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今の日本からはなくなりつつある、下町というゆるくてでも心強い繋がりを舞台に、人には感じられないものを感じ、人には見えない物が見えるキヨカの物語が綴られる。下町の清濁併せ呑む空気感は良かったんだけど…サイキックというよりスピリチュアル寄りに感
今まで読んだばななさんの本の中でこの本が一番好きかも。 と言ってもまだ7冊しか読んでいないけど。 哀しい予感と題名から連想する話しとは違い、いい話しでした。 古い一軒家に住んでいる音楽教師のおばゆきの。30代一人暮らし。 ほおっておくと、一日中、爪を切ったり、枝毛を切ったりしてごろごろしている。 食べたい時に食べ、眠い時に寝る。自分の部屋と台所以外は何年も掃除していない。 この家に家出してやってくる姪の弥生。 弥生は優しい父と母、弟の哲夫と暮らしている。 とても明るくる素敵な家族なのだが、何かが欠けていると感じている。 弥生は嫌な事があるとおばの家に転がり込む。 ネタバレになりますが、実はおば…
ばななさんの本古い本ばかり読んでいましたが、この本は昨年出版された新しい本です。 あとがきに書いてありましたが、安倍元総理が襲撃された事件をきっかけにカルト集団について調べていたそうです。 なので宗教2世の物語となっています。 両親が小さな新興宗教に入信し、娘のひばりがそこから逃れるための苦労とかを書いています。 新興宗教での暮らしぶりとか結婚感とか興味深く読むことが出来ました。 何かのきっかけで宗教に入り、信じ込んでしまう。 本人はまだいいけれど、回りに迷惑をかけ巻き込まれた人々は大変な思いをしてしまう。 ラストはハッピーエンドだったのでめでたしめでたし。
初版は1989年ぱななさんの初期の頃の本です。 キッチンに続きかなり人気がありよく売れていた本のようです。 吉本さんは私とあまり変わらない年代です。名前は知っていたが読んではいなかった。 一夏の思い出が描かれています。 かなり個性的なつぐみと姉の陽子、つぐみの恋人恭一そしていとこのまりあ。 まりあの視点で語られている物語です。 身体の弱いつぐみ、口は悪く、性格も悪い。 でも憎めないつぐみの行く末が気になり止まりませんでした。
自己啓発的な本はあまり読まない私です。 小説だと思って手にしたこの本は自己啓発的な本でした。 そして白井剛史さんとの対談とか読んでいると??宇宙マッサージ、樹ピターなんの事、宇宙コンピューターやら霊の事やらちょっと理解出来ない。 吉本ばななさんはこんな事に興味があるのかと思った次第です。 宇宙の流れと自分がシンクロしているのを実感するとかあったが、私はないなあ。 まして霊感とか何か見えるとか私にはない。 でも見えたり、感じたりする人はいるのでそういう人には興味深い話しかもしれない。 吉本さんは前世はチベットのお坊さんだったらしい。 そして自分の前世だった人の家にも行った事があるとか、そこで色々…
この小説は以下の5つの短編小説が入っています。 1.幽霊の家 2.おかあさ〜ん! 3.あったかくない 4.ともちゃんの幸せ 5.デッドエンドの思い出 さくっと読み終えたけど頭にあまり残っていない。 一番印象に残っているのは幽霊の家。 「男は穴しか見えないの」この言葉かな(笑) 亡くなった老夫婦の幽霊と共に過ごした岩倉くんとせっちゃんのお話しでした。 デッドエンドの思い出も良かったです。 デッドエンドな意味を調べたら袋小路でした。 お店の名前も袋小路、失恋して行き場のない気持ちとかにもかけたのかな。
知人が吉本ばななさんの読書会を開いていたので、私も読んでみようと本を借りてきました。 軽やかでふわっとして優しい文章でした。そして読みやすく女性受けする感じでした。 重くて人間の本質をえぐるような本が好きな私には、新鮮でみずみずしくこんな作家さんもいいなぁと思える本でした。 「キッチン」は祖母を亡くし一人になってしまったみかげが、田辺家にやっかいになり雄一と雄一の母えり子と暫く暮らしていく話しです。 えり子は本当は父親なのだが、女性の姿をして母として雄一を育てています。 三人での生活が癒やされます。 少し本より抜粋 嫌なことはくさるほどあり、道は目をそむけたいくらいけわしいと思う日の何と多いこ…
お遣い物を用意するために 近くの人気洋菓子店へ 日曜だったからか、春のお祝シーズンだからなのかえらく混んでいまして・・・ レショーケースの前に並ぶレジ待ちの列…
もうすぐ7月、本格的に夏がやってくる。というわけで是非「夏」を予習しよう。今回の自選作品は以下。 まずは、村上春樹著『風の歌を聴け』。あの! 村上春樹のデビュー作。これは必読だ。あらすじは大学生の「僕」と友達の「鼠」が一夏バーでお酒を飲みまくりつつ複雑な恋愛も少しするというものだが、なにより情景がいい。近年の村上春樹の小説は重厚な筋書きと伏線があってそれはそれでいいけど、初期の村上春樹作品はいい意味であっさりしていて、心に妙に残る。 ひどく暑い夏だった。半熟卵ができるほどの暑さだ。 僕は「ジェイズ・バー」の重い扉をいつものように背中で押し開けてから、エア・コンのひんやりとした空気を吸いこんだ。…
Amazon 楽天市場 題名 : 水車小屋のネネ 著者 : 津村記久子 出版社 : 毎日新聞出版 発売日 : 2023/03/02 備考 : 第59回谷崎潤一郎賞受賞作 ――――――――――――――― ●第59回「谷崎潤一郎賞」受賞! ●「本の雑誌」が選ぶ2023年上半期ベスト 第1位! ――――――――――――――― 誰かに親切にしなきゃ、 人生は長く退屈なものですよ 18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ...
お久しぶりの更新になりました。 かっちりした記事を書いていたらずいぶん疲れてしまったので(笑) また、ゆる〜っと、日々のことを綴りたいと思います。 ときどきは、役に立つことも書けるように努めます(^^; 【なんくるない|吉本ばなな】感想 沖縄を舞台に書かれた吉本ばななさんの著書、なんくるない。 ちんぬくじゅうしぃ 足てびち なんくるない リッスン 4つのストーリーが収められた本でした。 ばななさんの本を最初に読んだのは『違うことをしないこと』のエッセイ。 そして次にバナナダイアリー。(本ではないですが。ばななさんの言葉が散りばめられた手帳です) 何気に小説を読むのは初でしたが、エッセイと変わら
家に帰ったら、誰もいなくても「ただいま」と言ったほうがいいと どこかで読んで、最近、そうしている。 実家にいた頃は、常に誰かが迎えてくれたけれど、 今は主人が帰るまで、私ひとり。 ガランとした家に向かって「ただいま」と言うとき 私は誰に挨拶しているんだろうと思う。 もしかして、家に、かな・・・? もし家というものに記憶があったなら そして、もし話せたなら、面白いだろうと思う。 まずは自分の実家の家と話してみたい。 私が赤ん坊のときから、ずっとずっと見守ってくれていた家。 「大きくなったもんだねえ、ついこの間、 あそこの門からママに抱かれて入って来たと思ったのにね」 祖母が目を細めながらそう言う…
読書旅vol.56|よしもとばなな『なんくるなく、ない―沖縄(ちょっとだけ奄美)旅の日記ほか―』
前回、小林聡美さんの『アロハ魂』を軸にハワイの話をしたものの、いくら渡航制限が解除されたとはいえ、やはり実際に現地へ行くのはまだまだ敷居が高め。コロナに加え、円安も悩ましい問題です。 そうした背景もあってか、本土復帰50年を記念したNHKの朝ドラ『ちむどんどん』が影響してなのか、もともと人気の高い沖縄が2022年の夏休みの旅行先として大きな注目を集めていると、先日某ネットニュースの記事で知りました。 そんなこんなで、今回は沖縄を舞台にした、よしもとばななさんの『なんくるなく、ない―沖縄(ちょっとだけ奄美)旅の日記ほか―』(2006年/新潮文庫)を取り上げたいと思います。 沖縄に宛てたピュアな恋…
前回ご紹介した『マリカのソファー』の続き。今回は著者である吉本ばななさんが、『マリカのソファー』の取材のためにバリを訪れた際のエッセイ『バリ夢日記』(1994年)です。 小説との読み比べ どうやら私は紀行小説の裏話を読むのが好きらしいです。例えば、吉本ばななさんだったら『なんくるない』の取材日記的な『なんくるなく、ない』がそうですし(※詳しくはこちらから)、沢木耕太郎さんだったら『深夜特急』の誕生秘話が窺える『旅する力―深夜特急ノート―』もそう。 少しニュアンスは異なるものの、船戸与一さんの2006年作『河畔に標なく』のミャンマー取材に同行した高野秀行さんが、まったく別の角度から道中の出来事を…
前回に続いて吉本ばななさんの旅エッセイを取り上げようと、『マリカのソファー/バリ夢日記 世界の旅①』(幻冬舎)を選んでみました。 本書はバリを舞台にした小説と、その小説の取材日記を1冊にまとめたもの。当初は後者の『バリ夢日記』をメインに感想文を書くつもりでしたが、久々に読み返した小説パートにも改めて心を射抜かれ、2回に分けてアップすることにします。 心の傷を癒す旅 まずは『マリカのソファー』について。同作は1994年に『マリカの永い夜』というタイトルで発表され、1997年の文庫化に併せて改題。この時、登場人物の設定も一部変更されています。 幼い頃から両親に虐待され、自分の中に複数の人格を形成す…
【プラントベーストマトカレー】と、さくらももこさんから学ぶこと
最近はしばらくの間消え失せていた(一ヶ月半ほど)料理のやる気が復活して、少々品数が多くなったり、盛り付けに映えを意識している今日この頃。 この日作ったのもまた、プラントベースカレー(⌒-⌒; ) でも今回違うのは、いつもは簡単だから、とか、野菜を消費したいから、という理由だけど、この日はカレーが食べたいからという、正当な理由だったこと。笑 プラントベースで作る【トマトカレー】 このブログではすでに何度もカレーの作り方を書いた気がしますが、また書きます(笑) 毎回微妙に作り方が変わるわけですが、今回のはなかなか上出来でした。 玉ねぎ、ニンニクを炒め、クミンシードをテンパリング。 そこに今回の具材
下北沢を散策☆ 吉本ばなな「下北沢について」を片手に (文学散歩)
私が下北沢に惹かれたきっかけは 一冊の本との出会いから始まります。 1、吉本ばなな「下北沢について」 裏表紙の内容紹介文を読んで、 下北沢のガイドブック的なエッセイを期待して買ったのですが 実際は、ずいぶん違った内容でした。 このエッセイに名前が出て来るお店の数々は、 現在、もう閉店してしまっているものがほとんど。 意図的に名前を伏せてある店もあります。 それでも、読了してみると、「読んでよかった」と思えました。 下北沢に住んでいた吉本ばななさんが その時に見た光景、思い出、空気感を閉じこめたような一冊。 在りし日の街の姿、いまはもういない近所の住人たちや 幼かった頃の我が子の姿、住んでいた家…
〝心が疲れた時〟〝涙が止まらない時〟人生を救ってくれる本4選
仕事で、人間関係で、学校で。 日々の中で心がくたくたに疲れてしまった時、もう限界で、何をしていても涙が止まらなくなってしまった時、そんな時、救いになってくれる本を紹介します。 何を隠そう、この私もこの本たちに救われたひとり。 本を読むことで一人で思い悩むよりもずっと、心が楽になることってあると思います。 気になる本があれば、是非手に取ってみてください。 ほんの少し、光が見えてくると思います。 『違うこと』をしないこと 吉本ばななさん 好きなことをする、とも少しちがう、違うことをしないことについて教えてくれる一冊。 自分の人生は自分のもの。 だけど自分を生きるってむずかしい。 自分のしたいことも