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謎、憧れより香り高く1月14日誕生花シロスイセン白水仙睦月十四日、白水仙―orphic道ひとつ向こう、そこは知らない時間。「わぁ…」息呑んで甘い、冴えた芳香に浸される。頬ふれる冷気は肌を刺す、ときおり光る雪の風。踏みだす足元さくり霜か雪か、吐息まっ白に凍えて、それでも満ちる香は春だ。「ここだ、ね…」声こぼれる黎明、純白ゆれて薄闇きらめく。まだ明けきらない紫と薄紅の空、あわい闇の底あわだつ白い甘い芳香。ときおり雪ひるがえす花の丘稜、さくり、登山靴の底くずおれる霜が響く。誰もいない凍える風の道、静かで冷たくて、それでも花の白きらめいて記憶こぼれた。「…ワーズワースの天の川だね、お父さん…」ほら声になる、幼い日いくども朗読してくれたから。もう遠い遠い時間、けれど幸せの温もり今も響いてしまう。Whenallato...睦月十四日、白水仙―orphic
無垢よりも雪白、凛と、12月11日誕生花バラ白薔薇師走十一日、白薔薇―honorable真冬に咲いた花、そんなひとだ?「キレイ…」ほら、心零れてしまう声になる。その唇かすかな香り甘くて、深くて、秘密めくのに清々しい。そんなふうに想えてしまうのはたぶん、真白かがやく雪と花と、あの横顔。「…榊原のお嬢様、大学に入られたのだそうよ?あんなに上品な方なのに、」声どこからか聞こえる、たぶん茶席の漣だ。ほら幾つも、声いくつも波立ちだす。…殿方に交じって勉学だなんて、良家の娘がするには……婚期を逃してしまわないのかしら、ねえ……あんなにお綺麗なのに、もったいない……まあ跡取り娘さんだから学問も…さざめく女声たち囁いては潜む。この背すぐの席だろう、けれど、まるで潮騒のよう遠く遠く。「…だってキレイだもの、」ほら心また零れ...師走十一日、白薔薇―honorable
風ありのまま、無邪気にも真摯に11月15日誕生花シャーベットオレンジのバラ霜月十五日、淡橙薔薇―simple一陣の涼風、または香る風。それから木洩陽ふらす黄金、温もり、髪ひるがえる。額ふれる冴えた香あまい渋い、肺ふかく満ちて、そして頭上きらめく黄金の木々。「…い、かーおーるっ」呼ばれて開いた視界、目の前すぐ鳶色の瞳が笑う。至近距離つい瞬いて身を引いて、机ごつり顎を打った。「いたっ…」「大丈夫か、馨?すげー打っただろ今、」応えてくれる声、低いクセ朗らかに響く。打ちつけた顎そっと撫でて、ゆっくり体を起こした。「ん、大丈夫…ぼく、今、寝てた?」「なかなか起きんかったぞ、」鳶色の瞳からり笑ってくれる。どこまでも闊達な学友に、ほっと息吐けて笑った。「起こしてくれてありがと、…ふぁ」笑いながら欠伸こぼれる。首かるく回...霜月十五日、淡橙薔薇―simple
遺されても歓びは、11月4日誕生花サフラン咱夫藍霜月四日、咱夫藍―modest秋枯れて、けれど一輪の色。「まあ…きれい、」微笑んだ足もと、枯草ひそやかに蕾ふく。薄紫やわらかな色燈る、この花を愛したひとの名残りだ。「もう薬の研究には摘まないわね、あなた…」つぶやいた言葉そっと鼓動を燈す、なつかしい匂い頬ふれる。かすかな甘い乾いた風、すこし冷たくて指すこし凍えて、それなのに愛しいのは空気のせいだ。『この花はめしべが痛みどめになるんだ、料理にも使えるから君にもいい花じゃないかな、』ほら声なつかしい、この花に佇んだ夫の声。あなたと重ねた時間だけ、この庭たたずんで離れられない。「あんなに研究してたのに自分のことは…ねえ、あなた?」語りかけて呼びかけて、時の気配が香る。幾年、幾十年、あなたと佇んだ庭で呼ばれた。「おば...霜月四日、咱夫藍―modest
ひそやかな追憶、今その先を10月31日誕生花モミジ紅葉大月三十一日、紅葉―Harmonia真っ赤に染まる、これが君の最期?「…なんて、なあ」息ひとつ口もと苦い、微笑んでも。それでも頬ふれる風やわらかに乾いて、遠い秋を懐かしむ。仰ぐ視界、埋めつくす赤に。「奥多摩は秋だな…馨?」呼びかけて唇ふれる風、乾いて、けれどほろ甘い。かすかに渋い甘い冷気、とりまく梢ふかく深奥から髪を梳く。さくり、登山靴の底なぞる音ひそむ道、山の色たち深く聲を呼ぶ。『ほら紀之、あのワーズワースの詩みたいだね?』あの聲、なつかしい懐かしい遠い秋だ。あの詩みたいな今この頭上、色、真紅に深紅ほろ苦い甘い風。「Here,under…hisdarksycamore,andview」唇かすかに詞うつろう、秋に君が謳ったから。落葉かすめる登山靴、頬ふ...大月三十一日、紅葉―Harmonia
7名(初参加2名)の方がご参加くださいました毎月の会の終わりに心穏やかにその月の誕生花をご覧いただいております10月は金木犀(キンモクセイ)花言葉=「謙遜」「…
10月は秋明菊(シュウメイギク)花言葉=「薄れゆく愛」「淡い思い」移ろいゆく恋心を象徴し、アネモネと同属の仲間ということもあって、儚げな雰囲気は似ているそうで…
辛辣にも耀く、10月12日誕生花トウガラシ唐辛子大月十二日、唐辛子―Morgenrot目が覚めたのは、君だから。「ヤッカミってやつだろ、そーゆーのはさ?」暁闇をバリトン徹る、耳朶を撃つ。テント踏み出した足もと闇沈む、それでも明ける明星が稜線を笑う。「オマエが教授の息子だからナンだってんだよ、ソモソモだ、楡原先生がエコヒイキなんざすると思ってんのか?どーだよ馨?」大らかなバリトンに金星まばゆい、零れる銀色そっと沁みてくる。さくり、登山靴の底くずれる響きは霜柱。もう冬兆す闇に微笑んだ。「ん、思えない…あの父だから、」「だろ?先生が学問を裏切るなんざするワケねえよ、」バリトン徹って闇が響く、その先はるか明星が燈る。ほら嶺風かすめて香りだす、ほろ甘い渋い、清かな大気が頬なぶって笑う。「楡原先生はボンクラに点くれる...大月十二日、唐辛子―Morgenrot
10月10日*誕生花センニチコウ(千日紅)*花言葉「変らない愛情」「不朽」*本日、お生まれの方は🎉お誕生日おめでとうございます🎂Daisuke.worldは、ブログサイトに登録しています。「ぽちっ」としていた
面影、あなたへ香る10月7日誕生花シュウメイギク秋明菊大月七日、秋明菊―twilightあわく燈る、あなたへの時間。「香らないのね…」こぼれた想い唇かすめて、けれど花は香らない。あわく純白きらめく花、まるで匂いたつ清雅、そのくせ香らないのは止まったから?『匂いやかな花って僕は想うんだ…凛として、優しくて、まるで』ほら、なつかしい声が笑ってくれる。あなたの声だ。『まるで…みゆきさんみたいで』恥ずかしがりな声、穏やかで慎ましくて、そのくせ透るテノール。まるで少年のようだった、あなたの方こそと幾度なんど想ったろう?「ロマンチストなんだから、ほんと…」声こぼれて追憶が微笑む、もう戻らない瞬間。もう帰られない、変えられない、あの幸福の時。「ほんと…すきよ、あなた、」微笑んで花こぼれる、夕闇あわく抱こめる。もう香らな...大月七日、秋明菊―twilight
チェリーセージ(サルビア・ミクロフィラ、サルビア・グレッギー)
北アメリカ南部、メキシコ原産の多年草。花壇などでよく見かけるこの花は、別名の通りサルビアの仲間で、その葉は甘い香りがすることで知られています。花期は4月〜11月と比較的長く、花の色は白、紫、黄、赤、桃、橙と様々です。英名Cherry Sag
ナス科カリブラコア属の多年草で、南アフリカが原産。以前は「ペチュニア属」として扱われていたのですが、1990年にサントリーフラワーズがミリオンベルシリーズを発表した後、染色体に大きな違いが見つかり、「カリブラコア属」として独立したという経緯
キバナコスモスは、メキシコ原産の一年草です。キク科で、開花期は5月から11月です。コスモス属ですが、コスモスと違って、暑さに強いです。花壇でよく見られますが、野生化しているものも見られます。大正時代に日本に入ってきました。色は赤や黄やオレン
デュランタは、熱帯アメリカ(米国フロリダ~ブラジル)原産の熱帯性花木です。別名、タイワンレンギョウ(台湾連翹)。和名でハリマツリ(針茉莉)という名前もあります。クマツヅラ科の常緑低木で、開花期は6月から10月です。明治時代に日本に入ってきま
オステオスペルマム(アフリカンデージー)(アフリカキンセンカ)
オステオスペルマムは南アフリカ原産のキク科の多年草です。花の色は、桃、白、赤、黄、薄紫、橙などがあります。開花期は3~6月、9月~11月です。園芸品種に富んでいて、育てやすい花です。英名Osteospermum, African daisy
海紅豆はアメリカデイゴとも呼ばれる、ブラジル原産の落葉高木です。花の色は濃い紅色、珊瑚色で、蝶形の花びらが集まって花房となります。開花期は6月〜9月です。寒さを嫌います。鹿児島県の県木です。また、アルゼンチンとウルグアイの国花です。英名Co
サルスベリは百日紅(ヒャクジツコウ)とも呼ばれる中国南部原産の落葉樹です。別名は百日間咲き続けることから付いたものです。花の色は白や赤、紫、桃色などがあり、主に7月〜9月に見られます。英名Crape myrtle花言葉雄弁、愛嬌誕生花8月2
彼方へ、ふたり7月16日誕生花ハス蓮文月十六、蓮―faraway朝まだき、それでも花ほころぶ。露ひとつ零しても。「…水の匂いする、」ふっと声ひとつ、あわく甘く匂う。甘い、かすか渋い涼やかな香に隣へ笑った。「だな、夏の朝って匂いだよな、」「うん、夏休みっぽい、」隣すなおに肯いてくれる、その睫ゆるく陽が燈る。まだ昏い庭木立、それでも隣の睫あわい光は、たぶん涙。『かえりたいんだ…いいかな?』昨夜の電話から君の声、その答えなんて決まっている。何があったかなんて知らなくても。「昨夜はごめん…迎えにきてくれて、」まだ疲れているかな?そんな声が見上げてくれる。再会と明けゆく縁側のほとり、水色やわらかな暁闇に微笑んだ。「ごめんは要らねえって、俺が会いたくて迎えにいったダケ、」ほら本音こぼれてしまう、夜の余韻まだ明けない。...文月十六、蓮―faraway
おはようございます。ひまごろーです。ちょうど良いの引いたw奇跡ね。昨日公園で撮ったこの花 俺は間違えて、ドウダンツツジと紹介したが、時期が違うような気が…
今、あざやかな光彩に3月4日誕生花チューリップ鬱金香弥生四日、紅鬱金香―glisterあざやかな色、光、あなたがくれた。「おめでとう、合格だね?」笑顔の瞳ほころんで、私を映してくれる。いつも通り澄んできれいで、嬉しくて笑った。「ありがとう、望くんが勉強いつも見てくれたお蔭だよ。本当にありがとう、」「ううん…僕じゃなくて、美代さんが頑張りきったからだよ?」やわらかなテノール微笑んで、掲示板また仰いでくれる。その隣の横顔あいかわらず穏やかで、けれど輪郭どこかシャープになった。―男の人なんだな…やさしくて笑顔かわいいけど、つい見てしまう、だって気づいたから。しょっちゅう隣にいた少年、ずっと仲良しだったひと、いつも笑顔ずっと見てきた。それなのに輪郭いつのまにかシャープで、穏やかなくせ凛と惹きつける。それに気づいて今、何...弥生四日、紅鬱金香―glister
紡いで、今3月1日誕生花ハクモクレン白木蓮弥生朔日、白木蓮―chastely窓の花、あれは樹上の蓮。「これが教授の蔵書です、」かたん、開かれた扉くゆる空気、ほの甘い渋い香。家の書斎と同じ匂いで、確かに居た空間へ息ついた。「こんなに…祖父のですか?」零れた声そっと古書が香る。積まれた書籍たち年代さまざま、けれど保存状態どれも美しい。小山ひとつ佇むデスク、研究室の後継が笑った。「こんなにです、どれも大事にしてあるでしょう?先生のお人柄ですよね、」銀色まじりの髪かきあげて、祖父の愛弟子が微笑む。どこまでも眼ざし穏やかで、すなおな礼に頭下げた。「ありがとうございます…葬儀でも素晴らしい弔辞を、ありがとうございました、」この学者は弔辞を「語って」くれた。原稿など持たず、肚底から語ってくれたひとは微笑んだ。「私のほうこそで...弥生朔日、白木蓮―chastely