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#4091 吉隠の野木に降り覆ふ白雪のいちしろくしも恋ひむ我れかも
令和5年12月19日(火) 【旧 一一月七日 大安】・大雪 鮭魚群(さけのうおむらがる)吉隠《よなばり》の野木に降り覆ふ白雪のいちしろくしも恋ひむ我れかも ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2339 相聞歌吉隠の野の木に降り積もった白雪のように私の恋心をはっきり表してしまうだろ
#3990 官にも許し給へり今夜のみ飲まむ酒かも散りこすなゆめ
令和5年9月9日(土) 【旧 七月二五日 先勝】・白露・草露白(くさのつゆしろし)官《つかさ》にも許し給へり今夜《こよひ》のみ飲まむ酒かも散りこすなゆめ ~作者未詳 『万葉集』 巻8-1657 相聞歌お上からもお許しがあるのですよ。今夜だけ飲む酒であろうから、梅の花よ散ら
#3953 秋山の樹の下隠り逝く水のわれこそ益さめ御思よりは
令和5年8月3日(木) 【旧 六月一七日 仏滅】・大暑・大雨時行(たいうときどきふる)天皇の鏡王女に賜ふ御歌一首妹があたり継ぎても見むに大和なる大島の嶺《ね》に家もあらましを ~天智天皇 『万葉集』 巻2-0091 相聞歌お前の住む辺りを見続けていたいのに、大和にある大島
#3933 信濃道は今の墾り道刈りばねに足踏ましなむ沓履け我が背
令和5年7月14日(金) 【旧 五月二七日 先勝】・小暑・蓮始開(はすはじめてひらく)信濃道《しなのぢ》は今の墾《は》り道刈りばねに足踏ましなむ沓《くつ》履け我が背 ~作者未詳(東歌) 『万葉集』 巻14-3399 相聞歌信濃への道は拓かれたばかりなので、切り株で足を踏み抜き
#3928 ゆきかへり空にのみしてふる事はわがゐる山の風はやみなり
令和5年7月9日(日) 【旧 五月二二日 友引】・小暑・温風至(あつかぜいたる)あま雲のよそにも人のなりゆくかさすがにめには見ゆるものから ~紀有常女(生没年不明)『古今和歌集』 巻15-0784 恋歌5空の雲のようによそに行ってしまう人なのよね。私の目には見えているのに
令和5年6月9日(金) 【旧 四月二一日 赤口】・芒種・蟷螂生(かまきりしょうず)妹がため我玉拾ふ沖辺なる玉寄せ持ち来沖つ白波 ~作者未詳 『万葉集』 巻9-1665 雑歌妻のために玉(真珠)を採ろう。沖辺の玉を岸に寄せてくれないか沖の白波よ。Photo:PEARL music さん 金
令和5年5月26日(金) 【旧 四月七日 仏滅】・小満・紅花栄(べにばなさかう)人知れず思へば苦し紅の末摘む花の色に出でなん ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻11-0496 恋歌一人に知られずにじっと思いを秘めているのは苦しいので、真っ赤な末摘花のように、もう表に出して
#3853 馬来田の嶺ろの笹葉の露霜のぬれて別きなば汝は恋ふばそも
令和5年4月25日(火) 【旧 三月六日 友引】・穀雨・霜止出苗(しもやみてなえいずる)あけぼのや麦の葉末の春の霜 ~上島鬼貫《うえじまおにつら》(1661-1738)Photo:金山棚田(岩手県一関市) ~七十二候だより(久栄社) 晩春から初夏にかけての端境期。お天気は不安定
#3838 言繁き里に住まずは今朝鳴きし雁にたぐひて行かましものを
令和5年4月10日(月) 【旧 閏二月二〇日 先負】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)言繁き里に住まずは今朝鳴きし雁にたぐひて行かましものを ~但馬皇女(?-708)『万葉集』巻8-1515 雑歌噂話のうるさいこんな里には住んいないで、今朝鳴いていた雁と一緒に去ってしまいたい
#3812 おほほしく君を相見て菅の根の長き春日を恋ひ渡るかも
令和5年3月15日(水) 【旧 二月二四日 先勝】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)おほほしく君を相見て菅の根の長き春日を恋ひ渡るかも ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1921 相聞歌おぼろげにあなたとお会いしたばかりに、菅の根のように長い春の日を恋続けてしまいました。Phot
令和5年3月13日(月) 【旧 二月二二日 大安】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)梅の花散らす春雨いたく降る旅にや君が廬《いほり》せるらむ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1918 相聞歌梅の花を散らす春雨がひどく降っています。あなたは旅の途中で仮の宿りをとっていますでし
#3787 狭野方は実にならずとも花のみに咲きて見えこそ恋のなぐさに
令和5年2月18日(土) 【旧 一月二八日 仏滅】・立春・魚上氷(うおこおりをのぼる)狭野方《さのかた》は実にならずとも花のみに咲きて見えこそ恋のなぐさに ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1928 相聞歌さのかたの花は実にならなくても、せめて花だけでも咲いて見せてください
令和4年11月5日(土) 【旧 一〇月一二日 先負】・霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ)あしひきの山下響《とよ》め鳴く鹿の言《こと》ともしかも我が心夫《こころつま》 ~笠縫女王《かさぬいのおおきみ》『万葉集』 巻8-1611 相聞歌山の麓まで響かせて妻恋に鳴く鹿の声に心惹か