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月夜の猫-BL小説です 寒に入り13 BL小説 どうやら良太と工藤、沢村は金髪碧眼にフレームレスの眼鏡をかけた男と一緒のグループのようで、先頭に研二が座り、良太、沢村、金髪男、工藤という順に席入りした。 「沢村、お前、英語しゃべれるんだろ? 隣の人何者だよ」 「英語人種じゃねぇみたいだぜ? フランス語っぽ
月夜の猫-BL小説です Summer Break38 ラスト BL小説 何だかわからなかったが、その夜の工藤は割と酔っていたのか機嫌がよさそうに思えたものの、別荘に帰ってから猫の世話を済ませて翌日帰る準備をしていた良太の部屋を強襲して、やたら良太に絡んできた。 良太としてもせっかく東京を離れて二人きりでい
月夜の猫-BL小説です Summer Break37 BL小説 「初犯で執行猶予も終わってほとぼりが冷めた頃でも、いざ復帰となると、視聴者が金輪際許さないとばかりダメ出しするんで、スポンサーもうんとは言わない。せっかく実力のあるやつらがバカをやって這い上がれなくなる」 工藤が怒りを滲ませた口調で言った。
捨てられちゃうのかなぁ。飛べないよねぇ。もうとっくに、飛び方なんて忘れちゃったし。飼いならされた小鳥はさぁ、どんなにあの空に憧れてもね。ガゴの中がお似合いなんだよ。 小さく笑って彼が云う。 彼の眼は、なにを視ている? カゴの中で哀しそうに揺れているあの小鳥? それとも、 硝子に映る自分の姿。 飼い慣らされた小鳥は飛べない。 藻掻き抗い叫ぶことすら諦めて。 ゆるゆるとその生暖かい世界に首まで浸かって。 翼の意味など、とうに忘れた。 あんなに憧れて焦がれていた光の世界は。 結局は彼をただ摩耗させるだけで。 なにもできない俺はただそれを黙ってみていることしかできなくて。 飼い慣らされた鳥は飛べない。
月夜の猫-BL小説です 寒に入り12 BL小説 「そういえば、匠も来るんですか?」 ふと思いついて、良太は工藤に聞いた。 「俺は聞いていないが、綾小路は贔屓筋だし、今日何も入ってなければ来るんじゃないか」 財界人らしき顔が大方集う中で、ここの一角だけ少し異質な雰囲気になっているようだと良太は感じた。 関
月夜の猫-BL小説です 寒に入り11 BL小説 さり気に見まわすと、昨年、沢村の父親の意向で会社の顧問弁護士の息のかかった調査員が沢村を法を逸脱した素行調査をしているという、良太にしてみれば未だもって消化不良な出来事があった時、データの中にあった沢村の兄らしき人物が、着物姿の夫人とともにリビングの隅にいるの
2025-01-11更新==2025.1.1購入(コミックシーモア)== #59128;恋する星屑 BLSFアンソロジー ヨムビーみくじ50%OFFクーポン ==2025.1.3購入(コミックシーモア)== #59128;新装版 弦巻先生の作家生活/tacocasi 1/5まで30%OFF +ヨムビーみくじ30%OFFクーポン ==2025.1.6購入(コミックシーモア)== #59101;カメレオンはてのひらに恋をする。12話 /厘てく LINE秘密の合言葉クーポン(10%OFF) ==2025.1.9購入(コミックシーモア)== #59101;ほんと野獣18巻/山本小鉄子 メルマガクーポン(10%OFF) +月額登録20%還元(登録なし10%還元) +木曜ポイ活2%ポイント還元 ==2025.1.10購入(コミコミス..
月夜の猫-BL小説です 寒に入り10 BL小説 成長してからは、良太も亜弓の言う意味がよく分かったし、自分の出来が良かったわけではないことも頷けた。 だがそのうち努力賞が自分なのだと開き直ったから今がある気がする。 冷静に考えてみると、去年、やたら悩んでいたのがバカみたいに思えてくる。 周りがみんなで
月夜の猫-BL小説です 寒に入り9 BL小説 「ちょ、待てよ! 不謹慎だろ!」 「うるさいやつだな、それはそれ、これはこれだろ」 工藤は良太の抵抗など意に介しない。 「何、ヘリクツ言ってんだよ!」 「慰めてくれるんじゃないのか?」 「エロオヤジなんか慰めるつもりはない!」 「とか何とか、こっちはしっかりそ
月夜の猫-BL小説です 寒に入り8 BL小説 「まあなあ。あ、忘れないうちに言っとくけど、例のドラマほぼ本決まりだから、キャスティング決まったらよろしくな」 「ちぇ、良太、やっぱ工藤にマインドコントロールされてるぞ」 「るさいよ!」 小笠原とああでもないこうでもないと言い合ったことで、良太は懸念していた慰
月夜の猫-BL小説です 寒に入り7 BL小説 でも兄弟姉妹とかとも連絡とってないのかなあ。 良太はしばし思いをめぐらした。 「しかしほんと、うちの社員て訳アリ過ぎ」 「いやあ、人間誰しも、いろいろあらあな」 小笠原がやけに達観したようなことを言う。 「悟りの境地になってんなよ」 「これがならずしていら
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!8 BL小説 軽く追い上げられて、体を繋がれてしまうと、あとはもう工藤にいいように泣かされる。 「……あんた、またタバコ、本数増えただろ」 煙草の苦さまで味わわされた腹いせに、そんな悪態をついてみるが、工藤の髪やシャツに染みついた煙草の匂いに、ふっと安堵する自分もい
月夜の猫-BL小説です 寒に入り6 BL小説 そういえばあの横柄スラッガーも、年末にかおりらと飲んだ時、披露宴に呼ばれたことがないから、是非呼んでくれなどとほざいていた。 まあ、俺に何でも相談室をやらせるくらいだから、本音が言い合えるような相手というのはやはりいないんだろう。 「お、何かさり気に、いいカ
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!7 BL小説 俺なんか、工藤のあとを一生ついて行こうなんて思ってるけど、ほんとのところ、いつまで一緒に、傍にいられるんだろう。 その時、テーブルの上の携帯がワルキューレを奏で始めた。 「はいっ、お疲れ様です」 慌てて携帯を掴むと、良太は勢い込んで電話に出る。 「え
月夜の猫-BL小説です 寒に入り5 BL小説 「何度目かで、何とか、家から通うとか、門限厳守とか、学校は必ず行かせるとか、ルールをクリアするのであればって条件付きでOKもらってさ」 「女子高生だったんだもんな、わからないでもない」 小笠原はわかったふうに頷きながら焼き鳥を齧る。 「奈々ちゃんのマネジャー兼
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!6 BL小説 「ってか、その沢村だ」 さっきから頭の中でぐるぐるしているのは、沢村の問題発言のことだ。 「佐々木さんっていったって、そんな名前どこにでもあるしな」 だが、最近沢村の周りにいる佐々木といえば、あの、クリエイターの佐々木周平しか思いあたらない。 佐々
月夜の猫-BL小説です 寒に入り4 BL小説 憑依型なんぞとどこで仕入れて来たのか、難しい言葉を使ったりしているが、小笠原の語彙力のなさは自分と変わらない。 「よっしゃ、俺もハムレットになりきろ!」 ガツガツと唐揚げを頬張る小笠原を見つめて、良太は大丈夫なのか、とちょっと心配したものの、小笠原も舞台は初め
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!5 BL小説 「お前……」 良太は頭の中がこんがらがって、次の言葉が出てこない。 「いいから、行けって」 沢村はドアを開けた。 「お前こそ明日、ちゃんとトークショー行けよ?」 「わかってる」 「話はまた今度聞くから」 「いいって……」 「……よくない! また連絡する」
月夜の猫-BL小説です 寒に入り3 BL小説 七十代では今時まだ若いだろうその生きざまは、良太が以前ブツブツ呟いていたように魑魅魍魎が跋扈するような業界にあってはいっそ清々しいまでに実直だった。 「何でお前がおめおめと顔を出すんだよ」 通夜が終わり、残った数名が棺の前に座った時、早速文句をつけてきたのは、
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!4 BL小説 「十月の終わりだ……あの人に会って、自分でもマジかって疑ったんだが、ひと目惚れってやつ? それから何とかあの人と再会にこぎつけて、何度か会って………あの人も絶対、俺のこと好きだって、そう……思い上がってたのかもな………」 沢村はじっと真剣な表情で聞いてい
月夜の猫-BL小説です 寒に入り2 BL小説 車の中でスニーカーを靴に履き替えながら、工藤は入社したての、尖った自分をにこやかに押さえてくれた大野の顔を思い出していた。 局内でも有能なプロデューサーとして知られ、工藤が退社する頃には取締役になっていた。 大らかで、特異な出自ということで工藤を蔑視するよ
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!3 BL小説 ドアが開いて、バスローブ一枚で出てきた男を見ると、良太はムッとした顔で中に入った。 「……良太、会いたかった……」 背後から良太を抱きしめる沢村にますます良太は呆れた。 「おい、苦し…………離せってば! 酒臭………!」 ようやく沢村が腕を緩めると、転
月夜の猫-BL小説です 2025年あけましておめでとうございます BL小説 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 今年はどうか、地球上の人々も動物も、みんなにとって良い年でありますように! 年末は忙しなく、xmas2024では、ぎりになってから、 「勝手にしやがれ!」を始めてしまいました。 xma
月夜の猫-BL小説です 寒に入り1 BL小説 五日くらいまでは晴れていい年明けだったのだが、六日の朝から寒波の襲来で東京は年末の大雪にもまして交通にも人の動きにも影響が出た。 雪が十センチも積もれば、東京では大雪なのだが、本来の大雪に見舞われている地域に住む人々からは、その程度で大雪などと言うのはおかしい
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!2 BL小説 それでもまあ、この年末良かったと思うようなことがないわけでもないから、帳消しとまではいかずともその時ばかりは気分は上昇する。 例えば幼馴染でリトルリーグの頃からバッテリーを組んできた肇と、高校の時、部のマネージャーだったかおりが最近つきあい始めたことだ
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!1 BL小説 会社の慢性的な人手不足のせいもあるが、師走に入ってからの広瀬良太はとにかく忙しかった。 もちろん、忙しいのは自分だけではないのはわかっている。 社長の工藤などは、ワーカホリックも度を越えて東奔西走しているのだ。 それはわかっているが、忙しいうえにこ
月夜の猫-BL小説です 勝手にしやがれ!(工藤×良太24) BL小説 沢村と佐々木の「恋ってウソだろ!」とリンクします。 師走に入り、会社の慢性的な人手不足のせいもあり、良太はいつにもまして忙しい毎日を送っている。しかも次から次へと厄介ごとがやってくれば、良太もついぼやきたくもなる…
月夜の猫-BL小説です 月鏡66 ラスト BL小説 「次、『今ひとたびの』で行く予定です」 きっぱりと良太は告げた。 「行く予定て、こないだ、ドラマ終わったばっかやろが」 案の定と千雪は文句を言う。 「来年の話ですから、キャスティングはまだですけど。大澤さんらのスケジュールは一応おさえてあります」 千雪
ひとけのない冬の海は鈍色に濁り、朝の陽の光を弱々しく跳ね返していた。波打ち際をあるく蒼羽はつよい風を避け、マフラーに首をうずめる。それでも舞い上がった砂粒がぴしぴしと頬を打つ。 かちん、とトングを鳴らした。金属音でリズムを取りながら、小学生のころにはやった男性ボーカルの曲を口ずさむ。足元と、手で鳴らすリズム、自分の声に意識を集中させる。だからだろうか、背後から声をかけられるまでひとの気配に気がつ...
ロミオとジュリエットの恋の行く末は、 ほんの少しの掛け違い。 だけど、それを莫迦だなぁと、笑い飛ばすには重すぎる結末だったよね。 十蒼さんと、 時雨さん。 あのふたりは、どうだったんだろう。 あのふたりは、どうなるんだろう。 あのふたりの、終着は―――、 本当のところはわからない。 僕たちにはわからない。 どっちが先だったのか、 どっちがきっかけだったのか。 わからない。 わからないまま、僕たちはただ、 ただ、・・・・・・、 結末だけを、見せられている。 ううん、そうじゃない。まだ、終わってない。これは結末なんかじゃ無い。 そう、まだ、終着じゃない。まだ、続くんだ。
月夜の猫-BL小説です 月鏡65 BL小説 「ひょっとしたらうちのタレントや社員、が対象ということもあるかもだが、主にこの良太だ。いつも四人でなくても、都合がつく者だけでいい」 「え、ちょ、工藤さん! 俺だって自分で何とかできますし、何かって、もう魔女オバサンは襲ってこないでしょう?」 工藤のまたしてもな提案
月夜の猫-BL小説です 月鏡64 BL小説 「けど、こないだの仕事ってより温泉旅行提供してもらったみたいなもんだったし、そう、ご活躍ってほどの仕事もしてないのに、あんな破格な報酬もらっていいのか?」 加藤が代表して言った。 工藤が提示した報酬額を、良太が加藤の口座にみんなの分をまとめて振込してあった。 「
月夜の猫-BL小説です 月鏡63 BL小説 孫が可愛いと思わなきゃ、気にかけたりしないよな。 逢うことがそうそうできないから、余計に工藤のことは気になっていたんだろう。 だからってなんで俺、なんだよ! 俺なんか、ただの部下なんだからな! 工藤と久々顔を合わせて食事をしているのに、と、良太はグチグチと
来訪者を告げるブザーの音に起こされ、ハインリヒは気怠さを隠すことなく乱れた前髪を掻き上げた。朝早くから一体何だ、と思いながら時間を確認するために枕元のモバイルに手を伸ばす。その拍子に、腕の中に抱え込んでいたアルフレードの柔らかな金糸の髪が頬に触れる。擽ったいそれにそっと口許を緩ませ、心地良さそうな寝息を立てて眠っている彼の額に唇を落とす。その間もブザーの音は止まず、小さく舌打ちをしながら手にしたモ...
広告とは何か。それは、商品やサービス、イベントや情報などを広く一般に知らせ、消費者や特定のターゲット層に対して行動を促すための情報伝達手段である。具体的には、テレビやラジオの放送媒体、新聞や雑誌、屋外の看板やポスターなどの印刷物がそれだ。現代においてはデジタル広告も重要な存在で、ソーシャルメディアや検索エンジンを通じて何千何万の人々に今この瞬間も膨大な量の情報が発信されている。だが、闇雲に情報を流...
月夜の猫-BL小説です 月鏡62 BL小説 「お前が何か考え込んでいるとか、ロクなことはないからやめろ」 鰤の刺身や米茄子の田楽、里芋の煮物、鱚や椎茸の天ぷら、海老の餡かけなど、この店自慢の料理が出されているというのに、良太がもそもそしていると、工藤もいい気分で酒が飲めない。 「はあ………」 ペンダントは
月夜の猫-BL小説です 月鏡61 BL小説 なまじっか同時期に司法試験に受かったりしている工藤なので、小田に対する要求も面倒なのだと、小田が良太にぼやいていた。 その上、沢村にまで超面倒な案件で頼られて、いくら仕事とはいえ、確かに、額も後退するよな、などと良太は思わず自分の額に無意識に手をやった。 やが
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる27 ラスト BL小説 年が明けた。 あれから、とりあえず面倒な事件は起きてはいない。 だが―――――― 工藤は眉を顰める。 樹、『Tree』から『T』とその世界では呼ばれているという。 メールでも携帯でもなく、有線の電話を使い、連絡を取るのも年に数回、実際会っ
月夜の猫-BL小説です 月鏡60 BL小説 これらのことを踏まえ後日早速、芸能誌にわざわざ青山プロダクションのでっち上げだというでっち上げの記事を掲載させたことも含めて、沢村宗太郎が顧問弁護士の真岡を通じて興信所の大坪に沢村だけでなくアスカのことまで探らせ、その際に二人の部屋に忍び込み、盗撮させたことなどで
月夜の猫-BL小説です 夢ばかりなる26 BL小説 工藤の爆弾………か。 確かにそうかもしれない。 波多野の言葉を心の中で反芻しながら良太はエレベーターでフロントに降りた。 確かに、波多野の言うとおり、軽率だったかもしれない。 俺が何かバカをやったら、みんな工藤に返っていくんだ。 あああ、結局俺