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先ほどドイツ連邦雇用庁から10月のドイツ雇用統計が発表されましたので簡潔にポイントを整理しておきます。 ●市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は、+30千人と市場予想(+15千人)よりやや弱めの内容でした。 ●景気低迷長期化を反映して、失業率は5.8%にじわじわ上昇中。 ●但し就業者数(1か月遅れなので9月分まで)は、まだ上昇が続いており、7月前月比+1千人、8月+10千人、9月+3千人(現在46.19百万人、前年比+297千人)となっています。 ●雇用の先行指標ハードデータである求人数(残高:上線)は減少が続いており、コロナ前の水準を下回ってきています。求人の新規流入(下線)も弱含…
①日本人ブンデスリーガ(1・2部)一覧~観戦のお供に。 https://www.bundesliga.com/de/bundesliga/spieler https://www.bundesliga.com/de/2bundesliga/spieler ②就業者数(9月まで)~季調後前月比で概ねプラス継続中。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/11/PD23_424_132.html ③ガソリン(赤:スーパー、青:ディーゼル)小売価格~落ち着いています。 https://www.dashboard-deutsch…
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_423_45212.html 先ほど9月ドイツ小売売上高が発表になり、実質、名目とも大きめのマイナスとなっていました(実質前月比▲0.8%、名目前月比▲0.7%、上図は実績水準)。 インフレ減速で名目と実質の差が小さくなっていることは朗報ですが、2カ月連続で市場予想を大きく下回る数量(実質)低下が続いており、基調はまだかなり弱いと言えます。 https://tradingeconomics.com/germany/retail-sales ①インフレ低下と②強めの…
①週次経済活動指数(WAI)~GDP前期比+0.3%ペースとまあまあ好調です。 https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex 実質GDPは仮にQ4ゼロ成長でも通年▲0.1%で着地できそうな走りとなっています。 ②インフレ(HICP)~10月はベーシス効果もあって前月比▲0.2%/前年同月比+3.0%と下振れましたが、恐らくここがボトムで今後しばらく反転上昇しそうな点には注意が必要です。 https://www.destatis.de/DE/Presse…
20231030 ドイツ3QGDP 前期比▲0.1%+過去分0.2%上方修正 とやや強め
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_420_811.html 「今年先進国唯一のマイナス成長」「今年日本のGDPを抜く」など、最近何かと話題のドイツ経済ですが、先ほど発表された第3四半期(7-9月期)実質GDPは、 ①前期比▲0.1%と市場予想(▲0.3%程度)比強め ②Q1、Q2とも0.1%ずつ上方修正 と、恐れていたほど弱い内容ではありませんでした。 速報なので中身については全くわからないのですが、統計局は「個人消費が弱い一方で設備投資が強かった」とコメントしています。 内外主要機関の今年の実質…
https://www.zeit.de/wirtschaft/energiemonitor-deutschland-gaspreis-spritpreis-energieversorgung ドイツにおける各種エネルギーの小売価格を日次ベースでモニタリングするには、上のZEIT紙特設サイトが最も便利なのですが、今朝ドイツ連邦統計局(DESTATIS)から公式統計データが発表されたのでそのエッセンスをお届けします。 www.destatis.de 【結論】家庭用エネルギー価格は最近落ち着いてはいるものの、2023年9月時点で2020年平均を+55.7%も上回っている(下図赤線)。 その内訳は、電…
先ほど10月ifo景況指数が発表され、上図(+下図赤線)の通り、予想をやや上回る改善を見せていました。原油価格が大して上がっていないこともあり、中東情勢の悪影響は少なくとも今のところ限定的なようです。 https://www.ifo.de/fakten/2023-10-25/ifo-geschaeftsklimaindex-gestiegen-oktober-2023 水準はまだまだ低いとはいえ、現況(黒)、期待(青)ともそろって上向きで、ようやく底を打ったかなという感じにはなっています。 業種別で見ると、上記のそこはかとない底打ち感はサービス業(右上)での改善に支えられていることが判ります。…
https://www.bundesbank.de/de/publikationen/berichte/monatsberichte/monatsbericht-oktober-2023-912962 今月(2023年10月)のドイツ連銀(BUBA)月報のエッセンスは以下の通りです。 2023年第3四半期の実質GDPは前期比で若干マイナスとなる可能性が高い(筆者注:先月とほぼ同じ表現/評価、公式統計は10/30発表)。今月)Das reale Bruttoinlandsprodukt (BIP) dürfte im dritten Quartal 2023 etwas geschrumpft …
①ホテル・レストラン実質売上~昨年後半から足元8月までじり安傾向で水準もコロナ前を下回り続けている(但し名目では年初来前年同期比+7.3%と大幅増)。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_415_45213.html ②9月PPI~前年比▲14.7%(青)と川上ディスインフレ圧力増大。但し除くエネルギー(赤)では+0.8%。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_416_61241.html ③ガソリン・電…
https://www.bundesbank.de/de/presse/pressenotizen/geldvermoegensbildung-und-aussenfinanzierung-in-deutschland-im-zweiten-quartal-2023-914096 先ほどドイツ連銀が発表したデータ(2023年6月末時点)によると、ドイツの個人(家計)の金融資産は上図の通り、金利や評価額上昇のおかげで3月末比940億EUR増加し、7.49兆EURとなっていました。 日独のデータが揃ったので比較表にしてみたところ、こんな感じになりました。 日本人はドイツ人以上に現預金好きで、ドイツ…
①7大都市のオフィス利用面積(2023年1~9月)~在宅勤務普及で前年比▲36.3%。 ②製造業受注残~やや減少も、月商の7.1か月分とまだまだ高水準維持。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_413_421.html ③住宅着工許可件数~8月18千件と下げ止まる気配なし。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_412_3111.html ④市場コンセンサス(ZEW集計)~今年のドイツマイナス成長は不可避。…
①ドイツ連銀 週次家経済活動指数(WAI)~景気モメンタムはほぼ横ばい https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex ②インフレ~川下のCPI(黒)以外の川上(輸入/生産者/卸売)物価は十分下がっている。 https://www.dashboard-deutschland.de/comparative-analysis/pulsmesser_wirtschaft ③IMF世界経済見通し~ドイツが名目GDPでは既に日本を抜いている。 <IMFが想定する購…
www.ifo.de 本日ifo研より「(ドイツ)住宅市場の現状について」(上リンク)というレポートが出ていますので、そのエッセンスをグラフ中心にピックアップしておきます。 ●ifo担当者クラウス・ウォールラーベ氏:「金利上昇と建設費増加により、多くのプロジェクトがもはや経済的に実行不可能になっている。」 ●今後金利がどのように推移するかに住宅市場の命運がかかっている(下図はECB政策金利と住宅ローン金利)。 ●建設コスト~物件費・人件費とも上昇しており、下げられない。 ●住宅着工許可件数~月20千件ペースに急減。 ●新規受注(2015年を100とするインデックス)~下げ止まらない。 ●住宅供…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/Wirtschaftliche-Lage/2023/20230714-die-wirtschaftliche-lage-in-deutschland-im-oktober-2023.html 第3四半期GDPは前期比小幅マイナスを見込む(筆者注:市場予想は▲0.1~▲0.3%、10/31発表)。 PMI(緑)、ifo(赤)、ZEW(青)などの最近のセンチメント指標は、低水準ながらも景気低迷のペース鈍化。来年には緩やかな回復が始まりそう。 足元の受注(青、大口/航空機で上下動)、生産(赤)は引…
①ifoのGDPナウキャスト(ifoCAST)~前期比ベースで、Q3▲0.33%(ドイツ銀も▲0.3%予想、10/31発表)、Q4+0.26% https://www.ifo.de/en/ifoCAST ②空運~旅客(青)は好調も、貨物(赤)は弱含み推移 https://www.dashboard-deutschland.de/comparative-analysis/pulsmesser_wirtschaft ③陸運(トラック輸送、青)~やや弱含み推移(赤はifo生産計画) https://www.dashboard-deutschland.de/comparative-analysis/p…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Artikel/Wirtschaft/Projektionen-der-Bundesregierung/projektionen-der-bundesregierung-herbst-2023.html 上表のようなヘッドラインは先週既にリークされていましたが、本日ドイツ政府公式のドイツ経済予測が経済省から発表されましたので、そのポイントをご紹介します。 ●ヘッドライン 2023年 2024年 2025年 実質GDP ▲0.4% +1.3% +1.5% ~先進国唯一の今年マイナス着地 名目GDP +6.5% +4.4% +3.5…
20231011 ドイツのHICP、12月の大幅反動増に注意
https://tradingeconomics.com/germany/harmonised-inflation-rate-mom ●ドイツのインフレ状況をフォローする上では、コロナで歪んでいるドイツ国内基準のCPIではなく、ECBが見ているEU統一ベースのHICPの前月比(上図)を見るのが最も重要です。 dateno.hatenablog.com ●9月の前月比+0.2%(冒頭図)と前年同月比+4.3%への低下(下図)は、まだまだ水準が高すぎるとは言え、低下モメンタムを維持しているという意味ではなかなかの朗報です。 ●但し、昨年冬は政府のエネルギー補助金(電気とガスの価格上限設定)などでイ…
www.imf.org IMFの世界経済見通し(WEO)が出ましたので、ドイツ関連部分を中心にご紹介します。 ●ドイツの実質GDP成長率は、前回予測(7月)比、今年▲0.3%⇒▲0.5%、来年+1.3%⇒+0.9%と下方修正。 ●一方、インフレ率は今年+5.8%⇒+6.3%、来年+2.6%⇒3.5%とかなりの上方修正。 ●結果として、GDPとインフレの両面でドイツはユーロ圏の足を引っ張っている格好 ●他機関比、インフレ予想が特に悲観的(かなり高め) ●ドイツの過剰貯蓄(緑)はまだ残っていそう(消費大好き米国では真っ先に使い切られている模様) ●貿易量(黄)と先進国の鉱工業生産(青)のモメンタム…
note.com <Japanese> 8月の毎月勤労統計によると、日本の名目賃金(現金給与総額、残業代やボーナスまで含む)は前年同月比+1.1%と弱含みで推移しており、インフレを差し引いた実質賃金は▲2.5%とまだマイナスです。ドイツでも高いインフレのせいで実質賃金のマイナスが続いていましたが、直近第2四半期(4-6月期)の名目賃金は前年同期比+6.6%まで急上昇したため、ついにインフレを追い抜き、実質賃金は+0.1%とプラスに転じています。 OECDのデータによると、一人の労働者が1時間あたりに生み出す実質GDP(2022年/ドルベース)は、日本の48.0ドルに対して、ドイツは68.6ドル…
20231006 昨年のドイツ旅行バス客数、まだコロナ前の半分どまり
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/10/PD23_398_461.html 今朝ドイツ連邦統計局から発表された、2022年の旅行バス(近距離・長距離とも定期運航分を除く、遠足旅行、休暇旅行、貸切バス旅行など)のデータが興味深かったので以下ご紹介します。 2022年の旅客数は3,700万人と、コロナ前(2019年)の7,700万人から半減(-52%)も、2021 年の1,800 万人からは倍増。 運営会社数は、2,970社(2019年)から2,720社(2022年)に8%減少。 乗客1人当たりの平均移動距離は(20…
www.ostbeauftragter.de 1997年以来、毎年ドイツ政府がドイツ統一記念日前に議会に報告するために取りまとめている「ドイツ統一の現状」(2023年版、上リンク)から、興味深いデータをピックアップしてご紹介します。 ●タイトル:「東西統一は完了したが、まだ完全でない」(サブテーマ:「都市と田舎」)。 ●東独の給与水準は1999年西の43%(C)から、2022年には79%まで改善。 同期間の可処分所得と一人当たりGDPは、6割(1991 年) から9割(2022年) 改善。 ●2023年7月1日の年金調整により、東西の年金格差解消はほぼ達成。 ●高級官僚に占める東独出身者(含む…
先週金曜にドイツ連邦雇用庁から9月のドイツ雇用統計が発表されていますので(著変なく小じっかりしているのでやや簡潔に)ポイントを整理しておきます。 ●市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は、10千人とほぼ市場予想(+15千人)沿った内容でした。 ●失業率は5.7%と(引き続き低水準で)横ばい。 ●就業者数(1か月遅れなので8月分まで)は、コンスタントな上昇が続いており、6月前月比+2千人、7月+17千人、8月+35千人(現在45.92百万人)と極めて堅調かつ加速気味です。 ●しかし、雇用の先行指標ハードデータである求人数(残高:上線)はじりじりと減少が続いています。求人の新規流入(下線…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/894118/6c67bcce826d5ab16a837bbea31a1aa9/mL/zahlungsverhalten-in-deutschland-2021-data.pdf <Japanese> ドイツ連銀のデータによると、ドイツ人は財布の中に現金を100ユーロ入れていて、手元資金が40ユーロくらいになったら、ATMに行って(年30回)、1回あたり230ユーロを引き出しているそうです。また、支払時における決済手段のシェアは、件数ベースで①現金58%、②デビットカード(バンクカードがそのまま使える)23%、③ク…
https://www.bundesbank.de/en/press/press-releases/payment-behaviour-in-germany-in-2021-894120 ドイツ連銀の「ドイツ人の決済における振舞い(2021年)」というレポートがなかなか興味深い(例えば上図のように「平均的ドイツ人は財布の中に100ユーロくらい入れている」など)ので、そのエッセンスを以下ご紹介します。 ●個人情報保護に極めてうるさいドイツ人は今でも現金を多用(頻度で6割、金額で3割)。 ●小額なほど現金で支払い ●コロナを機に、さすがに現金利用はやや減少し、オンラインショッピングが増加 ●現金の…
https://gemeinschaftsdiagnose.de/wp-content/uploads/2023/09/GD-2023-2_Langfassung_unkorrigiert_WEB.pdf 本日、ドイツ主要5経済研究機関(5大研:ベルリン、ifo、キール、エッセン、ハレ)の秋季合同経済予測が発表されました(上表緑枠)ので、そのエッセンスをご紹介します。 今年の実質GDP着地予想は、内外大手機関が公式発表している中で最も悲観的な▲0.6%に大幅下方修正(前回予測+0.3%)。 この下方修正最大の理由は、鉱工業生産と個人消費の回復後ずれ。 来年は+1.3%成長と比較的強めの予想。イ…
https://www.ehi.org/produkt/poster-e-commerce-markt-deutschland-2023-pdf/ EHI小売研究所から上記レポート(有料)が発表され、その概要(一部)が無料で公開されていますので、そのエッセンスをご紹介します。 ●オンラインショップ売上推移(10億EUR)~昨年久々の前年比マイナス 青:今回調査対象の上位1,000社 濃いグレー:ドイツ小売業協会(HDE) 薄いグレー:Eコマース協会 (筆者注:足元小売全体の約2割がオンラインで、ネット利用者の約9割が利用して います) ●業種別シェア:総合(アマゾン、オットーなど)30.4%、…
20230927 ドイツ経済省のGDPナウキャスト、Q3前期比▲1.1%/Q4+0.1%
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2023/10/11-konjunktur-bip-nowcast.html 先ほどドイツ経済省のGDPナウキャストの今月分が出たのですが、第3四半期の実質GDP予想は、前期比▲1.1%、第4四半期は+0.1%と非常に弱い組み合わせとなっていました。 もし本当にそのような軌道になれば、今年通年の着地は▲0.76%となり。。。 現時点で一番弱い予測(エッセン研:RWIの▲0.6%)をも下回ることになります。 ドイツ連銀の9月月報でも「Q3のマイナスはやむなし…
https://www.bundesbank.de/de/statistiken/banken-und-andere-finanzielle-unternehmen/-/banken-und-andere-finanzielle-unternehmen-773200 ドイツ連銀のデータベースが2022年分まで更新されたので、ユーロ導入(1999年)以降のドイツ銀行業界関連主要データ(グラフ)を以下ご紹介します。 ●ドイツ銀行業界の構造不況/リストラが続くなか、銀行数と支店数は減少継続。 デジタル化で支店数の減少は今後加速見込み。 ●長短金利低下トレンドの中でROEは切り下がり、利ザヤは低下継続…
本日ドイツ銀行協会が経済予測をアップデートしました(上図左)のでそのエッセンスを以下ご紹介します。 このドイツ銀行協会の経済予測は半年毎に実施され、経済・金融政策委員会のメンバーである民間銀行のチーフエコノミスト15人の分析をベースとするもの。 タイトルは「ドイツ経済は弱い局面」。 世界経済の低迷が続いていることもあり、ドイツ経済が今後数ヶ月で回復軌道に乗る可能性は低く、今年下半期のドイツの実質GDPは若干のマイナスを予想。 その結果、今年通年のGDPの着地は▲0.5%となる(筆者注:9月に入ってから経済予測を発表した内外10機関の単純平均値は▲0.45%~上表緑色部分ご参照)。 景気が徐々に…
●9月ifo景況指数(上図)は市場予想(上表左)ほどには落ち込まなかったものの、ドイツ経済反転上昇の兆しが見られない弱い内容となっていました。 景気サイクル図的に見ても、リセッション領域(第3象限)の奥深くに入り込んでいます。さすがにそろそろこの辺が底かも知れない、くらいの期待は持てるかもませんが、改善の具体的手応えは全く見つからない感じです。 業種別で今なお好調(赤色)と言えるのは、WZ 79:旅行関連と S:その他サービス(恐らくIT関連のメンテやエステ類など)の二つだけとなっています。 ●9月PMI速報は予想よりはややマシだったものの、Q3の前期比GDPはマイナス(▲1%程度か)となるこ…
20230924 いよいよ週休3日制獲得に動き始めたIGメタル
https://www.igmetall.de/tarif/tarifrunden/eisen-und-stahl/forderung-stahltarifrunde-2023 北西・東部地区(ベルリン、NRW州など対象8万人)のIGメタルはいよいよ週休3日制の獲得に向けて動き始めました。来年以降、製造業全体に同様の動きが広がる可能性が高いので、当労使交渉(11月中旬交渉開始/現行協定期限11月末)の行方は注視しておく価値があります。 今回のIGメタルの要求・主張は以下の通りです。 賃上げとしては、期間1年+8.5%を要求。 インフレで労働者の生活が苦しくなる一方で、鉄鋼業界の売上は急増してお…
20230922 ハンデルスブラット研(HRI)、来年わずか+0.3%の成長予想
https://www.handelsblatt.com/politik/konjunktur/hri-konjunkturprognose-nullwachstum-wird-die-neue-normalitaet/29403798.html 独経済専門日刊紙ハンデルスブラットの経済研究所HRIがドイツ経済見通しをアップデートしましたが、上図橙棒の通り、来年のGDP予測がかなり弱気なものになっています(5大研が+0.9~1.4%であるのに対し、HRIはわずか+0.3%の予測)。 もともとこのHRIは突出して悲観的なことが多いので、5大研と同列に見ることは適切ではありませんが、今般の景気低迷…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/915916/f62f192dfc5d6ebac39e415e41640ea1/mL/2023-09-wirtschaftsstandort-data.pdf ドイツ連銀が9月月報内の特別論文の中で「ドイツの産業立地」について分析し、政策提言をまとめていますので、以下そのエッセンスをご紹介します。 ドイツの産業立地が危機にさらされており、迅速な対応が必要。 主な逆風は、①人口動態、②対中依存、③エネルギーの3つ。 ①人口動態:進捗する少子高齢化が、熟練労働者の獲得競争を激化させ、成長見通しを暗くしている。 ②対中依…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/915924/d77f5fd7c20e003e02d69138605ff156/mL/2023-09-ertragslage-data.pdf ドイツ連銀9月月報恒例の「ドイツ銀行業界収益動向」に関する分析結果(前年分)がリリースされましたので、そのエッセンスを以下ご紹介します。 ドイツの銀行の税前利益は274億ユーロ(前年比+1.4%)と長期平均を上回ったが、3メガの収益大幅黒字化(一番上の青)の影響(ドイツ銀行の)税効果評価替えなど)が大きく、実際には多くの銀行が減益。 2022年の急激な金利上昇はネット金利収…
https://www.bundesbank.de/resource/blob/915832/14e2df28b507f7fd6fa805aade66e915/mL/2023-09-monatsbericht-data.pdf ドイツ連銀9月月報がリリースされたので、経済分析部分のエッセンスを以下ご紹介します(下添のドイツ経済省月報と併せてチェックすることをお勧めします)。 ドイツ経済の見通しはますます不透明になってきており、夏場に景気回復の兆しは見られなかった。 2023年第3四半期実質GDPは前期比ややマイナスとなる可能性が高い。 物価上昇がやや鈍化し、賃金上昇も力強く、労働市場の状況も良…
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/09/PD23_369_3111.html 住宅着工許可件数は、上図の通り急減を続けており、7月は21千件:前年同月比▲31.5%、年初来累計ベースでは前年同月比▲27.8%と3割ダウンのペースで推移しています。今年の住宅販売件数は前年比4割減くらいで着地すると予想されています。 8月(直近)の建設業(住宅+商業用+土木)におけるifo景況指数のは以下の通り、総合(赤)、現況(黒)、期待(青)共、深くマイナス圏+一段と悪化傾向にあります。 ifo Geschäftsklimain…
20230915 ドイツ化学業界、今年生産▲8%/売上▲14%予想
https://www.vci.de/ergaenzende-downloads/qb-2-2023.pdf 昨日ドイツ化学業界(VCI)の四半期報が出ていますので、そのエッセンスを簡潔にご紹介します。 化学・製薬業界は2023年第2四半期も不振継続。下表太字上から、生産、価格、売上、稼働率すべての指標が低下。 設備稼働率推移グラフ~平時(橙)を大きく下回る状況が長期化。 ドイツ第3の産業部門である化学・製薬企業の景況感は暗い(青:現状/橙:期待)。まだまだ需要が弱く、回復への期待は先送りせざるを得ない状況。 今年の見通し:VCIは今年の生産が8%減少すると予想。価格下落に伴い、売上も今年14…
https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Pressemitteilungen/Wirtschaftliche-Lage/2023/20230913-die-wirtschaftliche-lage-in-deutschland-im-september-2023.html 本日ドイツ経済省から発表された9月経済月報のエッセンスは以下の通りです(月央の当該月報と下旬のドイツ連銀月報を併せてフォローすれば、ドイツ経済を読み間違えることはありません)。 世界経済の低迷継続(特に中国)で外需は冴えないものの、国内は実質賃金プラ転(インフレ↓+賃金↑)による個人消費底打ちと投資…
https://www.mckinsey.de/~/media/mckinsey/locations/europe%20and%20middle%20east/deutschland/publikationen/2023-09-11%20german%20banking%20report%202023/german%20banking%20report%202023.pdf マッキンゼーからドイツ銀行業界について分析したレポート(「ドイツ銀行業界2023」)が発表されていましたので、そのエッセンスをご紹介します(英文ですのでご興味のある方はリンク先も併せてご覧ください)。 ●ドイツ銀行セクター…
www.diw.de ドイツ5大研の一角でショルツ政権に近いベルリン研(DIW)の経済予測アップデートが先週末発表されましたので、そのエッセンスをご紹介します。 インフレによる個人消費低迷と中国経済不振による輸出低迷のため、ドイツの景気回復は遅れてしまいそう(前回比下方修正)。 第1四半期のマイナスが回復の遅れで補い切れず、通年▲0.4%で着地見込み。但し、来年・再来年と+1.2%の成長を見込む。 今後のインフレ低下と賃金大幅上昇が、家計の購買意欲を著しく向上させ、ドイツ経済回復のキックオフとなりそう。 但し、インフレはまだまだ高い上、、暖房法をめぐる混迷など政治的不透明感が強いため、購入意欲…
20230908 ハレ研(IWH)ドイツ経済予測アップデート
https://www.iwh-halle.de/presse/pressemitteilungen/detail/konjunktur-aktuell-deutschland-weiter-im-abschwung/ ドイツ5大研の一角かつ唯一の旧東独メンバーであるハレ研(IWH)がドイツ経済見通しをアップデートしました。ポイントは以下の通りです: ドイツでは、高インフレ、金利上昇、外需低迷、家計・企業の不確実性が経済を圧迫。 欧州経済にとってはロシア侵略戦争を巡る不確実性や中国経済低迷も逆風。 ドイツの実質GDPは今年▲0.5%、来年+0.9%を予想(共に低め)。 製造業はずっとエネルギー…
https://www.ifo.de/en/facts/2023-09-07/ifo-economic-forecast-autumn-2023-german-economy-continues-cool 先ほどifo研がドイツ経済予測をアップデートしました。今年の成長率予想は▲0.4%で据え置き、インフレは2025年に2%割れ、となっています。ポイントは以下の通り: ドイツの雇用は低迷期間中ほとんど減らないが、来年以降回復期に入っても人口動態上の制約で増えない。 2025年以降、労働力プールが縮小するため、潜在成長率は20年代後半には+0.5%程度にまで低下する見込み。 インフレ率は今年の6…
ドイツのリセッション懸念が高まっている折しも、7月(第3四半期の最初の月)の製造業受注が前月比▲11.7%、鉱工業生産が前月比▲0.8%と立て続けに市場予想比弱く出たため、不安が一層掻き立てられています。 生産、新規受注、受注残の水準(インデックス)をグラフにしても、このようにややわかりづらい(特に新規受注は航空機の大口受注でブレている)のですが。。。 短期トレンドを炙り出すために、3か月移動平均ベースでグラフにしてみると、 新規受注(青):横ばい(下向きではない) 生産(緑) :やや弱含み推移 受注残(赤) :減少しつつもかなりの高水準(月商の約7か月分)を維持 ということが判ります。 冒頭…
20230906 キール研が今年のドイツ成長率▲0.5%に下方修正
www.ifw-kiel.de キール世界経済研究所(IfW)は本日、今年のドイツ経済成長率予測を▲0.5%に下方修正(前回6月は▲0.3%を予測)しました(冒頭グラフ)。 今年のGDPデフレータが7.9%に跳ね上がるので、個人消費も鉱工業生産も建設もこれではさすがに抑圧されてしまうという見立てです。 昨冬のガス不足危機は何とか乗り切ったものの、割高なエネルギーコストがボディーブローのように効いてきています。 但し、雇用は堅調、財政は健全、経常収支は大幅黒字であり、一般的な「不況」のイメージからはかけ離れています(マイナス成長はひとえにインフレのせい)。 キール研を含め、▲0.5%の予想は3機…
上記の通り、今でも名実ともにメッセ大国と言うべきドイツではありますが、コロナ後は、①対顧コミュニケーションのオンラインシフト、②出展者の産業の衰退、③環境対策、などで苦悩し始めています。 出展者達は、高いコストをかけて製品をリアルに展示する意味が本当にあるのか/オンラインベースで顧客にアプローチした方が安上がりなのではないか、と自問し続けており、メッセへの出展にますます慎重になっている。 世界最大のハノーファーメッセの目玉であったコンピュータ見本市Cebitが、出展者不足のため、既にコロナ前の2018年を前に完全終了となったのはドイツ人にとって大きなショックだった。 こういった見直しの動きは、…
ベルリンがワシントンの指示する政策を支持することは、自国の経済を危うくするとセビム・ダグデレン議員は言う。 RT 2023年9月2日左翼党(ディ・リンケ)のセビム・ダグデレン議員は、西側の制裁はロシアを不安定化させることに失敗し、ドイツを含む制裁を課した国々に裏目に出ていると警告した。ベルリン・ツァイトゥング紙に金曜日に掲載された論説で、同議員は、ロシア経済は規制をうまく乗り切り、新しい経済現実に着実に適応していると主張した。「ロシアを破滅させるために、国際法に違反する懲罰的措置が長期的な効果をもたらすことが期待された。しかし、現実は違う。ロシアの自動車産業でさえ回復しつつある。ロシアを去った…
先ほどドイツ連邦雇用庁から8月のドイツ雇用統計が発表されました(米雇用統計と違って賃金データは含まれていないので、インフレに対する直接的影響は読み取れないという点についてはご了承ください)。 ●市場が最も注目する季節調整後失業者数前月比増減は18千人と市場予想(+10~15千人)より気持ち弱め(失業者数多目)の内容でした。 ●連邦雇用庁は「景気低迷で雇用も足踏み」とややネガティブ目に総括しています。 景気悪化が続く中、人手不足のため積極的人減らしには慎重で、就業者の減少は起こりにくいものの、失業者数に上昇圧力がかかり続けているという微妙な状態が続いています。 ●失業率は5.7%と、前月の予想外…
https://tradingeconomics.com/germany/retail-sales-annual 先ほどドイツ連邦統計局から7月小売売上(ドイツの個人消費の約1/3、GDPの2割弱を占める)が発表され、実質ベース(インフレ分差し引き後)で前年同月比▲2.2%と、市場予想(▲1%前後)比かなり弱い内容となっていました(上図)。 名目ベース(薄赤)の伸びが最近頭打ちになり、6%超の水準からなかなか下がらないインフレに食われて(2線の差)実質ベースも(赤)軟調な推移となっています。 <HICP前年同月比は+6.4%と最近下げ渋っています。> <ECBのインフレ目標は年2%ですから、H…
20230830 経営者系シンクタンクIWによるドイツ経済診断
www.iwkoeln.de ドイツ経済の見通し発表は、3/6/9/12月や4/10月となっていることが多いので、8月はとかく品薄になりがちです。 そんな中、昨日経営者系シンクタンクのケルン研(IW)がドイツ経済の分析コメント(予測値を一覧表にしたような経済予測ではありません)を発表しましたので、そのエッセンスを簡単にご紹介します。 ドイツ経済は各種のショック(地経学的(特に対中露)軋み+持続的なコスト上昇+世界需要の低迷など)に苦しめられている。これらのショックの中にはこれからもずっと続く部分もある。 特に(エネルギーの)コスト上昇は、ドイツ製造業の国際競争力を著しく低下させている。 今年の…
www.deutschebahn.com ドイツ鉄道の労働組合(EVG、対象18万人)は、ドイツ鉄道との賃金団体交渉における仲裁人の決定を受け入れることを決定しました。 労働協約の主なポイントは次のとおりです。 2023年10月:2,850ユーロのインフレ補償一時金支払い 2023年12月:月200ユーロの昇給開始 2024年8月:月210ユーロの追加昇給開始 協定期間:25ヶ月(2023年3月1日~2025年3月31日) 2年以上にわたる段階的な賃上げですので、日本の春闘のように「年●%のベアで妥結」という単純な計算はできませんが、ドイツ鉄道の年棒水準は 運転手 :44,000~52,500…