令和6年4月23日(火) 【旧 三月一五日 大安】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)八月以外の十一か月の広島にしずかな声の雨は降りくる ~谷村はるか(1971-) 『ドームの骨の隙間の空に』Photo:多くの外国人観光客も祈りを捧げる原爆の子の像 2024年4月16日 呉の大
#3852 君に似たマーガレットが咲きました きっと元気でいることでしょう
令和5年4月24日(月) 【旧 三月五日 先勝】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)マーガレット猫額の庭満たしけり ~中村汀女(1900-1988)Photo:恋占いの白い花「マーガレット」 ~Hana Prime Magazine 我が家の鉢植えでも今たくさんの花を咲かせているマーガレット。
#3851 若子の這ひたもとほり朝夕に哭のみそわが泣く君無しにして
令和5年4月23日(日) 【旧 三月四日 赤口】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)若子《みどりご》の這ひたもとほり朝夕に哭《ね》のみそわが泣く君無しにして ~余明軍《よのみょうぐん》『万葉集』 巻3-0458 挽歌幼子が這い回るように私は朝夕声を上げて泣いているばかり
#3850 日なた雨すぎゆく堤おほばこの葉は土よりも早くぬれをり
令和5年4月22日(土) 【旧 三月三日 大安】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)日なた雨すぎゆく堤おほばこの葉は土よりも早くぬれをり ~高野公彦(1941-)『淡青』Photo:花をつけたオオバコ ~Amebaブログ バイサン60のページ オオバコは道端や空き地などでよく見
令和5年4月21日(金) 【旧 三月二日 仏滅】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)芦むらにうすれかかりぬ虹の端 ~石原舟月(1892-1984)Photo:水辺のアシの群生 ~tenki.jp 二十四節気の「穀雨」は昨日一日だけではなく、次の「立夏」の前日までの半月間をいいます。そ
#3848 まっさらなランドセルの子ら駆けてゆくふいの穀雨に声あげながら
令和5年4月20日(木) 【旧 三月一日 先負】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)まっさらなランドセルの子ら駆けてゆくふいの穀雨に声あげながら ~喜夛隆子Photo:堀江鞄製造 今日は二十四節気の第6「穀雨」。『暦便覧』には「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記され
#3847 書きかけてしばし躊躇の躑躅の字行きては戻る季節に咲けリ
令和5年4月19日(水) 【旧 閏二月二九日 赤口】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)春愁のかぎりを躑躅燃えにけり ~水原秋桜子(1892-1981)Photo:ツツジ ~くるまのニュース 葉桜の下にもう赤紫の躑躅《ツツジ》が咲いていました。ツツジという呼称は、よく似た皐月
#3846 春へ咲く藤の末葉の心安にさ寝る夜ぞなき子ろをし思へば
令和5年4月18日(火) 【旧 閏二月二八日 仏滅】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)春へ咲く藤の末葉《うらは》の心《うら》安にさ寝《ぬ》る夜ぞなき子ろをし思《も》へば ~作者未詳(東歌)『万葉集』巻14-3504 相聞歌春に咲く藤の末葉ではないが、心安らかに眠れる夜
#3845 彼等とのつきあひ方と人のごとく語られてゐる人工知能
令和5年4月17日(月) 【旧 閏二月二七日 仏滅】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)彼等とのつきあひ方と人のごとく語られてゐる人工知能 ~内田しず江 (平成28年宮内庁歌会始詠進歌)Photo:Artificial Intelligence Investing NEWS 7年前の宮中歌会始のお題は「人」
#3844 むらさきのいぬのふぐりの花に寄るこころしばらくは保たせたまへ
令和5年4月16日(日) 【旧 閏二月二六日 先負】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)むらさきのいぬのふぐりの花に寄るこころしばらくは保たせたまへ ~谷鼎(1896-1960)Photo:イヌノフグリ ~Adobe Stock イヌノフグリはオオバコ科クワガタソウ属の越年草。朝ドラの
#3843 晴れた日は虹を作ろうたくさんの水でこころを洗っておこう
令和5年4月15日(土) 【旧 閏二月二五日 友引】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)日の射してどこかに虹の立ちさうな ~稲畑汀子(1931-2022)Photo:MIKEMAREEN/GETTYIMAGES 今日は七十二候の第15候「虹始見(にじはじめてあらわる)」。二十四節気「清明」の末候に当た
#3842 逢ひ見てののちの心にくらぶれば昔は物も思はざりけり
令和5年4月14日(金) 【旧 閏二月二四日 先勝】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)御匣殿に初めてつかはしける今日そゑに暮れざらめやはと思へどもたへぬは人の心なりけり ~藤原敦忠(906-943)『後撰和歌集』 巻12-0882 恋歌四あなたと結ばれた今日だからと言って、日が暮れ
#3841 旅にても喪なく早来と我妹子が結びし紐はなれにけるかも
令和5年4月13日(木) 【旧 閏二月二三日 赤口】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)旅にても喪なく早来と我妹子が結びし紐はなれにけるかも ~作者未詳(遣新羅使)『万葉集』 巻15-3717 旅に出ても、何事もなく早く帰ってねと妻が結んでくれた着物の紐もすっかりしおれてしま
令和5年4月12日(水) 【旧 閏二月二二日 大安】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)夜ぐたちに寝覚めて居れば川瀬とめ情《こころ》もしのに鳴く千鳥かも ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻19-4146夜半に寝覚めると、川瀬を探して心も萎れるほどに哀しい千鳥の声が聞こえる。P
#3839 誰もいなくなってホームでガッツポーズするわたくしのガッツあふれる
令和5年4月11日(火) 【旧 閏二月二一日 仏滅】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)夏いよよサンドバッグは歪みけり ~千原ジュニア(1974-)『プレバト!!』 2022年6月23日放送Photo:『プレバト!!』で「ガッツポーズ」の俳句をほめられてガッツポーズをする千原ジュニア。 19
#3838 言繁き里に住まずは今朝鳴きし雁にたぐひて行かましものを
令和5年4月10日(月) 【旧 閏二月二〇日 先負】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)言繁き里に住まずは今朝鳴きし雁にたぐひて行かましものを ~但馬皇女(?-708)『万葉集』巻8-1515 雑歌噂話のうるさいこんな里には住んいないで、今朝鳴いていた雁と一緒に去ってしまいたい
#3837 花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟のあと見ゆるまで
令和5年4月9日(日) 【旧 閏二月一九日 友引】・清明・玄鳥至(つばめきたる)花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟のあと見ゆるまで ~後鳥羽院宮内卿 『新古今和歌集』 巻2-0128 春歌下桜の花を誘って散らす比良山の山風が吹いたのですね。漕いでゆく船の航跡が見えるほ
#3836 十ばかり椿の花をつらぬきし竹の小枝をもちて遊びつ
令和5年4月8日(土) 【旧 閏二月一八日 先勝】・清明・玄鳥至(つばめきたる)春の山屍を埋めて空しかり ~高浜虚子(1874-1959)Photo:ツバキ ~椿のおもてなし 明治から昭和にかけて活躍した俳人、高浜虚子が人生の幕を閉じたのは1959(昭和34)年4月8日。その虚子が最
#3835 散り散らず聞かまほしきをふるさとの花見て帰る人も逢はなむ
令和5年4月7日(金) 【旧 閏二月一七日 赤口】・清明・玄鳥至(つばめきたる)散り散らず聞かまほしきをふるさとの花見て帰る人も逢はなむ ~伊勢(872?-938?)『拾遺和歌集』 巻1-0049 春歌散ったのかまだ散ってないのかお聞きしたいのですが、ふるさとの桜を見て帰ってく
#3834 黄金のひかりのなかにクリムトの口吻ふ男ぬばたまの髪
令和5年4月6日(木) 【旧 閏二月一六日 大安】・清明・玄鳥至(つばめきたる)黄金のひかりのなかにクリムトの口吻ふ男ぬばたまの髪 ~山中智恵子(1925-2006)『夢之記』Photo:クリムト『接吻』(1908年) グスタフ・クリムト(1862-1918)はオーストリア帝国のバウムガル
#3833 朝まだき目醒めて想ふあまつばめ天の高処に一生を過ごす
令和5年4月5日(水) 【旧 閏二月一五日 仏滅】・清明・玄鳥至(つばめきたる)清明の天より届く鳥の羽 ~都筑智子(1931-)Photo:アマツバメ ~風の旅行社 今日は二十四節気の第5「清明(せいめい)」。語源は、万物が清らかで生き生きとした様子を表す「清浄明潔」という言
#3832 アンパンの幸福感をふくらます三分の空気と七分のアンコ
令和5年4月4日(火) 【旧 閏二月一四日 先負】・春分・雷乃発声(かみなりすわわちこえをはっす)アンパンの幸福感をふくらます三分の空気と七分のアンコ ~杉崎恒夫(1919-2009)『パン屋のパンセ』Photo:いーすとけん。【公式】 確かに「七分の空気と三分のあんこ」だと
#3831 風荒れて黄に霾らす下つ空大き年けさの初日ぞのぼる
令和5年4月3日(月) 【旧 閏二月一三日 友引】・春分・雷乃発声(かみなりすわわちこえをはっす)霾《つちふる》やひしやげてながきクラクシヨン ~夏井いつき(1957-)Photo:死者も出吾田北京の黄砂(2021年3月15日)~CNNニュース 中国やモンゴルの雪が解ける春になると
令和5年4月2日(日) 【旧 閏二月一二日 先勝】・春分・雷乃発声(かみなりすわわちこえをはっす)瞭《あき》らかに山息づきぬ連翹忌 ~藤田湘子(1926-2005)『てんてん』Photo:レンギョウの花 ~GreenSnap 4月2日は高村光太郎(1883-1956)の命日です。彼が連翹《れんぎ
#3829 われもひともうそもまことも隔てなく照らしぬきける月のさやけさ
令和5年4月1日(土) 【旧 閏二月一一日 赤口】・春分・雷乃発声(かみなりすわわちこえをはっす)われもひともうそもまことも隔てなく照らしぬきける月のさやけさ ~貞心尼(1798-1872)『蓮の露』私も他の人も、嘘もまことも分け隔てなく明らかに照らしてしまうのが月の光の
#3828 春の雷いみじく鳴りてすぎしあと暗き湖べにわれひとり立つ
令和5年3月31日(金) 【旧 閏二月一〇日 大安】・春分・雷乃発声(かみなりすわわちこえをはっす)春の雷《かみ》いみじく鳴りてすぎしあと暗き湖べにわれひとり立つ ~古泉千樫(1886-1927)『屋上の土』Photo:~釣りたいバス釣り日記 今日は七十二候の第12候「雷乃発声(
#3827 人住まぬいくさのあとの崩れ家杏の花は咲きて散りけり
令和5年3月30日(木) 【旧 閏二月九日 仏滅】・春分・桜始開(さくらはじめてさく)もろこしは杏の花の名所かな ~正岡子規(1867-1902)Photo:「キュネス県のアンズ畑」中国, 新疆ウイグル自治区 ~Bing日替わり画像 杏《あんず》はバラ科サクラ属の落葉小高木。原産地の中
#3826 木に花咲き君我が妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかな
令和5年3月29日(水) 【旧 閏二月八日 先負】・春分・桜始開(さくらはじめてさく)木に花咲き君我が妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかな ~前田夕暮(1883-1951)『収穫』 神奈川Photo:日枝神社結婚式場(東京都千代田区) 『収穫』は1910年に発表された歌集。この
#3825 なにか思ふなにをか嘆く春の野に君よりほかに菫つませじ
令和5年3月28日(火) 【旧 閏二月七日 友引】・春分・桜始開(さくらはじめてさく)なにか思ふなにをか嘆く春の野に君よりほかに菫つませじ ~相模(998?-1061頃)『相模集』何を思い煩い、何を歎くのですか。春の野であなた以外の人に菫を摘ませたりはいたしません。Photo
#3824 けがさじとおもふ御法のともすれば世わたるはしと成るぞかなしき
令和5年3月27日(月) 【旧 閏二月六日 先勝】・春分・桜始開(さくらはじめてさく)けがさじとおもふ御法《みのり》のともすれば世わたるはしと成るぞかなしき ~千利休(1522-1591)穢すまいと尊ぶ道なのにそれを世渡りの術としてしまったわが身の哀しさよ。Photo:千利休像
#3823 やどごとに心ぞ見ゆる円居する花の都の弥生きさらぎ
令和5年3月26日(日) 【旧 閏二月五日 友引】・春分・桜始開(さくらはじめてさく)やどごとに心ぞ見ゆる円居《まどゐ》する花の都の弥生きさらぎ ~藤原定家(1162-1241)『夫木和歌抄』 巻4-1233 春歌四家ごとになごやかな団らんがあるような、花満開の都の二月三月の季節
#3822 含めりし花の初めに来し我れや散りなむ後に都へ行かむ
令和5年3月25日(土) 【旧 閏二月四日 友引】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)含《ふふ》めりし花の初めに来し我れや散りなむ後に都へ行かむ ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻20-4435まだ蕾だった桜の頃にやってきたが、散ってしまった後になるのだろうな、都に帰
#3821 妹がくむてらゐの上のかたかしの花咲くほどに春ぞなりぬる
令和5年3月24日(金) 【旧 閏二月三日 友引】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)妹がくむてらゐの上のかたかしの花咲くほどに春ぞなりぬる ~衣笠家良(1192-1264)『新撰和歌六帖』少女が水を汲んでいる寺の井戸のほとりにカタクリの花が咲くほどに暖かい春になりまし
#3820 国人ととつ国人と打ちきそふベースボールを見ればゆゝしも
令和5年3月23日(木) 【旧 閏二月二日 友引】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)国人《くにびと》ととつ国人と打ちきそふベースボールを見ればゆゝしも ~正岡子規(1867-1902) 『竹の里歌』Photo:第5回WBCで優勝し喜ぶ日本ナイン。中央は大谷翔平=マイアミ 3月2
#3819 もうみんな大人の顔つき体つき冬のすずめに子供はおらず
令和5年3月22日(水) 【旧 閏二月一日 友引】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)青天に産声上る雀かな ~小林一茶(1763-1828)Photo:photoAC 「春分の日」は昨日一日だけですが、二十四節気「春分」の期間は昨日から次の「清明」の前日までの半月間あります。その初
#3818 すこやかに家をいで来て見てゐたり春の彼岸の最上川のあめ
令和5年3月21日(火) 【旧 二月三〇日 先勝】・春分・雀始巣(すずめはじめてすくう)牡丹餅に夕飯遅き彼岸かな ~高浜虚子(1874-1959)Photo:牡丹餅シニアナビねりま 今日は二十四節気の4番目の「春分」。『暦便覧』に「日天の中を行て昼夜等分の時なり」と記されている
#3817 つぎつぎに船に手ばやく鉤きあぐる魚みどりにてみな鰆なり
令和5年3月20日(月) 【旧 二月二九日 赤口】・啓蟄・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)つぎつぎに船に手ばやく鉤きあぐる魚みどりにてみな鰆なり ~中村憲吉(1889-1935)Photo:サワラ ~瓢喜 鰆《さわら》は魚体が細長いので「狭腹」から名付けられたそうです。では旬はい
#3816 にはたづみ溢るる見ればこの朝の雨暖かくなりにけるかも
令和5年3月19日(日) 【旧 二月二八日 大安】・啓蟄・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)にはたづみ溢るる見ればこの朝の雨暖かくなりにけるかも ~土田耕平(1895-1940)Photo:あずまやで雨宿りする鹿さん ~奈良公園 春の雨は一雨ごとに暖かくなるといいますが、すでに先週
#3815 春彼岸の寒き一日をとほく行く者のごとくに衢を旅す
令和5年3月18日(土) 【旧 二月二七日 仏滅】・啓蟄・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)ぜんまいをねんごろに煮て彼岸入 ~細見綾子(1907-1997)Photo:春彼岸のお供え ~Hana Prime magazine 春分の日の3月21日が彼岸の中日で、前後の3日を合わせた7日間に行う仏教行事を
#3814 梅の花咲きて散りなば桜花継ぎて咲くべくなりにてあらずや
令和5年3月17日(金) 【旧 二月二六日 先負】・啓蟄・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)梅の花咲きて散りなば桜花継ぎて咲くべくなりにてあらずや ~藥師張氏福子《くすしちょうしのふくし》 『万葉集』 巻5-0829 雑歌梅の花が咲いて散ったら すぐに続いて桜の花が咲きそうにな
#3813 ちりぬればのちはあくたになる花ともしらずもまとふ蝶かな
令和5年3月16日(木) 【旧 二月二五日 友引】・啓蟄・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)ちりぬればのちはあくたになる花ともしらずもまとふ蝶《てふ》かな ~僧正遍照(816-890)『古今和歌集』 巻10-0435 物名散った後はただのごみになるとも知らず惑わされている蝶であるよ。
#3812 おほほしく君を相見て菅の根の長き春日を恋ひ渡るかも
令和5年3月15日(水) 【旧 二月二四日 先勝】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)おほほしく君を相見て菅の根の長き春日を恋ひ渡るかも ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1921 相聞歌おぼろげにあなたとお会いしたばかりに、菅の根のように長い春の日を恋続けてしまいました。Phot
令和5年3月14日(火) 【旧 二月二三日 赤口】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)大量の花粉ゆさぶり吐く杉の往生際は極めて悪し ~花山周子(1980-)『林立』Photo:ウェザーニュース 3月に入って温かい日が続くと必ずやって来る花粉症の季節。雨あがりにからりと晴れると
令和5年3月13日(月) 【旧 二月二二日 大安】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)梅の花散らす春雨いたく降る旅にや君が廬《いほり》せるらむ ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1918 相聞歌梅の花を散らす春雨がひどく降っています。あなたは旅の途中で仮の宿りをとっていますでし
#3809 この里の桃の盛りに来て見れば流れにうつる花のくれなゐ
令和5年3月12日(日) 【旧 二月二一日 仏滅】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)この里の桃の盛りに来て見れば流れにうつる花のくれなゐ ~良寛(1758-1831)「定本良寛全集」2-0562Photo:桃の木 ~GARDEN STORY 二十四節「啓蟄」の次候は七十二候の第8候「桃始笑(ももは
#3808 うちつけに投げ出されをりマグカップがパソコンが入試資料が跳んで
令和5年3月11日(土) 【旧 二月二〇日 先負】・啓蟄・桃始笑(ももはじめてさく)うちつけに投げ出されをりマグカップがパソコンが入試資料が跳んで ~梶原さい子(1971-)『リアス/椿』校庭に地割れは伸びて雪の飛ぶ日暮れを誰も立ち尽くしをりPhoto:大型漁船が打ち上げら
#3807 菜の花の黄色小雨にとけあひてほのににじめる昼のあかるみ
令和5年3月10日(金) 【旧 二月一九日 友引】・啓蟄・蟹虫啓戸(すごもりむしとをひらく)菜の花の黄色小雨にとけあひてほのににじめる昼のあかるみ ~木下利玄(1886-1925)Photo:kagawatakaakiのブログ 立春前後から咲き始める蝋梅(ロウバイ)、満作(マンサク)、福寿
#3806 あかしあの花ふり落とす月は来ぬ東京の雨わたくしの雨
令和5年3月9日(木) 【旧 二月一八日 先勝】・啓蟄・蟹虫啓戸(すごもりむしとをひらく)あかしあの花ふり落とす月は来ぬ東京の雨わたくしの雨 ~北原白秋(1885-1942)『桐の花』Photo:ギンヨウアカシア ~愉樹工房 PREMIAM GARDEN 昨日の「国際女性デー」の記事では触れ
令和5年3月8日(水) 【旧 二月一七日 赤口】・啓蟄・蟹虫啓戸(すごもりむしとをひらく)男をば罵る彼等子を生まず命を賭けず暇《いとま》あるかな ~与謝野晶子(1878-1942)『青海波』女を見下すような男は罵ってやる。彼等は子を生むことに命を賭けることもなく、暇のある
#3804 頭疲れ出でこしゆふべデパートの花屋に咲ける山茱萸の花
令和5年3月7日(火) 【旧 二月一六日 大安】・啓蟄・蟹虫啓戸(すごもりむしとをひらく)頭疲れ出でこしゆふべデパートの花屋に咲ける山茱萸の花 ~柏崎驍二(1941-2016)『月白』Photo:サンシュユ ~ひげ爺さんのお散歩日記 2月中旬から3月頃にかけて小さな黄色い花を咲
#3803 春浅き麦のはたけにうごく虫手ぐさにはすれ悲しみわくも
令和5年3月6日(月) 【旧 二月一五日 仏滅】・啓蟄・蟹虫啓戸(すごもりむしとをひらく)春浅き麦のはたけにうごく虫手《た》ぐさにはすれ悲しみわくも ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:Domani 今日は二十四節気の第3「啓蟄《けいちつ》」。大地が暖まり冬眠していた
#3802 たち いれば くらき みだう に ぐんだり の しろき きば より もの の みえ くる
令和5年3月5日(日) 【旧 二月一四日 先負】・雨水・草木萠動(そうもくめばえいずる)たち いれば くらき みだう に ぐんだり の しろき きば より もの の みえ くる(たち入れば暗き御堂に軍荼利の白き牙より物の見えくる) ~會津八一(1881-1956) 會津
#3801 萌え出づる木の芽を見ても音をぞなくかれにし枝の春をしらねば
令和5年3月4日(土) 【旧 二月一三日 友引】・雨水・草木萠動(そうもくめばえいずる)かれにける男のもとに、住みける方の庭の木の枯れたりける枝を折りてつかはしける萌え出づる木の芽を見ても音をぞなくかれにし枝の春をしらねば ~兼覧王女(平安前~中期) 『後撰和歌集
#3800 雛の日の畳に差してにぎはしきひかりのなかを子は這ひめぐる
令和5年3月3日(金) 【旧 二月一二日 先勝】・雨水・草木萠動(そうもくめばえいずる)雛の日の畳に差してにぎはしきひかりのなかを子は這ひめぐる ~杜澤光一郎(1936-2022)Photo:SPACEMARKET 3月3日は五節句の一つ、「上巳《じょうし》」。もともと貴族階級の子女の厄除
#3799 おほてら の まろき はしらの つきかげ を つち に ふみつつ もの を こそ おもへ
令和5年3月2日(木) 【旧 二月一一日 赤口】・雨水・草木萠動(そうもくめばえいずる)おほてら の まろき はしらの つきかげ を つち に ふみつつ もの を こそ おもへ(大寺のまろき柱の月影を土に踏みつつものをこそ思へ) ~會津八一(1881-1956)『鹿鳴集』
#3798 みちのくの岩手の牧場草萌えて千里行く馬の子もいはゆなり
令和5年3月1日(水) 【旧 二月一〇日 大安】・雨水・草木萠動(そうもくめばえいずる)みちのくの岩手の牧場草萌えて千里行く馬の子もいはゆなり ~正岡子規(1867-1902)『はてしらずの記』 1893(明治26)年、正岡子規はひと月あまりの日程で東北地方を訪れ、芭蕉の『奥の
#3797 いにしへの御代の教にもとづきてひらけゆく世にたたむとぞ思ふ
令和5年2月28日(火) 【旧 二月九日 仏滅】・雨水・霞始靆(かすみはじめてたなびく)二月尽利休の心温ねけり ~阿波野青畝(1899-1992)奈良Photo:千宗易(利休)像 千利休が切腹して果てたのは天正19年2月28日(旧暦)。この年は2月30日までありましたが西暦の平年なら28
#3796 百くさに八十くさそへて賜ひてし乳房のむくい今日ぞ我がする
令和5年2月27日(月) 【旧 二月八日 先負】・雨水・霞始靆(かすみはじめてたなびく)百《もも》くさに八十《やそ》くさそへて賜ひてし乳房のむくい今日ぞ我がする ~行基(668-749)『拾遺和歌集』 巻20-1347 哀傷歌百石に八十石を添えてお乳を与えて下さった母上の乳房への
#3795 福寿草の莟いとほしむ幼な児や夜は囲炉裏の火にあててをり
令和5年2月26日(日) 【旧 二月七日 友引】・雨水・霞始靆(かすみはじめてたなびく)福寿草の莟《つぼみ》いとほしむ幼な児や夜は囲炉裏の火にあててをり ~島木赤彦(1876-1926)『太虚集』Photo:フクジュソウ ~BOTANICA 福寿草はキンポウゲ科の多年草。2月から4月頃に
#3794 しろがねの雪ふる山にも人かよふ細ほそとして路見ゆるかな
令和5年2月25日(土) 【旧 二月六日 先勝】・雨水・霞始靆(かすみはじめてたなびく)しろがねの雪ふる山にも人かよふ細ほそとして路見ゆるかな ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:斎藤茂吉のふるさとの山、蔵王 ~SOTOASOBI LIFE 今日は歌人斎藤茂吉の没後70年目にあ
#3793 三輪山をしかも隠すか春霞人に知られぬ花や咲くらむ
令和5年2月24日(金) 【旧 二月五日 赤口】・雨水・霞始靆(かすみはじめてたなびく)三輪山をしかも隠すか春霞人に知られぬ花や咲くらむ ~紀貫之(872-945)『古今和歌集』 巻2-0094三輪山をそんなふうに隠すのか春霞よ。きっと人に知られぬ花が咲いているのだろうな。Phot
#3792 懸緒断つ音高らかに響きたり二十歳の門出我が前にあり
令和5年2月23日(木) 【旧 二月四日 大安】・雨水・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)懸緒断つ音高らかに響きたり二十歳の門出我が前にあり ~徳仁親王殿下(当時)昭和56年歌会始Photo:令和元年10月22日、即位の宣命を読み上げられる今上陛下 ~AFP BB News 徳仁
#3791 松が枝にきゐる鶯おもしろく往かひするか鳴とはなしに
令和5年2月22日(水) 【旧 二月三日 仏滅】・雨水・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)松が枝にきゐる鶯おもしろく往《いき》かひするか鳴とはなしに ~伊藤左千夫(1864-1913)Photo:松の木のウグイス ~タゲリの部屋 鶯はその鳴き声で春の訪れを感じさせてくれる
#3790 あめの下のがるる人のなければや着てし濡れ衣干るよしもなき
令和5年2月21日(火) 【旧 二月二日 先負】・雨水・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)流され侍りける時、家の梅の花を見侍りて東風《こち》ふかば匂ひおこせよ梅の花あるじなしとて春をわするな ~菅原道真 『拾遺和歌集』 巻16-1006 雑歌春東風が吹いたなら、その匂
#3789 陽をあはく負ふ猫柳さし伸ぶるふたたびは手袋をはづして
令和5年2月20日(月) 【旧 二月一日 友引】・雨水・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)陽をあはく負ふ猫柳さし伸ぶるふたたびは手袋をはづして ~小原奈実(1991-) ネコヤナギは他の柳に比べると少し早めに花を咲かせ、春の訪れを知らせてくれる樹木として古くから
#3788 如月のぬかるみを踏み自転車の車輪はすぐに重たくなりぬ
令和5年2月19日(日) 【旧 一月二九日 大安】・雨水・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)如月のぬかるみを踏み自転車の車輪はすぐに重たくなりぬ ~前田康子(1966-)『黄あやめの頃』Photo:Cycle Sports 今日は二十四節気2番目の「雨水《うすい》」。「陽気地上に
#3787 狭野方は実にならずとも花のみに咲きて見えこそ恋のなぐさに
令和5年2月18日(土) 【旧 一月二八日 仏滅】・立春・魚上氷(うおこおりをのぼる)狭野方《さのかた》は実にならずとも花のみに咲きて見えこそ恋のなぐさに ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1928 相聞歌さのかたの花は実にならなくても、せめて花だけでも咲いて見せてください
#3786 百足らず八十隈坂に手向けせば過ぎにし人にけだし逢はむかも
令和5年2月17日(金) 【旧 一月二七日 先負】・立春・魚上氷(うおこおりをのぼる)百《もも》足らず八十隈坂《やそすみさか》に手向けせば過ぎにし人にけだし逢はむかも ~刑部垂麻呂 『万葉集』 巻3-0427 挽歌百には足りぬが八十はあろう隅坂の神に手向けをしたならば、
#3785 天気図の西の方だけ晴れているおそらく君がいるのだろうな
令和5年2月16日(木) 【旧 一月二六日 友引】・立春・魚上氷(うおこおりをのぼる)天気図の西の方だけ晴れているおそらく君がいるのだろうな ~木下龍也(1988-)『つむじ風、ここにあります』Photo:日本で最初に発表された天気図(1883年3月1日) 1883(明治16)年2月16
#3784 中垣のとなりの花の散る見てもつらきは春のあらしなりけり
令和5年2月15日(水) 【旧 一月二五日 先勝】・立春・魚上氷(うおこおりをのぼる)中垣のとなりの花の散る見てもつらきは春のあらしなりけり ~樋口一葉(1872-1896)『一葉歌集』Photo:李鴻章(左)と丁汝昌《ていじょしょう》 今日は中国の官僚・政治家であった李鴻章
#3783 とぢたりし上の薄氷解けながらさはたえねとや山のした水
令和5年2月14日(火) 【旧 一月二四日 赤口】・立春・魚上氷(うおこおりをのぼる)魚は氷に上るや恋の扉開く ~青柳飛《アオヤギ フェイ》 俳人青柳飛さんは東京生まれ、サンフランシスコ在住。本業は会議などの同時通訳をされています。Photo:暦生活 今日は七十二候の
#3782 雪の好きな恵里子とさうでもないぼくと或るしづかなる時を分け合ふ
令和5年2月13日(月) 【旧 一月二三日 大安】・立春・黄鶯睍睆(うぐいすなく)雪の好きな恵里子とさうでもないぼくと或るしづかなる時を分け合ふ ~岡井隆(1928-2020)『銀色の馬の鬣《たてがみ》』Photo:雪の日比谷公園 ~Yahoo!ニュース 関東・甲信地方では2月10日
#3781 おほかたの枯葉は枝に残りつつ今日まんさくの花ひとつ咲く
令和5年2月12日(日) 【旧 一月二二日 仏滅】・立春・黄鶯睍睆(うぐいすなく)おほかたの枯葉は枝に残りつつ今日まんさくの花ひとつ咲く ~上皇后美智子Photo:マンサクの花 平成23年の宮中歌会始のお題は「葉」でした。当時の皇后様の詠まれた御歌です。マンサクは春に
#3780 建国記念日粉砕集会に誘われた半世紀前の雪の日のこと
令和5年2月11日(土) 【旧 一月二一日 先負】・立春・黄鶯睍睆(うぐいすなく)大和なる雪の山々紀元節 ~富安風生(1885-1979)Photo:神武天皇即位の地、橿原神宮(奈良県橿原市) 「建国記念の日」の由来は明治5年に制定された「紀元節」。これは神武天皇が即位したと
#3779 レントゲン放射に胸の皮膚を焼き黒きを何の烙印とする
令和5年2月10日(金) 【旧 一月二〇日 友引】・立春・黄鶯睍睆(うぐいすなく)レントゲン放射に胸の皮膚を焼き黒きを何の烙印とする ~中城ふみ子(1922-1954)『乳房喪失」Photo:Wilhelm Conrad Röntgen ~Wikipedia プロイセン王国(現在のドイツ北部)に生まれたヴ
#3778 うちなびく春さり来れば小竹の末に尾羽うち触れて鶯鳴くも
令和5年2月9日(木) 【旧 一月十九日 先勝】・立春・黄鶯睍睆(うぐいすなく)うちなびく春さり来れば小竹《しの》の末《うれ》に尾羽《をば》うち触れて鶯鳴くも ~作者未詳 『万葉集』 巻10-1830 雑歌霞たつ春がやって来れば小竹の葉に尾羽根を震わせて鶯が鳴くことだ。P
#3777 春さればまづ咲くやどの梅の花独り見つつや春日暮らさむ
令和5年2月8日(水) 【旧 一月十八日 赤口】・立春・東風解凍(はるかぜこおりをとく)春さればまづ咲くやどの梅の花独り見つつや春日暮らさむ ~山上憶良(660?-733?)『万葉集』 巻5-0818 雑歌春になるとまず咲く我が家の梅の花を、一人で見て春の日を過ごすことなどで
#3776 思はざる会話聞こえて二人ともガダルカナルの生き残りとぞ
令和5年2月7日(火) 【旧 一月十七日 大安】・立春・東風解凍(はるかぜこおりをとく)悩まされつづけし敵機に待ちまちし友軍機みれば胸の熱かり ~小内通有 『ガダルカナル』Photo:ガダルカナル島パラナ村に残された日本軍将兵の遺品 ~NEWSポストセブン 「餓島」と呼
令和5年2月6日(月) 【旧 一月十六日 仏滅】・立春・東風解凍(はるかぜこおりをとく)もののふの覚悟もかかる時にこそ心の知らぬ名のみ惜しけれ ~梶原景時(1140?-1200)辞世武士の覚悟はこのような時にこそ表れるものだ。その心も知られず汚名を残すのは口惜しいことだ
#3774 春風にしたゆく波の数みえて残るともなきうす氷かな
令和5年2月5日(日) 【旧 一月十五日 先負】・立春・東風解凍(はるかぜこおりをとく)春風にしたゆく波の数みえて残るともなきうす氷かな ~藤原家隆(1158-1237)『壬二集』0303上:後京極摂政家百首春風に吹かれ、下をゆく波の数が見えるほどに透きとおった氷の、残ると
#3773 春雪に庭竹しなる夜明け前夢に向かって一歩踏み出す
令和5年2月4日(土) 【旧 一月十四日 友引】・立春・東風解凍(はるかぜこおりをとく)大雪を朗報のごと春立てる ~百合山羽公(1904-1991)『寒雁』Photo:春の雪 ~isyotaさんのページ(GANREF) 二十四節気も振り出しに戻って今日が「立春」。百合山羽公の句にあるよ
#3772 貧しけば豆なとまかめ襷かけてさびしき妻や鬼は外と云ふ
令和5年2月3日(金) 【旧 一月十三日 先勝】・大寒・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)追儺貧しけば豆なとまかめ襷かけてさびしき妻や鬼は外と云ふ ~北原白秋(1885-1942)『雀の卵』Photo:下鴨茶寮本店謹製 節分「料亭の恵方巻」(2022年) 節分とは季節を分ける
#3771 しらしらと障子をとほす冬の日や室に人なく臘梅の花
令和5年2月2日(木) 【旧 一月十二日 赤口】・大寒・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)臘梅の花臘梅の花を透かす ~後藤比奈夫(1917-2020)Photo:ロウバイ ~みんなの園芸(NHK) 1月から2月頃にかけて花を咲かせる蝋梅《ロウバイ》は中国原産の落葉低木です。故に
#3770 萌野ゆきむらさき野ゆく行人に霰ふるなりきさらぎの春
令和5年2月1日(水) 【旧 一月十一日 大安】・大寒・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)萌野ゆきむらさき野ゆく行人《かうじん》に霰ふるなりきさらぎの春 ~与謝野晶子(1878-1942)『舞姫』Photo:フリーライターが綴る「文章づくりの豆知識」と「日本語コラム」 今
#3769 遊園地雪に埋もれて動かざる観覧車の環が冬天に映ゆ
令和5年1月31日(火) 【旧 一月十日 仏滅】・大寒・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)松とれて後の睦月のかけ足に ~草村素子(1919-1974)Photo:京都市動物園の雪景色 ~岡崎疎水 雪景色 確かに松の内が過ぎてから1月の終わりまでの日が過ぎてゆくのがなんと早いこ
#3768 夜をこめて鳥のそらねははかるともよに逢坂の関はゆるさじ
令和5年1月30日(月) 【旧 一月九日 先負】・大寒・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)夜をこめて鳥のそらねははかるともよに逢坂の関はゆるさじ ~清少納言 『後拾遺和歌集』 巻16-0939 雑歌二夜が更けている間に鶏の鳴き声を真似て、朝が来たと騙そうと思っても(函谷
#3767 弓張の月の宿れる底を見て奈流迦の海に海士の入るらん
令和5年1月29日(日) 【旧 一月八日 友引】・大寒・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)弓張の月の宿れる底を見て奈流迦《なるか》の海に海士《あま》の入るらん ~平祐挙《たいらのすけたか》 『夫木和歌抄』 巻23-10331 雑歌五弓張月が宿る海底を見てなるかの海に漁師が入
令和5年1月28日(土) 【旧 一月七日 先勝】・大寒・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)密やかに旧正月も来て去れり ~相生垣瓜人《あいおいがき かじん》(1898-1985)Photo:コロナ禍前の神戸南京町の春節風景 ~Lmaga.jp東アジアの多くの国々では旧暦に従って新年を祝う
#3765 よそにきく音もはげしき時津風花のみやこをちらさずもがな
令和5年1月27日(金) 【旧 一月六日 赤口】・大寒・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)伏見にいくさありとて、火具の音いみじくひびきわたりけるをりよそにきく音もはげしき時津風花のみやこをちらさずもがな ~大田垣蓮月(1791-1875)外で聞こえる砲火の響きが時代を変え
#3764 海のむかうにさくらは咲くや春の夜のフィガロよフィガロさびしいフィガロ
令和5年1月26日(木) 【旧 一月五日 大安】・大寒・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)海のむかうにさくらは咲くや春の夜のフィガロよフィガロさびしいフィガロ ~永井陽子(1951-2000)『モーツアルトの電話帳』 先週20日、モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」の二期会
#3763 埼玉の池のみぎはやこほるらむ鴨の羽音の遠ざかりゆく
令和5年1月25日(水) 【旧 一月四日 仏滅】・大寒・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)埼玉の池のみぎはやこほるらむ鴨の羽音の遠ざかりゆく ~加藤枝直(1693-1785)『東歌』埼玉の池の水際が凍ってゆくのだろうか。鴨の羽音が遠ざかってゆく。Photo:暦生活 今日は七十二
#3762 街上に轢かれし猫はぼろ切か何かのごとく平たくなりぬ
令和5年1月24日(火) 【旧 一月三日 先負】・大寒・款冬華(ふきのはなさく)街上《がいじょう》に轢かれし猫はぼろ切か何かのごとく平たくなりぬ ~斎藤茂吉(1882-1953)『白桃』Photo:柳瀬川たより たまたま私もこんな光景を目にしてしまったので取り上げました。今日
#3761 寒椿ほとろと散りてなほ紅し記憶のかけらを重ぬるやうに
令和5年1月23日(月) 【旧 一月二日 友引】・大寒・款冬華(ふきのはなさく)もののふの忌むと言ひける血の色の椿の首は落ちて笑へり ~林龍三 『塔』 2018年5月号 椿と山茶花《サザンカ》の見分け方の一つに散る時の様子があります。山茶花は花びらが散り、椿は花全体が
#3760 酔えばすぐに「涙の酒」を歌いいし亡き友の十八番口ずさみおり
令和5年1月22日(日) 【旧 一月一日 先勝】・大寒・款冬華(ふきのはなさく)酔えばすぐに「涙の酒」を歌いいし亡き友の十八番《おはこ》口ずさみおり ~志久達成(1945-)「火の国」 2021年51号 志久さんが大木伸夫の演歌「涙の酒」を聞けば、条件反射のように亡き友人を
#3759 来てみれば雪消の川辺のしろがねの柳ふふめり蕗の薹も咲けり
令和5年1月21日(土) 【旧 一二月三〇日 大安】・大寒・款冬華(ふきのはなさく)来てみれば雪消の川辺のしろがねの柳ふふめり蕗の薹も咲けり ~斎藤茂吉(1882-1953)Photo:ふきのとう ~Food Layout 二十四節気「大寒」の初候5日間(1月20~24日)は七十二候の第70候
#3758 大寒のひかり穏やか 母さんは「介護美談」を作らせず逝く
令和5年1月20日(金) 【旧 一二月二九日 仏滅】・大寒・款冬華(ふきのはなさく)大寒のひかり穏やか 母さんは「介護美談」を作らせず逝く ~北島邦夫 『ミントブルー』 今日は二十四節気の第24「大寒」。『暦便覧』に「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」とある
#3757 漠然と生きて我らは鮟鱇の不漁を梅が咲いてから知る
令和5年1月19日(木) 【旧 一二月二八日 先負】・小寒・雉始雊(きじはじめてなく)漠然と生きて我らは鮟鱇の不漁を梅が咲いてから知る ~石川美南《いしかわみな》(1980-)『体内飛行』神奈川県横浜市Photo:PRIDE FISH 春に産卵期を迎える鮟鱇《あんこう》は冬の間に栄
#3756 オリオンもサソリも星となりたるにいまなお同じ空には出でず
令和5年1月18日(水) 【旧 一二月二七日 友引】・小寒・雉始雊(きじはじめてなく)ビル風の荒びし夜空オリオンの腰の三ツ星眺めて帰る ~林龍三 『塔』 2022年4月号Photo:オリオン座 冬の夜空を何気なく見上げるとオリオン座が目にはいります。2つの1等星と5つの2等星が
#3755 なゐをのがれ戸外に過す人々に雨降るさまを見るは悲しき
令和5年1月17日(火) 【旧 一二月二六日 先勝】・小寒・雉始雊(きじはじめてなく)なゐをのがれ戸外に過す人々に雨降るさまを見るは悲しき ~上皇陛下 1995(平成7)年 元々「なゐ」は大地を指す古語でした。昔は地震の表現に「なゐ震《ふ》る」と言っていたのですが、後
令和5年1月16日(月) 【旧 一二月二五日 赤口】・小寒・雉始雊(きじはじめてなく)津の国の難波の春は夢なれや蘆の枯葉に風渡るなり ~西行(1118-1190)『新古今和歌集』 巻6-0625 冬歌摂津国の難波の美しい春の景色は夢のように過ぎ去ってしまい、今は蘆の枯葉に風が吹
#3753 春日野に朝鳴く雉のはね音は雪の消えまに若菜つめとや
令和5年1月15日(日) 【旧 一二月二四日 大安】・小寒・雉始雊(きじはじめてなく)春日野に朝鳴く雉のはね音は雪の消えまに若菜つめとや ~源重之(?-1000?)『詞花和歌集』 巻1-0006 春歌春日野の朝に鳴いている雉の羽音は雪が消えている間に若菜を摘めと言っているよ
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令和6年4月23日(火) 【旧 三月一五日 大安】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)八月以外の十一か月の広島にしずかな声の雨は降りくる ~谷村はるか(1971-) 『ドームの骨の隙間の空に』Photo:多くの外国人観光客も祈りを捧げる原爆の子の像 2024年4月16日 呉の大
令和6年4月22日(月) 【旧 三月一四日 仏滅】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えねば大和と思え ~前川佐美雄(1993-1990)Photo:戦艦「大和」の1/10スケールの模型 (大和ミュージアム・呉海事歴史科学館)2024年4月15
令和6年4月21日(日) 【旧 三月一三日 先負】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)ネッシーに逢へる期待や霧に立ち ~泉田秋硯《いずみたしゅうけん》(1926-2014)Photo:Wikipedia 1934年4月21日、英国で最も古いタブロイド紙『デイリー・メール』にこの写真が掲載さ
令和6年4月20日(土) 【旧 三月一二日 友引】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)家思ふと寐《い》を寝ず居れば鶴《たづ》が鳴く葦辺も見えず春の霞に ~作者未詳 『万葉集』 巻20-4400故郷の家を思って寝られずに居ると鶴が鳴いている葦辺もみえない。春の霞のために。
令和6年4月19日(金) 【旧 三月一一日 先勝】・穀雨 葭始生(あしはじめてしょうず)雨にぬるる広葉細葉の若葉森あが言ふこゑのやさしくきこゆ ~斎藤茂吉(1882-1953)『赤光』Photo:かがみよかがみ 二十四節気の6番目は「穀雨」。穀物の成長を助ける春の雨が降る頃。『
令和6年4月18日(木) 【旧 三月一〇日 赤口】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)かぜ立ちてまだ春わかきわが庭もいちごは白き花もちてゐる ~片山広子(1878-1957)『野に住みて』Photo:苺の花 ~ガーデンストーリー いちごはバラ科イチゴ属の多年草。春になると葉
令和6年4月17日(水) 【旧 三月九日 大安】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)楽浪《さざなみ》の志賀の辛崎幸くあれど大宮人の舟待ちかねつ ~柿本人麻呂 『万葉集』 巻1-0030 雑歌さざ波寄せる志賀の唐崎は昔と変わらないけれど、大宮人が乗る船はいくら待ってもも
令和6年4月16日(火) 【旧 三月八日 仏滅】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)草萌えてチャップリンめく古靴よ ~細川加賀(1924-1989)『傷痕』Photo:@DIME チャールズ・チャップリンがロンドン郊外のウォルワースで生まれたのは1889年4月16日。135年前の今日です
令和6年4月15日(月) 【旧 三月七日 先負】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)白きリラ咲きの乱れに降る雨に今日冷え冷えと春は移る日 ~近藤芳美(1913-2006)『遠く夏めぐりて』Photo:ライラック ~ガーデニングの図鑑 フランス語ではリラ、英語ではライラックと
令和6年4月14日(日) 【旧 三月六日 友引】・清明 虹始見(にじはじめてあらわる)わが恋は虹にもまして美しきいなづまとこそ似むと願ひぬ ~与謝野晶子(1878-1942)『恋衣』Photo:七十二候だより 今日は七十二候の第15候「虹始見(にじはじめてあらわる)」。二十四節
令和6年4月13日(土) 【旧 三月五日 先勝】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)藤原京より寧楽《なら》宮に遷れる時の歌あをによし奈良の家には万代《よろづよ》にわれも通はむ忘ると思ふな ~作者未詳 『万葉集』 巻1-0080 雑歌奈良の家には永遠に私も通いましょう。忘れるな
令和6年4月12日(金) 【旧 三月四日 赤口】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)日あたりの若葉ほぐるる楢山にあな珍しやちごちごの花 ~窪田空穂(1877-1967)Photo:オキナグサ ~光と風と薔薇と 今日4月12日は窪田空穂のご命日。この歌は神奈川県秦野市の震生湖《しんせい
令和6年4月11日(木) 【旧 三月三日 大安】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)誕生日のあくる朝に写メールに送られてきしアネモネの花 ~花山多佳子(1948-)『鳥影』 歌人花山多佳子さんのお誕生日は3月始め。キンポウゲ科の多年草アネモネはその頃に花を咲かせますが、園
令和6年4月10日(水) 【旧 三月二日 仏滅】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)欧州に別れを告げしビッグベン テムズの岸に夕影は落つ ~林龍三 『塔』2016年10月号(改)Photo:テムズ河畔にそびえるビッグベン ~NEWT 1858年4月10日、ロンドンにあるイギリス国会議事堂の
令和6年4月9日(火) 【旧 三月一日 先負】・清明 鴻雁北(こうがんかえる)雁かへる夜半の雨音いたるとき ~及川貞(1899-1993) 今日は七十二候の第14候「鴻雁北(こうがんかえる)」。二十四節気「清明」の次候にあたる5日間です。この前が「玄鳥至(つばめきたる)」で
令和6年4月8日(月) 【旧 二月三〇日 先勝】・清明 玄鳥至(つばめきたる)総身の花をゆるがす春の樹にこころ乱してわれは寄りゆく ~斎藤史(1909-2002)『ひたくれなゐ』Photo:桜の花びら 空を舞う ~photoAC(GTR719さん) 昨日は万葉集から桜の散る和歌をとりあげ
令和6年4月7日(日) 【旧 二月二九六日 赤口】・清明 玄鳥至(つばめきたる)やどにある桜の花は今もかも松風早み地に散るらむ ~厚見王 『万葉集』 巻8-1458 相聞歌あなたの庭の桜の花は今頃、松風が強いので散っているでしょうね。Photo:桜散る ~くまっぷねっと 満開
令和6年4月6日(土) 【旧 二月二八日 大安】・清明 玄鳥至(つばめきたる)ハードルをつぎつぎ越ゆる若き脚《あし》のむかうに暗き夏のくさむら ~柏崎驍二(1941-)『四月の鷲』Photo:第1回アテネ大会の100メートル決勝の様子を描いた絵画 ~JIJI.com「勝つことよりも参
令和6年4月5日(金) 【旧 二月二七日 仏滅】・清明 玄鳥至(つばめきたる)ゆふぞらにはなびら反らし紫木蓮 ~日野草城(1901-1956)Photo:紫木蓮の花 ~㈱エー・アール・アイ 3月末から4月にかけて咲くモクレン(木蓮)の原産地は中国。桜と時期は重なりますが、こちら
令和6年4月4日(木) 【旧 二月二六日 先負】・清明 玄鳥至(つばめきたる)清明や街道の松高く立つ ~桂信子(1914-2004)『草樹』Photo:飛び交うツバメ ~photoAC(さんぽの道すがら) 今日は二十四節気5番目の「清明」。春の清らかに澄み渡り明るく生き生きとした様子
令和5年4月24日(月) 【旧 三月五日 先勝】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)マーガレット猫額の庭満たしけり ~中村汀女(1900-1988)Photo:恋占いの白い花「マーガレット」 ~Hana Prime Magazine 我が家の鉢植えでも今たくさんの花を咲かせているマーガレット。
令和5年4月23日(日) 【旧 三月四日 赤口】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)若子《みどりご》の這ひたもとほり朝夕に哭《ね》のみそわが泣く君無しにして ~余明軍《よのみょうぐん》『万葉集』 巻3-0458 挽歌幼子が這い回るように私は朝夕声を上げて泣いているばかり
令和5年4月22日(土) 【旧 三月三日 大安】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)日なた雨すぎゆく堤おほばこの葉は土よりも早くぬれをり ~高野公彦(1941-)『淡青』Photo:花をつけたオオバコ ~Amebaブログ バイサン60のページ オオバコは道端や空き地などでよく見
令和5年4月21日(金) 【旧 三月二日 仏滅】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)芦むらにうすれかかりぬ虹の端 ~石原舟月(1892-1984)Photo:水辺のアシの群生 ~tenki.jp 二十四節気の「穀雨」は昨日一日だけではなく、次の「立夏」の前日までの半月間をいいます。そ
令和5年4月20日(木) 【旧 三月一日 先負】・穀雨・葭始生(あしはじめてしょうず)まっさらなランドセルの子ら駆けてゆくふいの穀雨に声あげながら ~喜夛隆子Photo:堀江鞄製造 今日は二十四節気の第6「穀雨」。『暦便覧』には「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記され
令和5年4月19日(水) 【旧 閏二月二九日 赤口】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)春愁のかぎりを躑躅燃えにけり ~水原秋桜子(1892-1981)Photo:ツツジ ~くるまのニュース 葉桜の下にもう赤紫の躑躅《ツツジ》が咲いていました。ツツジという呼称は、よく似た皐月
令和5年4月18日(火) 【旧 閏二月二八日 仏滅】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)春へ咲く藤の末葉《うらは》の心《うら》安にさ寝《ぬ》る夜ぞなき子ろをし思《も》へば ~作者未詳(東歌)『万葉集』巻14-3504 相聞歌春に咲く藤の末葉ではないが、心安らかに眠れる夜
令和5年4月17日(月) 【旧 閏二月二七日 仏滅】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)彼等とのつきあひ方と人のごとく語られてゐる人工知能 ~内田しず江 (平成28年宮内庁歌会始詠進歌)Photo:Artificial Intelligence Investing NEWS 7年前の宮中歌会始のお題は「人」
令和5年4月16日(日) 【旧 閏二月二六日 先負】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)むらさきのいぬのふぐりの花に寄るこころしばらくは保たせたまへ ~谷鼎(1896-1960)Photo:イヌノフグリ ~Adobe Stock イヌノフグリはオオバコ科クワガタソウ属の越年草。朝ドラの
令和5年4月15日(土) 【旧 閏二月二五日 友引】・清明・虹始見(にじはじめてあらわる)日の射してどこかに虹の立ちさうな ~稲畑汀子(1931-2022)Photo:MIKEMAREEN/GETTYIMAGES 今日は七十二候の第15候「虹始見(にじはじめてあらわる)」。二十四節気「清明」の末候に当た
令和5年4月14日(金) 【旧 閏二月二四日 先勝】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)御匣殿に初めてつかはしける今日そゑに暮れざらめやはと思へどもたへぬは人の心なりけり ~藤原敦忠(906-943)『後撰和歌集』 巻12-0882 恋歌四あなたと結ばれた今日だからと言って、日が暮れ
令和5年4月13日(木) 【旧 閏二月二三日 赤口】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)旅にても喪なく早来と我妹子が結びし紐はなれにけるかも ~作者未詳(遣新羅使)『万葉集』 巻15-3717 旅に出ても、何事もなく早く帰ってねと妻が結んでくれた着物の紐もすっかりしおれてしま
令和5年4月12日(水) 【旧 閏二月二二日 大安】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)夜ぐたちに寝覚めて居れば川瀬とめ情《こころ》もしのに鳴く千鳥かも ~大伴家持(718-785)『万葉集』 巻19-4146夜半に寝覚めると、川瀬を探して心も萎れるほどに哀しい千鳥の声が聞こえる。P
令和5年4月11日(火) 【旧 閏二月二一日 仏滅】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)夏いよよサンドバッグは歪みけり ~千原ジュニア(1974-)『プレバト!!』 2022年6月23日放送Photo:『プレバト!!』で「ガッツポーズ」の俳句をほめられてガッツポーズをする千原ジュニア。 19
令和5年4月10日(月) 【旧 閏二月二〇日 先負】・清明・鴻雁北(こうがんかえる)言繁き里に住まずは今朝鳴きし雁にたぐひて行かましものを ~但馬皇女(?-708)『万葉集』巻8-1515 雑歌噂話のうるさいこんな里には住んいないで、今朝鳴いていた雁と一緒に去ってしまいたい
令和5年4月9日(日) 【旧 閏二月一九日 友引】・清明・玄鳥至(つばめきたる)花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟のあと見ゆるまで ~後鳥羽院宮内卿 『新古今和歌集』 巻2-0128 春歌下桜の花を誘って散らす比良山の山風が吹いたのですね。漕いでゆく船の航跡が見えるほ
令和5年4月8日(土) 【旧 閏二月一八日 先勝】・清明・玄鳥至(つばめきたる)春の山屍を埋めて空しかり ~高浜虚子(1874-1959)Photo:ツバキ ~椿のおもてなし 明治から昭和にかけて活躍した俳人、高浜虚子が人生の幕を閉じたのは1959(昭和34)年4月8日。その虚子が最
令和5年4月7日(金) 【旧 閏二月一七日 赤口】・清明・玄鳥至(つばめきたる)散り散らず聞かまほしきをふるさとの花見て帰る人も逢はなむ ~伊勢(872?-938?)『拾遺和歌集』 巻1-0049 春歌散ったのかまだ散ってないのかお聞きしたいのですが、ふるさとの桜を見て帰ってく
令和5年4月6日(木) 【旧 閏二月一六日 大安】・清明・玄鳥至(つばめきたる)黄金のひかりのなかにクリムトの口吻ふ男ぬばたまの髪 ~山中智恵子(1925-2006)『夢之記』Photo:クリムト『接吻』(1908年) グスタフ・クリムト(1862-1918)はオーストリア帝国のバウムガル
令和5年4月5日(水) 【旧 閏二月一五日 仏滅】・清明・玄鳥至(つばめきたる)清明の天より届く鳥の羽 ~都筑智子(1931-)Photo:アマツバメ ~風の旅行社 今日は二十四節気の第5「清明(せいめい)」。語源は、万物が清らかで生き生きとした様子を表す「清浄明潔」という言