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結果的に、というか途中から意識的に、という感じか「書く」をテーマにした3篇となりました。2021年09月04日 「 感覚に感性に 素直に忠実に 間隔が空こうとも、完成が遠退こうとも。 」2021年09月15日「 Write Light Holic - 微笑みの頬つねり - 」2021年10月10日
新雪のとしのはじめにかぜが吹く 荒れる あばれるつちぼこりまいあがるなみだ雨 雪どけ水よ それすらもきっと きっと前進の力にかえて この空をおもいきり舞い踊ってつらい雨さえなつかしいわと わらいあえるあしたでありたい
★ 掲載15句 中日新聞 「 時事川柳・テーマ川柳 」 2012~2022年
何でも再利用してなんぼ。これまでに中日新聞「時事川柳」&「テーマ川柳」欄に投稿して掲載された15句をご紹介します!2012年3月素人が 防衛相に なれる国2014年7月暴挙には 選挙でお灸 すえましょう2014年8月民意から どん
たしかにそうかもしれないよのなかだけど せかいをうつす水晶はあなたのこころのありようだから だからぐいとまえをまけぬように だからいつもいのちにもいつでもきぼうの きらめきをもって
毎月29日はブックの日📚なので行ってきた🚙🚙500円以上の買い物で300円引きのクーポン券が配布されるのでこれはかなりお得なので行かないと損をした気分になる今回も迷いに迷ってこの4冊に絞った💦💦■ドストエフスキー/カラマーゾフの兄弟(下)■筒井康隆/アホの壁■ユリイカ~村上春樹特集~■町田康/テースト・オブ・苦虫(4)まず最初に向かうゾーンは文庫本の100円棚の(ま)行📚目当ては町田康さんの本チェックから入り...
大寒にはいって、いよいよ1年でもっとも寒い時期です。嫌じゃ嫌じゃ。 朝、車に乗ろうとするとフロントガラスに氷が張っていることも多くなります。溶かそうと思って熱…
日常のちりばめられたおほしのような きらめくありがたさがまぶしくてならぬ よぞらにちんちか みちしるべ こっちだよこっちだよと ほほえんでてまねきする
ねこが毛を もこっと立てたらふゆまるでぬいぐるみかおまでころっころ もこっとやわらかふわっとあったか いっしょにぎゅうっとくっつきたい ふゆのねこ いやんちかづかんといてっていうてはる
たたみあたらしくするまえの いれかえるまえのがらんどう まるですっぱだかきかざらぬここちよさ まあたらしくなるまえに ぴしゃんとこころ 原点にもどしとくの
「かたわれ」 満ちているのに欠けている欠けているのに満ちるのもの 満ちているのに欠けて見えるもの欠けて見えるのに満たされるもの 本当はあるのに見えないもの…
去年はTwitterで二冊選んでツイートしましたが、今年は記事の方にも載せてみることにします。 一年間読んだ本の中から、特に印象深かった本を。 去年はこの二冊を選びました。・「13歳から知っておきたいLGBT+」・「世界でいちばん幸せな男 101歳、アウシュヴィッツ生存者が語る美しい人生の見つけ方」 今年は三冊です。・「〈叱る依存〉がとまらない」・「イスラームから見た「世界史」」・「情報を正しく選択するための認知バイアス事典」 面白かった(エンタメ的な意味)よりも、勉強になったとか興味深かったの方を重視してチョイスしました。ちなみに、今、年末年始用に借りてきた本のラスト一冊の半分あたりを読んで…
1、作品の概要 小川洋子、8作目の中編。 1994年10月に刊行された。 表題の『薬指の標本』と『六角形の小部屋』の2編の中編が収録されている。 『薬指の標本』は2005年にフランスで映画化された。 2、あらすじ 『薬指の標本』 工場でサイダーを作る仕事をしていた「わたし」は、左手の薬指の先を機械に挟まれて失ってしまい、標本室で働くようになった。そこは様々な品物が持ち込まれて瓶詰めの標本にされる不思議な場所だった。 「わたし」は標本室の主の弟子丸氏に靴をプレゼントをされて、恋人のような奇妙な関係になっていくが・・・。 『六角形の小部屋』 スポーツクラブで偶然出会ったミドリさんのあとを追いかけて…
―借りてきた本リスト― ・「イスラームから見た「世界史」」タミム・アンサーリー、著 小沢千重子、訳 紀伊國屋書店・「亜鉛の少年たち: アフガン帰還兵の証言 増補版」スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著 奈倉有里訳 岩波書店・「情報を正しく選択するための認知バイアス事典」情報文化研究所、著 高橋昌一郎、監修 フォレスト出版・「角野栄子の毎日いろいろ」角野栄子 KADOKAWA・「牧師が語る仏法の師」ロレンス・E・カーター、著 広田明美、訳 第三文明社・「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 公立高校教師YouTuberが書いた 宗教編」山崎圭一 SBクリエイティブ ーこれから読む本ー ・「一…
晴明とは、陰陽師界のスーパースター・安倍晴明のことです。実際の陰陽道は学問的なものだったのでしょうが、物語に登場する陰陽師は超能力者です。映画『陰陽師』では安…
お立ち寄り下さり、ありがとうございます。 先日の「キーンさんの足跡を訪ねる旅」。キーンさんの自宅があった東京都北区にはキーンさんを偲ぶ場所がたくさんあるのです…
【本】川端康成『眠れる美女』~眠れる美女達の身体を通して浮かび立つ夢幻と破滅。魔界への誘い~
1、作品の概要 1961年に刊行された後期の中編作品。 第16回毎日出版文化賞を受賞。 日本で2度、海外で3度映画化された。 「男でなくなった」老人限定で、薬で深く眠らされた娘と添い寝できる秘密の家の物語。 川端康成のフェティシズムや、耽美、夢想などが感じられる。 2、あらすじ 木賀老人から、「男でなくなった老人」に限定薬で深く眠らされた全裸の若い女性と1夜添い寝をできる秘密の家を紹介される江口。 他の老人たちと違って男としての機能を失っていない江口だったが、「眠れる美女」と過ごす一夜に魅了されて足繁く通いつめるようになる。 5夜で6人の美女の匂いや、肌触り、体の美しさを愛でるうちにかなしさや…
【知的教養を俳句に詠み込む】文学史や文学者に関する知識を俳句に反映させる
勉強句会 1位 冬怒涛 冬怒涛秋元不死男の句碑へかな(ふゆどとうあきもとふじおのくひへかな) 冬の激しく冷たい高波 (冬の季語 )が次々と打ち寄せて来る。岸辺へ岸辺へと繰り返し寄せる波の先を眺めると、そこには秋元不死男の句碑が立っているで
生きざまは死にざま この一生をこのみちを坂ゆくあしなみみるけしき 死にざまは生きざま そうまとうをみるならばああ、よかったと笑んでゆきたい かくあるらむとゆくわたし わたしのいのちのつきるまで
ほうきはそうじきにしごとをとられた タイプライターはパソコンといんさつきにしごとをとられた そうして文明は進化する わたしはこわい いつかにんげんもだあれかさんに しごとをとられそうで
評価:55点/作者:村上春樹/ジャンル:文学/出版:1980年 『1973年のピンボール』は、『風の歌を聴け』に続く、村上春樹の長編第二作目である。 19…
今回は当たり前のルールかもしれませんが、なぜそうなのかを知ることによって、ルールの理解度も格段と高いものになります! 第420回 本句会 1位 猪鍋ともぼたん鍋とも 花札の付き始めたり薬喰 【鑑賞】 冬に備える精を養うために、一泊旅行に出
ありがとうとうれしいなをつたえようぼくのこころそらへとばせ おもっていてもつたえないのはゼロといっしょだから ありがとうとうれしいなを紙ヒコーキにのせて いまのじだいはんたいがわのくにともつながるから いまのじだいとなりのおくさんにすらつたわらないから
こんにちは京都の朗読家 馬場精子です昨日はお昼はは朗読教室そして夜はオンラインレッスンでした本の整理をしていますこれは懐かしいですねアルベール・カミュ作『誤解…
ポジティブポエム49篇公開中です!( 2015年6月17日~2019年4月28日 )-------------------------------------------------------------------------★ ポジティブポエム7篇 ( 2020~2021 )
詩展2021 ~ ポエトリーオンライン 2012Dive 2016Drive 2017Dove ~
詩展2021 ~ ポエトリーオンライン 2012Dive 2016Drive 2017Dove ~ 過去3回(2012年・2016年・2017年)ギャラリーで詩や詩集を展示した個展シリーズ。今回「詩展2021」と銘打って関連リンクを一気にご紹介させて頂きます。そうです。ただ過去リンクをまとめただけ
ポジティブポエム7篇公開中です!( 2020年8月25日~2021年10月10日 )2020年08月25日 21:22「 渇き咲き 叫び裂く 」2020年09月28日 07:52「 執筆欲 」2020年10月10日 19:44「 一筆入力 一篇上がり 」2021年03月08日 19:30「 レスポンスルーオーシャン 」2021
恋愛詩7篇&エロ川柳 入選・奨励賞・佳作 ( 2011~2021 )
2020年06月26日野心のエロス 欲心のタナトス 腐心のエートス ~ エロスパンデミックダンス / タナトスギミックコスモス / エートスサイケデリックカオス ~2020年09月13日ツナのおかげ 【参考】RADWIMPS「夏のせい」2020年12月14日第47回 岐阜市文芸祭 一般の部 歌詞
「創造」「創作」をテーマ・エッセンス・スパイスにした10篇の詩。
2022年04月18日 良い詩を書かなくていい、書けなくてもいい。2020年09月28日執筆欲2019年04月28日継続の方舟に持続の揺り籠 ~ Repetition Inspiration Reputation ~2019年01月29日OK Name your price GO2017年11月30日一瞬で書ける一行 一生で駆ける一行2016年07月
【本】村上春樹『ノルウェイの森』~どんなに深い哀しみも、やがて全ては通り過ぎて消え去っていく~
1、作品の概要 1987年に発表された村上春樹5作目の長編小説。 短編『螢・納屋を焼く・その他の短編』に収録の『螢』を基にして書かれた作品。 書き下ろしで上下巻2冊で刊行された。 上下巻合わせて1000万部を超えるベストセラー作品になり、村上春樹の作品としても最大の発行部数となった。 2010年に松山ケンイチ主演で映画化された。 ノルウェイの森 上 (講談社文庫) 作者:村上 春樹 発売日: 2004/09/15 メディア: ペーパーバック ノルウェイの森 下 (講談社文庫) 作者:村上 春樹 発売日: 2004/09/15 メディア: ペーパーバック hiro0706chang.hatena…
La Possiblite d’une Ile(ある島の可能性) / Michel Houellbecq
この作品で彼は新たな描写を試みていると思う。過度な個人主義、安全偏向思考、幸せの土台へ執着の行く末を読者に問い…
【本】中村文則、祝☆作家デビュー20周年!!ついでに僕のブログも祝☆400記事!!いやー、めでたい!!
☆大好きな作家・中村文則が作家デビュー20周年!!めでたい!!☆ はい、ってなわけで中村文則がデビュー20周年とのことです!! めでてぇ!! 今日は芥川賞・直木賞の発表ですが、そんなの関係ねぇとばかりに中村文則ネタ。 重大事件が起こった日も他局が特番を放送する中でブレずにアニメとか放映してるテレ東のごとく、僕も自分の道を歩みます。 と言いつつ、高瀬隼子さんの『おいしいごはんが食べられますように』が芥川賞が受賞したようですが、愛媛県出身の方ということでひそかに祝福したいですね!! 愛媛の誇り!! アオアシのアニメ化といい、愛媛に波が来てますね。 ちなみに僕らの中村文則も第4作『土の中の子供』で芥…
あめあがりのことりのうたやあさひのいるまどはまるできぼうまるではじまりおわりのあとのスタートダッシュよーい、どんではしるまえ ほっぺたぺちんとたたくきあいだ
共闘とは「誰」とするものか〜前田珈乱詩集『氷点より深く』を読んで〜
あらゆる面で大変お世話になっている、私の兄弟子・前田珈乱氏が、第二詩集『氷点より深く』を上梓された。私たちの師・平居謙氏の批評を先に拝読していたがために、その印象・解釈を前提として読み進めたことをご承知おきいただきたい。と、いうわけで、先にこちらの平居氏の批評をお読みください。以後その前提で話を進めます。月刊 新次元 60号一言で言うと、この詩集、大絶賛である。前田氏に便箋4枚に渡る感想を送り付けずにはいられなかったほど、私にとって、めちゃくちゃに刺さった詩集である。自分の感覚で話して恐縮だが、これは仕事で立ち直れないほどの大きな挫折を経験したとき、ふと坂口安吾の堕落論を読んだ時の衝撃にかなり
どうもお久しぶりです。最近は日本語教師として、まあなんとかやっております。突然だけど、私は最近貯金をしている。理由は二つで一つ。ようは文学に関して、やりたいことが多すぎる。*第二詩集の上梓これはもう、とてもやりたい。ありがたいことに、すでに第二詩集の話はずいぶん前からあり、今は月に2、3作くらいのペースで作品も書き溜めている。表題作も決めてある。第一詩集の時みたいな、長編の物語詩の予定だ。次号のLyric Jungleの小詩集枠で掲載していただけたら嬉しいなーと思っている。だからまあ、もう、お金だよね……。これが第一の理由。*文学部への学士入学最近浮上して来たのがこれ。いや、実はずっと前からや
いや、もう第一弾はこれしかないでしょう。という堕落論。持ちすぎ。よく、堕落論と検索すると「堕落論 わかりやすく」「堕落論 あらすじ」などがサジェストされる。いやいや、これはそういう性質の作品じゃない。各自の思ったこと、直感的に我が身に重ねた気持ちが全てでしょ、と首を横に振った。と、いうわけで、いい機会なので堕落論、読み返してみたんだけど……あれ?これは確かに難しいな。初読の時、ビビビっときた。難しいとは一切思わなかった。その時の話をします。堕落論を初めて読んだ時、私は自分の人生において貫こうとしていた信念を挫かれたというタイミングだった。私は信念を持って福祉の仕事をしていたのだが、上と対立して
【はてなインターネット文学賞】「わたしとインターネット」~中田英寿と村上龍。インターネットに見た個人がメディアになる時代の予感~
はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」 ☆サッカー界のスーパースター・中田英寿VSマスコミ☆ 時は、1997年。 日本サッカーはジョホールバルにて、なんとかW杯の切符をもぎ取りました。 最終予選の途中での監督解任。 格下の相手に取りこぼしながら、なんとかグループ2位を確保。 ギリギリの状況でのイラン戦で延長までもつれこんでの3-2の勝利。 その歴史的な名勝負でピッチ上で最も輝いた選手は当時20歳だった中田英寿でした。 初めてのW杯出場。 突如現れた若きスーパースター。 ピッチ上で年上の選手たちにも物怖じせず指示して時には声を荒げる異端とも言える中田にメディアは食いつきました。 た…
1、作品の概要 2018年6月の『文學界』に掲載され、同年刊行された長編小説。 事故死した夫が全くの別人だった事件を通して、「愛とは何か?」を問うた作品。 2、あらすじ 次男の病死を契機に夫と別れて、長男と2人で郷里の宮崎県に戻った里枝は林業に携わる「谷口大祐」という男と知り合い愛し合うようになる。 やがて結婚した2人は新たに2人の間に生まれた長女の花と、前夫との間の子供の長男の悠人と4人で幸せに暮らしていた。 しかし、仕事中での事故で大祐が亡くなり、疎遠だった彼の兄から「この男は弟じゃない」 と告げられてからこれまで育んできた愛情と信頼が揺らぎ始める。 里枝は過去に離婚を担当していた弁護士・…
【本】村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』~死者とのダンス、自らの影法師と踊り続ける~
1、作品の概要 1988年に刊行された村上春樹6作目の長編小説。 上下巻で講談社より刊行された。 装丁は佐々木マキ。 『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』の「僕」が主人公の続編。 hiro0706chang.hatenablog.com hiro0706chang.hatenablog.com hiro0706chang.hatenablog.com 2、あらすじ 『羊をめぐる冒険』より4年半後。 雑誌のライターの仕事をしていた「僕」は妻も友達も失い空虚な日々を送っていたが、「いるかホテル」で誰かが自分のために泣いていると感じていた。 仕事で訪れた札幌の街、懐かしい「い…
にぎやかにあかるくけいかいなリズムでわらうこえ あははあはははととおりすぎるこえ それだけでわたしのこころにお日がさして れんげのおはながにこっとさくよ
国書刊行会「創業50周年記念フェア」と「創業50周年記念小冊子」、素敵な本のこと。
本の詳細 題名 : 白い果実 著者 : ジェフリー・フォード,山尾悠子,金原瑞人,谷垣暁美 出版社 : 国書刊行会 発売日 : 2004/08/01 備考 : 装画/松崎滋 ブックデザイン/柳川貴代 1998年度世界幻想文学大賞・長編部門受賞作 悪夢のような理想形態都市を支配する独裁者の命令を受け、観相官クレイは盗まれた奇跡の白い果実を捜すため属領アナマソビアへと赴く。待ち受けるものは青い鉱...
前回は『大鏡』から、大井川で舟遊びをした話(三舟の才)を取り上げました。今回はそれより100年近く前のお話で、同じ大井川への行楽を話題にしたものです。 宇多法…
【本】村上龍『69 sixty nine』~おバカでポップな青春小説!!~
1、作品の概要 1987年に集英社から出版された村上龍の7作目の長編小説。 1969年の長崎を舞台に、自伝小説的に自身の高校時代をコミカルに描いている。 「MORE」に連載されていた。 2004年に脚本・宮藤官九郎、主演・妻夫木聡で映画化された。 2、あらすじ 長崎県佐世保の北高生・ケンは女にモテたいという理由で、親友のアダマ、岩瀬ら数人と高校をゲリラ的にバリケード封鎖するが、バレて停学処分を受けてしまう。 しかし、この事件をキッカケに天使のように綺麗な松井和子と仲良くなることができて有頂天なケンはフェスティバルを企画する。 音楽、映画、演劇などで構成されるフェスティバルを開催されるために奮闘…
Extension Du Domaine De La Lutte / Michel Houellbecq
「神が望まれたのは不平等であって、不当ではない」とある。神の摂理にこれほど通じているこの人物はどこの誰だろうか…
【本】平野啓一郎『高瀬川』~茫漠とした宇宙空間ですれ違うふたつの彗星~
1、作品の概要 『高瀬川』は、2003年に刊行された平野啓一郎の短編集。 『清水』『高瀬川』『追憶』『氷塊』の4篇からなる。 初期のロマンティック3部作『日蝕』『一月物語』『葬送』に続く第2期「短篇・実験期」の第1作となった作品で、デビュー以来初めて現代を舞台とした物語が描かれた。 2、あらすじ ①清水 白昼夢のような夢幻の世界で、実存と虚無の境目を見失い清水のしたたる音。 死は音を立てて私に近づいてくる。 ②高瀬川 小説家の大野はライターの裕美子とうらぶれたラブホテルで一夜を共にする。 彼女の打ち明け話を聞いた大野は・・・。 ③追憶 在りし日の記憶をとどめる魂と、その追憶。 散乱した言葉たち…
【本】宇佐見りん『推し、燃ゆ』~神なきこの国で、偶像に救いを求めた、ある少女の物語~
1、作品の概要 2020年9月に発売された宇佐見りんの中編小説。 『かか』に続く第2作目。 2020年7月に発売された『文藝』秋季号にて掲載された。 第164回芥川賞受賞。 2021年本屋大賞ノミネート作品。 2、あらすじ 女子高生のあかりは、学校でも家庭でもバイト先でもうまくいかず、推しのアイドル・上野真幸を推すことが彼女の生きがいだった。 ある日、推しがファンを殴ったことで炎上し、推しの芸能活動も、あかりの日常も歯車が狂い始める。 それでも全身全霊をかけて全てを推しに注ぎ込むあかりだったが・・・。 推し、燃ゆ 作者:宇佐見りん 河出書房新社 Amazon 3、この作品に対する思い入れ、読ん…
1、作品の概要 『彼女たちの場合は』は、2019年に5月に刊行された江國香織の長編小説。 2022年4月に文庫化。 『小説すばる』2015年3月号~2018年7月号に連載された。 14歳と17歳の2人の日本人の少女が、両親に内緒で家を出てアメリカを旅する。 2、あらすじ 17歳の逸佳はアメリカに住む木坂家から留学先の学校に通っていたが、木坂家の長女で従姉妹の14歳の礼那と一緒にあてどない旅に出かける。 ニューヨークから西に向かって旅立った2人は、ボストン、メインビーチズ、マンチェスターを経て移動し続ける。 旅先で出会う優しい人たちや好ましくない人たち、奇妙な出来事や素晴らしい出来事は、2人に成…