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町の空気が鼻先をなぞると微かな潮の香りがした各駅停車の電車を乗り継いで辿り着いた この町はどこか懐かしくとても遠い駅の壊れそうな木のベンチに腰掛け缶コーヒー…
深紅と橙を満載して2両編成の6000形気動車が鹿島サッカースタジアム駅にやってきた。大洗鹿島線の終着駅は、試合開催日に一部の列車のみが停まる臨時駅になっている。そろそろ青春18きっぷの残りを持て余しそうな土曜日、常磐線に乗って水戸をめざす。朝のビールを買い込んでグリーン車に乗ったはいいけど、後10両は土浦で切り離しだって、えっ、いつからそんな運用になったの?呑み人は少しおかんむりだ。少し短い水戸駅の8番ホームに8000形の気動車がたった1両、エンジンを響かせている。描かれているカッパは何だろう。(あとで調べたらJX金属という会社のPR大使らしい)ボクは「伝染るんです。」という4コマ漫画を思い出してしまう。水戸を発った“カッパーくん”は暫し常磐線と併走した後高架に上る。ここまで踏切は2箇所、この先は終点まで...神磯の鳥居と海鮮丼と月の光と大洗鹿島線を完乗!
鳥甲山(2,037m)の荒々しく険しい岩壁は、人を寄せ付けないかの様な荘厳さに満ちている。ちょうど中津川が深く削った渓谷、秘境「秋山郷」を挟んで苗場山と向かい合うような位置になる。平家落人の伝承やマタギ文化など、昔ながらの生活様式が色濃く残る秘境地域。その秋山郷の最奥地に湧く「切明温泉」で週末を過ごそうと車を飛ばしてきた。ほんのりと硫黄が匂う50度を超える源泉は、ほどよく外気に触れて、それでも40度を超える熱い湯が、滔々と石造りの湯槽を溢れさせている。熱さに慣れてきたら、石の縁に頭を載せて首まで浸かってみる。至福だ。火照った身体を冷ますように、夕餉は冷たい“黒ラベル”ではじめる。“岩魚”は刺身と塩焼きが贅沢にならぶ。冷水でしまった刺身が美味い。塩焼きは頭からかぶり付く。小鉢は“クレソンの”と“かぼちゃ”が...秋山郷・切明温泉「雪明かり」にて
標高1,700m「女の神展望台」気温26°さっきまで雲に隠れていた八ヶ岳が一瞬その雄大な姿を見せた。もう風も少し向きを変えた9月。早朝の中央道に上って2時間と少々、涼を求めてビーナスラインを走りたい。標高1,400m、蓼科山に抱かれて「白樺湖」気温28°優美な円錐型の成層火山がなだらかな裾野を広げて美しい。賑やかだった避暑地も、落ち着きを取り戻しつつある静かな湖畔。コテージに一人きりで、街に帰った彼女を想って、夏を過ごしたテニスコートを探す。そんな夏の恋の終わりを感じている人、いそうだなぁ。標高1,800m「車山肩」気温24°、ここはニッコウキスゲの群生地だ。カントリー風の小さな山小屋『ころぼっくるひゅって』で一息つく。カランっとIcedteaの角氷が音を立てて、ウッドデッキのテラス席で涼風に吹かれる。冷...風を感じて!ビーナスラインとZと夏の行方
北の果てを目指す乗って呑む旅2017/08/31日本最北端の地に立つ。海の向こうは樺太だ。空は深みのある明るいコバルトブルー、宗谷はもう秋の装いだ。旭川ラーメンを堪能し、蔵元で車中酒を求めて、ふたたび旭川駅。予報に反して青空が広がった午後、宗谷本線で稚内をめざす。12:31、名寄行きの快速列車でさらに北へ向かう。列車はまたしても単行気動車なのだ。緩慢なスタートの旧型気動車に横目に、1番線から同刻発車の富良野線が先行していく。乗車して早速、"吟醸生貯蔵酒國士無双"のスクリューキャップを切る。味噌ラーメンを啜って喉が渇いているので、冷えた生酒の喉越しが嬉しい。あてはやはり蔵元で求めてきた酒饅頭、日本酒と餡子って意外と合うのだ。午前中、美深から音威子府にかけての大雨で大幅にダイヤが乱れているようだ。名寄駅では若...宗谷はもうコバルトの季節の中で宗谷本線を完乗!
千歳鶴と鰊切り込みと旭川ラーメンと 函館本線を完乗! ≪札幌~旭川編≫
北の果てを目指す乗って呑む旅2017/08/29立ち飲み"鶴の蔵"は札幌唯一の地酒「千歳鶴」の蔵元が直営する店。札幌駅にほど近いオフィスビルの一角にあるので案外と洗練されている。日本酒の店に来たって、枕詞はとりあえずのビール、冷たい一番搾りを呷る。三点盛は"鮭とば"、"わさび味噌"、"にしん燻製"と申し分ないラインナップだ。一杯目の"純米吟醸千歳鶴"は、華やかな香りの酒。肴は"鰊の切り込み"、塩と米麹で漬け込んだこの一品、絶品だね。この小鉢ひとつで2~3杯は飲めそうだ。二杯目からの"吟醸蔵"はふくよかな香りの酒、焼き物にも揚げ物にも合いそう。肴は"おでん盛合せ"、これからの北海道では恋しくなる一品だと思う。前日からの雨が上がった早朝の札幌駅、これから旭川までの140キロをラストスパート。7番手のランナーは...千歳鶴と鰊切り込みと旭川ラーメンと函館本線を完乗!≪札幌~旭川編≫
イカ飯とカニ飯と二世古生原酒と 函館本線を往く! ≪大沼~小樽編≫
北の果てを目指す乗って呑む旅2017/08/27函館港には青函連絡船に就航していた旧国鉄の「摩周丸」が保存係留されている。往時は桟橋から駅へと延びる長い長い通路に大きな荷物を抱えた旅客が列を成し、車両甲板からはディーゼル機関車が貨車を引き出す光景が見られたことだろう。5番線車止め脇に打ち込まれた函館本線0キロポストは北へ向かう旅の道標なのだ。トップランナーは07:10発の大沼公園行き。単行気動車は身震いひとつ走り出す。後続の長万部行きまでは1時間、秋の気配がしてきた大沼公園を散策しよう。幾つもの小島を浮かべた大沼の向こうに、裾野を広げた駒ケ岳が青空に映えている。地ビールの"大沼ビールケルシュ"を求めて後続の長万部行きに乗車、朝のビールは効く。長万部では33分の長い停車。この時間を利用して駅前の新発田商店で...イカ飯とカニ飯と二世古生原酒と函館本線を往く!≪大沼~小樽編≫
群青の函館山といかそうめんと法螺吹と 函館本線を往く! ≪函館〜大沼編≫
北の果てを目指す乗って呑む旅2017/08/25群青色の空に墨が流し込まれるにしたがって、眼下の宝石たちも輝きを増していく。函館山の夜景はこの頃が一番美しい。青春18きっぷを握りしめて北の大地にやってきた。夏の終わりに、酒蔵と酒場を巡りながら稚内まで呑み潰そうと思う。地図を見ると函館本線は、大沼駅を中心に本線と2つの支線が8の字を描いている。運行本数も少なく、呑み潰すにはかなり厄介な区間なのだ。七飯と大沼を結ぶ下りの短絡線(通称藤城線)は、かつて特急が駆け抜けていた。新函館北斗を経由しないこの線、今や旅客列車は1日に3本の下り鈍行が走るのみ。七飯発12:54の森行きはそんな希少な3本のうちのひとつなのだ。新北斗函館経由の本線と合流すると、左手に小沼そして駒ケ岳の雄姿が展開する。美しい稜線に見惚れるうちに、...群青の函館山といかそうめんと法螺吹と函館本線を往く!≪函館〜大沼編≫
朝陽を浴びて始発の820Mが伯耆大山の3番ホームに入ってきた。濃黄色は岡山の車両だ。伯備線を旅すると陰陽連絡線の呑み潰しも完了、JR西日本の完乗もゴールが見えてくる。山陽地方と山陰地方を陰陽連絡線の中で、唯一の幹線と言えるのが伯備線。14往復の特急と、東京と直結する寝台特急、長大な貨物列車も走って気を吐いている。車窓に名峰大山(1,729m)を眺めようと楽しみにしていたのだけれど、手前の山々と、すでに東の空高くに昇った夏の陽の逆光となって、その姿を仰ぐことができない。早々に諦めてプシュッと開ける手塩にかけた“男梅サワー”が美味い。濃黄色の115系の後ろ姿はまるで食パン、中間車両に無理やり運転台を設置するとこうなる。820Mは途中駅で上り下りの特急やくも号に道を譲って、1時間40分をかけて新見駅に終着する。...紅がらの赤い町と白い蔵の街と嘉美心と伯備線を完乗!
『高田の夏は爽涼と日本海の波が呼ぶ』外濠に架かる朱の欄干の袂に、七五調の歌碑が置かれている。旧制高田中学校の寮歌だそうだ。爽涼どころか連日の酷暑に草木はもちろん三重櫓でさえも、クタッと疲れているようにも見える。春には4,000本の桜が爛漫に咲き誇る高田城址公園、夏には紅蓮と白蓮が外濠を埋め尽くす。ハスは未明から早朝に咲き始めて午後には閉じてしまうから、午前中に訪ねるといい。とん汁に時間を費やして、すでに蓮花はお椀状になっている。それでも濃緑に点描するピンクと白が美しい。蓮に埋め尽くされた外堀の背景は詩に謳われる「南葉の山」か。南へと尾根を辿ると「妙高山」が見えるはずだけど、今日は湧き出た雲に頂を隠している。20代の頃は東京を遠く離れて配属された我が身を嘆いたけれど、今はただ穏やかにこの風景を眺めるのだ。<...高田の夏は爽涼と2023.
白味噌で仕立ての汁に豚肉と豆腐が辛うじて原形を止める程度に蕩けている。先ずはレンゲで一口啜る。大量の玉ねぎが自然の甘みを引き出して、名物の“とん汁”が美味しい。小さな民家のようなお店で、路肩に長距離トラックが停まっていた、あの頃の味と変わらない。嬉しい。箸休めに“なす漬け”を頼んだ。新潟の茄子は枝豆と並ぶほど種類も多くて美味い。勢い消費も多い。夏の夕方、新潟駅の新幹線コンコースでは、茄子やなす漬けのワゴンが出る。出張族や、金曜日にはボクのような単身族が買い求めて東京行きに乗る訳だ。それほどに美味しい。信州でお盆の義理ごとを終え、少々遠回りになるけど新潟県上越を巡る。20代で8年、40代で3年を過ごしたから、それなりに食べたいもの、訪ねたいところがある。とん汁の名店のその一つ。きっと帰省した家族が連れ立って...新井名物たちばなのとん汁
三段スイッチバックとヤマタノオロチと美波太平洋と 木次線を完乗!
定刻から3分遅れてパステルカラーを纏ったディーゼルカーが1番ホームにやってきた。ヘッドマーク代わりの「き♡」が木次(きすき)線を表しているようだ。呑み人が乗車するのは折り返しの1462D宍道行き、木次線も今乗っておくべきローカル線と言える。この日は3月23日の落石〜脱線事故で運休していた芸備線備後落合~東城間の運行再開日。14:30過ぎの備後落合駅は、三次、新見、宍道からやってきた列車がホームを埋めて往時の賑わいを見せる。三次行きと新見行きを見送って14:43、パステルカラーはガクンと動き出した。パステルカラーは広島・島根県境をめざして、必殺徐行区間を織り交ぜながらもぐいぐい勾配を登る。標高727m、県境の三井野原駅から第八坂根トンネルを潜ると、足もすくむ様な崖上に飛び出す。並行するR314は深い谷をアー...三段スイッチバックとヤマタノオロチと美波太平洋と木次線を完乗!
思い出したように訪ねたくなるのが「ぎんねこ」という老舗の蕎麦屋さん。県庁まで続く石畳の小路、向かい側はタイル張りの床屋さん、その向こうに銭湯があって、昭和風情の趣のある一帯となっている。暑い日の人気メニューは“冷やし月見”、シャキッとレタス、ワカメにトマトがのって賑やかだね。お皿を傾けて山葵を汁に溶くのももどかしく大掴みに啜る。後半は半熟玉子を割ってこれまた美味しい。客層はYシャツ姿は稀で、ビジネスカジュアルともいえない軽装の方が大半を占める。古くからの商店街の旦那衆かご隠居ってところだろうか。暑いからこそスパイスの効いた“カレーライス”は食べたい。出汁の効いた蕎麦屋さんのカレーって好きなんだよね。昔ながらのポークカレーが旨い。そしてボクの基本は“大ざる”、刻み海苔を絡めてやや甘の汁にサッと浸してズズッと...真夏のぎんねこ
利根川河口を眺める席で銚子漁港に入ってくる漁船の連なりを眺めている。この時間に戻ってくる船はどんな魚を水揚げするのだろうか。ほどなくランチの膳が運ばれてくる。“ほうぼう”、“かれい”、“かわはぎ”と白身が美味しい。ほんとは純米吟醸が欲しいところだ。ちょっと前の話し、大人の休日の初日、ターゲットにしていた東北地方は梅雨前線が停滞していた。それではと、ゆっくり始動して、10時過ぎの特急で銚子までランチに出かけることにしよう。さっきまで追い抜く黄色い電車を数えていた都会の景色は、千葉を過ぎるとあっという間に田園風景に。空いた平日の車内に、プシュッとSUMMERPILSを開ける音が案外大きく響く。今にも降り出しそうな空の下、銚子漁港まで歩いたら、おっとめざした店は臨時休業。行き当たりばったりの呑み人には結構起こる...大人の休日銚子港で旬の刺身定食を
ホームタウンの駅を降り立った夜、なんだか急に一杯呑みたくなった。ブログの展開的に毎日呑んでそうだけど、あくまでも旅のアクセント、普段そんなに呑むことはない。暑い一日だったから、タンブラーの生ビールで自分に「お疲れさま」っと。目の前で大将が茹で上げてくれた“枝豆”は甘味たっぷり、塩を振ってシンプルがいい。商店街の豆腐屋さんが作っている“おぼろ豆腐”は薬味のバリエーションで味変して美味しい。若狭の“早瀬浦”は福井を訪ねた夜、小料理屋の板さんが教えてくれた酒。盛夏の搾りたてが旨い。この店の看板的メニュー“ねぎ豚ポン酢”は、カラッと揚がった豚ばら肉を青ネギとポン酢でさっぱりといただく。涼しげなブルーボトル、米沢の“九郎左衛門”は、おそらく呑み人には初めましてのお酒。香り華やかでフルーティーな旨味の“超裏•雅山流”...夏酒
福山城と瀬戸内産レモンと広島お好み焼きいまちゃんと 福塩線を完乗!
福岡でのミーティングを終えた金曜日、博多〜東京のキップを乗変して福山で降りてしまう。せっかくの週末絡みの出張だから、陰陽連絡線を何本か呑み潰して帰ろうと思うのだ。これらの路線はたいてい致命的な赤字を抱えているから(沿線の方には申し訳ありませんが)いつ自然災害による不通〜復旧断念〜廃止の道を辿るとも知れないからね。福山駅に降り立ったら、迷わずばら公園口の5番のりばに停車中のバスに飛び乗る。一度観ておきたい「潮待ちの港」鞆の浦の風景、数々の映画やドラマの舞台となったおなじみの風景だ。刻々と空と海の色彩がうつろう夕暮れ時、海に突き出した常夜燈の雁木で飽かず眺めるのだ。町の風景に溶け込んだ古民家cafeを見かけた。一組のカップルが食事中だね。洒落たカウンターで冷たいビールを飲みたいところだがバスの時間が迫っている...福山城と瀬戸内産レモンと広島お好み焼きいまちゃんと福塩線を完乗!
沼宮内駅に停車しているIGR7000系は、JRの701系電車と同系列なのだそうだ。シルバーの車体に塗られた「スターライトブルー」は無限に広がる岩手の夜空をイメージしているという。かつて日本最長営業キロを誇った東北本線、盛岡以北はいわて銀河鉄道線、青い森鉄道線となった。それでもレールは繋がっているのだから、行くぜ、東北。二日目は仙台から青森をめざす。その前に押さえておくべき利府支線は、岩切か新幹線総合車両センターに並行して利府へ延びる。そもそも本線の一部であった利府支線だが、塩釜経由の新ルート開通によりいつしか盲腸線となった。この日は臨時快速「毛越寺あやめ祭号」というワイルドカードが走る。使わない手はない。少年たちがカメラを構える4番ホームに2両編成の110系気動車が入線してきた。09:10、鉄ちゃんと家族...じゃじゃ麺と座敷わらしの湯と安東水軍と東北本線を完乗!
電車通りに二坪ばかりの小さな惣菜屋さんがある。店の前には小さな看板に昼の定食の品書きがある。昼時に列ができているので気になっていた。小さな惣菜売り場の奥、もう一つの引き戸を開けてみる。カウンター4席、2席と4席の卓が其々ひとつ。落ち着いた小料理屋っぽいお店が隠れていた。5種類の定食は1,500円単価、おっと今日は散財かなぁと一瞬思ったけど、なになにその価値十分の定食だ。択んだのは“あじフライ定食”、3つの小鉢と赤だしのシジミの味噌汁が嬉しい。まずはあったかご飯を4種盛りのお刺身でいただく。プリッと“ホタテ”が美味しい。二枚の“あじフライ”は、ふっくら肉厚がサクサクの衣に包まれてなかなかの逸品です。“ナスの揚げ浸し”で箸を休めたら、ご飯を半分だけお代わりする。たっぷり山葵を溶いた醤油を垂らして小さな“しらす...Biz-Lunch大塚「せんや」
日の高いうちから宵の口までよく呑んだから、どうも汁物が欲しくなりますね。ようやく辿り着いた新白河、乗り継ぐ黒磯ゆきは40分待ち、っでコンコースの「麺処新白河」へ。駅そばと侮ることなかれ。ご当地“白河ラーメン”特有のちぢれ麺に濃いめの醤油ベースが絡んで美味い。ナルト、叉焼、メンマ、海苔、ほうれん草、それに刻みネギ、良き時代の中華そばの再現だね。閉店時間が近いのにお客様は引も切らず、おかあさんと若いバイトさんが頑張っている。“白河ラーメン”のブランドは、400円単価の駅そばを700〜800円単価に引き上げて、なかなか繁盛している現代の関所(乗り換え駅)新白河の駅そばなのだ。<40年前に街で流れたJ-POP>半分少女/小泉今日子1983駅そば日記麺処新白河「白河ラーメン」
円盤餃子と政宗公とMr. Summer Time 東北本線を往く!
ゴーっと音を立てて5両編成が那珂川鉄橋を渡ってやってきた。青と白のツートン、常磐快速と同じ形式が走るのは、黒磯駅構内で直流から交流に電化方式が変わるからだ。休日06:30の東京駅、もう日が高いのに閑散とした丸の内、夢を見ているかのようなギャップだ。この朝もすでに30度近い、梅雨が明け、太平洋高気圧とともに「青春18きっぷ」のシーズンがやってきた。06:51発の1522Eがこの旅のトップランナー、東京始発の宇都宮行きはこの列車が唯一。東北へと旅立つ各駅停車の旅には相応しい列車だと思う。轟音を立てて渡る利根川鉄橋を合図に、まずは1本目の“こだわりレモンサワー”を開ける。JR東日本の呑み潰しも二周目に入ったから、今まで以上に呑んで喰らって、ゆるりと旅をしたいものだ。10番線に2番手ランナーの641Mが待っている...円盤餃子と政宗公とMr.SummerTime東北本線を往く!
連休最終日も猛暑日になると昨夜のニュースが伝えていた。それならば一度訪ねてみたかった「天空の湖」をめざそうとZを起こす。北へ向かう高速道路は渋滞もなく、インターチェンジを降りたらR353〜R145をひたすら西へと走らせる。谷が急に狭まる吾妻峡、っと目の前に巨大な構造物が出現、政権交代した頃に有名になったアレだ。ひんやりとした堤体の中のエレベーターで下に降りる。とにかく大きい。放水口から勢いよく吐き出された水は狭隘なV字谷を落ちていく。まさにこの場所しかないなぁ。ふんわりと涼しげに盛り上がった“氷”もベンチに運ぶまですっかり萎れてしまった。ボクの世代ではまさに「水銀柱がうなぎのぼり」の朝なのだ。長野原草津口から右に折れてR292、今度はこの道が果てるまで北へ北へと高度を上げていく。途中、旧太子(おおし)駅で...風を感じて!天空の湖とZとノゾリカンゾウと
会津若松駅で東武鉄道の「大樹」を見かけました。まだニュースリリースはありませんが、いずれ会津盆地まで営業運転するのでしょうか。東武鬼怒川線から野岩鉄道〜会津鉄道〜只見線を長駆会津若松までやってきたら、ましてC11が牽引してきて「SLばんえつ物語」のC57と並んだら、なんだか鉄道ファンならずともワクワクしますね。只見線の5番ホームにやってきたら10名ほどのカメラを構えたファンがシャッターを切っています。「試」のヘッドマーク(試運転の意味?)をつけたディーゼル機関車がターゲットのようです。なんだか北斗星カラーの機関車と3両の客車ですが、鉄分の足りないボクにはわかりません。連結部分に回ってみると、こちらには「大樹」のヘッドーマーク。なるほど東武鉄道の車両ですね。ほどなくディーゼル機関車は切り離されて、単機、喜多...大樹
旧中山道と埼玉県庁官舎の裏門をつなぐ道だから「裏門通り」ってこの街では親しみを込めて呼称される。賑やかな商店と飲食店が並ぶタイル張りの通りは、西に向かうにつれ徐々に閑静な雰囲気に変わっていく。酒場詩人も訪れた焼き鳥の名店「弁慶」を過ぎた辺りにその店はある。県庁まではあと僅かだ。“枝豆”に塩で焼いてもらった“つくね串”と“鴨ネギ串”を並べて生ビールで始める。盛り合わせは、イサキ、カツオ、アジ、平貝、金目鯛を並べて鮮やか。日本酒は西の夏酒をテーマに、まずは愛媛の“石鎚吟醸酒夏吟”、香り高いシャープな酒だ。瀬戸内海を渡って山口は美祢の“大嶺3粒夏純かすみ生酒”、甘酸っぱい香りで爽やかな夏酒が、刻み海苔をたっぷりのせて、水菜とカリカリの“じゃこサラダ”をアテに美味しい。グラタン風の一皿はなんだか忘れてしまった。三...旅の途中の酒場探訪浦和「旬菜料理でんご」
この仕事をしている一人として、今温泉へ行くなら箱根を訪れない訳にはいかない。で初めての箱根登山鉄道、快適な新型車両より、やはりこんな旧型車両が趣がある。Webを見るとモハ2型といって、戦後間もない1950年に登場した車両だそうだ。もちろん非冷房車で窓を全開にして箱根を登っていく。コンコースには巨大な「小田原提灯が」下がっている。箱根登山鉄道の起点は小田原、でも箱根湯本までは小田急電鉄の車両が走っている。ちゃんと登山電車の朱色を基調に塗られてね。箱根湯本までは4駅15分ほどの旅だ。強羅方面に向かう誰もが箱根湯本で乗り換えとなる。ロマンスカーをはじめ小田原から乗り入れてきた小田急電鉄の車両が到着すると乗客の半分は出口へ、半分はホーム反対側に停車している登山電車に吸い込まれる。箱根湯本の「直吉」を訪ねて、箱根名...フニクリフニクラと湯葉丼と強羅の湯と箱根登山鉄道を完乗!
信州の妹から小さな冷蔵便が届いた。いそいそと開くとふた房の“ちまき”が詰まっている。北信濃から越後のそれはシンプルで素朴な味わいの“三角ちまき”できな粉をかけていただく。一説には戦国武将の上杉謙信が戦の際の携行食として考案したとも言われる。思いがけず手にしたお袋の味、もう10数年ぶりになるのかな。あの頃は決して好んで食べたりしなかったけど、今となっては、たっぷり“きな粉”を付けて美味しい。懐かしい味と思い出を、どうもありがとう。千曲川/サム・テイラーちまき
レンゲが下唇にあたってアチぃ、このコクのある塩味ベースのスープは悪くない。手包の大ぶりな“わんたん”は、たっぷりの挽肉が詰まって、このもちもちが美味しい。通はレンゲにすくった“わんたん”に、食べるラー油・塩しょうがダレ・にんにくダレを絡めて食べるらしい。初めましてのボクは、ただただ塩味ベースを楽しむのみだ。大塚駅から南大塚通りに入ると、ほどなく「わんたん麺広州市場」が見えてくる。昼間っから大きな看板にライトが当たって、真っ赤な扉が否が応でも目を引く。ホールのお姉さんは見たところ5人のうち4人は彼方の人、扉を押した途端に広州(らしい?)雰囲気を感じる。もっとも彼女たちが話しているのが広東語か北京語かボクには分からないんだけどね。ごちそうさまでした。<40年前に街で流れたJ-POP>青い夏のエピローグ/堀ちえ...Biz-Lunch大塚「広州市場」
13:05発小出行き427D、入線10分前に来たけれどすでに結構な人数が並んでいた。満を持しての只見線で呑む旅に発つ。この旅を終えたら「祝・JR東日本を完乗!」なのだ。鶴ヶ城を意識した会津若松駅は白壁に赤瓦を乗せた城郭風になっている。車寄せには白虎隊の若き隊士と赤べこが訪れる旅人を出迎えて、会津の旅情を掻き立てる。只見線の会津若松〜七日町〜西若松の区間は会津鉄道が乗り入れてくる。レトロな七日町駅にちょうど鬼怒川温泉からのAIZUマウントエクスプレスが入ってきた。会津若松観光の中心になる七日町通りを歩いてみる。寛政六年創業の老舗、鶴乃江酒造の重厚な蔵が印象的、ここはお気に入りの“会津中将”を醸している。もはやレポートの必要もない難攻不落の名城「鶴ヶ城」の層塔型五層天守が空を突く。眩しいほどに白い城壁、夏の陽...鶴ヶ城とみそ田楽と会津中将と只見線を完乗!
小田急電鉄の特急ロマンスカーは新鋭車両も走っているけれど、やはり伝統的なLSE車が魅力的だ。新宿~箱根湯本間を90分で疾走している特急はこね号、私、実は今回が初ロマンスカーなのです。「小田原おでん」を食べにやってきた。特産の梅を使ったつけだれ「梅みそ」をつけていただくのが小田原流。老舗のかまぼこ各社が味を競う小田原、おでんで盛り上げるアイディアには頷ける。お酒は丹沢の"松みどり"をいただく。常温で飲むのがお奨めだそうだ。小田原へは新宿からロマンスカーで向かう。はこね19号を待つ間、ホームのロマンスカー・カフェで"ジンジャー・ハイボール"を一杯。真昼間だけれど、今日も暑いし、テーマも「呑み鉄」だから良しとしよう。ところで途中の新百合ヶ丘からは、多摩センター方面へ向かう多摩線が分岐している。都の多摩ニュータウ...城とおでんとロマンスカーと小田急・小田原線を完乗!
マジックタイムの商店街と一白水成と水芭蕉と いづみ野線・新横浜線を完乗!
いずみ中央駅への勾配を駆け下りてくるのは東急電鉄の5000系電車。2023.3.18のダイヤ改正で相鉄線⇔東急線が相互乗り入れを開始、相模鉄道は念願の都心乗り入れを実現した。っで、いずみ野線は様々な鉄道会社の車両が入り乱れて賑やかなことになっている。かなちゅうの黄色いボディーが存在感を示すのは湘南台駅、なんとも響きが良いね。1990年代、慶應義塾の湘南キャンパス開設、いずみ野線とブルーラインの延伸で発展した町だ。きょうは、相模鉄道いずみ野線、新横浜線に乗って呑みたい。湘南台の地下から這い出た10両編成は、ブルーラインと袂を分かち、ゆめが丘駅へと上ってきた。この10両編成、東横線からさらに副都心線に乗り入れて池袋をめざす。チューブで覆われたような近未来的なゆめが丘駅、大型クレーンが何基も立って夢は育ちつつあ...マジックタイムの商店街と一白水成と水芭蕉といづみ野線・新横浜線を完乗!
旧東海道・品川宿でBiz-Lunch きょうの「登龍」麻婆丼
大盛りどんぶり飯をボウルに伏せたら、惜しげもなく麻婆豆腐をかけて“麻婆丼”が着丼。差し込むレンゲが埋まってしまうほど、この大盛り、手応えあり。決して本格中華ではない。唐辛子も花椒も感じない。子どもも喜ぶ家庭の麻婆豆腐が美味しい。具だくさんの豆腐が不揃いだったり、ひき肉が塊になってたりするのも楽しい嬉しい、呑み人のNo1メニュー。前に並んでいた3人組は会話の内容からして初見参組、2人は大盛り炒飯を注文していた。なぜだか最近ブレーク気味、北品川商店街の大盛り中華の「登龍」なのだ。Gemini/川島なお美1983旧東海道・品川宿でBiz-Lunchきょうの「登龍」麻婆丼
旧東海道・品川宿でBiz-Lunch きょうは「榕城」エビそば
ゴロっと大きなむき海老を浮かべて“エビそば”が着丼。美味いんだなコレが。エビが主役の五目そばってところかな、濃ぉい塩味のスープを絡めて中太麺が美味しい。案外ガテン系のお客さんも多いから、この街の中華はどこも盛りがよく味が濃い。ボクの年代は要注意。そうそう「登龍」じゃないよ。きょうは「榕城」って品川神社に向かう北馬場参道の町中華。麺類や定食ものならこの店がお勧め、旨辛の“ミニ麻婆丼”が脇を固めて美味しい嬉しい。この日も連日の30度超え、ランチ遠征が少し辛くなってきたこの頃なのだ。<40年前に街で流れたJ-POP>渚のライオン/早見優1983旧東海道・品川宿でBiz-Lunchきょうは「榕城」エビそば
標高500m、尾根筋まで続く広大な斜面で約1,000万本のポピーが涼風に揺れている。決して溶け合うことのないポピーの赤と、澄んだ空の青のコントラストが美しい。ZはR254をひたすら北上し、東武東上線の急行の終点小川町で左に折れる。槻川に沿ったワインディングを楽しむうちに、関東平野と秩父盆地を分つ尾根筋に駆け上がるのだ。カランカランと鐘の音が響いて秩父高原牧場、見下ろすのは“あついぞ!熊谷”あたりか。仔牛や羊が遊ぶ放牧地に子どもたちの歓声が聞こえる。お嬢さんたちの真似をして、右手のスマホで撮ろうと思うが、なかなか上手くいかない。そうこうしているうちに濃厚なミルクが指に絡んでくる。口を窄めて冷たいソフトクリームが美味しい。尾根を越えるピークは天空の展望台、東に関東平野、西に秩父の山々を眺める。ひとつふたつとカ...風を感じて!天空のポピーとZと鬼うどん
富山湾と立山連峰をのぞむ丘の上のワイナリーにやって来た。もっとも午後から降り出した五月雨に山は霞んでいる。今日は緑に囲まれたゲストハウスで呑みたい。酔う前にレポートしておく。エントランスの左側には12人掛けのテーブルを設えたリビングダイニングがある。壁際にはアンティークな薪ストーブがあって、黒々とした煙突が天井を越えて立ち上がっている。広々としたオープンキッチンは仲間でワイワイやりながら料理するのも楽しそうだ。エントランスから右へは白く長い廊下が延びていて、ベットルームが3つ並んでいる。突き当たりには、オープンスペースにつながる広々としたジャグジーがある。なぜかここにワインセラーがある。このオープンスペースでシャンパンを開けるのもいい。ゆったりとしたソファーに身体を沈めたら、二度と立ち上がれそうもないくら...富山湾と立山連峰をのぞむワイナリーで
熱々の餡かけスープをひと口ふた口、中太の麺をズズッと啜る。もう頭皮に汗を感じる。醤油味のスープに、ニラ、挽肉、豆板醤を入れた「ピリ辛」の“スタミナラーメン”が美味しい。酢醤油を付けて小ぶりな餃子を口にを放り込む。ジュわぁっと肉汁が溢れるモチモチがこれまた旨い。賑やかな街並みが閑静な住宅街に変わるあたり、瀟洒なマンションの1階に暖簾分けの店ができた。南欧風の洋食屋さんを居抜きした店舗でこのソールフードを食べるのはなんだか勝手が違う。いずれ豆板醤の匂いが染みついた、あの北浦和の路地裏のような味のある店になるだろうか。<40年前に街で流れたJ-POP>エスカレーション/河合奈保子1983Biz-Lunch浦和「娘娘(ニャンニャン)」
フラリと入った池袋東口の立ち飲み。サラリーマンの居ない週末は普段とは違った雰囲気のはずだ。いつもの事だけど先ずは“生ビール”で始める。ジョッキも冷えていてこのキンキンが嬉しい。アテは“さば水煮”缶を切ってもらう。ホントは玉ねぎ角切りを散らすか、ちょいマヨネーズが美味しい。“喜平”を溢してもらう。岡山の酒だ。“数の子わさび漬け”をアテに淡麗な特別純米酒が美味しい。なんだか“豚キムチ”が食べたくなった。甘酸っぱい一皿は“ホッピー黒”と楽しむ。さて週末の客層はというと、常連さんらしき東南アジア系のグループが隣に立ってるね。店外のベンチシートにはブロンドの彼女、なかなかインターナショナルな池袋の夜は更けゆくのだ。<40年前に街で流れたJ-POP>トワイライト-夕暮れ便り-/中森明菜1983津々浦々立ち呑み事情池袋「ドリンクスタンド小島」
合掌造りの白川郷を流れる庄川は100kmの旅を終えて富山県射水市で富山湾に注ぐ。その河口近くの庄川鉄橋、轟音を響かせて超低床電車「アイトラム」が渡っていく。こんな鉄橋を軌道車両(路面電車)が走る風景は、そうそう多くで見ることはできないだろう。高岡の街は「ドラえもん」に溢れている。ここは藤子・F・不二雄氏の故郷なのだ。駅前の「ドラえもんの散歩道」には、高岡ならではの銅像のキャラクターが遊んでいる。瀟洒な高岡駅ステーションビルには「ドラえもんポスト」がある。これも銅製だ。このポストに手紙を投函すると、ドラえもんの消印が押されるからぜひお試しを。そうこうしているうちに、07:45発の越ノ潟行きが、駅ビルに突っ込むように高岡駅停留場に入ってきた。黄色い矢印のシグナルが点灯して「ドラえもんとらむ」がゆっくりと滑り出...ドラえもんと海の貴婦人と運河沿いのBARと万葉線を完乗!
分厚いカツがからりと揚がって、山盛りのキャベツを添えて目の前に運ばれる。レモンをギュッと絞ったら、まずは和芥子をつけずにひと口放り込む。甘みのある肉汁がジュワッと口にひろがって美味。久しぶりに美味しい“とんかつ”に巡り合った。カウンターに8席、2人掛けと4人掛けのテーブルがひとつづつ。こじんまりとした専門店のカウンターで大将の動きを眺めている。無駄のない動きと丁寧な所作。思わずごくりと喉が鳴るような、そんなお店でした。お薦めです。file-019<40年前に街で流れたJ-POP>探偵物語/薬師丸ひろ子1983Biz-Lunch大塚「とんかつ逸業」
シグナルが青に変わった。交換の上り列車を待って「のと里山里海1号」が走り出す。終点まではあと2駅のラストスパート、緩いカーブの先には海が再び見えてくるはずだ。能登キリコ祭りの山車の車輪が存在感ある和倉温泉駅、朱に白地の駅名板が雅やかだ。09:01、日本海の深い青を表現した濃紺のボディーを輝かせて「のと里山里海1号」が入線してきた。アテンダントに迎えられて「のと鉄道」の旅は始まる。穴水までは約1時間だ。のと鉄道は七尾湾を抱き込むようにして北へ走る。田植えを終えた田圃の向こうには、鏡面のように穏やかな七尾湾が広がっている。往路はオレンジ色を基調の里山車両、海に向いたカウンター席で車窓を流れる風景に心を癒し、復路はブルーを基調にした里海車両で地酒を呑みながら気動車の揺れに身を任すのだ。交換駅ですれ違うのはなんと...能登の里山里海とis68と旬鮨とのと鉄道を完乗!
旧東海道・品川宿でBiz-Lunch きょうの「登龍」中華丼
レンゲですくった一口目のイカがアチっと、熱々の餡にはなかなか手こずる。この日の大盛りは“中華丼”、両手で抱えるようなボウルにたっぷりのご飯と餡に塗れた五目が美味しい。満腹を抱えて外に出るとなんとこの列、最近の席待ちはちょっと尋常じゃない。確かに大盛りで評判の中華さんではあるけれど、何かで紹介されたのだろうか。今週は夏日が続いて、10分少々のランチ遠征にも汗をかく始末だけどこの大盛ワンダーランドにはなぜか足を運んでしまうのだ。<40年前に街で流れたJ-POP>僕笑っちゃいます/風見慎吾1983旧東海道・品川宿でBiz-Lunchきょうの「登龍」中華丼
2017年初夏、廃止前の三江線で呑んだ旅石見川本駅でラッピング車両「三江線神楽号」と交換した。三江線沿線に点在する大元神楽、阿須那系石見神楽、高宮系神楽、備後系神楽などをテーマに描いたものだそうだ。JR西日本は国土交通大臣に三江線の鉄道事業廃止届出書を提出している。廃止予定日は平成30年4月1日、今年中に呑み潰さなくてはならない路線だ。馬洗川に架かる巴橋は三次市のシンボル。江の川本流に西城川、馬洗川が流れ込む合流点、3本の川が合流する様から巴峡と呼ばれる。今日は三江線に乗って江の川とともに日本海をめざす。三次の旧い町並みに白蘭酒造を訪ねる。米どころ三次にあって昔から地域密着型のお酒を作り続けてきた小さな酒蔵だ。江の川を下る三江線の旅の友に純米吟醸生貯蔵酒"吟生"を求める。吟醸特有の香りと純米の味わいを愉し...江の川と石見銀山と白蘭吟生と三江線を完乗!
伝統工芸である加賀水引をモチーフにしたヘッドマークの「花嫁のれん」と交換する。旧い気動車は真紅にお色直しをして、輪島塗や加賀友禅をデザインした人気の特急列車となった。とは言え「呑み鉄」の旅は鈍行列車に揺られることをルールとしているので「花嫁のれん」には乗れない。さて、七尾線は津幡で北陸本線(IRいしかわ鉄道)から分岐して能登半島を北上する。アニーローリーのメロディが流れて、ステンレスのボディーに茜色を引いた2両編成がやってきた。なんとも都会的なデザインの電車が里山里海の田園風景を駆け抜ける七尾線なのだ。プシュッと小気味良い音を立ててストロング缶のプルトップを引く。レモンの香りと炭酸が口の中に広がる。JR西日本の521系は転換クロスシートになっていて、学生達が降りて空いた車両は呑み鉄の旅に打って付けだ。羽咋...花嫁のれんと縁結びの大社と能登末廣と七尾線を完乗!
山手線立ち呑み事情 JY14「Enoteca Gatarì」
駅前交番の裏手から銀鈴の坂を降りる。L字に曲がった石段は雨に濡れて西欧の下町の雰囲気だ。この石段の踊場で振り返った黄色の壁が、山手線で巡る14件目、EnotecaGatarìだ。スクエアな店内の対角線にカウンターが延びるのは、7〜8人は立てそうなイタリアワインの立ち呑みバーだ。Biancoは一杯500円から、先ずはお奨めボルトルッソの“リボッラ・ジャッラ”をいただく。ドライフルーツを齧りながら、潮のミネラルを感じる一杯を愉しむ。カウンターの主役はNOAWのハムスライサー、イタリア製にこだわってインテリアのようでもある。っで、せっかくなのでビスタチオ入りのハムを切ってもらおう。カウンターの彼はどう見ても20代だけど、知識は豊富だし立ち居振る舞いも好感が持てる。も少し近ければ通ってしまいたくなる居心地の良い店...山手線立ち呑み事情JY14「EnotecaGatarì」
金陀美具足の甲冑を描いたラッピングトレインが勾配を駆け上がってきた。金色に輝く1000系2両編成は大河ドラマの放映を機会として走り出した。狐ヶ崎から御門台の間は背景に富士を仰ぐはずなのだが、残念ながら霊峰がご機嫌が斜めらしい。乗る前にちょっと呑む。JR清水駅を降りたら、ペデストリアンデッキを歩いて清水漁港に寄る。2階建ての漁港市場はどの店も空席待ちの家族連れやグループで溢れている。愛山を醸した“正雪純米吟醸”がグラスから溢れる。思いがず限定生酒と鉢合わせ。正雪はその名から分かるとおり由比の酒、東海道を歩いたときに伺った覚えがある。そしてこの店の名物的な“鮪かま揚げ”、皮はパリパリ、身はフワフワが甘辛ダレに塗れて絶品です。正雪を半分ほど残したころ、氷を敷きつめて、真打ち“まぐろトロ三昧”の桶が登場する。“本...まぐろトロ三昧と正雪と静岡おでんと静岡鉄道を完乗!
大塚駅南口から三業通りに潜り込んで200mほど行くと手打ち蕎麦の店がある。右に左に緩やかなカーブを描く通りは、旧くからの街道筋かと思いきや、川を暗渠にしたものらしい。「三業」が「花街」を表すことはずいぶん大人になってから知った。なるほど、ポツンポツンと在る例えば寿司屋とか鉄板焼きの店とか日本料理屋とか、由緒ありげなのだ。そしてボクはといえば、紺の暖簾に「きそば」と抜いた粋なそば処で“せいろ”を一枚。“鳥焼き”か“桜海老のかき揚げ”か、ほんとは蕎麦前にお銚子を2本ほど、粋人を気取りたいところ、花街の名残を残すこの通りで一枚ズズッと啜ったら午後の仕事に戻ろう。なにしろ愉しい街のランチ探索なのだ。file-018<40年前に街で流れたJ-POP>まっ赤な女の子/小泉今日子1983Biz-Lunch大塚「手打ち蕎麦小倉庵」
秩父のシンボル武甲山(1,304m)を背景に羊山丘陵では芝桜のパッチワークが華やかだ。まだ明けやらぬうち、ランナーの姿も見えない街を抜け出してきた。この頃の飯能から秩父へと抜けるR299沿線には山藤が咲いている。薄紫のカーテンを潜りながら、ワインディングをしなやかに走り抜けるのは気持ちがいい。濃いピンクは大輪の“マックダニエルクッション”、淡いピンクは“オータムローズ”。先週の雨で少し元気がないかな。明るいホワイトは“モンブラン”、今が盛りと純白の絨毯を広げていたね。秩父の春を彩る羊山公園の芝桜、10品種40万株が咲き誇り、多くの観光客が訪れる。今年はちょっと見ごろが早かった様だね。秩父からはR140で荒川渓谷を遡る。やはり彼方此方で山藤がアクセントになっている。対岸に三峰口の駅が見えたら、贄川交差点を右...風を感じて!芝桜と田舎そばと三峯神社
風を感じて! 空と海とネモフィラと SUMMER SUSPICION
丘一面に広がる可憐な“青”が風に揺れている。この頃の海からの風は案外冷たい。「いまが見ごろみたいね」とせがまれて、早朝のEXPWAYを駆け上った。インターチェンジを降りたら真っ先に海岸に向かう。ヘルメットを脱ぐ前から潮の香りがくすぐる。「ワイキキともサンタモニカとも違うわ」•••少なくともキミと行ったことはない。確かに、どちらかというと磯の香りだね。それでも信州育ちのボクには、胸が高なる香りにかわりない。小径をゆくと朝陽を浴びて菜の花がそよいでいる。「ねぇ、ありんこがたくさん」時折り少女みたいなことを口にする。しなやかな指先を追うと、黄色い地平の先に“青”が広がって、なるほど花と空をありんこが分けている。「私たちもありんこになりましょ」ボクの左手を優しくひっぱる。さっきの小さな嫉妬はいつしか忘れてしまった...風を感じて!空と海とネモフィラとSUMMERSUSPICION
デミグラスソースをたっぷりと“煮込みハンバーグ”、箸で割った大きめを口に運ぶ。ジュワッと美味しい。二つ目は半熟目玉焼きの黄身を絡めて、これまたマイルドで美味。つけ合わせの“カニクリームコロッケ”もなかなかの逸品。とろぉ~りとまさにクリーム、良い仕事している。週一ペースで東池袋のオフィスに通う機会を得て、馴染みのない街でランチの店を探すのは楽しい。下町風情の大塚駅南口、オレンジの庇を伸ばして南欧料理の店のような外観、町の洋食屋さんを見つけた。満腹を抱え、次なる店を物色しながら午後の仕事へと戻る。唸りを上げて電車が追い越していった。file-017<40年前に街で流れたJ-POP>時をかける少女/原田知世1983Biz-Lunch大塚「洋食GOTOO」
赤瓦の天守閣を背景にソメイヨシノが美しい。降りからの北風に花吹雪が舞い、濠には花筏が浮かぶ。青春18きっぷが利用できる最後の日曜日、tenki.jpを睨みながら、どうやら北を目指した方が良さそうだ。東北本線(宇都宮線)の始発列車に飛び乗ると、09:30には郡山、ここから会津へ向かう快速電車に乗り換える。30分もすると、車窓右手には「宝の山よ」と謳われる磐梯山が見えてきた。残雪は少ない。鶴ヶ城、日中線しだれ桜並木、ちょうど満開の桜の名所を目指して、快速あいづ1号の車内は満員なのだ。だから駅ビル・エスパル郡山で仕込んだ二本松の蔵のワンカップは肩掛けのバックに眠ったままだ。会津若松で連絡する喜多方方面への列車が車両故障で遅延しているらしい。ここは日中線しだれ桜並木を諦めて鶴ヶ城観桜に切り替える。日帰り普通列車の...青春18きっぷ鶴ヶ城のさくら
青春18きっぷに四つ目の入鋏印を受け、この日も高崎線・上越線を乗り継いで、ここは新潟県の小出駅。昨秋、豪雨災害による不通から11年を経て復旧した全国有数の秘境路線・只見線を旅したいと思っている。会津若松まで抜ければ、延長7,270キロ、JR東日本全路線の呑み潰しを晴れて達成することになるのだ。430Dの出発まではちょうど2時間、雪解け水溢れる魚野川を渡って、こじんまりとした小出の市街地へ。ふらりと寄ったそば処は、広々とした石のカウンターが流れて、なかなかどうして良い感じのお店だ。椅子ひとつ開けてご常連がお銚子を傾けている。ならば遠慮なくとここ小出の酒“緑川”をガラスの酒器で。突き出しは“こごみおひたし”、春の苦味を淡麗辛口の純米酒と愉しむ。ちょっと贅沢な時間になりそうだ。蕎麦前の“栃尾あぶらげ”は納豆を挟...青春18きっぷ人生のそばから