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月夜の猫-BL小説です 夢見月(工藤×良太54) BL小説 「月澄む空に」「何となくクリスマス」「バレンタインデー、良太走る」の後、になります。(工藤×良太54) 相変わらず担当する番組の撮影や打ち合わせに東奔西走する良太だが、4月からのニューヨーク研修を控え、次第に東京を離れる、工藤と離れるこ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった12 BL小説 「よし、決まり! これで五人!」 琴美は二つの拳を握りしめながら、声を大にして言った。 「あとは、春の新入生どれだけ誘い込むかだわ」 「どういう作戦で行きます?!」 もう一人の一年生、榎沙織も身を乗り出すようにして琴美を見た。 「誘い込むとか作
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった11 BL小説 「あーーっ、やっぱり! さっき大きな音がしたから何かと思ったら、これどうすんのよ!」 窓ガラスが割れて風が吹き抜ける音楽室に二人の一年生を連れてやってきたのは音楽部部長の瀬戸川琴美だった。 寛斗と同じクラスで、クラス委員もしている快活な少女だ。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった10 BL小説 何だか、また井原のことを思い出してしまったな。 などとのんびりしていた響だが、間もなく高校時代の音楽の教師である田村からの一本の電話が入ってから響のそれからが怒涛のように決まっていった。 幸か不幸か、父親の口癖ではないが、卒業して潰しがきか
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった9 BL小説 「あいつ、お客さんのこと気に入ったんじゃないすか? どうです? あいつの里親になりませんか?」 いきなり寛斗が響の傍に来て言った。 「は?」 「ヒロってば、失礼でしょ、藪から棒に!」 「ほら、ゴマスリアウモタショウノエンとかいうじゃないですか」
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった8 BL小説 「おい、ガラス、気をつけろよ」 一応非常勤とはいえ、響も教師の端くれなので、生徒がケガなどしないように監督しなくてはならない。 「ヒロ、ガラス弁償、きっついな。ご愁傷様」 同学年の唐沢功が寛斗を揶揄した。 しょっちゅうつるんでいる寛斗の相棒と
ボスはこれだ。「これが、こいつのいい所だからな」「そう言われると……」「まあ、私も言ってなかったが。ジュンは料理作れるんだ。スズメありがとな。で、計算できたか?」「だから、要らないって言ってるだろ」「計算できないってか」「する気もないから」 「食材、無駄になったんだろ」「私を言い含められるとでも思っているのか!」その強気の叫びにボスは優しく応じる。「思っている」即答で返ってくるので瞬間ガックリするが...
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった7 BL小説 ジェンダーギャップが百位以下で、先進国などという殻を被った日本の最もくだらない歪みに押しつぶされた被害者だと、響は出て行った母親の心に今は思いをはせている。 母が出て行ってからは一度も会ったこともないしどこにいるかも知らない。 ピアノを続けるこ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった6 BL小説 家に戻ってからバスルームと簡単なキッチンを増築したが、離れは割と広いリビングと奥に六畳ほどの部屋があり、響は高校を卒業するまでその部屋を寝室にしていた。 この家に戻ることは祖父の訃報を伝えてきた電話で申し出たが、父親は、そうか、と言っただけだ
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった5 BL小説 「お、きたな」 元気の言葉に、響は窓の外を見る。 「こんちは~」 「卒業したよぉ、元気ぃ!」 どやどやと入ってきたのは卒業証書を抱えた卒業したばかりの生徒たちだ。 「ああ、キョーちゃんこんなとこにいたぁ! 東も」 「お前ら、東先生と言え!」 「キ
「スズメ」「なに?」怒り声で応じたが、誰に声をかけられたのかが分かると、今度は普通の声を出してくる。「あ、いや。何ですか?」「お前、ジュンに料理を作っていたのか?」その言葉に鼻の下を擦りながら応じる。「そりゃ、ジュンのことよろしくって、任すって言ってたから」「そっか、ありがとな」段々と言いづらくなってきたスズメはしどろもどろだ。「あ……、あ、あ、で、でも、毎日じゃないし」「あいつ、食ってた?」「まあ...
もったりと生ぬるい湯に浸かっているような意識のなかで玄関のドアがひらいて、閉まる音を聞く。あ、響生さん帰っちゃうんだ。起きなきゃ、声をかけなきゃ、と思う頭はまくらに糊付けされたかのように動かない。あれ、おかしいな、でも響生さんが帰るんだったら声をかけたい。ぽこりぽこりと浮かんでは流れる思考は端からふわっとはじける。はじけた先にはやわらかいいとおしさがあって、陽詩は口もとだけで微笑んだ。 ……響生さ...
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった4 BL小説 「またまた、ロン・ティボー国際コンクールで優勝して、ショパンコンクール優勝候補だったくせに。指だって怪我なんかしてないんだし」 元気は響のあまのじゃくに笑みを浮かべた。 「ロン・ティボーなんか業界の連中しか知らないし、第一、最近ショパンコンクール
急に声が割って入ってくる。「スズメ、テイクアウトの出来てるって?」その声にビクッと肩が震える。「トモヤか……」友は顔を覗き込まれる。「5年ぶり。元気だった?」「ああ。そっちは元気そうだな。ボス業はどうだ?」「5年やって、なんとか慣れたってとこ」「私はいなくても大丈夫そうだな」「いろんな人にフォローされてるけど。でも戻ってきたんだろ」「まあな」スズメはじっと立ち聞いているみたいだ。「スズメ、どうした?...
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった3 BL小説 「まあ、ガチでピアニスト目指す人と趣味でやってるやつらじゃ、無理ってもんか。俺も大学時代はたまに会ってたりしたけど、ほら、あいつ、お星様狂いで留学しちまったし、俺もバンドとかやってたからお互いあれから会ってなくて。あいつ、まだ留学してんのかな」 「留
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった、ギャラリー更新しました BL小説 橘月2025にそんなお前が好きだった(井原×響)アップしています。 また、ギャラリー更新しました。
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった1 BL小説 ちらちらと白いものが空から落ちてきた。 濃いねずみ色の空は青い空より何かずっと遠いものを心の中に感じさせる。 「……さらば友よ!」 力のこもった生徒会長の声に騒然としていた面々が一瞬静まり返る。 歴史ある校舎を背景に、グラウンドの傍の道には
月夜の猫-BL小説です そんなお前が好きだった BL小説 高校時代一学年下の大らかな井原渉(わたる)に懐かれていた和田響(ひびき)。井原は卒業式の後、音大に進んだ響に、卒業したら、校門の傍に聳え立つ大銀杏の下で逢おうと勝手に約束させたが、響は結局行かなかった。言葉にしたことはないが響は井原に対して友人以上の
月夜の猫-BL小説です 上弦の月11(ラスト) BL小説 良太にそんなことを問いただすようなマネもできないが。 工藤は自嘲する。 ちょっと考えただけでも、四十を越えたオヤジより若くてきれいで可愛い女の子の方がいいに決まっているのだ。 覗き見をしているみたいで大人気ないと思いつつも窓から二人のやりとり
月夜の猫-BL小説です 上弦の月10 BL小説 肇のサインを無視したわけではないが、投げる球投げる球全部直球で、あとで肇が怒っていた。 「にしても何だよ、いったい」 まあ、工藤のために何にも予定を入れてなかったから急に空いてしまった休みをどうやって過ごそうと思っていたところだ。 肇やかおりとメシでも食う
月夜の猫-BL小説です 上弦の月9 BL小説 フットライトを残して灯りを落とすと、内装を取り仕切った平造があつらえた厚ぼったいカーテンの隙間から漆黒に浮かぶ上弦の月が目に入る。 細く鈍く放つ月の光を肴に、工藤はグラスの液体を口に含む。 いつもなら甘美なはずの酒が美味くない。 全く。 こんなことなら良
月夜の猫-BL小説です 上弦の月8 BL小説 鴻池が鴻池物産に戻った際には、工藤は自分の出自や性格を考えて、さっさとあとを追うようにMBCを辞めて会社を興した。 工藤がプロダクションを興すのに後押ししてくれたのも鴻池で、工藤の会社のスポンサーとして以後つかず離れずの関係を保っている。 唯一、良太にちょっか
月夜の猫-BL小説です 上弦の月7 BL小説 二月に良太も一度下柳とともに知床に足を運んだ。 ほとんどとんぼ返りだったが、あの究極の自然にほんの少し触れただけでも身体が震えた。 「ありのままの状態で撮りたいからな」 下柳の意気込みにもままならぬものがある。 「絶対、カッコいい作品になりますよ」 思わず
月夜の猫-BL小説です 上弦の月6 BL小説 修習内容には一切触れないが、ベストセラー作家ということは知れていたし、しかもあの風体は検察庁でも大いに話題を振りまいたようだ。 良太も努めて荒木に合わせて相槌を打ち、笑った。 笑いがひきつりかけたところで、お開きになって良太はようやく肩の力を抜いた。
月夜の猫-BL小説です 上弦の月5 BL小説 「後輩だったよね?」 荒木はそんな良太に笑みを浮かべて聞いた。 「いや、後輩なんて、口にするのもおこがましいです、俺、野球バカだったから」 良太は謙遜というより正直に言った。 「工藤のお守りは大変だろう?」 「ええ、まあ……そこそこには」 「何だ、その言い草は
月夜の猫-BL小説です 上弦の月4 BL小説 「そんなの、死んじゃったら何にもなんないじゃない! 要は、高広はその社会正義とやらに負けたわけね」 荒木と小田の話に対して、ひとみが言い切った。 「まあ、置いていかれた工藤が荒れたのはわからないもないさな……」 それまで黙って聞いていた下柳がボソリと口にして間
月夜の猫-BL小説です 橘月2025更新しています BL小説 心地よい季節になりました。 世の中も心地よくなってほしいものです。 橘月2025 季節のエピソードアップしてまいります。 上弦の月(工藤×良太19)、春の終わりからのエピソードです。 よろしくお願いいたします。
「ん-……、ぐっすり寝たぁ」「やっぱり、ずっと海の上だと体に悪いな」「そうだね。せめて2週間までだね」朝食を食べ終えて宿を出ると露店で昼食用に食料を買い込むと、ジュンに連絡を入れる。ツーコールで出てきた。『ダディ!』「夕食は何だ?」『何が良い?』「フルコース」『じゃあ、買い物に行く』「先に、皆に土産を私に行くから遅くなるけど」途端に声に元気がなくなる。『夕食までには帰ってこれない?』「遅くても17時過...
月夜の猫-BL小説です 上弦の月3 BL小説 「はじめまして。こんな美人にお目にかかれるとはラッキーだな。ひょっとして、工藤とは?」 荒木と紹介された検事は低い深みのある声で言葉を促した。 「ええ、昔ね。ワンクールで振ってやったけど。今はフリー」 「おや、奇遇ですね。実は私もつい最近フリーに。バツイチですが
月夜の猫-BL小説です 上弦の月2 BL小説 ひとみは笑いながら、下柳の背中をバシと叩く。 「バッカ言え! 俺はただ名前が名前だし………おい、……までってことは、つまり……」 確かに千雪の美貌にあてられた感もないではない下柳はがらにもなくうろたえた。 世間で知られている推理作家小林千雪のぬーぼーとしたダサ
はぁはぁと息をついていた響生が、陽詩を見下ろす。そっと目が細められ、優しい手が髪を撫ぜる。ちがうの試してみよっか、と邪気なく言われたとき、陽詩はだから、よもやまだ性交がつづくのだとは思わなかったのだが。髪に触れていた手が背中にまわり、ぐるっと体勢を変えられた。陽詩が響生のうえになる。挿入の角度が変わり、あたらしい性感の息吹に陽詩はうんと背をしならせた。「や、や……きもちいぃの、もう、こわい…」「怖...
月夜の猫-BL小説です 上弦の月1 BL小説 西麻布にある『庭』は表側から見ると無愛想なコンクリートの壁だが、数段の階段を降り、黒塗りのドアを開けると、一階は緑鮮やかなパティオを囲む吹き抜けのレストラン、地下にシックな大人の隠れ家的バーがある。 「いたいた、ヤギちゃん」 聞き覚えのある通りのいい声に、カ
月夜の猫-BL小説です 上弦の月(工藤×良太19) BL小説 そろそろ桜も終わりに近づいた頃、アスカがお花見をやろうと言い出した。それも会社の裏庭でだ。というのも、会社のビルが建った頃から平造が丹精した桜の木が育って、なかなかの花を咲かせているのだ。良太もこれなら人混みの中に出かけなくても充分花を堪能できると思いつつ
ここオーストラリアには無数の無人島があるが、宿のある島もいくつかある。そのうちの一つにクルーザーを停め、大地に足をつける。途端、足がぐらつく。「大丈夫か?」「なんかグラついたような、地震か?」「ずっと海の上だったから、今日はここで慣らしておく方がいいかもな」「さむぃー」「食事つきの宿だ。メニューに文句つけるなよ」「そっちこそ、言わないように」その島の住人は寒くても活気がある。露店だが、あるお店を見...
月夜の猫-BL小説です 夢のつづき20(ラスト) BL小説 「起きろ! 良太!」 耳元で怒鳴られて、良太はようやくからだを起こした。 「れ、ライオンのお手……」 「何を寝ぼけてるんだ」 見回すと自分のベッドの上で、傍らに立つ工藤は、とっくにスーツで決めて仕事モードに入っている。 「ちぇ、何だ、夢か……」 「とっとと
サークル名 相馬 昴 年齢指定 R18ページ数 713 ジャンル 年下攻め 体格差 中出し 乳首責め ガチムチ神聖なる診療室、その奥で目覚める肉欲 「今度こそ、どんな診療が俺を待っているのか──」 鍛え上げられた肉体、静まり返る診療室、そして冷酷な医師。 診察台の上で繰り返される「医療行為」は、果たして治療か、それとも──。 本作は、理性と欲望のはざまで揺れる男たちを描いた、全13章・約9.5万字のボーイズラブ長編小説...
【セッション12】パーフェクトステージ ——明けない夜など存在しない——
笑って泣ける、愛情と友情の感動ストーリー。 モヤモヤも、悩みも、葛藤も。笑って頑張ろうとする方も。 リラックスタイムにも、ぜひ。 元宮ショウジ(19歳)低い声、血管の浮き出た腕、ロマンチスト 美浜遊(19歳)ド天然、天パ、正義感 森力也(20歳)黒い瞳、甘い匂い、トラ...
月夜の猫-BL小説です 夢のつづき19 BL小説 寒っ! 肩にひんやりとした風を感じて、良太は目を覚ました。 「あれ…」 ベッドの中だ。 そういえば確か工藤が酔っ払って帰ってきて、じゅうたんの上に倒れ込んで…… 俺も寝ちゃったのか。 「……ああ、そうしてくれ。相田、カミさん一人で大丈夫か? 小田が今朝
2日後、友明は自分で作った外套を身に付ける。「あったか~」「よく、こんなのを作れたな」「これで颯爽と歩けばモデルになれるかな」「無理」「キッパリ言わなくてもいいでしょ」「モデルというのは長身でバランスのとれた均整をしている体格の持ち主だ」「分かってるよ」なにしろ、トップモデルがいるのだから。「友みたいに寸胴体型だと」「言うな」「絶対にモデルは向いてない」「分かってるって言ってるだろ」友明は毛糸を1...