り切ったように言う。 「裏でヤバいことしててもかよ?」 「人間やってたらそんな人いくらもいるわよ! 断頭台に消えたマリーアントワネットだって、
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる20 BL小説 常々、言葉遣いはいい方ではないが、今はとげを含んでいるような言い草だ。 真夜中の二時をとうに過ぎていたことに、工藤はようやく気がついた。 エレベーターのドアが開くと、小笠原も乗り込んでくる。 「まさか、あんた、良太まで食ってたとは思わなかったぜ。それと
月夜の猫-BL小説です 月鏡53 BL小説 「もともと父親が私にくれたロンドン土産だったんだけどね」 良太は驚いた。 多佳子の用というのがそんなこととは思いもよらなかった。 高価なものかどうかは別として、そんな大切なものを良太は手に取る勇気はなかった。 「待ってください、そんな大切なものを俺がもらうわけ
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる19 BL小説 工藤は苦笑しながら首を振ると、良太の頬に手を伸ばす。 「バカやろう………」 指で涙を拭い、ゆっくりと口づける。 優しく、愛しみながら、工藤は良太をしばらく黙って抱きしめていた。 やがて良太を離すと、「もう、部屋に戻れ」と、工藤は言い、階段を下りて行く。
月夜の猫-BL小説です 月鏡52 BL小説 「政治家も嫌いですよ、工藤さん、反社会的勢力と同様に」 「いちいち嫌味な子だね」 しれっと口にする良太を多佳子はまた睨み付けた。 「ご用件を早いとこ言ってくれませんか? 工藤さんが留守の間、会社の切り盛りしなくちゃならないんで、そろそろ帰りたいんですが」 全く、
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる18 BL小説 いまさらだよな。 俺の心がズダボロになろうが、今日は今日だし、明日もくるってことだ。 良太は諦めの境地で一つため息をつくと、今度は工藤と言い争っていた千雪の言葉が気にかかる。 ボディガードとか何とか、千雪さん、言っていたような……。 工藤のやつ、何
月夜の猫-BL小説です 月鏡51 BL小説 劇愛という言葉も多佳子の口から聞けば頷けるかも知れない。 「父母には親不孝をしたこともわかっちゃいるけど、どうしようもなかった。でもね、やっぱり息子はともかく娘はうちの業界には置いておけないと思ってね、手離したのよ。父母は可愛がって育ててくれたのにね」 身の上話
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる17 BL小説 その時、千雪が良太に気づいた。 「良太……違うで、誤解すんな」 千雪の声が追いかけるが、良太はオフィスを逃げ出していた。 雪まじりの雨の中をせかせかとただひたすら歩いていた。 千雪には京助がいるからと思って忘れていた。 工藤は千雪を愛しているのだ、
月夜の猫-BL小説です 月鏡50 BL小説 当の良太は、フロントで受け取ったFAXの意味が分からず何だろうと見ていた時、左右に男が立ち、右に立った男に「声を出すな」と耳打ちされた。 二人に両腕を取られた良太は喚くわけにもいかず、黙って男たちに従った。 ほんとに現れやがったのかよ!? 自問しつつ、エント
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる16 BL小説 谷川は良太よりあとに入社したとはいえ中途入社みたいなものだし、タレントは問題外だから、良太さん、なんて呼んでくれるのは真中の他にはいそうにない。 「あんなの、藤堂さんも考えていたことだ。俺の口から言わせて、クライアントをさりげなく納得させてるんだろ」 そ
月夜の猫-BL小説です 月鏡49 BL小説 京助は駐車場からまだ上がって来ておらず、檜山と千雪はエレベーターが降りてくるのを待っていた。 数人の客がバラバラとフロントに向かい、千雪は何気なく良太を見、またエレベーターの方を見てから、再びフロントに目をやった。 その時、フロントでFAXを受け取っていたは
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる15 BL小説 工藤の命により小笠原のCF撮影に立ち会うことになった良太は、翌朝撮影が行われるスタジオに向かった。 広告代理店プラグインの藤堂を通じて紹介された男は波多野と名乗った。 今回のCMは、顧客や社会のニーズを基に、企業の業務プロセスや製品、ビジネスモデル、企
月夜の猫-BL小説です 月鏡48 BL小説 すると京助も言った。 「俺も送って行く」 「すみません……匠、大丈夫かな」 振り返ると、匠がほてほてとおぼつかない足取りでやってきた。 「俺も部屋戻る………」 「大丈夫?」 「……ん、もう眠い………」 良太と檜山は辻と京助に送られて部屋に戻った。 「じゃあ、お
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる14 BL小説 「いえ、あれはほんのピンチヒッターでして」 良太としてはこの話題は工藤の前では極力避けたかった。 仏頂面がさらに不機嫌になるのがわかっているからだ。 「本業はプロデューサーでしたね」 紫紀はにこやかに追い打ちをかける。 名刺には確かに秘書のほかにプロ
月夜の猫-BL小説です 月鏡47 BL小説 「いいのよ。百パームリでも、夢を見るくらいいいじゃない!?」 白石は本当に夢見る乙女のような表情で口を尖らせた。 「あ、ごめんね、ありがとう。猫ちゃん、可愛いわね!」 やっと携帯を握ったままなのに気づいて、白石は良太に返した。 「あ、いえ………」 ってか、こ
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる13 BL小説 その社長、京助に輪かけてすげーヤツだったりして。 つまり、千雪さんのお姉さん、じゃない、従姉の小夜子さんの、旦那か。 良太は助手席であれやこれやと頭を巡らせた。 「奈々はどうだった?」 ハンドルを切りつつ工藤が聞いた。 「いいものになりそうですよ。『
月夜の猫-BL小説です 月鏡46 BL小説 「え、ニャンコ………」 白石は携帯に吸い寄せられるように見つめた 「あ、そうです、それ、俺の………」 ロックもしていなかったのですぐに待ち受けが出てきたのだろう。 「あら、ちょっと、可愛いじゃないの!」 白石の声が裏返った。 「へ…………?」 ぽかんとした顔
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる12 BL小説 「明日は『山村損保』が十一時からか、十時に六本木なら間に合うだろう。先に谷川と一緒に『藤永』に行ってくれ。適当に切り上げて山村へ行けばいい。『パワスポ』が四時か。二時からの東洋商事、お前も同行しろ。一階のロビーに一時半。飯は食っとけよ」 モニターでそれぞれ
月夜の猫-BL小説です 月鏡45 BL小説 「あいつ絶対ただもんじゃないと思ってた」 「ってか、匠、今の話でわかんの?」 良太は思わず聞き返した。 「や、だから、魔女と狼男とフランケンとドラキュラに良太狙われてるから、正義の味方の鉄拳マンの弟子がADに紛れ込んでるって話だろ?」 「まあ、正義の味方かどうか
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる11 BL小説 五時半を過ぎ、鈴木さんが帰り支度を始めた頃、工藤のホットラインの電話が鳴った。 ここのところ鳴らなかったのだが、慌てて良太は受話器を取った。 「…………工藤はいない。おい、お前、一体何者だ? 工藤にどういう用件だ? 警察に言ってもいいんだぞ」 良太はす
月夜の猫-BL小説です 月鏡44 BL小説 沢村は車で帰宅途中だというので、駐車場に着いたら車から電話をくれるように言うと、一応、工藤にも報告した。 工藤は、帰るまでに小田に怒鳴り込めって言っておけ、と息巻いて電話を切った。 はあ、と一つ溜息をつくと、良太はバスルームをいったん出た。 途端、ガハハとい
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる10 BL小説 良太が何とか起き上がろうとしたその時、風のような勢いで間に飛び込んできた男がいた。 しかも武道、それもかなり攻撃的な技でたちまちのうちに男たちを蹴散らし、叩きのめしていく。 工藤も黙ってはいない、突き放しても尚も向かってくる男らに応戦し、千雪は持ってい
月夜の猫-BL小説です 月鏡43 BL小説 「集団で来られるとやっぱ怖いよ。俺もガキの頃からこんな顔してたし、女みたいとかいじめられた」 檜山がさらりと口を挟んだ。 「俺もガキの頃からこんな顔で、皆に遠巻きにされてたさ」 ついでのように白石が言った。 途端、ガハハという仲間のわかり声が響く。 「お前、こ
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる9 BL小説 何も千雪さんの作品にケチつけたわけじゃないのにさ。 心の中で愚痴ってもすぐ良太の顔に出る。 「俺はただ……、千雪さんの繊細な描写が映画では消えてしまうのがもったいないかなと……」 「ほう? もったいないってのはつまりできないわけじゃないのにということだな?
月夜の猫-BL小説です 月鏡42 BL小説 「そんなことしませんよ。どうせ、虎の威を借るとか言いたいんでしょ」 良太は京助を斜に見た。 「言わねェさ。お前トラにも食って掛かるからな」 京助の科白に檜山はくすくす笑う。 「良太、キレると怖いもんな」 「こんな弱っちいのつかまえて怖いとかないっしょ」 檜山
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる8 BL小説 「まあ、冬の嵯峨野は好きやから、映像もみてみたいってくらいや」 けど、ま、はかなげな美人かと思ったら大間違いって感じだよな。 良太は、ついついまた向かいの千雪を見つめてしまう。 「わかった。あとキャスティングはどうだ? まだ内定だが」 「やから俺は関知せえ
月夜の猫-BL小説です 月鏡41 BL小説 「お疲れ様です」 良太は辻誠、加藤雄太、山倉啓、白石淳史のいつぞや大活躍してくれた面々を見てぺこりと頭を下げる。 「おう、終わったんや? まあ、入れや。ええ湯やで」 辻がのたまった。 しかしこの四人が雁首揃えているのを見ると、何だか自分が余計に貧相な気になっ
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる7 BL小説 昼過ぎからやたら風が強くなった。 体感温度は確実に二度は下がっているだろう。 接待などで使う、工藤の馴染みの料亭『雅楽』は神楽坂にあった。 夕方から席を用意したのは、小林千雪との打ち合わせのためである。 工藤と千雪の他に良太もというのは、珍しい組み合
月夜の猫-BL小説です 月鏡40 BL小説 車はかなり下に置いていたので、京助が取りに行った。 「あ、可愛い!」 檜山は千雪の連れているシルビーを見つけて駆け寄った。 「千雪のワンコ?」 しゃがみ込んで、檜山は犬目線で撫でまくっている。 「シルビーや」 「シルビー! きれいな子だね」 「ホテル、ペットO
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる6 BL小説 「そんなもん決まってるだろ? お前が入らなけりゃ話は始まらないってこと。お前のために作るチームなんだからな」 言うなり沢村は良太の肩を引き寄せる。 「な…に言ってんだよ!」 へ……と再度固まる肇の横で、「やっぱりそおなんだ?」とすっかり出来上がったかおり
月夜の猫-BL小説です 月鏡39 BL小説 「お疲れ様です~」 森村は相変わらず愛想を振りまきながら、ちゃっちゃかクルーを手伝って片付けにかかっていた。 ふと見ると、加藤と辻のコンビが、いつの間にか京助と千雪のコンビに代わっていた。 「お疲れ様です」 良太が近づいていくと、千雪と京助が振り返った。 「も
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる5 BL小説 「誰が能天気なぼっちゃんだ、だれが! 第一、お前、オフにはアメリカに行くんじゃなかったのか? 向こうでチーム作るんじゃなかったのかよ」 一人物思いにふけっていた肇はいきなりの良太の発言にはたと目を見開いた。 「え、それ、ほんと?」 かおりが身を乗り出した。
月夜の猫-BL小説です 月鏡38 BL小説 着信鳴り分けに設定しているワルキューレだ。 「はい、お疲れ様です」 「そっちはどうだ?」 フランクフルトと京都という距離を感じさせないいつもの工藤だ。 「今のところ順調です。かなり冷え込んでますけど、晴れてますし、空気が澱みないのがいいです。もう撮影入ってるんで
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる4 BL小説 工藤は今日も一日出かけていなかった。 良太とスケジュールがなかなか合わない、ということもあろうが、良太はここのところそれだけではない空々しさを感じてしまう。 絶対、俺を避けてる。 何か、隠してるのは事実だし。 例のホットラインについては、金輪際良太に
月夜の猫-BL小説です 月鏡37 BL小説 日比野監督の弟子なのでとでもいうように、ニコニコと森村が言うので、へえ、そうなの、と聞き流しそうになった良太は、一瞬この似て非なる名前を聞き違えたのかと思った。 「え、日比野さん、だよね?」 「いえ、波多野、です~」 語尾を伸ばす今時の若者の顔を良太はまじまじと
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる3 BL小説 平和なはずだった。 工藤が腕に包帯という姿でオフィスに戻ってきたのは、数日後の夕方のことである。 「工藤さん、どうしたんですか、それ!」 「何でもない」 驚いて駆け寄る良太に、工藤はにべもなく言い放った。 「何でもないってことはないだろ!」 良太は納得
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる2 BL小説 鈴木さんはいつものこと、と笑いながら自分の仕事に戻った。 「う~~~~~~~~!!」 心の中で良太は地団太を踏む。 こういう時、良太など、ただでさえ海千山千の修羅場を潜り抜けてきただろう工藤にはまだまだ太刀打ちできないヒヨッコなのだとあらためて痛感せざる
月夜の猫-BL小説です 月鏡36 BL小説 いつの間にか、時刻は正午を過ぎ、監督から休憩の声がかかった。 良太は、俳優陣やスタッフに弁当を配り始めた。 「手伝います!」 ハキハキした声は、周りの気分をも明るくしてくれるのがいい。 新しいAD森村はにこにこ、きびきびと動いてくれる。 「あ、じゃあ、そっち
月夜の猫-BL小説です xmas2024、月鏡35など、更新しました。 BL小説 2024も大詰めということで、 xmas2024として、クリスマスシーズンのエピソード、 氷花(京助×千雪)、夢ばかりなる(工藤×良太16)など、更新しています。 月鏡35(工藤×良太42)、更新しました。
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる1 BL小説 街路樹は密やかにに葉を落とし、寒々しい冬の様相に一役かっていた。 世の中は年の終わりに近づいて、不景気ながらもやや活気づいてきたところだ。 忙しなく行き交う車を横目に見ながら、通りをトボトボ歩く広瀬良太は冷たい向かい風に肩をすくめた。 「あ~あ…」 や