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今こそ読みたい、脳科学者・中野信子さんの著書「シャーデンフロイデ」(幻冬舎新書)。 副題は「他人を引きずり下ろす快感」。なかなか刺激的な、そして人間ならば誰しも心当たりがあるだろうタイトルです。 2018年の初版発行時にも読んだ記憶があり、昨今のメディアをめぐる諸々の騒動を目の当たりにして無性に読み返したくなって本棚を探したものの見当たらず(おそらくブックオフへ持って行った)、ジュンク堂で買い直してきました▽ タイトルの「シャーデンフロイデ」とは、 誰かが失敗した時に、思わず沸き起こってしまう喜びの感情のこと (「シャーデンフロイデ」15頁より引用) 興味深いのは、この「誰かの失敗を喜ぶ」とい…
「とわの庭」の感想・レビューをお伝えします。著者は小川糸さんで、文庫本があります。小川糸さんの作品は、他にも「食堂かたつむり」「ライオンのおやつ」「小鳥とリムジン」「ツバキ文具店」など、映画化された作品もあります。母親と2人きりだった生活から自立し、自宅で一人暮らしを始めます。庭ととわの心が一心同体の小説です。
2024年の読書数 結局何冊読めたのか?印象深かった本と2025年の読書目標
2024年の読書冊数は50冊でした。本当はもっともっと読みたかった、全然読みたりないです。他のことに時間を要したので仕方がないのですが、本は読んでも読んでも満足することはないですね。2024年の読書を振り返り、特に印象に残った3冊を挙げてみたいと思います。
1、作品の概要 『三四郎』は夏目漱石の長編小説。 1909年に刊行された。 朝日新聞で1908年9月1日~12月29日に連載された。 『それから』『門』に続く、初期三部作の第1作。 文庫本で337ページ。 郷里の九州から東京帝国大学に入学するために上京した三四郎の青春と懊悩を描いた。 2、あらすじ 熊本の高校に通っていた23歳の三四郎は、東京帝国大学に入学が決まり、単身上京することになった。 理科大学の教師をしている同郷の野々宮を頼り、挨拶をした帰りに大学構内で里見美禰子の姿を見かけ、以後彼女の存在が気にかかるようになる。 都会のせわしなさに戸惑う三四郎だったが、大学で与次郎と友人になり、高校…
町田そのこ「コンビニ兄弟」最新刊4巻(新潮文庫)感想・レビュー
町田そのこさん著書の「コンビニ兄弟」の感想・レビューをお伝えします。面白いだけでなく、ほっこりする小説です。架空のコンビニ「テンダネス門司港こがね村店」が舞台です。テンダネスとは九州地区限定の架空のコンビニ。プロローグから始まる店長のエピソードに注目です。実写ドラマ化や映画化しても面白いではないでしょうか。
津村記久子さん著書の「とにかくうちに帰ります」を読みました。この本の感想・レビューをお伝えします。津村記久子さんは、小説だけでなく朝日新聞にエッセイを書いています。エッセイ要素がたっぷりの小説で、リアルな人物描写あふれる物語です。ドラマにしたら、とてもおもしろいのではないでしょうか。津村さんのセンスあふれる1冊です。
「最高のアフタヌーンティーの作り方」「最高のウェディングケーキの作り方」感想・レビュー
「最高のアフタヌーンティーの作り方」と「最高のウェディングケーキの作り方」は、古内一絵さん著書の小説です。 こ
青山美智子さん著書の「木曜日にはココアを」と続編「月曜日の抹茶カフェ」の感想・レビューをお伝えします。この2冊はシリーズです。両方読むのがおすすめ。さらに「いつもの木曜日」も読むと、さらに楽しめます。宝島社より文庫本が発売されています。おすすめポイントは読みやすい・ショートストーリー・優しい小説です。
『面白すぎて誰かに話したくなる 蔦屋重三郎』は、彼の生涯や写楽のプロデュース、当時の政治や経済を踏まえて時代の寵児・蔦屋重三郎を語る一冊。大河ドラマ『べらぼう』の副読本としてもおすすめです。蔦屋重三郎の生涯蔦屋重三郎(蔦重)は、吉原育ち。吉...
浮世絵ファッションを現代のイラストで再現『お江戸ファッション図鑑』
『お江戸ファッション図鑑』は、町娘から花魁、庶民から大名まで。浮世絵に描かれた幅広い身分のファッション、髪型を紹介したイラスト本。イラストも美麗だし、年代別に髪型やファッションを紹介しています。これがめちゃくちゃわかりやすい!この本を読んで...
1、作品の概要 『深い河』は遠藤周作の長編小説。 1993年に講談社より刊行された。 書き下ろし。 文庫版で352ページ。 1994年に毎日芸術賞を受賞した。 1995年に秋吉久美子主演で映画化された。 宿業を背負った5人の日本人がガンジス河のほとりで人生の意味を見つめ直す。 2、あらすじ 日本からインド行きのツアーで出会った4人の男女。 磯辺は亡くなった妻が「どこかで生まれ変わるから探して」という言葉に導かれ、美津子は大学生の頃に弄んで捨てたキリスト教信者の大津を探すため、沼田はかつて自らの命を救ってくれた九官鳥に恩を返すため、木口は戦友たちの死を悼むため、それぞれの理由でヴァーラーナスィの…
公共放送がすき。昨今のレトロブームに乗り遅れまいと、オールドメディアからせっせと情報を摂取している日々です。 さて、2024年の大みそかに放送された第75回NHK紅白歌合戦。わたしも義父母の家でこたつに足を突っ込みながらリアルタイムで観ていましたが、関東地区の平均世帯視聴率が32.7%と、過去最低を更新した前年(2023年)に次いで過去2番目の低さだったそう。さらに、今月5日に始まったNHK大河ドラマ「ぺらぼう 蔦重栄華乃夢噺」の初回平均世帯視聴率。こちらも関東地区では昨年の「光る君へ」の初回12.7%を下回って過去最低だったとのこと(いずれもビデオリサーチ調べ) 視聴率が過去最低、だから何。…
読書のハードルが高いと感じる人、けっこういらっしゃると思いますが、 実は全然高くない…というかハードルありません ✌️(´・∀・`)☀️ 自分が好きな歌手、芸能人、スポーツ選手の書いたエッセイとか、あと
読書をするということは、人によっては敷居が高いと感じる人もいるかもしれません。 僕は小説やエッセイや伝記物の類が好きで、そういうものをよく読みます。 実用書や自己啓発の本は苦手です さて、読書
古内一絵「マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ」他シリーズ感想・レビュー
古内一絵さん著書の「マカン・マラン23時の夜食カフェ」「女王さまの夜食カフェ マカン・マランふたたび」「きまぐれな夜食カフェ マカン・マランみたび」「さよならの夜食カフェ マカン・マランおしまい」感想・レビューをお伝えします。マカン・マランの意味はインドネシア語で「夜食」です。ぜひドラマ化してほしい小説です。
酒井順子「ガラスの50代」(五十代)(文庫本)感想・レビュー
エッセイスト酒井順子さんの「ガラスの50代」の感想・レビューをお伝えします。代表作「負け犬の遠吠え」から20年を過ぎ、50代後半を迎えた作者のエッセイです。50代は、すぐ忘れる、すぐ疲れる、ウォーキングで痩せないなどと変化が出てくる世代。酒井順子さんのエッセイを読んで、これからの人生を考えるきっかけにしませんか。
【好きを「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない】の感想・レビューをお伝えします。作者は三宅香帆さん。書評家でもあり、「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の作者でもあります。推しの魅力を言語化する方法、無意識を意識して言語化する方法が書かれています。
町田そのこさん著書の「星を掬う」の感想・レビューをお伝えします。「星を掬う」の読み方は「ほしをすくう」です。中公文庫で販売されています。主人公の千鶴はつらい現実を背負っていますが、結末は希望が見えてきます。文中名言が散りばめられており、心に響く1冊です。作者は「家族はやり直せる」と伝えたいのはないかと感じました。
無知の知、あるいは汚部屋の知。筒井康隆「澱の呪縛」は最強のお片付けブースターだと思う話。
「自分の部屋は散らかっている」という自覚こそがお片付け成功の鍵になるのではないでしょうか。 昨日(1月3日)夜に放送された、NHKの人気教養番組「100分de名著」の新春スペシャルで筒井康隆が取り上げられていました。 www.nhk.jp 番組自体は未視聴(あとでアーカイブを見ます)なのですが、Xのトレンドに入るなど放送直後から大きな話題でした。 筒井康隆作品のマイベストといえば、目の前の人の心をすべて読み取ってしまうテレパシー能力を持つ美少女を主人公にした「七瀬シリーズ」の第一弾、「家族百景」(新潮文庫)に収録の短編「澱(おり)の呪縛」です。 「家族百景」では、七瀬はテレパシー能力を持つお手…
『写楽 閉じた国の幻』は、写楽の正体に迫ったミステリ小説です。果たしてこれはミステリなのか、それとも学術的な研究なのか。途中でわからなくなってきます。それくらい設定がリアル。もしかしたら、こんな「写楽」の可能性もあるのじゃないか…と。『写楽...
『東京 わざわざ行きたい 街の本屋さん』は、本好きにとっては旅行案内であり、宝探しの地図のような本。本好きのみなさん、ぜひこの本を片手に本屋目的で旅や散策を楽しんでみてください。西荻窪から始まる何がすごいってこの本、最初の街が西荻窪なんです...
M-1、漫才の解説書『答え合わせ』石田明(NON STYLE)
『答え合わせ』は、漫才師・NON STYLE石田明さんによるM-1、漫才の解説書。これを見ればM-1がより面白くなると思います。石田さんは一部で「教授」と呼ばれるほどM-1、漫才の解説に定評のある方。実は私、今でも一番好きな芸人はNON S...
☆2024年に読んだ本ベスト10冊の大発表!!☆ さてさて、毎年発表している読んだ本ベスト10冊発表のお時間が参りました。 いやー、1年早いっすねぇ~。 光陰アローの如しです。 気が付けば初老。 時の流れは早いものですね。 ちなみに去年のベスト10冊がこちらです。 去年は、村上春樹、川上未映子、中村文則ら推し作家の長編の新刊の刊行があり、祭り状態でした。 hiro0706chang.hatenablog.com さて早速今年の10冊の発表をいたします!! 〇ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』 やっぱり今年は、文庫化が話題になったこの1冊でしょう。 奇妙な一族の栄枯盛衰の100年の物語…
新年あけましておめでとうございます 突然のウルトラソウルの余韻が冷めやらぬまま就寝、からのうっすら微妙な初夢をみての起床、からのお雑煮&きな粉もち粒あんトッピングを食べて満腹、からの新年お昼寝タイムを過ごしています。今年も怠惰に頑張ります。 さて大晦日はテレビジョンから流れてくる音を聞きながら、桐野夏生さんの「奴隷小説」(文春文庫)を読み進めていました。「何かに囚われた状況」を軸に、作者の想像力が炸裂する異色の短編集です。 無駄にお正月感を醸すべく、義実家の庭先にあった南天の木の前で撮影してみました。 各短編の初出は、2000年代後半から2010年代前半に発行された文芸誌。2015年に単行本化…
青山美智子さん著書の「赤と青とエスキース」の感想・レビューをお伝えします。主な登人物の約30年を描いた小説です。30年と長期間であるのにもかかわらず、悪人が1人も登場せずに安心して読める1冊です。伏線があり、結末で1つの物語となります。考察しながら読むのもおすすめです。数々の名言もあり、共感する箇所がたくさんあります。
1、作品の概要 『愛の渇き』は三島由紀夫4作目の長編小説。 1950年に新潮社より刊行された。 書き下ろし。 文庫版で231ページ。 1967年に浅丘ルリ子主演で映画化された。 叔母から聞いた婚家の農園の話を下敷きに書かれた。 夫をなくした悦子が、舅に身を任せながらも、若い園丁の三郎に激しく恋焦がれていく。 2、あらすじ 愛人を作りほとんど家に寄り付かなかった夫・良輔に苦しめられていた悦子。 彼が病気で亡くなった後、舅の弥吉の農園兼別荘に身を寄せることになり、身体を許すことになる。 屋敷には長男・謙輔夫婦、三男・祐輔の妻・浅子と2人の子供、園丁の三郎、女中の美代が住んでいた。 奇妙な関係性の中…
【Amazon本読み放題3ヶ月99円】年末年始はKindle Unlimitedで読書ざんまい
「ご趣味は?」と聞かれた「読書です」と言ってもいいかもしれないくらい本ばかり読んでる私にとってこの時代に生きてよかったサービスが、アマゾンの電子書籍読み放題サブスクKindle Unlimitedだ。 500万冊以上が月額980円で、月に1
映画を愛する人々に起きた、キネマの神様からの奇跡『キネマの神様』。 『キネマの神様』あらすじ 円山歩は、都市開発会社でシネコン開発担当者だった。しかし社内のトラブルに巻き込まれプロジェクト半ばで退社に追い込まれる。 同じ頃、父親ゴウが心臓発
森薫さんの中央アジア漫画『乙嫁語り7』では、女性同士の結婚制度「姉妹婚」が紹介されていました。19世紀には廃れてしまった風習らしいのですが、その元ネタとなるのがこの『ペルシア民俗誌』という本です。中東の姉妹婚・ハーハル・ハーンデ『ペルシア民...
国分寺にある胡桃堂喫茶店。「本屋さんがカフェを始める」ではなく、「カフェが本屋(と出版)を始める」という独特なスタイル。美味しい料理とスイーツ、そしてコーヒーと共に本が楽しめる安らぎの空間です。胡桃堂喫茶店胡桃堂喫茶店は黒い外観の二階建ての...
神楽坂にあるブックカフェ、かもめブックス。かもめブックスは、校正会社・鴎来堂さんの経営するブックカフェ。そのためほかのブックカフェとはまた一味ちがったセレクトの本が楽しめます。かもめブックスちなみに、買った本はこちら「本を読む人のための書体...
【本の感想】『ウバステ』真梨幸子|頼りになるのは、やっぱりお金です
年150冊以上の本を読むサラリーマン読書家“ケイチャン”の読書ブログ。真梨幸子『ウバステ』の感想・レビューです。【本の感想】頼りになるのは、やっぱりお金です
「臨床の砦」「命の砦」(レッドゾーン)夏川草介 感想・レビュー
夏川草介さん著書の「臨床の砦」「命の砦」の感想・レビューをお伝えします。夏川草介さんは、現役の医者でもり、小説家でもあります。コロナ禍の長野県の病院を描いた、この2冊は未知の病に立ち向かう医師・看護婦たち、パンデミックになりつつある病院の様子が描かれています。
1、作品の概要 『あちらにいる鬼』は、井上荒野の長編小説。 2019年2月7日に朝日出版より単行本が刊行され、2021年11月5日に文庫が刊行された。 小説『トリッパー』2016年冬号~2018年秋号にて連載された。 文庫本で341ページ。 文庫版の解説は川上弘美。 装幀の絵は、芥陽子。 小説家・白木篤郎と長内みはるの長きに渡る道ならぬ恋を、みはると、白木の妻・笙子の視点から描いた。 長内みはるのモデルは瀬戸内寂聴で実際に合った出来事を白木のモデルである井上光晴の娘・井上荒野が小説として描いた。 2022年11月11日に映画化された。 寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子が出演している。 2、あらす…
多機能ブックカバーマトッテMT-01使用感レビュー!ほぼ日手帳文庫サイズのカバーの代用にも
私は本の持ち運び難民(本の折れ曲がりや汚れを気にするタイプ)で、以前、紀伊國屋書店創業100周年ブックポーチを購入したのですが、これでもまだ足りない…!と思い、さらにブックカバーを購入しました。 多機能ダイアリー&ブックカバーを購入し、なか
青山美智子さん著書の「人魚が逃げた」の感想・レビューをお伝えします。青山美智子さんは、本屋大賞の常連でもあり、読書好きにファンが非常に多い作家です。文庫本もたくさん販売されており、「赤と青とエスキース」「木曜日にはココアを」「リカバリー・カバヒコ」「月の立つ林で」などの作品があります。表紙デザインは、田中達也さんです。
「この世にたやすい仕事はない」津村記久子(新潮文庫)感想・レビュー
津村記久子さん著書の「この世にたやすい仕事はない」を読みました。 この本の感想・レビューをお伝えします。 NH
「52ヘルツのクジラたち」(原作本・本屋大賞)感想・レビュー
町田そのこさん著書「52ヘルツのクジラたち」(原作本)の感想・レビューをお伝えします。2021年に本屋大賞受賞、2024年に杉咲花さん主演で映画化されました。文中に印象に残った言葉があります。「気持ち悪い」「嫌い」「辛い」「怖い」などと言われますが、著者が何を伝えたいのかをはっきりと理解できる作品です。
『眠る盃』は、向田邦子さんが各種雑誌に寄稿されたエッセイ集ですが、すごいんですよこれが。 まず掲載雑誌が多種多様。名エッセイ『父の詫び状』を発表した『銀座百点』。文学雑誌から『anan」、『ジュノン』などの若い女性向けの雑誌、『マダム』から
お酒がテーマのアンソロジー『ほろよい読書』織守きょうや, 坂井希久子, 額賀澪, 原田ひ香, 柚木麻子
『ほろよい読書』では、日本酒や果実酒、お酒の入ったお菓子まで。さまざまなお酒のスタイルが飲む人の人生を彩ります。 お酒を片手に、読みたくなる本です。 『ショコラと秘密は彼女に香る』織守きょうや 仲里ひなきは伯母に内緒で彼女の想い人の家を尋ね
ブックサンタは、本好きな方におすすめのチャリティーです。NPO法人「ブックサンタ」が毎年クリスマスに行うチャリティーで、その活動は日本全国に広がっています。 本を子どもたちに本を贈るサンタになれるなんて、ステキな体験だと思います。 ブックサ
【本】三島由紀夫『金閣寺』~幼少期から繰り返された美との断絶、そして滅びによる同化~
1、作品の概要 『金閣寺』は三島由紀夫の長編小説。 1956年に刊行された。 三島由紀夫の代表作で、世界的にも評価が高い作品。 新潮1956年1月~10月号に連載された。 文庫本で257ページ。 第8回読売文学賞を受賞。 2020年時点で361万部を記録している。 1950年に実際にあった「金閣寺放火事件」をモデルに描かれた作品。 2、あらすじ 京都の北の地、僧侶の息子として生まれた「私」は、父親から繰り返し金閣寺の美しさを聞かされて育った。 身体も弱く、生まれつき吃音があった「私」は極度の引っ込み思案の持ち主として成長し、ほのかに想いを寄せていた有為子にも相手にされなかった。 病弱だった父の…
辻村深月さんの「傲慢と善良」を読みました。 数ページ読んでアレって思いました、なんか読んだことあるかも、ドラマかなんかになったのかな??と思いながら読みましたが、途中で気がつきました。やっぱり読んだことある。 2021年から読書記録をつけて
『ファザーファッカー』少女の生き抜く力に圧倒される自伝的小説
第110回直木賞候補作品です。 私にとって初の内田春菊作品。 内田春菊さんの顔も名前も知っていたけれど...今まで読む機会がありませんでした。 しかし内田春菊さんが昨年5月の『ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も』に出演しているのを見て、春菊さんになんだか興味が湧き、作品を読んでみようと思いました。 www.nhk.jp ファザーファッカー 感想 「私は、よく娼婦の顔をしているといわれる」というインパクトがある書き出しから始まる、内田春菊氏の自伝的小説。 ご本人がインタビューで「ほぼ実話」と答えている。(登場人物の名前は変えている。) 元々、機能不全家族だったように感じたが....養父と暮…
ガリレオシリーズ『透明な螺旋』。湯川先生の出生の秘密が明かされます。 以前、「ガリレオ」のドラマで湯川先生が両親のことを語るシーンがありました。そういえば、湯川先生の両親てどんな人なんだろう…? 『透明な螺旋』あらすじ 昭和40年代、若い女