令和7年5月29日(木) 【旧 5月3日 先勝】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」静かなる園の夕に暮れ残るすずらん揺れて鳴るかと思ふ ~上皇后美智子(1934-)『ゆふすげ』 スズランの開花期は5月から6月。本種はラン科ではなくキジカクシ科スズラン属の多年草です。Photo
#4619 静かなる園の夕に暮れ残るすずらん揺れて鳴るかと思ふ
令和7年5月29日(木) 【旧 5月3日 先勝】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」静かなる園の夕に暮れ残るすずらん揺れて鳴るかと思ふ ~上皇后美智子(1934-)『ゆふすげ』 スズランの開花期は5月から6月。本種はラン科ではなくキジカクシ科スズラン属の多年草です。Photo
#4618 君や来し我や行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てか覚めてか
令和7年5月28日(水) 【旧 5月2日 赤口】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」君や来《こ》し我や行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てか覚めてか ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻13-0645 恋歌あなたが逢いに来たのか、私から行ったのか覚えていません。夢か現実か、寝てい
#4617 思ふ事世につらぬくも玉の緒のまことをつくすこころなりけり
令和7年5月27日(火) 【旧 5月1日 大安】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」思ふ事世につらぬくも玉の緒のまことをつくすこころなりけり ~東郷平八郎(1848-1934) 東郷平八郎の名を世界に知らしめた日露戦争「日本海海戦」の火蓋が切られたのは今から120年前の今日、1
#4616 なつかしき色ともなしに何にこの末摘花を袖に触れけん
令和7年5月26日(月) 【旧 4月29日 友引】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」なつかしき色ともなしに何にこの末摘花《すゑつむはな》を袖に触れけん ~光源氏『源氏物語』(紫式部)心惹かれるような色ではないのにどうして末摘花を好いてしまったのであろうか。 『源氏
令和7年5月25日(日) 【旧 4月28日 先勝】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」秀頼公滅びし城や鳥雲に ~村山古郷(1909-1986) ちょうど一月前の4月25日、中学時代の仲間6人が集い、大阪城周辺の史跡巡りをしました。大坂城落城の際、豊臣秀頼、淀殿、大野
令和7年5月24日(土) 【旧 4月27日 赤口】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」曇りなき心の月を先だてて浮世の闇を照してぞ行く ~伊達政宗(1567-1636) 辞世曇りのない我が心の月を頼りに、この乱世の闇を照らして生きてきたのだ。 病に冒されていた戦国の雄
令和7年5月23日(金) 【旧 4月26日 大安】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」若楓枝を平に打重ね ~冨安風生(1885-1979)Photo:若楓 葉に透き通る川の流れ ~西藍希さんのno+e 「若楓《わかかへで》」は読んで字のごとく楓の若葉、あるいは若葉の萌え出
#4612 たらちねの母が養ふ蚕の繭隠りいぶせくもあるか妹に逢はずして
令和7年5月22日(木) 【旧 4月25日 仏滅】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」たらちねの母が養ふ蚕《こ》の繭隠《まよこも》りいぶせくもあるか妹に逢はずして ~作者未詳 『万葉集』 巻12-2991 寄物陳思たらちねの母が養っている蚕がまるで繭に隠っているよ
#4611 小満の朝白百合の咲き始む上着を脱いでさあ出かけよう
令和7年5月21日(水) 【旧 4月24日 先負】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」小満の風を青しと遊びけり ~草間時彦(1920-2003)Photo:奥入瀬渓流の新緑 ~TOWADA TRAVEL 今日は二十四節気8番目の「小満」。万物が次第に成長する「気」が満ち始める頃で
令和7年5月20日(火) 【旧 4月23日 友引】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」卯の花の盛を捨て死出の旅 山時鳥道しるべせよ ~佐野政言(1757-1784)『鼠璞十種』 辞世 佐野政言とは、老中田沼意次の一人息子で若年寄でもあった田沼意知を殿中で殺害した人物。NHK大河
#4609 アラビアに雪降らぬゆえただ一語 ثلج と呼ばれる雪も氷も
令和7年5月19日(月) 【旧 4月22日 先勝】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」アラビアに雪降らぬゆえただ一語 ثلج 《サルジュ》と呼ばれる雪も氷も ~千種創一(1988-)『砂丘律』 ثلج 《サルジュ》は雪を表すアラビア語。作者の千種創一氏は東京外国語大学アラ
#4608 湖が見たくて蔓をのばしゆき薔薇は煉瓦の塀をこえたり
令和7年5月18日(日) 【旧 4月21日 赤口】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」湖が見たくて蔓をのばしゆき薔薇は煉瓦の塀をこえたり ~小林幸子 『日暈』 バラ(薔薇)は草本ではなく、木本性の蔓性植物です。冬に見られるのはほとんどが温室育ちですが、春にも秋にも
#4607 降圧剤一錠を嚥む夕まぐれ 五階まで来た蟻を祝へり
令和7年5月17日(土) 【旧 4月20日 大安】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」木枯やいのちもくそと思へども ~室生犀星(1889-1962) 室生犀星67歳の時の日記に記された句。体調がすこぶる悪く医者通いの日々が続いていた時で、注射と数種の薬を服用し、血圧は毎日2度
令和7年5月16日(金) 【旧 4月19日 仏滅】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」麦畑の中道来れば夕風にほのかに白き豌豆《ゑんどう》の花 ~窪田章一郎(1908-2001)Photo:スナップエンドウの花 ~photoAC(Be Heroさん) マメ科の越冬野菜エンドウの原産地はエチオピ
#4605 竹の子の また竹の子の 竹の子の 子の子の末も茂るめでたさ
令和7年5月15日(木) 【旧 4月18日 先負】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」朝掘りの竹の子の尻冷えまさり ~石川桂郎(1909-1975)『四温』 七十二候の第21候は「竹笋生(たけのこしょうず)」。二十四節気「立夏」の末候にあたる5日間です。Photo:たけのこの土佐
#4604 山越えて遠津の浜の岩つつじわが来るまでに含みてあり待て
令和7年5月14日(水) 【旧 4月17日 友引】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」山越えて遠津の浜の岩つつじわが来るまでに含《ふふ》みてあり待て ~作者未詳 『万葉集』 巻7-1188 雑歌山を越えた遠くにある遠津の浜の岩つつじよ、私がまた帰ってくるまで、つぼみのま
#4603 別れをば山の桜にまかせてむ留とめむ留めじは花のまにまに
令和7年5月13日(火) 【旧 4月16日 先勝】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」別れをば山の桜にまかせてむ留とめむ留めじは花のまにまに ~幽仙法師(836-900)『古今和歌集』 巻8-0393 離別歌お別れは山の桜に任せましょう。止めるか止めないかは花に委ねて。Photo:
#4602 新しき土の床には肥料おけりカーネーションを植ゑいだすとぞ
令和7年5月12日(月) 【旧 4月15日 赤口】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」新しき土の床には肥料おけりカーネーションを植ゑいだすとぞ ~土屋文明(1890-1990) カーネーションはナデシコ科ナデシコ属の多年草。ゆえにオランダナデシコという和名もあります。開
#4601 玉藻刈る唐荷の島に島廻《しまみ》する鵜にしもあれや家思はずあらむ
令和7年5月11日(日) 【旧 4月14日 大安】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」玉藻刈る唐荷の島に島廻《しまみ》する鵜にしもあれや家思はずあらむ ~山部赤人(?-736?)『万葉集』 巻6-0943 雑歌唐荷《からに》の島の廻りで魚を取っている鵜であれば、家のことを思
#4600 みみずみみず頭もなきとをもなきと蕗の葉影を二わかれゆく
令和7年5月10日(土) 【旧 4月13日 仏滅】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」みみずみみず頭もなきとをもなきと蕗の葉影を二《ふた》わかれゆく ~長塚節(1879-1915)『長塚節歌集』 今日は七十二候の第20候「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」。土の中で冬眠してい
#4599 さ夜更けて暁月に影見えて鳴く霍公鳥聞けばなつかし
令和7年5月9日(金) 【旧 4月12日 先負】 立夏・「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」春過ぎて 夏来向へば あしひきの 山呼び響《とよ》め さ夜中に 鳴く霍公鳥《ほととぎす》 始音《はつこひ》を 聞けばなつかし 菖蒲《あやめくさ》 花橘を 貫《ぬ》き交へ 蘰《かづら》く
#4598 左手で文字書きてゐし教へ子を思ひ出さすよ黄のフリージア
令和7年5月8日(木) 【旧 4月11日 友引】 立夏・「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」左手で文字書きてゐし教へ子を思ひ出さすよ黄のフリージア ~高野公彦(1941-)『水苑』 フリージアはアヤメ科フリージア属の球根植物。赤やピンク・紫の花もありますが、私のフリージアの
#4597 師はあらず主はありと思ふおだやかな眼を向けたまひやがて去にしを
令和7年5月7日(水) 【旧 4月10日 先勝】 立夏・「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」師はあらず主はありと思ふおだやかな眼を向けたまひやがて去《い》にしを ~岡井隆(1928-2020) 4月21日に86歳で亡くなったフランシスコ教皇の死去に伴い、次の教皇を決める選挙「コンク
#4596 夕立の名残ばかりの庭たづみ日ごろも聞かぬ蛙鳴くなり
令和7年5月6日(火) 【旧 4月9日 赤口】 立夏・「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」夕立の名残ばかりの庭たづみ日ごろも聞かぬ蛙鳴くなり ~順徳院(1197-1242)『玉葉和歌集』 巻3-0409 夏歌夕立の名残りのような庭の水たまりに日頃は聞くこともない蛙の鳴き声がする。 二
令和7年5月5日(月) 【旧 4月8日 大安】 立夏・「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」新聞の兜を父は折らんとす今度五十の息子のために ~藤島秀憲(1960-) 発達障害の息子のためにお父さんが兜を折ろうとしているのかと思ったが、その逆でした。もうすぐ50歳になる息子とは
#4594 御田屋守けふはさつきになりにけり急げや早苗老いもこそすれ
令和7年5月4日(日) 【旧 4月7日 仏滅】 穀雨・「牡丹華(ぼたんはなさく)」目には青葉山ほととぎす初鰹 ~山口素堂(1642-1716)Photo:爽やかな新緑 ~GANREF(iori_photos) この時期に晴れ渡る空と鮮やかな緑の野山を見ると思い浮かべる俳句です。そして初鰹の時期は
#4593 うれしくも国の掟のさだまりてあけゆく空のごとくもあるかな
令和7年5月3日(土) 【旧 4月6日 先負】 穀雨・「牡丹華(ぼたんはなさく)」うれしくも国の掟のさだまりてあけゆく空のごとくもあるかな ~昭和天皇(1901-1989) 今日は「憲法記念日」。現在の「日本国憲法」が施行されたのは1947年でしたが、それから平成、令和と80年
#4592 野茂がもし世界のNOMOになろうとも君や私の手柄ではない
令和7年5月2日(金) 【旧 4月5日 友引】 穀雨・「牡丹華(ぼたんはなさく)」野茂がもし世界のNOMOになろうとも君や私の手柄ではない ~枡野浩一(1968-)『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである』 たしかにそうですね。今は大谷翔平の名が世界中のスポ
#4591 逢ふことはこれやかぎりの旅ならむ草の枕も霜枯れにけり
令和7年5月1日(木) 【旧 4月4日 先勝】 穀雨・「牡丹華(ぼたんはなさく)」木隠れて茶摘みも聞くやほととぎす ~松尾芭蕉(1644-1694) 今日は雑節のひとつ、「八十八夜」。唱歌『茶摘み』の最初に「♬夏も近づく八十八夜」という歌詞が出てくるので茶摘みの日かと思わ
#4590 風もなきにざつくり牡丹くづれたりざつくりとくづるる時の来りて
令和7年4月30日(水) 【旧 4月3日 赤口】 穀雨・「牡丹華(ぼたんはなさく)」風もなきにざつくり牡丹くづれたりざつくりとくづるる時の来りて ~岡本かの子(1889-1939)Photo:長谷寺の牡丹(奈良県桜井市) 二十四節気「穀雨」の末候5日間は七十二候の第18候「牡丹華(
#4589 割烹着も見えて昭和の迎へ傘かかる小景を呼びやまず歌は
令和7年4月29日(火) 【旧 4月2日 大安】 穀雨・「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」割烹着も見えて昭和の迎へ傘かかる小景を呼びやまず歌は ~島田修造(1950-)Photo:昭和32(1957)年春、新宿駅前の風景 ~新宿歴史博物館 ゴールデンウイーク最初の祝日は「昭和の日
#4588 新しき常に照る日の広き心吾等かならず立たざらめやも
令和7年4月28日(月) 【旧 4月1日 仏滅】 穀雨・「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」新しき常に照る日の広き心吾等かならず立たざらめやも ~土岐善麿(1885-1980)Photo:講和条約調印式で演説する吉田茂首相 ~毎日新聞 1952(昭和27)年4月28日は日本が再び独立国と
#4587 目のまへに大きなる山晴れをりて梓の川の音はひびかふ
令和7年4月27日(日) 【旧 3月30日 友引】 穀雨・「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」目のまへに大きなる山晴れをりて梓の川の音はひびかふ ~佐藤佐太郎(1909-1987)『地表』 今日は恒例となっている「上高地開山祭」。今年は第55回だそうです。上高地は昨年11月15日
#4586 曇る日のとある路上の植込みのつつじの花のしめりに触れつ
令和7年4月26日(土) 【旧 3月29日 先勝】 穀雨・「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」曇る日のとある路上の植込みのつつじの花のしめりに触れつ ~阿木津英(1950-)Photo:ヒラドツツジ ~御勅使南公園《みだいみなみこうえん》(山梨県南アルプス市) 躑躅《ツツジ》
#4585 みかくれてすだくかはづの声ながらまかせてけりな小田の苗代
令和7年4月25日(金) 【旧 3月28日 赤口】 穀雨・「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」みかくれてすだくかはづの声ながらまかせてけりな小田の苗代 ~殷富門院大輔 『風雅和歌集』巻3-0269 春歌下見え隠れして群れている蛙たちの鳴き声もいっしょに小田の苗代に水を引いて
#2584 ふはふはとたんぽぽの飛びあかあかと夕日の光り人の歩める
令和7年4月24日(木) 【旧 3月27日 大安】 穀雨・「葭始生(あしはじめてしょうず)」ふはふはとたんぽぽの飛びあかあかと夕日の光り人の歩める ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』Photo:pngtree もう春も終わりに近づいてきましたが、蒲公英《たんぽぽ》の季節はまだま
#4583 我なくも行く末守れあした草食もする人のあらんかぎりは
令和7年4月23日(水) 【旧 3月26日 仏滅】 穀雨・「葭始生(あしはじめてしょうず)」我なくも行く末守れあした草食《は》もする人のあらんかぎりは ~伝 源為朝(1139-1170)私がいなくなった後も行く末までも大島の明日葉を守ってくれよ。それを食する人がいる限りは。
#4582 わが地球地軸かたむけ来たる時年をあらため事あらたにす
令和7年4月22日(火) 【旧 3月25日 先負】 穀雨・「葭始生(あしはじめてしょうず)」わが地球地軸かたむけ来たる時年をあらため事あらたにす ~窪田空穂(1877-1967)『老槻の下』Photo:アースデイの旗 ~Wikipedia 4月22日は「地球の日(アースデイ)」。1969年にユネ
令和7年4月21日(月) 【旧 3月24日 友引】 穀雨・「葭始生(あしはじめてしょうず)」芦のびて鯰とる子をかくすほど ~岸風三楼(1910-1982)『往来』 二十四節気「穀雨」の初候5日間(4月20~24日)は七十二候の第16候「葭始生(あしはじめてしょうず)」。この時期の雨
#4581 ときはなる山の岩根にむす苔の染めぬみどりに春雨ぞふる
令和7年4月20日(日) 【旧 3月23日 先勝】 穀雨・「葭始生(あしはじめてしょうず)」ときはなる山の岩根にむす苔の染めぬみどりに春雨ぞふる ~藤原良経 『新古今和歌集』 巻1-0066 春上とこしえに変わらぬ山の岩根にむす苔を、染めもしないのに緑を鮮やかにする春雨が降
#4580 ブロックの塀の上までのびいでて咲くクレマチス雨に濡れたる
令和7年4月19日(土) 【旧 3月22日 赤口】 清明・「虹始見(にじはじめてあらわる)」ブロックの塀の上までのびいでて咲くクレマチス雨に濡れたる ~玉城徹(1924-2010)『汝窯』Photo:港の見える丘公園に咲く紫色のクレマチス ~四季の花図鑑 クレマチスはキンポウゲ科セ
#4579 百敷に八千世かさねてさくら花にほはむ春ぞかぎりしられぬ
令和7年4月18日(金) 【旧 3月21日 大安】 清明・「虹始見(にじはじめてあらわる)」百敷《ももしき》に八千世かさねてさくら花にほはむ春ぞかぎりしられぬ ~中御門天皇(1702-1737)『新千載和歌集』 巻20-2311 慶賀歌宮中に長い年月を重ねて咲いてきた桜の花の、その香
#4578 先に行くあとに残るも同じこと連れて行けぬをわかれぞと思う
令和7年4月17日(木) 【旧 3月20日 仏滅】 清明・「虹始見(にじはじめてあらわる)」先に行くあとに残るも同じこと連れて行けぬをわかれぞと思う ~徳川家康(1543-1616)辞世私は先に死んでゆくが、あとに残るお前たちもいずれは同じことだ。連れてはいけないので、これ
#4577 花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった
令和7年4月16日(水) 【旧 3月19日 先負】 清明・「虹始見(にじはじめてあらわる)」花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった ~吉川宏志(1969-)『青蝉』Photo:ハナミズキの花 ~photoAC(Kazu0425さん) ハナミズキはミズキ科ミズキ属の落葉高木。
#4576 土砂降りの夕立あがり雲間からアーチをもたげ背伸びする虹
令和7年4月15日(火) 【旧 3月18日 友引】 清明・「虹始見(にじはじめてあらわる)」初虹や白川道を花売女 ~中川四明(1850-1917)『四明句集』Photo:七十二候だより by 久栄社 今日は七十二候の第15候「虹始見(にじ はじめて あらわる)」。二十四節気「清明」の末候
令和7年4月14日(月) 【旧 3月17日 先勝】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」母そして姉失いし少年の「傷心」疼く森を歩けば ~西岡徳江(1951-2018)『私の短歌とアメリカ通信』 少年の名はエイブラハム・リンカーン。西岡徳江さんは合衆国在住の歌人で、インディアナ州
#4574 海風にひらけていたい心があってグリーンの列車で夢洲へ
令和7年4月13日(日) 【旧 3月16日 赤口】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」海風にひらけていたい心があってグリーンの列車で夢洲へ ~高田ほのかPhoto:大阪・関西万博会場 夢洲《ゆめしま》 1970年の大阪万博の際は吹田市の千里丘陵で行われましたが、私はお隣、茨木
#4573 痛ましき原の古城に来て見れば一もと咲ける白百合の花
令和7年4月12日(土) 【旧 3月15日 大安】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」痛ましき原の古城に来て見れば一もと咲ける白百合の花 ~新村出(1876-1942)『重山集』Photo:「島原の乱図屏風」を再現したジオラマ(天草四郎ミュージアム) 「原の古城」とは寛永15年の「島
#4572 霍公鳥来鳴き響もす岡辺なる藤波見には君は来じとや
令和7年4月11日(金) 【旧 3月14日 仏滅】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」霍公鳥《ほととぎす》来鳴き響《とよ》もす岡辺なる藤波見には君は来じとや ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1991 相聞歌ほととぎすが来て啼く丘のほとりの藤の花を見に貴女は来ないと言うのですか。
#4571 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
令和7年4月10日(木) 【旧 3月13日 先負】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし ~在原業平(825-880)『伊勢物語』 第82段 「渚の院」世の中に、慌ただしく散る桜というものが咲かなければ、春の心はもっとのどかであろ
令和7年4月9日(水) 【旧 3月12日 友引】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」燕来る時になりぬと雁がねは国偲びつつ雲隠り鳴く ~大伴家持 『万葉集』 巻19-4144燕が来る時になったのだと、雁はふるさとを思って雲の上で鳴いている。Photo:鴻雁北 ~暦生活 二十四節気「清
#4569 胸は少女、腰は母とも人は言ふ〈ミロのヴィーナス〉の完璧なる美
令和7年4月8日(火) 【旧 3月11日 先勝】 清明・「玄鳥至(つばめきたる)」胸は少女、腰は母とも人は言ふ〈ミロのヴィーナス〉の完璧なる美 ~悟桐学《ごとうまなぶ》 ヘレニズムの彫刻「ミロのヴィーナス」はギリシャ神話の女神アプロディーテの像といわれ、作者は紀元前2
#4568 起きてみて、 また直ぐ寝たくなる時の 力なき眼に愛でしチュリップ!
令和7年4月7日(月) 【旧 3月10日 赤口】 清明・「玄鳥至(つばめきたる)」起きてみて、また直ぐ寝たくなる時の力なき眼に愛でしチュリップ! ~石川啄木(1886-1912)『悲しき玩具』Photo:チューリップ ~はたらこマガジン チューリップはユリ科チューリップ属の球根植
#4567 心あらむ人に見せばや津の国の難波わたりの春のけしきを
令和7年4月6日(日) 【旧 3月9日 大安】 清明・「玄鳥至(つばめきたる)」じいちゃんと行った、今度はわし、じいちゃん ~アントニオ馬場(堺 SDGs川柳2024 大賞作) じいちゃんと行ったのは1970年の「大阪万博 EXPO’70」。こんど孫を連れて行くのは「大阪・関西万博 EXPO
#4566 さくら咲くその花影の水に研ぐ夢やはらかし朝の斧は
令和7年4月5日(土) 【旧 3月8日 仏滅】 清明・「玄鳥至(つばめきたる)」さくら咲くその花影の水に研ぐ夢やはらかし朝《あした》の斧は ~前登志夫(1926-2008)『霊異記』 桜が咲いている樹の下で研いでいるのは包丁ではなく斧。やがて研ぎ上がった斧でその桜を伐り倒す
#4565 すくすくと生ひ立つ麦に腹すりて燕飛びくる春の山畑
令和7年4月4日(金) 【旧 3月7日 先負】 清明・「玄鳥至(つばめきたる)」 今日は二十四節気の第5、「清明」。『暦便覧』には「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」と記されています。清明については中国唐代の詩人杜牧《とぼく》が詠んだこんな詩がありま
#4564 月残る弥生の山の霞む夜をよよしとつげよまたずしもあらず
令和7年4月3日(木) 【旧 3月6日 友引】 春分・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」 建仁2年9月13日(1202年9月30日)、後鳥羽上皇の離宮があった水無瀬(大阪府島本町広瀬)に於いて歌合の会が催されました。「水無瀬恋十五首歌合」と呼ばれますが、15というのは歌
#4563 自閉症の吾子と散歩を楽しみぬ勤めなき身の平日の午後
令和7年4月2日(水) 【旧 3月5日 先勝】 春分・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」自閉症の吾子と散歩を楽しみぬ勤めなき身の平日の午後 ~渡辺幸一(1950-)『イギリス』 渡辺幸一氏は福岡県北九州市生まれ。商社勤務の後外資系証券会社数社を経て英国に移住し
#4562 ぬぎかへて形見とまらぬ夏衣さてしも花の面影ぞたつ
令和7年4月1日(火) 【旧 3月4日 赤口】 春分・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」ぬぎかへて形見とまらぬ夏衣さてしも花の面影ぞたつ ~藤原定家(1162-1241)『正治初度百首』 1324夏の衣に脱ぎ変えて、花の季節も肩身を滑り落ちるように過ぎ去り、春の面影だけ
#4561 決算を終へし夕べは暮れなづむ鉢のプリムラ色あたたかし
令和7年3月31日(月) 【旧 3月3日 大安】 春分・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」決算を終へし夕べは暮れなづむ鉢のプリムラ色あたたかし ~向山益雄 『檐溜』 日本の多くの会社は3月末をもって年度の締めくくりとしています。その要因となった国の会計年度が4
令和7年3月30日(日) 【旧 3月2日 仏滅】 春分・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」花誘ふ春雷深夜の吾が腹の底に響きて天に納まる ~村瀬廣(1891-?) 『麗』Photo:桜と雷|多摩川河川敷 ~flickr 今日は、七十二候の第12候「雷乃発声(かみなりすなわちこえ
#4559 パンセパンセパン屋のパンセ にんげんはアンパンをかじる葦である
令和7年3月29日(土) 【旧 3月1日 先負】 春分・「桜始開(さくらはじめてひらく)」パンセパンセパン屋のパンセ にんげんはアンパンをかじる葦である ~杉崎恒夫(1919-1984)『パン屋のパンセ』 「パンセ」は「思考」「思想」の意。フランスの哲学者ブレーズ・パスカル(
#4558 春山の咲きのををりに春菜摘む妹が白紐見らくしよしも
令和7年3月28日(金) 【旧 2月29日 赤口】 春分・「桜始開(さくらはじめてひらく)」春山の咲きのををりに春菜《わかな》摘む妹《いも》が白紐見らくしよしも ~尾張連《をはりのむらじ》『万葉集』 巻8-1421 雑歌春山の花が咲いている下で、春の菜を摘んでいる。妻の着物の
令和7年3月27日(木) 【旧 2月28日 大安】 春分・「桜始開(さくらはじめてひらく)」古《いにしへ》の人の植ゑけむ杉が枝に霞たなびく春は来ぬらし ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1814 雑歌いにしえの人が植えたという杉の枝に霞がたなびく春が来たようです。 この歌、万葉集
令和7年3月26日(水) 【旧 2月27日 仏滅】 春分・「桜始開(さくらはじめてひらく)」醜草《しこぐさ》の島に蔓《はびこ》る其の時の皇国《みくに》の行手一途に思ふ ~栗林忠道(1891-1945)Photo:硫黄島の栗林忠道中将 ~祖孫 しんどう義孝氏のHPより 太平洋戦争末期の
#4555 この花の一節のうちに百種の言ぞ隠れるおほろかにすな
令和7年3月25日(火) 【旧 2月26日 先負】 春分・「桜始開(さくらはじめてひらく)」藤原朝臣広嗣、桜花を娘子《おとめ》に贈る歌一首この花の一節《ひとよ》のうちに百種《ももくさ》の言《こと》ぞ隠《こも》れるおほろかにすな ~藤原広嗣(715-740)『万葉集』 巻8-1456
#4554 あふみの海磯うつ波のいく度か御世にこころをくだきぬるかな
令和7年3月24日(月) 【旧 2月25日 友引】 春分・「雀始巣(すずめはじめてすくう)」あふみの海磯うつ波のいく度か御世にこころをくだきぬるかな ~井伊直弼 『柳廼四附《やなぎのしづく》』近江の湖の磯を打つ波のように幾度も今の御代のことに心を砕く日々であることよ
#4553 暇なく人の眉根をいたづらに掻かしめつつも逢はぬ妹かも
令和7年3月23日(日) 【旧 2月24日 先勝】 春分・「雀始巣(すずめはじめてすくう)」長眉毛一本のべし老の春 ~百合山羽公(1904-1991) 今年のNHK大河小説 『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』 で水野美紀や安達祐実・飯島直子らが演じる眉毛のない吉原の女将たちと、石坂浩
#4522 ふたつみつ標本木の花の芽がぽこりとおきておはやうといふ
令和7年3月22日(土) 【旧 2月23日 赤口】 春分・「雀始巣(すずめはじめてすくう)」万蕾の一枝ほころび貴妃桜 ~大石悦子(1938-2023)Photo:咲き始めた楊貴妃桜 ~杜の舟 「万蕾《ばんらい》」は枝いっぱいについた蕾《つぼみ》のこと。「貴妃桜」は楊貴妃に因んで名
#4551 めざむればいたく搖れゐる電線と雀の聲とわが窓のへに
令和7年3月21日(金) 【旧 2月22日 大安】 春分・「雀始巣(すずめはじめてすくう)」めざむればいたく搖れゐる電線と雀の聲とわが窓のへに ~高安国世(1913-1984)『眞實』 二十四節気「春分」の初候5日間(3月20~24日)は七十二候の第10候「雀始巣(すずめはじめてす
#4550 さみどりに香る草餅春彼岸あの人この人偲びつつ食む
令和7年3月20日(木) 【旧 2月21日 仏滅】 春分・「雀始巣(すずめはじめてすくう)」さみどりに香る草餅春彼岸あの人この人偲びつつ食む ~喜夛隆子 二十四節気の4番目は「春分」。「日天の中を行て昼夜とうぶんの時なり」とは『暦便覧』における説明。昼と夜の時間が同
#4549 わするなよなれし雲ゐのさくら花うき身は春のよそになるとも
令和7年3月19日(水) 【旧 2月20日 先負】 啓蟄・「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」わするなよなれし雲ゐのさくら花うき身は春のよそになるとも ~藤原隆信(1142-1205)『新勅撰和歌集』 巻16-1044 雑歌一忘れるな、見慣れた宮中の桜花よ。不遇の私は春とは無縁になって
#4548 すすみゆく時にあふともいそのかみふるきてぶりをわすれざらなむ
令和7年3月18日(火) 【旧 2月19日 友引】 啓蟄・「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」赤とんぼ昔のいろに明治村 ~西上禎子 「第5回 HIA俳句大会」 国際俳句交流協会賞受賞作品 明治村が開業したのはちょうど60年前の今日、1965年3月16日。昔の町並みを楽しめるテーマパー
#4547 通り抜けし造幣局の桜道見返りて去ぬ 外つ国の人も
令和7年3月17日(月) 【旧 2月18日 先勝】 啓蟄・「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」花の径地金を溶かす光洩れ ~若宮直美 (平成31年「花のまわりみち」特選一席) 日本の硬貨や各種メダル、勲章などを製造している造幣局の本局が大阪に設置されたのは今から156年前の18
#4546 枕あげてわが見たる時フリージヤのすがしき花は光りけるかも
令和7年3月16日(日) 【旧 2月17日 赤口】 啓蟄・「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」うまさうなコップの水にフリージヤ ~京極杞陽《きよう》(1908-1981)Photo:フリージア ~花毎《はなごと》 フリージアはアヤメ科フリージア属の球根植物。菖蒲にも、水仙にも似てい
令和7年3月15日(土) 【旧 2月16日 大安】 啓蟄・「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」てふてふが一匹韃靼《だったん》海峡を渡って行った。 ~安西冬衛(1898-1965)『春』 これは短歌でも俳句でもなく「一行詩」と呼ばれるものです。作者の安藤冬衛《あんどうふゆえ》は
#4544 するだろう ぼくをすてたるものがたりマシュマロくちにほおばりながら
令和7年3月14日(金) 【旧 2月15日 仏滅】 啓蟄・「桃始笑(ももはじめてさく)」するだろう ぼくをすてたるものがたりマシュマロくちにほおばりながら ~村木道彦(1942-2024)『天唇』 バレンタインデーの由来は先月調べてアップしましたが、ホワイトデーの由来は分か
#4543 ぬばたまの夢の名残りのごときかも黄の花咲く山茱萸一枝
令和7年3月13日(木) 【旧 2月14日 先負】 啓蟄・「桃始笑(ももはじめてさく)」ぬばたまの夢の名残りのごときかも黄の花咲く山茱萸一枝 ~小中英之(1937-2001)『翼鏡』Photo:山茱萸 ~GARDEN STORY 山茱萸《さんしゅゆ》は江戸時代享保年間に朝鮮半島から渡ってきた
#4542 「あさかぜ」にひと夜過ごせる寝不足と瀬戸内海の光と忘れず
令和7年3月12日(水) 【旧 2月13日 友引】 啓蟄・「桃始笑(ももはじめてさく)」「あさかぜ」にひと夜過ごせる寝不足と瀬戸内海の光と忘れず ~島田修三(1950-) 「あさかぜ」は昭和31年から平成17年まで東京駅 - 下関駅・博多駅間を東海道本線・山陽本線・鹿児島本線経
#4541 常よりも父はやさしくふるまいて子等らと過ごしぬ空襲前夜
令和7年3月11日(火) 【旧 2月12日 先勝】 啓蟄・「桃始笑(ももはじめてさく)」三月十日も十一日も鳥帰る ~金子兜太 「海程」2011年10月号 金子兜太の句にある「三月十一日」とは2011年3月11日、三陸沖に発生した地震と津波による東日本大震災のことを指しています。
#4540 あまさかる鄙少女等が着る衣のうすいろ木綿と桃咲きにけり
令和7年3月10日(月) 【旧 2月11日 赤口】 啓蟄・「桃始笑(ももはじめてさく)」あまさかる鄙少女等が着る衣のうすいろ木綿と桃咲きにけり ~長塚節(1879-1915) 「あまさかる鄙《ひな》」は都から遠い地方のことです。二十四節気「啓蟄」の次候は七十二候の第8候「桃始
#4539 すみしよの春なつかしきふるさとの梅のさかりを誰かみるらむ
令和7年3月9日(日) 【旧 2月10日 大安】 啓蟄・蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)すみしよの春なつかしきふるさとの梅のさかりを誰かみるらむ ~明治天皇 明治27年Photo:明治天皇銀婚祈念切手(明治27年3月9日発行) 今日、3月9日は「記念切手記念日」とあったので
#4538 松原にいつ生ひにけむひともとのアカシヤ生ひて花咲けり見ゆ
令和7年3月8日(土) 【旧 2月9日 仏滅】 啓蟄・蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)松原にいつ生ひにけむひともとのアカシヤ生ひて花咲けり見ゆ ~若山牧水(1885-1928) 今日3月8日は「国際女性デー」。ミモザはその象徴となる花とされています。日本ではフサアカシア
#4537 消防車のミニカー離さぬ幼子を預けたる帰路本物に遇う
令和7年3月7日(金) 【旧 2月8日 先負】 啓蟄・蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)消防車のミニカー離さぬ幼子を預けたる帰路本物に遇う ~鈴木緑 『塔』2016年11月号 今日3月7日は「消防記念日」。1948年のこの日に消防組織法が施行され、明治以来警察の所管とされ
令和7年3月6日(木) 【旧 2月7日 友引】 啓蟄・蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)山碧し花桃風を染むばかり ~飯田龍太(1920-2007)Photo:ハナモモ ~HORTI by Green Snap モモの原産地は中国ですが、古代には日本に入っていました。江戸時代になると主に花を鑑賞す
#4535 草に置くわが手のかげに出でて来て飴色の虫嬬を争う
令和7年3月5日(水) 【旧 2月6日 先勝】 啓蟄・蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)草に置くわが手のかげに出でて来て飴色の虫嬬《つま》を争う ~岡井隆(1928-2020)『斉唱』Photo:いぬおのネコぶろぐ 今日は二十四節気の第3「啓蟄」。『暦便覧』には「陽気地中にう
#4534 一円玉見つつ思へり一つあて三円を費やし造る人らを
令和7年3月4日(火) 【旧 2月5日 赤口】 雨水・草木萌動(そうもくめばえいずる)一円玉見つつ思へり一つあて三円を費やし造る人らを ~悟桐学 1869(明治2)年のこの日、明治政府が貨幣を円形として金銀銅の貨幣を鋳造する円貨の制度を定めたことに由来し、今日3月4日は
#4533 春なれば梅に桜をこきまぜて流すみなせの河のかぞする
令和7年3月3日(月) 【旧 2月4日 大安】 雨水・草木萌動(そうもくめばえいずる)春なれば梅に桜をこきまぜて流すみなせの河のかぞする ~紀貫之(872-945)「三月三日紀師匠曲水宴和歌」春なので梅に桜を混ぜ合わせて流す水瀬の川の香がするよ。Photo:鈴木其一「曲水宴図
#4532 お水送り近づきたれば若狭路の雪の晴れ間の光明るき
令和7年3月2日(日) 【旧 2月3日 仏滅】 雨水・草木萌動(そうもくめばえいずる)お水送り近づきたれば若狭路の雪の晴れ間の光明るき ~内田あき子 耕養庵蒼島短歌(平成18年 冬季一席)Photo:僧侶によって遠敷川に注がれる香水 ~中日新聞 春を呼ぶと言われる奈良東大寺
令和7年3月1日(土) 【旧 2月2日 先負】 雨水・草木萌動(そうもくめばえいずる)われ寂し青き李の花に似て弥生の空のもとに悩める ~三ケ島葭子(1886-1927) 三ケ島葭子《みかじまよしこ》は明治から大正にかけて生きた埼玉県出身の女流歌人。与謝野晶子に師事して生涯
#4530 まだきにぞ摘みに来にけるはるばると今もえ出づる野べのさわらび
令和7年2月28日(金) 【旧 2月1日 友引】 雨水・草木萌動(そうもくめばえいずる)びろうどのあたたかさうな草も萌ゆ ~山口青邨(1892-1988) 今日は七十二候の第6候「草木萌動(そうもくめばえいずる)」。草木が芽を吹き始めるころという意味で、二十四節気「雨水」の
#4529 如月に雪の隙なく降ることはたまたま来ます君遣らじとか
令和7年2月27日(木) 【旧 1月30日 赤口】 雨水・霞始靆(かすみはじめてただよう)如月に雪の隙《ひま》なく降ることはたまたま来ます君遣《や》らじとか ~良寛(1758-1831)二月なのに雪が絶え間なく降るということは、たまたま来てくれるあなたを帰らせないためでしょ
#4528 クーデター成りゆく国を恋ふ語韻安住し得ぬ若さか持ちて
令和7年2月26日(水) 【旧 1月29日 大安】 雨水・霞始靆(かすみはじめてただよう)クーデター成りゆく国を恋ふ語韻安住し得ぬ若さか持ちて ~大西民子(1924-1994) 大西民子は大正13年、岩手県盛岡に生まれた歌人。陸軍の青年将校らが首相官邸や警視庁などを襲撃した「
#4527 鉄を截る匂ひなまなまと立つ夕べ心疲れて運河に出でぬ
令和7年2月25日(火) 【旧 1月28日 仏滅】 雨水・霞始靆(かすみはじめてただよう)鉄を截《き》る匂ひなまなまと立つ夕べ心疲れて運河に出でぬ ~近藤芳美(1913-2006)『埃吹く街』 今月7日に行われた石破総理とトランプ大統領の会談により、日本製鉄のUSスチール買収計
#4526 ヒマラヤの樹の間岩間の羊腸折うらさびしきに杜鵑啼く
令和7年2月24日(月) 【旧 1月27日 先負】 雨水・霞始靆(かすみはじめてただよう)ヒマラヤの樹の間岩間の羊腸折《つづらをり》うらさびしきに杜鵑啼く ~河口慧海(1866-1945)『チベット旅行記』Photo:河口慧海と『チベット旅行記(抄)』 黄檗宗の僧で仏教学者、そし
令和7年2月23日(日) 【旧 1月26日 友引】 雨水・霞始靆(かすみはじめてただよう)朝もやの晴れ上がりゆく湖にヒマラヤの峰姿耀ふ ~徳仁皇太子殿下(平成2年当時) 今上天皇陛下65歳のお誕生日です。この御製は昭和62(1987)年3月にネパール・ブータン・インドを親善訪
#4524 猫の耳を引っぱりてみて にゃと啼けば びっくりして喜ぶ子供の顔かな
令和7年2月22日(土) 【旧 1月25日 先勝】 雨水・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)猫の耳を引っぱりてみてにゃと啼けばびっくりして喜ぶ子供の顔かな ~石川啄木(1886-1912)『悲しき玩具』 米語で猫の鳴き声は "mewミュー" 英国では "meowミャオウ」、日本では「
#4513 めじろ来て「地球は球」と啼くあしたまだ闇にゐるひとをおもへり
令和7年2月21日(金) 【旧 1月24日 赤口】 雨水・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)指はみだらや鶯餅のきなこの黄 ~鳥居真里子(1948-)『船団』Photo:うぐいす餅 ~TubeRecipe この季節にぴったりのうぐいす餅。あの柔らかい触感とうぐいす色の甘いきなこ。鶯は
#4522 あかがねの色になりたるはげあたまかくの如くに生きのこりけり
令和7年2月20日(木) 【旧 1月23日 大安】 雨水・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)木葉髪馬鹿は死ななきや直らねえ ~金子兜太(1919-2018)「俳句界」2009年1月号Photo:金子兜太 ~文春オンライン 埼玉県出身の俳人金子兜太《かねことうた》は2018年2月20日、誤
#4521 石ばしる垂水の上の早蕨の萌え出づる春になりにけるかも
令和7年2月19日(水) 【旧 1月22日 仏滅】 雨水・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)萌え出づるものにやはらか春の土 ~高木青巾Photo:わらび ~山形県朝日町 二十四節気「雨水」の初候は七十二候の第4候「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)」。2月18日から2
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令和7年5月29日(木) 【旧 5月3日 先勝】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」静かなる園の夕に暮れ残るすずらん揺れて鳴るかと思ふ ~上皇后美智子(1934-)『ゆふすげ』 スズランの開花期は5月から6月。本種はラン科ではなくキジカクシ科スズラン属の多年草です。Photo
令和7年5月28日(水) 【旧 5月2日 赤口】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」君や来《こ》し我や行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てか覚めてか ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻13-0645 恋歌あなたが逢いに来たのか、私から行ったのか覚えていません。夢か現実か、寝てい
令和7年5月27日(火) 【旧 5月1日 大安】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」思ふ事世につらぬくも玉の緒のまことをつくすこころなりけり ~東郷平八郎(1848-1934) 東郷平八郎の名を世界に知らしめた日露戦争「日本海海戦」の火蓋が切られたのは今から120年前の今日、1
令和7年5月26日(月) 【旧 4月29日 友引】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」なつかしき色ともなしに何にこの末摘花《すゑつむはな》を袖に触れけん ~光源氏『源氏物語』(紫式部)心惹かれるような色ではないのにどうして末摘花を好いてしまったのであろうか。 『源氏
令和7年5月25日(日) 【旧 4月28日 先勝】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」秀頼公滅びし城や鳥雲に ~村山古郷(1909-1986) ちょうど一月前の4月25日、中学時代の仲間6人が集い、大阪城周辺の史跡巡りをしました。大坂城落城の際、豊臣秀頼、淀殿、大野
令和7年5月24日(土) 【旧 4月27日 赤口】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」曇りなき心の月を先だてて浮世の闇を照してぞ行く ~伊達政宗(1567-1636) 辞世曇りのない我が心の月を頼りに、この乱世の闇を照らして生きてきたのだ。 病に冒されていた戦国の雄
令和7年5月23日(金) 【旧 4月26日 大安】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」若楓枝を平に打重ね ~冨安風生(1885-1979)Photo:若楓 葉に透き通る川の流れ ~西藍希さんのno+e 「若楓《わかかへで》」は読んで字のごとく楓の若葉、あるいは若葉の萌え出
令和7年5月22日(木) 【旧 4月25日 仏滅】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」たらちねの母が養ふ蚕《こ》の繭隠《まよこも》りいぶせくもあるか妹に逢はずして ~作者未詳 『万葉集』 巻12-2991 寄物陳思たらちねの母が養っている蚕がまるで繭に隠っているよ
令和7年5月21日(水) 【旧 4月24日 先負】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」小満の風を青しと遊びけり ~草間時彦(1920-2003)Photo:奥入瀬渓流の新緑 ~TOWADA TRAVEL 今日は二十四節気8番目の「小満」。万物が次第に成長する「気」が満ち始める頃で
令和7年5月20日(火) 【旧 4月23日 友引】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」卯の花の盛を捨て死出の旅 山時鳥道しるべせよ ~佐野政言(1757-1784)『鼠璞十種』 辞世 佐野政言とは、老中田沼意次の一人息子で若年寄でもあった田沼意知を殿中で殺害した人物。NHK大河
令和7年5月19日(月) 【旧 4月22日 先勝】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」アラビアに雪降らぬゆえただ一語 ثلج 《サルジュ》と呼ばれる雪も氷も ~千種創一(1988-)『砂丘律』 ثلج 《サルジュ》は雪を表すアラビア語。作者の千種創一氏は東京外国語大学アラ
令和7年5月18日(日) 【旧 4月21日 赤口】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」湖が見たくて蔓をのばしゆき薔薇は煉瓦の塀をこえたり ~小林幸子 『日暈』 バラ(薔薇)は草本ではなく、木本性の蔓性植物です。冬に見られるのはほとんどが温室育ちですが、春にも秋にも
令和7年5月17日(土) 【旧 4月20日 大安】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」木枯やいのちもくそと思へども ~室生犀星(1889-1962) 室生犀星67歳の時の日記に記された句。体調がすこぶる悪く医者通いの日々が続いていた時で、注射と数種の薬を服用し、血圧は毎日2度
令和7年5月16日(金) 【旧 4月19日 仏滅】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」麦畑の中道来れば夕風にほのかに白き豌豆《ゑんどう》の花 ~窪田章一郎(1908-2001)Photo:スナップエンドウの花 ~photoAC(Be Heroさん) マメ科の越冬野菜エンドウの原産地はエチオピ
令和7年5月15日(木) 【旧 4月18日 先負】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」朝掘りの竹の子の尻冷えまさり ~石川桂郎(1909-1975)『四温』 七十二候の第21候は「竹笋生(たけのこしょうず)」。二十四節気「立夏」の末候にあたる5日間です。Photo:たけのこの土佐
令和7年5月14日(水) 【旧 4月17日 友引】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」山越えて遠津の浜の岩つつじわが来るまでに含《ふふ》みてあり待て ~作者未詳 『万葉集』 巻7-1188 雑歌山を越えた遠くにある遠津の浜の岩つつじよ、私がまた帰ってくるまで、つぼみのま
令和7年5月13日(火) 【旧 4月16日 先勝】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」別れをば山の桜にまかせてむ留とめむ留めじは花のまにまに ~幽仙法師(836-900)『古今和歌集』 巻8-0393 離別歌お別れは山の桜に任せましょう。止めるか止めないかは花に委ねて。Photo:
令和7年5月12日(月) 【旧 4月15日 赤口】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」新しき土の床には肥料おけりカーネーションを植ゑいだすとぞ ~土屋文明(1890-1990) カーネーションはナデシコ科ナデシコ属の多年草。ゆえにオランダナデシコという和名もあります。開
令和7年5月11日(日) 【旧 4月14日 大安】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」玉藻刈る唐荷の島に島廻《しまみ》する鵜にしもあれや家思はずあらむ ~山部赤人(?-736?)『万葉集』 巻6-0943 雑歌唐荷《からに》の島の廻りで魚を取っている鵜であれば、家のことを思
令和7年5月10日(土) 【旧 4月13日 仏滅】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」みみずみみず頭もなきとをもなきと蕗の葉影を二《ふた》わかれゆく ~長塚節(1879-1915)『長塚節歌集』 今日は七十二候の第20候「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」。土の中で冬眠してい
令和6年5月29日(水) 【旧 四月二二日 先勝】・小満 紅花栄(べにばなさかう)蒟蒻《こんにゃく》のさしみも些《すこ》しうめの花 ~松尾芭蕉(1644-1694)Photo:刺身こんにゃく ~DELISH KITCHEN 毎年5月29日は「こんにゃくの日」。何のことはない「こ(5)んに(2)ゃく(9
令和6年5月28日(火) 【旧 四月二一日 赤口】・小満 紅花栄(べにばなさかう)こぼされた砂糖の最後のひとつぶのかなしいひかり降りしきる ガザ ~岩尾淳子『眠らない島』Photo:怪我をしたガザ自治区南部ラファの少年 ~毎日新聞(2024年5月10日) パレスチナ解放戦線
令和6年5月27日(月) 【旧 四月二〇日 大安】・小満 紅花栄(べにばなさかう)六法全書、紙巻タバコの紙と化し五年に亘る戦終りき ~鈴木禮子『石を拾ふ』Photo:三淵嘉子(1914-1984)~PORTFOLIO リーガルドラマの視聴率が好調なようです。ひとつはTBSの日曜劇場『アン
令和6年5月26日(日) 【旧 四月一九日 仏滅】・小満 紅花栄(べにばなさかう)わが袖の濡るるばかりはつつみしに末摘花はいかさまにせむ ~式子内親王 『式子内親王集』 第二百首-0180私の袖が涙で濡れるのを包み隠してきましたが、紅花のような想いをどうすればよいのでし
令和6年5月25日(土) 【旧 四月一八日 先負】・小満 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)ロボットに雌雄《めを》をの無ければ媾《まぐは》はず産まず人間の子を眞愛《まがな》しむ ~高橋睦郎(1937-)Photo:『ターミネーター』シリーズ第一作のDVDジャケットより 5月25
令和6年5月24日(金) 【旧 四月一七日 友引】・小満 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)雪花菜《きらず》と書き卯の花と呼び物の名の優しき日なり厨にありて ~大西民子(1924-1994)『ひかりたばねて』Photo:おから ~シンクヘルスブログ 昨日に続いて卯の花の短歌。
令和6年5月23日(木) 【旧 四月一六日 先勝】・小満 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)卯の花の咲くとはなしにある人に恋ひやわたらむ片思《かたもひ》にして ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1989 相聞歌卯の花のように花の咲かせてくれない人に、恋し続けるの? 片思いのま
令和6年5月22日(水) 【旧 四月一五日 赤口】・小満 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)戦場も美しく撮るしかなくてカメラマンは瓦礫に肘をつく ~鈴木晴香 『塔』 2022年9月号Photo:西南戦争、官軍側から上野彦馬が撮った熊本城攻防戦 ~本牧jack『意外と身近にある歴
令和6年5月21日(火) 【旧 四月一四日 大安】・小満 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)限りなく御國《みくに》の富やこもるらむ賤《しづ》が蚕の繭のうちにも ~九条節子(貞明皇后)Photo:紅葉山御養蚕所で繭の収穫作業をされる天皇・皇后両陛下と愛子さま~毎日新聞(
令和6年5月20日(月) 【旧 四月一三日 仏滅】・小満 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)時ごとにいやめづらしく咲く花を折りも折らずも見らくし良しも ~大伴家持(718-785)『万葉集』巻19-4167季節ごとににますます美しく咲く花を、手折っても手折らなくても、ただ見て
令和6年5月19日(日) 【旧 四月一二日 先負】・立夏 竹笋生(たけのこしょうず)時鳥《ほととぎす》なき疲れたる朝明けのあかつめくさやしろつめくさや ~松平修文(1945-2017)『水村』Photo:アカツメクサ ~sotoshiru 日本ではシロツメクサのことを「クローバー」と呼
令和6年5月18日(土) 【旧 四月一一日 友引】・立夏 竹笋生(たけのこしょうず)牡丹ではない芍薬だよと言ふ声の垣を巡りて遠ざかりたり ~清水房雄(1915-2017)『天南』Photo:芍薬 ~和みの喜々楽園芸 「牡丹ではない」と言うけれど、シャクヤクもボタン科の多年草だ
令和6年5月17日(金) 【旧 四月一〇日 先勝】・立夏 竹笋生(たけのこしょうず)笑む友の病再発立藤草 ~佐野静子Photo:ルピナス ~GARDEN STORY 「立藤草」とはマメ科の植物ルピナスの異名。なるほど紫色のルピナスを天地を逆さまに見れば藤の花房にそっくりですね。同
令和6年5月16日(木) 【旧 四月九日 赤口】・立夏 竹笋生(たけのこしょうず)若竹の伸びゆくごとくこども等よ真直に伸ばせ身をたましひを ~若山牧水(1885-1928)『黒松』Photo:真竹のたけのこ ~田舎へ行ってご/見てご! 二十四節気「立夏」の末候5日間(5月15日~1
令和6年5月15日(水) 【旧 四月八日 大安】・立夏 竹笋生(たけのこしょうず)ちはやぶる賀茂の社のゆふだすきひと日も君をかけぬ日はなし ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻11-0487 恋歌一賀茂の社には木綿襷がかけられていますが、私も一日たりともあなたのことを気にか
令和6年5月14日(火) 【旧 四月七日 仏滅】・立夏 蚯蚓出(みみずいずる)つれづれと荒れたる宿を眺むれば月ばかりこそ昔なりけれ ~藤原伊周 『詞花和歌集』巻9-0308 雑歌上つれづれと荒れ果てた我が家を眺めてみれば、昔と変わっていないのは月の光だけであるなあ。Photo
令和6年5月13日(月) 【旧 四月六日 先負】・立夏 蚯蚓出(みみずいずる)射干しろき谷間をゆけばゆくりなく悪人の眸追ひつむるなり ~前登志夫(1926-2008)『非在』Photo:シャガ ~tenki.jp 射干《シャガ》は中国原産の常緑多年草で、この時期に白地に青い斑点が入る
令和6年5月12日(日) 【旧 四月五日 友引】・立夏 蚯蚓出(みみずいずる)我が母の袖もち撫でて我が故《から》に泣きし心を忘らえぬかも ~物部乎刀良《もののべのおとら》 『万葉集』 巻20-4356私の母が袖で撫でながら私のために泣いてくれた。その思いを忘れることができ
令和6年5月11日(土) 【旧 四月四日 先勝】・立夏 蚯蚓出(みみずいずる)婦負川《めひがわ》の早き瀬ごとに篝《かがり》さし八十伴《やそとも》の男《を》は 鵜川立ちけり ~大伴家持 『万葉集』 巻17-4023婦負川の早い瀬ごとに篝火をかざして大勢の官人たちが鵜飼を楽し
令和6年5月10日(金) 【旧 四月三日 赤口】・立夏 蚯蚓出(みみずいずる)世の常に聞けば苦しき呼子鳥声なつかしき時にはなりぬ ~大伴坂上郎女 『万葉集』 巻8-1447 雑歌世の常ならば胸が苦しくなるという呼子鳥の声だけど、それも心惹かれる頃になりました。Photo:SHUTT