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デパ地下で買ってきた鮨をガラスの器に並べたら、完熟の秋酒を開けよう。“奥丹波冷やおろし”は福知山線を呑み潰した旅の戦利品、ほぼ半年蔵で熟成した濃醇旨口の酒だ。こんな重厚でコクのある酒には鍋が良いだろうか。豚肉と白菜、焼き豆腐にキノコとあぶらげも放り込む。お手軽な鍋がぐつぐつ煮えたら旨酒の杯もすすむね。過ぎゆく秋の余韻を感じながら家呑みが愉しい。<40年前に街で流れたJ-POP>Invitation/河合奈保子1982水曜日は家呑み派「奥丹波冷やおろし」
秋の乗り放題パス(連続する3日間)を握りしめて呑み鉄の旅、二日目は福知山から大阪方面に抜けようと思う。駅の西にある車両所から223系が入ってきた。新しい形式なのだけど寸詰まりの2両編成なんだね。10年ほど前に乗った時は堂々の編成だった気がする。JR線もローカルになるとほぼワンマン運転になっている。由良川と土師川の合流点から福知山城を見上げる。二つの川が天然の堀であったことは想像に難くない。明智光秀が修築した福知山城は野面積みを用いた石垣が残り、中世の姿に思い巡らせることになる。山陰本線に福知山線、宮福線(京都丹後鉄道)が乗り入れる福知山駅は鉄道の要衝だ。高架化された近代的な駅は南北に広場を持ち、新しくできた南口にはC11が転車台に載って保存されている。09:01、福知山駅を発った2530Mは緩いカーブを描...臥龍城と宝塚だんじりと奥丹波と福知山線を完乗!
日本最西端の駅と教会の尖塔と飛鸞と 松浦鉄道・西九州線を完乗!
2016.11.05投稿記事の再掲です。07:04発の伊万里行きの単行レールバス、博多に向かう特急を背景に明るい朱色のラインが映える。BOXシート独占と思いきや、発車間際にJR線から大勢の高校生が乗換えてほぼ満員。朝の缶ビールはお預けだ。佐世保湾はまもなく日の出を迎える。五島列島へ渡るのだろうか、年季の入ったフェリーが停泊中だ。奥のバースにはアメリカ海軍か、海上自衛隊かは判らないが駆逐艦(護衛艦)の姿が見えるね。松浦鉄道でのんびりと半島を巡る。とは云っても、航空機の時間もあるので少々早起きして佐世保駅だ。佐世保から単行レールバスに揺られること1時間半、東経129度35分。たびら平戸口駅は日本最西端の駅だ。駅舎はちょっとした博物館になっていて、松浦鉄道の歴史が写真などで展示されている。東洋と西洋の町並みが混...日本最西端の駅と教会の尖塔と飛鸞と松浦鉄道・西九州線を完乗!
快晴の土曜日、ちょっと寝坊して8時前にZのシートカバーを剥がす。久しぶりだね。単車で走るなら断然高速よりも一般道の方が楽しい。R17を北上してバイパス上部道路をクルージング。世良田インターを降りたら、あとは県道69号線でわたらせ渓谷までまっしぐらだ。大間々の高津戸峡、狭隘な渓谷に両岸から覆いかぶさるような紅葉の紅や朱そして黄色が美しい。渓谷をさらに遡る。右へ左へ緩やかに登るワインディングが楽しい。いつしかボクらは草木ダムの堤頂へ。ダム底へと続く細道を降りてみた。堤高140mの巨大コンクリート構造物はさすがに迫力があるね。左右から迫る山々の紅や黄色に囲まれて、白い壁がずいぶんと弱々しくなった陽を反射している。草木橋の袂の蕎麦処も錦秋の中、真っ赤なモミジに隠れた古民家に「新そば」の札が掛かっている。ぼそぼそっ...風を感じて!わたらせ渓谷紅葉OnMyWay
わさび醤油をたっぷり垂らして“トロいくら丼”、美味いものってビジュアル的には茶系が多いけど、これだけ美味くて華やかなどんぶりって嬉しいね。半分は肴に、半分はあったかご飯と一緒にいただいた。本当はいわしづくしを楽しみに来ただけれど、今朝は揚がっていないらしい。代わりに“サンマ刺し”で一杯。地酒は九十九里山武の“梅一輪”、スッキリとした酒を味わううちに、華やかなどんぶりが着丼するのだ。file-016化粧なんて似合わない/岩崎良美1982旅するどんぶり銚子「トロいくら丼」
1889年(明治22年)、旧海軍の舞鶴鎮守府が設置された。舞鶴線の歴史はこの軍港とともにあったと云える。出征者や引揚者の様々な想いを乗せて舞鶴線は走ってきたことだろう。今宵この舞鶴線の短い旅をする。近代的な高架駅に島式ホームが一つ、1番線に舞鶴線、2番線に小浜線の電車がホームを挟んで停車する。18:51発の350Mは新しい223系の2両編成、小浜線からの乗継ぎ客を飲み込むと、定刻に闇を突いて走り出す。30分の旅を簡単に乗り通してしまったら呑み鉄にはならない。呑み人はひとつ目の西舞鶴に降り立つのだ。道中目星を付けておいた地魚が食べられる居酒屋を、赤れんが倉庫辺りで電話して席を確保しておいたのだ。先ずはともあれ“生ビール”を一杯、突き出しには“あんきもポン酢”が出てきた。今宵は散財になるかな。重厚な陶器に氷を...舞鶴旬魚と万願寺とうがらしと池雲祝と舞鶴線を完乗!
2016.10.29投稿記事の再掲です。国際通り沿いに在る「ヒカリ」は老舗のハンバーガーショップ。少々甘めの玉子焼き、ベーコン、チーズ、トマトが入った"スペシャルバーガー"が初心者にはお奨め。お隣の「LOGKIT」もこれまた人気店、佐世保バーガーの食べ比べも楽しいかも知れない。長崎本線の肥前山口から分岐する佐世保線で基地の街・佐世保をめざす。2両編成の新鋭車両は静かに肥前山口を滑り出しだ。どこかに在るはずの0キロポストはチェックし忘れた。途中下車した武雄温泉駅は、長崎新幹線の建設を見据えて高架駅に生まれ変わっている。いつの間にやら小雨が降り出した。駅で借りた雨傘をさして向かう先は、もちろん日本の名湯・武雄温泉だ。竜宮城を連想させる朱塗りの武雄温泉楼門は国重要文化財、東京駅を設計した辰野金吾氏の設計になる。...武雄の湯と鯖バッテラと六十餘洲と佐世保線を完乗!
風の音しかしない静かな駅、列車交換のために2両の125系が少々長めの停車をしている。南から延びてきた尾根が何本かそのまま海に落ち込んでいて、その合間から青い日本海が覗いているね。秋の乗り放題パス(連続する3日間)を握りしめて、北陸新幹線工事の槌音響く敦賀までやってきた。小一時間の待ち合わせ、先ずは佐渡酒造先生に手を合わせる。今回も美味しいお酒と巡り会えますように。かつてはホームにあったのかな?気比そばあまので“おろしそば”をいただく。ちょっと辛味が美味しい。「これは“越前そば”ですか?」と呑み人、「いいえ、ここは“若狭”ですからね」と笑顔でお姐さん。やっ、やっちまった。でも旅人の無知は時としてなごみを生むね。漸く1番線に932Mが入線してきた。このブルーフェイスの2両編成で小浜線をゆく。ローカル専用の12...気比そばと早瀬浦と舞鶴赤れんが倉庫と小浜線を完乗!
幸せの黄色いハンカチと島原城と清酒普賢岳と 島原鉄道を完乗!
2016.10.22投稿の再掲です。海に一番近い駅?大三東駅に願い事やメッセージが描かれた「幸せの黄色いハンカチ」がはためく。雲仙温泉で開かれた入社同期会で懐かしく愉快に飲んだ翌日、島原鉄道で諫早をめざす「呑み鉄」番外編。島原半島を半周するように走った島原鉄道は、2008年、南半分の島原外港~加津佐間が廃止になった。普賢岳の火砕流被害から復旧してから僅か10年後だ。未だに水無川方面へ赤錆びた鉄路が延びている。乗車早々ひとつ目の南島原で下車する。駅から徒歩5分ほど、龍馬長崎初上陸の地・島原湊で若者達がルアーに講じている。この水辺に島原藩の倉をリノベーションした蔵カフェ「茶房升金の蔵」がある。松の一本樹の梁、窓から眺める湊の海、木の香りと潮風、年代物の箪笥や船具店時代の滑車やランプ。郷愁を誘う雰囲気のある空間...幸せの黄色いハンカチと島原城と清酒普賢岳と島原鉄道を完乗!
真新しいライディングジャケットを羽織って名栗湖まで走った。見上げる空には澄んだ「青」が広がる。入間川を遡る県道はご機嫌なワインディングだ。大きなカーブから立ち上がるごとに黄や橙が濃くなっていく。名栗湖と上流の有間渓谷沿いは見頃まであと少し?それでも所々でモミジが湖面に朱を映している。名栗渓谷の「鳥居観音」も紅葉のビューポイント、北野武監督の「Dolls」のロケ地でもある。白雲山に点在する白亜の建造物と真紅に染まった紅葉のコラボレーションはなかなかの見応えだ。最奥の救世大観音までの山道は、モミジやらカエデやらが色付き、緑から黄・橙・紅へのグラデーション。玄奘三蔵塔とモミジ、フレームの中に白亜と真紅がピタリと収まって、なかなか美しいのだ。渓谷のせせらぎを見下ろす「花廼家」さんに立ち寄る。同年輩のバイク乗りが3...風を感じて!名栗湖紅葉StardustKids
シルバーにオレンジのラインを引いた8900系、そろりそろりと大野川橋梁を渡ると終点の内灘駅は近い。学生時代に浜田山に住んでいた呑み人だから、この車両にも乗ったことがあると思う。とても懐かしい。同じくオレンジに浮かび上がるのは金沢駅鼓門、浅野川線が発着するのはこの地下空間になる。えちぜん鉄道を旅して金沢入りしたのはとっぷり暮れてから、北陸鉄道の呑み潰しは明日にして酒場を探そう。駅にほど近い堀川町、鈍角に交わる2本の県道を繋いで三角形に飲み屋街を切り取る路地に入る。三角形の頂点あたりの立ち呑み「串酒場大笑」に若者が溢れている。でもオヤジも果敢に飛び込んでみる。オリジナルのジョッキがいい感じに冷えて一気に呷る“生ビール”が美味い。あては渋く“タコわさ”を突っつく。表面張力に耐えられなくなった“加賀鳶山廃純米”が...鼓門と内灘砂丘と加賀鳶と浅野川線を完乗!
霧の蔵ブルワリーで爽やかに "Hyuganatsu" を 吉都線を完乗!
2016.10.19の再掲です。開通当時の吉都線は、日豊本線として九州を縦貫する幹線だった。戦前の吉松駅は、鹿児島本線(現肥薩線)と日豊本線(現吉都線)が合流する鉄路の要衝だったそうだ。昭和7年、霧島連山の南麓を走る新線が開通すると、名称を吉都線と改めローカル線となってしまった。今では1~2両の気動車が11往復、都城と吉松を結んでいる。通学時間を過ぎた10:05発の都城行きは単行なのだ。肥薩線と分岐した単行気動車は、霧島連山の北麓、田園風景の中を宮崎自動車道と並行して往く。モータリゼーションが進んだ地方のローカル線の乗客はというと、御多分に洩れずお年寄りと中高生がほとんど。そして昼間っからボックス席で焼酎を飲む域外からの闖入者?と相場は決まっている。ほぼ行程半ばの高原(たかはる)駅で下り列車と交換すと、単...霧の蔵ブルワリーで爽やかに"Hyuganatsu"を吉都線を完乗!
一陣の風が吹いて、さっきまで湖面に映っていた榛名富士もすっかりさざなみに揺れている。いい感じに色づいてきたね。榛名湖の湖面標高は1,084m、日本で2番目に高いそうだ。まもなく見頃を迎える。この週末は快晴の予報、北の空に雲がないのを確かめて、zを走らせてきた。関越自動車道のスマートインターを降りると、迫る榛名の外輪山がほんのり色づいている。期待ができるね。単車の旅は何かとランチのタイミングを外しがちなので、10:00開店をめざして目当ての店に飛び込む。榛名山や伊香保温泉を訪ねたら“水沢うどん”押さえておきたい。っと古民家風の一軒にウインカーを出す。オーダーは“ざるうどん”の一択、コシの強いうどんを先ずは“なめこ汁”でズズッと啜る。いい感じだね。甘いカボチャの天ぷらを岩塩で口に放り込んだら、次は“胡麻汁”か...風を感じて!榛名富士紅葉Dramaticrain
“恋のしらやまさん”でラガーとハントンライスを 石川線を完乗!
秋の澄んだ空気のせいだろうか、ずいぶん早くから電車の警笛が聞こえる。何分も経ってから、無人駅に隣接する踏切の警報音が鳴り始める。っと大袈裟に車体を揺らして鶴来行きがやってきた。橋爪門続櫓から菱櫓をつなぐ2層2階の五十間長屋、白い土壁と瓦が朝日に輝いて美しい。さすがは加賀藩前田家百万石の居城らしく威風堂々としている。続く二の丸御殿の復元整備が待ち遠しい。金沢城を背にして、静かな朝の香林坊・片町を抜けて犀川大橋を渡ると「にし茶屋街」は案外近い。「ひがし」や「主計町」と比べるとひっそりした「にし」だけど、美しい街並みを見ることができる。木虫籠(きむすこ)と呼ばれる出格子の茶屋からは、今にも芸妓さんの三味線が聴こえてきそうな風情がある。にし茶屋街から泉用水に沿ってぶらぶら歩くこと5分、小さなターミナルに行きあたる...“恋のしらやまさん”でラガーとハントンライスを石川線を完乗!
2016.10.15の再掲です。九州に飛んだ呑み鉄旅は"いさぶろう1号"で八代駅を発つ。この車両は見るからに水戸岡鋭治氏の作品だ。SL人吉号など多彩な観光列車が走る肥薩線、開通当時は鹿児島本線として九州を縦貫する幹線だったという。昭和2年に水俣・川内を経由する海沿いの新線が開通すると、名称を肥薩線と改めローカル線となってしまった。肥薩線の起点は鹿児島本線の八代駅、0キロポストは1番ホーム上にある。肥薩線の八代~人吉間は通称「川線」と呼ばれ、最上川、富士川と並ぶ日本三大急流・球磨川に沿って走る。翠緑色の水を湛える球磨川では、尺アユと呼ばれる30センチもの大きなアユが育つそうだ。"鮎屋三代"は九州駅弁ランキング3年連続1位の名物駅弁、乗車前に八代駅前の「鮎の老舗より藤」で仕込んだ。焼鮎からとっただし汁で炊き込...鮎屋三代と"いさぶろう号"と隼人心と肥薩線を完乗!
ちがうタイプの麺(Men)を好きになってしまう揺れる乙女心よくあるでしょ?高倉跨線橋の北詰に人気のラーメン屋が軒を連ねている。京都にはOnOffかなり足を運んでいる呑み人だけど、この二軒はどちらも「初めまして」だから何方でもいい。やや順番が早そうな「新福菜館」の列に紛れ込む。先行して“ヤキメシ”着丼、醤油を焦がしたような香ばしい匂いが漂う。この茶色って絶対美味いやつだ。でも長い目で見ると体に良くないんだろうな。古めかしい薄いスプーンで大きなひと口を放り込む。予想通りの濃ぉい醤油味が口っぱいに広がる。やっぱり美味い。癖になりそうな味ではある。続いて“中華そば”登場、山盛りのネギで麺はおろかチャーシューすら見えない。ネギ増しにしたからね。辛うじて覗くスープ、これはもう茶というより黒か、レンゲでおっかなびっくり...ご当地旨ラーメン事情京都「新福菜館」
長く続いた秋雨が上がった昼まえ、zのカバーを解いてエンジンをかける。腹に響くような低音が心地よい。もうこの時間だから、近場のドライブに連れ出したい。どうやら鴻巣市の荒川河川敷でコスモスが咲いている。約88,000平方メートルに1,000万本というからなかなかの見応え。赤い水道橋を背景に、濃紅色、桃色、白色と咲き乱れるのは“センセーション”、最もポピュラーな種類ですね。ようやく咲き揃って来たのは“キャンパスイエロー”、青空に映える透明感のある黄色が爽やかでしょう。いわゆる黄花コスモスは生命力が強そうだ。まるで剛毛のような茎が絡み合いながら好き勝手に伸びているね。半八重咲きの花は“ブライトライト混合”、黄色と橙色の混合らしいのだけど、辺りはオレンジ一色だ。ところで対岸の吉見町は苺の産地、ゆるキャラの“よしみん...風を感じて!HappyMan
夏に立ち寄った千曲川ワインバレーのリュードヴァン、週末、ピノ・ノワールの収穫ボランティアに再訪した。標高800m、蓼科山を望む畑には平年を超える降水量に負けず、しっかりと色付いたね。収穫用コンテナボックスをひっくり返して腰掛けると、ちょうど目線に美しく実ったピノ・ノワールの房と対面。園芸用のハサミで房を切り取ったら、悪くなった部分を削いで、コンテナに収めていく。迷子になる房が無いよう葉を掻き分けながら、勝手が分からない慣れない作業に、最初は慎重になり過ぎる。漸くペースが掴めてきて、10kgを収めるコンテナを4つ作った頃、スタッフからランチの声が掛かる。スタッフが大きな圧力鍋から“地鶏のトマト煮”を盛り付けるのを横目に、シードルをいただいて人心地だ。振る舞われたワインは2021年の“ドゥー・ローブ・ヴィオレ...信州点描PinotNoir
2016.10.12の再掲です。国鉄湯前線は九州山脈の山々に囲まれた球磨盆地の木材輸送を担い、木材を積載した貨物列車が走った。平成元年に第三セクターのくま川鉄道に移管されて現在に至っている。起点はJR人吉駅と併設で、5・6番線を割り振られているのだが、駅名は人吉温泉駅と改称している。人吉温泉(人吉)駅には、今では全国的にも珍しくなった駅弁の立ち売りがいる。菖蒲豊實氏は「人吉駅弁やまぐち」の社長さん、知る人ぞ知る駅弁界のレジェンドだ。ふたつ目の川村駅を出るとまもなく球磨川を渡る。球磨川第四橋梁は国の有形文化財で有名な撮影スポットだ。人気の駅弁"栗めし"は、栗型の容器に、かんぴょう入りの炊き込みご飯、ほくほくの甘い栗がのっている。まずは付け合わせのおかずを肴に"瑞鷹"のワンカップを楽しむ。ほくほくの栗めしはあ...田園シンフォニーと栗めしと清酒瑞鷹とくま川鉄道を完乗!
眩い朝陽が差し込むのは早朝の福井駅、ホームの先端に高校生のカップル。会いたかったんだね。現在キャンペーン中とかで、この日「一日フリーきっぷ」が500円、えちぜん鉄道をお得に呑み潰そう。恐竜が今にも襲いかかろうとしているのは勝山駅、1914年(大正3年)開業以来の駅舎は登録有形文化財。午前中は三国芦原線に乗って東尋坊に遊んで、午すぎから勝山永平寺線に揺られてきた。なぜ恐竜?って、ここは福井県立恐竜博物館の最寄駅だから。人気の博物館は現在予約制なので注意が必要だ。九頭竜川対岸の山裾に鈍く光る銀のドームが恐竜博物館、ボクは勝手に“モスラの卵”と呼ばせてもらおう。白地に青のツートンにちょっぴり黄色のアクセント、MC7000形は飯田線を走っていた119系をJR東海から譲渡されたものらしい。この2両編成にのんびり揺ら...モスラの卵と越前そばと黒龍と勝山永平寺線を完乗!
城下町を漫ろ歩いて、今宵は駅近の酒場で地酒と郷土料理を堪能したい。場所柄、地元の若者、観光客、出張のサラリーマン風など、ちょっと混沌とした雰囲気になってる。酒は東に西にアルプスを見上げる天竜川沿い中川村の"今錦おたまじゃくし"、特別純米酒ひやおろしを択ぶ。もみじを散らしたラベルには工夫があって、酒の成長をおたまじゃくしで表しているそうだ。冬に出荷する生酒は手足なし、春の特別純米では足が出て、1年を経たひやおろしは手も生えてってね。アテには"辛味大根おろしと馬肉たたき"、炙った赤味馬刺しに信州の辛味大根をたっぷりおろして、ポン酢でさっぱりと美味しい。ふくよかながらもキレのある“ひやおろし”とともにご機嫌な宵なのだ。file-100<40年前に街で流れたJ-POP>時代は僕らに雨を降らしてる/長渕剛1982一酒一肴松本•今錦×馬肉たたき
2週続けて福井、この週末は最高の秋晴れに恵まれ、東尋坊と三国港の海鮮を求めてえちぜん鉄道を旅する。と言いながら、前夜のうちに北陸の海の幸を愉しんだ。大阪から流れて福井駅前の大衆割烹「善甚」を訪ねる。この週末は奥越の酒に酔う。先ずは越前大野の“花垣超辛純米”を択ぶ。、薄く色付いた液体がグラスに滴る。そうこの店、二段にした受け皿にまでいっぱいに零してくれる。これはお迎えにいかないといけない。ハマチ、甘えび、平目、サワラ炙り、カンパチ、真鯛と豪勢に6点盛り、特に“サワラ炙り”が上々のアテだ。“白えびのかきあげ”が揚がったら、二杯目も越前大野、真名鶴酒造の酒をお願いしよう。“奏雨(SOW)”、雨が奏でるの詩的なネーミングが表現するちょっと甘やかで爽やかな純米大吟醸は、『果実や野菜類をふんだんに盛り込んだ前菜類と好...東尋坊と白えびのかき揚げと奏雨と三国芦原線を完乗!
2016.9.24の再掲です。新清水駅を発車した1000形2両編成が夕日を浴びて、ゆっくりと巴川にガーダー橋を渡っていく。静岡と清水を結ぶ静静岡岡鉄道は全線複線、電車は6~7分間隔の高頻度で行き交う。かなり頼もしい市民の足だ。定時に仕事を終えたサラリーマンが待ち合わせる夕暮れの新清水駅にやってきた。これからちょっと一杯かな?これから約20分、静岡清水線に揺られて、青葉横丁あたりの昭和風情溢れる店で「静岡おでん」を食べたい。乗車した「ちびまる子ちゃんラッピング電車」は、濃淡のピンク色が可愛らしい。まる子が弾んでいる感じだ。車内放送もまる子の声、途中14駅の乗降の案内をしてくれる。これはなかなか楽しいし穏やかな気持ちになる。新静岡駅は複合商業ビル、さらバスターミナルも併設しているから、家路を急ぐ人、買い物する...ちびまる子電車と青葉横丁と静岡おでんと静岡清水線を完乗!
自慢のかき揚げが丼の背にもたれ掛かって、刻みネギとワカメが“かき揚げそば”の麺と汁を覆っている。具と一緒に麺を大掴みして、フウっと一息かけてズズッと啜る。汁はやや辛めか。美味い。汁に浸って柔らかくなったところから“かき揚げ”を崩して、またズズッと啜る。旨い。汁が甘みを帯びてきた。小田急系列の「名代箱根そば」のそばはなかなかレベルが高いと思う。テーブル席も設置した明るく清潔な店内は、女性も家族連れもそのドアを開けることを躊躇わないだろう。腹を満たしたら各駅停車で東海道をさらに西進する。青春18きっぷ最後の日は遠州鉄道を呑み潰すつもりだ。file-021<40年前に街で流れたJ-POP>ゆ・れ・て湘南/石川秀美1982駅そば日記小田原「箱根そば」
おすすめの"名古屋牛かつ"はちょいレア、おろしポン酢でよし、たっぷりわさびでもよし、美味しい。こんなアテに合わせる食中酒は純米系がいいね。純米吟醸"半田郷"はしっかりした味わいで濃い料理にも合う。名古屋圏を呑み潰した夏、青春18きっぷだから、東京に帰るには17:00の新快速に乗らないといけない。15:00に赤ちょうちんが灯るちょいのみ酒場「せんて」を探し当てて、まだ日の高い名駅での一杯なのだ。file-099<40年前に街で流れたJ-POP>待ちぼうけ/堀ちえみ1982一酒一肴名駅•半田郷×名古屋牛かつ
黄色と橙色が入り乱れて、夏の終わりの高原に“黄花コスモス”の花畑が広がっている。トップスの色に似ているから、はしゃいで花畑の中の小径にかけ込む彼女を見失いそうだ。渋谷からR246を走ってきた。付き合いはじめの1,000kmは1速から6速まで満遍なく回したいからね。県道151号に乗り換えて、富士の裾野を快適に駆け上がってくると、須走浅間神社の大鳥居にぶつかる。ちょっと寄り道、手水舎の冷たい水で清めたら、二拝二拍手一拝、ふたりの旅の安全を祈る。上空の雲は驚くほどのスピードで流れ、時々思い出したように青空がのぞく。富士山は見えない。ドーン、ドーンと遠雷が聞こえる。雨か!一瞬の緊張。どうやら東富士演習場の砲音のようだ。籠坂峠へのR138を駆け上る。右へ左へ深いカーブの内側に体ごと傾けて、だいぶ息が合ってきたね。峠...風を感じて!246:3AM
盛夏の名残りを感じたいと湘南をめざして来たけれど、湾岸を走るうちに青空は薄曇りに移ろってしまう。稲村ヶ崎から三姉妹の女神の島「江ノ島」を望む。古くから景勝地は夏のあるいは海の代名詞的なスポットだ。ガタゴトと緑の電車が走っている。稲村ヶ崎から由比ヶ浜の間で江ノ電1000形とコラボレーション。喧騒の海岸線をちょっと離れると案外静かな鎌倉がある。迷惑をかけない程度に風景の中に溶け込んでみたい。田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)を祀る辺津宮は源實朝の創建、大河効果でちょっとしたブームか。境内の奉安殿には八臂弁財天に並んで、琵琶を抱えた妙音弁財天が美しい裸体を魅せている。江ノ島には美しい天女に一目惚れした五頭龍(龍口明神社)の伝説がある。龍宮大神をお祀りする龍宮から丘に上がると、弁財天と五頭龍の伝説にちなんだスポッ...風を感じて!Loveland,Island
伊勢鉄道の短い旅を終えて、県庁所在地にしては良く云えば落ち着いた雰囲気の津駅前。ほど近い懐石料理店の暖簾をくぐる。伊勢志摩の贅沢を楽しむ店にリーズナブルなランチメニューがあった。"るみ子の酒"は、伊賀は森喜酒造の酒、注ぐ特別純米生原酒がリーデルグラスを曇らしていく。紅が鮮やかな肉に青い刻みネギを散らして“松坂牛レアステーキ”が美しい。サッと青柚子を絞って準備万端。松坂牛の旨みに青柚子の酸味がちょっぴりきいて美味しい。追いかける純米酒のすっきりした味わいが合う。さて、腹ごなしに2キロほど南へ彷徨うと津城跡、丑寅櫓が復元されている。馬上の甲冑姿は藤堂高虎公、主家を転々とした後徳川に与し、伊予今治から入城して伊勢藩主となった。伊勢の酒肴と歴史にちょっぴり齧って、夏の終わりの伊勢鉄道の旅なのだ。file-098<...一酒一肴津「るみ子の酒+松坂牛レアステーキ」
「あかでん1日フリー切符」を求めたら、EVANGELIONのキャラクターが描かれている。アスカって言うらしい。どうやらラッピング電車が走っているようなのだ。どこかで遭遇できるだろうか。世代ではないが楽しみだ。遠州鉄道の終点駅は西鹿島、山小屋風の瀟洒な駅舎が印象的だ。ここで天竜浜名湖鉄道に接続し、また東海随一の霊山を神体山と仰ぐ秋葉神社への路線バスにも乗り継げる。西鹿島を発った赤い2両編成は、緩やかな下り勾配で勢いをつけると、軽快に三方原台地を滑っていく。新東名高速を潜って、走り出しは農地と宅地が混在した田園都市の風景の中を往く。新浜松と西鹿島の両端の駅を00,12,24,36,48分に始発する高頻度の運行をしているけれど全線が単線。このため上下線の交換風景は多く見られる。各駅はほとんど跨線橋を持たず乗客は...赤電とEVANGELIONと志田泉と遠州鉄道を完乗!
“白えびかきあげそば”を択ぶ。金沢や富山を訪ねたら、酒場でアテにしたいやつだ。温かいどんぶりに両手を添えて先ずは汁をひと口、んっいい香り、鼻腔をくすぐってくる。カラッと揚がったかきあげは汁を吸わない。箸で運んでひと口齧ってみる。サクッと歯応えがいい。ネギと一緒にそばを大掴みしてズズッと啜る。美味いね。駅そばとしては上々のクオリティーだ。北陸新幹線延伸開業のタイミングで、改札内の蕎麦スタンドは駅ビルRintoに移転して、旅情もなにも無い。ホームにあった頃の風景は味があった。もっともその頃は立ち喰いそばには興味はなかったのだけれど。美味しいけれどちょっと寂しい、金沢駅は「加賀白山そば」での一杯なのだ。file-022<40年前に街で流れたJ-POP>約束/渡辺徹1982駅そば日記金沢「加賀白山そば」
長坂ICから北杜八ヶ岳高原線を駆け上って山梨県立まきば公園、牛さんたちが長閑に草を食んでいる。どうもボクと八ヶ岳の相性は悪いらしい、こんなに晴れているのに雄大な峰々は雲の中だ。裾野を削る深い川俣川渓谷にかかる赤い橋を渡る。ポールラッシュ通りに入るとご存じ清泉寮。ファームショップでカップルに混じってソフトクリームを試す。練乳のような濃ぉい甘さが堪らない。JR甲斐小泉駅まで下ってきた。苔むした岩の間から清らかな水が湧くというよりまさに溢れ出している。1日に8,500tも湧出するという八ヶ岳南麓高原湧水群の一つ「三分一湧水」の名称は、武田信玄が湧出口に三角石柱を立てて水を3等分して流し、村々の水争いを治めたという伝承からだと云う。湧水の近くには「そば処三分一」がある。少々並んでもうまい蕎麦が食べたい。“十割そば...風を感じて!September
シュツットガルトから高知を経由してやって来た735形“レトラム”が明日のイベントに向けて調整中。スリムな車体に存在感のあるパンタグラフ、ドイツ国旗が誇らしい。幸運な巡り会いがとても嬉しい。大阪からの帰路、乗車券を北陸回りに変更して福井・金沢を呑み潰す週末、金曜日の夕方、武生駅に降り立った。JRの駅前からショッピングセンターを回り込むように歩くと、小さな福井鉄道のターミナルがある。赤い「急行」の表示幕が誇らしい880形は2両連接電車、2006年に名鉄の岐阜市内線からやって来た。夕方の時間帯は30分ヘッドで終点の田原町まで45分で疾走するのだ。北陸シリーズは先ず福武線を呑み潰す。ひとつ目の北府(きたご)駅で早速途中下車してしまう。木造平屋建ての駅舎はギャラリースペースになっていて、かつて使用された古い制服や車...シュツットガルト電車と鯖へしこと早瀬浦と福武線を完乗!
夕暮れを待てずに生ビーを呷る、"かにみそ豆腐"をアテに冷えた一杯を楽しむ。こだわりの出汁で炊き込んだ"深川めし"は、あさりとしめじをがふっくらと、ネギと海苔を散らして美味しい。半蔵門線の旅は始まったばかりなのに、3つ目の清澄白河で早くも途中下車してしまった。「深川釜匠」で江戸庶民の味を堪能したら、パープルの帯が何やら妖しげな8000系で渋谷をめざそう。file-015<40年前に街で流れたJ-POP>ひとり街角/小泉今日子1982旅するどんぶり清澄白河「深川めし」
2016.09.03の再掲です。北海道新幹線の開業で日本中が沸いた3月、2009年の台風18号で被災し不通となっていた名松線が被災から6年5ヶ月を経て復旧し運行再開となった。どんな政治的な動きがあったのかは知らないけれど、清流と森林が広がる静かな山間を走るこの路線には、早めに乗っておいたほうが良さそうだ。松阪駅には小さなKIOSKと弁当屋が並んでいる。赤福は売っていても地酒は売っていない。残念。代わりにラガーのロング缶と乾き物を仕込んで朝酒といこう。名松線の起点を示す0kmポストは1番ホームの下、5番線に早々と入線していた家城行きの気動車に乗り込む。始発列車が07:32発と遅いのは高校生の通学時間に合わせているのだろう。家城には県立高校が在る。2両編成の気動車は高校生で満員。とっぽい生徒が多いけれど、域外...雲出川渓谷とディーゼルカーと松坂牛と名松線を完乗!
夏の終わりの浜名湖とKATANAと開運シュヴァルツと 天浜線を完乗!
エキゾーストノイズをガーター橋を鳴らす轟音に変えて、ミステイックシルバーの“KATANA”が迫ってきた。9/11はフルーツパーク駅を「KATANA駅」として『KATANAMeeting2022』を盛り上げる。新所原駅を降りると香ばしい匂いがどこららともなく漂ってくる。匂いを辿るとまさに私の目的地である天竜浜名湖鉄道の新所原駅、小さなエキナカのうなぎ店が浜名湖のうなぎを焼いているのだ。元カレです?国鉄時代より東海道本線を走っていた懐かしい「湘南カラー」のラッピング車両は、AKB48とコラボレーション。新曲のヘッドマークと掲げ、車内は彼女たちのモノクロのフォトで溢れている。3つ目の知波田を出ると右手に浜名湖が広がる。当然にそれを合図にプルトップを引くのだ。プシュッとお大袈裟な音が響く、TH2100形はクロスシ...夏の終わりの浜名湖とKATANAと開運シュヴァルツと天浜線を完乗!
猛暑と流行で、おばあちゃんの原宿は閑散としているのか思いきや、そんなことはない。巣鴨地蔵通り(旧中山道)は地域の生活を支える商店街、夕餉のお惣菜を求める主婦や勤め帰りの人で賑やかだ。巣鴨地蔵通り商店街から白山通りを渡って駅北側の裏通りに紛れ込む。何もチェーン店(フランチャイズ店?)らしい3軒ある立ち飲み屋のうち、はじめましての店の引き戸を開ける。50円券×22枚で1,000円のチケットを求めたら、今宵は“生ビール”と“マカロニサラダ”でスタート。プハァー。こうした店では時として裏切られるけど、この店のジョッキーはキンキンに冷やされていて好感。日本酒は「縛り」を決めて飲むんだけどラインナップは多くない。唯一3銘柄並ぶ「新潟淡麗」で攻めよう。“越乃景虎”は栃尾の蔵、さすればアテは“あぶらげ”か!とも思ったけど...山手線立ち呑み事情JY11「立呑処でかんしょ」
赤城山と風鈴電車と名物ひもかわうどん 上毛電気鉄道・上毛線を完乗!
2016.08.17の再掲です。学生時代、浜田山に住んでいた私にとって、とても懐かしい電車に思いがけず前橋で再会を果たした。井の頭線を走ったステンレス車両が上毛線を走っている。ちょっと寸づまりの2両編成に変身していたけどね。JR前橋駅からホノルルで走っているようなシャトルバスに乗って10分。広瀬川の流れが洗う中央前橋駅が上毛電気鉄道上毛線の起点だ。平日も休日も律儀にきっちり30分おきに、西桐生駅に向けて出発していく。雄大な赤城山の南麓を往く「風鈴電車」は竹編みの棚に朝顔を飾り、短冊に短歌や川柳がしたためられた風鈴が提がっている。ローカル私鉄のガタゴトした走りは、風鈴を鳴らすには申し分のない揺れを起こす。チリンチリンと風流にそして涼やかに電車は走る。大胡駅は上毛電気鉄道の要の駅。昭和3年建築の大胡電車庫は国...赤城山と風鈴電車と名物ひもかわうどん上毛電気鉄道・上毛線を完乗!
薪ストーブの煙突を突き出して、小さなカフェレストラン・リュードヴァンはありました。信州からの帰り道はいつも、代わり映えのしない高速道路を避けて、峠越えで風景と風を愉しんでいます。今回は東御市から嬬恋村(群馬県)へ、百体観音が道案内をする地蔵峠(県道94号線)ルートを抜けます。千曲川へと落ちていくなだらかな傾斜地は、かつては豊かなリンゴ農園だったそうです。このワイナリーは、農業の担い手を失い荒廃していく農地に、葡萄の木を植え育て、ワインを造り始めました。地味のことは解りませんが、上田を中心としたこの地方は、信州の中でも降水量が少なく日照時間が長いこと、標高と盆地の地形が相まって寒暖差が大きい気候は、欧州系品種の栽培にも適していることは理解できます。近年では個性豊かな個人ワイナリーが増えていて、千曲川ワインバ...信州点描RuedeVin
日光線に投入された新型車両(E131系)は、日光らしいレトロ調を継承しつつ、宇都宮で復元された火焔太鼓の山車をイメージした黄色と茶色のラインを纏って、賑やかで高級感のあるデザインだ。わたらせ渓谷鐵道を呑み潰した呑み人は、終点の間藤から日足連絡バスに乗って日光へやってきた。日光を訪ねるとどうしても東照宮に足が向くのだが、今回は徳川三代将軍家光公の廟所大猷院を訪ねる。仁王門を潜って次は、左に持国天を右に増長天が安置しているから「二天門」、扁額は後水尾上皇の筆だ。巨大な門は陽明門を凌いで日光二社一寺では最大、「東照宮を凌いではならない」という遺言に違えている。さらに屈曲した階段を上ると、廟所を守護する四夜叉を安置した「夜叉門」を見上げる。奥に唐門がのぞく。夜叉門の金色と燻んだ朱色には、新型車両の配色が親...大猷院と天然氷のかき氷と四季桜と日光線を完乗!
ロマンスカーと北斎と栗の町と奥信濃の湯と 長野電鉄線を完乗!
2016.08.13の再掲です。"ながでん"はシルクと蔵の町・須坂、北斎と栗の町・小布施へとカタンコトン走る。北信五岳の雄姿を背景に、リンゴ畑の中を抜けて往く"特急ゆけむり号"、夜間瀬川鉄橋を渡ると、まもなく温泉の町湯田中に終着する。北陸新幹線の延伸開業を期にリニューアルした長野駅、善光寺の玄関口にふさわしい大庇(おおひさし)を設えた。大庇の下をエスカレーターで地下へと潜ると長野電鉄の改札へと連絡する。かつての小田急ロマンスカーは、4両編成に短くしているから芋虫の様に見えるけれど、これはご愛嬌だ。小田急ではプラチナチケットの展望指定席も、ここでは早めに並べば座れる全車自由席である。長野電鉄線は4つ目の善光寺下駅までは地下を走っている。地上に出ると住宅街の中を走り抜け、大河千曲川を村山橋で渡ると蔵の町・須坂...ロマンスカーと北斎と栗の町と奥信濃の湯と長野電鉄線を完乗!
冷たい生ビールを喉が鳴るほどに呷る。美味い。大袈裟でなく生きているなぁと感じる瞬間だね。ところがだ、山手線を立ち呑みで巡る10駅目、呑み人は大きな失敗をしてしまう。お作法を違えてしまうのだ。旧岩崎邸庭園で最後のバラを鑑賞して16:00、満を持して開店時間、駅から1分のその店に飛び込む。詰めれば20人ほどが立てそうなカウンター、ところどころ破れて年季が入った大きな提灯が迎えてくれる。入り口付近にご同輩、奥のテレビの下を陣取るのは2人の若衆、どちらも勝手を知ったご常連然としている。スターティングメンバーの4人に一杯目が行き渡る。すると「今日はいい枝豆があるよ」っとマスター。湯気が立つ大皿をカウンターの上段に載せる。「じゃ私いただこうかな」とご同輩、「こちらも」と若い衆。昨晩“黒崎茶豆”を贅沢した呑み人にヒット...山手線立ち呑み事情JY10「立呑ひろし」
11:30の開店に合わせて、名店・井泉に飛び込む。とりあえず男は黙ってキリンラガーを呷る。「お箸できれるやわらかいとんかつ」が、創業明治5年(1930年)のこの店のキャッチフレーズ。やわらかくしたのは、一説には花柳界の芸者衆が小さな口でも食べ易すくするためだとか。ビールのアテに和がらしたっぷりにジューシーなヒレを口に放り込む。甘辛なソースもいいね、美味しい。グラスが空になったら、あったかいご飯とサクサクとした食感を楽しむ。具だくさんの豚汁と一緒にね。銀座線でぶらりと巡る東京、ビルの谷間にある老舗の味を堪能する休日のランチが愉しい。file-014<40年前に街で流れたJ-POP>ハイティーン・ブギ/近藤真彦1982旅先のひと皿上野広小路「ヒレかつ」
2016年8月6日の再掲です。太田駅から“特急りょうもう”に乗車する。浅草までは90分、乗客の大半は出張のビジネスマンのようだ。6両編成は50%ほどの乗車率で太田駅を静かに滑り出して、東武鉄道呑み潰しの仕上げの旅は続く。東武鉄道の最長路線で浅草をめざす。都会的な高架の伊勢崎駅は東武伊勢崎線とJR両毛線と分け合っている。本線ではあるものの、特急の殆どは桐生線に流れてしまうので、太田までは各駅停車に揺られるのだ。太田駅では新田義貞公が迎えてくれる。太田市は富士重工の企業城下町、日本を代表する工業の町だ。高度経済成長期、安くてボリュームある「焼きそば」が工員さん達の胃袋を満たしたという。今でも約80軒の焼きそば店が市内に点在し、この町のご当地グルメとして存在感がある。駅から15分歩いて「もみの木」を訪ねる。ここ...渡瀬橋と織姫神社とデンキブランと東武・伊勢崎線を完乗!
渡良瀬川とやまと豚弁当と男の酒赤城山と わたらせ渓谷鐵道を完乗!
あかがね色とアイボリーのツートンカラーを纏ったレールバスにコトコト揺られて大間々にやってきた。わたらせ渓谷鐵道(旧足尾線)は、起点の桐生から暫し両毛線を併走すると、赤い渡良瀬川橋梁を渡るのを合図に大きく右カーブを描いて狭隘な渓谷へと入っていく。本社と車両基地のある4つ目の大間々までは15分の乗車だ。大間々から足尾まで観光列車「トロッコわたらせ渓谷号」が走っている。駅のホームには整理券に座席指定を受ける家族連れが並んでいる。このシーズンならではの賑わいだ。DE10型ディーゼル機関車が4両の客車を牽引するスタイルは、なんとも昔ながらでノスタルジックだ。家族連れには中間2両のトロッコ車両が人気だ。自然の風が吹き込んで子供たちの歓声か聴こえるようだ。ボクは迷わず静かな一般客車のボックス席を〆る。旧国鉄急行型客車は...渡良瀬川とやまと豚弁当と男の酒赤城山とわたらせ渓谷鐵道を完乗!
夕暮れの西日暮里駅ガード下に立ち食い寿司の店を見つけた。ここで一杯やったら立ち呑みになるね。っという訳で、立ち呑みで巡る山手線の旅、8回目の途中下車は西日暮里、今夕鮨を抓みながら呑む。20人くらい立てるかな、底辺が極端に短いL字カウンターの中に二人の寿司職人、清潔感に溢れる店内だ。ホワイトボードには定番酒の他に二銘柄、先ずは“純辛墨廼江”を択ぶ。石巻の酒が寿司に合わない訳がない。あるじゃぁないの絶好のアテが、“ねぎとろこぼれ”だって。これは嬉しいね。呑み人はこれに目がない。山葵たっぷりに、箸先でネギトロを突っつく。スカッと辛口、キリッ酸味の夏純米で流して美味しい。本日のお薦め3貫セットは、“こしょう鯛”に“漬けまぐろ”それに“まぐろとアボカドのサラダ軍艦”。このトリオの奏では味わっておきたい。すかさず陶の...山手線立ち呑み事情JY8「魚がし日本一」
中央環状線の長い暗闇を抜けると、真正面から真夏の朝日に射られる。反射的に左手を翳して「どこまで走るの?」と彼女。何本もの赤い巨大なクレーンと、色とりどりのコンテナを見ながら湾岸線に合流する。「湘南の海を見ながらコーヒーを飲もう。」若い頃のボクなら決してこんな台詞は口にしない。左手には何本もの新幹線のぞみが生真面目に整列している。「モーニングコーヒーのために走るの?楽しいのね。」高度を上げていく銀色の機体が、広げた翼いっぱいに朝日を浴びて、キラッと光った。「火星の基地みたいね。」時折、彼女は不思議な発想をする。人工島に広がる緑の森から、オレンジとホワイトで塗られたチェックの巨大なサイロが何基も生えている。まるで尖塔のような煙突が幾つも天を突き、それら構造物をあたかも血管のように錆びたパイプが繋いでいる。この...風を感じて!SPARKLE
往復4車線の旧国道、彼女は約束の店の前でボクを待っていた。暑いんだから入って待てばいいのにと云うと、上目遣いに「いいの」と一言。愛おしくなる。ほどよく冷房が効いたショップに入る。アイスコーヒーを運んできたマスターが、そのままボクたちの席に座る。頼みもしないのに、お節介にもマスターは気難しい彼女の扱い方をボクに説明し始めた。彼女がこの店の常連とは聞いていたけど、元カレでもなければ、共通の友人でもあるまいに。30〜40分位だろうか、ようやく奇妙なテーブルから解放されて、彼女と二人きり、少し遠出をしようか。今日の彼女、しなやかな脚にはブラウンのタイトスカートを纏い、さりげなくシャンパンゴールドのアンクレットを着けている。上品なオレンジのトップスに包まれた上半身は、案外ボリューミーだ。そういえばマスターが言ってい...風を感じて!She'ssodelicate.
手酌のビールを一杯飲み干して人心地がつく。お通しはお揚げともやしの煮付け、結構いい味出している。申し訳程度のレタスを敷いて“厚切りハムソテー”がカウンターにのった。テレビは川の氾濫を叫んでいる。線路の流れに囲まれて中洲のような東田端1,2丁目、昭和の世から時が止まったかの様な一角がある。都道高架下の三叉路を左に折れると、薄暗い立ち飲みスタンド、更に早番の鉄道マンが屯する角打ちが並ぶ。どちらも余所者にはかなり難易度が高そう。っで、まだ先客3組の立ち飲みスタンドの縄のれんを潜る。プラスティック製のボウルに入った角氷をおたまで掬って、サーバーからジョッキーに炭酸が注がれる。二杯目は“レモンハイ”、決してキレイとは言えないジョッキーはご愛嬌、ここでは味わい深いと評したい。引き戸の上には品書きの黒板が掛かっている。...山手線立ち呑み事情JY9「立飲スタンド三楽」
那須烏山の「山あげ祭」が3年ぶりの有観客で開幕しましたね。2016年の呑み鉄旅で、偶然、この祭りに巡り会いました。キハ40系は、津軽線や江差線、札沼線、そして三角線でも乗った全国区の気動車だ。懐かしい国鉄色にリバイバル塗装されて、前面には“毘沙門天”のキャラクターが描かれている。烏山線は東北本線の宝積寺から分岐して那珂川河岸の烏山まで走るローカル線。宝積寺、大金(おおがね)なんて縁起のいい駅もあって、沿線7駅に七福神をキャラクターとして割り当てている。起点の宝積寺駅は隈研吾氏のデザイン。天井に貼った針葉樹合板のレリーフが暖かさと軽やかさを表現する。2両編成は超満員、浴衣姿のお嬢さんが乗り合わせたりして、今日が「山あげ祭」であることに気付く。車内に冷房の設備はなく、扇風機がせっせと首を振って涼風を届けてくれ...山あげ祭と八溝そばと東力士と烏山線を完乗!
蔵の街で “じゃがいも入り焼きそば” を 東武・宇都宮線を完乗!
2016年7月30日の再掲です。この年の7月は東武鉄道で両毛に遊びました。東武宇都宮線は新栃木で日光線と分岐する。支線ではあるが宇都宮の都市近郊路線としての性格が強く、通勤通学客を中心に利用客が多い。東武百貨店と一体化したターミナルビルの駅から新栃木をめざす。駅近くの臼ヶ峰(標高約135m)の山頂には二荒山神社が鎮座している。御祭神は豊城入彦命、古事記には上毛野君・下毛野君の始祖とある。武将の信仰が篤く、藤原秀郷、源頼朝、徳川家康が戦勝祈願したという。宇都宮線は単線だけど全ての駅に交換設備がある。日中は30分に1本のダイヤで各駅停車が走り、宇都宮から新栃木までは所要40分、途中2度の交換がある。終点手前の野州平川では下り電車を交換待ち。4両編成ワンマン電車は新栃木駅の3番線に終着した。でも起点の新栃木駅を...蔵の街で“じゃがいも入り焼きそば”を東武・宇都宮線を完乗!