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www.ifo.de 産業立地としてのドイツの評価はかなり悲観的なものにならざるを得ない。 過去10年間を振り返ると、産業立地としてのドイツの評価(右)は欧州全体(左)よりずっと低い(ドイツは79%が「悪化」と回答、欧州全体では37%)。 半数近くが、今後10年間でドイツの魅力はさらに低下すると予測(右、改善予想はわずか15%)。欧州の中でも悲観的な部類(左)。 ドイツ政府の次の一手として最も重要なのは、①官僚主義の削減。次いで②インフラへの投資と③移民の促進(労働供給の拡充)。 ●ドイツの産業立地のネガティブ要因: ①官僚主義、②デジタル化(の遅れ)、③エネルギー/資源(不足)、④スキル人材…
china.ahk.de 今週、ショルツ首相が独大企業トップ(シーメンスやメルセデスなど)を引き連れて中国を訪問する直前のタイミングで公表された、在中国ドイツ商工会議所のアンケート調査(上記リンク)結果がなかなか興味深いので、そのエッセンスをまとめておく。 調査対象ドイツ企業の約3分の2が中国で不公平な競争環境に置かれ、当局者と対話する機会や情報共有、許可の取得で不利な立場にあると感じている。 ドイツ企業は、製品の品質、技術的リーダーシップ、イノベーションの強さで、中国の競合他社よりも優れている一方、中国の競合他社と比較して、コスト効率、市場投入までの時間、イノベーションのスピードが最も弱い、…
https://www.iwkoeln.de/fileadmin/user_upload/Studien/Report/PDF/2024/IW-Report_2024-Importabh%C3%A4ngigkeiten-China.pdf ドイツ経営者団体のシンクタンクIW(@ケルン)から「2023年対中輸入におけるデリスキング」というタイトルの興味深いレポートが出ていましたので、そのエッセンスを簡潔にご紹介します。 昨年(2023年)中国からドイツへの輸入は▲19%減少した。 対中依存度を引き下げようという努力は一部に認められるものの、全体としてみれば、対中デリスキングはあまり進捗していない…
●IAB(連邦雇用庁のシンクタンク)が毎月発表している「人手不足指数」は、3月も高止まり。少子高齢化の進捗に伴う労働力人口減少(移民・難民では補いきれない)がその背景。 https://iab.de/daten/arbeitskraefteknappheits-index-3/ ●単純に現在の求人(未充足ポスト)の数で見ると、①その他サービス460千人、②企業向けサービス425千人、③製造業204千人、④商業204千人、⑤建設業168千人の順。 https://iab.de/das-iab/befragungen/iab-stellenerhebung/aktuelle-ergebnisse/…
ドイツ・Stuttgart中央駅前にあるレストラン Ritziが倒産を発表。ミシュランガイド2024で一つ星を更新したばかりのグルメなお店。ワクワクするそのお料理もご紹介。人気店の破産の原因は物価高?コロナ?地元の飲食店・小売店の閉店が続き、外資系企業が入り込む事態に。ドイツ経済は大丈夫なのか?
20240407 ドイツの気になる世論調査結果5選(政党別支持率など)
①政党別支持率~1位CDU/CSU、2位AfD、3位SPD、4位Greenの序列とシェアにほぼ変化なし。極左ポピュリズム新党BSW(濃紫)はやや失速気味。 FDP(黄)は5%条項抵触で議席を失い、事実上CDU/CSU(黒)+SPD(赤)の大連立一択になる(AfDは全党から連立拒否されている/CDU/CSUは連邦レベルでGreenと相性が悪い)。 https://dawum.de/Bundestag/ ②今年の欧州/州議会選挙での政党別支持率~ 6/9(日)に欧州議会選~上記①と同様のシェア割りとなりそう 9/1(日)にザクセン州とチューリンゲン州で州議会選~AfDトップ維持 9/22(日)にブ…
https://report.europace.de/alle-news/europace-hauspreisindex-marz-2-2-2-6/ ドイツ最大の住宅ローンポータルサイトEuropaceの住宅価格指数(EPX)は、上図の通り、全てのカテゴリーで上昇に転じており、Europaceは今後も上昇が続く見通し、と評価しています。 下表上から順に 総合: 前月比+0.6%(冒頭グラフ紫色) 分譲マンション:前月比+0.79%(濃緑色) 新築住宅 :前月比+0.28%(水色) 中古住宅 :前月比+0.80%(灰色) その背景としては以下3点の影響が大きいと考えられます: ①手頃な家賃の賃貸…
20240405 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注、HICPなど)
①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~2024年第一四半期実質GDP換算(統計発表は4/30)で前期比+0.2%まで急回復!実際の着地がプラスかマイナスか微妙な情勢。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②製造業受注(2月)~前月比+0.2%と、1月の▲11.4%からの反動としてはかなり弱め。除く大口受注ベース(下図薄赤)でも減少トレンド継続。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilu…
ドイツの3月CPI速報値は、総合で前年同月比+2.2%、コアで3.3%とまあ良好な内容となっていました。ウェート7.4%のエネルギー価格が、前年同月比▲2.7%と押し下げに寄与しています。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/04/PD24_133_611.html エネルギーと食品を除くコアがまだ高水準かつ低下速度が鈍いものの、フランス、イタリア、スペインのデータも落ち着いた内容だったので、ユーロ圏ベースでは前年同月比+2.4%まで低下し、ECBの利下げの背中を押してくれている感じになっています。 trading…
20240402 ドイツの気になるデータ5選(ドイツ連銀HPより)
今回はこちら(ドイツ連銀HPの統計サイト)から重要なデータ(インデックス/水準の推移をチェックできる)を5つピックアップしてご紹介します。 www.bundesbank.de ①(経営サイドから見た時給ベースでの)労働コスト(2023Q4)~前期比+1.2%/前年同期比+2.5%と上昇トレンド継続。今年もこの程度の上昇が継続する見込み(リスクは上振れ方向)。 <EU全体のデータはこちら> https://ec.europa.eu/eurostat/statistics-explained/index.php?title=Labour_cost_index_-_recent_trends ②製造…
20240329 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、IMFブログの分析データなど)
①経済省GDPナウキャスト~実質GDP2024Q1:前期比▲0.2%。ifoCAST、ドイツ連銀WAI、市場予想などとも整合的。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/04/09-konjunktur-bip-nowcast.html ②時間当たり労働コスト(2023年)~ドイツは41.3ユーロ(前年39.4ユーロ、前年比+4.8%。ユーロ圏全体では34.0⇒35.6ユーロで+4.7%。ユーロ圏の中では高い部類。 (社会保険料などを含む雇用者側から見た1時間当たりの総労働コスト) h…
先ほどドイツの3月雇用統計が発表され、季調済失業者数は前月比+4千人と、市場予想(+10~20千人)より気持ち強めの内容となっていました。 ちなみに米雇用統計からの連想で、これがヘッドラインであるかのように誤解しがちですが、ドイツでは全く重視されていませんのでご注意ください(日曜祝祭日に経済活動がほぼ止まるため、季節調整が難しい欧州では前年同期比が重視される)。 ●失業率<国内基準>~5.9%で横ばい。2022年以降の失業率上昇の大半は2022年6月からのウクライナ難民カウント開始によるもの。連邦雇用庁は「経済低迷の割にしっかり」との評価継続。 <以下◆3つはドイツ連邦雇用庁月報より抽出したも…
20230328 ドイツの気になるデータ5選(5大研予測、インフルエンザなど)
①雇用増分に占める外人の割合~最近の雇用増加分はほぼ全て外人によるもの(水色:移民、灰色:難民、黒:ウクライナ)。 ②アウトプットギャップ~ディスインフレ圧力は当面健在(青棒)。設備稼働率(黒線)も低め。 ④OECDの製造業の対GDPシェア~このような低下傾向はドイツに限ったことではない(経済のサービス化がじわじわと進んでいる)。 ④対米、対中貿易の推移~対米:輸出(黒)も輸入(青)も順調に増加。ドイツの貿易黒字は国別で最大(トランプが問題視する可能性大)。対中:輸出はすでにじり貧、輸入は急増後反落(デリスキングが強く意識されたため)。ドイツの貿易赤字は国別で最大。 上記①~④のソース:htt…
https://www.ifo.de/fakten/2024-03-27/gemeinschaftsdiagnose-fruehling-2024 先ほど発表されたドイツ5大研究所の春季合同経済予測のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済の低迷が続いている。まもなく回復が始まると思われるが、全体としての勢いはそれほど強くないだろう。 GDPはコロナ前をかろうじて上回る水準にとどまっている。 今年の実質GDP成長率予測は、昨秋の+1.3%から+0.1%に大幅下方修正。 就業者は増え続けているが、労働時間は縮み(病欠増加も一因)、生産性も伸び悩んでいる。 予想以上に個人消費の回復が遅れ、輸出が低…
20240327 ドイツ鉄道労使交渉決着についてのドイツメディアの報道ぶり
これまで5か月間にわたる交渉と計6回のストライキを経て、昨日3月26日、ドイツ鉄道とGDL(運転手組合)の労使交渉がようやく決着し、イースター休暇中のストライキ回避が確実になりました。GDLは大幅な賃上げ(免税一時金を含む)と週35時間労働に向けての段階的時短(詳細については下添一覧表ご参照)を勝ち取り、ドイツ鉄道は収益性と人繰りの確保に苦労することになります。本件についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 GDLは2029年からの週35時間労働の実現を歴史的成果として自賛しているが、その評価については意見が割れている。 今秋に引退する予定のGDLヴェセルスキー組合長は、最後の闘いで…
https://www.gfk.com/de/presse/konsumklima-erholung-kommt-nur-muehsam-voran 先ほどGfK(消費者市場調査会社@ニュルンベルク)の消費者センチメントが発表されましたが、▲28.8と前月(▲29.6)比わずかに上昇はしたものの、相変わらずの低水準横ばいで、ドイツ個人消費回復の兆しは見つかりませんでした。 内訳を見ると引き続き、自分の所得に対してはさほど悲観的でないのに、購買意欲は低く、貯蓄にいそしんでいる、という構図になっています。 なお、実質賃金(名目賃金-インフレ)は昨年後半から既にプラスに転じており、多くのエコノミスト…
20240325 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、田中碧の市場価値など)
①建設受注(1月)~前年同月比ベースで実質+1.3%/名目+4.3%。前月比実質▲7.4%が一見悲惨に見えるが、トレンド(下図赤線)としての低位横ばい推移を見るべき。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_119_441.html ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~四半期実質GDP前期比換算で▲0.2%と、Q1期末に向けてマイナス圏での推移継続。ifoCASTの▲0.21%やドイツ銀行の予想▲0.2%とも整合的。Q1GDP速報は4/30発表予定。 https://www.bundesbank.d…
20240323 ドイツ代表のメインスポンサー、アディダスからナイキに変更
<Japanese> ドイツサッカー連盟(DFB)は、これまで70年以上続いていた独アディダス社とのサプライヤー契約(ドイツ代表チームへのユニフォーム/用具類供給)を解消し、2027年から2034年まで米ナイキ社と契約することを決定しました。今年ドイツが主催する欧州選手権直前のタイミングで、ドイツ代表のサポートをドイツを代表するスポーツメーカーであるアディダス社から同社最大のライバルである米ナイキ社への変更を発表したことは、ドイツ内外に大きな衝撃を与えました。 ドイツ代表の成績不振などが原因でDFBが財政的苦境に陥る中、ナイキが年1億ユーロとアディダス(5千万ユーロ)の2倍のオファーを提示し、…
20240322 ドイツの気になるデータ5選(ifo、PMI、ZEWなど)
①ifo景況指数(3月)~期待(青)と現況(黒)がそろって改善。わずかながらも底打ちを期待させる動き。 <業種別>4業種すべてで上向き。サービス業(右上)では中立レベル回復。 <サイクル図>不況領域(第3象限)からの脱却はそう簡単ではなさそう。 <ヒートマップ>~好調を維持している航空機(30)と旅行関連(79)以外にも、飲料(11)、石油精製(19)、その他製造業(32)で好転(赤色化)。 https://www.ifo.de/en/facts/2024-03-22/ifo-business-climate-index-rises-march-2024 <市場予想対比>~ECBの6月利下げが…
https://publikationen.bundesbank.de/publikationen-de/berichte-studien/monatsberichte/monatsbericht-maerz-2024-926690?article=kurzberichte--928232 本日発表されたドイツ連銀月報(3月)の経済分析部分のエッセンスをまとめると以下の通りです。 ドイツ経済の景気回復は遅れており、第1四半期の実質GDPは前期比で再びわずかに低下する可能性がある(これまでの弱気評価に変化なし)。 特に製造業は今後も低迷する可能性が高い。国内外の受注不振が続いている。 製造業の受…
本日発表されたドイツ銀行協会の経済見通し(民間銀行のチーフエコノミストらの共同作業の結果)のエッセンスは以下の通りです。 ドイツ経済は依然として顕著な低迷状態にあり、今年の実質成長率はマイナスゼロどまりを予想。 これまでのドイツ経済低迷の主因だったエネルギー危機が完全に終了していることは朗報。来年は+1.2%と強めの成長が期待できる。 世界貿易は昨年わずかに縮小したが、今年は増加に転じる。そのデルタ(変化分)が小さくないため、相応にドイツ経済のサポートになるはず。 インフレ低下+賃上げに伴う購買力増加も景気回復の原動力になる。 ECBは6月から利下げを開始し、年内2回追加(四半期毎)を予想。こ…
本日連邦雇用庁のシンクタンクIABと労組系シンクタンクIMKが揃ってドイツ経済予測をアップデートしていましたのでそのエッセンスを簡単にご紹介します。 ①IAB(今年の雇用関連計数の予測が中心で、インフレや2025年の計数の予測はない) ドイツ経済は低迷局面に陥っているが、その回復はさらに遅れ、今年通年での実質GDP成長率はわずか0.1%にとどまる見込み。 2024年前半は全く冴えないが、年が進むにつれて回復に転じるはず。 労働市場は、景気低迷の割にはよく持ちこたえている。 就業者数は今年19万人増の4,612万人に達する見込み。 しかし、失業者数も273万人に増加見込み。長期失業率はコロナ前の…
20240320 ドイツの気になるデータ5選(受注残、PPI、幸福度など)
①製造業受注残(1月)~新規受注の不調が続いているので、じりじり減ってはいるものの、まだ月商の6.9か月分と高水準(資本財メーカーでは9.2か月分)。景気落ち込みを避けるためのクッションになっている。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_112_421.html ②生産者物価(2月)~前月比▲0.4%/前年同月比▲4.1%(除くエネルギー/下図赤でも▲0.8%)と、国内景気の低迷を素直に反映して低迷(川上のディスインフレ圧力)継続。 https://www.destatis.de/DE/Presse…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/Wirtschaftliche-Lage/2024/20240214-die-wirtschaftliche-lage-in-deutschland-im-maerz-2024.html ドイツ経済省の3月経済月報(まもなく出るドイツ連銀月報と併せてみることをお勧め)のエッセンスは以下の通りです。 1月は鉱工業生産(含む建設)と輸出がやや大きめの前月比プラスで明るい兆し。 しかし小売売上は続落、各種先行指標も底打ちの気配あるものの低水準横ばい。 紅海での船舶攻撃や国内でのストライキの影響で、…
20240318 ドイツの気になるデータ5選(企業倒産、住宅関連など)
①企業倒産件数~2023年通年で前年比+22.1%と大きめの増加かつ先行指標も上昇傾向(下図赤線)ながら、コロナ前(2019年)比では▲5%とまだまだ低水準。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_103_52411.html 超長期チャートで見てもこのような感じなので、現在の不景気が企業の倒産やそれによる大量失業を生むようなものではない(高い名目成長~失業や倒産は起こりにくい~がインフレで食われて実質マイナスになっているだけである)ことが判る。 ②住宅着工許可件数(1月)~1月単月ではわずか1680…
IFH(ケルン商業研究所)の「持続可能性消費者モニター」(やハンデルスブラットの解説記事)によると、インフレとエコ意識の高まりのため、ドイツで中古品の売買が活発化している模様です。ポイントは以下の通り。 ドイツにおける持続可能性の重要性/意識は年々高まっている。 特にZ世代は地球環境問題への関心が高く、積極的に街頭デモに参加するし、小売業には具体的なサステナビリティの追求を求めている。 小売においては、修理(Repair)、再利用(Reuse)、リサイクル(Recycle)への対応が重視されている。 一部の小売店はこのトレンドを捉え、中古品を積極的に取り扱ったり(H&M、Zalandoなど)、…
20240314 独DAX18000ポイント超えについてのドイツメディアの報道ぶり
ドイツのベンチマーク株価指数DAX40が節目の18千ポイントに到達していることについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 ドイツの株価指数が連日過去最高値を更新し、節目の18千ポイントをクリアしたことは大変感慨深い。 これは恐らく今後の上昇トレンド継続の中でのひとつの通過点に過ぎない。 こういった株式市場の高揚感とは対照的に、ドイツ経済の足元の状態は非常に悪く、回復の兆しがほとんど見られない。 一般国民の経済に対する不安と政府に対する不満は高まるばかりである。 しかし、株式市場は国内経済の状態以外の他の多くの要因によっても左右されていることを認識する必要がある。 グローバル市場を股に…
20240313 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、CPIなど)
①ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~足元の実質GDPモメンタム(3m/3m)は▲0.3%まで急低下。ちなみに、ドイツ経済省の2024/Q1のGDPナウキャストは前期比+0.1%。ifoCASTは同▲0.52%。ドイツ銀行の予想は同▲0.2%、総合PMIはかなりの大幅マイナス示唆となっている。2024/Q1GDP速報は4/30発表予定。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②インフレ2月確報~2020年平均(ほぼコロナ前の水準と考えてよい)…
https://www.bundesbank.de/en/statistics/sets-of-indicators/system-of-indicators-for-the-german-commercial-property-market/system-of-indicators-for-the-german-commercial-property-market-795270 掲題についてのドイツ連銀のデータがアップデートされましたので、そのエッセンスを以下ご紹介します(少なくともドイツ連銀がどんなデータを重視して見ているかが把握できます)。 ●商業用不動産価格は小売店舗用物件を中心にピー…
20240310 ECB理事会についてのドイツメディアの報道ぶり
3月のECB理事会結果についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。ドイツの景気が悪いからといって、利下げを急いで欲しいという論調は殆どありません(実質マイナス成長はインフレが原因と広く認識されているため)。 今回ECB主要金利はすべて据え置きで変動なし。 ユーロ圏のインフレ率は目標の2%に徐々に近づいてきている。 多くの専門家は今年6月に最初の利下げが実施されると予想している。 但し、賃金上昇が予想以上に強ければ、利下げ開始見送りの可能性もある。 トランプ氏が米大統領に再選された場合、その後の予測不能性が世界経済にリスクをもたらす可能性がある。例えば、彼が中東紛争を激化させ、エネルギー…
20240308 ドイツの気になるデータ5選(受注、生産、PPIなど)
①製造業受注(1月)~12月の前月比+12.0%をほぼ吐き出す▲11.3%(濃い赤)。除く大口受注(薄い赤)ベースでは明確な減少トレンド持続。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/03/PD24_086_421.html ②鉱工業生産(1月)~前月比+1.0%と一見強めながら、12月の▲2.0%(▲1.6%から下方修正)の反動程度/3m移動平均では前期比▲1.5%であり、2018年以降の低下トレンド継続(青線)。上記受注も弱く、生産の増加基調への転換は期待薄(赤線は建設業)。 https://www.destati…
https://www.ifo.de/en/facts/2024-03-06/ifo-economic-forecast-spring-2024-german-economy-paralyzed ifo研のドイツ経済見通しのアップデートが発表されましたので、そのエッセンスをご紹介します。 景気回復の兆しが見られず、年前半も不調が続きそうなので、今年のGDP見通しは+0.2%と12月予測比▲0.7%下方修正。 冬の悪天候や病欠(インフルエンザ流行)も悪影響。 インフレは来年+1.6%に低下するが、高めの賃金上昇が続くため、コアは+2.2%と高止まり。 リスクは①地政学的背景などによるエネルギー価…
https://www.handelsblatt.com/politik/konjunktur/bahnstreik-kostet-fast-nichts-ausser-die-nerven/100020978.html?utm_source=sf&utm_medium=nl&utm_campaign=hb-eveningbriefing&utm_content=07032024&key=0031t00000QBKYoAAP 今日明日とドイツではまた長距離鉄道がストでマヒしていますが、ドイツ鉄道のストによるドイツ経済の損失は、ざっくり1日あたり1億ユーロと言われています。 今朝ハンデルスブラッ…
IfW(キール研、ドイツ5大研の一角)から新たなドイツ経済予測(上図の通り今年ははずか+0.1%成長、12月予想比▲0.8%下方修正)が発表されていますので、以下、そのエッセンスをご紹介します。 各種構造問題やECB利上げによるブレーキのため、ドイツ経済の低迷長期化。 実質可処分所得の増加(賃上げ+インフレ低下)に伴う個人消費の回復と海外ビジネスの緩やかな増加の2つが今後の景気回復の原動力として期待される。 しかしこれらの原動力は、以前の予想よりも弱く、かつその起動が遅れている。 2025年のGDPは、コロナ(6年)前の水準を2%上回るにとどまる。 経済低迷にもかかわらず労働市場は引き続き堅調…
20240306 ドイツの気になるデータ5選(PMI、輸出動向など)
①総合PMI~製造業、サービス業とも軟調で、GDPベースでかなりのマイナスペースとなっていることを示唆。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/c3ca100bd86d4b528803a06337a6220f ②ドイツ連銀週次経済活動指数(WAI)~実質GDP3m/3m換算で前期比▲0.1%のモメンタム。経済省GDPナウキャストのQ1前期比予想は+0.1%、ifoCASTは▲0.24%であり、いずれにせよゼロ近傍の攻防となっている模様。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/kon…
https://www.iwkoeln.de/presse/pressemitteilungen/juergen-matthes-thomas-obst-samina-sultan-zweite-trump-aera-koennte-die-deutsche-wirtschaft-bis-zu-150-milliarden-euro-kosten.html 経営者団体系シンクタンクIWが「もしトランプが再選されたら」という興味深いレポートを発表していますので、そのエッセンスをご紹介します。 このまま第2次トランプ政権が誕生すれば、ドイツ経済に4年間で最大1,500億ユーロ(24.5兆円相当@1…
20240303 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャスト、ウクライナ支援など)
①経済省GDPナウキャスト~Q1前期比+0.1%を予想。一方、ドイツ銀行は▲0.1%、ドイツ連銀は「恐らく(小幅)マイナス」との読み。 https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2024/03/09-konjunktur-bip-nowcast.html ②新車販売に占める動力のシェア~いい時は3割を超えていたEVは1月に10.6%まで急低下(PHVは6.7%)。昨年末急遽補助金が打ち切られたため(財政憲法違反判決の余波)。ガソリン(52.1%)、ディーゼル(26.0%)でほぼ8割を占める。 ht…
<Japanese> ドイツの景気は、昨年▲0.3%のマイナス成長で着地した後も全く改善の手応えがなく、経済界が首相に苦情を申し入れるほど芳しくありませんが、ドイツのベンチマーク株価DAXは2月21日から負けなしの8連騰で毎日高値更新を繰り返しています。但し、株主の2/3が海外投資家なので、実はめでたさも中くらいなのかもしれません。 日経平均も負けてはいません。2月22日のバブル後高値更新後も堅調で、シカゴの日経平均先物の週末引け値(40190円)からすると、来週初の4万円の大台突破がほぼ確実な情勢です。年初来上昇率は、DAXの+5.9%に対し、日経平均は+19.3%という好調ぶりです。円株の…
20240301 ドイツCPI、4月分までは低下して見えやすい
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/02/PD24_078_611.html 2月のドイツCPI速報は、前年同月比ベースで総合+2.5%(ベーシス低下による低下であり、前月比+0.4%は本質的にはイマイチ)、コア(除く食品・エネルギー)+3.4%、エネルギー(ウェート7.39%)▲2.4%、食品(同10.469%)+0.9%と、ほぼ市場予想通りの着地となっていました。 HICPベースでも、前月比は+0.6%と大幅上昇ながら、(前年の比較対象が高かった)ベーシス効果のおかげで、前年同月比は+2.7%に低下しています。…
先ほどドイツの2月雇用統計が発表され、季調済失業者数は前月比+11千人と、市場予想(+7千人)より気持ち弱めの内容となっていました。 ちなみに米雇用統計からの連想で、市場の一部ではこちらがヘッドラインであるかのように勘違いされていますが、ドイツでは全く重視されていませんのでご注意ください(日曜祝祭日に経済活動がほぼ止まるため、季節調整が難しい欧州では前年同期比が重視される)。 ●失業率~5.9%で横ばい。2022年以降の失業率上昇の大半は2022年6月からのウクライナ難民カウント開始によるもの。連邦雇用庁は「経済低迷の爪痕あるももの、しっかり」との評価。 国際労働機関(ILO)ベースでは3.1…
20240229 ドイツの気になるデータ5選(賃金、小売売上、インフルなど)
①賃金~2023年通年ベースでは、インフレ+5.9%に対し、名目賃金+6.0%で実質賃金が辛うじてプラス転換(+0.1%)。2023年Q4では各+3.5%/+5.4%/+1.8%と実質ベースでしっかりプラス転換。 労組はコロナ後数年間続いた実質賃金のマイナスを取り返すべく、今年も強気の高賃上げ要求(+10%前後)を続けてくる見込み。 マクロベースでの今年の名目賃金上昇率見込みは+5~6%。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/02/PD24_076_62321.html ②小売売上(1月)~実質(赤)/名目(ピンク…
ドイツの鉱工業生産(上図黒線、実質ベースインデックス)は、2023年前年比▲1.2%(2022年▲0.2%)と減少しました。2018年頃から既に長期低下傾向にあり、コロナからの回復後もその低下トレンドが再開しているように見えます。 水準としては2018年のピークから9%も切り下がっている上、昨年後半のマイナスが今年は負の統計上のゲタになるので、今年も▲2%程度のマイナスが予想されます。 鉱工業生産不振の背景には、輸出の不振(特に中国向け)、人手不足(特に熟練者)、資材不足/サプライチェーン障害(コロナ後)、エネルギー価格高騰(ウクライナ戦争後)、高金利、投資不足(不透明な政策への不安、海外移転…
20240227 ドイツの気になるデータ5選(GDPナウキャストなど)
①ifoCAST(ifo研が2週間毎に発表しているGDPナウキャスト)~Q1が前期比▲0.27%、Q2が+0.17%と軟調継続。 https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②WAI(ドイツ連銀が毎週月曜夕刻に発表しているGDPナウキャスト系指標)~実質GDP換算(3m/3m前期比)で+0.3%とプラス圏ながら、足元モメンタムは下向き(右図)。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ③ifo輸出期待~低水準ながらも底打ちの気配。…
20240224 ドイツ政府の競争力強化計画、日本にもそのまま当てはまります
note.com <Japanese> 2月21日にドイツ経済・気候保護省から発表された政府年次経済報告のメインテーマは「競争力の持続的強化」で、最近とみに不安視されているドイツの産業立地を抜本的に改善したいという政府の意向がにじみ出ていました。以下の10分野で重点的な取り組みが必要とされていますが、全てそのまま日本がやるべきことと読み替えられるような気がします。 ①投資促進(的を絞った税制優遇措置など)②官僚主義の削減(規制緩和や手続き簡素化など)③イノベーションやデジタル化促進、技術主権の強化(投資促進、枠組整備など)④労働供給の強化(海外熟練労働者誘致、女性/シニア/移民フル活用など)⑤…
20240223 ドイツオフィス不動産市場指数(pbbIX)続落
https://www.pfandbriefbank.com/kunden/pbbix.html ドイツファンドブリーフ銀行(PBB)が昨日発表した2023年第4四半期のドイツオフィス不動産市場指数(pbbIX)は、▲1.96と続落し、2009年第1四半期以来の低水準となっていました(上図)。 pbbXIはドイツ7大都市(ベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、ケルン、フランクフルト、デュッセルドルフ、シュトゥットガルト)のオフィス用不動産市況を、景気全般、賃貸、投資の3面から評価したもの(ゼロ=長期平均)。 ドイツ経済全体の低迷と金利上昇を背景に、投資家の慎重スタンスが強まり、7大都市のオフィスス…
20240223 ドイツの気になるデータ5選(PMI、ifoなど)
①総合PMI(2月)~製造業の状況(右)が再び悪化し、総合アウトプット指数(左)から見てQ1GDPは前期比マイナス不可避の情勢(市場予想は前期比▲0.1%程度)。景気回復の手がかりが全く見えない状態が続いてしまっている。 https://www.pmi.spglobal.com/Public/Release/PressReleases ②ifo景況指数(2月)~ほぼ市場予想通りの低水準横ばい。頼みのサービス業(下右上)もマイナス圏入り。 https://www.ifo.de/fakten/2024-02-23/ifo-geschaeftsklimaindex-gestiegen-februar…
ドイツ連銀HPの不動産価格データが更新されたのでチェックしておきます(説明は筆者分析)。 www.bundesbank.de ①住宅用不動産価格~2023年は前年比▲4.6%/2004年比+127%(この間CPIは、各+5.9%/+46%)。 低金利と住宅不足を背景に住宅価格は上昇を続けてきたが、高価格(環境対策も影響)+利上げ後の住宅ローン金利負担増大(下添④)で住宅購入者減少⇒住宅価格小反落。 購入を断念した人々が賃貸に流れたため、新規契約家賃は昨年5~7%と強い上昇となった。 まだ15~20%程度過大評価となっている可能性高いが、大量の移民流入を背景とする強い住宅需要と人手・建設資材不足…
20240222 ドイツ経済4年間低迷の経済損失5,450億ユーロ
https://www.iwkoeln.de/presse/pressemitteilungen/michael-groemling-der-deutschen-wirtschaft-fehlen-545-milliarden-euro.html 先ほど経営団体系シンクタンクIW(ケルン研)から発表された経済損失試算がなかなか興味深いので、そのエッセンスをご紹介します。 IWの試算によると、コロナと戦争(ウクライナ+中東)の複合要因による4年間にわたる経済危機により、ドイツ経済は5,450億ユーロ(89兆円相当 @163)を失った。 その大半が個人消費抑圧分約▲4,000億ユーロ(一人当たり約…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/2024/02/20240221-jahreswirtschaftsbericht-2024.html 本日ドイツ経済省から発表されたドイツ政府の年次経済報告(単なる経済予測というよりは経済政策のベースとなるもの)のエッセンスは以下の通りです。 メインテーマは「競争力の持続的強化」(10の取り組み分野後述、筆者としては日本がやるべきことと完全に重なっているものと思料)。 ドイツ経済は困難な状況にあり、昨年▲0.3%のマイナス成長の跡、今年も成長率は+0.2%どまり。 短期的には、外需低迷、イ…
20240221 ドイツの気になるデータ5選(製造業受注残、企業倒産件数など)
①製造業受注残(12月)~コロナ後に蓄積された受注残(受注急回復VS人手・資材不足+サプライチェーン障害)は、月商の7.0か月分と高水準が維持され、一層の景気悪化を防ぐためのクッションとなっている。但し、海外分(青)の減少はきつめ。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/02/PD24_063_421.html ②ホテル・レストラン売上(2023年)~コロナ前(2019年)比実質ベースで▲11.3%(ホテル▲5.2%、レストラン▲12.9%)。但し大幅なインフレのため名目ベースではコロナ前の水準を大きく上回っている。…