令和6年3月29日(金) 【旧 二月二〇日 先負】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)凉しさの累々としてまり藻あり ~佐藤春夫(1892-1964)『文人俳句歳時記』 小説家・詩人の佐藤春夫が北海道の阿寒湖に旅して詠んだ俳句です。Photo:マリモ展示観察センター(釧路市)の
#4192 毬藻のやうに描くを見れば子らが見てわれには見えぬ雲にあくがる
令和6年3月29日(金) 【旧 二月二〇日 先負】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)凉しさの累々としてまり藻あり ~佐藤春夫(1892-1964)『文人俳句歳時記』 小説家・詩人の佐藤春夫が北海道の阿寒湖に旅して詠んだ俳句です。Photo:マリモ展示観察センター(釧路市)の
令和6年3月28日(木) 【旧 二月一九日 友引】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)満月に夢の匂いを抱きしめて遥かなる道楼蘭の花 ~飛鳥瑠璃 『永遠に届かぬ愛する人へ』 私が楼蘭《ろうらん》という地名を初めて耳にしたのは1980年に放送されていたNHK特集『シルクロー
#4190 水盤の水にひたれるヒヤシンスほのかに咲きて物思はする
令和6年3月27日(水) 【旧 二月一八日 先勝】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)墨の香も孫に磨らせつ風信子 ~瀧井折柴(1894-1984) 書家である妻のアトリエはいつも心地よい墨の香りに満ちています。上質の墨は昔ながらの天然香料、甘松末・白檀・龍脳・梅花・麝香等
#4189 今やかの三つのベースに人満ちてそゞろに胸のうちさわぐかな
令和6年3月26日(火) 【旧 二月一七日 赤口】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)虹の環を以て地上のものかこむ ~山口誓子(1901-1994)Photo:山口誓子が晩年の居宅跡煮立てられた句碑(兵庫県西宮市苦楽園)~西宮流 俳人山口誓子が亡くなったのは平成6年3月26日。今
#4188 去年の春逢へりし君に恋ひにてし桜の花は迎へけらしも
令和6年3月25日(月) 【旧 二月一六日 大安】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)嬢子《をとめ》らが 挿頭《かざし》のために 遊士《みやびを》が 蘰《かづら》のためと 敷き坐《ま》せる 国のはたてに 咲きにける 桜の花の にほひはもあなに ~若宮年魚麻呂 『万葉集
#4187 春キャベツ手で裂きながら毎日を壊してみたき欲望生まる
令和6年3月24日(日) 【旧 二月一五日 仏滅】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)春キャベツ手で裂きながら毎日を壊してみたき欲望生まる ~小田鮎子(1978-)『海、または迷路』Photo:春キャベツ ~Wow! magazine 春キャベツは普通のキャベツのように葉が葉がしっか
#4186 天気図の等圧線を見てゐしが不意にわが持つ渦とかさなる
令和6年3月23日(土) 【旧 二月一四日 先負】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)木の芽雨天気予報の通りに降る ~加倉井秋を(1909-1988)『胡桃』 「木の芽雨」は木の芽の成長を助ける雨のことで春の季語になります。Photo:World Meteorological Day 2024 ~世界気
#4185 池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入《こき》れな
令和6年3月22日(金) 【旧 二月一三日 友引】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入《こき》れな ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻20-4512池の水に影を映して美しく咲いている馬酔木の花を袖に入れよう。Photo:アセ
#4184 めざむればいたく搖れゐる電線と雀の聲とわが窓のへに
令和6年3月21日(木) 【旧 二月一二日 先勝】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)古庭をあるいて孕み雀かな ~村上鬼城(1865-1938)Photo:ORICON NEWS (C)中野さとるさん 二十四節気「春分」の初候5日間(3月20日~24日)は七十二候の第10候「雀始巣(すずめはじめて
#4183 春の野に心展べむと思ふどち来し今日の日は暮れずもあらぬか
令和6年3月20日(水) 【旧 二月一一日 赤口】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)春の野に心展《の》べむと思ふどち来《こ》し今日の日は暮れずもあらぬか ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1882 雑歌春の野に心ゆくまで楽しもうと仲間がやって来た今日一日、このまま暮れな
#4182 鬱金香のにほひのもとにわづかなる眩暈をおぼえ昼もおもひぬ
令和6年3月19日(火) 【旧 二月一〇日 大安】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)鬱金香のにほひのもとにわづかなる眩暈をおぼえ昼もおもひぬ ~北原白秋(1885-1942)Photo:パレスハウステンボス前の庭園(長崎県佐世保市)~るるぶmore 「鬱金香《うこんこう》」は
#4181 鴨山の磐根し枕ける我をかも知らにと妹が待ちつつあるらむ
令和6年3月18日(月) 【旧 二月九日 仏滅】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)鴨山の磐根し枕《ま》ける我をかも知らにと妹が待ちつつあるらむ ~柿本人麻呂 『万葉集』 巻2-0223 挽歌鴨山の岩を枕にして死んでゆく私のことを知らずに、妻は私の帰りをずっと待っている
#4180 あしひきの山に入り日の時しもぞあまたの花は照りまさりける
令和6年3月17日(日) 【旧 二月八日 先負】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)あしひきの山に入り日の時しもぞあまたの花は照りまさりける ~花山院(968-1008)『風雅和歌集』巻2-0202 春歌中山に日が沈む時にこそ、たくさんの花が照り映えるのであるぞ。Photo:道兼
令和6年3月16日(土) 【旧 二月七日 友引】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)桜木の魁《さきがけ》ならむと杏花水面にそよぐ栗林の園 ~林龍三(1952-)Photo:栗林公園のアンズ(香川県高松市) 栗林公園《りつりんこうえん》は香川県高松市にある国の特別名勝です
#4178 尋ね来るはかなき春もにほふらん軒端の梅の花の初蝶
令和6年3月15日(金) 【旧 二月六日 先勝】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)尋ね来るはかなき春もにほふらん軒端の梅の花の初蝶 ~藤原家隆(1158-1237)『壬二集』 下2059 春訪れてくる、儚いとも思える春に美しく咲いた軒端の梅の花に、初めての蝶が。Photo:ふら
#4177 大空のミモザのごとく花火散りわれの歓喜はまた闇に入る
令和6年3月14日(木) 【旧 二月五日 赤口】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)大空のミモザのごとく花火散りわれの歓喜はまた闇に入る ~梅内美華子(1970-)『若月祭』Photo:ミモザの花束 ~AETHER(エーテル) ミモザは本来オジギソウなどのマメ科オジギソウ属の植物
令和6年3月13日(水) 【旧 二月四日 大安】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)にはたづみ雨水流るる石畳壬生の屯所に誠はためく ~林龍三 『塔』 2020年10月号Photo:旧八木邸(京都市中京区)~京とらん 文久3年(1863)年3月13日、京都・壬生の八木邸に詰めていた「壬生
#4175 あはゆきは二月堂にも降りをらむ足踏みしつつ退りゆく春
令和6年3月12日(火) 【旧 二月三日 仏滅】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)あはゆきは二月堂にも降りをらむ足踏みしつつ退《すさ》りゆく春 ~鈴木禮子『雁の書』Photo:雪舞の二月堂(東大寺)~GANREF 春を呼ぶという東大寺二月堂の「修二会《しゅにえ》」の正式名は
#4174 荒礒越す波は畏ししかすがに海の玉藻の憎くはあらずて
令和6年3月11日(月) 【旧 二月二日 先負】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)荒礒《ありそ》越す波は畏《かしこ》ししかすがに海の玉藻の憎くはあらずて ~作者未詳 『万葉集』 巻7-1397 譬喩歌荒磯を打ち越して寄せる波は恐ろしものだが、さりとて海に漂うきれいな藻を憎
#4173 桃の花君に似るとはいひかねてただうつくしと愛でてやみしか
令和6年3月10日(日) 【旧 二月一日 友引】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)桃の花君に似るとはいひかねてただうつくしと愛でてやみしか ~金子薫園(1876-1951)Photo:桃の花 ~Flover 今日は七十二候の第8候「桃始笑(ももはじめてさく)」。桃の蕾が開いて花が咲き始
#4171 新しき源泉課税の拡がりをおもひ居りつつ廻診すます
令和6年3月8日(金) 【旧 一月二八日 仏滅】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)新しき源泉課税の拡がりをおもひ居りつつ廻診すます ~斎藤茂吉(1882-1953)Photo:政府広報オンライン 給与所得に対する源泉徴収制度が始まったのは1940年。歌人斎藤茂吉の本職は都
#4170 おだやかにここにゐますと空に告ぐ 高層ビルの赤い光が
令和6年3月7日(木) 【旧 一月二七日 先負】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)おだやかにここにゐますと空に告ぐ 高層ビルの赤い光が ~大西久美子Photo:Lmaga.jp 今からちょうど10年前(2014年2月7日)。日本一高い高層ビルとしてあべのハルカスが開業しまし
#4169 うち靡く春の柳と我がやどの梅の花とをいかにか分かむ
令和6年3月6日(水) 【旧 一月二六日 友引】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)うち靡く春の柳と我がやどの梅の花とをいかにか分かむ ~大典史氏大原《ししのおおはら》『万葉集』 巻5-0826 雑歌春になって芽吹いた柳と我が家の梅の花の、どちらが良いかなどどう区
#4168 この虫も永遠とかいふところまで行つちまひたさうに這ひ急ぎをる
令和6年3月5日(火) 【旧 一月二五日 先勝】・啓蟄 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)啓蟄の虻はや花粉まみれかな ~星野立子(1903-1984)Photo:菰が巻かれた松の木 ~晴れと暮らす 今日は二十四節気の第3「啓蟄」。その初候5日間は七十二候の第7候「蟄虫啓戸(すご
#4167 正月や冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし
令和6年3月4日(月) 【旧 一月二四日 赤口】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)正月や冥途の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし ~一休宗純(1394-1481)正月は冥土に向かう旅の一里塚のようなものだ。めでたくもあるが、めでたくもない。Photo:東海道笠寺の一
#4166 ひとづてに聞きしことばはかなしくて木馬の耳がとほくひかるよ
令和6年3月3日(日) 【旧 一月二三日 大安】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)聞き耳を冷たき耳に立てざらむ ~相生垣瓜人(1898-1985)『明治草』Photo:うさぎとの暮らし大百科 3月3日は桃の節句、ですが他に何かないか探してみるとありました。「耳の日」です。
#4165 ソビエト戦車の軀幹にチェコ人民鍵十字をば書きて罵る
令和6年3月2日(土) 【旧 一月二二日 仏滅】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)ソビエト戦車の軀幹にチェコ人民鍵十字をば書きて罵る ~林宏匡『ニムオロのうた』 「プラハの春」を思い起こす歌。チェコという国は周囲の大国に翻弄され続けてきた歴史があります。Ph
#4146 核実験なしたる国へと続きいて魚鱗の雲の白く広がる
令和6年3月1日(金) 【旧 一月二一日 先負】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)核実験なしたる国へと続きいて魚鱗の雲の白く広がる ~上牧右田子 『花片の冷え』 ビキニ環礁はかつて日本委任統治下にあった南洋諸島の島でしたが、敗戦後アメリカ合衆国に割譲され、
#4163 春日野の草はみどりになりにけり若菜摘まむとたれかしめけむ
令和6年2月29日(木) 【旧 一月二〇日 友引】・雨水 草木萠動(そうもくめばえいずる)春日野の草はみどりになりにけり若菜摘まむとたれかしめけむ ~壬生忠見 『新古今和歌集』 巻1-0012 春歌上春日野の草はすっかり緑になっている。若菜を摘もうと誰が印をつけたのだろう
#4162 やや冷えしブリ大根を熱き飯に載せてぞ食うぶ春立つあしたを
令和6年2月28日(水) 【旧 一月一九日 先勝】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)やや冷えしブリ大根を熱き飯《いひ》に載せてぞ食《た》うぶ春立つあしたを ~島田修三(1950-)『東洋の秋』Photo:ぶり大根 ~湘南茅ヶ崎港 一俊丸 「春立つ」とあるので2月初旬の歌
令和6年2月27日(火) 【旧 一月一八日 赤口】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)雪を割り雪を纏はず三角草 ~稲畑汀子(1931-2022) 二年前(2022年)の今日、お亡くなりになった俳人、稲畑汀子さんが詠まれたミスミソウの俳句です。Photo:キンポウゲ科の雪割草(ミ
#4160 知るらめや霞の空をながめつつ花もにほはぬ春をなげくと
令和6年2月26日(月) 【旧 一月一七日 大安】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)如月まで梅の花咲き侍らざりける年詠み侍りける知るらめや霞の空をながめつつ花もにほはぬ春をなげくと ~中務(912?-991?) 『新古今和歌集』 巻1-0039 春歌上(梅の花は)知っている
#4159 杉花粉に荒るるのどより朝まだき美しきあかき痰は出づるも
令和6年2月25日(日) 【旧 一月一六日 仏滅】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)ピノキオや杉の花粉がとんでくるぞ ~吉岡光浪Photo:ディズニー映画 Pinocchio (1940) より 朝起きて、霞が立っていたら穏やかな春を感じるのかもしれませんが、花粉予報を気にしなけ
#4158 朝霞春日の暮は木の間より移ろふ月をいつとか待たむ
令和6年2月24日(土) 【旧 一月一五日 先負】・雨水 霞始靆(かすみはじめてたなびく)朝霞春日《はるひ》の暮は木の間より移ろふ月をいつとか待たむ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1876 雑歌朝には霞がたちこめていた春の日暮れには、木々の間をわたる月がいつ出てくるのか待
#4157 世界との往き来難かる世はつづき窓開く日を偏に願ふ
令和6年2月23日(金) 【旧 一月一四日 友引】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)世界との往き来難《がた》かる世はつづき窓開く日を偏《ひとへ》に願ふ ~今上天皇陛下 徳仁 (令和4年歌会始の儀)Photo:ARAB NEWS 令和6年の天皇誕生日です。今年に入ってもロ
#4156 高天原も卑弥呼の国もありつらむ取り巻く山のいづこも青き
令和6年2月22日(木) 【旧 一月一三日 先勝】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)高天原も卑弥呼の国もありつらむ取り巻く山のいづこも青き ~大西民子(1924-1994)『歌集 風の曼陀羅』 佐賀県の吉野ケ里遺跡が発見されたのは今から35年前の1989(平成元)年2
令和6年2月21日(水) 【旧 一月一二日 赤口】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)春雨に萌えし柳か梅の花ともに後れぬ常の物かも ~大伴書持《おほとものふみもち》 『万葉集』 巻17-3903春雨が降って萌えはじめた柳でしょうか、それとも梅の花でしょうか。どちら
#4154 春の土もたげて青むものの芽よをさなき物の育つはたのし
令和6年2月20日(火) 【旧 一月一一日 大安】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)春の土もたげて青むものの芽よをさなき物の育つはたのし ~窪田空穂(1877-1967)『丘陵地』Photo:Pacoma 二十四節気「雨水」の初候5日間は七十二候の第4候「土脉潤起(つちのしょ
令和6年2月19日(月) 【旧 一月一〇日 仏滅】・雨水 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)薮波の里に宿借り春雨に隠りつつむと妹に告げつや ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻18-4138藪波《やぶなみ》の里で借りた宿に、春雨が降ってきたので籠っているのだと、妻に伝え
#4152 住の江や和泉の街の七まちの鍛冶の音きく菜の花の路
令和6年2月18日(日) 【旧 一月九日 先負】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)住の江や和泉の街の七まちの鍛冶の音きく菜の花の路 ~与謝野晶子(1878-1942) 今日の主役は菜の花ではなく「鍛冶の音」。「和泉の町の七まち」とは現在の大阪府堺市堺区の北旅籠町・桜之町・
#4151 ひとかたまり菜の花咲けり春の日のひかり隈なき砂畑の隅に
令和6年2月17日(土) 【旧 一月八日 友引】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)ひとかたまり菜の花咲けり春の日のひかり隈なき砂畑の隅に ~若山牧水(1885-1928)Photo:あわじ花さじきの菜の花畑(兵庫県淡路市楠本) ~sogoods.net 菜の花の季節を迎えました。今月12日
令和6年2月16日(金) 【旧 一月七日 先勝】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)春一番の思いよ届け青空はあなたに続く色の階段 ~俵万智(1962-)Photo:髪が乱れる埴輪くん ~photoAC(桃色小粒さん) 昨日2月15日には気象庁から関東・北陸・四国地方に春一番が吹いたと
#4149 椿の花落ちゐる庭に埋めやりぬ眼を閉ぢることなきメジロを
令和6年2月15日(木) 【旧 一月六日 赤口】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)椿の花落ちゐる庭に埋めやりぬ眼を閉ぢることなきメジロを ~田口朝子 『塔』 2021年9月号Photo:椿の花にとまったメジロ ~GANREF 可哀そうに死んだメジロを庭に埋めてあげたのですね。梅の
#4148 氷魚からさび鮎までの 一代を思ひてゐたり春立つ庭に
令和6年2月14日(水) 【旧 一月五日 大安】・立春 魚氷上(うおこおりをいずる)薄氷音なく破れて魚の影 ~能村登四郎(1911-2001)『羽化』 今日は七十二候の第3候「魚氷上(うおこおりをいずる)」。「立春」の末候にあたる5日間です。先週は関東甲信地方のお天気が荒れて、
#4147 わろてんかおもろいからとしゃべる君しゃあない聞いたろ ギブスのわけを
令和6年2月13日(火) 【旧 一月四日 仏滅】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)わろてんかおもろいからとしゃべる君しゃあない聞いたろ ギブスのわけを ~林龍三(1952-)『塔』 2018年1月号Photo:なんばグランド花月と吉本吉兵衛(右下) 今日は吉本興行の創設者である吉本吉
#4146 ぬばたまの今夜の雪にいざ濡れな明けむ朝に消なば惜しけむ
令和6年2月12日(月) 【旧 一月三日 先負】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)ぬばたまの今夜《こよひ》の雪にいざ濡れな明けむ朝《あした》に消《け》なば惜しけむ ~小治田東麻呂《おはりだのあづままろ》 『万葉集』 巻8-1646 雑歌今宵降る雪に、さあ濡れましょうよ。明け
#4145 倭は国のまほろばたたなづく青垣山籠れる倭しうるわし
令和6年2月11日(日) 【旧 一月二日 友引】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)倭は国のまほろばたたなづく青垣山籠れる倭しうるわし ~倭健命《ヤマトタケルノミコト》(72-114) 『古事記』大和は国の中でもっとも素晴らしいところだ。重なり合った青い垣根のような山に籠もっ
令和6年2月10日(土) 【旧 一月一日 先勝】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)人垣に春節の龍起ち上がる ~小路紫峡《しょうじしきょう》(1926-2016)Photo:PNGTREE 今日は旧暦の一月一日、春節です。日本では新暦(グレゴリオ暦)の正月を祝日としていますが、中国や韓国、ベ
令和6年2月9日(金) 【旧 一二月三〇日 大安】・立春 黄鶯睍睆(うぐいすなく)鶯の春になるらし春日山霞たなびく夜目に見れども ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1845 雑歌鴬の鳴く春がやってきたようだ。春日山に霞がたなびいている夜に見渡してもわかるように。Photo:ウグイ
#4142 書き終へて手紙となりしいちまいのこころに朝の日は照り翳る
令和6年2月8日(木) 【旧 一二月二九日 仏滅】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)春の雨郵便ポストから巴里へ ~浅井愼平(1937-)『二十世紀最終汽笛』 主にカメラマンとして有名な浅井慎平氏は音楽やテレビのコメンテーター、芸大の教授など幅広く活動されています
#4141 玫瑰の花をし見れば帰りゆかむ思ひはつのる国後島遙かに
令和6年2月7日(水) 【旧 一二月二八日 先負】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)玫瑰《はまなす》の花をし見れば帰りゆかむ思ひはつのる国後島遙かに ~東海林諦顕(1934-)『さらば国後島-故郷喪失の悲哀』Photo:国後の夜明け ~photoAC(フランクさん) 東海林
#4140 「福寿草まだ出ませんね」「そうですね事情は特に聞いてませんが」
令和6年2月6日(火) 【旧 一二月二七日 友引】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)「福寿草まだ出ませんね」「そうですね事情は特に聞いてませんが」 ~大下一真(1948-)『漆桶』Photo:雪の中の福寿草 ~GANREF(H.KIMURA流離写人) キンポウゲ科の多年草、フクジュ
#4139 わが恋をはじめて友にうち明けし夜のことなど思ひ出づる日
令和6年2月5日(月) 【旧 一二月二六日 先勝】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)運動会裏拍を踏むマーチかな ~吉原文音(1964-)Photo:ドイツ帝国の軍楽隊とタイケ(右下) 吹奏楽をしている人はだれでもご存知のドイツの作曲家カール・タイケ(1864-1922)。軍楽
#4138 春といへば霞にけりな昨日まで波間に見えし淡路島山
令和6年2月4日(日) 【旧 一二月二五日 赤口】・立春 東風解凍(はるかぜこおりをとく)春といへば霞にけりな昨日まで波間に見えし淡路島山 ~俊恵(1113-1191)『新古今和歌集』 巻1-0006 春歌上そうか春になったから霞んでしまったのだ。昨日まで波間ごしに淡路島の山々が
#4137 わがこもる部屋に來りて穉児《おさなご》は追儺の豆を撒きて行きたり
令和6年2月3日(土) 【旧 一二月二四日 大安】・大寒 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)わがこもる部屋に來りて穉児《おさなご》は追儺の豆を撒きて行きたり ~斎藤茂吉(1882-1953)『白桃』Photo:阪卷耕漁「節分-謠曲狂言」~本の万華鏡(国立国会図書館) 「立春」
#4136 鎌倉の山あひ日だまり冬ぬくみ摘むにゆたけき七草なづな
令和6年2月2日(金) 【旧 一二月二三日 仏滅】・大寒 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)鎌倉の山あひ日だまり冬ぬくみ摘むにゆたけき七草なづな ~木下利玄(1886-1925)『みかんの木』Photo:ナズナ(ぺんぺん草) ~LOVEGREEN 春の七草の一つ薺《なずな》の名前の由
#4135 雪寒み咲きには咲かぬ梅の花よしこのころはかくてもあるがね
令和6年2月1日(木) 【旧 一二月二二日 先負】・大寒 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)雪寒み咲きには咲かぬ梅の花よしこのころはかくてもあるがね ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2329 雑歌雪が冷たくて咲くに咲けない梅の花よ、まあ今のうちはそうしていたらいいよ。Pho
#4134 八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を
令和6年1月31日(水) 【旧 一二月二一日 友引】・大寒 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり ~森澄雄(1919-2010)『雪櫟』Photo:みのり -MINORI- 「除夜」は大晦日ですから、もう1ヶ月前なのになんでこんな句を載せたかというと、今日1月3
#4133 息の緒に我が思ふ君は鶏が鳴く東方の坂を今日か越ゆらむ
令和6年1月30日(火) 【旧 一二月二〇日 先勝】・大寒 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)息の緒に我が思ふ君は鶏が鳴く東方《あづま》の坂を今日か越ゆらむ ~作者未詳 『万葉集』 巻12-3194 悲別歌私の命とも思うあなたは鶏が鳴く東国の坂道を今日あたり越えるのでしょ
#4132 フロッピー・ディスクにぼくはたたきこむとてもやわらかな破壊の歌を
令和6年1月29日(月) 【旧 一二月一九日 赤口】・大寒 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)カセットテープきやらきやら軋み猫の恋 ~石浜西夏(大阪府堺市) もはや驚きはしませんが、先日テレビを見ていると有名なミュージカル女優(27歳)の方が、カセットデッキをご存じな
#4131 生命おび真闇に浮きて青かりしと地球の姿見し人還る
令和6年1月28日(日) 【旧 一二月一八日 大安】・大寒 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)生命《いのち》おび真闇に浮きて青かりしと地球の姿見し人還る ~皇后美智子(当時)「平成9年歌会始」 1986年1月28日、スペースシャトルチャレンジャー号が打ち上げに失敗し7名の宇宙
#4130 竹の葉にあられ降るなりさらさらに独りは寝ぬべき心地こそせね
令和6年1月27日(土) 【旧 一二月一七日 仏滅】・大寒 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)手枕の夢にふりこむ霰かな ~二葉亭四迷(1864-1909)Photo:霰が降った時の瓦 ~photoAC(あみん30さん) 二葉亭四迷の本名は長谷川辰之助。国語の授業では言文一致体の小説『浮雲』
令和6年1月26日(金) 【旧 一二月一六日 先負】・大寒 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)大空の月の光しきよければ影見し水ぞまづ凍りける ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻6-0316大空の月の光が澄み切っているので月を写した水が真っ先に凍っている。Photo:ウルフムーン
#4128 立ち濡るる山の雫も音絶へて真木の下葉に垂氷しにけり
令和6年1月25日(木) 【旧 一二月一五日 友引】・大寒 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)立ち濡るる山の雫も音絶へて真木の下葉に垂氷しにけり ~守覚法親王(1150-1202)『新古今和歌集』 巻6-0630 冬歌立っていると濡れるような山の真木から落ちる雫も落ちる音がしなくなり、
#4127 白雪のところもわかず降りしけば巌にも咲く花とこそ見れ
令和6年1月24日(水) 【旧 一二月一四日 先勝】・大寒 欵冬華(ふきのはなさく)地の果てに海その果てに冬青空 ~高橋悦男(1934-) 俳人高橋悦男氏は元アメリカ文学者、早稲田大学名誉教授。Photo:プユニ岬(北海道斜里郡)の流氷と冬空 ~知床第一ホテル さすがに今週
#4126 思はずにしぐれの雨は降りたれど天雲晴れて月夜さやけし
令和6年1月23日(火) 【旧 一二月一三日 赤口】・大寒 欵冬華(ふきのはなさく)思はずにしぐれの雨は降りたれど天雲晴れて月夜さやけし ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2227 雑歌思いもかけず時雨の雨が降ったけれど、雨雲は晴れて清らかな月夜になったよ。Photo:小型月着陸実
#4125 真心のあるかなきかはほふり出す腹の血しおの色にこそ知れ
令和6年1月22日(月) 【旧 一二月一二日 大安】・大寒 欵冬華(ふきのはなさく)真心のあるかなきかはほふり出す腹の血しおの色にこそ知れ ~林忠崇(1848-1941)明治元年に詠んだ辞世真心の有無は切腹の血を見ればわかってもらえるであろう。 林忠崇《はやしただたか》は江
#4124 日あたれば根岸の里の川べりの青蕗のたう揺りたつらむか
令和6年1月21日(日) 【旧 一二月一一日 仏滅】・大寒 欵冬華(ふきのはなさく)日あたれば根岸の里の川べりの青蕗のたう揺りたつらむか ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:蕗の薹 ~婦人画報 「大寒」の初候5日間(1月20~24日)は七十二候の第70候「欵冬華(ふきのは
#4123 見わたせば松の葉しろき吉野山いく世つもれる雪にかあるらむ
令和6年1月20日(土) 【旧 一二月一〇日 先負】・大寒 欵冬華(ふきのはなさく)見わたせば松の葉しろき吉野山いく世つもれる雪にかあるらむ ~平兼盛(?-991)見渡すと松の葉さえも白く見える吉野山。どれほどの間積もった雪であろうか。Photo:冬の金峯山寺、吉野町皇居跡
#4122 更級も芳野もよしや月花にこれもはなれぬ雪の夕はへ
令和6年1月19日(金) 【旧 一二月九日 友引】・小寒 雉始雊(きじはじめてなく)薄氷をふみぬく春の日あし哉 ~北村季吟(1625-1705)Photo:北村季吟 江戸時代前期の和学者であり歌人、俳人でもある北村季吟は今からちょうど200年前、1625年1月19日(寛永元年12月11日)、
#4121 寒椿ほとろと散りてなほ紅し記憶のかけらを重ぬるやうに
令和6年1月18日(木) 【旧 一二月八日」先勝】・小寒 雉始雊(きじはじめてなく)寒椿ほとろと散りてなほ紅し記憶のかけらを重ぬるやうに ~今野寿美(1952-)『花絆』Photo:カンツバキ ~Adobe Stock 濃い紅色が鮮やかな八重咲きの寒椿。普通の椿と違って花びらが一枚ず
#4120 援け合うやさしさ説くを少年らこころ開きて聴取りくれし
令和6年1月17日(水) 【旧 一二月七日 赤口】・小寒 雉始雊(きじはじめてなく)援け合うやさしさ説くを少年らこころ開きて聴取りくれし ~千田徹夫(人と防災未来センター・語り部)Photo:阪神淡路大震災で倒壊した阪神高速道路神戸線(1995年1月17日)~神戸新聞NEXT 能
#4119 杉の野にさ躍る雉いちしろく音にしも泣かむ隠妻かも
令和6年1月16日(火) 【旧 一二月六日 大安】・小寒 雉始雊(きじはじめてなく)杉の野にさ躍る雉《きぎし》いちしろく音《ね》にしも泣かむ隠妻《こもりつま》かも ~大伴家持 『万葉集』 巻19-4148杉の野に踊り騒ぐ雉は目立つほどの声をあげて鳴いているね。隠妻とは思えな
#4118 一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております
令和6年1月15日(月) 【旧 一二月五日 仏滅】・小寒 水泉動(しみずあたたかをふくむ)一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております ~山崎方代(1914-1985)『こおろぎ』Photo:ナンテン ~Green Snap ナンテンは中国が原産のメギ科ナンテン属の常緑低木です。
#4117 平安のをみなごのごとわが職で呼ばれなくてよかつた君は
令和6年1月14日(日) 【旧 一二月四日 先負】・小寒 水泉動(しみずあたたかをふくむ)平安のをみなごのごとわが職で呼ばれなくてよかつた君は ~林龍三(1952-)『塔』2019年8月号 清少納言、紫式部、和泉式部、赤染衛門など、平安期の女房達の本名はほとんど分かっておら
#4116 夜もすがら契りしことを忘れずは恋ひむ涙の色ぞゆかしき
令和6年1月13日(土) 【旧 一二月三日 友引】・小寒 水泉動(しみずあたたかをふくむ)いかにして過ぎにしかたを過ぐしけむ暮らしわづらふ昨日今日かな ~皇后宮定子(977-1001)『千載和歌集』 巻16-0966 雑歌どうして過ぎ去った日々を過ごしてきたのか、日暮れまで過ごすの
#4115 紅の梅はよろしもあらたまの始めに見ればことによろしも
令和6年1月12日(金) 【旧 一二月二日 先勝】・小寒 水泉動(しみずあたたかをふくむ)紅の梅はよろしもあらたまの始めに見ればことによろしも ~斎藤茂吉(1882-1953)Photo:蝋梅 ~じゃらん 確かに紅白の梅をお正月に見られればそれに越したことはありませんが、ちょっ
#4114 春風にしたゆく波の数みえて残るともなきうす氷かな
令和6年1月11日(木) 【旧 一二月一日 赤口】・小寒 水泉動(しみずあたたかをふくむ)春風にしたゆく波の数みえて残るともなきうす氷かな ~藤原家隆 『風雅和歌集』 巻1-0035 春歌上春風に吹かれて氷の下がさざなみだっているように見える。それほどに消え残った薄氷になっ
#4113 海神のいづれの神を祈らばか行くさも来さも舟の早けむ
令和6年1月10日(水) 【旧 一一月二九日 先負】・小寒 芹乃栄(せりすなわちさかう)海神《わだつみ》のいづれの神を祈らばか行くさも来《く》さも舟の早けむ ~作者未詳 『万葉集』 巻9-1784 相聞歌海神のどの神様にお祈りしたら行きも帰りも船が早いだろうか。Photo:大阪
#4112 雪深き汀の小芹誰がために摘みかはやさん親無しにして
令和6年1月9日(火) 【旧 一一月二八日 友引】・小寒 芹乃栄(せりすなわちさかう)雪深き汀の小芹誰がために摘みかはやさん親無しにして ~中の君(紫式部『源氏物語』第46帖「椎本《しいがもと》」)雪深い汀の小芹を誰のために摘んで愛でるというのでしょう。親もいないと
#4111 その子二十歳櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな
令和6年1月8日(月) 【旧 一一月二七日 先勝】・小寒 芹乃栄(せりすなわちさかう)その子二十歳《はたち》櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな ~与謝野晶子『みだれ髪』Photo:福岡・飯盛神社で行われる「加冠の儀」 ~西日本新聞 国民の祝日に関する法律には
#4110 ニコライ堂この夜揺りかへり鳴る鐘の大きあり小さきあり小さきあり大きあり
令和6年1月7日(日) 【旧 一一月二六日 赤口】・小寒 芹乃栄(せりすなわちさかう)ニコライ堂この夜揺りかへり鳴る鐘の大きあり小さきあり小さきあり大きあり ~北原白秋(1885-1942)『黒檜』Photo:重要文化財 ニコライ堂(東京復活大聖堂)~TRIP EDITOR ロシア正教など
#4109 竹おほき山べの村の冬しづみ雪降らなくに寒に入りけり
令和6年1月6日(土) 【旧 一一月二五日 大安】・小寒 芹乃栄(せりすなわちさかう)竹おほき山べの村の冬しづみ雪降らなくに寒に入りけり ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:斎藤茂吉の生家(山形県上山市)~じゃらん 今日は二十四節気の23番目の『小寒』。『暦便覧』
#4108 雪晴れの水面くろぐろ滔々とうみねこ浮かべ沖へ引きゆく
令和6年1月5日(金) 【旧 一一月二四日 仏滅】・冬至 雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)雪晴れの水面くろぐろ滔々とうみねこ浮かべ沖へ引きゆく ~林龍三(1952-)『塔』 2021年3月号Photo:朝靄の美しい海にカモメやウミネコが飛ぶ津軽海峡のはずれの冬景色 ~Salty Life
#4107 新しき年のはじめにおもふことひとつ心につとめて行かな
令和6年1月4日(木) 【旧 一一月二三日 先負】・冬至 雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)らちもなき御用始めの訓辞かな ~内藤さち子 月刊『榾《ほだ》』2020年1月号Photo:自転車屋男 2 今日は官公庁の「御用始め」。私は公務員ではなかったので毎年同じ日にちではありま
#4106 唐衣花のたもとにぬぎかへよ我こそ春の色はたちつれ
令和6年1月3日(水) 【旧 一一月二二日 友引】・冬至 雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)唐衣《からころも》花のたもとにぬぎかへよ我こそ春の色はたちつれ ~藤原道長(966-1027)『新古今和歌集』 巻16-1483 雑歌一私が贈った夏の衣装に着替えなさい。私は春の色の衣を着
#4105 天皇の御代万代にかくしこそ見し明らめめ立つ年のはに
令和6年1月2日(火) 【旧 一一月二一日 先勝】・冬至 雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)あしひきの 八つ峰の上の栂の木の いや継ぎ継ぎに松が根の 絶ゆることなくあをによし 奈良の都に万代に 国知らさむとやすみしし 我が大君の神ながら 思ほしめして豊の宴 見す今日の日はも
#4104 見ゆる限り山の連なりの雪白し初日の光さしそめにけり
令和6年1月1日(月) 【旧 一一月二〇日 赤口】・冬至 雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)見ゆる限り山の連なりの雪白し初日の光さしそめにけり ~島木赤彦(1876-1926)『柿蔭習』 明けましておめでとうございます。世界ではなんだかんだと戦が絶えぬ2023年が明けて、今日
#4103 しづかなる旋回ののち倒れたる大つごもりの独楽を見て立つ
令和5年12月31日(日) 【旧 一一月一九日 大安】・冬至 麋角解(おおしかのつのおつる)しづかなる旋回ののち倒れたる大つごもりの独楽を見て立つ 〜岡井隆(1928-2020)『禁忌と好色』Photo:HugKum とうとう大晦日。一年が過ぎるのがこんなに早く感じるようになったのはい
#4102 いくひらの椎茸を水にもどしおきわれにしずかに年暮れむとす
令和5年12月30日(土) 【旧 一一月一八日 仏滅】・冬至 麋角解(おおしかのつのおつる)いくひらの椎茸を水にもどしおきわれにしずかに年暮れむとす 〜大西民子(1924-1994)『印度の果実』Photo:正月準備の買い物客でにぎわう黒門市場(大阪市中央区)~読売新聞オンライン
#4101 君なくはいかにしてかは晴るけまし古今のおぼつかなさを
令和5年12月29日(金) 【旧 一一月一七日 先負】・冬至 麋角解(おおしかのつのおつる)君なくはいかにしてかは晴るけまし古今《いにしへいま》のおぼつかなさを ~藤原俊成(1114-1204)『風雅和歌集』巻17-1840 雑歌下あなたがいなければ、どうしてこのもやもやを晴らせた
#4100 年暮れて我が世ふけゆく風のおとに心のうちのすさまじきかな
令和5年12月28日(木) 【旧 一一月一六日 友引】・冬至 麋角解(おおしかのつのおつる)本買へば表紙が匂ふ雪の暮れ 〜大野林火(1904-1982)Photo:紫式部(土佐光起画、石山寺蔵) ~Wikipedia 今日は官公庁の御用納めですね。お仕事の最後はデスク周りを掃除して、みん
#4099 さを鹿の妻どふ時に月をよみ雁が音聞こゆ今し来らしも
令和5年12月27日(水) 【旧 一一月一五日 先勝】・冬至 麋角解(おおしかのつのおつる)さを鹿の妻どふ時に月をよみ雁が音聞こゆ今し来らしも ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2131 雑歌牡鹿が妻を求めて鳴く時に月が冴え渡り雁の声が聞こえてくる。今にもこちらに飛んでくるかの
#4098 かすみ草の種はいずこに蒔かんかなここ百日草ここ金魚草
令和5年12月26日(火) 【旧 一一月一四日 赤口】・冬至 乃東生(なつかれくさしょうず)かすみ草の種はいずこに蒔かんかなここ百日草ここ金魚草 ~藤島秀憲(1960-)『ミステリー』Photo:冬の花壇に咲く姫金魚草 ~photoAC(excel7さん) かすみ草、百日草、それに金魚草は
#4097 信仰の樹林へ歩みそむる頃眼は痛ましきまで何も視ず
令和5年12月25日(月) 【旧 一一月一三日 大安】・冬至 乃東生(なつかれくさしょうず)信仰の樹林へ歩みそむる頃眼は痛ましきまで何も視ず ~三枝浩樹(1946-)『朝の歌(マチナータ)』Photo:ホワイトツリーの森(梅田スカイビル空中庭園) ~WalkerPlus クリスマスにな
#4096 倒れないようにケーキを持ち運ぶとき人間はわずかに天使
令和5年12月24日(日) 【旧 一一月一二日 仏滅】・冬至 乃東生(なつかれくさしょうず)倒れないようにケーキを持ち運ぶとき人間はわずかに天使 ~岡野大嗣(1980-)Photo:ブッシュドノエル ~goodie foodie 一時、「クリぼっち」という言葉が流行った年がありました。恋
#4095 贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に
令和5年12月23日(土) 【旧 一一月一一日 先負】・冬至 乃東生(なつかれくさしょうず)贈られしひまはりの種は生え揃ひ葉を広げゆく初夏の光に ~明仁上皇陛下(平成三十一年歌会始)Photo:昨年89歳の誕生日を迎えられた上皇陛下ご夫妻(2022年12月23日) 平成17年に阪神
#4094 うつせみの吾が居たりけり雪つもるあがたのまほら冬の果ての日
令和5年12月22日(金) 【旧 一一月一〇日 友引】・冬至 乃東生(なつかれくさしょうず)うつせみの吾が居たりけり雪つもるあがたのまほら冬の果ての日 ~斎藤茂吉(1882-1953)『小園』Photo:極楽湯・RAKU SPAの「ゆず湯」 ~@Press 昨日は大阪市内でも雪がちらつきまし
#4093 クロスワードパズルの一角埋まらない我に返れば外は雨なり
令和5年12月21日(木) 【旧 一一月九日 先勝】・大雪 鮭魚群(さけのうおむらがる)クロスワードパズルの一角埋まらない我に返れば外は雨なり ~藤田京子 (「図書館へ行こう」2012年 6/8号 by 田布施図書館 )Photo:脳トレ クイズラボ(高齢者向け脳トレに役立つ無料クイズ
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令和6年3月29日(金) 【旧 二月二〇日 先負】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)凉しさの累々としてまり藻あり ~佐藤春夫(1892-1964)『文人俳句歳時記』 小説家・詩人の佐藤春夫が北海道の阿寒湖に旅して詠んだ俳句です。Photo:マリモ展示観察センター(釧路市)の
令和6年3月28日(木) 【旧 二月一九日 友引】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)満月に夢の匂いを抱きしめて遥かなる道楼蘭の花 ~飛鳥瑠璃 『永遠に届かぬ愛する人へ』 私が楼蘭《ろうらん》という地名を初めて耳にしたのは1980年に放送されていたNHK特集『シルクロー
令和6年3月27日(水) 【旧 二月一八日 先勝】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)墨の香も孫に磨らせつ風信子 ~瀧井折柴(1894-1984) 書家である妻のアトリエはいつも心地よい墨の香りに満ちています。上質の墨は昔ながらの天然香料、甘松末・白檀・龍脳・梅花・麝香等
令和6年3月26日(火) 【旧 二月一七日 赤口】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)虹の環を以て地上のものかこむ ~山口誓子(1901-1994)Photo:山口誓子が晩年の居宅跡煮立てられた句碑(兵庫県西宮市苦楽園)~西宮流 俳人山口誓子が亡くなったのは平成6年3月26日。今
令和6年3月25日(月) 【旧 二月一六日 大安】・春分 桜始開(さくらはじめてさく)嬢子《をとめ》らが 挿頭《かざし》のために 遊士《みやびを》が 蘰《かづら》のためと 敷き坐《ま》せる 国のはたてに 咲きにける 桜の花の にほひはもあなに ~若宮年魚麻呂 『万葉集
令和6年3月24日(日) 【旧 二月一五日 仏滅】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)春キャベツ手で裂きながら毎日を壊してみたき欲望生まる ~小田鮎子(1978-)『海、または迷路』Photo:春キャベツ ~Wow! magazine 春キャベツは普通のキャベツのように葉が葉がしっか
令和6年3月23日(土) 【旧 二月一四日 先負】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)木の芽雨天気予報の通りに降る ~加倉井秋を(1909-1988)『胡桃』 「木の芽雨」は木の芽の成長を助ける雨のことで春の季語になります。Photo:World Meteorological Day 2024 ~世界気
令和6年3月22日(金) 【旧 二月一三日 友引】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)池水に影さへ見えて咲きにほふ馬酔木の花を袖に扱入《こき》れな ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻20-4512池の水に影を映して美しく咲いている馬酔木の花を袖に入れよう。Photo:アセ
令和6年3月21日(木) 【旧 二月一二日 先勝】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)古庭をあるいて孕み雀かな ~村上鬼城(1865-1938)Photo:ORICON NEWS (C)中野さとるさん 二十四節気「春分」の初候5日間(3月20日~24日)は七十二候の第10候「雀始巣(すずめはじめて
令和6年3月20日(水) 【旧 二月一一日 赤口】・春分 雀始巣(すずめはじめてすくう)春の野に心展《の》べむと思ふどち来《こ》し今日の日は暮れずもあらぬか ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1882 雑歌春の野に心ゆくまで楽しもうと仲間がやって来た今日一日、このまま暮れな
令和6年3月19日(火) 【旧 二月一〇日 大安】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)鬱金香のにほひのもとにわづかなる眩暈をおぼえ昼もおもひぬ ~北原白秋(1885-1942)Photo:パレスハウステンボス前の庭園(長崎県佐世保市)~るるぶmore 「鬱金香《うこんこう》」は
令和6年3月18日(月) 【旧 二月九日 仏滅】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)鴨山の磐根し枕《ま》ける我をかも知らにと妹が待ちつつあるらむ ~柿本人麻呂 『万葉集』 巻2-0223 挽歌鴨山の岩を枕にして死んでゆく私のことを知らずに、妻は私の帰りをずっと待っている
令和6年3月17日(日) 【旧 二月八日 先負】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)あしひきの山に入り日の時しもぞあまたの花は照りまさりける ~花山院(968-1008)『風雅和歌集』巻2-0202 春歌中山に日が沈む時にこそ、たくさんの花が照り映えるのであるぞ。Photo:道兼
令和6年3月16日(土) 【旧 二月七日 友引】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)桜木の魁《さきがけ》ならむと杏花水面にそよぐ栗林の園 ~林龍三(1952-)Photo:栗林公園のアンズ(香川県高松市) 栗林公園《りつりんこうえん》は香川県高松市にある国の特別名勝です
令和6年3月15日(金) 【旧 二月六日 先勝】・啓蟄 菜虫化蝶(なむしちょうとなる)尋ね来るはかなき春もにほふらん軒端の梅の花の初蝶 ~藤原家隆(1158-1237)『壬二集』 下2059 春訪れてくる、儚いとも思える春に美しく咲いた軒端の梅の花に、初めての蝶が。Photo:ふら
令和6年3月14日(木) 【旧 二月五日 赤口】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)大空のミモザのごとく花火散りわれの歓喜はまた闇に入る ~梅内美華子(1970-)『若月祭』Photo:ミモザの花束 ~AETHER(エーテル) ミモザは本来オジギソウなどのマメ科オジギソウ属の植物
令和6年3月13日(水) 【旧 二月四日 大安】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)にはたづみ雨水流るる石畳壬生の屯所に誠はためく ~林龍三 『塔』 2020年10月号Photo:旧八木邸(京都市中京区)~京とらん 文久3年(1863)年3月13日、京都・壬生の八木邸に詰めていた「壬生
令和6年3月12日(火) 【旧 二月三日 仏滅】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)あはゆきは二月堂にも降りをらむ足踏みしつつ退《すさ》りゆく春 ~鈴木禮子『雁の書』Photo:雪舞の二月堂(東大寺)~GANREF 春を呼ぶという東大寺二月堂の「修二会《しゅにえ》」の正式名は
令和6年3月11日(月) 【旧 二月二日 先負】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)荒礒《ありそ》越す波は畏《かしこ》ししかすがに海の玉藻の憎くはあらずて ~作者未詳 『万葉集』 巻7-1397 譬喩歌荒磯を打ち越して寄せる波は恐ろしものだが、さりとて海に漂うきれいな藻を憎
令和6年3月10日(日) 【旧 二月一日 友引】・啓蟄 桃始笑(ももはじめてさく)桃の花君に似るとはいひかねてただうつくしと愛でてやみしか ~金子薫園(1876-1951)Photo:桃の花 ~Flover 今日は七十二候の第8候「桃始笑(ももはじめてさく)」。桃の蕾が開いて花が咲き始
令和5年3月29日(水) 【旧 閏二月八日 先負】・春分・桜始開(さくらはじめてさく)木に花咲き君我が妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかな ~前田夕暮(1883-1951)『収穫』 神奈川Photo:日枝神社結婚式場(東京都千代田区) 『収穫』は1910年に発表された歌集。この
令和5年3月28日(火) 【旧 閏二月七日 友引】・春分・桜始開(さくらはじめてさく)なにか思ふなにをか嘆く春の野に君よりほかに菫つませじ ~相模(998?-1061頃)『相模集』何を思い煩い、何を歎くのですか。春の野であなた以外の人に菫を摘ませたりはいたしません。Photo
令和5年3月27日(月) 【旧 閏二月六日 先勝】・春分・桜始開(さくらはじめてさく)けがさじとおもふ御法《みのり》のともすれば世わたるはしと成るぞかなしき ~千利休(1522-1591)穢すまいと尊ぶ道なのにそれを世渡りの術としてしまったわが身の哀しさよ。Photo:千利休像
令和5年3月26日(日) 【旧 閏二月五日 友引】・春分・桜始開(さくらはじめてさく)やどごとに心ぞ見ゆる円居《まどゐ》する花の都の弥生きさらぎ ~藤原定家(1162-1241)『夫木和歌抄』 巻4-1233 春歌四家ごとになごやかな団らんがあるような、花満開の都の二月三月の季節
令和5年3月25日(土) 【旧 閏二月四日 友引】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)含《ふふ》めりし花の初めに来し我れや散りなむ後に都へ行かむ ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻20-4435まだ蕾だった桜の頃にやってきたが、散ってしまった後になるのだろうな、都に帰
令和5年3月24日(金) 【旧 閏二月三日 友引】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)妹がくむてらゐの上のかたかしの花咲くほどに春ぞなりぬる ~衣笠家良(1192-1264)『新撰和歌六帖』少女が水を汲んでいる寺の井戸のほとりにカタクリの花が咲くほどに暖かい春になりまし
令和5年3月23日(木) 【旧 閏二月二日 友引】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)国人《くにびと》ととつ国人と打ちきそふベースボールを見ればゆゝしも ~正岡子規(1867-1902) 『竹の里歌』Photo:第5回WBCで優勝し喜ぶ日本ナイン。中央は大谷翔平=マイアミ 3月2
令和5年3月22日(水) 【旧 閏二月一日 友引】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)青天に産声上る雀かな ~小林一茶(1763-1828)Photo:photoAC 「春分の日」は昨日一日だけですが、二十四節気「春分」の期間は昨日から次の「清明」の前日までの半月間あります。その初
令和5年3月21日(火) 【旧 二月三〇日 先勝】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)牡丹餅に夕飯遅き彼岸かな ~高浜虚子(1874-1959)Photo:牡丹餅シニアナビねりま 今日は二十四節気の4番目の「春分」。『暦便覧』に「日天の中を行て昼夜等分の時なり」と記されている
令和5年3月20日(月) 【旧 二月二九日 赤口】・啓蟄・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)つぎつぎに船に手ばやく鉤きあぐる魚みどりにてみな鰆なり ~中村憲吉(1889-1935)Photo:サワラ ~瓢喜 鰆《さわら》は魚体が細長いので「狭腹」から名付けられたそうです。では旬はい
令和5年3月19日(日) 【旧 二月二八日 大安】・啓蟄・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)にはたづみ溢るる見ればこの朝の雨暖かくなりにけるかも ~土田耕平(1895-1940)Photo:あずまやで雨宿りする鹿さん ~奈良公園 春の雨は一雨ごとに暖かくなるといいますが、すでに先週
令和5年3月18日(土) 【旧 二月二七日 仏滅】・啓蟄・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)ぜんまいをねんごろに煮て彼岸入 ~細見綾子(1907-1997)Photo:春彼岸のお供え ~Hana Prime magazine 春分の日の3月21日が彼岸の中日で、前後の3日を合わせた7日間に行う仏教行事を
令和5年3月17日(金) 【旧 二月二六日 先負】・啓蟄・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)梅の花咲きて散りなば桜花継ぎて咲くべくなりにてあらずや ~藥師張氏福子《くすしちょうしのふくし》 『万葉集』 巻5-0829 雑歌梅の花が咲いて散ったら すぐに続いて桜の花が咲きそうにな
令和5年3月16日(木) 【旧 二月二五日 友引】・啓蟄・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)ちりぬればのちはあくたになる花ともしらずもまとふ蝶《てふ》かな ~僧正遍照(816-890)『古今和歌集』 巻10-0435 物名散った後はただのごみになるとも知らず惑わされている蝶であるよ。
令和5年3月15日(水) 【旧 二月二四日 先勝】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)おほほしく君を相見て菅の根の長き春日を恋ひ渡るかも ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1921 相聞歌おぼろげにあなたとお会いしたばかりに、菅の根のように長い春の日を恋続けてしまいました。Phot
令和5年3月14日(火) 【旧 二月二三日 赤口】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)大量の花粉ゆさぶり吐く杉の往生際は極めて悪し ~花山周子(1980-)『林立』Photo:ウェザーニュース 3月に入って温かい日が続くと必ずやって来る花粉症の季節。雨あがりにからりと晴れると
令和5年3月13日(月) 【旧 二月二二日 大安】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)梅の花散らす春雨いたく降る旅にや君が廬《いほり》せるらむ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1918 相聞歌梅の花を散らす春雨がひどく降っています。あなたは旅の途中で仮の宿りをとっていますでし
令和5年3月12日(日) 【旧 二月二一日 仏滅】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)この里の桃の盛りに来て見れば流れにうつる花のくれなゐ ~良寛(1758-1831)「定本良寛全集」2-0562Photo:桃の木 ~GARDEN STORY 二十四節「啓蟄」の次候は七十二候の第8候「桃始笑(ももは
令和5年3月11日(土) 【旧 二月二〇日 先負】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)うちつけに投げ出されをりマグカップがパソコンが入試資料が跳んで ~梶原さい子(1971-)『リアス/椿』校庭に地割れは伸びて雪の飛ぶ日暮れを誰も立ち尽くしをりPhoto:大型漁船が打ち上げら
令和5年3月10日(金) 【旧 二月一九日 友引】・啓蟄・蟹虫啓戸(すごもりむしとをひらく)菜の花の黄色小雨にとけあひてほのににじめる昼のあかるみ ~木下利玄(1886-1925)Photo:kagawatakaakiのブログ 立春前後から咲き始める蝋梅(ロウバイ)、満作(マンサク)、福寿