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20231113 ドイツの気になるデータ5選(ECB金融政策、購買力平価など)
①投資家の景況感(ZEWとSentix)~中東戦争勃発にもかかわらず「そろそろ底打ちしてくれるかも」という、そこはかとない期待のこもった動き。 https://www.sentix.de/ https://www.zew.de/ ②ECB金融政策軌道(1mEURIBORフォワード金利)~利上げは打ち止めで、来年前半(FEDよりは早め)に利下げが始まり、2025年末に向けて累計1%強利下げする、という市場織り込み。 https://www.chathamfinancial.com/technology/european-forward-curves ③OECD購買力平価~現在の市場実勢よりは、か…
https://www.ecb.europa.eu/press/pr/date/2023/html/ecb.pr231110~1509d7cb6b.en.html ●ムーディーズ、S&P、フィッチといった、米3大格付会社に対抗する欧州格付会社として2002年にベルリンに設立されていた「Scope Ratings」の格付けが、この度ようやくECBに採用されることになりました(但し証券化商品:ABSは除く)。 ●ECBが金融政策オペレーションの際に金融機関から受け入れる担保の適格性やヘアカット(担保価値掛け目)幅などを決める際に使われます。 ●現時点でのソブリンレーティングは 最上級のAAA(見通…
20231109 ドイツの気になるデータ5選(潜在成長率、路上生活者数、インフル流行など)
①潜在成長率~労働投入(橙)低下が大きすぎて、まもなく0.4%程度に低下。 既にゼロ近傍の日本に大分近づいてきた格好。 ②住居がない人の数~60.7万人(うちドイツ人19.6万人、外国人41.1万人)。路上生活者は推計5万人。それ以外の56万人は、親族、友人、公的シェルターなどに住んでいる。 https://www.bagw.de/fileadmin/bagw/media/Doc/PRM/PRM_PM_BAG_W_Pressemappe_Hochrechnung_Zahl_der_wohnungslosen_Menschen.pdf ③インフルエンザ+コロナ流行度合い~今年の人口10万人当たり…
https://www.sachverstaendigenrat-wirtschaft.de/fileadmin/dateiablage/gutachten/jg202324/JG202324_Gesamtausgabe.pdf 先ほどドイツ5賢人会(経済諮問委員会)から年次経済予測が発表されました。現時点で最も権威ある(予算や計画などの拠り所とするのに最適)報告書ですので、そのエッセンスをまとめておきます。 ●今年の実質GDPは▲0.4%(と市場コンセンサス並み)で着地見込み。来年は個人消費が回復に向かうものの+0.7%どまり(ユーロ圏は+0.6%/+1.1%)。 ●他のEURO圏主要国と比…
20231106 ドイツの気になるデータ5選(住宅受注キャンセル増、天然ガス備蓄100%など)
①ifo住宅業者アンケート~回答企業の48.7%が受注不足、22.2%が受注のキャンセルを報告(受注額の2割がキャンセルされているわけではない点には注意)。 https://www.ifo.de/en/facts/2023-11-06/order-cancellations-german-residential-construction-reach-new-high ②製造業受注(9月)~海外分(青)堅調/国内分(黒)不調⇒全体(赤)としては前月比+0.2%と市場予想(▲1%)比やや強め。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen…
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/11/PD23_425_51.html ●先ほどドイツ連邦統計局(Destatis)から、9月のドイツ貿易統計の発表があり、 輸出(上図青線)1,265億ユーロ 前月比▲2.4% 前年同月比▲7.5% 輸入(赤線)1,100億ユーロ 前月比 ▲1.7% 前年同月比 ▲16.6% 貿易黒字(黒棒)+165億ユーロ となっていました。 ●エネルギーや労働コスト上昇に伴う国際競争力低下+世界経済低迷⇒輸出不振 ドイツ国内景気低迷⇒輸入不振 という不吉な組み合わせで、ドイツ経済の不調を象…
11/2/2023利上げ終了24時間予想レンジドル円 149.80-150.80ユーロドル 1.0600-1.0700米10年債 4.60-4.80NYダウ 33000-33500 ポジション ドル円フラット 152売りユーロドルロング 1.1200売りケーブルロング 1.3200売りオージーロング 0.7000売り米債ETFロング 長期保有先週のRBA、BOC、ECBに続き今週もFRB、BOEが相次ぎ政策金利据置き、1年半ほど続いた各国中銀の積極的な利上げサ...
①日本人ブンデスリーガ(1・2部)一覧~観戦のお供に。 https://www.bundesliga.com/de/bundesliga/spieler https://www.bundesliga.com/de/2bundesliga/spieler ②就業者数(9月まで)~季調後前月比で概ねプラス継続中。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/11/PD23_424_132.html ③ガソリン(赤:スーパー、青:ディーゼル)小売価格~落ち着いています。 https://www.dashboard-deutsch…
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_423_45212.html 先ほど9月ドイツ小売売上高が発表になり、実質、名目とも大きめのマイナスとなっていました(実質前月比▲0.8%、名目前月比▲0.7%、上図は実績水準)。 インフレ減速で名目と実質の差が小さくなっていることは朗報ですが、2カ月連続で市場予想を大きく下回る数量(実質)低下が続いており、基調はまだかなり弱いと言えます。 https://tradingeconomics.com/germany/retail-sales ①インフレ低下と②強めの…
①週次経済活動指数(WAI)~GDP前期比+0.3%ペースとまあまあ好調です。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex 実質GDPは仮にQ4ゼロ成長でも通年▲0.1%で着地できそうな走りとなっています。 ②インフレ(HICP)~10月はベーシス効果もあって前月比▲0.2%/前年同月比+3.0%と下振れましたが、恐らくここがボトムで今後しばらく反転上昇しそうな点には注意が必要です。 https://www.destatis.de/DE/Presse…
20231030 ドイツ3QGDP 前期比▲0.1%+過去分0.2%上方修正 とやや強め
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_420_811.html 「今年先進国唯一のマイナス成長」「今年日本のGDPを抜く」など、最近何かと話題のドイツ経済ですが、先ほど発表された第3四半期(7-9月期)実質GDPは、 ①前期比▲0.1%と市場予想(▲0.3%程度)比強め ②Q1、Q2とも0.1%ずつ上方修正 と、恐れていたほど弱い内容ではありませんでした。 速報なので中身については全くわからないのですが、統計局は「個人消費が弱い一方で設備投資が強かった」とコメントしています。 内外主要機関の今年の実質…
https://www.zeit.de/wirtschaft/energiemonitor-deutschland-gaspreis-spritpreis-energieversorgung ドイツにおける各種エネルギーの小売価格を日次ベースでモニタリングするには、上のZEIT紙特設サイトが最も便利なのですが、今朝ドイツ連邦統計局(DESTATIS)から公式統計データが発表されたのでそのエッセンスをお届けします。 www.destatis.de 【結論】家庭用エネルギー価格は最近落ち着いてはいるものの、2023年9月時点で2020年平均を+55.7%も上回っている(下図赤線)。 その内訳は、電…
10/26/2023米GDP拡大24時間予想レンジドル円 149.80-150.80ユーロドル 1.0500-1.0600米10年債 4.80-5.00NYダウ 32500-33000 ポジション ドル円フラット 145買いユーロドルロング 1.1200売りケーブルロング 1.3200売りオージーロング 0.7000売りポンド円フラット 180買い米債ETFロング 長期保有ドル円150.20超えのストップ狩りで150.78まで上昇、財務省「為替、緊張感を持...
10/25/2023住宅ローン金利上昇24時間予想レンジドル円 149.40-150.40ユーロドル 1.0540-1.0640米10年債 4.80-5.00NYダウ 32700-33200 ポジション ドル円フラット 145買いユーロドルロング 1.1200売りケーブルロング 1.3200売りオージーロング 0.7000売りポンド円フラット 180買い米債ETFロング 長期保有米モーゲージ金利、代表的な30年固定住宅ローン金利が8%目前まで上...
先ほど10月ifo景況指数が発表され、上図(+下図赤線)の通り、予想をやや上回る改善を見せていました。原油価格が大して上がっていないこともあり、中東情勢の悪影響は少なくとも今のところ限定的なようです。 https://www.ifo.de/fakten/2023-10-25/ifo-geschaeftsklimaindex-gestiegen-oktober-2023 水準はまだまだ低いとはいえ、現況(黒)、期待(青)ともそろって上向きで、ようやく底を打ったかなという感じにはなっています。 業種別で見ると、上記のそこはかとない底打ち感はサービス業(右上)での改善に支えられていることが判ります。…
https://www.bundesbank.de/de/publikationen/berichte/monatsberichte/monatsbericht-oktober-2023-912962 今月(2023年10月)のドイツ連銀(BUBA)月報のエッセンスは以下の通りです。 2023年第3四半期の実質GDPは前期比で若干マイナスとなる可能性が高い(筆者注:先月とほぼ同じ表現/評価、公式統計は10/30発表)。今月)Das reale Bruttoinlandsprodukt (BIP) dürfte im dritten Quartal 2023 etwas geschrumpft …
10/23/202310年債5%、今週の相場見通し 週間予想レンジドル円 148.00-151.00ユーロドル 1.0450-1.0700 米10年債 4.75-5.15NYダウ 31800-33800 ポジションドル円フラット 145買いユーロドルロング 1.1200売りケーブルロング 1.3200売りオージーロング 0.7000売りポンド円フラット 180買い米債ETFロング 長期保有米10年債利回りが2007年以来16年振りに5%台乗せ。先日のパウエ...
①7大都市のオフィス利用面積(2023年1~9月)~在宅勤務普及で前年比▲36.3%。 ②製造業受注残~やや減少も、月商の7.1か月分とまだまだ高水準維持。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_413_421.html ③住宅着工許可件数~8月18千件と下げ止まる気配なし。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_412_3111.html ④市場コンセンサス(ZEW集計)~今年のドイツマイナス成長は不可避。…
www.ifo.de 本日ifo研より「(ドイツ)住宅市場の現状について」(上リンク)というレポートが出ていますので、そのエッセンスをグラフ中心にピックアップしておきます。 ●ifo担当者クラウス・ウォールラーベ氏:「金利上昇と建設費増加により、多くのプロジェクトがもはや経済的に実行不可能になっている。」 ●今後金利がどのように推移するかに住宅市場の命運がかかっている(下図はECB政策金利と住宅ローン金利)。 ●建設コスト~物件費・人件費とも上昇しており、下げられない。 ●住宅着工許可件数~月20千件ペースに急減。 ●新規受注(2015年を100とするインデックス)~下げ止まらない。 ●住宅供…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Artikel/Wirtschaft/Projektionen-der-Bundesregierung/projektionen-der-bundesregierung-herbst-2023.html 上表のようなヘッドラインは先週既にリークされていましたが、本日ドイツ政府公式のドイツ経済予測が経済省から発表されましたので、そのポイントをご紹介します。 ●ヘッドライン 2023年 2024年 2025年 実質GDP ▲0.4% +1.3% +1.5% ~先進国唯一の今年マイナス着地 名目GDP +6.5% +4.4% +3.5…
20231011 ドイツのHICP、12月の大幅反動増に注意
https://tradingeconomics.com/germany/harmonised-inflation-rate-mom ●ドイツのインフレ状況をフォローする上では、コロナで歪んでいるドイツ国内基準のCPIではなく、ECBが見ているEU統一ベースのHICPの前月比(上図)を見るのが最も重要です。 dateno.hatenablog.com ●9月の前月比+0.2%(冒頭図)と前年同月比+4.3%への低下(下図)は、まだまだ水準が高すぎるとは言え、低下モメンタムを維持しているという意味ではなかなかの朗報です。 ●但し、昨年冬は政府のエネルギー補助金(電気とガスの価格上限設定)などでイ…
10/2/2023神無月、今週の相場見通し 週間予想レンジドル円 148.00-151.00ユーロドル 1.0450-1.0750 米10年債 4.40-4.80NYダウ 32500-34500 ポジションドル円フラット 145買いユーロドルロング 1.1200売りケーブルロング 1.3200売りオージーロング 0.7000売りポンド円フラット 180買い米債ETFフラット 10年債利回り4.75-5.00買い増し10月になりました。2023年第4四半期入り、今...
https://www.bundesbank.de/resource/blob/894118/6c67bcce826d5ab16a837bbea31a1aa9/mL/zahlungsverhalten-in-deutschland-2021-data.pdf <Japanese> ドイツ連銀のデータによると、ドイツ人は財布の中に現金を100ユーロ入れていて、手元資金が40ユーロくらいになったら、ATMに行って(年30回)、1回あたり230ユーロを引き出しているそうです。また、支払時における決済手段のシェアは、件数ベースで①現金58%、②デビットカード(バンクカードがそのまま使える)23%、③ク…
https://gemeinschaftsdiagnose.de/wp-content/uploads/2023/09/GD-2023-2_Langfassung_unkorrigiert_WEB.pdf 本日、ドイツ主要5経済研究機関(5大研:ベルリン、ifo、キール、エッセン、ハレ)の秋季合同経済予測が発表されました(上表緑枠)ので、そのエッセンスをご紹介します。 今年の実質GDP着地予想は、内外大手機関が公式発表している中で最も悲観的な▲0.6%に大幅下方修正(前回予測+0.3%)。 この下方修正最大の理由は、鉱工業生産と個人消費の回復後ずれ。 来年は+1.3%成長と比較的強めの予想。イ…
20230927 ドイツ経済省のGDPナウキャスト、Q3前期比▲1.1%/Q4+0.1%
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2023/10/11-konjunktur-bip-nowcast.html 先ほどドイツ経済省のGDPナウキャストの今月分が出たのですが、第3四半期の実質GDP予想は、前期比▲1.1%、第4四半期は+0.1%と非常に弱い組み合わせとなっていました。 もし本当にそのような軌道になれば、今年通年の着地は▲0.76%となり。。。 現時点で一番弱い予測(エッセン研:RWIの▲0.6%)をも下回ることになります。 ドイツ連銀の9月月報でも「Q3のマイナスはやむなし…
9/27/2023米金利上昇とまらず24時間予想レンジドル円 148.80-149.80ユーロドル 1.0480-1.580米10年債 4.45-4.65NYダウ 33300-33800 ポジション ドル円フラット 145買いユーロドルロング 1.1200売りケーブルロング 1.3200売りオージーロング 0.7000売りポンド円フラット 180買い米債ETFロング 10年債利回り4.75-5.00買い増し2年前までハト派の代表格だったミネアポリスFED...
本日ドイツ銀行協会が経済予測をアップデートしました(上図左)のでそのエッセンスを以下ご紹介します。 このドイツ銀行協会の経済予測は半年毎に実施され、経済・金融政策委員会のメンバーである民間銀行のチーフエコノミスト15人の分析をベースとするもの。 タイトルは「ドイツ経済は弱い局面」。 世界経済の低迷が続いていることもあり、ドイツ経済が今後数ヶ月で回復軌道に乗る可能性は低く、今年下半期のドイツの実質GDPは若干のマイナスを予想。 その結果、今年通年のGDPの着地は▲0.5%となる(筆者注:9月に入ってから経済予測を発表した内外10機関の単純平均値は▲0.45%~上表緑色部分ご参照)。 景気が徐々に…
●9月ifo景況指数(上図)は市場予想(上表左)ほどには落ち込まなかったものの、ドイツ経済反転上昇の兆しが見られない弱い内容となっていました。 景気サイクル図的に見ても、リセッション領域(第3象限)の奥深くに入り込んでいます。さすがにそろそろこの辺が底かも知れない、くらいの期待は持てるかもませんが、改善の具体的手応えは全く見つからない感じです。 業種別で今なお好調(赤色)と言えるのは、WZ 79:旅行関連と S:その他サービス(恐らくIT関連のメンテやエステ類など)の二つだけとなっています。 ●9月PMI速報は予想よりはややマシだったものの、Q3の前期比GDPはマイナス(▲1%程度か)となるこ…
20230922 ハンデルスブラット研(HRI)、来年わずか+0.3%の成長予想
https://www.handelsblatt.com/politik/konjunktur/hri-konjunkturprognose-nullwachstum-wird-die-neue-normalitaet/29403798.html 独経済専門日刊紙ハンデルスブラットの経済研究所HRIがドイツ経済見通しをアップデートしましたが、上図橙棒の通り、来年のGDP予測がかなり弱気なものになっています(5大研が+0.9~1.4%であるのに対し、HRIはわずか+0.3%の予測)。 もともとこのHRIは突出して悲観的なことが多いので、5大研と同列に見ることは適切ではありませんが、今般の景気低迷…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/915832/14e2df28b507f7fd6fa805aade66e915/mL/2023-09-monatsbericht-data.pdf ドイツ連銀9月月報がリリースされたので、経済分析部分のエッセンスを以下ご紹介します(下添のドイツ経済省月報と併せてチェックすることをお勧めします)。 ドイツ経済の見通しはますます不透明になってきており、夏場に景気回復の兆しは見られなかった。 2023年第3四半期実質GDPは前期比ややマイナスとなる可能性が高い。 物価上昇がやや鈍化し、賃金上昇も力強く、労働市場の状況も良…
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/09/PD23_369_3111.html 住宅着工許可件数は、上図の通り急減を続けており、7月は21千件:前年同月比▲31.5%、年初来累計ベースでは前年同月比▲27.8%と3割ダウンのペースで推移しています。今年の住宅販売件数は前年比4割減くらいで着地すると予想されています。 8月(直近)の建設業(住宅+商業用+土木)におけるifo景況指数のは以下の通り、総合(赤)、現況(黒)、期待(青)共、深くマイナス圏+一段と悪化傾向にあります。 ifo Geschäftsklimain…
20230916 今週のECB利上げについてのドイツメディアの報道ぶり
9月14日(木)にやや予想外の追加利上げ(+0.25%)を断行したECBの金融政策についてのドイツメディアの報道ぶり(概ね歓迎/正しい行動との評価)は以下の通りです。 高金利は企業や家計の需要を着実に減少させており、追加利上げにより景気後退のリスクが一層高まっている。 今のところドイツでは問題になっていない失業でさえも、今後は問題になる可能性がある。 しかしインフレは一貫して粘り強く懸命に闘わないと抑制できない(ラスト1マイル~目標の2%までしっかり押し下げること~が一番大変)。 インフレが高止まりを続けている以上、インフレ退治を優先すること以外に合理的な選択肢はない。 預金金利(および投資利…
9/14/2023ECB利上げ24時間予想レンジドル円 146.60-147.60ユーロドル 1.0640-1.0740米10年債 4.20-4.40NYダウ 34300-34800 ポジション ドル円フラット 140買いユーロドルロング 1.1200売りケーブルロング 1.3200売りオージーロング 0.7000売りポンド円フラット 180買い米債ETFフラット 10年債利回り4.50買い大方の市場予想を裏切ってのECB利上げ。景気減速よりもインフレ...
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/Wirtschaftliche-Lage/2023/20230913-die-wirtschaftliche-lage-in-deutschland-im-september-2023.html 本日ドイツ経済省から発表された9月経済月報のエッセンスは以下の通りです(月央の当該月報と下旬のドイツ連銀月報を併せてフォローすれば、ドイツ経済を読み間違えることはありません)。 世界経済の低迷継続(特に中国)で外需は冴えないものの、国内は実質賃金プラ転(インフレ↓+賃金↑)による個人消費底打ちと投資…
https://www.mckinsey.de/~/media/mckinsey/locations/europe%20and%20middle%20east/deutschland/publikationen/2023-09-11%20german%20banking%20report%202023/german%20banking%20report%202023.pdf マッキンゼーからドイツ銀行業界について分析したレポート(「ドイツ銀行業界2023」)が発表されていましたので、そのエッセンスをご紹介します(英文ですのでご興味のある方はリンク先も併せてご覧ください)。 ●ドイツ銀行セクター…
www.diw.de ドイツ5大研の一角でショルツ政権に近いベルリン研(DIW)の経済予測アップデートが先週末発表されましたので、そのエッセンスをご紹介します。 インフレによる個人消費低迷と中国経済不振による輸出低迷のため、ドイツの景気回復は遅れてしまいそう(前回比下方修正)。 第1四半期のマイナスが回復の遅れで補い切れず、通年▲0.4%で着地見込み。但し、来年・再来年と+1.2%の成長を見込む。 今後のインフレ低下と賃金大幅上昇が、家計の購買意欲を著しく向上させ、ドイツ経済回復のキックオフとなりそう。 但し、インフレはまだまだ高い上、、暖房法をめぐる混迷など政治的不透明感が強いため、購入意欲…
9/11/2023September 11、今週の相場見通し 週間予想レンジドル円 145.00-148.00ユーロドル 1.0600-1.0900 米10年債 4.10-4.50NYダウ 33500-35500 ポジションドル円フラット 140買いユーロドルロング 1.1200売りケーブルロング 1.3200売りオージーロング 0.7000売りポンド円フラット 180買い米債ETFフラット 10年債利回り4.50買い2001年9月11日の同時多発テロ、NYワールドトレ...
https://www.ifo.de/en/facts/2023-09-07/ifo-economic-forecast-autumn-2023-german-economy-continues-cool 先ほどifo研がドイツ経済予測をアップデートしました。今年の成長率予想は▲0.4%で据え置き、インフレは2025年に2%割れ、となっています。ポイントは以下の通り: ドイツの雇用は低迷期間中ほとんど減らないが、来年以降回復期に入っても人口動態上の制約で増えない。 2025年以降、労働力プールが縮小するため、潜在成長率は20年代後半には+0.5%程度にまで低下する見込み。 インフレ率は今年の6…
ドイツのリセッション懸念が高まっている折しも、7月(第3四半期の最初の月)の製造業受注が前月比▲11.7%、鉱工業生産が前月比▲0.8%と立て続けに市場予想比弱く出たため、不安が一層掻き立てられています。 生産、新規受注、受注残の水準(インデックス)をグラフにしても、このようにややわかりづらい(特に新規受注は航空機の大口受注でブレている)のですが。。。 短期トレンドを炙り出すために、3か月移動平均ベースでグラフにしてみると、 新規受注(青):横ばい(下向きではない) 生産(緑) :やや弱含み推移 受注残(赤) :減少しつつもかなりの高水準(月商の約7か月分)を維持 ということが判ります。 冒頭…
20230904 FT世界インフレトラッカー(特設サイト)のエッセンス
世界でインフレが問題になり始めてからずっと、英フィナンシャルタイムズ(FT)紙が世界のインフレをモニタリングするための特設サイト「Global inflation tracker」で(一般人向けに)有益な情報を提供し続けてくれています。 www.ft.com ちょうど30分前に更新されたので、現時点でのエッセンス(主にドイツの視点から)を私なりに抽出してご紹介します。 ●CPIの国際比較: ドイツは高水準かつ下げ渋り 中国はデフレ気味(今局面でのデフレ輸出は西側諸国には好都合) ●今年の通年CPI着地見込み: (川上物価は結構下がっているにもかかわらず)ドイツは6%でずっと動かず 日本はじりじ…
https://www.helaba.de/blueprint/servlet/resource/blob/docs/623368/4fb827fc95c64676c325c7a6baaf9f46/finanzplatz-fokus-20230829-data.pdf ドイツ大手州立銀行のひとつであるヘッセン・チューリンゲン州立銀行(通称Helaba/ヘラバ)が「Finanzplatz Frankfurt」というシリーズで「金融センター」としてのフランクフルトをいろいろな角度から分析してくれています。 8月29日にリリースされた最新号のエッセンスは以下の通りです。 金融センターフランクフルトに…
8/28/2023スポーツの秋、今週の相場見通し 週間予想レンジドル円 145.00-148.00ユーロドル 1.0700-1.1000 米10年債 4.05-4.45NYダウ 33300-35300 ポジションドル円フラット 140買いユーロドルロング 1.1200売りケーブルロング 1.3200売りオージーロング 0.7000売りポンド円フラット 180買い米債ETFフラット 10年債利回り4.50買い今週で8月も終わり。スポーツの秋と言う感じで...
本日ドイツ第2四半期GDP確報値が発表されましたが、速報から修正はなく(前期比プラスゼロ)で軌道は上図の通り弱含み横ばい継続となっていました。 しかしドイツ経済省のGDPナウキャスト(直近8/14時点)は前期比▲0.4%となっており、足元の軌道は非常に軟調のようです。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2023/09/14-konjunktur-BIP-nowcast.html 総合PMIも、前期比▲0.5%(年率▲2%)あたりを示唆しています。 https://www.pmi.spglo…
20230823 ドイツの貸出/預金金利レベル感(企業/家計)
ドイツ連銀8月月報に、現在のドイツの貸出金利、預金金利のレベル感を確認できるデータが出ていますので、簡単にご紹介します。 ●QTは始まっているものの、まだまだ量的緩和度合いが高いので、短期市場金利は本来メインの政策金利であるREFI金利(現在4.25%)ではなく、中銀預金金利(現在3.75%)の方に張り付いています(⇒預金/貸出金利とも中銀預金金利の影響大)。 <貸出サイド> ●企業向け(上)、家計向け(下)ともECB利上げ後ユーロ圏での貸出(青線)は急減中で、スペイン(薄青棒)やイタリア(濃青棒)では共にマイナスに転じています(黒棒:ドイツ、灰棒:フランス)。 ●ドイツでの銀行貸出は、企業向…
https://www.bundesbank.de/de/aufgaben/themen/monatsbericht-deutsche-wirtschaft-weiter-in-schwaechephase-856150 先ほど発表されたドイツ連銀月報のドイツ経済分析部分のエッセンスは以下の通りです。 2023年第3四半期の実質GDPは、おそらく再び前期比ほぼ横ばいにとどまる。 インフレ率のさらなる低下+安定した雇用/力強い賃金上昇⇒今後は個人消費が景気下支え役となる(但し、さほど力強いものにはならない)。 しかし、海外からの需要の弱さが引き続き鉱工業生産の重しとなっている(直近の製造業受注急…
https://www.un.org/development/desa/pd/sites/www.un.org.development.desa.pd/files/undesa_pd_2023_wsr-fullreport.pdf 国連が発表した上記レポートから(日独関連の)興味深いデータをピックアップしておきました。ご参考まで。 <世界全体で進む高齢化> 1950年から2021年までの間に世界の平均寿命は25年も伸びた。 世界の65歳以上の高齢者数は、2021年の7億6,100万人(10人に1人)から2050年には16億人(6人に1人)と2倍以上増加する。 80歳以上の高齢者はそれ以上に急ピ…
先ほどドイツ連邦雇用庁から7月のドイツ雇用統計が発表されました(米雇用統計と違って賃金データは含まれていないので、インフレに対する直接的影響は読み取れないという点についてはご了承ください)。 ●市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は▲4千人と市場予想(+15~20千人)より強め(失業者数少な目)の内容でした。 ●但し連邦雇用庁は先月同様「景気低迷が雇用に悪影響」とネガティブ気味に総括しています。景気モメンタムの悪化が見込まれる中、(人手不足で就業者の減少は起こりにくいものの)失業者数に上昇圧力がかかり続けている点を重視したものと思われます。 ●雇用の先行きについて、連邦雇用庁は以下の…
7/24/2023日銀明け、今週の相場見通し 週間予想レンジドル円 140.00-143.00ユーロドル 1.0900-1.1200 米10年債 3.80-4.20NYダウ 34000-36000 ポジションドル円フラット 138買いユーロドルロング 1.1200売りケーブルロング 1.3200売りオージーロング 0.7000売りポンド円ロング 185売り米債ETFショート 10年債利回り4.25利確先週はFOMC、ECB、日銀とビッグイベントが続きました...
note.com <Japanese> ドイツ連銀の発表によると、最近ドイツで偽札が結構増えている模様です。今年1~6月(上半期)にドイツ当局によって回収された偽札は2万6700枚/290万ユーロ相当で、昨年下半期と比べると、枚数ベースでは10%の増加ですが、金額ベースでは66%もの増加になっています。日本で最も高額の紙幣は1万円札/65ユーロ相当と比較的少額ですが、ユーロには500ユーロ札/7万8千円相当があり、この500ユーロ札が3倍に増えているそうです。こういった偽札は主に金の延べ棒、宝飾品、時計、自動車などの高額商品関連の詐欺取引に使用されていました。景気が悪くて、世の中がますます世知…
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/07/PD23_299_811.html 今朝発表されたドイツ第2四半期GDPは前期比フラットと市場予想の+0.1~0.3%より弱目ではあったものの、第1四半期分が前期比▲0.3%から▲0.1%に0.2%上方修正されていましたので、全体としてみれば概ね市場予想通りの結果となりました。 水準で見ると冒頭の図の通り、昨年以降ほぼ横ばいが続いている状況ですが、3期連続の前期比マイナスは何とかギリギリ回避された格好です。 但し、このようにGDPが低迷して見えるのはあくまでインフレ(デフレ…