令和7年6月25日(水) 【旧 6月1日 赤口】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」コップの水一気に干して暑気中り ~村沢夏風(1918-2002)Photo:photoAC(カメラ兄さん) 私が子供の頃は夏の盛りに気温が30℃を超えればもう「厳しい暑さ」と表現されていましたが、今で
#4646 まだ正気ますます狂気ノンアルと微アルの泡を舐めくらべつつ
令和7年6月25日(水) 【旧 6月1日 赤口】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」コップの水一気に干して暑気中り ~村沢夏風(1918-2002)Photo:photoAC(カメラ兄さん) 私が子供の頃は夏の盛りに気温が30℃を超えればもう「厳しい暑さ」と表現されていましたが、今で
#4645 花ごとに気ままに風とたはむれてラベンダー畑はいちめんの波
令和7年6月24日(火) 【旧 5月29日 先負】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」花ごとに気ままに風とたはむれてラベンダー畑はいちめんの波 ~栗山由利 「南の魚座 福岡短歌日乗」Photo:富良野のラベンダー畑 ~札幌観光バス㈱ ラベンダーはハーブとして古代エジプ
#4644 保守党支持やめよと吾の云い切りし後を緘黙に父は薪挽く
令和7年6月23日(月) 【旧 5月28日 友引】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」保守党支持やめよと吾の云い切りし後を緘黙《かんもく》に父は薪挽く ~清原日出夫(1936-2004) 正式名は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」。一般に「日米安
#4643 古への武具の名持てるうつぼぐさ誰が侍女としてわれは果てけむ
令和7年6月22日(日) 【旧 5月27日 先勝】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」古への武具の名持てるうつぼぐさ誰が侍女としてわれは果てけむ ~大西民子(1924-1994) 二十四節気「夏至」の初候5日間(6/21-6/25)は七十二候の第28候「乃東枯(なつかれくさかるる)」
#4642 夏の夜はまだ宵ながらあけぬるを雲のいづこに月やどるらむ
令和7年6月21日(土) 【旧 5月26日 赤口】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」夏至の日の幽かに聴こゆ馬の鈴 ~原石鼎(1886-1951)Photo:夏の昼下がり ~白秋の黄昏 今日は二十四節気の10番目「夏至」。『暦便覧』には「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以
#4641 妻とする朝餉のしばし異様なる音に驚きわが覗き見る
令和7年6月20日(金) 【旧 5月25日 大安】 芒種・「梅子黄(うめのみきばむ)」妻とする朝餉のしばし異様なる音に驚きわが覗き見る ~安井昭宗 『銀剣草』 1946年4月1日に起こったアリューシャン地震(マグニチュード8.1)による津波は震源地に近い北アメリカや日本ではほ
#4640 反芻をしてわれ生きむ馬くさき昭和の入口昭和の出口
令和7年6月19日(木) 【旧 5月24日 仏滅】 芒種・「梅子黄(うめのみきばむ)」反芻をしてわれ生きむ馬くさき昭和の入口昭和の出口 ~山田富士郎(1950-) 今日は「元号の日」。『日本書紀』によれば皇極天皇の在位4年を改めて「大化元年」としたとあり、1380年前の皇極天
#4639 あじさいはあわれほのあかく移りゆく変化の花と人のすぎゆき
令和7年6月18日(水) 【旧 5月23日 先負】 芒種・「梅子黄(うめのみきばむ)」あじさいはあわれほのあかく移りゆく変化《へんげ》の花と人のすぎゆき ~坪野哲久(1906-1988)Photo:芭蕉の里 紫陽花まつり(那須)~ICUネット 紫陽花の花の色は土壌によって決まるそうで
#4638 筑波嶺のさ百合の花の夜床にも愛しけ妹ぞ昼も愛しけ
令和7年6月17日(火) 【旧 5月22日 友引】 芒種・「梅子黄(うめのみきばむ)」筑波嶺のさ百合《ゆる》の花の夜床《ゆとこ》にも愛《かな》しけ妹ぞ昼も愛しけ ~大舎人部千文 『万葉集』 巻18-4369筑波山の百合の夜床の愛しい妻は昼も愛しい妻なのだよ。 大舎人部千文《
#4637 つぶつぶと葉交に見えて梅の実の口酸く思ふまでになりたる
令和7年6月16日(月) 【旧 5月21日 先勝】 芒種・「梅子黄(うめのみきばむ)」つぶつぶと葉交《はがひ》に見えて梅の実の口酸く思ふまでになりたる ~谷鼎(1896-1960)『冬びより』Photo:tenki.jp 今日は七十二候の第27候「梅子黄(うめのみきばむ)」。梅の実が熟し始
#4636 米櫃に米のかすかに音するは白玉のごとはかなかりけり
令和7年6月15日(日) 【旧 5月20日 赤口】 芒種・「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」米櫃に米のかすかに音するは白玉のごとはかなかりけり ~北原白秋(1885-1942) 明治3年6月15日、戊辰戦争の一つである北越戦争に敗れて窮乏した長岡藩に、支藩である三根山藩
#4635 音楽の絶えてこの夜になかりせばサン・サーンスの雨の山査子
令和7年6月14日(土) 【旧 5月19日 大安】 芒種・「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」音楽の絶えてこの夜になかりせばサン・サーンスの雨の山査子《さんざし》 ~塚本邦雄(1920-2005)『されど遊星』Photo:山田和樹(1979-) 私が山田和樹という指揮者を初めて
#4634 みな月の有明づくよつくづくとおもへばをしき此の世なりけり
令和7年6月13日(金) 【旧 5月18日 仏滅】 芒種・「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」みな月の有明づくよつくづくとおもへばをしき此の世なりけり ~香川景樹(1768-1843)水無月の有明の月が残る夜、つくづく思えば、死ぬのは惜しいこの世であったよ。 病で体が
#4633 ゴルバチョフをののしる会話とぎれなくシベリア鉄道の車内にききたり
令和7年6月12日(木) 【旧 5月17日 先負】 芒種・「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」ゴルバチョフをののしる会話とぎれなくシベリア鉄道の車内にききたり ~鑓水青子(1976-)「真冬ロシア」Photo:サンクトペテルブルクの白夜 ~RUSSIA BEYOND 今日は「ロシアの
#4632 思ひあらば今宵の空をとびてまし見えしは月の光なりけり
令和7年6月11日(水) 【旧 5月16日 友引】 芒種・「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」思ひあらば今宵の空をとびてまし見えしは月の光なりけり ~和泉式部(978?-?)『和泉式部 続集』 0160本当に愛しているのならば今宵の空を飛ぶ蛍のようにお越しになったでしょ
令和7年6月10日(火) 【旧 5月15日 先勝】 芒種・「蟷螂生(かまきりしょうず)」これよりの梅雨の憂き日の一日目 ~稲畑汀子(1931-2022) 一昨日は九州北部と四国、そして昨日は中国・近畿・東海地方も梅雨入りしました。ここから約ひと月あまりは曇りと雨の日が繰り返
#4630 枇杷の実をかろくおとせば吾弟らが麦藁帽にうけてけるかな
令和7年6月9日(月) 【旧 5月14日 赤口】 芒種・「蟷螂生(かまきりしょうず)」六月の海照りつよく枇杷熟るゝ ~鈴鹿野風呂(1887-1971)『浜木綿』Photo:枇杷の実 ~JA長崎せいひ もう10年以上前のことですが、初めて長崎に旅行した時、グラバー邸や大浦天主堂など観光
#4629 星おほみはれたる空は色こくて吹くとしもなき風ぞ涼しき
令和7年6月8日(日) 【旧 5月13日 大安】 芒種・「蟷螂生(かまきりしょうず)」爛々と昼の星見え菌《きのこ》生え ~高浜虚子(1874-1959) 1947(昭和22)年10月14日に詠まれたことから、この日に「昼の星」が見えたとすれば、おそらくは土星であろうと考えられています
令和7年6月7日(土) 【旧 5月12日 仏滅】 芒種・「蟷螂生(かまきりしょうず)」満月に墓石はこぶ男来て肩の肉より消えてゆくなり ~寺山修司(1935-1983)『月蝕書簡』 英国の俳優、クリストファー・リーをご存知でしょうか。身長193cm、1958年の『吸血鬼ドラキュラ』で
#4627 机べに青蟷螂がひそと来て威儀正しをれど誰も気付かず
令和7年6月6日(金) 【旧 5月11日 先負】 芒種・「蟷螂生(かまきりしょうず)」机べに青蟷螂がひそと来て威儀正しをれど誰も気付かず ~前川佐美雄(1903-1990)『鳥取抄』Photo:カマキリとねこ ~かご猫 Blog 二十四節気「芒種」の初候6日間(6月5~10日)は七十二候の
#4626 はるばると吉野川分水国原に届きて芒種いざ田植せむ
令和7年6月5日(木) 【旧 5月10日 友引】 芒種・「蟷螂生(かまきりしょうず)」はるばると吉野川分水国原に届きて芒種いざ田植せむ ~喜夛隆子Photo:日本の水田風景 ~photoAC(おすしtoお茶さん) 今日は二十四節気の第6「芒種」。芒《のぎ》とはイネ科の植物の果実を
#4625 なぜ銃で兵士が人を撃つのかと子が問う何が起こるのか見よ
令和7年6月4日(水) 【旧 5月9日 先勝】 小満・「麦秋至(むぎのときいたる)」なぜ銃で兵士が人を撃つのかと子が問う何が起こるのか見よ ~中川佐和子(1954-)『海に向く椅子』 母子で観たのは1989年の今日、6月4日に中国民主化要求運動で集結した100万人とも言われる人
#4624 普賢岳は大き岩やま蒼空に押し上りつつその秀尖がれり
令和7年6月3日(火) 【旧 5月8日 赤口】 小満・「麦秋至(むぎのときいたる)」普賢岳は大き岩やま蒼空に押し上りつつその秀《ほ》尖がれり ~川田順(1882-1962) 雲仙普賢岳とも呼ばれますが、雲仙岳は長崎県島原半島中央部の火山群全体を指す名称で、普賢岳はその主峰
#4623 五月雨は近くなるらし淀川のあやめの草もみくさおいにけり
令和7年6月2日(月) 【旧 5月7日 大安】 小満・「麦秋至(むぎのときいたる)」五月雨は近くなるらし淀川のあやめの草もみくさおいにけり ~詠み人しらず 『拾遺和歌集』巻2-0108 夏歌梅雨の時期が近づいてきたようだ。菖蒲の周りも草深くなってきた。Photo:大浜公園(堺
#4622 人間のすることじゃないと囚友が云う 人間だからこそとも思う
令和7年6月1日(日) 【旧 5月6日 仏滅】 小満・「麦秋至(むぎのときいたる)」人間のすることじゃないと囚友が云う 人間だからこそとも思う ~受刑者の短歌(プリズンライターズのno+eより) 統計によると日本の殺人事件の、実に43%は家族内で起こっているそうです。冒
#4621 熟麦のうれとほりたる色深し葉さへ茎さへうち染まりつつ
令和7年5月31日(土) 【旧 5月5日 先負】 小満・「麦秋至(むぎのときいたる)」熟麦《うれむぎ》のうれとほりたる色深し葉さへ茎さへうち染まりつつ ~若山牧水(1885-1928)『黒松』Photo:tenki.jp 今日は七十二候の第24候「麦秋至(むぎのときいたる)」。二十四節気
#4620 はやばやと夏の足音五月尽あせかき息子のクーラー始動す
令和7年5月30日(金) 【旧 5月4日 友引】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」五月尽雨気山の端のどの家にも ~飯田龍太(1920-2007) 気候的には一年で最も過ごしやすいはずの5月でしたが、今年は暑くなったり寒くなったりで、着るものに毎日迷うひと月でした。月末も既
#4619 静かなる園の夕に暮れ残るすずらん揺れて鳴るかと思ふ
令和7年5月29日(木) 【旧 5月3日 先勝】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」静かなる園の夕に暮れ残るすずらん揺れて鳴るかと思ふ ~上皇后美智子(1934-)『ゆふすげ』 スズランの開花期は5月から6月。本種はラン科ではなくキジカクシ科スズラン属の多年草です。Photo
#4618 君や来し我や行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てか覚めてか
令和7年5月28日(水) 【旧 5月2日 赤口】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」君や来《こ》し我や行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てか覚めてか ~詠み人しらず 『古今和歌集』 巻13-0645 恋歌あなたが逢いに来たのか、私から行ったのか覚えていません。夢か現実か、寝てい
#4617 思ふ事世につらぬくも玉の緒のまことをつくすこころなりけり
令和7年5月27日(火) 【旧 5月1日 大安】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」思ふ事世につらぬくも玉の緒のまことをつくすこころなりけり ~東郷平八郎(1848-1934) 東郷平八郎の名を世界に知らしめた日露戦争「日本海海戦」の火蓋が切られたのは今から120年前の今日、1
#4616 なつかしき色ともなしに何にこの末摘花を袖に触れけん
令和7年5月26日(月) 【旧 4月29日 友引】 小満・「紅花栄(べにばなさかう)」なつかしき色ともなしに何にこの末摘花《すゑつむはな》を袖に触れけん ~光源氏『源氏物語』(紫式部)心惹かれるような色ではないのにどうして末摘花を好いてしまったのであろうか。 『源氏
令和7年5月25日(日) 【旧 4月28日 先勝】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」秀頼公滅びし城や鳥雲に ~村山古郷(1909-1986) ちょうど一月前の4月25日、中学時代の仲間6人が集い、大阪城周辺の史跡巡りをしました。大坂城落城の際、豊臣秀頼、淀殿、大野
令和7年5月24日(土) 【旧 4月27日 赤口】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」曇りなき心の月を先だてて浮世の闇を照してぞ行く ~伊達政宗(1567-1636) 辞世曇りのない我が心の月を頼りに、この乱世の闇を照らして生きてきたのだ。 病に冒されていた戦国の雄
令和7年5月23日(金) 【旧 4月26日 大安】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」若楓枝を平に打重ね ~冨安風生(1885-1979)Photo:若楓 葉に透き通る川の流れ ~西藍希さんのno+e 「若楓《わかかへで》」は読んで字のごとく楓の若葉、あるいは若葉の萌え出
#4612 たらちねの母が養ふ蚕の繭隠りいぶせくもあるか妹に逢はずして
令和7年5月22日(木) 【旧 4月25日 仏滅】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」たらちねの母が養ふ蚕《こ》の繭隠《まよこも》りいぶせくもあるか妹に逢はずして ~作者未詳 『万葉集』 巻12-2991 寄物陳思たらちねの母が養っている蚕がまるで繭に隠っているよ
#4611 小満の朝白百合の咲き始む上着を脱いでさあ出かけよう
令和7年5月21日(水) 【旧 4月24日 先負】 小満・「蚕起食桑(かいこおおきてくわをはむ)」小満の風を青しと遊びけり ~草間時彦(1920-2003)Photo:奥入瀬渓流の新緑 ~TOWADA TRAVEL 今日は二十四節気8番目の「小満」。万物が次第に成長する「気」が満ち始める頃で
令和7年5月20日(火) 【旧 4月23日 友引】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」卯の花の盛を捨て死出の旅 山時鳥道しるべせよ ~佐野政言(1757-1784)『鼠璞十種』 辞世 佐野政言とは、老中田沼意次の一人息子で若年寄でもあった田沼意知を殿中で殺害した人物。NHK大河
#4609 アラビアに雪降らぬゆえただ一語 ثلج と呼ばれる雪も氷も
令和7年5月19日(月) 【旧 4月22日 先勝】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」アラビアに雪降らぬゆえただ一語 ثلج 《サルジュ》と呼ばれる雪も氷も ~千種創一(1988-)『砂丘律』 ثلج 《サルジュ》は雪を表すアラビア語。作者の千種創一氏は東京外国語大学アラ
#4608 湖が見たくて蔓をのばしゆき薔薇は煉瓦の塀をこえたり
令和7年5月18日(日) 【旧 4月21日 赤口】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」湖が見たくて蔓をのばしゆき薔薇は煉瓦の塀をこえたり ~小林幸子 『日暈』 バラ(薔薇)は草本ではなく、木本性の蔓性植物です。冬に見られるのはほとんどが温室育ちですが、春にも秋にも
#4607 降圧剤一錠を嚥む夕まぐれ 五階まで来た蟻を祝へり
令和7年5月17日(土) 【旧 4月20日 大安】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」木枯やいのちもくそと思へども ~室生犀星(1889-1962) 室生犀星67歳の時の日記に記された句。体調がすこぶる悪く医者通いの日々が続いていた時で、注射と数種の薬を服用し、血圧は毎日2度
令和7年5月16日(金) 【旧 4月19日 仏滅】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」麦畑の中道来れば夕風にほのかに白き豌豆《ゑんどう》の花 ~窪田章一郎(1908-2001)Photo:スナップエンドウの花 ~photoAC(Be Heroさん) マメ科の越冬野菜エンドウの原産地はエチオピ
#4605 竹の子の また竹の子の 竹の子の 子の子の末も茂るめでたさ
令和7年5月15日(木) 【旧 4月18日 先負】 立夏・「竹笋生(たけのこしょうず)」朝掘りの竹の子の尻冷えまさり ~石川桂郎(1909-1975)『四温』 七十二候の第21候は「竹笋生(たけのこしょうず)」。二十四節気「立夏」の末候にあたる5日間です。Photo:たけのこの土佐
#4604 山越えて遠津の浜の岩つつじわが来るまでに含みてあり待て
令和7年5月14日(水) 【旧 4月17日 友引】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」山越えて遠津の浜の岩つつじわが来るまでに含《ふふ》みてあり待て ~作者未詳 『万葉集』 巻7-1188 雑歌山を越えた遠くにある遠津の浜の岩つつじよ、私がまた帰ってくるまで、つぼみのま
#4603 別れをば山の桜にまかせてむ留とめむ留めじは花のまにまに
令和7年5月13日(火) 【旧 4月16日 先勝】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」別れをば山の桜にまかせてむ留とめむ留めじは花のまにまに ~幽仙法師(836-900)『古今和歌集』 巻8-0393 離別歌お別れは山の桜に任せましょう。止めるか止めないかは花に委ねて。Photo:
#4602 新しき土の床には肥料おけりカーネーションを植ゑいだすとぞ
令和7年5月12日(月) 【旧 4月15日 赤口】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」新しき土の床には肥料おけりカーネーションを植ゑいだすとぞ ~土屋文明(1890-1990) カーネーションはナデシコ科ナデシコ属の多年草。ゆえにオランダナデシコという和名もあります。開
#4601 玉藻刈る唐荷の島に島廻《しまみ》する鵜にしもあれや家思はずあらむ
令和7年5月11日(日) 【旧 4月14日 大安】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」玉藻刈る唐荷の島に島廻《しまみ》する鵜にしもあれや家思はずあらむ ~山部赤人(?-736?)『万葉集』 巻6-0943 雑歌唐荷《からに》の島の廻りで魚を取っている鵜であれば、家のことを思
#4600 みみずみみず頭もなきとをもなきと蕗の葉影を二わかれゆく
令和7年5月10日(土) 【旧 4月13日 仏滅】 立夏・「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」みみずみみず頭もなきとをもなきと蕗の葉影を二《ふた》わかれゆく ~長塚節(1879-1915)『長塚節歌集』 今日は七十二候の第20候「蚯蚓出(きゅういんずいずる)」。土の中で冬眠してい
#4599 さ夜更けて暁月に影見えて鳴く霍公鳥聞けばなつかし
令和7年5月9日(金) 【旧 4月12日 先負】 立夏・「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」春過ぎて 夏来向へば あしひきの 山呼び響《とよ》め さ夜中に 鳴く霍公鳥《ほととぎす》 始音《はつこひ》を 聞けばなつかし 菖蒲《あやめくさ》 花橘を 貫《ぬ》き交へ 蘰《かづら》く
#4598 左手で文字書きてゐし教へ子を思ひ出さすよ黄のフリージア
令和7年5月8日(木) 【旧 4月11日 友引】 立夏・「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」左手で文字書きてゐし教へ子を思ひ出さすよ黄のフリージア ~高野公彦(1941-)『水苑』 フリージアはアヤメ科フリージア属の球根植物。赤やピンク・紫の花もありますが、私のフリージアの
#4597 師はあらず主はありと思ふおだやかな眼を向けたまひやがて去にしを
令和7年5月7日(水) 【旧 4月10日 先勝】 立夏・「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」師はあらず主はありと思ふおだやかな眼を向けたまひやがて去《い》にしを ~岡井隆(1928-2020) 4月21日に86歳で亡くなったフランシスコ教皇の死去に伴い、次の教皇を決める選挙「コンク
#4596 夕立の名残ばかりの庭たづみ日ごろも聞かぬ蛙鳴くなり
令和7年5月6日(火) 【旧 4月9日 赤口】 立夏・「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」夕立の名残ばかりの庭たづみ日ごろも聞かぬ蛙鳴くなり ~順徳院(1197-1242)『玉葉和歌集』 巻3-0409 夏歌夕立の名残りのような庭の水たまりに日頃は聞くこともない蛙の鳴き声がする。 二
令和7年5月5日(月) 【旧 4月8日 大安】 立夏・「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」新聞の兜を父は折らんとす今度五十の息子のために ~藤島秀憲(1960-) 発達障害の息子のためにお父さんが兜を折ろうとしているのかと思ったが、その逆でした。もうすぐ50歳になる息子とは
#4594 御田屋守けふはさつきになりにけり急げや早苗老いもこそすれ
令和7年5月4日(日) 【旧 4月7日 仏滅】 穀雨・「牡丹華(ぼたんはなさく)」目には青葉山ほととぎす初鰹 ~山口素堂(1642-1716)Photo:爽やかな新緑 ~GANREF(iori_photos) この時期に晴れ渡る空と鮮やかな緑の野山を見ると思い浮かべる俳句です。そして初鰹の時期は
#4593 うれしくも国の掟のさだまりてあけゆく空のごとくもあるかな
令和7年5月3日(土) 【旧 4月6日 先負】 穀雨・「牡丹華(ぼたんはなさく)」うれしくも国の掟のさだまりてあけゆく空のごとくもあるかな ~昭和天皇(1901-1989) 今日は「憲法記念日」。現在の「日本国憲法」が施行されたのは1947年でしたが、それから平成、令和と80年
#4592 野茂がもし世界のNOMOになろうとも君や私の手柄ではない
令和7年5月2日(金) 【旧 4月5日 友引】 穀雨・「牡丹華(ぼたんはなさく)」野茂がもし世界のNOMOになろうとも君や私の手柄ではない ~枡野浩一(1968-)『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである』 たしかにそうですね。今は大谷翔平の名が世界中のスポ
#4591 逢ふことはこれやかぎりの旅ならむ草の枕も霜枯れにけり
令和7年5月1日(木) 【旧 4月4日 先勝】 穀雨・「牡丹華(ぼたんはなさく)」木隠れて茶摘みも聞くやほととぎす ~松尾芭蕉(1644-1694) 今日は雑節のひとつ、「八十八夜」。唱歌『茶摘み』の最初に「♬夏も近づく八十八夜」という歌詞が出てくるので茶摘みの日かと思わ
#4590 風もなきにざつくり牡丹くづれたりざつくりとくづるる時の来りて
令和7年4月30日(水) 【旧 4月3日 赤口】 穀雨・「牡丹華(ぼたんはなさく)」風もなきにざつくり牡丹くづれたりざつくりとくづるる時の来りて ~岡本かの子(1889-1939)Photo:長谷寺の牡丹(奈良県桜井市) 二十四節気「穀雨」の末候5日間は七十二候の第18候「牡丹華(
#4589 割烹着も見えて昭和の迎へ傘かかる小景を呼びやまず歌は
令和7年4月29日(火) 【旧 4月2日 大安】 穀雨・「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」割烹着も見えて昭和の迎へ傘かかる小景を呼びやまず歌は ~島田修造(1950-)Photo:昭和32(1957)年春、新宿駅前の風景 ~新宿歴史博物館 ゴールデンウイーク最初の祝日は「昭和の日
#4588 新しき常に照る日の広き心吾等かならず立たざらめやも
令和7年4月28日(月) 【旧 4月1日 仏滅】 穀雨・「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」新しき常に照る日の広き心吾等かならず立たざらめやも ~土岐善麿(1885-1980)Photo:講和条約調印式で演説する吉田茂首相 ~毎日新聞 1952(昭和27)年4月28日は日本が再び独立国と
#4587 目のまへに大きなる山晴れをりて梓の川の音はひびかふ
令和7年4月27日(日) 【旧 3月30日 友引】 穀雨・「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」目のまへに大きなる山晴れをりて梓の川の音はひびかふ ~佐藤佐太郎(1909-1987)『地表』 今日は恒例となっている「上高地開山祭」。今年は第55回だそうです。上高地は昨年11月15日
#4586 曇る日のとある路上の植込みのつつじの花のしめりに触れつ
令和7年4月26日(土) 【旧 3月29日 先勝】 穀雨・「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」曇る日のとある路上の植込みのつつじの花のしめりに触れつ ~阿木津英(1950-)Photo:ヒラドツツジ ~御勅使南公園《みだいみなみこうえん》(山梨県南アルプス市) 躑躅《ツツジ》
#4585 みかくれてすだくかはづの声ながらまかせてけりな小田の苗代
令和7年4月25日(金) 【旧 3月28日 赤口】 穀雨・「霜止出苗(しもやんでなえいずる)」みかくれてすだくかはづの声ながらまかせてけりな小田の苗代 ~殷富門院大輔 『風雅和歌集』巻3-0269 春歌下見え隠れして群れている蛙たちの鳴き声もいっしょに小田の苗代に水を引いて
#2584 ふはふはとたんぽぽの飛びあかあかと夕日の光り人の歩める
令和7年4月24日(木) 【旧 3月27日 大安】 穀雨・「葭始生(あしはじめてしょうず)」ふはふはとたんぽぽの飛びあかあかと夕日の光り人の歩める ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』Photo:pngtree もう春も終わりに近づいてきましたが、蒲公英《たんぽぽ》の季節はまだま
#4583 我なくも行く末守れあした草食もする人のあらんかぎりは
令和7年4月23日(水) 【旧 3月26日 仏滅】 穀雨・「葭始生(あしはじめてしょうず)」我なくも行く末守れあした草食《は》もする人のあらんかぎりは ~伝 源為朝(1139-1170)私がいなくなった後も行く末までも大島の明日葉を守ってくれよ。それを食する人がいる限りは。
#4582 わが地球地軸かたむけ来たる時年をあらため事あらたにす
令和7年4月22日(火) 【旧 3月25日 先負】 穀雨・「葭始生(あしはじめてしょうず)」わが地球地軸かたむけ来たる時年をあらため事あらたにす ~窪田空穂(1877-1967)『老槻の下』Photo:アースデイの旗 ~Wikipedia 4月22日は「地球の日(アースデイ)」。1969年にユネ
令和7年4月21日(月) 【旧 3月24日 友引】 穀雨・「葭始生(あしはじめてしょうず)」芦のびて鯰とる子をかくすほど ~岸風三楼(1910-1982)『往来』 二十四節気「穀雨」の初候5日間(4月20~24日)は七十二候の第16候「葭始生(あしはじめてしょうず)」。この時期の雨
#4581 ときはなる山の岩根にむす苔の染めぬみどりに春雨ぞふる
令和7年4月20日(日) 【旧 3月23日 先勝】 穀雨・「葭始生(あしはじめてしょうず)」ときはなる山の岩根にむす苔の染めぬみどりに春雨ぞふる ~藤原良経 『新古今和歌集』 巻1-0066 春上とこしえに変わらぬ山の岩根にむす苔を、染めもしないのに緑を鮮やかにする春雨が降
#4580 ブロックの塀の上までのびいでて咲くクレマチス雨に濡れたる
令和7年4月19日(土) 【旧 3月22日 赤口】 清明・「虹始見(にじはじめてあらわる)」ブロックの塀の上までのびいでて咲くクレマチス雨に濡れたる ~玉城徹(1924-2010)『汝窯』Photo:港の見える丘公園に咲く紫色のクレマチス ~四季の花図鑑 クレマチスはキンポウゲ科セ
#4579 百敷に八千世かさねてさくら花にほはむ春ぞかぎりしられぬ
令和7年4月18日(金) 【旧 3月21日 大安】 清明・「虹始見(にじはじめてあらわる)」百敷《ももしき》に八千世かさねてさくら花にほはむ春ぞかぎりしられぬ ~中御門天皇(1702-1737)『新千載和歌集』 巻20-2311 慶賀歌宮中に長い年月を重ねて咲いてきた桜の花の、その香
#4578 先に行くあとに残るも同じこと連れて行けぬをわかれぞと思う
令和7年4月17日(木) 【旧 3月20日 仏滅】 清明・「虹始見(にじはじめてあらわる)」先に行くあとに残るも同じこと連れて行けぬをわかれぞと思う ~徳川家康(1543-1616)辞世私は先に死んでゆくが、あとに残るお前たちもいずれは同じことだ。連れてはいけないので、これ
#4577 花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった
令和7年4月16日(水) 【旧 3月19日 先負】 清明・「虹始見(にじはじめてあらわる)」花水木の道があれより長くても短くても愛を告げられなかった ~吉川宏志(1969-)『青蝉』Photo:ハナミズキの花 ~photoAC(Kazu0425さん) ハナミズキはミズキ科ミズキ属の落葉高木。
#4576 土砂降りの夕立あがり雲間からアーチをもたげ背伸びする虹
令和7年4月15日(火) 【旧 3月18日 友引】 清明・「虹始見(にじはじめてあらわる)」初虹や白川道を花売女 ~中川四明(1850-1917)『四明句集』Photo:七十二候だより by 久栄社 今日は七十二候の第15候「虹始見(にじ はじめて あらわる)」。二十四節気「清明」の末候
令和7年4月14日(月) 【旧 3月17日 先勝】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」母そして姉失いし少年の「傷心」疼く森を歩けば ~西岡徳江(1951-2018)『私の短歌とアメリカ通信』 少年の名はエイブラハム・リンカーン。西岡徳江さんは合衆国在住の歌人で、インディアナ州
#4574 海風にひらけていたい心があってグリーンの列車で夢洲へ
令和7年4月13日(日) 【旧 3月16日 赤口】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」海風にひらけていたい心があってグリーンの列車で夢洲へ ~高田ほのかPhoto:大阪・関西万博会場 夢洲《ゆめしま》 1970年の大阪万博の際は吹田市の千里丘陵で行われましたが、私はお隣、茨木
#4573 痛ましき原の古城に来て見れば一もと咲ける白百合の花
令和7年4月12日(土) 【旧 3月15日 大安】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」痛ましき原の古城に来て見れば一もと咲ける白百合の花 ~新村出(1876-1942)『重山集』Photo:「島原の乱図屏風」を再現したジオラマ(天草四郎ミュージアム) 「原の古城」とは寛永15年の「島
#4572 霍公鳥来鳴き響もす岡辺なる藤波見には君は来じとや
令和7年4月11日(金) 【旧 3月14日 仏滅】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」霍公鳥《ほととぎす》来鳴き響《とよ》もす岡辺なる藤波見には君は来じとや ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1991 相聞歌ほととぎすが来て啼く丘のほとりの藤の花を見に貴女は来ないと言うのですか。
#4571 世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
令和7年4月10日(木) 【旧 3月13日 先負】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし ~在原業平(825-880)『伊勢物語』 第82段 「渚の院」世の中に、慌ただしく散る桜というものが咲かなければ、春の心はもっとのどかであろ
令和7年4月9日(水) 【旧 3月12日 友引】 清明・「鴻雁北(こうがんかえる)」燕来る時になりぬと雁がねは国偲びつつ雲隠り鳴く ~大伴家持 『万葉集』 巻19-4144燕が来る時になったのだと、雁はふるさとを思って雲の上で鳴いている。Photo:鴻雁北 ~暦生活 二十四節気「清
#4569 胸は少女、腰は母とも人は言ふ〈ミロのヴィーナス〉の完璧なる美
令和7年4月8日(火) 【旧 3月11日 先勝】 清明・「玄鳥至(つばめきたる)」胸は少女、腰は母とも人は言ふ〈ミロのヴィーナス〉の完璧なる美 ~悟桐学《ごとうまなぶ》 ヘレニズムの彫刻「ミロのヴィーナス」はギリシャ神話の女神アプロディーテの像といわれ、作者は紀元前2
#4568 起きてみて、 また直ぐ寝たくなる時の 力なき眼に愛でしチュリップ!
令和7年4月7日(月) 【旧 3月10日 赤口】 清明・「玄鳥至(つばめきたる)」起きてみて、また直ぐ寝たくなる時の力なき眼に愛でしチュリップ! ~石川啄木(1886-1912)『悲しき玩具』Photo:チューリップ ~はたらこマガジン チューリップはユリ科チューリップ属の球根植
#4567 心あらむ人に見せばや津の国の難波わたりの春のけしきを
令和7年4月6日(日) 【旧 3月9日 大安】 清明・「玄鳥至(つばめきたる)」じいちゃんと行った、今度はわし、じいちゃん ~アントニオ馬場(堺 SDGs川柳2024 大賞作) じいちゃんと行ったのは1970年の「大阪万博 EXPO’70」。こんど孫を連れて行くのは「大阪・関西万博 EXPO
#4566 さくら咲くその花影の水に研ぐ夢やはらかし朝の斧は
令和7年4月5日(土) 【旧 3月8日 仏滅】 清明・「玄鳥至(つばめきたる)」さくら咲くその花影の水に研ぐ夢やはらかし朝《あした》の斧は ~前登志夫(1926-2008)『霊異記』 桜が咲いている樹の下で研いでいるのは包丁ではなく斧。やがて研ぎ上がった斧でその桜を伐り倒す
#4565 すくすくと生ひ立つ麦に腹すりて燕飛びくる春の山畑
令和7年4月4日(金) 【旧 3月7日 先負】 清明・「玄鳥至(つばめきたる)」 今日は二十四節気の第5、「清明」。『暦便覧』には「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」と記されています。清明については中国唐代の詩人杜牧《とぼく》が詠んだこんな詩がありま
#4564 月残る弥生の山の霞む夜をよよしとつげよまたずしもあらず
令和7年4月3日(木) 【旧 3月6日 友引】 春分・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」 建仁2年9月13日(1202年9月30日)、後鳥羽上皇の離宮があった水無瀬(大阪府島本町広瀬)に於いて歌合の会が催されました。「水無瀬恋十五首歌合」と呼ばれますが、15というのは歌
#4563 自閉症の吾子と散歩を楽しみぬ勤めなき身の平日の午後
令和7年4月2日(水) 【旧 3月5日 先勝】 春分・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」自閉症の吾子と散歩を楽しみぬ勤めなき身の平日の午後 ~渡辺幸一(1950-)『イギリス』 渡辺幸一氏は福岡県北九州市生まれ。商社勤務の後外資系証券会社数社を経て英国に移住し
#4562 ぬぎかへて形見とまらぬ夏衣さてしも花の面影ぞたつ
令和7年4月1日(火) 【旧 3月4日 赤口】 春分・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」ぬぎかへて形見とまらぬ夏衣さてしも花の面影ぞたつ ~藤原定家(1162-1241)『正治初度百首』 1324夏の衣に脱ぎ変えて、花の季節も肩身を滑り落ちるように過ぎ去り、春の面影だけ
#4561 決算を終へし夕べは暮れなづむ鉢のプリムラ色あたたかし
令和7年3月31日(月) 【旧 3月3日 大安】 春分・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」決算を終へし夕べは暮れなづむ鉢のプリムラ色あたたかし ~向山益雄 『檐溜』 日本の多くの会社は3月末をもって年度の締めくくりとしています。その要因となった国の会計年度が4
令和7年3月30日(日) 【旧 3月2日 仏滅】 春分・「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」花誘ふ春雷深夜の吾が腹の底に響きて天に納まる ~村瀬廣(1891-?) 『麗』Photo:桜と雷|多摩川河川敷 ~flickr 今日は、七十二候の第12候「雷乃発声(かみなりすなわちこえ
#4559 パンセパンセパン屋のパンセ にんげんはアンパンをかじる葦である
令和7年3月29日(土) 【旧 3月1日 先負】 春分・「桜始開(さくらはじめてひらく)」パンセパンセパン屋のパンセ にんげんはアンパンをかじる葦である ~杉崎恒夫(1919-1984)『パン屋のパンセ』 「パンセ」は「思考」「思想」の意。フランスの哲学者ブレーズ・パスカル(
#4558 春山の咲きのををりに春菜摘む妹が白紐見らくしよしも
令和7年3月28日(金) 【旧 2月29日 赤口】 春分・「桜始開(さくらはじめてひらく)」春山の咲きのををりに春菜《わかな》摘む妹《いも》が白紐見らくしよしも ~尾張連《をはりのむらじ》『万葉集』 巻8-1421 雑歌春山の花が咲いている下で、春の菜を摘んでいる。妻の着物の
令和7年3月27日(木) 【旧 2月28日 大安】 春分・「桜始開(さくらはじめてひらく)」古《いにしへ》の人の植ゑけむ杉が枝に霞たなびく春は来ぬらし ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1814 雑歌いにしえの人が植えたという杉の枝に霞がたなびく春が来たようです。 この歌、万葉集
令和7年3月26日(水) 【旧 2月27日 仏滅】 春分・「桜始開(さくらはじめてひらく)」醜草《しこぐさ》の島に蔓《はびこ》る其の時の皇国《みくに》の行手一途に思ふ ~栗林忠道(1891-1945)Photo:硫黄島の栗林忠道中将 ~祖孫 しんどう義孝氏のHPより 太平洋戦争末期の
#4555 この花の一節のうちに百種の言ぞ隠れるおほろかにすな
令和7年3月25日(火) 【旧 2月26日 先負】 春分・「桜始開(さくらはじめてひらく)」藤原朝臣広嗣、桜花を娘子《おとめ》に贈る歌一首この花の一節《ひとよ》のうちに百種《ももくさ》の言《こと》ぞ隠《こも》れるおほろかにすな ~藤原広嗣(715-740)『万葉集』 巻8-1456
#4554 あふみの海磯うつ波のいく度か御世にこころをくだきぬるかな
令和7年3月24日(月) 【旧 2月25日 友引】 春分・「雀始巣(すずめはじめてすくう)」あふみの海磯うつ波のいく度か御世にこころをくだきぬるかな ~井伊直弼 『柳廼四附《やなぎのしづく》』近江の湖の磯を打つ波のように幾度も今の御代のことに心を砕く日々であることよ
#4553 暇なく人の眉根をいたづらに掻かしめつつも逢はぬ妹かも
令和7年3月23日(日) 【旧 2月24日 先勝】 春分・「雀始巣(すずめはじめてすくう)」長眉毛一本のべし老の春 ~百合山羽公(1904-1991) 今年のNHK大河小説 『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』 で水野美紀や安達祐実・飯島直子らが演じる眉毛のない吉原の女将たちと、石坂浩
#4522 ふたつみつ標本木の花の芽がぽこりとおきておはやうといふ
令和7年3月22日(土) 【旧 2月23日 赤口】 春分・「雀始巣(すずめはじめてすくう)」万蕾の一枝ほころび貴妃桜 ~大石悦子(1938-2023)Photo:咲き始めた楊貴妃桜 ~杜の舟 「万蕾《ばんらい》」は枝いっぱいについた蕾《つぼみ》のこと。「貴妃桜」は楊貴妃に因んで名
#4551 めざむればいたく搖れゐる電線と雀の聲とわが窓のへに
令和7年3月21日(金) 【旧 2月22日 大安】 春分・「雀始巣(すずめはじめてすくう)」めざむればいたく搖れゐる電線と雀の聲とわが窓のへに ~高安国世(1913-1984)『眞實』 二十四節気「春分」の初候5日間(3月20~24日)は七十二候の第10候「雀始巣(すずめはじめてす
#4550 さみどりに香る草餅春彼岸あの人この人偲びつつ食む
令和7年3月20日(木) 【旧 2月21日 仏滅】 春分・「雀始巣(すずめはじめてすくう)」さみどりに香る草餅春彼岸あの人この人偲びつつ食む ~喜夛隆子 二十四節気の4番目は「春分」。「日天の中を行て昼夜とうぶんの時なり」とは『暦便覧』における説明。昼と夜の時間が同
#4549 わするなよなれし雲ゐのさくら花うき身は春のよそになるとも
令和7年3月19日(水) 【旧 2月20日 先負】 啓蟄・「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」わするなよなれし雲ゐのさくら花うき身は春のよそになるとも ~藤原隆信(1142-1205)『新勅撰和歌集』 巻16-1044 雑歌一忘れるな、見慣れた宮中の桜花よ。不遇の私は春とは無縁になって
#4548 すすみゆく時にあふともいそのかみふるきてぶりをわすれざらなむ
令和7年3月18日(火) 【旧 2月19日 友引】 啓蟄・「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」赤とんぼ昔のいろに明治村 ~西上禎子 「第5回 HIA俳句大会」 国際俳句交流協会賞受賞作品 明治村が開業したのはちょうど60年前の今日、1965年3月16日。昔の町並みを楽しめるテーマパー
「ブログリーダー」を活用して、rh1さんをフォローしませんか?
令和7年6月25日(水) 【旧 6月1日 赤口】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」コップの水一気に干して暑気中り ~村沢夏風(1918-2002)Photo:photoAC(カメラ兄さん) 私が子供の頃は夏の盛りに気温が30℃を超えればもう「厳しい暑さ」と表現されていましたが、今で
令和7年6月24日(火) 【旧 5月29日 先負】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」花ごとに気ままに風とたはむれてラベンダー畑はいちめんの波 ~栗山由利 「南の魚座 福岡短歌日乗」Photo:富良野のラベンダー畑 ~札幌観光バス㈱ ラベンダーはハーブとして古代エジプ
令和7年6月23日(月) 【旧 5月28日 友引】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」保守党支持やめよと吾の云い切りし後を緘黙《かんもく》に父は薪挽く ~清原日出夫(1936-2004) 正式名は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」。一般に「日米安
令和7年6月22日(日) 【旧 5月27日 先勝】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」古への武具の名持てるうつぼぐさ誰が侍女としてわれは果てけむ ~大西民子(1924-1994) 二十四節気「夏至」の初候5日間(6/21-6/25)は七十二候の第28候「乃東枯(なつかれくさかるる)」
令和7年6月21日(土) 【旧 5月26日 赤口】 夏至・「乃東枯(なつかれくさかるる)」夏至の日の幽かに聴こゆ馬の鈴 ~原石鼎(1886-1951)Photo:夏の昼下がり ~白秋の黄昏 今日は二十四節気の10番目「夏至」。『暦便覧』には「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以
令和7年6月20日(金) 【旧 5月25日 大安】 芒種・「梅子黄(うめのみきばむ)」妻とする朝餉のしばし異様なる音に驚きわが覗き見る ~安井昭宗 『銀剣草』 1946年4月1日に起こったアリューシャン地震(マグニチュード8.1)による津波は震源地に近い北アメリカや日本ではほ
令和7年6月19日(木) 【旧 5月24日 仏滅】 芒種・「梅子黄(うめのみきばむ)」反芻をしてわれ生きむ馬くさき昭和の入口昭和の出口 ~山田富士郎(1950-) 今日は「元号の日」。『日本書紀』によれば皇極天皇の在位4年を改めて「大化元年」としたとあり、1380年前の皇極天
令和7年6月18日(水) 【旧 5月23日 先負】 芒種・「梅子黄(うめのみきばむ)」あじさいはあわれほのあかく移りゆく変化《へんげ》の花と人のすぎゆき ~坪野哲久(1906-1988)Photo:芭蕉の里 紫陽花まつり(那須)~ICUネット 紫陽花の花の色は土壌によって決まるそうで
令和7年6月17日(火) 【旧 5月22日 友引】 芒種・「梅子黄(うめのみきばむ)」筑波嶺のさ百合《ゆる》の花の夜床《ゆとこ》にも愛《かな》しけ妹ぞ昼も愛しけ ~大舎人部千文 『万葉集』 巻18-4369筑波山の百合の夜床の愛しい妻は昼も愛しい妻なのだよ。 大舎人部千文《
令和7年6月16日(月) 【旧 5月21日 先勝】 芒種・「梅子黄(うめのみきばむ)」つぶつぶと葉交《はがひ》に見えて梅の実の口酸く思ふまでになりたる ~谷鼎(1896-1960)『冬びより』Photo:tenki.jp 今日は七十二候の第27候「梅子黄(うめのみきばむ)」。梅の実が熟し始
令和7年6月15日(日) 【旧 5月20日 赤口】 芒種・「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」米櫃に米のかすかに音するは白玉のごとはかなかりけり ~北原白秋(1885-1942) 明治3年6月15日、戊辰戦争の一つである北越戦争に敗れて窮乏した長岡藩に、支藩である三根山藩
令和7年6月14日(土) 【旧 5月19日 大安】 芒種・「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」音楽の絶えてこの夜になかりせばサン・サーンスの雨の山査子《さんざし》 ~塚本邦雄(1920-2005)『されど遊星』Photo:山田和樹(1979-) 私が山田和樹という指揮者を初めて
令和7年6月13日(金) 【旧 5月18日 仏滅】 芒種・「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」みな月の有明づくよつくづくとおもへばをしき此の世なりけり ~香川景樹(1768-1843)水無月の有明の月が残る夜、つくづく思えば、死ぬのは惜しいこの世であったよ。 病で体が
令和7年6月12日(木) 【旧 5月17日 先負】 芒種・「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」ゴルバチョフをののしる会話とぎれなくシベリア鉄道の車内にききたり ~鑓水青子(1976-)「真冬ロシア」Photo:サンクトペテルブルクの白夜 ~RUSSIA BEYOND 今日は「ロシアの
令和7年6月11日(水) 【旧 5月16日 友引】 芒種・「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」思ひあらば今宵の空をとびてまし見えしは月の光なりけり ~和泉式部(978?-?)『和泉式部 続集』 0160本当に愛しているのならば今宵の空を飛ぶ蛍のようにお越しになったでしょ
令和7年6月10日(火) 【旧 5月15日 先勝】 芒種・「蟷螂生(かまきりしょうず)」これよりの梅雨の憂き日の一日目 ~稲畑汀子(1931-2022) 一昨日は九州北部と四国、そして昨日は中国・近畿・東海地方も梅雨入りしました。ここから約ひと月あまりは曇りと雨の日が繰り返
令和7年6月9日(月) 【旧 5月14日 赤口】 芒種・「蟷螂生(かまきりしょうず)」六月の海照りつよく枇杷熟るゝ ~鈴鹿野風呂(1887-1971)『浜木綿』Photo:枇杷の実 ~JA長崎せいひ もう10年以上前のことですが、初めて長崎に旅行した時、グラバー邸や大浦天主堂など観光
令和7年6月8日(日) 【旧 5月13日 大安】 芒種・「蟷螂生(かまきりしょうず)」爛々と昼の星見え菌《きのこ》生え ~高浜虚子(1874-1959) 1947(昭和22)年10月14日に詠まれたことから、この日に「昼の星」が見えたとすれば、おそらくは土星であろうと考えられています
令和7年6月7日(土) 【旧 5月12日 仏滅】 芒種・「蟷螂生(かまきりしょうず)」満月に墓石はこぶ男来て肩の肉より消えてゆくなり ~寺山修司(1935-1983)『月蝕書簡』 英国の俳優、クリストファー・リーをご存知でしょうか。身長193cm、1958年の『吸血鬼ドラキュラ』で
令和7年6月6日(金) 【旧 5月11日 先負】 芒種・「蟷螂生(かまきりしょうず)」机べに青蟷螂がひそと来て威儀正しをれど誰も気付かず ~前川佐美雄(1903-1990)『鳥取抄』Photo:カマキリとねこ ~かご猫 Blog 二十四節気「芒種」の初候6日間(6月5~10日)は七十二候の
令和6年6月25日(火) 【旧 五月二〇日 赤口】・夏至 乃東枯(なつかれくさかるる)卯の花を腐《くた》す長雨《ながめ》の始水《みづはな》に寄る木屑《こづみ》なす寄らむ児もがも ~大伴家持(718-785) 『万葉集』 巻19-4217卯の花を腐らせるような長雨で流れた水に寄せら
令和6年6月24日(月) 【旧 五月一九日 大安】・夏至 乃東枯(なつかれくさかるる)五線紙にのりさうだなと聞いてゐる遠い電話に弾むきみの声 ~小野茂樹(1936-1970)Photo:Yamaha Music 今日は「ドレミの日」。ちょうど1000年前のこの日(1024年6月24日))、グイード・ダ
令和6年6月23日(日) 【旧 五月一八日 仏滅】・夏至 乃東枯(なつかれくさかるる)矢弾尽き天地染めて散るとても魂還り魂還りつつ皇国護らん ~牛島満(1887-1945)辞世 1/2Photo:181人の名の刻まれた3枚の銘板追加される「平和の礎」~NHKニュース(2024年6月19日) 今日
令和6年6月22日(土) 【旧 五月一七日 先負】・夏至 乃東枯(なつかれくさかるる)夏枯草の畦に座れば雨落つる ~西口百艸(1892-1968)Photo:ウツボグサ 6月頃(左)と8月頃(右) 二十四節気「夏至」の初候5日間(6月21日-25日)は七十二候の第28候「乃東枯(なつかれくさか
令和6年6月21日(金) 【旧 五月一六日 友引】・夏至 乃東枯(なつかれくさかるる)明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな ~藤原道信(972-994)『後拾遺和歌集』 巻12-0672 恋歌二夜が明ければ再び日が暮れて貴女に逢えるのは分かっているが、それで
令和6年6月20日(木) 【旧 五月一五日 先勝】・芒種 梅子黄(うめのみきばむ)埋れ木の花さく事もなかりしに身のなる果ぞ悲しかりける ~源三位頼政(1104-1180) 『平家物語』 巻4埋れ木のように花の咲くこともなかったわが身が、このようなことになり果てるとは悲しいこ
令和6年6月19日(水) 【旧 五月一四日 赤口】・芒種 梅子黄(うめのみきばむ) 夏の花、合歓《ねむ》の花をモチーフにした面白い歌がありました。合歓の木は写真のように細い糸を集めたような薄紅色の花を咲かせますが、夜は葉が閉じてしまい、眠るように見えたことからその
令和6年6月18日(火) 【旧 五月一三日 大安】・芒種 梅子黄(うめのみきばむ)ほととぎす思はずありき木《こ》の暗《くれ》のかくなるまでになにか来鳴かぬ ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻8-1487.雑歌ほととぎすよ、思いもしなかったが木の陰がこんなに暗くなるまで
令和6年6月17日(月) 【旧 五月一二日 仏滅】・芒種 梅子黄(うめのみきばむ)あまつさへ夾竹桃の花あかく咲きにけらずやわかき男よ ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』Photo:キョウチクトウ ~生活110番 根から花まですべての部分に毒があるという有毒植物、夾竹桃《き
令和6年6月16日(日) 【旧 五月一一日 先負】・芒種 梅子黄(うめのみきばむ)花ならぬ香もなつかしみ袖かけん色づく梅の雨のしづくに ~中院通勝《なかのいんみちかつ》(1556-1610) 『通勝集』花だけでなく、その実の香りも芳しい。袖にかけようか、色づく梅の実に滴る
令和6年6月15日(土) 【旧 五月一〇日 友引】・芒種 腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)あをによし寧樂《なら》の京師《みやこ》は咲く花の薫《にほ》ふがごとく今盛りなり ~小野老《をののおゆ》(?-737)『万葉集』 巻3-0328 雑歌奈良の都は満開の花が鮮やかに華
令和6年6月14日(金) 【旧 五月九日 先勝】・芒種 腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)血をわけしものと思はず蚊の憎さ ~内藤丈草(1662-1704) 今日は「世界献血者デー」。ABO式血液型を発見した生物学者カール・ラントシュタイナー(1868-1943)の誕生日が6月14
令和6年6月13日(木) 【旧 五月八日 赤口】・芒種 腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)なほ生きむわれのいのちの薄き濃き強ひてなげかじあぢさゐのはな ~斎藤史(1909-2002)『魚歌』Photo:北鎌倉明月院開山堂前の花想い地蔵 ~鎌倉トリップ 紫陽花ほど梅雨の季節
令和6年6月12日(水) 【旧 五月七日 大安】・芒種 腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)北へゆく雁のつばさにことづてよ雲のうはがきかき絶えずして ~紫式部 『新古今和歌集』 巻9-0859 離別歌北へ帰る雁の翼に言付けて、遠い南の国からも私に便りを下さいよ。書き絶や
令和6年6月11日(火) 【旧 五月六日 仏滅】・芒種 腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)入梅を拒む日のあり風のあり ~稲畑廣太郎(1957-)Photo:太陽の光と青空 ~photoAC(bergamotさん) 昨日6月10日は暦の上での「入梅」。梅雨入りの時期を前もって農家に報せる
令和6年6月10日(月) 【旧 五月五日 先負】・芒種 腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)鳴く声も聞こえぬものゝかなしきは忍びに燃ゆる蛍なりけり ~藤原高遠(949-1013)『詞花和歌集』 巻2-0073 夏歌鳴く声は聞こえませんが、悲しいものといえば忍ぶ思いで燃える蛍な
令和6年6月9日(日) 【旧 五月四日 友引】・芒種 螳螂生(かまきりしょうず)ハミングは浴室を出てキッチンへ北京ダックのおしりがゆれる ~加藤治郎(1959-)『サニー・サイド・アップ』Photo:Belle Maison ドナルドダックがアニメーション映画『かしこいメンドリ』で初
令和6年6月8日(土) 【旧 五月三日 先勝】・芒種 螳螂生(かまきりしょうず)あづまぢの 野島が崎の はま風に わが紐ゆひし 妹がかほのみ 面影に見ゆ ~藤原顕輔(1090-1155)『千載和歌集』 巻18-1166 雑歌下東路の、野島が崎の浜風に吹かれていると、衣の紐を結んでくれ
令和6年6月7日(金) 【旧 五月二日 赤口】・芒種 螳螂生(かまきりしょうず)むらさきの菖蒲ゆらりとたつ夜の暗き水際にわれは来たりぬ ~岡部桂一郎(1915-2012)『木星』Photo:城北公園菖蒲園 ~PHOTOHITO(Boobooさん) ハナショウブはアヤメ科アヤメ属の多年草。英語
令和6年6月6日(木) 【旧 五月一日 大安】・芒種 螳螂生(かまきりしょうず)草をとる手に蟷螂の上り来て透けたる細き脚もて身構ふ ~山岡弘道 『碧き湖』Photo:でれすけ 二十四節気「芒種」の初候5日間(6月5日-9日)は七十二候の第25候「螳螂生(かまきりしょうず)」