「令和万葉秘帖」大杉耕一 万葉集は「裏の日本史」を伝える歴史資料という着眼点が面白い 中大兄皇子(天智天皇)の暗黒面が描かれる
「令和万葉秘帖」第2巻、第3巻 「令和万葉秘帖」大杉耕一 万葉集は、日本書紀など国史に記されない「裏の日本史」を伝える歴史資料だという。この着眼点が面白い。 本書は、山上憶良を主人公とする小説。万葉集の歌を紹介しながら、古代の日本史、そして、皇室の闇に迫る。 全6巻のうち、特に面白いのが、第2巻、第3巻に相当する「まほろばの陰翳(いんえい)」上下巻だ。 憶良が、大伴旅人とその息子・家持らに「裏の日本史」を講義するという形にして、小説の体を取っているが、この上下巻は、小説というより論文に近い。 (時系列で考えると、第4巻に相当する「長屋王の変」が第1弾として最初に出版されたので、「まほろばの陰翳…
2025/03/07 00:06