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近ごろ「死にたい」「消えたい」「人生に意味が感じられない」という若者に多く接して、考えさせられる。たとえ、どんなに未来に希望が持てない時代でも、力強く、最...
にっこりとほほえむあなたを思い浮かべて特産の梨「にっこり」を贈ろう甘くて、日持ちしてびっくりするほどBIG SIZE誰が名付けたか絶妙な命名「うんざり」でも「しょんぼり」でも「がっかり」でもない「にっこり」でよかった、よかったどっさりではないけれどずっしりと重たいこの「にっこり」をお世話になったあなたに贈ろう【あとがき】 梨は「幸水」、「豊水」、「あきづき」ときて、今が旬なのが「にっこり」です。梨の...
夜通し鳴き続けている秋の虫の邪魔をしないようにそっと陽の光が射し始め新しい朝がやってきた完成したばかりのクモの巣が朝陽に照らされて輝いている庭のプラムの木の茂みの中を小鳥が一羽、二羽枝から枝へ軽快に飛び移っていく野鳥のさえずりは遠く、近く響き合うように湧き上がり部屋の中に届いたまぶしい光とともに私の網膜と聴覚を刺激してすでに目覚めている私に起床を促す昨夜、全身に泥のようにまとわりついていた絶望的な...
ホテイアオイの花きのうは眼科の診察があった主治医の診察の後で次回の診察日について看護師さんと相談した「次は視野検査をします。 12月24日は、 御都合はどうですか?」「12月24日はと、クリスマス・イブですね」看護師さんは、にっこりした「大丈夫です」「では、12月24日にいたしましょう」会計を待つ間、このやりとりを思い出しこう言えばもっとよかったのに、と後悔していた「12月24日...
大谷翔平選手のレギュラーシーズンが終わった。打率.310。54本塁打。130打点。59盗塁。史上初の50-50。大リーグ26人目のトリプルスリー。私は彼の活躍に胸を躍らせ、彼はスーパースターの地位を不動のものとし、子どもたちの憧れの的となった。さて、ポストシーズンでの彼の活躍を祈りながら、彼の話はこれくらいにしておこう。今日、私の家の小さな庭の片隅では、ヒガンバナが命輝かせて、燃えるように咲いている。...
トンボが一匹葉っぱの先にとまって先ほどからじっと考え込んでいるもしも君が今日新たな旅立ちの日を迎えたのなら朝の気分は 格別なはずだ 皆から注目される晴れがましさと 別れの寂しさと、明日への期待と心細さが同居しているその心持ちで君はいろいろ考えるどんな顔して出発しようか・・・何て言って別れようか・・・これからは自分一人でしっかりと決断しどんな結果でも受け入れ誰のことも恨まないようにしよう・・・そんな...
秋を探しに外に出たが探す必要などこれっぽっちもなかったコスモスの花がお日さまの方に手をいっぱいに伸ばして何かをせがんでいるトンボが背の高い草のてっぺんに陣取り午後の飛行計画を練っているヒガンバナが真っ赤な花弁やめしべおしべを複雑に絡み合わせて私に迫ってくる私が何を感じようが、 何を思い、何を考えようが そんなのはお構いなしに 季節は意志をもった者のごとく移り変わり秋は探さずとも向こうから私の方にや...
私は青い空を見上げていたそれがいつの秋だったかはっきりとは答えられないそのとき私は喜びに満ちていたかそれとも絶望の淵にたたずんでいたかそういうことも思い出せないしかし私はその日今日と同じように確かに青い空を見上げていた風にそよぐ木々の上にあくまでも高く、どこまでも青い空が広がっていた何かいいことがありそうだから生きていたいと私はその日、そう思ったはずだと自信をもって断言できるなぜならば今日、私が見...
9月下旬の金曜日の午後3時出かけたついでにぶらりと入った道の駅のアイス屋さん平日の午後とはいえ店内に奇跡のように客はなしカウンターの向こうにはいつもの娘さんが一人でお店番「すみません。 ダブルで、コーンで、 りんごシャーベットとしょうがミルクを お願いします」出来上がるまでの間、彼女に背を向けて反対側の壁に貼られたポスターを見るふりをして心は期待と不安の間を行き来する出来上がった手作りアイス今日は...
トンボよ、トンボ君には青空がよく似合うどこまでも高く遠くあの山の向こうまで己の欲するままに大空を飛び回りその飛翔の軌跡で命の輝きを思いっ切り描いてこい左右の羽をしっかり張って風に乗って舞い上がれば君はあっという間に青空の中だ【あとがき】 9月も半ばを過ぎたというのに、厳しい暑さが続いています。そんな中、このところ空を舞うトンボ(アキアカネ)の数が急に増えてきました。もう秋は来ています。<心に残った...
そぼ降る雨で庭の草木がしっとりと濡れているそぼ降る雨に濡れるのは嫌だから外には出ないそれでもいつの間にか心の中も、抱く想いもしっとりと濡れている雨はときに強く屋根を叩いていく雨に降りこめられてぼうっとして雨の降る音を聞く雨の音が心のノイズを取り込み、消し去ってくれるから雨の日の心は波立たないそれどころか穏やか過ぎてやる気も出ないあの人とのこともあれもこれもすべて先延ばしの先送り雨の日は決断も決行も...
葉の先に今まさに滴り落ちようとするしずくが庭のあちらこちらにまだ、落ちるなよしぶとく耐えろよ汚れのない、清らかなその姿をもう少し見せておくれもう二度と出逢うことは不可能な今しか存在しない、おまえたちのその輝きをもっと見せておくれ地面に落ちて消えてなくなっても俺の記憶に刻まれて俺がいつまでも思い出せるようにまだ、落ちるなよしぶとく耐えろよ【あとがき】 いつになったら涼しくなるのでしょう。「♪ 秋...
ただ、君と仲良くなりたかったただそれだけだった君はきれいで生き生きしてた君と一緒にいると楽しいことしか思い浮かばなかったあの月夜の晩のように湖水に浮かべた小舟に乗って君と二人で、青白い月の光を浴びて夢かうつつかわかんない時間を慈しむように抱きしめることはもう、無理なんだよね何を間違えちゃったんだろうね【あとがき】 月の光って、いいですね。見てると忽ち心を奪われて、あっという間に夢見心地になってしま...
きのうは朝、ご近所さまからまだ土のついた収穫したての大きなさつまいもを4本いただいた妻と二人でカラオケボックスに行ったが満室で入れなかったショッピングセンターへ行き妻の買い物につきあった妻は30分かけて一足の運動靴を選んだ中華レストランで昼食を食べた妻は辛そうなラーメンを汗をかきながら食べ私はチャーハンと小ラーメンと餃子を食べた注文した食後のデザートが、なかなか来なかった帰宅後は疲れて横になってい...
マリーゴールド マリーゴールドのおねえさんわっはっは、わっはっは、ってさっきからずいぶん楽しそうだね笑顔が、まぶしいねハイビスカス大きな鉢から空に向かって伸びているのはハイビスカス雄しべ雌しべをあんなに突き出し花の造りも色合いもひどくド派手に種の保存にかける燃えるような情熱私は一瞥をくれただけでそっけなく鉢の前を通り過ぎる臆病で意気地なしの私は心乱されるのを密かに恐れているのに違いないコスモスコス...
キツネノマゴ 花言葉:「このうえなくあなたは愛らしい」キツネノマゴの、小さな花目を近づけてよく見るとなんとも精緻な彫刻が施されていてびっくりした気を取り直して見直すと髭面の勇ましい武者を表わした京劇のお面のように見えてきたお面をかぶると楽だろなふらつく気持ちも見えなくなって表情を取り繕う、努力だってしなくてすむでも、でも、お面を脱ぐときは裸になるよで、恥ずかしかろな...
お日さまのまぶしい光に向かって夢中になって思いっ切り大きく背伸びをするように朝顔の花が咲いている「いつまでもお互いに好きでいようね」そんな諸行無常の教えに挑戦するような無謀な約束にも心魅かれるあちこちで花々が元気よく咲いている秋の初めの、明るい朝【あとがき】 「秋の初めの明るい朝」と書きましたが、今日のこちらの予想最高気温は、体感温度で33度でした。いいかげん、もうそろそろ秋になってほしいです。<心...
朝顔の花々が、雨に濡れている 雨は静かに降り続いて庭のヤマボウシの木も、プラムの木も みんな雨に濡れている あなたもこの雨を見ているだろうかあなたに寄り添って雨を眺めていたいあなたといっしょに あなたの悲しみに濡れていたい 【あとがき】 この世の中には、それこそいろいろな悲しみがあって、特に悲しみが深ければ深いほど、人に見つからないように、こっそりと自分の心の奥に封じ込めてしまいがちな気がします...
あちらからも、こちらからも耳をつんざくような甲高いミンミンゼミの声がするもう朝なのか?目を開けると光りがいっぱい睡眠時間は7時間を超えた大谷翔平の平均睡眠時間にはまだまだ及ばないけれども私としては不満のない上出来の100点満点だこんなに眠れたのはうれしいことがあったからだろうか?実は昨夜遅く体調を崩していた友人から「快方に向かいつつあり」との一報が届いたのだ友よ、よかったなぁ人のことなのに自分のこ...
緑の葉の上に並んだ朝露は加工した水晶玉のようにまん丸で内側からは盛んに力が湧き球体中に活力はみなぎり朝露たちは、はちきれんばかりにめいっぱい元気だった朝陽に輝く朝露は今にも細い葉っぱの滑り台を歓声を上げて滑り落ちていくような気がしたでも、元気よく滑り落ちていったあとはきっと、たまらなく寂しくなるだろうなそれは、確かに寂しいことだけれども決して不幸でも悲しいことでもないはかないって、こういうことなん...
そうでございます確かに見たのでございます両手でも抱えきれないほどの幸せを見つけたような顔をしてまぶしい朝陽を受けながら清々しく咲いている朝顔の花々をそのさまを目を輝かせながら見ている、あの人をそんな、秋の初めの美しい朝が確かにあったのでございます同じ光の中に立って私も確かに生きていたのでございます【あとがき】 今日(9月5日)は気温が上がりましたが、吹く風はさわやかでした。蝉の鳴く声は相変わらずに...
晴れ間が戻ったなと思ったらまた、大粒の雨が落ちてきた瞬く間に激しい雨音が家を包み込み世間との交流さえ遮断する吹き込む風がないこともないが蒸し暑いことこの上ない不快指数は上限を極め蒸し暑い部屋の中で私は孤立感や疎外感に押しつぶされそうになる受け身でいればジリ貧になる機敏に攻めに転じることが大切だ戦う意志をもつことだ小さなことから始めることだ何事も、意識の持ち方で結果は違ってくるのだ何とか攻撃的な意識...
何もかも全く同じなんて日はないわけだから庭に咲く朝顔の花も日によって違う表情を見せるのは当然だ何もかも全く同じ なんて日はないのだから私の心も日によって大きく揺れ動くのも分かる悪い出来事が次々と起こる呪われたような日もあれば僥倖に恵まれ欣喜雀躍する祝福されたような日だって稀にはあるできれば祝福された日々を送りたいだから、なんとなく「私によいことがいっぱい起こりますように!」そう願っていたがこの願い...
「昨日まで燃えてゐた野が 今日茫然として、曇った空の下につづく。 一雨毎に秋になるのだ、と人は云ふ 秋蝉は、もはやかしこに鳴いてゐる、 草の中の、ひともとの木の中に。」 (中原中也「秋」より)夏と別れるとき...
思い出したように時折吹いてくる気まぐれな南風と上手に戯れながら透きとおるような肌をまぶしい朝陽にさらしてアサガオの花が輝くように咲いていたこの朝の景色を忘れないようにしようこんな朝が確かにあったんだとうつむいた顔を上げるとこんな朝が確かに見えたのだとそして顔を上げればこれからもきっと見ることができるのだと疲れた体に言い聞かせよう混乱して落ち着かない心に静かに教えてやろう生きていればこんな美しい朝に...
キツネノハナガサ雨上がりの朝突如出現した細身の、いかにも華奢で繊細な美しい貴婦人キツネノハナガサだ向こう側が透けて見えそうな紙のように薄い傘をいっぱいに広げてキツネノハナガサは湿っぽい庭の隅の木陰で白く美しく光り輝いている美は儚く、うつろいやすい彼女も数時間後には傘はしぼみみすぼらしい薄茶色の骸(むくろ)のようになって草の上に横たわっていた諸行無常の道理を...
ギョッ⁉としたよねそのつぶらな瞳でどきどきしながらこっちを見てたんだねズームアップしないとわからなかったよ【あとがき】 ズームアップしてみて、初めてカタツムリの視線がわかりました。 人の心の視線がわからないことで、人の心を傷つけてしまったことが、いったいどれくらいあったことか。きっと、「わからなかった」では済まされないこともあったのだろうけれど・・・。<心に残った言葉 61 >「今 見ヨ イツ 見ルモ...
積乱雲猛暑の昼下がり外に出ると青い空にむくむくと純白の積乱雲が姿を現わした静かで、堂々としていて、力に満ち満ちているみるみる大きくなっていくその雄姿を見ていると積乱雲の中で夢や希望が次々と生まれているように思えてくる青い空をバックに光り輝く真夏の積乱雲を写真に撮りたい勢いよく膨らんでいく積乱雲だがいつも、あっという間にその成長は止まり、勢いを失って雲のてっぺ...
台風一過の蒸し暑い朝陽はすでに空高くその強い陽射しの下でみんみん蝉が盛んに鳴いている遅い朝食を済ませた後で自分の使った食器を自分で片付ける思うように動かない体に心も合わせるようにしてたどたどしい足どりながらゆっくりと、焦らず慎重に汚れた皿と空になったご飯茶碗と箸とスプーンを食卓から流し台に運ぶスポンジに洗剤をつけ大きな皿から洗う病気のことは、嘆かない誰も恨んだりしないイライラする気持ちも起こさない...
雨上がりの朝まだ濡れている舗道の上になにやら蠢くもの近づいて見ると小さな子どものカタツムリ先っぽに目がある大触覚を思いっきり伸ばしてもぞもぞと何やら探し物をする気配周囲を見渡すと、なんとあちらにもこちらにも小さな子どものカタツムリこの危険なアスファルトの荒野で己の思いを遂げようと、命輝かせようとがんばって生きてるんだね青空の下アサガオの花が朝日に向かってせいせいと深呼吸をしているような朝オニユリの...
毎晩、寝床に入って、目を閉じて 私が心の中で唱えるおまじないしあわせ ついてる うれしい 楽しい大好き 愛してる ありがとう前向きな意味を持つ七つの言葉を唱えると乱れた呼吸も整っていつの間にか安らかな眠りが訪れる不思議なおまじないちっともしあわせじゃないと思っていてもついてねえな、大嫌いだと思っていても唱える言葉と辻褄を合わせようと脳ががんばってその証拠を必死になって探してくれるあなたとの間で素敵...
言葉が愛をさらに促すのに気づいて恋人たちはお互いの心をときめかす極めつけの表現を紡ぎ出そうと心を砕くそれぞれの思いを託した言葉は恋人の心に響き、魂を揺さぶり言葉は喜びを抑えきれずに宙を舞い絡み合って熱くなり青い炎となって燃え上がる言葉が恋人たちの愛を創造していくのだところが突然、恋人たちは無口になって愛の喜びを語ることも稀になる対話は停滞し文のやりとりも間遠になる蝶が幼虫から蛹になるように心は、次...
今朝は早起き、6時過ぎから妻と二人で、がさ藪と化した実家の庭の、久々の草刈り不思議なことに、いつになく体が動いた1時間手伝い程度の役割はなんとか果たせたかもしれん全身汗だくの体は何度もつまずき今にも倒れるかと思いきやシャワーを浴びて息吹き返す遅い朝食とったあとは冷房の効いた部屋の中テレビをつけるとパリ五輪選手たちの胸のすくよな戦いぶりに勇気をもらいその喜びに感染して私ももう、うれしくなってしまうそ...
雲とともに夜明けの光に染められてどこまでもいっしょに飛んでいきたい青空を背景に地平線から湧き上がってみるみる膨らんでくるあの純白の雲のてっぺんをいっしょに見極めてみたい懐かしくて、温かくて、淋しい・・・心魅かれる夕暮れの景色をいつまでも二人で追いかけて、二人で見ていたいあの大空を愛する人としっかりと手をつないで旅してみたいな【あとがき】 暑い日が続きます。外に出ると、灼熱の陽射しが降り注いでいて、...
眠れない夜に思ったなにかというと「義務」を持ち出して「義務」の名のもとに自らをがんじがらめに縛り上げ自分で自分を苦しめてる自分「何をどうしても 眠れない夜は 何が何でも 眠っちゃいけない夜さ」竹原ピストルの歌が身に沁みる眠れない夜彼の歌が救いとなる眠れない夜「義務」を逆手にとって 自らを解放せよ 【あとがき】 青色の箇所は、竹原ピストルさん作詞・作曲の「ForeverYoung」の一節です。歌詞の一部をご紹介...
昔足繫く通っていた家族経営の蕎麦屋さんに妻と二人、ご無沙汰のご挨拶にとスイカを下げて久しぶりに伺った黒々とした太い手打ち蕎麦その独特の風合いと食感と大盛り野菜のてんぷらに人はいつの間にか魅せられて山里の小さなお店はこだわりのファンでいつでも席はいっぱいだった今日とてお店は繁盛し相変わらずの忙しさ手を休める暇もないてんてこ舞いのやり繰りの中ご主人もおかみさんも娘さんたちも仕事の手を止め私と妻を迎えて...
ツユクサ君が若草の緑の中でひっそりと咲いているそのもの静かなたたずまいに君のその紫色と黄色の鮮やかな彩りの花の姿にすっかり魅了されたものだが君にずかずか近づいて目を凝らして見て初めて分かったよ今まで見えてなかった君の魅力アリたちも夢中になっているそのかわいらしい意表を突く造形の妙尽きせぬこの世の不思議と未知の世界に出逢う喜び出逢いを諦めるのは...
「明るい方へ 明るい方へ。 一つの葉でも 陽の洩るとこへ。」 (金子みすゞ「明るい方へ」)花の奥はほの明るくて優しさに満ちているようだった吸い寄せられるような美しさ私はそれ...
物干し竿に吊り下げられたラベンダーの花束から惜しげもなく降り注がれる瑞々しい紫色の芳香が魂の底の底に眠っている遠い記憶を覚醒させる私の脳裏に鮮やかな彩りを蘇らせ私の胸をときめかせるラベンダーのドライフラワーのように華々しくはなれないが老いても、枯れても、やつれていてもどこかの、誰かに、ささやかな何か好ましきものを届ける人になりたいな【あとがき】 ドライフラワーのラベンダーって、あんなに香るものだと...
進むゆっくりとしか進めないけれど諦めずに進む一気には進めないから休みながら進む自分の荷物を仕分けして大切なものだけを背負って進むそうはいってもなかなかむずかしいなぁすぐに挫けるし気持ちは焦るし淋しくて・・・カタツムリはえらいんだなぁ【あとがき】 我が家のトイレにも、予備のトイレットペーパーが置いてあります。予備のトイレットペーパーは二つです。「予備は一つでいいんじゃない?」と家人は言いますが、私は...
そこにあるのは静謐と沈黙とぬくもりと心を癒しへと導く穏やかで明るい光かすかに聞こえる妙なる調べまだまどろみの中にある命の鼓動ここで命をつなぐ営みが執り行われ希望が芽生え夢が育まれるのだマクロレンズでのぞき見たアサガオの花の中では思いも寄らない愛に満たされた美しい世界が私を待っていたそしてこの癒しをもたらす世界のようにあなたは微笑みその心に愛を満たし熱い情熱を秘めて私を待っていてくれる【あとがき】 ...
そんなに背が高くなってもそんなにきれいに咲いていてもまだまだ上へ伸びようとするのですか?風に吹かれて揺れているあなたのことが心配です君はこの炎天下の中一体何をしようとしているのかやっぱり、さっぱりわからないなあカエル「どうやってこのスマホを持った男から逃げ出すか 今から必死になって、かんガエル!」君は、待ってるんだよねよくわかるよ幸運を祈る何してるの?さっきからずっとそこにとまってるけどそんなに細...
カシスシャーベットといちごシャーベットの 手作りアイス一段と蒸し暑い夏の昼下がりいつものように一人で私は近くの道の駅へ「手作りアイス」を食べに行ったいつもの店員さんがいつものように一人で店番をしていた「ダブルとコーンで・・・」と私が言い終わらないうちにいつもの店員さんはアイスを掬う大きなスプーンを片手にもう片方の手にはコーンを持...
君と僕とで約束しよう いつでも、お互い、好きでいようでも、ときどきは嫌いになって、すねてもいいよね 君は健康で、長生きすること 僕も、できるだけ長生きすること 君はあすもあさってもこれからもずっと 綺麗でいること 僕は、猫背をなくそうと努力することでも、ときどきは お互いだらしなくしていいこと 疲れたときは 疲れた顔をしててもいいこと 僕は、がんばって仕事をすること君も、がんばって仕事をし...
ラベンダーの花の蜜と花粉を集めるマルハナバチこのところ日課となった朝の庭の散策昨夜の通り雨で庭全体がしっとりとしている中生え放題の草々の間を露に濡れないように長靴を履いてぶらぶら歩く庭の片隅の一叢(ひとむら)のラベンダーに一匹のマルハナバチがとりつき花の蜜と花粉を集めているとにかく、せわしいこと、この上ない羽音も高く、忙し気にラベンダーの花にむりやり顔を突っ込み蜜と花粉を強奪す...
遠くの空の上から月がその慎み深い光を送ってくるのでベランダの手すりが雨でぬれたように光っている青白い、透きとおった月の光の中で誰かと一緒にお話をしたいな きっと快活なあの娘(こ)もしんみりとしてしまって にじみでてくる彼女の大人の雰囲気に 私はきっと驚くに違いない 無口なあの娘は口をつぐんだままで 口数はさらに少なくなって ますます賢く見えるだろうなそんな妄想をしているうちに私はいつしか夢の世界を...
東の空が白む夜明け近く2階の寝室から居間に降りまだ薄暗い部屋の電灯もつけずに仏壇の蝋燭を燭台ごとテーブルに移して火をともしたゆらめく炎の温もりを感じる光が私を優しく包み影はくっきりと刻まれ周囲の闇は濃くなった愛は金銭の貸し借りではないから収支決算を考えるのはナンセンスだがそれにしてもあなたと私の愛の収支はひどくバランスを欠いているあなたの愛は潤沢で私の愛は枯渇しそうだ時折ゆらめきながら 蝋燭の炎は...
ねえねえ、そこのカタツムリの赤ちゃん。びっくりだねぇ。メダカの水槽の、水に浮かぶ浮草の上に、いったいどうやって行ったんだい?ほらほら、気ぃつけなよ!葉っぱが傾いて、落っこちそうになってるよ。そんな危ないところで、いったい何してるの?おやおや、今度は、庭の、芝生の上ですか。細い草の上に登って、いったい何してるの?お日様が顔を出してきたよ。早く日陰に行かないと、さあ、たいへん、干からびちゃうよ!よくわ...
寝苦しさで、目が覚める。 夜明け前の薄明の光が、 寝室の窓を覆うレースのカーテンを、 白く浮き上がらせている。 窓を開けると、涼風とともに、「カナ、カナ、カナ・・・」という、山々に高く響くヒグラシの鳴き声が 部屋の中に飛び込んできた。 随分前のことだが、必要があって実家の書類を整理していて、詩の下書きらしき、走り書きのメモを見つけたことがある。付き合い始めて間もない女性を恋い慕う男性の想いが綴ら...
センニチコウコンビニで炭酸飲料とそばを買ったレジで支払いをするとき鶏の唐揚げも食べたくなったレジの隣の保温器の中の商品を指さして「『ななキチ』も一つください」と言ったら若い女店員さんが一瞬動きを止めて、それから表情を全く変えずに、こう言った「『ななチキ』、お一つでよろしいですか?」「はい」と私は答えて現金で支払いを済ませ店を出たなんだかモヤモヤし...