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#4203 春まけてかく帰るとも秋風にもみたむ山を越え来ざらめや
令和6年4月9日(火) 【旧 三月一日 先負】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)雁かへる夜半の雨音いたるとき ~及川貞(1899-1993) 今日は七十二候の第14候「鴻雁北(こうがんかえる)」。二十四節気「清明」の次候にあたる5日間です。この前が「玄鳥至(つばめきたる)」で
#4185 池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入《こき》れな
令和6年3月22日(金) 【旧 二月一三日 友引】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入《こき》れな ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻20-4512池の水に影を映して美しく咲いている馬酔木の花を袖に入れよう。Photo:アセ
令和6年2月19日(月) 【旧 一月一〇日 仏滅】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)薮波の里に宿借り春雨に隠りつつむと妹に告げつや ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻18-4138藪波《やぶなみ》の里で借りた宿に、春雨が降ってきたので籠っているのだと、妻に伝え
#4119 杉の野にさ躍る雉いちしろく音にしも泣かむ隠妻かも
令和6年1月16日(火) 【旧 一二月六日 大安】・小寒 雉始雊(きじはじめてなく)杉の野にさ躍る雉《きぎし》いちしろく音《ね》にしも泣かむ隠妻《こもりつま》かも ~大伴家持 『万葉集』 巻19-4148杉の野に踊り騒ぐ雉は目立つほどの声をあげて鳴いているね。隠妻とは思えな
#4105 天皇の御代万代にかくしこそ見し明らめめ立つ年のはに
令和6年1月2日(火) 【旧 一一月二一日 先勝】・冬至 雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)あしひきの 八つ峰の上の栂の木の いや継ぎ継ぎに松が根の 絶ゆることなくあをによし 奈良の都に万代に 国知らさむとやすみしし 我が大君の神ながら 思ほしめして豊の宴 見す今日の日はも
『愛国百人一首』の選定された16首目は大伴家持(おほとものやかもち)です。こちらも奈良時代の歌です。(著者所持の『愛国百人一首』の大伴家持の絵札) …
#4061 鮪突くと海人の燭せるいざり火のほにか出でなむ我が下思ひを
令和5年11月19日(日) 【旧 一〇月七日 仏滅】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)鮪《しび》突くと海人《あま》の燭《とも》せるいざり火のほにか出でなむ我が下思《したも》ひを ~大伴家持(718-785) 『万葉集』 巻19-4218鮪《マグロ》を銛で突くという漁師の漁火のよう
#4052 天地を照らす日月の極みなくあるべきものを何をか思はむ
令和5年11月10日(金) 【旧 九月二七日 大安】・立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)天地を照らす日月の極みなくあるべきものを何をか思はむ ~大炊王(733-765)『万葉集』 巻20-4486 賀歌天地を照らす太陽や月のように、皇位は無窮であるはずのものであり、何を思い悩
#4016 秋風の末吹きなびく萩の花ともに挿頭さず相か別れむ
令和5年10月5日(木) 【旧 八月二一日 仏滅】・秋分・水始涸(みずはじめてかるる)秋風の末吹きなびく萩の花ともに挿頭《かざ》さず相《あい》か別れむ ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻20-4515秋風が葉末に吹いてなびいている萩の花を、ともに髪に挿して楽しむ機会もな
#3984 佐保川の水を堰き上げて植ゑし田を 刈れる早飯はひとりなるべし
令和5年9月3日(日) 【旧 七月一九日 先勝】・処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)佐保川の水を堰き上げて植ゑし田を ~尼 作る刈れる早飯《わさいひ》はひとりなるべし ~大伴家持 続ぐ 『万葉集』 巻8-1635 相聞歌佐保川の水を堰き止めて植えた田を (尼が作った)
#3937 二上の彼面此面に網さして我が待つ鷹を夢に告げつも
令和5年7月18日(火) 【旧 六月一日 赤口】・小暑・鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)二上《ふたがみ》の彼面《をても》此面《このも》に網さして我が待つ鷹を夢に告げつも ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻17-4013二上山のあちらこちらに網を仕掛けて私を待ちわびてい
#3854 山吹の花の盛りにかくのごと君を見まくは千歳にもがも
令和5年4月26日(水) 【旧 三月七日 先負】・穀雨・霜止出苗(しもやみてなえいずる)山吹の花の盛りにかくのごと君を見まくは千歳にもがも ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻20-4304山吹の花の盛りに、このようにあなたにお会いする機会がいつまでも続いて欲しいものです
#3846 春へ咲く藤の末葉の心安にさ寝る夜ぞなき子ろをし思へば
令和5年4月18日(火) 【旧 閏二月二八日 仏滅】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)春へ咲く藤の末葉《うらは》の心《うら》安にさ寝《ぬ》る夜ぞなき子ろをし思《も》へば ~作者未詳(東歌)『万葉集』巻14-3504 相聞歌春に咲く藤の末葉ではないが、心安らかに眠れる夜
令和5年4月12日(水) 【旧 閏二月二二日 大安】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)夜ぐたちに寝覚めて居れば川瀬とめ情《こころ》もしのに鳴く千鳥かも ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻19-4146夜半に寝覚めると、川瀬を探して心も萎れるほどに哀しい千鳥の声が聞こえる。P
#3822 含めりし花の初めに来し我れや散りなむ後に都へ行かむ
令和5年3月25日(土) 【旧 閏二月四日 友引】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)含《ふふ》めりし花の初めに来し我れや散りなむ後に都へ行かむ ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻20-4435まだ蕾だった桜の頃にやってきたが、散ってしまった後になるのだろうな、都に帰
#3821 妹がくむてらゐの上のかたかしの花咲くほどに春ぞなりぬる
令和5年3月24日(金) 【旧 閏二月三日 友引】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)妹がくむてらゐの上のかたかしの花咲くほどに春ぞなりぬる ~衣笠家良(1192-1264)『新撰和歌六帖』少女が水を汲んでいる寺の井戸のほとりにカタクリの花が咲くほどに暖かい春になりまし
#3793 三輪山をしかも隠すか春霞人に知られぬ花や咲くらむ
令和5年2月24日(金) 【旧 二月五日 赤口】・雨水・霞始靆(かすみはじめてたなびく)三輪山をしかも隠すか春霞人に知られぬ花や咲くらむ ~紀貫之(872-945)『古今和歌集』 巻2-0094三輪山をそんなふうに隠すのか春霞よ。きっと人に知られぬ花が咲いているのだろうな。Phot
#3744 竹おほき山べの村の冬しづみ雪降らなくに寒に入りけり
令和5年1月6日(金) 【旧 一二月一五日 友引】・小寒・芹乃栄(せりすなわちさかう)竹おほき山べの村の冬しづみ雪降らなくに寒に入りけり ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:LifeStyle STANDARD 今日は二十四節気の第23「小寒」。寒さが本格的になる時季を迎えます。
新しき年の始めの初春のけふ敷る雪の伊夜しけ餘事大伴家持あたらしきとしのはじめのはつはるのけふふるゆきのいやしけよごと新しい年が始まる初春の今日、ふりつづく雪のように善い事がふり続くといい。新しい雪のよう真っ白な、清浄な善いものが余るほど残され続いていくように。【撮影地:栃木県日光市戦場ヶ原2017】元日の歌ですが『万葉集』の最終巻=巻第二十のいちばん最後に載っています。ラスト締める絶筆歌でありながら「始」「餘事」に歌集を編纂したあたり、籠められる祈りが謳われています。原文は「新年乃始乃波都波流能家布敷流由伎能伊夜之家餘其騰」結句の「餘」という字は「引き続いて後に残る」「余るほどに残る」という意味になります。この「よごと」を翻刻するとき「吉事」にすることが多いようですが、「餘」に歌意あるようで・字義そのまま...初春、浄雪ふる
読者のみなさま、おこんばんわ m(_ _ )m本日もご訪問ありがとうございます。 幸運エネルギーをONにして人生を書換える一生開運アチューメント2800名以上…
#3725 庭に降る雪は千重敷くしかのみに思ひて君を我が待たなくに
令和4年12月18日(日) 【旧 一一月二五日 大安】・大雪・鮭魚群(さけのうおむらがる)庭に降る雪は千重敷くしかのみに思ひて君を我が待たなくに ~大伴家持 『万葉集』 巻17-3960庭に降る雪は幾重にも積もっているが、こんな程度に思っていたのではないよ、私が君を待ってい
#3709 橘は花にも実にも見つれどもいや時じくになほし見が欲し
令和4年12月2日(金) 【旧 一一月九日 先勝】・小雪・橘始黄(たちばなはじめてきばむ)橘は花にも実にも見つれどもいや時じくになほし見が欲し ~大伴家持 『万葉集』 巻18-4112橘は、花も実も目出度いものと見ておりますが、とこしえにそのように思って見ていたいものです
令和4年11月8日(火) 【旧 一〇月一五日 赤口】・立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)奥山の八峯《やつを》の椿つばらかに今日は暮らさね大夫《ますらを》のとも ~大伴家持 『万葉集』 巻19-4152奥山の峰々に咲く椿のようにつばらかに(心ゆくまで)今日は過ごして下さ
「辞世」の和歌や俳句などに見る死に直面した人の心の風景(その2)奈良時代
団塊世代の私も73歳を過ぎると、同期入社した人や自分より若い人の訃報にたびたび接するようになりました。そのためもあってか、最近は人生の最期である「死」を身近に感じるようになりました。「あと何度桜を見ることができるのだろうか」などと感傷に耽っ
令和4年9月29日(木) 【旧 九月四日 赤口】・秋分・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)かたりあひて尽くしゝ人は先立ちぬ今より後の世をいかにせむ ~山県有朋(1838-1922) 1909(明治42)年 菅義偉前総理が安倍晋三元総理の国葬儀に臨んで、弔辞の中に引用した短歌は伊藤
ちょっとだけ富山情報 ④ 《来月『高岡万葉まつり』があるよ!メインイベント『万葉集全20巻朗唱の会』が面白い⁈》
21時45分。 今からブログを書き始める。 今日は久しぶりに2時間残業してきたんだよね。 うちの会社は、毎年この時期はヒマなんだけど、月末と月初めがやや忙しくなる。 来月初旬くらいまでは残業が続きそうな予感がする。 世の中値上げ続きだから、
この記事はこんな人におすすめ 富山県について知りたい高岡市について知りたいねうし!のくり坊に興味がある (ワケないか…) 遊びに来てね 画像提供:高岡市 《 ちょっとだけ富山情報 》
若い頃、富山を出て県外生活を望んだ私。 結局、地元に帰ってきたわけですけど。 定年がそろそろ見え始めできた歳になり、生まれ育った富山への郷土愛を深めたいという思いにかられだしました。 そこで 富山の地理・歴史・見どころ(祭り・伝統工芸品・銘
先ごろ行方不明になっていた幼児が海の沖合いで発見されたというニュースを見ました。 元気な姿で発見・保護されることを願っておりましたが、残念な結果となりました。 捜索人数が150人、200人といった連日の大規模な捜索でしたが、発見したのは偶然
令和4年7月17日(日) 【旧 六月一九日 赤口】・小暑・鷹乃学習(たかすなわちわざをなす)鷹の目の塒《とや》より出づる光かな ~岡本苔蘇(?-1709)『類題発句集』Photo:山本兼一著『白鷹伝 戦国秘録』のカバー原画(北村さゆり画) 今日は七十二候の第33候「鷹乃学習(た
令和4年6月18日(土) 【旧 五月二〇日 赤口】・芒種・梅子黄(うめのみきばむ)ねむの木の枝折れやすくやさしくて寝足らぬ花を多くつけたり ~山崎方代(1914-1985)『こおろぎ』 合歓の木はマメ科ネムノキ亜科の落葉高木。6月から8月頃にかけて水鳥の産毛のような淡いピン
令和4年6月8日(水) 【旧 五月一〇日 友引】・芒種・蟷螂生(かまきりしょうず)橘のにほへる香かも霍公鳥鳴く夜の雨にうつろひぬらむ ~大伴家持 『万葉集』 巻17-3916橘のかぐわしい香りもほととぎすが鳴く今夜の雨で消え失せてしまっただろうか。Photo:花橘 ~Jumou@日
令和4年5月30日(月) 【旧 五月一日 大安】・小満・紅花栄(べにばなさかう)我が背子が国へましなば霍公鳥鳴かむ五月は寂しけむかも ~内蔵縄麻呂 『万葉集』 巻17-3996あなたが国元に帰ってしまったら、霍公鳥《ほととぎす》の鳴く五月は寂しくなるでしょう。Photo:高岡市
令和4年5月20日(金) 【旧 四月二〇日 大安】・立夏・竹笋生(たけのこしょうず)金婚は死後めぐり来む朴《ほほ》の花絶唱のごと蘂《しべ》そそりたち ~塚本邦雄(1920-2005)『緑色研究』Photo:朴の花 ~蝶と日常・自然観察日記 塚本邦雄の結婚は1948年5月、妻の慶子さ
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令和4年4月16日(土) 【旧 三月一六日 赤口】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)珠洲《すず》の海に朝開きして漕ぎ来れば長浜の浦に月照りにけり ~大伴家持 『万葉集』 巻17-4029珠洲の海から朝、港を開いて、船が漕ぎ出してくれば長浜の浦に月が照っていた。Photo:有
【酒を讃むるの歌】短歌ってやつから「酒」そのものじゃなって 酒呑みっていう「人」を考えてみる
< 酒呑みの話 万葉集って 教科書を離れたらイロイロ面白いのがあるんですよね > 世の中の先鞭をつけていく人。世間を教え諭して、導いていく人。コロナ禍でのオピオンリーダー。居ません。今の日本には出てきませんねえ。 ま、スーさんたちもやろうとはしているんでしょうけれどねえ。やっているように思えないところが、どうしてもねえ、ダメな感じですよねえ。ニッシーとかね。 それじゃあイカンよって言ってる外野の連中も、代替案とか、全然なさそうですし。元気もない。 なんだかなあっていう時間が1年半以上続いています。賢い人! どこにいる? さっさと出て来~い! とかね、威張って言えるようなことでもないんですけれど…
令和4年3月26日(土) 【旧 二月二四日 先勝】・春分・桜始開(さくらはじめてさく)今日のためと思ひて標《し》めしあしひきの峰《を》の上《へ》の桜かく咲きにけり ~大伴家持(718-785) 『万葉集』 巻19-4151今日のためにと思って心に決めていた峰の桜がこんな見事に咲き
令和四年 立春 正月八日 上弦の月 2022/02/08 22:42 上州藤岡 万葉集 4134 宴席に雪月梅花を詠む歌 雪の上に照れる月夜つくよに 梅の花折りて贈らむ愛はしき子もがも 十二月に大伴宿禰家持作れり
令和4年3月1日(火) 【旧 一月二九日 大安】・雨水・草木萠動(そうもくめばえいずる)梢梢《こずえこずえ》うすくれなゐを漲《みなぎ》らせ咲かむとしつつ花いまだ咲かず ~尾上柴舟《おのえさいしゅう》(1876-1957)Photo:柳の蕾 ~pixabay 今日は七十二候の第6候「草木