令和5年12月3日(日) 【旧 一〇月二一日 赤口】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)家康に過ぎたるものは二つあり唐《から》の頭《かしら》に本多平八 ~小杉左近(武田信玄の近習)家康の身の程に過ぎたものが二つある。唐の頭と本多平八郎だ。 「唐の頭」とはヤクの
令和5年12月3日(日) 【旧 一〇月二一日 赤口】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)家康に過ぎたるものは二つあり唐《から》の頭《かしら》に本多平八 ~小杉左近(武田信玄の近習)家康の身の程に過ぎたものが二つある。唐の頭と本多平八郎だ。 「唐の頭」とはヤクの
#4074 橘の下吹く風のかぐはしき筑波の山を恋ひずあらめかも
令和5年12月2日(土) 【旧 一〇月二〇日 大安】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)橘の下吹く風のかぐはしき筑波の山を恋ひずあらめかも ~占部廣方 『万葉集』 巻20-4371橘の木の下を吹く風が香しい筑波の山を懐かしく思わずにいられようか。Photo:橘の実 ~tenki.j
令和5年12月1日(金) 【旧 一〇月一九日 仏滅】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)極月の水にしづめる青砥石引上げて砥ぐ霜の柳刃 ~馬場あき子(1928-)『雪木』Photo:12月の天王寺公園とあべのハルカス ~Holiday 「極月《ごくつき》」は一年が極まる月、すなわ
#4072 寺庭に夕静あゆみさむけきに目にとめて見つ白き山茶花
令和5年11月30日(木) 【旧 一〇月一八日 先負】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)雪待月その幽《かそ》けきを鴨なけり ~加藤秋邨(1905-1993)Photo:カルガモ ~水前寺江津湖公園スタッフブログ 11月は今日でおしまい。11月の異称として「霜月」はよく知られて
#4071 霜月の濡れ落ち葉蹴る子どもらの通学の路咳きひとつ
令和5年11月29日(水) 【旧 一〇月一七日 友引】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)霜月の濡れ落ち葉蹴る子どもらの通学の路咳《しはぶ》きひとつ ~林龍三(1952-)『塔』2015年1月号Photo: FREEP!K 11月も今日を含めてあと2日、まさに今が紅葉の見頃です。色
令和5年11月28日(火) 【旧 一〇月一六日 先勝】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)明日ありと思う心の仇桜夜半に嵐の吹かぬものかは ~親鸞(1173-1263)明日の命があると思う心が仇になるのです。桜も夜半の嵐で散ってしまうかも知れないだろう。Photo:親鸞聖人影
#4069 見送れど君振り向かずからからと枯葉舞い散るあと追ふごとく
令和5年11月27日(月) 【旧 一〇月一五日 赤口】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)見送れど君振り向かずからからと枯葉舞い散るあと追ふごとく ~林龍三(1952-)『塔』2015年10月号Photo:木枯らし ~GANREF(KAWAさん) 今日は七十二候の第59候「朔風払葉(きた
#4068 飛ぶ鳥のかげは絶えたる夕ぐれの野沢の水に浮ぶしら雲
令和5年11月26日(日) 【旧 一〇月一四日 大安】・小雪 虹蔵不見(にじかくれてみえず)飛ぶ鳥のかげは絶えたる夕ぐれの野沢の水に浮ぶしら雲 ~木下幸文(1779-1821)『亮々遺稿』 雑歌飛ぶ鳥の影も見えなくなった夕暮れ時、野沢の水たまりに白雲が浮かんでいるよ。Photo:
#4067 貧しさを嘆くこころも年年に移ろふものか枇杷咲きにけり
令和5年11月25日(土) 【旧 一〇月一三日 仏滅】・小雪 虹蔵不見(にじかくれてみえず)貧しさを嘆くこころも年年に移ろふものか枇杷咲きにけり ~若山牧水(1885-1928)『朝の歌』Photo:ビワの花と蕾 ~Wikipedia 枇杷《びわ》といえば花よりも先に実のほうが思い出され
#4066 むら雲の絶え間の空に虹立ちて時雨過ぎぬるをちの山の端
令和5年11月24日(金) 【旧 一〇月一二日 先負】・小雪 虹蔵不見(にじかくれてみえず)むら雲の絶え間の空に虹立ちて時雨過ぎぬるをちの山の端 ~藤原定家(1162-1241)『玉葉和歌集』 巻6-0847 冬歌雲の間の空に虹が立って時雨は過ぎてゆく、遠くの山の端のほうへと。Photo
#4065 朝市に朝採り蕪の並びをり今朝は値切らぬ勤労感謝の日
令和5年11月23日(木) 【旧 一〇月一一日 友引】・小雪 虹蔵不見(にじかくれてみえず)朝市に朝採り蕪の並びをり今朝は値切らぬ勤労感謝の日 ~林龍三(1952-)『塔』2023年3月号Photo:朝市 ~Hakken! 今日、「勤労感謝の日」は年内最後の祝日です。祝日法によると「勤労
令和5年11月22日(水) 【旧 一〇月一〇日 先勝】・小雪 虹蔵不見(にじかくれてみえず)夕されば衣手寒しみ吉野の吉野の山にみ雪降るらし ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻6-0317 冬歌夕方になると衣の袖が寒い。美しい吉野の山では雪が降っていることだろう。Photo:木の枝
#4063 いと酢き赤き柘榴をひきちぎり日の光る海に投げつけにけり
令和5年11月21日(火) 【旧 一〇月九日 赤口】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)いと酢き赤き柘榴をひきちぎり日の光る海に投げつけにけり ~北原白秋(1885-1942)Photo:ザクロ ~photoAC (mayuko_Nさん) 柘榴《ザクロ》はミソハギ科ザクロ属の落葉樹で古くから観賞
#4062 薔薇咲く夜、地の冷えよりも天の冷え、そしてそれよりいちにんの冷え
令和5年11月20日(月) 【旧 一〇月八日 大安】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)冬薔薇おや指姫のひそみゐる ~角川照子(1928-2004)Photo:冬に咲く マルクアントンシャルポンティエ ~Pinterest 薔薇は初夏の季語。しかし冬に咲く種類も存在し、それらを総称して冬薔
#4061 鮪突くと海人の燭せるいざり火のほにか出でなむ我が下思ひを
令和5年11月19日(日) 【旧 一〇月七日 仏滅】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)鮪《しび》突くと海人《あま》の燭《とも》せるいざり火のほにか出でなむ我が下思《したも》ひを ~大伴家持(718-785) 『万葉集』 巻19-4218鮪《マグロ》を銛で突くという漁師の漁火のよう
#4060 日だまりにうたたねしたる水仙が姿勢正してほどなく日暮れ
令和5年11月18日(土) 【旧 一〇月六日 先負】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)日だまりにうたたねしたる水仙が姿勢正してほどなく日暮れ ~大下一真(1948-)『漆桶』Photo:ニホンスイセン ~みんなのガーデニング花図鑑 今日は七十二候の第57候「金盞香(きんせんこう
#4059 田をふかくよく耕してやしなへはいのらすとても米やみのらん
令和5年11月17日(金) 【旧 一〇月五日 友引】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)田をふかくよく耕してやしなへはいのらすとても米やみのらん ~二宮尊徳(1787-1856)『道歌集』田を深くよく耕して養えば、祈らなくても稲は立派に実るものだよ。Photo:二宮尊徳像 ~報徳
#4058 妹がりと馬に鞍置きて生駒山うち越え来れば紅葉散りつつ
令和5年11月16日(木) 【旧 一〇月四日 先勝】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)妹がりと馬に鞍置きて生駒山《いこまやま》うち越え来れば紅葉散りつつ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2201 雑歌原文:妹許跡 馬鞍置而 射駒山 撃越来者 紅葉散筒妻のもとへ行こうと馬に鞍を置
#4057 七五三髪のりぼんが揺れるのをおほごまだらのスキップと呼ぶ
令和5年11月15日(水) 【旧 一〇月三日 赤口】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)七五三髪のりぼんが揺れるのをおほごまだらのスキップと呼ぶ ~知花くらら(1982-)Photo:kosodate LIFE 「大胡麻斑《オオゴマダラ》」は白黒のまだら模様のアゲハチョウ。知花くららさんの
#4056 篝火草あるじなき部屋に燃え咲きて遺影の声の時にきこゆる
令和5年11月14日(火) 【旧 一〇月二日 大安】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)篝火草あるじなき部屋に燃え咲きて遺影の声の時にきこゆる ~馬場あき子(1928-)『あさげゆふげ』Photo:シクラメン ~Hana Saku 篝火草《かがりびそう》、あるいは篝火花が日本に入ってき
#4055 こごり立ちしづけかりしかひた乾く地膚はららかし踏む霜ばしら
令和5年11月13日(月) 【旧 一〇月一日 仏滅】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)お火焚や霜うつくしき京の町 ~与謝蕪村(1716-1784)Photo:伏見稲荷大社のお火焚き行事 ~瓜生通信 「お火焚き」は11月中旬、神前に火を炊いて秋の実りに感謝し、厄除けを祈願するために
#4054 高円の野路の篠原末さわぎそそや木がらし今日吹きぬなり
令和5年11月12日(日) 【旧 九月二九日 先勝】・立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)高円の野路の篠原末さわぎそそや木がらし今日吹きぬなり ~藤原基俊(1060-1142)『新古今和歌集』 巻4-0373 秋歌高円の野道の篠原では葉末がざわざわと音を立てている。そうか木枯らし
令和5年11月11日(土) 【旧 九月二八日 赤口】・立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)朝清め今せし庭に山茶花のいささか散れる人の心や ~伊藤左千夫(1864-1913)Photo:日本固有種のサザンカ(原種) ~pion blog 優しい雨 ツバキが早春に咲くのに対してサザンカは晩
#4052 天地を照らす日月の極みなくあるべきものを何をか思はむ
令和5年11月10日(金) 【旧 九月二七日 大安】・立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)天地を照らす日月の極みなくあるべきものを何をか思はむ ~大炊王(733-765)『万葉集』 巻20-4486 賀歌天地を照らす太陽や月のように、皇位は無窮であるはずのものであり、何を思い悩
#4051 火事場にてスルメの臭いするときは死者が居るとぞ老い人は言う
令和5年11月9日(木) 【旧 九月二六日 仏滅】・立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)火事場にてスルメの臭いするときは死者が居るとぞ老い人は言う ~吉川宏志(1969-)『西行の肺』Photo:10月31日大分県別府市光町の火災 ~読売新聞オンライン 11月9日は「119番の日」
#4050 道知らばたづねもゆかむもみぢ葉をぬさとたむけて秋はいにけり
令和5年11月8日(水) 【旧 九月二五日 先負】・立冬・山茶始開(つばきはじめてひらく)道知らばたづねもゆかむもみぢ葉をぬさとたむけて秋はいにけり ~凡河内躬恒(859?-925?)『古今和歌集』 巻6-0313 秋歌道が分かれば訪ねても行くのだが、紅葉を幣に手向けて秋は行っ
令和5年11月7日(火) 【旧 九月二四日 友引】・霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ)空堀に蔦草生ひて淀殿の夢覆ふごと石垣に這ふ ~林龍三 『塔』 2020年5月号Photo:大阪城 ~tenki.jp 安土桃山時代を扱った歴史ドラマでは必ず登場する大坂城。豊臣秀吉が築いた大坂城は現在
二と四と一のサインを出し終えてとどめの直球内角低めに ~林龍三『塔』 2017年9月号Photo:阪神タイガース公式サイト 坂本捕手のミットをめがけて岩崎渾身の一球が唸ると、オリックス杉本のバットが一閃。あわやスタンドオーバーかと思われる大飛球でしたがレフトノイジ
#4048 朝霧のたなびく田居に鳴く雁を留め得むかも我がやどの萩
令和5年11月6日(月) 【旧 九月二三日 先勝】・霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ)朝霧のたなびく田居に鳴く雁を留め得むかも我がやどの萩 ~光明皇后(701-760) 『万葉集』 巻19-4224朝霧がたなびいている田で鳴いている雁を留めておくことはできないでしょうか、我が家の萩
#4047 三度なる津波に遭ひて生きしわれ開かれし地に老の日積まん
令和5年11月5日(日) 【旧 九月二二日 赤口】・霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ)三度なる津波に遭ひて生きしわれ開かれし地に老の日積まん ~中村とき(1920-)『大震災・前後』Photo:「津波防災の日」と「世界津波の日」制定の記念切手 ~OPRI海洋政策研究所 今日、11月
#4046 秋風に窗うつ雨のさびしさもわが身にしみて冬近づきぬ
令和5年11月4日(土) 【旧 九月二一日 大安】・霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ)鹽原《しほばら》にてむらもみぢ灯して行く狢《むじな》の湯 ~泉鏡花(1873-1939)Photo:「天皇の間記念公園」の紅葉 ~毎日お疲れ05より 今日は『高野聖」を書いた明治期の小説家、泉鏡花
#4045 十一月三日小山にのぼりけりかなしき國や常若の國や
令和5年11月3日(金) 【旧 九月二〇日 仏滅】・霜降・楓蔦黄(もみじつたきばむ)文化の日欅の落葉道うづめ ~相馬遷子(1908-1976)『山国』Photo:tenki.jp 「文化の日」の今日は七十二候の第54候「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」。二十四節気「霜降」の末候にあたります。19
#4044 一身の衰余を透かす月下美人しろくかをりてわが掌に余る
令和5年11月2日(木) 【旧 九月一九日 先負】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)一身の衰余を透かす月下美人しろくかをりてわが掌に余る ~大滝貞一(1935-2016)『枯野舟』Photo:ゲッカビジン ~tenki.jp 「月下美人」とはなんとも艶めかしい名前の植物です。サボテン
#4043 女郎花盛りの色を見るからに露の分けきる身こそ知らるれ
令和5年11月1日(水) 【旧 九月一八日 友引】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)女郎花盛りの色を見るからに露の分けきる身こそ知らるれ ~紫式部(973?-1031?)『紫式部日記』朝露を置いた女郎花の盛りの色を見ると、露が分け隔てして我が身には恩恵をくれないのだなと
#4042 神無月はてば紅葉もいかなれや時雨とともにふりに降るらん
令和5年10月31日(火) 【旧 九月一七日 先勝】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)神無月はてば紅葉もいかなれや時雨とともにふりに降るらん ~源順(911-983)『源順集』神無月が終われば美しい紅葉もどうなるのだろうか。時雨とともに降り散ってしまうだろう。Photo:色
#4041 鶏頭の紅古りて来し秋の末や我れ四十九の年行かんとす
令和5年10月30日(月) 【旧 九月一六日 赤口】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)鶏頭の紅古りて来し秋の末や我れ四十九の年行かんとす ~伊藤左千夫(1864-1913)『左千夫歌集』Photo:ケイトウ ~photoAC(どらキチさん) ケイトウはヒユ科の一年生植物です。名前の由
#4040 神無月しぐるる頃もいかなれや空にすぎにし秋の宮人
令和5年10月29日(日) 【旧 九月一五日 大安】・霜降・霎時施(こさめときどきふる)神無月しぐるる頃もいかなれや空にすぎにし秋の宮人 ~相模(998?-1061?)『新古今和歌集』 巻8-0804 哀傷歌神無月の時雨が降る頃、衣はどうされていますか。仕えていた皇太后様が亡くなっ
#4039 目的を持たぬ読書のたのしさを老いてまた知る若き日のごと
令和5年10月28日(土) 【旧 九月一四日 仏滅】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)目的を持たぬ読書のたのしさを老いてまた知る若き日のごと ~窪田空穂(1877-1967)『木草と共に』 昨日から11月9日までの2週間は読書週間です。10月27日を「読書の日」と定められたのは終戦
#4038 わがものと大和もろびとおごり見よ外に知られぬ秋の夜の月
令和5年10月27日(金) 【旧 九月一三日 先負】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)わがものと大和もろびとおごり見よ外《ほか》に知られぬ秋の夜の月 ~木下長嘯子(1569-1649)『挙白集』我らのものだと日本の人々よ、誇って見よ。他国には知られていない秋の夜の月だ。 木
#4037 憧れは哀しからずや病窓に 果実に飽きしみどりごのあり
令和5年10月26日(木) 【旧 九月一二日 友引】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)面接で「第一志望です」10回目 ~まさみちさん(愛知県)「2024年卒就活川柳」入選作品 今日17:00からプロ野球のドラフト会議が行われます。私の子どもの頃はプロ野球選手というのは憧れの
#4036 秋萩の散り過ぎゆかばさを鹿はわび鳴きせむな見ずはともしみ
令和5年10月25日(水) 【旧 九月一一日 先勝】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)秋萩の散り過ぎゆかばさを鹿はわび鳴きせむな見ずはともしみ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2152 雑歌秋萩が散り果ててしまえば牡鹿はわびしく鳴くことだろう。もう萩の花を見られなくて。Photo
#4035 秋されば置く露霜にあへずして都の山は色づきぬらむ
令和5年10月24日(火) 【旧 九月一〇日 赤口】・霜降・霜始降(しもはじめてふる)秋されば置く露霜にあへずして都の山は色づきぬらむ ~遣新羅使 『万葉集』 巻15-3699秋になると露霜が置き、それに耐えかねて都の山は紅葉していることだろう。Photo:霜衣 ~photoAC(akan
#4034 荒熊のすみける谷をとなりにて都にとほき柴の庵かな
令和5年10月23日(月) 【旧 九月九日 大安】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)荒熊のすみける谷をとなりにて都にとほき柴の庵かな ~藤原良経(1001-1058)『秋篠月清集』 十題百首荒々しい熊が住むような谷のそばにある、都とはほど遠い柴葺きの庵だよ。Photo:HBC北
#4033 いささかは肌はひゆとも単衣きて秋海棠はみるべかるらし
令和5年10月22日(日) 【旧 九月八日 仏滅】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)いささかは肌はひゆとも単衣きて秋海棠はみるべかるらし ~長塚節(1879-1915)Photo:秋海棠の花と長塚節 中国で海棠に似た花を咲かせるところから名付けられたという秋海棠《しゅうかい
#4032 人すまぬ不破の関屋の板廂あれにしのちはただ秋の風
令和5年10月21日(土) 【旧 九月七日 先負】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)旗じるしひしめきし野の柿日和 ~水原秋櫻子(1892-1981) 秋櫻子が「関ケ原の戦い」の古戦場を訪れた際に詠んだ句。石田三成の「大一大万大吉」や徳川家康の「三つ葉葵」の旗印が目に浮か
#4031 ガザ遠く照らしにゆかん満月に大きく裂けてゆく柘榴あり
令和5年10月20日(金) 【旧 九月六日 友引】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)「フクシマの桃をあなたは食べますか」問いしひとを憎まねど忘れず ~齋藤芳生(1977-)『花の渦』 齋藤芳生氏は福島県出身の歌人。2019年に発表された第3歌集『花の渦』にこんな歌があり
#4030 影草の生ひたる屋前の夕影に鳴く蟋蟀は聞けど飽かぬかも
令和5年10月19日(木) 【旧 九月五日 先勝】・寒露・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)影草の生ひたる屋前《やど》の夕影に鳴く蟋蟀《こほろぎ》は聞けど飽かぬかも ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2159 雑歌物陰に草が茂るわが家の夕日の影で鳴く蟋蟀の声はいくら聞き飽きること
#4029 我が庭に咲きしフヨウの花見れば老ひの心も若やぎにけり
令和5年10月18日(水) 【旧 九月四日 赤口】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)我が庭に咲きしフヨウの花見れば老ひの心も若やぎにけり ~牧野富太郎(1882-1957)Photo:酔芙蓉《スイフヨウ》 ~高知城 芙蓉《フヨウ》はアオイ科の落葉低木。夏から秋にかけて花が咲く木
#4028 昨日こそ早苗とりしかいつの間に稲葉そよぎて秋風の吹く
令和5年10月17日(火) 【旧 九月三日 大安】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)昨日こそ早苗とりしかいつの間に稲葉そよぎて秋風の吹く ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻4-0172 秋歌上つい先日早苗を取ったばかりだと思っていたのに、いつの間にか秋風が吹いて実った稲葉を
#4027 雨のふる東京デ・ランド子らを率て傘かたぶけて行けばさびしや
令和5年10月16日(月) 【旧 九月二日 仏滅】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)雨のふる東京デ・ランド子らを率《い》て傘かたぶけて行けばさびしや ~岡井隆(1928-2020)『αの星』Photo:フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド 今日はウォルト・ディズニー・カンパ
#4026 今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな
令和5年10月15日(日) 【旧 九月一日 先負】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな ~素性法師(844-910)『古今和歌集』 巻14-0691 恋歌四あの方が今すぐ行くよと言っていたので 私はこの長月の長夜を待ち続けて とう
令和5年10月14日(土) 【旧 八月三〇日 先勝】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)朝ぼらけ嵐の山は峯晴れて麓をくだる秋の川霧 ~藤原為家(1198-1275)『続拾遺和歌集』 巻4-0276 秋歌上ほのぼのとした夜明け、嵐が過ぎた山の峰が晴れ渡り、秋の川霧が麓を下ってゆく。Phot
#4024 黒白の石せめぎあふ時のまを床の白菊すこしひらけり
令和5年10月13日(金) 【旧 八月二九日 赤口】・寒露・菊花開(きくのはなひらく)黒白の石せめぎあふ時のまを床の白菊すこしひらけり ~馬場あき子(1928-)『あさげゆふげ』Photo:重陽の節句の生花(嵯峨御流) ~きものと 碁会所の生花でしょうか。今日は七十二候の第5
#4023 神宮競技場ここ聖域にして送らるる学徒幾万に雨ふり注ぐ
令和5年10月12日(木) 【旧 八月二八日 大安】・寒露・鴻雁来(こうがんきたる)神宮競技場ここ聖域にして送らるる学徒幾万に雨ふり注ぐ ~吉野昌夫(1922-2012)『暦日』Photo:出陣学徒壮行会(1943年10月21日)~NHK 今から80年前(1943年10月12日)、戦時下の日本で一つ
#4022 捨て鉢に咲くひとむらの龍胆のひんやり燃えて草むらは秋
令和5年10月11日(水) 【旧 八月二七日 仏滅】・寒露・鴻雁来(こうがんきたる)捨て鉢に咲くひとむらの龍胆のひんやり燃えて草むらは秋 ~田宮朋子(1950-)『星の供花』Photo:リンドウ ~tenki.jp 秋の野に桔梗とともに爽やかな青紫の彩りを添えてくれる竜胆《リンドウ
#4021 透き通る 会場揮はす歌声よ 楽器に負けじ重なり響く
令和5年10月10日(火) 【旧 八月二六日 先負】・寒露・鴻雁来(こうがんきたる)透き通る会場揮《ふる》はす歌声よ楽器に負けじ重なり響く ~五十嵐靖之 五十嵐靖之氏は理学博士・北海道大学名誉教授。現在は北海道大学の次世代物質生命科学研究センターの客員教授をされて
#4020 天雲に雁ぞ鳴くなる高円の萩の下葉はもみちあへむかも
令和5年10月9日(月) 【旧 八月二五日 友引】・寒露・鴻雁来(こうがんきたる)天雲に雁ぞ鳴くなる高円《たかまと》の萩の下葉はもみちあへむかも ~中臣清麻呂(702-788)『万葉集』 巻20-4296天雲の彼方に雁が鳴く季節になった。高円の萩の下葉は黄葉に染まるだろうか。Pho
#4019 村雨の露もまだひぬ真木の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮れ
令和5年10月8日(日) 【旧 八月二四日 先勝】・寒露・鴻雁来(こうがんきたる)汲み置きの水平らかに寒露の日 ~角川照子(1928-2004)Photo:朝霧の森の木漏れ日 ~photoAC(ヒロタカ05さん) 二十四節気の17番目「寒露」。『暦便覧』には「陰寒の気に合つて露結び凝らん
令和5年10月7日(土) 【旧 八月二三日 赤口】・秋分・水始涸(みずはじめてかるる)鶉《うずら》鳴く古りにし里の秋萩を思ふ人どち相見つるかも ~沙弥尼 『万葉集』 巻8-1558 雑歌鶉が鳴く古里の秋萩を、親しいお友だちと一緒に見ることができました。Photo:「秋萩鶉月下図
#4017 あきつ羽の袖振る妹を玉櫛笥奥に思ふを見たまへ我が君
令和5年10月6日(金) 【旧 八月二二日 大安】・秋分・水始涸(みずはじめてかるる)秋風をあやなす物か赤とんぼ ~松岡青蘿(1740-1791)Photo:ショウジョウトンボ♂ ~photoAC(橙猫さん) 蜻蛉《とんぼ》は秋の季語に間違いありません。しかし6月頃から飛んでいます。夏
#4016 秋風の末吹きなびく萩の花ともに挿頭さず相か別れむ
令和5年10月5日(木) 【旧 八月二一日 仏滅】・秋分・水始涸(みずはじめてかるる)秋風の末吹きなびく萩の花ともに挿頭《かざ》さず相《あい》か別れむ ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻20-4515秋風が葉末に吹いてなびいている萩の花を、ともに髪に挿して楽しむ機会もな
#4015 天地の神を祈りて征矢貫き筑紫の島をさして行く我は
令和5年10月4日(水) 【旧 八月二〇日 先負】・秋分・水始涸(みずはじめてかるる)天地《あめつち》の神を祈りて征矢《さつや》貫き筑紫の島をさして行く我は ~火長 大田部荒耳 『万葉集』 巻20-4374天と地の神に無事を祈って、敵を征伐する矢を靱《ゆぎ》(矢を入れる道具
#4014 稲刈りて淋しく晴るる秋の野に黄菊はあまた眼をひらきたり
令和5年10月3日(火) 【旧 八月一九日 友引】・秋分・水始涸(みずはじめてかるる)世の中は稲刈るころか草の庵 ~松尾芭蕉(1644-1694)大阪Photo:ノウキナビ。ブログ 一夜にしてすっかり秋めいた空気に変わりました。「秋分」の次候は七十二候の第48候「水始涸(みずはじ
#4013 この三朝あさなあさなをよそほひし睡蓮の花今朝はひらかず
令和5年10月2日(月) 【旧 八月一八日 先勝】・秋分・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)この三朝《みあさ》あさなあさなをよそほひし睡蓮の花今朝はひらかず ~土屋文明(1890-0990)『ふゆくさ』Photo:水面を彩る睡蓮 ~photoAC(mituさん) 水面に浮かぶように咲くス
#4012 大君は神にしませば水鳥のすだく水沼を皇都となしつ
令和5年10月1日(日) 【旧 八月一七日 赤口】・秋分・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)大君は神にしませば水鳥のすだく水沼《みぬま》を皇都《みやこ》となしつ ~作者未詳 『万葉集』 巻19-4261大君は神でいらっしゃるから水鳥が群れ集うような沼地を都としてしまわれま
#4011 これも又ありのすさみにうきといふ名にこそたてれおしき秋かな
令和5年9月30日(土) 【旧 八月一六日 大安】・秋分・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)冬と成り又秋と成り九月尽 ~大田白雪《おおたはくせつ》(1661-1735)Photo:そらくら 「九月尽」(9月末日)でもう「冬と成り」とは、いくらなんでも早すぎるとお思いでしょう。で
#4010 飛行士の足形つけてかがやける月へはろばろ尾花をささぐ
令和5年9月29日(金) 【旧 八月一五日 仏滅】・秋分・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)飛行士の足形つけてかがやける月へはろばろ尾花をささぐ ~香川ヒサ(1947-) 『テクネー』Photo:十五夜 満月とススキの風景 ~photoAC(kosikagikuさん) 今日は太陰太陽暦の8月15
#4009 庭草に村雨降りてこほろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり
令和5年9月28日(木) 【旧 八月一四日 先負】・秋分・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)庭草に村雨降りてこほろぎの鳴く声聞けば秋づきにけり ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2160 雑歌庭草ににわか雨が降ってコオロギの鳴く声を聞けば秋の訪れを感じます。Photo:雨の中、秋
#4008 重すぎてとまれぬままに熊蜂がカリガネソウをまた吸いにゆく
令和5年9月27日(水) 【旧 八月一三日 友引】・秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)重すぎてとまれぬままに熊蜂がカリガネソウをまた吸いにゆく ~前田康子(1966-)『おかえり、いってらっしゃい』Photo:カリガネソウ ~越中富山いろいろ紹介 この短歌を読ん
#4007 けふもまた尋ね入りなむ山里の花に一夜の宿はなくとも
令和5年9月26日(火) 【旧 八月一二日 先勝】・秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)けふもまた尋ね入りなむ山里の花に一夜の宿はなくとも ~浅井長政(1545-1573)『続武家百人一首』今日もまた山里に花を求めて尋ね歩くだろう。一夜を過ごす宿は無いとしても。P
#4006 彼岸花咲ける間の道をゆく行き極まれば母に会ふらし
令和5年9月25日(月) 【旧 八月一一日 赤口】・秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)彼岸花咲ける間《はざま》の道をゆく行き極まれば母に会ふらし ~上皇后美智子(1934-)『瀬音』Photo:亀岡市曽我部の彼岸花(京都府)~tenki.jp 彼岸花はヒガンバナ科の多年
#4005 天の原踏みとどろかし鳴る神も思ふ仲をばさくるものかは
令和5年9月24日(日) 【旧 八月一〇日 大安】・秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)天の原踏みとどろかし鳴る神も思ふ仲をばさくるものかは ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻14-0701 恋歌四大空を踏み荒らして轟かせる雷でも二人の仲を決して引き離すことは出来
#4004 秋の野をわけゆく露にうつりつつ我が衣手は花の香ぞする
令和5年9月23日(土) 【旧 八月九日 仏滅】・秋分・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)秋の野をわけゆく露にうつりつつ我が衣手は花の香ぞする ~凡河内躬恒(859?-925?)『新古今和歌集』 巻4-0335 秋歌上秋の野を踏み分けて歩くと露がふりかかり、私の袖は花の香
#4003 春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり
令和5年9月22日(金) 【旧 八月八日 先負】・白露・玄鳥去(つばめさる)本来の面目春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり ~道元(1200-1253)Photo:道元禅師 臨済宗の開祖道元の入滅は1253年9月22日(建長5年8月28日)。770年前の今日のことでした。冒頭の和
#4002 すゝきの穂 みな立ちあがり くるひたる 楽器のごとく百舌は飛び去る
令和5年9月21日(木) 【旧 八月七日 友引】・白露・玄鳥去(つばめさる)こころみに四五本出たり初尾花 ~正岡子規(1867-1902)Photo:じゃらんニュース 薄《すすき》はイネ科ススキ属の植物。「尾花」と呼ばれる秋の七草のひとつです。このブログでも色々な植物を採り上げ
#4001 そこだけは人の歩みを輝かせきんもくせいの花踏まれゆく
令和5年9月20日(水) 【旧 八月六日 先勝】・白露・玄鳥去(つばめさる)そこだけは人の歩みを輝かせきんもくせいの花踏まれゆく ~安藤美保(1967-1991)『水の粒子』Photo:キンモクセイ ~DAILY AROMA JAPAN 金木犀《キンモクセイ》は9月から10月にかけてオレンジ色の小
#4000 つばくらめ飛ぶかと見れば消え去りて空あをあをとはるかなるかな
令和5年9月19日(火) 【旧 八月五日 赤口】・白露・玄鳥去(つばめさる)歸りかけて又立ち戻る燕哉 ~正岡子規(1867-1902)Photo:ツバメのねぐら入り(平城宮跡) ~なぶんけんブログ 一日遅れましたが、昨日から七十二候の第45候「玄鳥去(つばめさる)」。二十四節気「白
#3999 散る花はのちの春ともまたれけりまたも来まじきわがさかりはも
令和5年9月18日(月) 【旧 八月四日 大安】・白露・玄鳥去(つばめさる)散る花はのちの春ともまたれけりまたも来まじきわがさかりはも ~藤原清輔(1104-1177)『続古今和歌集』 巻17-1529 雑歌上散る花はまた来年の春を待つことができるが、再び来ることがないのは我が身の
#3998 捨ててだにこの世の他はなきものをいづくかつひのすみかなりけむ
令和5年9月17日(日) 【旧 八月三日 仏滅】・白露・鶺鴒鳴く(せきれいなく)捨ててだにこの世の他はなきものをいづくかつひのすみかなりけむ ~斎藤道三(辞世)この世にある、我が身の他のものは捨ててしまった。何処になるのだろうか、私の終の棲家は。Photo:岐阜城 ~
令和5年9月16日(土) 【旧 八月二日 先負】・白露・鶺鴒鳴く(せきれいなく)早涼至花ながす昔を汲みて山水の一葉をさそふ秋の涼しさ ~朝倉義景(1533-1573)『戦国時代和歌集』桜の花びらを水に浮かべた昔の貴族の雅を汲み取るように、今は山水を流れる一葉が秋の涼しさを
#3996 人間は野球ひとつで気が狂うたとえばこうして短歌詠んだり
令和5年9月15日(金) 【旧 八月一日 友引】・白露・鶺鴒鳴く(せきれいなく)暗黒と呼ばれた時代に投げていた藪が「完封しなきゃ勝てない」と言う ~池松舞 『野球短歌』 池松舞さんは東京出身の文筆家で今年のペナントレースが始まる前の3月、初の歌集を出されました。いわく
令和5年9月14日(木) 【旧 七月三〇日 赤口】・白露・鶺鴒鳴く(せきれいなく)蒲殿《かばどの》がはてにしあとを弔へば秋風強し修善寺の村 ~正岡子規(1867-1902)Photo:源範頼(左)と源頼家 ~Wikipedia 昨年の大河ドラマでは迫田孝也が演じていた源範頼。遠江国蒲御
#3994 たまかぎる夕映生るる石ひとつわが鶺鴒石たたきゐて
令和5年9月13日(水) 【旧 七月二九日 大安】・白露・鶺鴒鳴く(せきれいなく)たまかぎる夕映生《あ》るる石ひとつわが鶺鴒《いしたたき》石たたきゐて ~山中智恵子(1925-2006)Photo:キセキレイ ~photoAC(そら模様さん) 二十四節気「白露」の次候は七十二候の第44
#3993 たづねてもわれこそとはめ道もなく深き蓬のもとの心を
令和5年9月12日(火) 【旧 七月二八日 仏滅】・白露・草露白(くさのつゆしろし)たづねてもわれこそとはめ道もなく深き蓬のもとの心を ~紫式部(973?-1031?)『源氏物語』 第54帖 「蓬生」こちらから訪ねてでも問うてみよう。手がかりもなく深く生い茂る蓬《よもぎ》に埋
#3992 荻の葉にかはりし風の秋のこゑやがて野分の露くだくなり
令和5年9月11日(月) 【旧 七月二七日 先負】・白露・草露白(くさのつゆしろし)このまどゐしづかに二百二十日かな ~富安風生(1885-1979)Photo:tenki.jp 今日は雑節の「二百二十日」。これは二百十日と同じく立春から数えた日数です。昔から稲作にとって重要な時期であ
#3991 朝川を渉るつめたさ沁み入れば秋草の名のわが名咲きぬ
令和5年9月10日(日) 【旧 七月二六日 友引】・白露・草露白(くさのつゆしろし)紫苑の芽ぞくぞくと群れそめにけり ~阿波野青畝(1899-1992)Photo:紫苑とツマグロヒョウモン(雄)~photoAC(seedlingさん) 紫苑《シオン》はキク科の多年草。原産地と思われる中国での
#3990 官にも許し給へり今夜のみ飲まむ酒かも散りこすなゆめ
令和5年9月9日(土) 【旧 七月二五日 先勝】・白露・草露白(くさのつゆしろし)官《つかさ》にも許し給へり今夜《こよひ》のみ飲まむ酒かも散りこすなゆめ ~作者未詳 『万葉集』 巻8-1657 相聞歌お上からもお許しがあるのですよ。今夜だけ飲む酒であろうから、梅の花よ散ら
#3989 ぬばたまの黒髪山を朝越えて山下露に濡れにけるかも
令和5年9月8日(金) 【旧 七月二四日 赤口】・白露・草露白(くさのつゆしろし)ぬばたまの黒髪山を朝越えて山下露に濡れにけるかも ~作者未詳 『万葉集』 巻7-1241 雑歌ぬばたまの黒髪山を朝越えてくると山の下露に濡れてしまいました。 「黒髪山」は奈良市北部の奈良坂町
#3988 遠近の風とぞ今はなりなまし かひなき物は我が身なりけり
令和5年9月7日(木) 【旧 七月二三日 大安】・処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)遠近《をちこち》の風とぞ今はなりなまし かひなき物は我が身なりけり ~朱雀天皇(923-952)『新続古今和歌集』 巻16-1559 哀傷歌あちらこちらと吹く風と今はなってしまうのか。むなしい
#3987 かえらざる言問いに似てコスモスの花ゆれやまず人のさびしさ
令和5年9月6日(水) 【旧 七月二二日 仏滅】・処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)コスモスの揺れ返すとき色乱れ ~稲畑汀子(1931-2022)Photo:コスモス ~photoAC(riomiwaさん) コスモスはキク科の一年生植物で原産地はメキシコなどの熱帯アメリカ。日本には1879
#3986 夏はつる扇と秋の白露といづれかまづは置かむとすらむ
令和5年9月5日(火) 【旧 七月二一日 先負】・処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)かまぼこをまたくさらせし残暑かな ~久保田万太郎(1889-1963)『「流寓抄」以後 久保田万太郎句集』Photo:夏の台所 ~PR TIMES 残暑見舞いを送る時期は立秋から8月31日までとよく言
#3985 秋いまだ暑き斜面に滲みいづる水に垂りつつ咲くほととぎす
令和5年9月4日(月) 【旧 七月二〇日 友引】・処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)かすかなる山姥のこゑ杜鵑草 ~小檜山繁子(1931-)Photo:杜鵑草《ほととぎすそう》 ~はじまりの朝 鳥類の杜鵑《ホトトギス》が夏の季語なのに対して植物の杜鵑草《ホトトギス》は秋
#3984 佐保川の水を堰き上げて植ゑし田を 刈れる早飯はひとりなるべし
令和5年9月3日(日) 【旧 七月一九日 先勝】・処暑・禾乃登(こくものすなわちみのる)佐保川の水を堰き上げて植ゑし田を ~尼 作る刈れる早飯《わさいひ》はひとりなるべし ~大伴家持 続ぐ 『万葉集』 巻8-1635 相聞歌佐保川の水を堰き止めて植えた田を (尼が作った)
#3983 ながらえて甲斐ある命今日はしも しこの御楯と我なりましを
令和5年9月2日(土) 【旧 七月一八日 赤口】・処暑・天地始粛(てんちはじめてさむし)ながらえて甲斐ある命今日はしも しこの御楯と我なりましを ~重光葵(1887-1957) 「しこ(醜)」は「役立たず」の意味で『万葉集』の時代から使われている言葉です。Photo:ミズーリ艦
#3982 地はすべて赤き熾火なりこの下に甥のありとも我がいかにせむ
令和5年9月1日(金) 【旧 七月一七日 大安】・処暑・天地始粛(てんちはじめてさむし)大正十二年九月一日地はすべて赤き熾火《おき》なりこの下に甥のありとも我がいかにせむ ~窪田空穂(1877-1967)Photo:YAHOO! 防災カレンダーより 今日は1923年の関東大震災からちょう
#3981 此の世をば我が世とぞ思ふ望月の虧けたる事も無しと思へば
令和5年8月31日(木) 【旧 七月一六日 仏滅】・処暑・天地始粛(てんちはじめてさむし)此の世をば我が世とぞ思ふ望月の虧《か》けたる事も無しと思へば ~藤原道長 『小右記』この世界は私のものだと思う。この満月に欠けるところがないのと同じように。Photo:夕空に輝く満
#3980 晴れても良し曇りても良し富士の山元の姿は変わらざりけり
令和5年8月30日(水) 【旧 七月一五日 先負】・処暑・天地始粛(てんちはじめてさむし)晴れても良し曇りても良し富士の山元の姿は変わらざりけり ~山岡鉄舟(1836-1888)Photo:富士山を照らす光 ~photoAC(NEOヤジ1970さん) 今日、8月30日は「富士山測候所記念日」。1
#3979 カンナ赤しほとほと赤しとなげかふも夢のこの世のひとときの赤
令和5年8月29日(火) 【旧 七月一四日 友引】・処暑・天地始粛(てんちはじめてさむし)カンナ赤しほとほと赤しとなげかふも夢のこの世のひとときの赤 ~蒔田さくら子(1929-2021)『サイネリア考』Photo:カンナ(赤色)~photoAC(泉ちゃん) 春に植えられたカンナの球根
#3978 今よりは秋風寒く吹きなむをいかにかひとり長き夜を寝む
令和5年8月28日(月) 【旧 七月一三日 先勝】・処暑・天地始粛(てんちはじめてさむし)今よりは秋風寒く吹きなむをいかにかひとり長き夜を寝む ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻3-0462 挽歌これからは秋風が寒く吹くのだろうに、いかにしてひとりで長い夜を寝たらよかろ
#3977 ふとももに西瓜の種をつけたまま畳の部屋で眠っています
令和5年8月27日(日) 【旧 七月一二日 赤口】・処暑・綿柎開(わたのはなしべひらく)ふとももに西瓜の種をつけたまま畳の部屋で眠っています ~穂村弘(1962-)『水中翼船炎上中』Photo:庭で大きなスイカにかぶりつく幼児 ~PhotoAC(Calmaさん) 私が子供の頃は8月いっ
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令和5年12月3日(日) 【旧 一〇月二一日 赤口】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)家康に過ぎたるものは二つあり唐《から》の頭《かしら》に本多平八 ~小杉左近(武田信玄の近習)家康の身の程に過ぎたものが二つある。唐の頭と本多平八郎だ。 「唐の頭」とはヤクの
令和5年12月2日(土) 【旧 一〇月二〇日 大安】・小雪 橘始黄(たちばなはじめてきばむ)橘の下吹く風のかぐはしき筑波の山を恋ひずあらめかも ~占部廣方 『万葉集』 巻20-4371橘の木の下を吹く風が香しい筑波の山を懐かしく思わずにいられようか。Photo:橘の実 ~tenki.j
令和5年12月1日(金) 【旧 一〇月一九日 仏滅】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)極月の水にしづめる青砥石引上げて砥ぐ霜の柳刃 ~馬場あき子(1928-)『雪木』Photo:12月の天王寺公園とあべのハルカス ~Holiday 「極月《ごくつき》」は一年が極まる月、すなわ
令和5年11月30日(木) 【旧 一〇月一八日 先負】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)雪待月その幽《かそ》けきを鴨なけり ~加藤秋邨(1905-1993)Photo:カルガモ ~水前寺江津湖公園スタッフブログ 11月は今日でおしまい。11月の異称として「霜月」はよく知られて
令和5年11月29日(水) 【旧 一〇月一七日 友引】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)霜月の濡れ落ち葉蹴る子どもらの通学の路咳《しはぶ》きひとつ ~林龍三(1952-)『塔』2015年1月号Photo: FREEP!K 11月も今日を含めてあと2日、まさに今が紅葉の見頃です。色
令和5年11月28日(火) 【旧 一〇月一六日 先勝】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)明日ありと思う心の仇桜夜半に嵐の吹かぬものかは ~親鸞(1173-1263)明日の命があると思う心が仇になるのです。桜も夜半の嵐で散ってしまうかも知れないだろう。Photo:親鸞聖人影
令和5年11月27日(月) 【旧 一〇月一五日 赤口】・小雪 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)見送れど君振り向かずからからと枯葉舞い散るあと追ふごとく ~林龍三(1952-)『塔』2015年10月号Photo:木枯らし ~GANREF(KAWAさん) 今日は七十二候の第59候「朔風払葉(きた
令和5年11月26日(日) 【旧 一〇月一四日 大安】・小雪 虹蔵不見(にじかくれてみえず)飛ぶ鳥のかげは絶えたる夕ぐれの野沢の水に浮ぶしら雲 ~木下幸文(1779-1821)『亮々遺稿』 雑歌飛ぶ鳥の影も見えなくなった夕暮れ時、野沢の水たまりに白雲が浮かんでいるよ。Photo:
令和5年11月25日(土) 【旧 一〇月一三日 仏滅】・小雪 虹蔵不見(にじかくれてみえず)貧しさを嘆くこころも年年に移ろふものか枇杷咲きにけり ~若山牧水(1885-1928)『朝の歌』Photo:ビワの花と蕾 ~Wikipedia 枇杷《びわ》といえば花よりも先に実のほうが思い出され
令和5年11月24日(金) 【旧 一〇月一二日 先負】・小雪 虹蔵不見(にじかくれてみえず)むら雲の絶え間の空に虹立ちて時雨過ぎぬるをちの山の端 ~藤原定家(1162-1241)『玉葉和歌集』 巻6-0847 冬歌雲の間の空に虹が立って時雨は過ぎてゆく、遠くの山の端のほうへと。Photo
令和5年11月23日(木) 【旧 一〇月一一日 友引】・小雪 虹蔵不見(にじかくれてみえず)朝市に朝採り蕪の並びをり今朝は値切らぬ勤労感謝の日 ~林龍三(1952-)『塔』2023年3月号Photo:朝市 ~Hakken! 今日、「勤労感謝の日」は年内最後の祝日です。祝日法によると「勤労
令和5年11月22日(水) 【旧 一〇月一〇日 先勝】・小雪 虹蔵不見(にじかくれてみえず)夕されば衣手寒しみ吉野の吉野の山にみ雪降るらし ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻6-0317 冬歌夕方になると衣の袖が寒い。美しい吉野の山では雪が降っていることだろう。Photo:木の枝
令和5年11月21日(火) 【旧 一〇月九日 赤口】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)いと酢き赤き柘榴をひきちぎり日の光る海に投げつけにけり ~北原白秋(1885-1942)Photo:ザクロ ~photoAC (mayuko_Nさん) 柘榴《ザクロ》はミソハギ科ザクロ属の落葉樹で古くから観賞
令和5年11月20日(月) 【旧 一〇月八日 大安】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)冬薔薇おや指姫のひそみゐる ~角川照子(1928-2004)Photo:冬に咲く マルクアントンシャルポンティエ ~Pinterest 薔薇は初夏の季語。しかし冬に咲く種類も存在し、それらを総称して冬薔
令和5年11月19日(日) 【旧 一〇月七日 仏滅】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)鮪《しび》突くと海人《あま》の燭《とも》せるいざり火のほにか出でなむ我が下思《したも》ひを ~大伴家持(718-785) 『万葉集』 巻19-4218鮪《マグロ》を銛で突くという漁師の漁火のよう
令和5年11月18日(土) 【旧 一〇月六日 先負】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)日だまりにうたたねしたる水仙が姿勢正してほどなく日暮れ ~大下一真(1948-)『漆桶』Photo:ニホンスイセン ~みんなのガーデニング花図鑑 今日は七十二候の第57候「金盞香(きんせんこう
令和5年11月17日(金) 【旧 一〇月五日 友引】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)田をふかくよく耕してやしなへはいのらすとても米やみのらん ~二宮尊徳(1787-1856)『道歌集』田を深くよく耕して養えば、祈らなくても稲は立派に実るものだよ。Photo:二宮尊徳像 ~報徳
令和5年11月16日(木) 【旧 一〇月四日 先勝】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)妹がりと馬に鞍置きて生駒山《いこまやま》うち越え来れば紅葉散りつつ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2201 雑歌原文:妹許跡 馬鞍置而 射駒山 撃越来者 紅葉散筒妻のもとへ行こうと馬に鞍を置
令和5年11月15日(水) 【旧 一〇月三日 赤口】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)七五三髪のりぼんが揺れるのをおほごまだらのスキップと呼ぶ ~知花くらら(1982-)Photo:kosodate LIFE 「大胡麻斑《オオゴマダラ》」は白黒のまだら模様のアゲハチョウ。知花くららさんの
令和5年11月14日(火) 【旧 一〇月二日 大安】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)篝火草あるじなき部屋に燃え咲きて遺影の声の時にきこゆる ~馬場あき子(1928-)『あさげゆふげ』Photo:シクラメン ~Hana Saku 篝火草《かがりびそう》、あるいは篝火花が日本に入ってき
令和4年12月4日(日) 【旧 一一月一一日 先負】・小雪・橘始黄(たちばなはじめてきばむ)友だちのその友だちが見たというぶどう畑の小型宇宙人 ~斎藤真伸(1971-)『クラウン伍長』 スピルバーグの映画 『E.T.』 が日本で公開されたのが40年前の今日、1982年12月4日だっ
令和4年12月3日(土) 【旧 一一月一〇日 友引】・小雪・橘始黄(たちばなはじめてきばむ)サッカーのルールも選手も知らずして暁闇に起き昼朦朧として ~轡田道子《くつわだよりこ》 『現代万葉集』 2018年版Photo:日本vsスペイン戦の後半、同点ゴールを決める堂安選手⑧
令和4年12月2日(金) 【旧 一一月九日 先勝】・小雪・橘始黄(たちばなはじめてきばむ)橘は花にも実にも見つれどもいや時じくになほし見が欲し ~大伴家持 『万葉集』 巻18-4112橘は、花も実も目出度いものと見ておりますが、とこしえにそのように思って見ていたいものです
令和4年12月1日(木) 【旧 一一月八日 赤口】・小雪・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)逃れえぬわが奈良すでに師走なる啾々《しうしう》と夜を怨霊のこゑ ~前川佐美雄(1903-1990)『松杉』Photo:NARABURA 今年も残り一ヶ月。とはいえ、12月に入ったところなのでまだ師
令和4年11月30日(水) 【旧 一一月七日 大安】・小雪・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)妻となり母となりし霜月尽 透明にして水の三体 ~栗木京子(1954-)『水惑星』Photo:三宝公園(大阪府堺市) 11月も今日でおしまい。大晦日になると今年も終わったなと、しみじみ
令和4年11月29日(火) 【旧 一一月六日 仏滅】・小雪・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)天《あま》飛ぶや鳥にもがもや都まで送りまをして飛び帰るもの ~山上憶良 『万葉集』 巻5-0876 雑歌空を飛ぶ鳥になりたいものです。都まであなたをお送りして飛んで帰るものを。Phot
令和4年11月28日(月) 【旧 一一月五日 先負】・小雪・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)八つ手の花をきり刻み皿に盛りてをり幼子はかくてひととき遊ばむ ~木俣修(1906-1983)『冬暦』Photo:ヤツデ ~花言葉-由来 冬の寒さを感じる時期に咲き始めるのがウコギ科の常
令和4年11月27日(日) 【旧 一一月四日 友引】・小雪・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)大北風に揺さぶられつつ飛ぶ鳥の三半規管の強さを思ふ ~染川ゆり 『塔』 2022年6月号Photo:季語とこよみ 今日は七十二候の第59候「朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)」。二十四節
令和4年11月26日(土) 【旧 一一月三日 先勝】・小雪・虹蔵不見(にじかくれてみえず)凩や広野にどうと吹起る ~与謝蕪村Photo:All About 暮らし 一雨ごとに気温が下がってくるのが例年この時期の特徴。そこに木枯らしが吹けばなおさら寒さが身に沁みます。ところが東京や
令和4年11月25日(金) 【旧 一一月二日 赤口】・小雪・虹蔵不見(にじかくれてみえず)朝あけて船より鳴れる太笛のこだまは長しなみよろふ山 ~斎藤茂吉(1882-1953)『あらたま』Photo:リュディガー選手の舐めたプレーに「ありがとう」と「ざまあみろ」を言いましょう!~Y
令和4年11月24日(木) 【旧 一一月一日 大安】・小雪・虹蔵不見(にじかくれてみえず)霜月の朔《ついたち》何かありさうで ~佐藤鬼房《おにふさ》(1919-2002)Photo:ON THE ROAD 今日から旧暦の11月に入って本当の「霜月」。霜が降りる季節であることから霜降月《しもふ
令和4年11月23日(水) 【旧 一〇月三〇日 先負】・小雪・虹蔵不見(にじかくれてみえず)鳰鳥《にほどり》の葛飾《かづしか》早稲を饗《にへ》すともその愛《かな》しきを外《と》に立てめやも ~作者未詳(東歌) 『万葉集』 巻14-3386 相聞歌鳰鳥の葛飾早稲を神に捧げ祀る日
令和4年11月22日(火) 【旧 一〇月二九日 友引】・小雪・虹蔵不見(にじかくれてみえず)かなしみのきわまるときしさまざまの物象顕《た》ちて寒の虹ある ~坪野哲久(1906-1988)『碧巌』Photo:時雨虹 ~丹波新聞 今日は二十四節気の20番目「小雪」。まだ積もるほどではあ
令和4年11月21日(月) 【旧 一〇月二八日 先勝】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)修善寺物語あり枇杷の花 ~池内たけし(1889-1974)Photo:ビワの花 ~ふらり道草-季節の往来- 枇杷の実が成るのは6月頃ですが花が咲くのは11月から12月。「枇杷の花」は初冬の季語です。
令和4年11月20日(日) 【旧 一〇月二七日 赤口】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)柿の實を摘むこと遅し故郷の高嶺に雪の見ゆる頃まで ~島木赤彦(1876-1926)Photo:奈良県産富有柿 ~THE KASHIHARA 現代人は食べ物の旬というものに疎くなってしまっています。松茸の旬
令和4年11月19日(土) 【旧 一〇月二六日 大安】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)火だるまの秋刀魚を妻が食はせけり ~秋元不死男(1901-1977)Photo:久原本家 落語の『目黒のさんま』に知られている通り、サンマは江戸時代には安くて手に入る庶民の魚でした。そのせい
令和4年11月18日(金) 【旧 一〇月二五日 仏滅】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)マドレーヌあまく舌を焼く二十代いつか終りにさしかかりゐて ~松平盟子(1954-)『青夜』 Photo:アンリ・シャルパンティエ(兵庫県芦屋市)の洋菓子 マドレーヌというお菓子を始めて知っ
令和4年11月17日(木) 【旧 一〇月二四日 先負】・立冬・金盞香(きんせんこうばし)真中の小さき黄色のさかづきに甘き香もれる水仙の花 ~木下利玄(1886-1925)Photo:スイセン ~ニッポン旅マガジン 二十四節気「立冬」の末候5日間は七十二候の第57候「金盞香(きんせん
令和4年11月16日(水) 【旧 一〇月二三日 友引】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)おのがじし朝光《あさかげ》にたつ木々ありて奥処《おくど》はふかしもろどりのこゑ ~中西悟堂(1895-1984) 「おのがじし」は「思い思いに」の意。Photo:ルリビタキ(♂) ~高野山彦
令和4年11月15日(火) 【旧 一〇月二二日 先勝】・立冬・地始凍(ちはじめてこおる)とどめおきて誰をあはれと思ふらむ子は勝るらむ子は勝りけり ~和泉式部 『後拾遺和歌集』 巻10-0568 哀傷歌みんなを置いてこの世を去って、娘は一体誰を哀れと思っているのか。親よりも子