chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel

1件〜100件

  • 【涙が、】1

    ロミオとジュリエットの恋の行く末は、 ほんの少しの掛け違い。 だけど、それを莫迦だなぁと、笑い飛ばすには重すぎる結末だったよね。 十秋さんと、 時雨さん。 あのふたりは、どうだったんだろう。 あのふたりは、どうなるんだろう。 あのふたりの、終着は―――、 本当のところはわからない。 僕たちにはわからない。 どっちが先だったのか、 どっちがきっかけだったのか。 わからない。 わからないまま、僕たちはただ、 ただ、・・・・・・、 結末だけを、見せられている。

  • Reincarnation

    静謐で美しい情景。 満開の桜の下、 ひらひらと舞う。 花びらは無尽に降り続け、 漆黒の世界は淡い紅色に埋め尽くされる。 ――――――――――――ぼくは死んでいる。 精神を喰われ、空虚な人形と化している。 ぽかりと胸に開いた空洞の向こうに、 細い月が嗤っているんだ。 夢をみる。 覚めない夢を、 けれどぼくはそれが、 ぼくの末路だと知っている。

  • 【わかっているくせに】5

    ―――――――――はぁーーーーー、 外に出て、思いっきり息を吐き出した。 見えていない筈なのにその息に、 たくさんの言葉が色んな大きさを持って、 含まれているみたいに思えて、 舌打ちをして脚で踏みつけた。 上を向いて、空気を吸い込む。 何度も、 何度も、 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺、演技下手糞すぎるな、」 なのにアイツは気づかない。違和感は薄らとあるんだろう。そりゃあそうだよな。 ふと、 この中庭に面した、アイツの居る、2階のベランダ窓に眼を向けた。 ちらりと過った影。―――影。影か・・・・・・、 俺は息を吐き出す。云えない言葉を、 アイツが失くした、 俺たちの永遠を。

  • 【わかっているくせに】4

    「よう、」 一応ドアをノックして、だけど返事を待たずに部屋に入る。鍵はかかっていない。そもそも鍵なんてついてすらいない。「けーとさん、」 俺の姿を認めて、 室内にいた男は、ふわりと笑う、見慣れた笑顔。曇りのない、表情。 窓辺の空気が僅かに揺れた。思わず向けてしまった視線をそこからずらす為に「最近肩凝るんだよなぁ」と独りごちながらそのまま首を左右に動かす俺。不自然じゃないよな。 その奥にある大きな窓から入ってくる柔らかな日の光で室内は明るい。バルコニーがついているんだっけ? パイン材の白いフローリング。淡いクリーム色の壁紙。かなり広い部屋。床に大きなクッションが3個。無造作に置いてある。ベッド脇…

  • 【わかっているくせに】3

    石畳をゆっくりと踏みしめながら深い呼吸を繰り返す。 静かな空間に俺の呼吸音が吸い込まれていく。 なにを話そう。なにがNGだったっけ? 考え出すと頭ん中がぐっちゃぐちゃになるな。あー。もう、こんな悩むの性に合わねーんだよ。 玄関に立ち、無意識にインターフォンを探してしまった。そういえば無いんだったっけ。 扉に手をかけると難なく開いた。不用心だなって思ったけれど、訪問時間伝えてるし、そういやモニターでチェックしてるんだったか。社長が云ってたな、セキュリティは万全だって。 ここで声を出しても。応える者はいない。そう聞いている。 靴を脱いで中に入って周囲を見回しながら歩く。 天井が高い。 静かだな。 …

  • 【わかっているくせに】2

    正直まだ迷ってる。 迷っているんだよ俺は。俺らしくねーよなー。って、自分に呆れるくらい迷ってる。『アイツ』のことだからなんだよな。俺も相当なんだよなぁ。 そんなこと考えながら石畳の上を歩いた。 まるでエアポケットだなこの場所。本当に静かだ。 周りを見回す。あの木たちが音を遮断しているんだろうか。 ・・・・・・ここには、何度来ることになるんだろう。「――――――まだ、・・・・・・信じらんねーんだよなぁ」 その呟きに呼応するみたいに周囲の木々がざわわと揺れた。「考えたって、しょーがねーんだけどさ」 風が吹く。俺は息を吐き出した。「社長(かーちやん)も頑張ってくれてるしな」 マジで。小っちぇー事務所…

  • 【わかっているくせに】1

    腹の底から息を吐き出す。 躰ンなかに、なんかイヤなモンが混じっている気がするから。 だから俺は、下を向いて息を吐き出して、足で蹴って、それを散り散りにして。 それから上を向いた。 周囲を背の高い木に囲まれて空が丸くくり抜かれて見えた。まるで深い穴の中から、届かない空を見上げているみたいだ。 青色の中を、掠れた雲がゆっくりと流れていくのを眺めていたら少し呼吸が楽になった。 寄りかかっていたバイクから躰を離して、改めて周囲を見回す。静かだな。ぽっかりと、エアポケットの様なこの場所。ここがほぼ都心だなんて嘘みたいな静けさだ。 しっかしこんなところよく見つけたよな。 苦笑しながら歩き出した。

  • 【ああ、やっぱり、】2

    しあわせだった。 だからこわかった。 永遠じゃないから。 永遠なんて無いから。 変わらないものなんてない。 終わらないものなんてない。 だからぼくは、 このしあわせの終わりを見たくなかった知りたくなかった。 なのにぼくは、 このしあわせの、永遠を願った永遠を信じたかった。 あなたのまっすぐなことばに、 あなたのまっすぐなこころに、 縋りたかった。 だけどぼくは、 ぼくは、ね、 ぼくは、 ・・・・・・疲れちゃったんだよ、 ぼくは、 ぼくは、――――――こわいんだよ。

  • 【ああ、やっぱり、】1

    そうだあなたはぼくのひかりなんだ。 だから惹かれたのに。 だから欲しかったのに。 なのにどうして、 どうして手放してしまったんだろう。 暗闇の中できっとぼくは、 声にならない慟哭を、 届かない焦燥を、 もがきながら悔やみながらいつまで、 いつまで生きていかなきゃいけないんだろう。

  • 庭園

    おかしいよおまえ。 その姿をその声を、 全身で。 全霊で。 狂ってる。 あのさ、 浸食さ(喰わ)れるなよ? なにが? あのふたり、 ああ、「でもさ、」「綺麗だよね。あのふたりは、」 綺麗? 違うよおまえ間違ってるよ。あのふたりはさ、「怖いよ」 いつからだっけ? きっかけはなんだった? アイツはいつから、 あんな眼をするようになった? いつからだっけ? ―――どうでも良いかそんなこと、 どうでもいいのさ、そんなこと。 ほとり、 花が落ちる。 何故か、年中咲いているあの庭のそこかしこに。 ほとり、 朱い、椿が、花を落とす。 ほとり、 美しくかなしい、あのふたりは、 それでも、ぼくのあこがれだった。…

  • 【ねえ誰れか、】5

    けれど僕には云えない。 彼が隠せているって思っていたその感情を暴いてはいけないから。 だけどだから誰れかお願い。 神様がいるのならお願い。 ・・・・・・・・・・・・早く夢から引きずり出してよ。 あのひとを、連れ戻してよ。 【永遠】を、僕たちの永遠を、 もう一度繋いで欲しいんだ。

  • ないとめあ

    眠りたくないんだ。「どうして」 ゆめをみるんだ。「どんな」 眠りたくないんだ。 だってあんなの嘘だから。 おまえがおれをすきだなんて。 おれがおまえをすきだなんて。嘘だ。 泣きたくなる。眼が覚めたときの焦燥消失。 だって、 そのぬくもりが未だここにある気がして。 泣きたくなるからさ、 気付きたくなかった。 認めたくなかったのに。 ゆめなのに、 しあわせだ。なんて。 こんなにもしあわせで。こんなにも。 かなしい。

  • 【ねえ誰れか、】4

    本当に、【彼】の中には、 なにも無いんだろうか。 あの日々を、 無かったことにしているんだろうか。 本当に? ねぇ、本当に? 「なにを、探しているのかなぁ。おれ、なにか探しているのかなぁ。なんかさぁ、・・・・・・とてもだいじなもの。失くしたくないもの。・・・・・・だけど、それがなんなのか、わかんないんだよ、」 空を見上げて、ゆっくり瞬きをして。 寂しそうに微笑んで。首を傾げる。【彼】は。【彼】は、探しているんだ。 失くしてしまった、あの日々を。 その横顔を見ていると、いっそ云ってしまいたくなる。 馬鹿野郎なに忘れてんだよ! アンタの大事なものなんて、ひとつしかないじゃないか! なに忘れてんだよ…

  • 【ねえ誰れか、】3

    ほんとうは、 計登さんが一番堪えているんじゃないかって、 そう、 思ってる。 本人に云ったら、きっと。「んなわけーねーだろー」って怒るから云わないけど。 ・・・・・・云えないけど。

  • 【ねえ誰れか、】2

    なんの冗談かと思った。 だって僕たちは、【永遠】だった筈でしょう? なのに、 「今後のことを決めないといけない」 事務所の会議室で。社長に、そう云われた。その言葉の意味。 理解ができなかった。 ・・・・・・違う、 その意味なんてすぐに分かった。 だけど、認めたくなかったんだ。 ああ、【永遠】という言葉が、こんなにも儚く虚しく霧散していく。 「大丈夫。アナタたちのことは、私が守る」 きっぱりと云ってくれた社長。僕たちの所属している小さな音楽事務所の社長。あのとき、全く見向きもされていなかった僕たちを見つけてくれた。そして必死で育ててくれた。彼女がいたからこそ僕たちはこうして存在していられる。僕だ…

  • 【ねえ誰れか、】1

    「あのねぇ、ずっと、」 彼が云った。 「ずっと、探している気がするんだ」 夢のなかにまだ、半分くらい居る。そんな表情をしてそう云った。 「なにを、だろう。なにを・・・・・・、なんだろう。でも、わかんない、」 定まらない視線。曖昧な笑顔。 「・・・・・・わかんないんだ、」 彼は未だ、 夢から覚めずにいる。

  • あいしているなら

    アイシテイル、アイシテイル、愛して、いるよ。ああ、それが、本心なら。死んでくれれば、いいのに。ただ、淡々と。まるで、興味のない、他人事のように。 やわらかな、笑みを浮かべて。ふわりと、そう云った。死んでくれたら、いいのに。 「それとも、」……それとも? 散ることのない深い紅。 深紅の薔薇が、綺麗だよほら。ああ、そうだったんだ?キミも、望んでいたんだね?ほんとうは、その、白いのど。この手で、圧迫して。ゆっくりと締めて。その方が、愛が籠もっているカンジがしない?でも、せっかくの綺麗な貌がゆがむのが舌だってでちゃうらしいしいろいろでちゃうらしいし?綺麗なままがいいからね。ほら、大輪の深紅の花が咲いて…

  • 【欠けてるんだ、】6

    あのきんいろと、あの空の色。 どうしてこんなにも、 くるしくなるんだろう。

  • 【欠けてるんだ、】5

    夢なのか現実だったのか、 それすらも曖昧で、 しあわせという言葉の意味が、 何故かひどくかなしく響く。 どうしてだろう、 なにかを忘れてきた気がするんだ。 でもなんなのか、 それがなんなのか、 わからないんだ。 何処かにあるんだろうか、 まだ何処かにあるんだろうか、 けれど何処へ行けばいいのか、 わからなくておれはずっと途方に暮れてる。

  • 【欠けてるんだ、】4

    震える背中、 零れる雫。 手を伸ばすのに、届かない。 さよなら。って、その声だけがやけに鮮明で、 小さな棘みたいに、刺さってる。

  • 【欠けてるんだ、】3

    時折過る、音の欠片。 再生される旋律。 それをうたう、その声の主は、 ・・・・・・・・・・・・誰れだったっけ、 夢の中で、 困ったように笑う、 きんいろのひかり、 空の色、 心臓が痛くなる。 だけどこれが、 誰れの記憶なのか、あれは誰れなのか、 わからない。

  • 【欠けてるんだ、】2

    雑踏の中、 ふと立ち止まり、人の流れに眼を凝らす。 だけどどうして、 そんな風に立ち止まってしまうのかわからない。 けれど確かに、 なにかを探している。そんな気がする。夢をみているって知っている。わかっている。けれど。 それがなんなのかわからない。 なにを? なにを? おれは、ねぇ? 探している気がする。夢のなかで探しているずっと、 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰れを?

  • 【欠けてるんだ、】1

    ゆめをみてた。 焦燥感が残っている。 起き上がって両手をじっと見た。 なんだろう、 なにかを掴みたかった。そう、おれはなにかを掴みたかった。けれど、 届かなかった。あれは、 ・・・・・・・・・・・・なんのゆめだったか忘れたけど。あれは、 ・・・・・・・・・・・・なんだったのかなぁ、

  • 【疲れたなあ】3

    くるしい、 くるしい、 くるしい、 くるしい、 ・・・・・・・・・・・・だってまだこんなにも、 あなたの残滓がぼくの細胞ひとつひとつに沁みついている。 だってあなたはぼくの寄す処(よすが)だった。 美しかったあのセカイは色を失った。 ぼくはどうやって、 ことばを紡げばいいんだろう。

  • 【疲れたなあ】2

    諦めるとか、 忘れるとか、 どうやったらできるんだっけ。 何度も、経験してきたのに、日常を繰り返してきたくせに、 昨日までと明日からの、 区切り方がわからないんだ。 予定をバカみたいに詰め込んで、 楽しいと思い込んで笑って燥いで、 くたくたになって泥の様に眠りに落ちても、 明け方に見る、淡い陽炎みたいな夢の欠片。 曖昧な、形にすらなっていない揺らぐそのカケラが、 頭の片隅にこびりついたまま拭えない。 ふとした瞬間に、 気配を感じて。 空白の刹那に、 過るなにかを、 全身全霊で、気配や色や音やにおいを、 探している。自覚のないまま。 未練。 きっとそうなんだろうでも、 ・・・・・・・・・・・・手…

  • 【疲れたなあ】1

    頷いた、その顔を見ることができなかった。 ぼくは、 俯いたまま、背を向けたまま、 ドアが閉まる音を、全身で聴いた。 ドアが閉じる。それは、 終わりの音。 あれからぼくはずっと、 世界から遮断されているような気持ちでいる。 ずっと、 ずぅっと、ぼくは、 ぼくは見えない膜に包まれていて、 ・・・・・・・・・・・・息ができないんだ。

  • 落果

    おちたんだ。おちつづけているんだ。 ***** 冷たい指先が、ぼくの頬にそっと触れる。 哀しそうに、微笑んで。なにか云わなきゃ。焦るばかりで。ぼくは。こんなに近くに居るのに。こうして触れているのに。指先ひとつ、動かすことも出来ずに。ただ、うつむいた。□□なんだ。そのひとことが、口に出来ずに。あなたの指が、離れていくのを感じて。苦しいんだ。どうして。苦しいんだ。息が出来ない。顔をあげた。あなたの後姿が。にじんで見える。下げたままの手を。そのまま、硬く握って。深く、深く、息を吸って。叫んでも。ことばに、ならない。行かないで。□□なんだ。苦しいんだ。他にはなにも、欲しくは無い。世界が壊れても。世界が…

  • ウツクシイモノ

    あのひとは、笑う。柔らかく、優しく。 ゆっくりと、すこし舌足らずに俺の名前を呼んで、そして困ったように、笑う。 あの日の、あの、 あの、彼は。 何処にも見あたらない。 彼は、笑う。柔らかく。静かに。周りとは違う、空気を纏って。孤独に。孤高に。俺は気がつくと。彼を追っている。眼で。耳で。細胞の、ひとつひとつで。彼の静謐な気配を、さがす。追う。彼の、あの日の彼を。何処かに探す。

  • カナシイヤサシイクルシイ

    「だって無理でしょう?」 なんで?「なんで。って」 はは、へんやなぁ、おまえ。「へん?」 へんやろ。「俺が? ですか?」 うん。「変?」 だってしゃあないやろ? すきになってしもぉたんやろ? すきでいるしかないやん? ほかにどうしようもないやん、なにがむりなん? おれにしてみればむりいうことがわからん。「だって、」 「だって、男同士ですやん」 うん? うん、だから、しゃあないやん? すきになってしもぉたんやろ?「はい」 じゃあ、すきでいるしなないやん? ほかにどうしようもないやん? 「すきってそぉいうことやろ?」 あっけらかんと。 真っ直ぐな瞳が俺を捉えて放さない。 柔らかく微笑んで。そうだあ…

  • 表記問題

    云われてみればそうかと思ったし 反論する理由もないので NL表記問題ですね 反論する理由がないので(2度云いますが) ココでは男女CPのモノガタリは 【DJ】と表記します これって統一表記ありますの?

  • De Nachtmerrie

    幾多もの視線に晒されて。晒されて。曝されて。ああ、じゃあぼくはどんな表情で笑えばいいの。 誰れが味方で誰れが敵?どれが嘘でどれが真実? ぼくが語った言葉はすべて、いつの間にか違う意味を持つ。 こわくてこわくてこわいけれど、 立ち止まるなんてできないんだ。 虚像が実像を覆い隠して、皆が視ているこのぼくは誰れなんだろう。 虚像が実像を押し潰して、皆がつくりり上げたそうこれがぼくの実像になっていく。 誰れがぼくを知っているというんだ、ぼくは誰れを信じているというんだ、

  • 廃楽園

    うそつきだ。 世界は終わらなかった。 いつだってそうだ。 あいつを抱きしめて。 くちづける。なんどもなんども。 もういいじゃん。だれもなんにもいわないよ。 だからこうしてつながったままほらもうじきおわるんだってさ。せかいは、 おわるんだよ。 いままできづかないふりしてた。 このおもいをじょうよくをすべて。 なぁ、 もうおわるからなにもきにすることはないだろう? さいごのしゅんかんまでおまえと、 だっておまえを、 あいしてるから。 あいしてたんだよずっと。おまえだけをあたりまえのように。 せかいがおわるなんてなんにもこわくないかなしくもない。 おまえとこうしてさいごをむかえられるから。 うそつき…

  • 純心

    ―――あんなぁ、 おおきな液晶画面から眼を離さないまま。ひとりごとの様に彼は話す。 ―――おれ、おかしいんよ。 手はキーボードを叩いている。 床に胡座をかいて座り膝の上に置いたキーボード。使い難そうに思うけれどそれがいつもの彼のスタイル。いつもと変わらない。凄まじいスピードで指が動く。画面の中では俺には理解不能な数字が目まぐるしく打ち込まれていく。 ふぅ、 たん! 終わったようだ。彼はキーボードから手を離して。「おれ、おかしいんよ」 くるん、と。 顔だけ俺の方に向けると、もう一度云った。「・・・・・・?」 このひとの、おかしい、基準? 世の常識。その基準からかけ離れているこのひとの? 頭の中に…

  • 心恋のこと

    意味>>心恋(うらごい)> (「うら」は「こころ」の意) 心に恋しく思うさまである。また、何となく恋しく思うさまである。 ※コトバンクより それはそれとして← このシリーズ?に出てくる方言は 似非関西弁です。 使用方法が間違っている表現が多々あると思われますが、 脳内補正しつつお読みいただければと思います。 │-゚*)

  • 孤独な魚はなにをねがう、

    曖昧な記憶。 なんだっけ、 時折、 不意に浮かび上がる画像。 残像。 なんやろぉな、 この、 キオク。 ・・・・・・記憶? ***** 綺麗な、 真っ白な、 鏡? やわらかな、きおく。 桜が、散る。 なんやったっけ、『狂い咲き』 そう、云ったんは。誰れやった? 薄くけぶる、桜の向こうに。 白い、 真っ白な、 風に、 波が、 桜はキライなんよ。 泣きたくなるから。 ***** 知っているんだ。 夜の海は暖かくて。 あの中にこの体を沈めたらきっと。 とっても安心できるんだってこと。 たゆたうのは、 あれはなんだろう。 知っているんよ。 どうすればいい? くるったふりをすればいい? なにもみえないな…

  • 花孕【花ノ檻】

    ちりちりと空気がひりつく。瞼を開いた《□》の眼に純然な白が映る。 此処は―――? 一瞬そう浮かんだ疑問。直ぐに寝台だったと理解した。 花の馨。慣れた匂い。に、微かに混じる違和がある。 何故かはわからない、 ざわつく、こころは。なにに反応したんだろう。 腹に響く重低音と振動が一瞬空間を揺らした。 真っ白な壁の向こうから、真っ赤な液体が染みこんできた。 真っ赤な液体は真っ白な床にぽとりと落ち、流れ広がる。《□》はそっと寝台から降りると、赤い色が進入してくる壁に手をかけた。 す、・・・・・・と。壁が開く。部屋の外は暗く、鉄錆の、生々しい臭いが、した。《□》は床に眼を向ける。 赤い、粘質の液体が床に壁…

  • 花孕【朧ナ花】

    ・・・・・・花が、咲くんだ。 ・・・・・・ぽん、 ぼん、 ぽん、 ぽん、 あのさ、白い。真っ白な花。 ぽん、 ぽん、 躰の中にあちこちに咲いてね。 苦しくなる。 息ができなくなるんだ。 ぽん、 ぽん、 「花が、咲くんだよ」 ぽん、 目覚めると。音がする。 ぽん、 胸の中、躰のそこかしこに咲く。花。 息が苦しくなってどうしようもないくらい悲しくなって。 ぽん、 ぽん、 花が、咲くんだ。何故かはわかんないけど、 (暗転) 躰の中が花で埋め尽くされて。 頭の中も花で埋め尽くされて。 想いも、 思考も、 埋め尽くされて。 そうしたらもう、 (暗転) 花が咲く。 云えない想い、 溜めこんだ思いが凝って芽…

  • 花孕(説明)

    ※長編です 此処ではないセカイのモノガタリ

  • いくつもいくつもある

    ここに載せるにあたり、 過去に書いたモノガタリ徒然を纏めているのだけれど (同じタイトル同じ内容のブツが大量にある) 終わらないので 全く更新していない ・・・・・・更新できない

  • 何処かへ

    見送った。電車。なんとなく、 ひとりになった。駅のホームはもの悲しい。 スマホを取りだして、呼び出したアドレス。 メールを打って、送信。そのまま画面を見つめていた、 莫迦だな。 嗤うこともできない。ためいきをひとつ。 酔っているのかも、しれない。 反対方向の電車に飛び乗りたくなる。 でも、『帰る』場所は、――― 握りしめたままのスマホが震える。開いた画面に並んだ、短い単語の羅列。思わず口許が緩む。 強張っていた感情が解けていく。 どうして、 こんなにも欲しい言葉を綴ってくれるんだろう。 スマホを握りしめ、その姿を思う。本当は、聞きたいんだ。声を。 声を。 でも――― 電車が来た。息を吸い込み開…

  • 残像

    ナイテイルノカト。 思うんだ。いつも。 静かな横顔。 うつくしいその貌に、時折。 ほんの少しだけ浮かぶ。表情。 泣くのかと。 その表情を見つける度に、 胸が痛くなる。 あのひとは、携帯をただ、みつめている。 ああ、ほら、また、 泣きそうで、 壊れそうで、 胸が痛くなる。

  • カナシイ、しあわせ

    この、こころを、 捨てた。だからもう、 恋なんて、 知らない。 「あいしてるよ」 優しい、微笑みをいつだって、 その口許に浮かべて。「すきだよ」 そう、いつだってあのひとは優しい。 だけど、 知っている。 あのひとは、 誰れも見ていない。 あのひとは誰れのことも見ていない。 「あいしてる」 その言葉に。こころがない。 あのひとは誰れも愛していない。 その、 優しい眼差しには誰れも映さない。 言葉だけが、 優しく、やわらかく。包み込むように、やさしく。 シアワセを、勘違いしてしまう。 残酷なこと。あなたは、知らない。 求めても届かない。掴めない。この手に。 諦めることしかできない。 だけど離れる…

  • はじめに

    いつまで続くかわからないけれど 晒しても大丈夫な分野の 架空のモノガタリを綴っていきたいと思います

ブログリーダー」を活用して、韻*さんをフォローしませんか?

ハンドル名
韻*さん
ブログタイトル
壱色ノ匣:ヒトイロノハコ
フォロー
壱色ノ匣:ヒトイロノハコ

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用