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諸事情で暫くの間、旅に出ることが難しくなる。皆無とは言わないが、滅多なことでは旅に出れなくなりそうだ。当座の旅納めに短い旅に行くことにした。当座とはいえ旅納めなのだから、出来れば遠くへ行きたい。遠くが無理でも、せめて「遠く」を感じさせる場所に行きたい。それには「終着駅」を目指すことがピッタリだ。それも「北の終着駅」を鉄道で目指そう。それが今回の旅のテーマとなった。北の終着駅で最も理想的なのは、稚内駅と根室駅である。どちらも一泊二日の日程では行くことは無理だ。色々考慮した結果、JR大湊線の終着駅「大湊駅」を目指すことに決めた。青森県である。大湊駅は本州最北の終着駅である。ひとつ手前の下北駅は本州最北の駅であり、そこには本州最北端の繁華街があるという。そんな訳で、秋田駅から青森駅、そして野辺地駅を経て、本州最...終着駅を目指す旅①〜遠いと感じる場所へ
福山城と瀬戸内産レモンと広島お好み焼きいまちゃんと 福塩線を完乗!
福岡でのミーティングを終えた金曜日、博多〜東京のキップを乗変して福山で降りてしまう。せっかくの週末絡みの出張だから、陰陽連絡線を何本か呑み潰して帰ろうと思うのだ。これらの路線はたいてい致命的な赤字を抱えているから(沿線の方には申し訳ありませんが)いつ自然災害による不通〜復旧断念〜廃止の道を辿るとも知れないからね。福山駅に降り立ったら、迷わずばら公園口の5番のりばに停車中のバスに飛び乗る。一度観ておきたい「潮待ちの港」鞆の浦の風景、数々の映画やドラマの舞台となったおなじみの風景だ。刻々と空と海の色彩がうつろう夕暮れ時、海に突き出した常夜燈の雁木で飽かず眺めるのだ。町の風景に溶け込んだ古民家cafeを見かけた。一組のカップルが食事中だね。洒落たカウンターで冷たいビールを飲みたいところだがバスの時間が迫っている...福山城と瀬戸内産レモンと広島お好み焼きいまちゃんと福塩線を完乗!
沼宮内駅に停車しているIGR7000系は、JRの701系電車と同系列なのだそうだ。シルバーの車体に塗られた「スターライトブルー」は無限に広がる岩手の夜空をイメージしているという。かつて日本最長営業キロを誇った東北本線、盛岡以北はいわて銀河鉄道線、青い森鉄道線となった。それでもレールは繋がっているのだから、行くぜ、東北。二日目は仙台から青森をめざす。その前に押さえておくべき利府支線は、岩切か新幹線総合車両センターに並行して利府へ延びる。そもそも本線の一部であった利府支線だが、塩釜経由の新ルート開通によりいつしか盲腸線となった。この日は臨時快速「毛越寺あやめ祭号」というワイルドカードが走る。使わない手はない。少年たちがカメラを構える4番ホームに2両編成の110系気動車が入線してきた。09:10、鉄ちゃんと家族...じゃじゃ麺と座敷わらしの湯と安東水軍と東北本線を完乗!
円盤餃子と政宗公とMr. Summer Time 東北本線を往く!
ゴーっと音を立てて5両編成が那珂川鉄橋を渡ってやってきた。青と白のツートン、常磐快速と同じ形式が走るのは、黒磯駅構内で直流から交流に電化方式が変わるからだ。休日06:30の東京駅、もう日が高いのに閑散とした丸の内、夢を見ているかのようなギャップだ。この朝もすでに30度近い、梅雨が明け、太平洋高気圧とともに「青春18きっぷ」のシーズンがやってきた。06:51発の1522Eがこの旅のトップランナー、東京始発の宇都宮行きはこの列車が唯一。東北へと旅立つ各駅停車の旅には相応しい列車だと思う。轟音を立てて渡る利根川鉄橋を合図に、まずは1本目の“こだわりレモンサワー”を開ける。JR東日本の呑み潰しも二周目に入ったから、今まで以上に呑んで喰らって、ゆるりと旅をしたいものだ。10番線に2番手ランナーの641Mが待っている...円盤餃子と政宗公とMr.SummerTime東北本線を往く!
会津若松駅で東武鉄道の「大樹」を見かけました。まだニュースリリースはありませんが、いずれ会津盆地まで営業運転するのでしょうか。東武鬼怒川線から野岩鉄道〜会津鉄道〜只見線を長駆会津若松までやってきたら、ましてC11が牽引してきて「SLばんえつ物語」のC57と並んだら、なんだか鉄道ファンならずともワクワクしますね。只見線の5番ホームにやってきたら10名ほどのカメラを構えたファンがシャッターを切っています。「試」のヘッドマーク(試運転の意味?)をつけたディーゼル機関車がターゲットのようです。なんだか北斗星カラーの機関車と3両の客車ですが、鉄分の足りないボクにはわかりません。連結部分に回ってみると、こちらには「大樹」のヘッドーマーク。なるほど東武鉄道の車両ですね。ほどなくディーゼル機関車は切り離されて、単機、喜多...大樹
この仕事をしている一人として、今温泉へ行くなら箱根を訪れない訳にはいかない。で初めての箱根登山鉄道、快適な新型車両より、やはりこんな旧型車両が趣がある。Webを見るとモハ2型といって、戦後間もない1950年に登場した車両だそうだ。もちろん非冷房車で窓を全開にして箱根を登っていく。コンコースには巨大な「小田原提灯が」下がっている。箱根登山鉄道の起点は小田原、でも箱根湯本までは小田急電鉄の車両が走っている。ちゃんと登山電車の朱色を基調に塗られてね。箱根湯本までは4駅15分ほどの旅だ。強羅方面に向かう誰もが箱根湯本で乗り換えとなる。ロマンスカーをはじめ小田原から乗り入れてきた小田急電鉄の車両が到着すると乗客の半分は出口へ、半分はホーム反対側に停車している登山電車に吸い込まれる。箱根湯本の「直吉」を訪ねて、箱根名...フニクリフニクラと湯葉丼と強羅の湯と箱根登山鉄道を完乗!
13:05発小出行き427D、入線10分前に来たけれどすでに結構な人数が並んでいた。満を持しての只見線で呑む旅に発つ。この旅を終えたら「祝・JR東日本を完乗!」なのだ。鶴ヶ城を意識した会津若松駅は白壁に赤瓦を乗せた城郭風になっている。車寄せには白虎隊の若き隊士と赤べこが訪れる旅人を出迎えて、会津の旅情を掻き立てる。只見線の会津若松〜七日町〜西若松の区間は会津鉄道が乗り入れてくる。レトロな七日町駅にちょうど鬼怒川温泉からのAIZUマウントエクスプレスが入ってきた。会津若松観光の中心になる七日町通りを歩いてみる。寛政六年創業の老舗、鶴乃江酒造の重厚な蔵が印象的、ここはお気に入りの“会津中将”を醸している。もはやレポートの必要もない難攻不落の名城「鶴ヶ城」の層塔型五層天守が空を突く。眩しいほどに白い城壁、夏の陽...鶴ヶ城とみそ田楽と会津中将と只見線を完乗!
小田急電鉄の特急ロマンスカーは新鋭車両も走っているけれど、やはり伝統的なLSE車が魅力的だ。新宿~箱根湯本間を90分で疾走している特急はこね号、私、実は今回が初ロマンスカーなのです。「小田原おでん」を食べにやってきた。特産の梅を使ったつけだれ「梅みそ」をつけていただくのが小田原流。老舗のかまぼこ各社が味を競う小田原、おでんで盛り上げるアイディアには頷ける。お酒は丹沢の"松みどり"をいただく。常温で飲むのがお奨めだそうだ。小田原へは新宿からロマンスカーで向かう。はこね19号を待つ間、ホームのロマンスカー・カフェで"ジンジャー・ハイボール"を一杯。真昼間だけれど、今日も暑いし、テーマも「呑み鉄」だから良しとしよう。ところで途中の新百合ヶ丘からは、多摩センター方面へ向かう多摩線が分岐している。都の多摩ニュータウ...城とおでんとロマンスカーと小田急・小田原線を完乗!
マジックタイムの商店街と一白水成と水芭蕉と いづみ野線・新横浜線を完乗!
いずみ中央駅への勾配を駆け下りてくるのは東急電鉄の5000系電車。2023.3.18のダイヤ改正で相鉄線⇔東急線が相互乗り入れを開始、相模鉄道は念願の都心乗り入れを実現した。っで、いずみ野線は様々な鉄道会社の車両が入り乱れて賑やかなことになっている。かなちゅうの黄色いボディーが存在感を示すのは湘南台駅、なんとも響きが良いね。1990年代、慶應義塾の湘南キャンパス開設、いずみ野線とブルーラインの延伸で発展した町だ。きょうは、相模鉄道いずみ野線、新横浜線に乗って呑みたい。湘南台の地下から這い出た10両編成は、ブルーラインと袂を分かち、ゆめが丘駅へと上ってきた。この10両編成、東横線からさらに副都心線に乗り入れて池袋をめざす。チューブで覆われたような近未来的なゆめが丘駅、大型クレーンが何基も立って夢は育ちつつあ...マジックタイムの商店街と一白水成と水芭蕉といづみ野線・新横浜線を完乗!
【読書記録】 湘南新宿ラインのボックス席で描かれる失われたとき『反対方向行き』滝口悠生
新潮2023年06月号新潮社2023-05-06第47回川端康成文学賞受賞作亡き祖父の何春が住んでいた宇都宮の家に向かう主人公なつめ。節約のため新幹線ではなく鈍行の湘南新宿ラインにのる。しかし乗った列車は反対方向の神奈川方面行だった。通り過ぎる駅や地方をとおして、なつめ
合掌造りの白川郷を流れる庄川は100kmの旅を終えて富山県射水市で富山湾に注ぐ。その河口近くの庄川鉄橋、轟音を響かせて超低床電車「アイトラム」が渡っていく。こんな鉄橋を軌道車両(路面電車)が走る風景は、そうそう多くで見ることはできないだろう。高岡の街は「ドラえもん」に溢れている。ここは藤子・F・不二雄氏の故郷なのだ。駅前の「ドラえもんの散歩道」には、高岡ならではの銅像のキャラクターが遊んでいる。瀟洒な高岡駅ステーションビルには「ドラえもんポスト」がある。これも銅製だ。このポストに手紙を投函すると、ドラえもんの消印が押されるからぜひお試しを。そうこうしているうちに、07:45発の越ノ潟行きが、駅ビルに突っ込むように高岡駅停留場に入ってきた。黄色い矢印のシグナルが点灯して「ドラえもんとらむ」がゆっくりと滑り出...ドラえもんと海の貴婦人と運河沿いのBARと万葉線を完乗!
シグナルが青に変わった。交換の上り列車を待って「のと里山里海1号」が走り出す。終点まではあと2駅のラストスパート、緩いカーブの先には海が再び見えてくるはずだ。能登キリコ祭りの山車の車輪が存在感ある和倉温泉駅、朱に白地の駅名板が雅やかだ。09:01、日本海の深い青を表現した濃紺のボディーを輝かせて「のと里山里海1号」が入線してきた。アテンダントに迎えられて「のと鉄道」の旅は始まる。穴水までは約1時間だ。のと鉄道は七尾湾を抱き込むようにして北へ走る。田植えを終えた田圃の向こうには、鏡面のように穏やかな七尾湾が広がっている。往路はオレンジ色を基調の里山車両、海に向いたカウンター席で車窓を流れる風景に心を癒し、復路はブルーを基調にした里海車両で地酒を呑みながら気動車の揺れに身を任すのだ。交換駅ですれ違うのはなんと...能登の里山里海とis68と旬鮨とのと鉄道を完乗!
【鳥取4泊5日旅】2日目:山陰本線「天空の駅」餘部駅、「海を見下ろす駅」鎧駅
鳥取4泊5日ひとり旅、2日目。山陰本線で兵庫県但馬地方へ足をのばし、「天空の駅」餘部駅と「海を見下ろす駅」鎧駅を満喫。
2017年初夏、廃止前の三江線で呑んだ旅石見川本駅でラッピング車両「三江線神楽号」と交換した。三江線沿線に点在する大元神楽、阿須那系石見神楽、高宮系神楽、備後系神楽などをテーマに描いたものだそうだ。JR西日本は国土交通大臣に三江線の鉄道事業廃止届出書を提出している。廃止予定日は平成30年4月1日、今年中に呑み潰さなくてはならない路線だ。馬洗川に架かる巴橋は三次市のシンボル。江の川本流に西城川、馬洗川が流れ込む合流点、3本の川が合流する様から巴峡と呼ばれる。今日は三江線に乗って江の川とともに日本海をめざす。三次の旧い町並みに白蘭酒造を訪ねる。米どころ三次にあって昔から地域密着型のお酒を作り続けてきた小さな酒蔵だ。江の川を下る三江線の旅の友に純米吟醸生貯蔵酒"吟生"を求める。吟醸特有の香りと純米の味わいを愉し...江の川と石見銀山と白蘭吟生と三江線を完乗!
伝統工芸である加賀水引をモチーフにしたヘッドマークの「花嫁のれん」と交換する。旧い気動車は真紅にお色直しをして、輪島塗や加賀友禅をデザインした人気の特急列車となった。とは言え「呑み鉄」の旅は鈍行列車に揺られることをルールとしているので「花嫁のれん」には乗れない。さて、七尾線は津幡で北陸本線(IRいしかわ鉄道)から分岐して能登半島を北上する。アニーローリーのメロディが流れて、ステンレスのボディーに茜色を引いた2両編成がやってきた。なんとも都会的なデザインの電車が里山里海の田園風景を駆け抜ける七尾線なのだ。プシュッと小気味良い音を立ててストロング缶のプルトップを引く。レモンの香りと炭酸が口の中に広がる。JR西日本の521系は転換クロスシートになっていて、学生達が降りて空いた車両は呑み鉄の旅に打って付けだ。羽咋...花嫁のれんと縁結びの大社と能登末廣と七尾線を完乗!
赤瓦の天守閣を背景にソメイヨシノが美しい。降りからの北風に花吹雪が舞い、濠には花筏が浮かぶ。青春18きっぷが利用できる最後の日曜日、tenki.jpを睨みながら、どうやら北を目指した方が良さそうだ。東北本線(宇都宮線)の始発列車に飛び乗ると、09:30には郡山、ここから会津へ向かう快速電車に乗り換える。30分もすると、車窓右手には「宝の山よ」と謳われる磐梯山が見えてきた。残雪は少ない。鶴ヶ城、日中線しだれ桜並木、ちょうど満開の桜の名所を目指して、快速あいづ1号の車内は満員なのだ。だから駅ビル・エスパル郡山で仕込んだ二本松の蔵のワンカップは肩掛けのバックに眠ったままだ。会津若松で連絡する喜多方方面への列車が車両故障で遅延しているらしい。ここは日中線しだれ桜並木を諦めて鶴ヶ城観桜に切り替える。日帰り普通列車の...青春18きっぷ鶴ヶ城のさくら
青春18きっぷに四つ目の入鋏印を受け、この日も高崎線・上越線を乗り継いで、ここは新潟県の小出駅。昨秋、豪雨災害による不通から11年を経て復旧した全国有数の秘境路線・只見線を旅したいと思っている。会津若松まで抜ければ、延長7,270キロ、JR東日本全路線の呑み潰しを晴れて達成することになるのだ。430Dの出発まではちょうど2時間、雪解け水溢れる魚野川を渡って、こじんまりとした小出の市街地へ。ふらりと寄ったそば処は、広々とした石のカウンターが流れて、なかなかどうして良い感じのお店だ。椅子ひとつ開けてご常連がお銚子を傾けている。ならば遠慮なくとここ小出の酒“緑川”をガラスの酒器で。突き出しは“こごみおひたし”、春の苦味を淡麗辛口の純米酒と愉しむ。ちょっと贅沢な時間になりそうだ。蕎麦前の“栃尾あぶらげ”は納豆を挟...青春18きっぷ人生のそばから
青春18きっぷで、東海道本線の始発321Mに乗って、製紙工場の煙突を眺めて富士までやって来た。身延線を呑み潰すのは3度目だろうか。08:06、西富士宮止まりの3529Gで富士川を遡る旅は始まる。富士山本宮浅間大社は駿河國一宮、御祭神は木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)、女神様が富士山を鎮める。桜が御神木とされ、奉納された500本の満開の桜は、朝の春時雨にピンクの花びらを散らし始めている。ちらほら開き始めたお宮横丁で、かつてB-1グランプリで名を上げた“富士宮焼きそば”を食べておく。“静岡麦酒”をグッと呷ってからの、イワシの削り粉をたっぷり振りかけた塩焼きそばが美味い。特急ふじかわ3号を先行させて、10:39、2番手の3629G甲府行きのセミクロスシートに収まる。大きく円を描くように電車は標高を稼いで...久遠寺の桜と信玄の隠し湯と七賢と身延線を完乗!
青春18きっぷに三つ目の入鋏印を受けたら、高崎線の始発821Mに飛び乗る。まだ少し眠たい。目的地はえちごトキめき鉄道の高田、満開を迎えた高田城址公園の4,000本の桜を観たい。在来線で高田まで行くのは、かつては高崎線から信越本線に入って碓氷峠を登り、長野を経由した。旧くは「妙高」とか「白山」って急行に乗ったはずだ。今では分断されたこのルートの代わりに、高崎線から上越線に入って長岡から信越本線を逆走するしかない。(途中、ほくほく線でショートカットも)昨年の桜の頃は、魚沼の田圃には厚く雪が残っていた気がするが、今年はもう代掻きができそうだ。それでも越後三山(八海山・越後駒ヶ岳・中ノ岳)は残雪をたっぷり抱いて、越後路の旅情を掻き立てる。ボクはと言えば、越後湯沢で求めた“風味爽快ニシテ”を飲みながら、この山々を飽...青春18きっぷ高田城址公園のさくら
グリーンとマリンブルーの帯を纏った5000形電車、三宮・花時計前行きが入線してきた。リニアモーターカーを利用した小断面トンネル・小型車体と省力化した車両は大江戸線のそれに似ている。久しぶりのプライベートな神戸2泊3日の旅、ラストは神戸市営地下鉄・海岸線で港町神戸を巡る。海岸線の起点新長田駅近く若松公園には、震災復興のシンボルとして「鉄人28号」が雄々しく立っていた。三つ目の御崎公園駅に降りる。運河で囲まれた街はちょっと風が強い。ノエビアスタジアムでイエニスタが胸を張る。この日はアウェイの札幌でまもなくKICKOFFを迎える。公園の片隅には「神戸市電1103号車」が展示されている。この電車は昭和29年生まれの神戸市電の末っ子。市電廃止後、広島に嫁いだと聞いていたけれど、今は里帰りをしてこの地で暮らしている。...鉄人28号と港町神戸と地魚屋台と海岸線を完乗!
デーゼルに揺られて長門市までやってきた。美祢線沿線には秋芳洞やプーチンが滞在した長門湯本温泉がある。永山酒造の蔵開きを冷やかして厚狭駅へ。厚狭を起点に日本海に臨む長門市まで、美祢線で山口県を縦断する。かつて石炭・石灰の輸送ルートとして活況を呈したのが美祢線、長大な貨物列車は今日では見ることはない。三年寝太郎の像に見送られて、たった1両のディーゼルがブルっと身震いひとつ、厚狭駅1番線を離れる。JR西日本の非電化ローカル線を走るディーゼルは、すべてロングシートで味気ない。近郊路線でもあるまいに。そもそもこの車両は主客であるお婆ちゃんも高校生たちもクロスシートでお喋りに興じたいはずだろうに。余所者のオヤジだって車中酒を愉しみたいのだ。"男山"の300mlが開かない。美祢線の旅はおよそ1時間。長門湯本を過ぎた辺り...ディーゼルの音を聴きながら美祢線を完乗!
地方鉄道の運転士氏は忙しい。折り返しの発車までは7分、少ないとはいえ降車客の精算を行い、運転台を切り替え、お年寄りに乗換案内をしていたら、時間はあっという間に過ぎてしまうのだ。それでもたった1両の627列車は定刻の15:09、身震いひとつ北条町に向けて粟生駅を出発する。法華口という駅名に釣られて途中下車、駅名は「法華山一乗寺」から来たもので、三重塔は国宝になっている。とはいえ駅から5km、この旅で往復2時間は捻出できない。駅で借りれるはずのレンタサイクルはお休み、国道端のバス停まで行ったけど、気まぐれな旅人に都合良いダイヤでは走っている訳もない。こりゃ無理だ。「紫電改」を展示した旧⽇本海軍練習航空隊の鶉野⾶⾏場の資料館は第1・3日曜日のみ開館。これも残念。そこで片道30分をトコトコと富久錦の蔵をめざす。こ...雨上がりのローカル線を気動車でゆく北条鉄道を完乗!
冷たい雨がそぼ降る鈴蘭台駅、4番線には粟生行きの普通電車が入ってきた。ホームの中ほどに0kmポスト。粟生線はここ鈴蘭台で有馬線から分岐して、藍那の山並みを越えて播磨平野へ下りて行くローカル線だ。駅舎は北区役所と商業施設が入居する駅ビル・ベルスト鈴蘭台になっていて、駅前には案外人通りがある。13:09、出発早々いきなりの急カーブ急勾配に突っ込む。粟生線もジェットコースターのような山岳路線なのだ。粟生線は都市型郊外路線にもかかわらず廃線の噂が絶えない。輸送人員は1992年の1,420万人をピークから半減。三宮行きの直通バスに押されて、年間輸送人員推移のグラフもジェットコースターのような下りっぷりなのだ。行程の半ばを過ぎると神戸のベッドタウン三木市、ニュータウンが広がる志染を過ぎると旧市街に入る。市中心の三木駅...50パーミルと古戦場と葵鶴の蔵と粟生線を完乗!
早朝の新開地駅、旧国鉄の特急を思わせるベージュとレッドに塗り分けた1000系電車が待っていた。有馬・三田方面の運用はほとんどが三田行きではあるが、早朝の何本かは有馬温泉に直通しているのだ。06:47発、昭和生まれの1000系電車に乗って、神戸電鉄呑み潰しの旅をスタートする。本来、神戸電鉄の起点は湊川駅、昭和40年代に相互に連絡したい阪急・阪神・山陽・神戸の4電鉄と神戸市の思案で設立された神戸高速鉄道によって、神戸電鉄も新開地始発となり他3社と連絡している。かつてのターミナル湊川駅の白亜の駅舎は、湊川公園に半分埋まるようにして現存している。湊川から地上に姿を現したツートンカラーの1000系電車は、市街地を抜けぬうちから50‰の急坂に挑む。源義経が平家の軍勢を奇襲した“鵯越の逆落とし”の山を越えるのだから、想...有馬に恋さん有馬線・三田線・公園都市線を完乗!
㉒「百万ドルの夜景と函館ビールを堪能」北の大地 鉄道ひとり旅_20221127
本日も当ブログに訪問いただき ありがとうございます 今回は北海道乗り鉄のお話しです 1日目①「釧路へ」②「花咲線で厚岸へ」③「厚岸といえば牡蠣」④「塩辛じ…
白亜のマンション群の中から、まえぶれもなくブルーグリーン3000系の車両が現れた。無人運転で走る新交通システムの最前列席には子どもたちの笑顔にあふれ、なんだかほっこりした気分になる。呑み人にとっては30年ぶり?東海道本線のJR住吉駅から人工島・六甲アイランドまで短い旅に出る。わずかに東海道本線と並走した4両編成のブルーグリーンは、90°のカーブを描くと住吉川に沿って南下する。海岸線までわずかな距離なのに結構な下り勾配になっている。神戸という街の地形を改めて実感する。っと、呑み人はクロスシートが温まる間もなくひとつ目の魚住駅に途中下車する。魚住駅から3分ほど住吉川を遡ると、文豪・谷崎潤一郎旧邸「倚松庵(いしょうあん)」がある。氏は昭和11〜18年、この松によりかかる庵で、松子夫人と彼女の二人の妹と暮らしてい...細雪と住吉川の桜と櫻政宗と六甲アイランド線を完乗!
鹿児島市交通局1系統で鹿児島駅前をめざす。600円の「市電・市バス・シティビュー1日乗車券」が便利だ。谷山電停の駅舎は顔に見えるね。大きなオモチャ箱かビックリ箱って感じでユーモラスだ。途中の涙橋電停までの4kmは専用軌道なので電車はグングン走る。ずいぶん激しく揺れるけどね。鹿児島随一の繁華街・天文館まではちょうど30分。その地名は薩摩藩8代藩主島津重豪公が建てた天文観測や暦の作成などを行う明時館(天文館)に因んでいる。格式ある郷土料理店「熊襲亭」だけど、ランチなら意外と手頃な予算で楽しめる。ここ2日は焼酎漬けだったので久しぶりに生ビールを呷る。旨い。代表的な薩摩料理は、酢味噌で味わう"キビナゴの刺身"、おなじみ"さつま揚げ"、骨付き黒豚を味噌と焼酎で煮込んだ"豚骨"が美味しい。鶏肉・根菜・コンニャクが入っ...路面電車と薩摩料理と桜島と鹿児島市交通局1系統を完乗!
ぶり大根と八千代伝と鹿児島の夜 鹿児島市交通局2系統を完乗!
2017年記事の再掲です。東京とは緯度が違うにせよ18:30ともなれば鹿児島も真っ暗、今宵は郡元電停から市電2系統に乗車をする。2系統は郡元で1系統と分岐、鹿児島中央駅前を経て高見馬場で合流する。どちらにしても行先は鹿児島駅前だ。郡元から数えて9番目の電停が鹿児島中央駅前、以前訪れた時よりもずいぶん賑やかになった気がする。新幹線開通を潮に街の賑わいが天文館から駅前へとシフトしつつあるんじゃないかな。さらに一つ先の高見橋電停を降りる。甲突川に架かる高見橋の東詰には大久保利通卿が立っている。高見橋電停近くの「かごっまふるさと屋台村」は、鹿児島グルメと焼酎を堪能できる25店舗で構成されている。どの店もカウンター8席。自然に客同士あるいはスタッフと会話を楽しむことになるって仕掛けのようだ。「港町食堂たるみず」は、...ぶり大根と八千代伝と鹿児島の夜鹿児島市交通局2系統を完乗!
16:31、勾金駅、画家ミヤザキケンスケ氏が描いた下絵に、地元の子どもたちが彩色した車両とすれ違う。こんな車両がふるさとを走っていたら、なんだか元気をもらえそうな気がするね。福岡での仕事を終えた金曜日の夕方から、筑豊地方を走る路線に乗って呑んできた。たった1日と少しの時間で潰せるのだから、嘗てこ地方に網の目のように通っていた鉄路のいかに多くが廃線となったのかが実感される。昼過ぎの直方駅に戻って来た。チンチン電車を降りた筑豊直方駅からは800mほど離れている。ふるまち通り〜明治町商店街と2つのアーケードを歩いたけれど、やはりその殆どがシャッターを降ろしていた。駅へと向かう女子高生たちのお喋りの声が、なんとなく感じる寂しい気持ちを紛らわしてくれる。土曜の午後、平成筑豊鉄道の伊田線と田川線を乗り通して周防灘に抜...香春連峰と水炊きと九州菊と伊田線・田川線を完乗!
始発列車に揺られて2時間10分の北濃駅は静かな終着駅だ。西側の尾根にトンネルを穿てば、僅かな距離で過日完乗した越美北線の終点九頭竜湖駅だ。時代はこの路線の完成を必要とせず越美南線は第3セクターの長良川鉄道になった。鵜飼で有名な清流長良川もここでは源流に近い。折り返しの08:52発で美濃太田をめざす。停車中のひと時、運転手と鉄道マニア達に談笑の輪ができる。定刻、列車は北濃駅を出発する。かなりの下り勾配を長良川と絡みながら走っていく。単行の気動車に揺られること30分、清流と名水の城下町郡上八幡は「郡上おどり」であまりにも有名な長良川支流の吉田川に沿った城下町。早速シンボルの郡上八幡城に登る、生憎天守閣は雨に煙っていた。八幡山を下りて「日本名水百選」宗祇水を訪ねる。その名は室町時代に訪れた連歌の宗匠・飯尾宗祇に...鶏ちゃんと元文と雨に煙る清流と長良川鉄道を完乗!
13:37、1番線に田川後藤寺行きの1321Dが到着、糸田線が分岐する金田駅では8分と長めの停車をする。経営が厳しい第三セクター鉄道では、企業広告フルラッピングは珍しくない。企業カラーのレッドが眩しい。跨線橋で3番線に渡ると国鉄時代の「のりかえ案内板」が残っている。糸田線の生い立ちはセメント輸送の鉄道と石炭輸送の鉄道、両社が合併した上で、国鉄に戦時買収されている。この駅には平成筑豊鉄道の金田車両基地を併設している。0キロポストはこれから乗る糸田線のものだ。深紅に輝くメタリックの車両は「ことこと列車」で、見るからに水戸岡鋭治氏のデザイン。幾何学模様の寄木を敷き、伝統工芸の「大川組子」を使用し、ステンドグラスを組み込んだレストランカーだ。一方、留萠鉄道→茨城交通(現ひたちなか海浜鉄道)→平成筑豊鉄道と渡ってき...ことこと列車と準急ひかりと炭鉱栄華の跡と糸田線を完乗!
ガタガタとガーダーを鳴らして2連接の3000形電車が遠賀川の鉄橋を渡る。間も無く終点の筑豊直方だ。筑豊電気鉄道は意外にも戦後の会社設立、全線開通は1956年、戦争を知らない電車たちなのだ。橋上駅のJR黒崎駅は南口にペデストリアンデッキが広がる。さすがは政令指定都市だと思う。ランドマークとも言えるCOMCITY(八幡西区役所)、ちくてつ電車はこのビルディングの1階から発車する。起終点らしい頭端式ホームに鮮やかなグリーンに塗られた5002編成が停車中。近ごろ見直されているライトレール(LRT)のようなスマートな超低床型電車で、まずは途中の筑豊中間へ向かう。筑豊電気鉄道線は標準軌で全線複線の専用線、れっきとした鉄道事業だけれど、軌道用の電車を走らせているのは、西鉄北九州線(市内電車)が乗り入れていたからだろうか...くじら南蛮とラガーとちくてつ電車と筑豊電気鉄道線を完乗!
18時、洞海湾を跨ぎ若松と戸畑を結ぶ赤い吊橋「若戸大橋」と「若松港石積護岸」に灯が点る。1940年代の若松港は日本一の石炭積出港、当然のことながら若松駅の貨物取扱量も日本一となるのだ。筑豊炭田で採掘される石炭を若松港まで輸送し、日本の近代化を支えた筑豊本線を今回呑み潰す。始発の6620Dは06:57発、内燃エンジンが吐き出す排煙で煤けたキハ40、東日本で見ることは無くなった。両端に運転台を持つ気動車がたった1両、かつての石炭の道を辿るこの旅のトップランナーになる。まだ明けやらぬ空の漆黒が少しづつパープルに変化していく。閑散とした原田(はるだ)駅には思い出したように小さな車が乗り付ける。親御さんが高校生を送ってくるのだ。筑豊本線はここ原田で鹿児島本線から分岐し、かつて炭鉱で栄えた町々を繋いで若松で玄界灘...若戸大橋と藁炙り刺とNewMoonと筑豊本線を完乗!
ディーゼルカーとボタ山と“とろろこぶうどん”と 後藤寺線を完乗!
赤地に白く抜いた「快速」の文字も誇らしげに、3531Dは23往復の後藤寺線にあって唯一の快速列車だ。筑豊の日の出は7時20分、まだ山並みから昇ったばかりの朝日に照らされて、旧い気動車のドアが閉まる。もはや東日本では見ることが無くなったキハ40系列の2両編成は、唸り声を上げてあくまでも鈍重に動き出した。左手にカーヴを切って筑豊本線を離れた後藤寺線は、しばらく南東に向かう直線区間を加速していく。右手に見える3つの三角錐は旧住友忠隈炭鉱のボタ山、その美しい姿から「筑豊富士」とも呼ばれる。峠とも言えない小さなピークを越えると、今度は左手に岩肌が剥き出して人工的に道付けされた山が現れる。関の山鉱山に麻生セメント、列をなして走るダンプカーが巻き上げる土埃は白い。なるほど石灰石鉱山だね。もともと後藤寺線は石炭や石灰石を...ディーゼルカーとボタ山と“とろろこぶうどん”と後藤寺線を完乗!
カンカン、カンカンとレトロな警報音が鳴動する。大袈裟に車体を揺らして“ふくにん電車”がやって来た。フクロウで忍者ってことか?何れにしても伊賀鉄道のマスコットキャラクターだ。今回は忍びの国伊賀を往く。伊賀上野を発った2両編成が大きく左にカーブしてゴトゴトと服部川を渡る。車窓いっぱいに秋の空が広がる。やがて左手の高台に伊賀上野城が見えてくる。電車は城の東郭から南郭を舐めるように90度急カーブするのだ。フクロウ・忍者・城・花火・サクラ・星空、ちょっと欲張り気味に描いた電車はさながら伊賀上野市の広告塔か。よく見ると田園都市線を走っていた車両だね。転換クロスシートは京阪電車のものらしい。近鉄系なのになぜ?伊賀軌道の開業に伴なって建てられた駅舎は、洋風の腰折屋根を十字方向に重ねて縦長窓を並べる。モルタル塗の白い外壁に...白鳳城と忍者電車と伊賀牛うどんと伊賀鉄道を完乗!
2017年1月の呑み鉄旅再掲です。北緯31度11分。開聞岳を望むJR日本最南端の駅が西大山駅。裾野を広げる「薩摩富士」が美しい。咲き誇る菜の花の黄色いじゅうたん、降り注ぐ春の陽光、周辺は季節を先取りしている。起点を示す「0キロポスト」を1番ホームの車止め脇に見つけた。ここから指宿枕崎線の旅が始まる。鹿児島中央08:38発の山川行は、アイボリーにブルーのラインが引かれた年季の入ったキハ40系気動車だ。キハ40系は、左手に桜島や大隅半島を見ながら錦江湾沿いを南下する。喜入までは県都鹿児島のベッドタウン、なんと50往復もの列車が走っている。その先は本数がぐっと少なくなるが、引き換えに明媚な車窓が展開する。「東洋のハワイ」指宿温泉は砂蒸し風呂で有名。高度経済成長期にはハネムーンのメッカだった。沿線の中心駅指宿、駅...薩摩富士と菜の花と鰹船人めしと指宿枕崎線を完乗!
2017年1月の呑み鉄旅再掲です。鹿児島空港から路線バスを乗り継いで、やっとの思いで志布志にやってきた。凄まじい横殴りの雨だ。トンネル貯蔵庫「千刻蔵」の木樽蒸留で焼酎を醸している若潮酒造を訪ねようと思ったけど諦めるしかない。隣接のDCストアでワンカップとミニボトルを買い求めて始まる「呑み鉄」日南線の旅だ。志布志駅はかつて、大隅線、志布志線、日南線が連絡する鉄道の要衝だった。大隅線と志布志線は1987年3月、国鉄最後の日を待たずに廃止、現在はホーム1本の静かな日南線の終着駅だ。ガクンと身震いをして年季の入った単行ディーゼルカーが走り出す。志布志から串間まではダグリ岬など風光明媚な海岸線が見え隠れするはずだけど、車窓は大きな雨粒で見通しが利かない。荒天が恨めしい。JR九州のローカル列車はボックスシートだが、窓...小京都・飫肥と若黒潮とおび天と日南線を完乗!
堂々の10両編成をくねらせて12000系が入線してきた。すでにLEDは折り返しの快速・横浜を表示している。獅子の口をイメージした厳ついデザインに、深みのあるダークブルーはYOKOHAMANAVYBLUEと云うらしい。小田急、相模鉄道、JR相模線が乗り入れるターミナル海老名駅は西口に商業集積がある。ショッピングモールVINAWALKの広場にはスケートリンクがあって、子どもたちの歓声が聞こえてくる。2023年最初の呑み鉄旅は相鉄本線、すでに潰しているけれど、今春新線が開通するので乗り直そうと思う。シルバーの車体にブルーとオレンジのラインを引いた車両は10000系、このスマートな特急で横浜をめざす。海老名駅からトコトコと北へ20分歩くと泉橋酒造の蔵がある。住宅街はこの蔵を境に田圃が広がる風景になる。と云うのも泉...恋人も濡れる街角相模鉄道本線を完乗!
明けましておめでとうございます。首都圏では穏やかな青空が広がった元日の朝です。今年はどんな風景、人情、酒肴に出会えるだろうか。とりあえず風にまかせて彷徨ってみましょうか。旅の酒場でお会いしましょう。時代おくれ/吉田類旅の途中2023.明けましておめでとうございます!
80年代に流行っていましたね「いい旅チャレンジ20,000km」って国鉄・JRのキャンペーン。「青春18きっぷ」が発売されたのもこの頃。キャンペーンのポスターは旅情を誘ったものです。学生になったら寝袋背負って旅に出ようと思ったけれど、何時しか忘れて時は過ぎました。"呑み鉄"という大人のゲームを始めたのは新潟に単身赴任していた頃。単純な話、吉田類氏や六角精児氏、あるいは井之頭五郎氏のような旅をしてみようと思ったのです。高校生や小母ちゃんに交じって鈍行列車に乗る。蔵元を訪ねて地酒を求めたら車中酒を愉しむ。蔵元がない土地では「縄のれん」を潜って常連さんに倣ってカウンターで呑んでみる。今年は北陸地方の私鉄線、陰陽連絡線で呑んで、また初期に呑み潰したJRのローカル線を再訪したりしました。旅先で潜った暖簾は30軒、訪...呑み鉄放浪記「小さな旅」2022.
店の名前を冠した“かのやそば”を択ぶ。ワカメにたぬき、めかぶをのせて、たっぷりのとろろ昆布。関東のそばにしては澄んだ本ガツオ出汁を絡めてズズッと啜る。次第に昆布のとろみも効いてきてまた美味い。新橋駅構内にあるけれどJR-Cross系ではないね。こういうお店には頑張ってほしいな。選択肢が多いと楽しい。1番線に滑り込んできた小田原行きに乗って、次は品川で一杯ですね。ご馳走様でした。新橋駅構内「かのや」:かのやそば550円<40年前に街で流れたJ-POP>アンサーソングは哀愁/早見優1982Go!Go!West!2駅そば日記・新橋「かのや」
葉が落ちたイチョウ並木にパープルのイルミネーションが煌めく御堂筋、今宵の大阪は粉雪が待っている。底冷えがする学研奈良登美ヶ丘駅、夕陽に照らされるようにオレンジに染まった近鉄7020系電車が並んだ。行政区域は奈良市になるんだね。でもこの街に住む人や機能は奈良中心部ではなくて大阪を向いている。冬の低気圧が張り出した日、近鉄けいはんな線〜OsakaMetro中央線を呑み潰して、大阪の海を見に行こう。奈良・大阪の県府境に立ちはだかる生駒山地(生駒山=642m)を穿つのは、4.7kmと長大な生駒トンネルだ。その長い急勾配を駆け下りて、OsakaMetroの24系電車が、麓の新石切駅に滑り込んできた。第三軌条方式の複線が地下に潜って長田駅で乗務員が交代する。ここが近鉄とOsakaMetroの結節点なのだ。さらに4つ目...悲しい色やねけいはんな線•中央線を完乗!
タヌキとキツネが同居しているから“むじなそば”?、おかかが踊っているね。大葉のみどりも嬉しい。麺を大掴みにしてズズッと啜る。カリカリっとタヌキさん、じゅわっと甘いおキツネ様、美味しい。6番・7番ホームの下あたりの「二◯そば」は、なかなかいいお値段だけど味とサービスはそれを補って余りある。新しい旅の始まりだから小瓶を開ける。冷えたタンブラーに注いだらぐっと呷る。んっ生きているなぁ。今までアトランダムに紹介してきた「駅そば日記」だけど、そろそろテーマを持たせようと思うのだ。OnでもOffでも余計なことに拘るのは、ボクの長所でもあり(いやむしろ)短所でもあるが、性だから仕様がない。Go!Go!West!、駅そばで綴って東海道本線を西進しようと思う。これ、けっこう面倒だなぁ。実は東京駅にもホームの立ち喰いそばがあ...Go!Go!West!駅そば日記・東京「二◯そば」