メインカテゴリーを選択しなおす
『高田の夏は爽涼と日本海の波が呼ぶ』外濠に架かる朱の欄干の袂に、七五調の歌碑が置かれている。旧制高田中学校の寮歌だそうだ。爽涼どころか連日の酷暑に草木はもちろん三重櫓でさえも、クタッと疲れているようにも見える。春には4,000本の桜が爛漫に咲き誇る高田城址公園、夏には紅蓮と白蓮が外濠を埋め尽くす。ハスは未明から早朝に咲き始めて午後には閉じてしまうから、午前中に訪ねるといい。とん汁に時間を費やして、すでに蓮花はお椀状になっている。それでも濃緑に点描するピンクと白が美しい。蓮に埋め尽くされた外堀の背景は詩に謳われる「南葉の山」か。南へと尾根を辿ると「妙高山」が見えるはずだけど、今日は湧き出た雲に頂を隠している。20代の頃は東京を遠く離れて配属された我が身を嘆いたけれど、今はただ穏やかにこの風景を眺めるのだ。<...高田の夏は爽涼と2023.